JP5286220B2 - 機械構造用鋼およびその製造方法 - Google Patents
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(a)Cr:3%以下(0%を含まない)、
(b)Mo:1%以下(0%を含まない)、
(c)Nb:0.15%以下(0%を含まない)、
(d)Zr:0.02%以下(0%を含まない)、Hf:0.02%以下(0%を含まない)、Ta:0.02%以下(0%を含まない)、およびTi:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、
(e)V:0.5%以下(0%を含まない)、Cu:3%以下(0%を含まない)、およびNi:3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、
等を含有してもよい。
(a)Cr:3%以下(0%を含まない)、
(b)Mo:1%以下(0%を含まない)、
(c)Nb:0.15%以下(0%を含まない)、
(d)Zr:0.02%以下(0%を含まない)、Hf:0.02%以下(0%を含まない)、Ta:0.02%以下(0%を含まない)、およびTi:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、
(e)V:0.5%以下(0%を含まない)、Cu:3%以下(0%を含まない)、およびNi:3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、
等を含有してもよい。
上記成分組成を満足する鋼をいったん1100℃以上に加熱し、鋼中に含まれるAlNやBNなどの析出物を再固溶させる必要がある。即ち、Alを0.1%以上含有する鋼は、その製造条件によって、AlやB、Nの固溶状態と析出状態が大きく変化するため、本発明では、鋼を1100℃以上に加熱することで、鋼中に含まれるAlNとBNを鋼中に再固溶させる。
1100℃以上に加熱した後は、900〜1050℃の温度域で150秒以上保持することで、BNを析出させることができる。即ち、AlNの析出温度はおおよそ900℃未満、BNの析出温度はおおよそ1050℃以下であるため、900〜1050℃の温度域で保持することで、BNを選択的に析出させることができる。
900〜1050℃で保持してBNを析出させた後は、900〜700℃の温度域を通過する時間を短くすることで、AlNの析出を抑制すると共に、BNがAlNに変化するのを防止し、BNの析出量を確保できる。即ち、900〜700℃の温度域では、BNよりもAlNの方が熱力学的に安定なため、900〜1050℃の高温域でBNを選択的に析出させても、900〜700℃の低温域を通過する時間が長くなると、BNがAlNに変化し、BNの析出量が減少する。そのためBN/AlN比を上記範囲に制御することができない。従って本発明では、900℃から700℃までの低温域を冷却するときの平均冷却速度を0.05℃/秒以上とする。好ましくは0.1℃/秒以上、より好ましくは0.5℃/秒以上、更に好ましくは1℃/秒以上である。しかしこの温度域の平均冷却速度が大き過ぎると、マルテンサイトやベイナイト等の過冷組織が生成して被削性が却って低下する。従って900℃から700℃までの平均冷却速度は10℃/秒以下とする。好ましくは9.5℃/秒以下、より好ましくは8℃/秒以下、更に好ましくは5℃/秒以下、特に好ましくは3℃/秒以下である。
本発明では、上記成分組成を満足する鋼を1100℃以上に加熱した後、1000℃以上で熱間加工すると共に、900〜1050℃の温度域での保持時間を150秒以上としてもよい。1100℃以上に加熱してAlNとBNを再固溶させた後に、1000℃以上で熱間加工を施すことにより、鋼中に加工歪を導入することができ、この加工歪がBNの析出ポイントとなり、その後の冷却過程でBNがγ粒界よりもγ粒内に析出し易くなる。その結果、BNを旧γ粒内に析出させることができ、焼入れ焼戻し等の熱処理を行った後の衝撃特性を一層改善することができる。上記熱間加工は、1050℃以上で行うことがより好ましい。熱間加工温度の上限は、上記加熱温度よりも低ければよい。熱間加工は、例えば、熱間鍛造すればよい。
(a)板材 :厚さ30mm、幅155mm、長さ100mm
(b)丸棒材:φ80mm、長さ350mm
断続切削時の被削性を評価するために、エンドミル加工したときの工具摩耗量を測定した。エンドミル切削試験には、上記板材をスケール除去した後、表面を約2mm研削したものを試験片(被削材)として用いた。具体的には、マニシングセンタ主軸にエンドミル工具を取り付け、上記のようにして製造した厚さ25mm×幅150mm×長さ100mmの試験片をバイスにより固定し、乾式の切削雰囲気下でダウンカット加工を行った。詳細な加工条件を下記表3に示す。断続切削を200カット行った後、工具表面を光学顕微鏡下、100倍で観察して平均逃げ面摩耗量(工具摩耗量)Vbを測定した。結果を上記表2に示す。本発明では、断続切削後のVbが80μm以下のものを「断続切削時の被削性が優れる」と評価した。
連続切削時の被削性を評価するために、上記丸棒材(φ80mm×長さ350mm)をスケール除去した後、表面を約2mm研削したものを旋削試験片(被削材)として用い、外周旋削加工を行なった。外周旋削加工の条件は、下記の通りである。
(外周旋削加工条件)
工具 :超硬合金P10(JIS B4053)
切削速度:200m/min
送り :0.25mm/rev
切り込み:1.5mm
潤滑方式:乾式
熱処理後の衝撃特性を評価するために、冷却後の上記丸棒材から、幅12mm×幅12mm×長さ55mmのサンプルを切り出し、これを850℃に加熱した後、焼入れを行ない、次いで500℃で30分間焼戻して熱処理したものからJIS4号 Uノッチを切り出したものをシャルピー衝撃試験片とした。この試験片を用いてJIS Z2242に準じてシャルピー衝撃試験を行った。結果を上記表2に示す。
Claims (10)
- C :0.05〜0.8%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.03〜2%、
Mn:0.2〜1.8%、
Al:0.1〜0.5%、
B :0.0005〜0.008%、
N :0.002〜0.015%を含有し、
P :0.03%以下(0%を含まない)、
S :0.03%以下(0%を含まない)、
O :0.002%以下(0%を含まない)を満足し、
残部が鉄および不可避不純物からなる鋼であり、
鋼中に析出しているBNとAlNの質量比(BN/AlN)が0.020〜0.2であることを特徴とする機械構造用鋼。 - 鋼中に析出しているBNのうち、旧オーステナイト粒界に析出しているBNと旧オーステナイト粒内に析出しているBNの個数比(粒界BN/粒内BN)が0.50以下である請求項1に記載の機械構造用鋼。
- 更に他の元素として、
Cr:3%以下(0%を含まない)を含有する請求項1または2に記載の機械構造用鋼。 - 更に他の元素として、
Mo:1%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の機械構造用鋼。 - 更に他の元素として、
Nb:0.15%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の機械構造用鋼。 - 更に他の元素として、
Zr:0.02%以下(0%を含まない)、
Hf:0.02%以下(0%を含まない)、
Ta:0.02%以下(0%を含まない)、および
Ti:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の機械構造用鋼。 - 更に他の元素として、
V :0.5%以下(0%を含まない)、
Cu:3%以下(0%を含まない)、および
Ni:3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の機械構造用鋼。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の機械構造用鋼を製造する方法であって、
上記成分組成を満足する鋼を1100℃以上に加熱した後、
900〜1050℃の温度域で150秒以上保持し、
その後冷却するに際し900℃から700℃までの平均冷却速度を0.05〜10℃/秒とすることを特徴とする機械構造用鋼の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の機械構造用鋼を製造する方法であって、
上記成分組成を満足する鋼を1100℃以上に加熱した後、
1000℃以上で熱間加工すると共に、900〜1050℃の温度域での保持時間を150秒以上とし、
その後冷却するに際し900℃から700℃までの平均冷却速度を0.05〜10℃/秒とすることを特徴とする機械構造用鋼の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の機械構造用鋼を用いて得られた機械構造部品。
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