JP2012148295A - 高強度管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1対の孔型ロールと、その孔型ロールの間にマンドレルを備えたピルガー圧延により、引張降伏応力が700MPa以上の素管を、断面減少率が70%以上で冷間圧延する高強度管の製造方法であって、HRCで57〜61の硬度を有する低合金高速度鋼からなる孔型ロールを用いることを特徴とする。低合金高速度鋼は、質量%で、C:0.50〜0.75%、Si:0.02〜2.00%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:5.0〜6.0%、Mo:1.5〜4.0%、W:0.5〜2.0%、V:0.70〜1.25%およびAl:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するのが好ましい。
【選択図】図1
Description
「断面減少率」:冷間圧延における加工度を評価する際の指標として用いられ、断面減少率Rd(%)は素管の断面積S1(mm2)および冷間圧延後の管の断面積S2(mm2)から下記(1)式により算出することができる。
Rd=(1−S2/S1)×100 ・・・(1)
(1)高強度の素管を高加工度で冷間圧延する際に、所定の硬度を有する低合金高速度鋼からなる孔型ロールを用いることにより、孔型ロールの工具寿命を長寿命化することができる。
(2)このため、孔型ロールが早期に破損することによる工具コストの上昇および生産性の低下を抑制することができる。
Cは、硬さおよび耐摩耗性を与える主要な元素である。孔型ロールとして最低限必要な強度を確保するために、Cの含有量を0.50%以上にするのが好ましい。一方、Cの含有量が0.75%を超えると粗大な炭化物の形成を招き、結果として孔型ロールの靭性が低下するので、その含有量を0.75%以下とするのが好ましい。
Siは、脱酸剤として有効な元素であり、また、焼戻し軟化抵抗を高める元素としても有用である。ただし、Siが過剰になると、偏析を助長して靭性低下の原因となる。このため、Siの含有量の下限を0.02%、上限を2.00%とするのが好ましい。
Mnは、焼入れ性および硬さを確保するのに有効であり、鋼に不可避的に含まれるSが引き起こす熱間加工性の低下を抑制するのにも有効である。これらの作用を得るために、Mnの含有量を0.1%以上にするのが好ましい。一方、Mnの含有量が3.0%を超えると加工性の低下を招くことから、3.0%を上限とするのが好ましい。
Pは、靭性や耐熱亀裂性を低下させる元素であるから、なるべく低減することが好ましいが、不可避的に含有される。このため、Pの含有量を0.05%以下にするのが好ましい。
Sは、Pと同様に、靭性や耐熱亀裂性を低下させる元素であるから、なるべく低減することが好ましいが、不可避的に含有される。このため、Sの含有量を0.010%以下にするのが好ましい。
Crは、焼鈍し状態でCr系炭化物を主に形成するが、その炭化物は焼入れ処理時に鋼中に固溶する。Crの含有量が5.0%未満であると、十分な焼入れ性を確保することが困難であるため、下限を5.0%とするのが好ましい。一方、Crの含有量が多すぎるとCr系炭化物が残留し、熱処理硬さの安定性に悪影響を及ぼすから、上限を6.0%とするのが好ましい。
Moは、焼入れ焼戻し後に微細な炭化物として析出し、高温強度を高めるために有効な元素である。この高温強度を高める効果を得るため、Moの含有量を1.5%以上とするのが好ましい。一方、Moの含有量が4.0%を超えると、粗大な残留炭化物の形成をもたらし靱性を低下させることから、Moの含有量を4.0%以下とするのが好ましい。
Wは、Moと同様に、焼入れ焼戻し後に微細な炭化物として析出し、高温強度を高めるために有効な元素である。この高温強度を高める効果を得るため、Wの含有量を0.5%以上とするのが好ましい。一方、Wの含有量が2.0%を超えると、炭化物の析出量が増えて焼入れ温度で析出した炭化物が鋼中に固溶しないことから、Wの含有量を2.0%以下とするのが好ましい。
Vは硬質なMC型炭化物を形成し、それが焼入れ時に残留して鋼を強化し、耐摩耗性を向上させる元素である。Vの含有量が0.70%未満では、このような効果は十分に得られないことから、Vの含有量を0.70%以上とするのが好ましい。一方、Vを多量に配合すると、安定なMC型炭化物が鋼中に固溶しきれずに多量に残留することになり、靭性を損なう結果となる。そのため、Vの含有量の上限を1.25%とするのが好ましい。
Alは、脱酸剤として用いられる元素である。多量に添加すると酸化物(A12O3)系介在物として鋼中に残留し、靭性を著しく低下させる。このため、Alの含有量を0.1%以下とするのが好ましい。
本試験では、1対の孔型ロールと、その孔型ロールの間にマンドレルを備えたピルガー圧延により、素管を冷間圧延した。本試験に用いた孔型ロールは、低合金高速度鋼からなる鋼塊から製作した。表1に本試験に用いた低合金高速度鋼の化学組成を示す。
(1)低合金高速度鋼の鋼塊を熱間鍛造してロール用素材とし、
(2)加熱して焼入れ温度1100℃にした状態を1時間20分保持した後に油冷する焼入れをロール用素材に施し、
(3)加熱して焼戻し温度にした状態を4時間保持した後に空冷する焼戻しをロール用素材に施すことにより、ロール用素材を所望の硬度に調整し、
(4)ロール用素材を研削加工して外径300mm、幅130mmである孔型ロールを得た。
素管:外径34.0mm、肉厚4.0mm
冷間圧延後の管:外径15.3mm、肉厚1.3mm
圧延条件:断面減少率85%、圧延ワーキング長480mm、
ストロ−ク数160rpm、送り量:3.5mm、回転角:75°
ピルガー圧延により素管を冷間圧延する際に孔型ロールの工具寿命を評価した。孔型ロールの工具寿命は、孔型ロールにより圧延を開始してから孔型ロールが破損するまでに圧延された管の長さを測定することにより評価した。破損した孔型ロールを用いて圧延された管外面には特有の模様が現れるので、管外面を目視して孔型ロールの破損による模様を観察することにより孔型ロールの破損を判定した。
図1は、孔型ロールの硬度と工具寿命の関係を示す図である。同図から、孔型ロールの硬度がHRCで60程度までは、硬度の増加に伴い工具寿命が長くなり、硬度がHRCで60程度を越えると、硬度の増加に伴い工具寿命が短くなった。なお、条件AおよびCで工具寿命のデータが1点となっているのは、一対の孔型ロールの両方が同時に破損したことを示す。
(1)高強度の素管を高加工度で冷間圧延する際に、所定の硬度を有する低合金高速度鋼からなる孔型ロールを用いることにより、孔型ロールの工具寿命を長寿命化することができる。
(2)このため、孔型ロールが早期に破損することによる工具コストの上昇および生産性の低下を抑制することができる。
Claims (3)
- 1対の孔型ロールと、その孔型ロールの間にマンドレルを備えたピルガー圧延により、引張降伏応力が700MPa以上の素管を、断面減少率が70%以上で冷間圧延する高強度管の製造方法であって、
HRCで57〜61の硬度を有する低合金高速度鋼からなる孔型ロールを用いることを特徴とする高強度管の製造方法。 - 前記低合金高速度鋼が、質量%で、C:0.50〜0.75%、Si:0.02〜2.00%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:5.0〜6.0%、Mo:1.5〜4.0%、W:0.5〜2.0%、V:0.70〜1.25%およびAl:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有することを特徴とする請求項1に記載の高強度管の製造方法。
- 前記素管の材質が二相ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度管の製造方法。
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2011
- 2011-01-18 JP JP2011007673A patent/JP2012148295A/ja active Pending
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