JP2012148247A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、得られる処理水の水質が向上する水処理装置を提供する。
【解決手段】金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、処理対象の水のフェントン反応を行うための少なくとも1つのフェントン反応槽と、フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部をフェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送する返送手段と、を有する水処理装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)の製造工場における水系分散体の製造工程では、着色成分等を含有する水が発生する。これらの水には、着色成分である顔料、染料や、界面活性剤等が含まれていることがあるため、固形分濃度とともに化学的酸素要求量(COD)が大きく、このままの状態で河川や下水道等に排出することはできない。このため、これらの水は、工場内の水処理施設にて処理された後に再利用されたり、外部に排出される。
特に、近年、トナーの製造方法として、従来の混練粉砕法に代わり、乳化重合法によるトナーを始め、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製法が開発され、実施されている。例えば乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を界面活性剤の存在下、水系溶媒中で撹拌、混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製する。
このようなトナーの製造の凝集工程等において、金属イオンと配位結合を形成するエチレンジアミンジコハク酸などの有機化合物(以下、「キレート化剤」と呼ぶ場合がある。)が用いられることがある。このため、トナーの製造工程で、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含むキレート化剤含有溶液が発生することがある。
通常、一般の水処理としては、凝集沈殿処理が利用される場合が多い。凝集沈殿処理とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)141〜153ページに記載されているように、水処理の分野において最も一般的に用いられている固液分離操作であり、広く用いられている。凝集沈殿処理は、原水に凝集剤を添加することによりフロック(凝集により生じた粗大粒子)を生じさせ、水とフロックとの比重差により、フロックを沈殿させて固液分離を行う処理方法である。こうして固体として分離されたフロックは、産業廃棄物の汚泥として処理され、固体を分離した水は、化学的酸素要求量を低減し、再利用されたり、河川や下水道等へ排出されている。
また、水中の有機物を分解する方法として、フェントン処理が知られている。フェントン処理は、過酸化水素と2価の鉄イオンとの反応により生成したヒドロキシラジカルにより、有機物を酸化分解する方法である。
例えば、特許文献1には、鉄化合物の循環使用を可能にして、少ない鉄化合物で効率よく有機性排水を処理することを目的とした、有機物を含む排水を鉄塩と過酸化水素を用いてフェントン処理する方法において、フェントン処理を行う反応槽内に電極を設けて、Fe3+を電気化学的に還元しつつフェントン処理を行い、フェントン処理した後に固液分離したFe3+を含む汚泥の少なくとも一部を、電極を設けた反応槽に戻す排水処理方法が記載されている。
特許文献2には、鉄化合物の循環使用を可能にして、少ない鉄化合物で効率よく有機性排水を処理することを目的とした、有機物を含む排水を鉄塩と過酸化水素を用いてフェントン処理する方法において、過酸化水素は2〜10の多段に分割してフェントン反応槽内に加えられ、かつフェントン反応槽内には電極を設けてFe3+を電気化学的に還元しつつフェントン処理を行い、フェントン処理した後に固液分離したFe3+を含む汚泥の少なくとも一部を、電極を設けたフェントン反応槽に戻す排水処理方法が記載されている。
特開2004−181329号公報 特開2004−181446号公報
本発明の目的は、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、得られる処理水の水質が向上する水処理装置および水処理方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、前記処理対象の水のフェントン反応を行うための少なくとも1つのフェントン反応槽と、前記フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部を前記フェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送する返送手段と、を有する水処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記フェントン反応の前の前記処理対象の水の温度を測定する処理対象水温度測定手段と、前記フェントン反応水の温度を測定するフェントン反応水温度測定手段と、測定された前記処理対象の水の温度と前記フェントン反応水の温度との温度差に基づいて、前記返送手段により返送されるフェントン反応水の返送量を制御する制御手段と、を有する、請求項1に記載の水処理装置である。
請求項3に係る発明は、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、少なくとも1つのフェントン反応槽において前記処理対象の水のフェントン反応を行うフェントン反応工程と、前記フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部を前記フェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送する返送工程と、を含む水処理方法である。
請求項4に係る発明は、前記フェントン反応の前の前記処理対象の水の温度を測定する処理対象水温度測定工程と、前記フェントン反応水の温度を測定するフェントン反応水温度測定工程と、を含み、測定された前記処理対象の水の温度と前記フェントン反応水の温度との温度差に基づいて、前記返送されるフェントン反応水の返送量を制御する、請求項3に記載の水処理方法である。
請求項1に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、得られる処理水の水質が向上する水処理装置を提供する。
請求項2に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、得られる処理水の水質が向上する水処理装置を提供する。
請求項3に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、得られる処理水の水質が向上する水処理方法を提供する。
請求項4に係る発明によると、本構成を有さない場合に比較して、得られる処理水の水質が向上する水処理方法を提供する。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
フェントン反応の効率化、特に添加する第一鉄イオンの再利用を目的として、フェントン反応で生成した汚泥を電気処理や還元剤添加処理して返送する方法が知られている。しかし、フェントン反応における酸化分解には処理対象の水の温度依存性があるため、処理対象の水の温度が低い場合には難処理成分の分解性が低下し、分解不十分な難処理成分や残留薬剤が後工程へ流出することで処理水の水質が低下し、後工程の処理負荷が増すことがある。処理対象の水の温度を高くするために、蒸気昇温や熱交換器などの昇温設備を用いて処理対象の水を昇温すると、設備投資やランニングコストの増加の要因となる。
本発明者らは、少なくとも1つのフェントン反応槽においてフェントン反応を行い、フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部をフェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送することで、フェントン反応による反応熱を利用して酸化分解を促進し、得られる処理水の水質が向上することを見出した。また、蒸気昇温や熱交換器などの昇温設備を用いる場合に比較すると、設備投資やランニングコストが抑制される。
図1には本実施形態に係る水処理を行うための水処理装置の一例の概略構成を示す。本実施形態に係る水処理装置1は、フェントン処理手段として、鉄イオン添加槽12と、フェントン反応槽としての第一フェントン反応槽14および第二フェントン反応槽16とを有する。鉄イオン添加槽12の前段側には、原水を貯留するための原水槽10を有してもよく、第二フェントン反応槽16の後段側には、pH調整手段としてのpH調整槽18、固液分離手段としての固液分離槽20を有してもよい。フェントン反応槽は、一槽で構成してもよく、二槽以上で構成してもよい。
水処理装置1において、原水槽10の入口には配管等が接続され、原水槽10の出口と鉄イオン添加槽12の入口、鉄イオン添加槽12の出口と第一フェントン反応槽14の入口、第一フェントン反応槽14の出口と第二フェントン反応槽16の入口、第二フェントン反応槽16の出口とpH調整槽18の入口、pH調整槽18の出口と固液分離槽20の入口はそれぞれ配管等により接続され、固液分離槽20の出口には配管等が接続されている。第二フェントン反応槽16の出口側の配管と第一フェントン反応槽14とは、返送手段としての返送配管22により接続されている。鉄イオン添加槽12には、処理対象水温度測定手段として温度計等の処理対象水温度測定装置24が、第二フェントン反応槽16には、フェントン反応水温度測定手段として温度計等のフェントン反応水温度測定装置26がそれぞれ設置されている。鉄イオン添加槽12、第一フェントン反応槽14、第二フェントン反応槽16およびpH調整槽18には撹拌手段として撹拌羽根等を有する撹拌装置が設置されてもよい。固液分離槽20の後段側に、凝集処理手段としての無機系凝集剤添加槽、高分子凝集剤添加槽および沈殿槽等を備える凝集処理装置、生物処理手段としての生物処理装置、活性炭吸着処理手段としての活性炭吸着処理装置等を有してもよい。
本実施形態に係る水処理装置1の動作および水処理方法を、図1を参照して説明する。
処理対象の水であるキレート化剤を含む原水は、原水槽10等から配管等を通して鉄イオン添加槽12へ送液される。鉄イオン添加槽12において、予め定めた量の第一鉄イオン触媒(2価の鉄塩)等の鉄イオン触媒が添加配管等を通して原水に添加される(鉄イオン添加工程)。必要に応じてpH調整剤が添加されて予め定めた範囲にpH調整されてもよい。第一鉄イオン触媒が添加された原水は、配管等を通して第一フェントン反応槽14へ送液される。第一フェントン反応槽14において、予め定めた量の過酸化水素が添加配管等を通して添加される。過酸化水素が添加されたフェントン反応水は、配管等を通して第一フェントン反応槽14から第二フェントン反応槽16へ送液される。第一フェントン反応槽14および第二フェントン反応槽16において、第一鉄イオン触媒および過酸化水素を用いてフェントン反応が行われる(フェントン反応工程)。フェントン反応工程において、第一鉄イオン(Fe2+)が過酸化水素と反応し、ヒドロキシラジカルが生成し、生成したヒドロキシラジカルにより、原水中のキレート化剤等の有機物が酸化分解される。
キレート化剤としては、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、金属イオンと配位結合を形成する酸基を2つ以上6つ以下有する有機化合物が挙げられる。酸基としては、カルボキシル基(−COOH基)、スルホ基(−SOH)、ホスホ基(−P(=O)(OH))等が挙げられる。このようなキレート化剤としては、例えば、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、ジカルボキシメチルグルタル酸テトラナトリウム塩(GLDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、L−グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸(HIDS)、L−アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸(ASDA)、メチルグリシジンジ酢酸(MGDA)、ヘプトグルコン酸(GH−NA)、タウリン−N,N−ジ酢酸等のアミノ多価カルボン酸化合物、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)等の多価ホスホン酸化合物等、あるいはそれらのナトリウム等のアルカリ金属塩、水和物等が挙げられる。キレート化剤は水溶性であることが好ましい。
鉄イオン添加槽12において、原水は酸等のpH調整剤により例えばpH2以上3以下の酸性に調整される。
鉄イオン触媒である2価の鉄塩としては、例えば、硫酸第一鉄、塩化第一鉄などが挙げられる。3価の鉄塩としては、例えば、硫酸第二鉄、塩化第二鉄などが挙げられる。
鉄塩の添加量は、例えば、処理対象の原水に対して250mg/L以上1,000mg/L以下の範囲である。過酸化水素の添加量は、例えば、処理対象の原水に対して2,500mg/L以上10,000mg/L以下の範囲である。
本実施形態において、処理対象である原水中のキレート化剤の量が、100mg/L以上1,000mg/L以下の範囲である場合に、本実施形態に係る水処理装置および水処理方法が好適に適用される。原水中のキレート化剤の量が100mg/L未満の場合は、過度の反応によりフェントン処理の後段の凝集処理における凝集沈殿性が悪くなる場合があり、1,000mg/Lを超えると、フェントン反応による分解が不足する場合がある。
フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部は、返送配管22等を通して第二フェントン反応槽16の出口側から第一フェントン反応槽14へ返送される(返送工程)。フェントン反応による反応熱を利用して第一フェントン反応槽14における酸化分解が促進される。フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部は、フェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送されればよい。例えば、図2に示すように、フェントン反応槽(図2の例の場合は第一フェントン反応槽14および第二フェントン反応槽16)の前段側である鉄イオン添加槽12へ返送されてもよいし、原水槽10へ返送されてもよいし、原水槽10と鉄イオン添加槽12とを接続する配管等へ返送されてもよいし、鉄イオン添加槽12と第一フェントン反応槽14とを接続する配管等へ返送されてもよい。また、例えば、図1に示すように、2つ以上のフェントン反応槽を有する場合の前段側のフェントン反応槽(図1の例の場合は第二フェントン反応槽16の前段側のフェントン反応槽である第一フェントン反応槽14)へ返送されてもよい。フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水を効率的に利用するためには、過酸化水素を添加するフェントン反応槽(図1の例の場合は第一フェントン反応槽14)へ返送することが好ましい。
本実施形態において、図1に示すように、鉄イオン添加槽12に設置された処理対象水温度測定装置24により、フェントン反応前の処理対象の水の温度を測定し(処理対象水温度測定工程)、第二フェントン反応槽16に設置されたフェントン反応水温度測定装置26により、フェントン反応水の温度を測定する(フェントン反応水温度測定工程)。そして、図示しない制御手段としての制御装置によって、処理対象水温度測定装置24により測定された処理対象の水の温度と、フェントン反応水温度測定装置26により測定されたフェントン反応水の温度との温度差に基づいて、返送されるフェントン反応水の返送量を制御することが好ましい。これにより、予め定めたフェントン反応の際の温度が予め定めた温度に制御され、より効率的にフェントン反応が行われる。なお、図2の例では、原水槽10に設置された処理対象水温度測定装置24により、フェントン反応前の処理対象の水の温度を測定し、第二フェントン反応槽16に設置されたフェントン反応水温度測定装置26により、フェントン反応水の温度を測定する。
例えば、フェントン反応前の処理対象水の温度(T1)とフェントン反応後のフェントン反応水の温度(T2)を測定し、フェントン処理流量に対する返送するフェントン反応水の流量の割合pとしたとき、T2−T1は7.4℃以下にすることが好ましく、このときのフェントン反応水の流量の割合pは10%以上50%以下の範囲が好ましく、15%以上30%以下の範囲がより好ましい。T2−T1が7.4℃を超える場合、適温で効率的なフェントン反応が生じる場合があるため、効果が低い場合がある。
また、返送するフェントン反応水の流量は、フェントン処理流量の0.1以上0.4以下であることが好ましく、0.15以上0.3以下であることがより好ましい。返送するフェントン反応水の流量がフェントン処理流量の0.1未満であると、処理対象水の温度が十分に上昇しない場合があり、0.4を超えると返送する間の槽(図1の第一フェントン反応槽14と第二フェントン反応槽16)の流量が増加し、フェントン反応時間が減少し、十分な温度上昇が得られず、フェントン反応が十分起こらない場合がある。
フェントン反応が行われたフェントン反応水の残りは、pH調整槽18へ送液され、pH調整槽18においてpH調整剤が添加されてpH調整されてもよい(pH調整工程)。例えばpH7以上10以下の範囲にpH調整されることにより、汚泥の凝集により後段側の固液分離工程における汚泥の分離性が向上する。また、pH調整剤が添加されてpH調整されることにより、フェントン反応水中の残留過酸化水素が還元処理される。
pH調整されたpH調整液は、固液分離槽20へ送液される。固液分離槽20において、フェントン処理によって生成した汚泥と処理水とに固液分離される(固液分離工程)。
固液分離手段としては、自然沈降による固液分離槽の他に、例えば、遠心分離やろ過等が挙げられる。
固液分離槽20において固液分離された処理水は、必要に応じて水処理装置1の後段側の凝集処理装置へ送液され、凝集剤が添加されてフロックを成長させ、凝集処理が行われる(凝集処理工程)。凝集処理装置は、凝集処理を行うことができるものであればよく、特に制限はない。例えば、凝集処理装置は、無機系凝集剤添加槽、高分子凝集剤添加槽、沈殿槽を備える。凝集処理は、例えば、無機系凝集剤添加槽における、処理水への無機系凝集剤の添加および凝集反応を行い、凝集物を得る無機系凝集剤添加工程(凝集反応工程)と、高分子凝集剤添加槽における、凝集反応した凝集反応液への高分子凝集剤の添加および凝集物からフロックを形成するフロック形成工程と、沈殿槽における、凝集沈殿によりフロックを含む汚泥スラリと分離液とに分離する固液分離工程と、を含む。なお、凝集沈殿処理の代わりに加圧浮上処理等による固液分離処理を行ってもよい。
凝集処理工程において凝集処理された凝集処理水は、再利用あるいは河川等に放流される。必要に応じて、凝集処理の後に、生物処理、活性炭吸着処理、砂ろ過処理等が行われてもよい。
例えば、沈殿槽において汚泥スラリと分離された分離液は、生物処理装置へ送液される。生物処理装置において分離液に対して生物処理が行われ、溶存有機物が除去される(生物処理工程)。生物処理では、例えば、生物処理槽で活性汚泥に生息するバクテリア等で溶存有機物が分解処理され、次の汚泥沈殿槽で自然沈降等により、活性汚泥と上澄み水に分離される。
生物処理装置において分離された上澄み水(生物処理水)は、活性炭吸着処理装置へ送液される。活性炭吸着処理装置において上澄み水に対して活性炭吸着処理が行われ、活性炭により上澄み水に含まれるCOD成分が主に吸着除去される(活性炭吸着処理工程)。
一方、沈殿槽において分離液と分離された汚泥スラリは、ポンプ等にて例えば汚泥濃縮装置等に送液される。汚泥濃縮装置において汚泥スラリは水分である汚泥分離液と固形分とに分離される(分離工程)。
本発明の実施の形態に係る水処理装置および水処理方法は、キレート化剤を含む水を処理対象とするが、特に、キレート化剤を使用する静電荷像現像用トナーの製造工程から排出される水の処理に好ましく適用され、乳化重合法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製造方法による製造工程から排出される水の処理により好ましく適用される。乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を水系溶媒中で撹拌、混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製する。乳化重合法は、トナーの原材料となる樹脂粒子の製造工程と、着色剤分散液、離型剤分散液等の分散液の製造工程と、静電荷像現像用トナーの製造工程とに大きく分けられる。以下に、それぞれについて例を挙げて説明する。
<静電荷像現像用トナー製造工程>
(樹脂粒子の製造工程)
樹脂粒子を生成するには、通常、重合性単量体と界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25質量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物にさらに残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子(樹脂粒子分散液)を生成させる。この樹脂粒子の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、樹脂粒子等の固形分を含有する樹脂粒子分散液、界面活性剤水溶液等が排出される。樹脂粒子が生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
前記重合性単量体の種類としては、遊離基開始剤と反応しうるものであれば特に制限はない。重合性単量体の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類等が挙げられ、これらの重合性単量体は重合されて、単独重合体あるいは共重合体とされる。
また、ポリエステル類、ポリウレタン類のような樹脂を界面活性剤とともに水系媒体中でせん断し、分散させてもよい。また、樹脂粒子として、アンモニア成分を含むものも用いられる。
樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤を使用すればよく、一般的にはアニオン系界面活性剤が、分散力が強く、樹脂粒子の分散に優れているため、好ましく用いられる。非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
遊離基開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド等が挙げられる。
本実施形態において、樹脂粒子の大きさは、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm以上1μm以下程度である。
(着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程)
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液や、界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液、界面活性剤水溶液等が排出される。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、などの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などが挙げられる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、着色剤分散液中の着色剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm以上0.5μm以下程度である。
また離型剤として働くワックスの種類としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;などが挙げられる。
また、離型剤分散液中の離型剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm以上0.5μm以下程度である。
界面活性剤としては、上記樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤と同様のものが挙げられる。
(トナーの製造工程)
上記調製法により得られた樹脂粒子は、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られた樹脂粒子と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、および必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、樹脂粒子のTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1時間以上8時間以下加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、樹脂粒子のTgまたはそれより高い温度、好ましくは樹脂粒子のTg+40℃、例えば約60℃以上約120℃以下に加熱して合体または融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
樹脂粒子は、通常トナーの結着樹脂として用いられ、トナーの固形分に対して75質量%以上98質量%以下程度トナー内に存在する。
着色剤は、通常トナー中に、着色に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して1質量%以上15質量%以下程度、好ましくは3質量%以上10質量%以下程度存在する。
離型剤として働くワックス類の好ましい量としては、トナーの固形分に対して、5質量%以上20質量%以下程度である。
必要に応じて使用される凝集剤は、融合に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.01質量%以上10質量%以下程度を用いればよい。使用する凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のアニオン系界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム等の塩類;等が挙げられるが、これらに限るものではない。好ましい凝集剤としては、硝酸等の窒素成分を有するものが挙げられる。
また、凝集体を生成する凝集工程等において、金属イオンと配位結合を形成する有機化合物(キレート化剤)が用いられることがある。
帯電制御剤は、帯電させるのに効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.1質量%以上5質量%以下で使用してもよい。適当な帯電制御剤としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物類、重硫酸塩類、シリカ等の帯電制御剤類、アルミニウム錯体のような陰帯電制御剤等が挙げられるが、これらに限るものではない。
その他必要に応じて添加剤として、無機粒子等を湿式添加してもよい。湿式添加する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等で水に分散して、シリカ等の無機粒子分散液として湿式添加してもよい。
本実施形態において使用される無機粒子の分散液中の大きさは、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、4nm以上150nm以下程度である。
以上のような樹脂粒子の製造工程、着色剤分散液の製造工程、離型剤分散液の製造工程、トナー製造工程等の製造工程(トナーの洗浄工程を含む)から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤、離型剤、無機粒子、トナー等の固形分を含有する界面活性剤水溶液、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、無機粒子分散液、トナー分散液、装置洗浄水等の界面活性剤含有液が排出される。また、凝集体を生成する凝集工程等において、キレート化剤を用いた場合に、この製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、キレート化剤含有溶液が発生することがある。これらの原水は原水槽等に集められ、上記水処理方法による処理が施される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(樹脂粒子分散液の調製)
スチレン 300質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
アクリル酸 10質量部
ドデカンチオール 10質量部
この溶液420質量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6質量部、およびアニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)10質量部とをイオン交換水550質量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌、混合しながら、過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂粒子分散液を得た。
樹脂粒子分散液で得られた樹脂粒子は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で樹脂粒子の体積平均粒径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ54℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ31,000であった。
(着色剤分散液の調製)
顔料 150質量部
アニオン系界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 20質量部
イオン交換水 400質量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調製した。なお、顔料は、イエロー用としてはC.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはC.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)をそれぞれ使用した。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP0190、融点85℃)50質量部
カチオン系界面活性剤(花王(株)製、サニゾールB50) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
(静電荷像現像用トナーの調製)
[凝集粒子の調製]
樹脂粒子分散液 200質量部
着色剤分散液 30質量部
離型剤分散液 70質量部
カチオン系界面活性剤(花王(株)製、サニゾールB50) 1.5質量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm)が形成されていることが確認された。凝集時に、キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA・4Na)(キレスト(株)製)1.5質量部を用いた。
[付着粒子の調製]
調製した上記凝集粒子の分散液に、上記樹脂粒子分散液を緩やかに60質量部追加した。なお、前記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cmであった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
その後、調製した上記付着粒子の分散液に、アニオン系界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)3質量部を追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用トナーを得た。
(処理対象水Aの組成)
処理対象水Aとは、上記静電荷像現像用トナーのようなトナー製造工程から排出される水であり、その中には、着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、樹脂粒子分散液、界面活性剤水溶液、キレート化剤含有溶液等が含まれる水である。処理対象水Aの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は1,600mg/Lであった。
アニオン系界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2.0質量%
樹脂粒子 2.0質量%
着色剤 2.0質量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0質量%
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(キレスト(株)製) 0.08質量%
水 92.92質量%
化学的酸素要求量(COD−Mn)は、JIS K 0102 17にて定められている方法で測定した。具体的には、試料に酸化剤を加え、一定の条件の下で反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表す試験方法である。なお、フェントン反応液を第一のフェントン反応槽に返送しない比較例に比較してCODが3%以上減量すれば効果ありとし、好ましくは10%以上である。これをCOD減量(%)で表した。
水中のキレート化剤(ここではEDTA)の含有量は、高速液体クロマトグラフ装置(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
<実施例1>
図1に示すような、鉄イオン添加槽の後段側に2つのフェントン反応槽を有する水処理装置を用いた。その第一のフェントン反応槽に過酸化水素を添加し、第二のフェントン反応槽出口から、処理流量の15%のフェントン反応水を第一のフェントン反応槽に返送して、以下の条件で処理対象水Aのフェントン処理を行った。
第一鉄イオン(FeSO・7HO):鉄分として600mg/L
過酸化水素(H):6,000mg/L
反応pH:2.5
反応時間:120分
反応温度:20℃(T1)
上記条件によりフェントン処理を行った結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.2℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は27.2℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが658mg/L、EDTAの残留量が5mg/Lとなった。
<実施例2>
処理流量の30%のフェントン反応水を第一のフェントン反応槽に返送する以外は、実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.3℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は27.4℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが651mg/L、EDTAの残留量が4mg/Lとなった。
<実施例3>
処理流量の30%のフェントン反応水を鉄イオン添加槽に返送する以外は、実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.1℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は27.3℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが653mg/L、EDTAの残留量が4mg/Lとなった。
<実施例4>
処理流量の10%のフェントン反応水を第一のフェントン反応槽に返送する以外は、実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.2℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は27.0℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが661mg/L、EDTAの残留量が6mg/Lとなった。
<実施例5>
処理流量の50%のフェントン反応水を第一のフェントン反応槽に返送する以外は、実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.5℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は26.5℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが714mg/L、EDTAの残留量が7mg/Lとなった。
<実施例6>
処理流量の5%のフェントン反応水を第一のフェントン反応槽に返送する以外は、実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は25.0℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は26.7℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが695mg/L、EDTAの残留量が7mg/Lとなった。
<比較例1>
フェントン反応液を第一のフェントン反応槽に返送しない以外は実施例1と同様にしてフェントン処理を行った。その結果、フェントン処理開始後120分において、第一のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度は24.9℃、第二のフェントン反応槽におけるフェントン反応水の温度(T2)は26.7℃となり、第二のフェントン反応槽出口のフェントン反応水は、COD−Mnが737mg/L、EDTAの残留量が7mg/Lとなった。
Figure 2012148247
実施例1〜6のように、少なくとも1つのフェントン反応槽においてフェントン反応を行い、フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部をフェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送することにより、比較例1に比べて、得られる処理水の水質が向上した。
1,3 水処理装置、10 原水槽、12 鉄イオン添加槽、14 第一フェントン反応槽、16 第二フェントン反応槽、18 pH調整槽、20 固液分離槽、22 返送配管、24 処理対象水温度測定装置、26 フェントン反応水温度測定装置。

Claims (4)

  1. 金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、
    前記処理対象の水のフェントン反応を行うための少なくとも1つのフェントン反応槽と、
    前記フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部を前記フェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送する返送手段と、
    を有することを特徴とする水処理装置。
  2. 前記フェントン反応の前の前記処理対象の水の温度を測定する処理対象水温度測定手段と、
    前記フェントン反応水の温度を測定するフェントン反応水温度測定手段と、
    測定された前記処理対象の水の温度と前記フェントン反応水の温度との温度差に基づいて、前記返送手段により返送されるフェントン反応水の返送量を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 金属イオンと配位結合を形成する有機化合物を含む水を処理対象とし、
    少なくとも1つのフェントン反応槽において前記処理対象の水のフェントン反応を行うフェントン反応工程と、
    前記フェントン反応による反応熱で昇温したフェントン反応水の少なくとも一部を前記フェントン反応槽の前段側または前段側のフェントン反応槽に返送する返送工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  4. 前記フェントン反応の前の前記処理対象の水の温度を測定する処理対象水温度測定工程と、
    前記フェントン反応水の温度を測定するフェントン反応水温度測定工程と、
    を含み、
    測定された前記処理対象の水の温度と前記フェントン反応水の温度との温度差に基づいて、前記返送されるフェントン反応水の返送量を制御することを特徴とする、請求項3に記載の水処理方法。
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WO2014191972A1 (pt) * 2013-05-31 2014-12-04 Adventech - Advanced Environmental Technologies, Lda. Sistema e método para tratamento de efluentes
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