JP2006181549A - 排水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真用トナー等の製造工場における水系分散体の製造工程から排出される、固形分を含む排水の処理を効率的に行い、汚泥の発生量を削減する。
【解決手段】界面活性剤及び着色剤を含む水系分散体を製造する工程から排出される、固形分を含む排水を処理対象とする排水処理方法であって、前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行う排水処理方法である。
【選択図】図1
【解決手段】界面活性剤及び着色剤を含む水系分散体を製造する工程から排出される、固形分を含む排水を処理対象とする排水処理方法であって、前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行う排水処理方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、界面活性剤及び着色剤等を含む水系分散体を製造する工程から排出される、固形分を含む排水を処理対象とする排水処理方法に関する。
水性塗料、インクジェットプリンタ用インク、電子写真用トナー等の製造工場における水系分散体の製造工程では、着色剤分散液等を含有する排水が発生する。これらの排水には、着色剤成分である顔料等の他に、顔料等の分散性を上げるために界面活性剤が含まれているため、固形分濃度とともに化学的酸素要求量が大きく、このままの状態で河川や下水道等に排出することはできない。このため、これらの排水は、工場内の排水処理施設にて処理された後に外部に排出される。
特に、近年、電子写真用トナーの製造方法として、従来の混練粉砕法に代わり、乳化重合法によるトナーを始め、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製法が開発され、実施されている。例えば乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を界面活性剤の存在下、水系溶媒中で撹拌・混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製するが、この過程で界面活性剤水溶液や、顔料分散液、離型剤分散液、エマルション水溶液等、固形分を含有する排水が発生する。
通常、一般の排水処理としては、凝集沈殿処理が利用される場合が多い。凝集沈殿処理とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)141〜153ページに記載されているように、排水処理の分野において最も一般的に用いられている固液分離操作であり、広く用いられている。凝集沈殿処理は、排水に凝集剤を添加することによりフロック(凝集により生じた粗大粒子)を生じさせ、水とフロックとの比重差により、フロックを沈殿させ固液分離を行う処理方法である。こうして固体として分離されたフロックは、産業廃棄物の汚泥として処理され、固体を分離した水は、化学的酸素要求量が低減し、河川や下水道等へ排出されている。これらの固液分離した後の汚泥は、そのまま加圧ろ過脱水装置にて脱水処理される場合が多い。加圧ろ過脱水装置とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)182ページにも記載されているように、排水処理の分野において最も一般的に用いられている脱水装置である。
特許文献1では、有機汚染物質含有排水を固液分離する排水処理方法において、発生した汚泥の一部を、被処理原水側に戻して循環することにより、汚泥の最終処理が容易な排水処理方法が開示されている。また、特許文献2では、エマルション排水の処理に、加圧浮上分離を行う方法が開示されている。
しかし、実際のトナー製造工場等から発生する排水の固形分や化学的酸素要求量は工程によりばらつきが大きく、固形分濃度あるいは化学的酸素要求量が低い排水の処理に特許文献1に記載の方法を用いると、凝集剤の添加により形成されるフロックが少ないため、汚泥が沈降しにくく、固形分あるいは化学的酸素要求量が下がらないという問題を生じてしまう。
また、特許文献2に記載の方法は、エマルション排水の処理は可能であるが、トナー製造工場から発生する全ての種類の排水にそのまま適用することはできない。
また、例えば、電子写真用トナーの乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法等の化学的トナー製法による製造工程から発生する、界面活性剤、着色剤、離型剤、その他多成分を含有する排水の凝集沈殿処理では、フロックの沈殿槽等における沈降性が悪く、特に、固形分濃度あるいは化学的酸素要求量が低い排水の固液分離に際し非常に長時間の沈降処理が要求される。さらに、排水中に含まれる少量の固形分を凝集沈殿処理するために、多量の凝集剤を使用すると、産業廃棄物として処理する汚泥が多量に発生するという問題がある。
本発明は、水性塗料、インクジェットプリンタ用インク、電子写真用トナー等の製造工場における水系分散体の製造工程から排出される、固形分を含む排水の処理を効率的に行い、汚泥の発生量を削減することができる排水処理方法である。
本発明は、界面活性剤及び着色剤を含む水系分散体を製造する工程から排出される、固形分を含む排水を処理対象とする排水処理方法であって、前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行う。
本発明によれば、水性塗料、インクジェットプリンタ用インク、電子写真用トナー等の製造工場における水系分散体の製造工程から排出される、固形分を含む排水の処理において、前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行うことにより、処理を効率的に行うことができ、汚泥の発生量を削減することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。ここでは、電子写真用トナー製造工程を例にして、本発明の実施の形態に係る排水処理方法を説明する。
本発明者らが検討した結果によれば、トナー製造工程から排出される、界面活性剤水溶液や、顔料分散液、離型剤分散液、エマルション水溶液等の排液において、全排水量に対して50〜70重量%を占める固形分濃度が低い排水、例えば、界面活性剤水溶液を含有する排水と、固形分濃度が高い排水とを混合すると、界面活性剤の作用により、凝集沈殿処理における沈降時間が長くなり、また、凝集沈殿させるために使用する無機凝集剤、例えば塩化第二鉄等の添加量が増加し、その結果、凝集沈殿物の量、つまり産業廃棄物として処理する汚泥が多量に発生する。これは、無機凝集剤として使用している塩化第二鉄等の無機塩の一定量が、排水中に含まれる界面活性剤と電荷中和反応し、凝集剤としての作用を阻害しているためであると考えられる。また、固形分濃度が低い排水に対して凝集沈殿処理を行う場合でも、一定量の凝集剤が常に必要であるが、そのような固形分濃度が低い排水が全排水量に対して50〜70重量%を占めるため、多量の凝集剤を使用する結果となっていた。
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、トナー製造工程等から発生する、固形分を含む排水の処理において、前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行うことにより、処理を効率的に行うことができ、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を削減することができることを見出した。
[排水処理方法]
本実施形態に係る排水処理方法においては、トナー製造工程等から排出される固形分含有排水は、排水の性状に基づいて少なくとも2つに分けられ、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理が行われる。そして、各排水は各排水処理が行われた後、河川等に放流される。
本実施形態に係る排水処理方法においては、トナー製造工程等から排出される固形分含有排水は、排水の性状に基づいて少なくとも2つに分けられ、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理が行われる。そして、各排水は各排水処理が行われた後、河川等に放流される。
排水を分ける基準として用いられる排水の性状としては、例えば、固形分濃度(SS)、化学的酸素要求量(COD)、生物化学的酸素要求量(BOD)、全有機炭素(TOC)、全酸素消費量(TOD)、pH値、着色度(吸光度)等が挙げられるが、比較的容易に測定できる、固形分濃度(SS)、化学的酸素要求量(COD)を基準として用いることが好ましく、分析が容易であることから固形分濃度を基準として用いることがより好ましい。また、上記排水の性状のうちの複数、例えば、固形分濃度及び化学的酸素要求量(COD)の両方を基準として用いてもよく、その場合、用いる基準に優先順位を決めて、排水を分けてもよい。
排水を分ける基準として用いる排水の性状について、基準値を予め設定し、その予め設定した基準値以下もしくは未満の排水と、その予め設定した基準値を超えるもしくは以上の排水と、に分ける。また、基準値は2つ以上設定してもよく、例えば、基準値として第1の基準と、それより高い第2の基準との2つを設定した場合は、第1の基準値以下もしくは未満の排水と;第1の基準値を超えるもしくは以上であり、第2の基準値以下もしくは未満の排水と;第2の基準値を超えるもしくは以上の排水と;に分ければよい。そして、そのように分けた排水それぞれについて、それぞれの排水の性状に応じた処理方法により排水処理を行う。
排水を分ける基準として固形分濃度を用いる場合、例えば、第1の基準を排水中の固形分1mg/L、第2の基準を固形分100mg/Lとし、固形分1mg/L未満の排水と、固形分1mg/L以上100mg/L以下の排水と、固形分100mg/Lを超える排水と、に分け、それぞれについて、それぞれの排水の性状に応じた処理方法により排水処理を行う。この場合、第1の基準として、河川の汚染状況の現状値から見た排水処理基準である固形分1mg/L以下の値を設定することが好ましい。
排水を分ける基準として化学的酸素要求量(COD)を用いる場合、例えば、第1の基準を排水中のCOD:1mg/L、第2の基準をCOD:100mg/Lとし、COD:1mg/L未満の排水と、COD:1mg/L以上100mg/L以下の排水と、COD:100mg/Lを超える排水と、に分け、それぞれについて、それぞれの排水の性状に応じた処理方法により排水処理を行う。この場合、第1の基準として、河川の汚染状況の現状値から見た排水処理基準であるCOD:1mg/L以下の値を設定することが好ましい。なお、トナー製造工程等から発生する排水の化学的酸素要求量は、排水中の固形分の分離、例えば凝集沈殿処理により大幅に低減されることが実験により分かっている。
排水の性状によって分けられた排水は、排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理が行われるが、行われる排水処理としては、凝集沈殿処理や加圧浮上処理等の凝集処理、pH調整処理、活性炭処理、膜分離処理、生物処理法等が挙げられる。
例えば、上記基準値以下もしくは未満の排水と、上記基準値を超えるもしくは以上の排水と、に分け、上記基準値以下もしくは未満の排水に対しては、pH調整処理及び活性炭処理、または膜分離処理を行い、上記基準値を超えるもしくは以上の排水に対しては、凝集処理を行う。また、基準値として第1の基準と、それより高い第2の基準との2つを設定した場合は、例えば、第1の基準値以下もしくは未満の排水に対しては処理は行わずにそのまま河川等に放流し、第1の基準値を超えるもしくは以上であり、第2の基準値以下もしくは未満の排水に対しては、pH調整処理及び活性炭処理、または膜分離処理を行い、第2の基準値を超えるもしくは以上の排水に対しては、凝集処理を行う。
排水を分ける基準として固形分濃度を用いる場合、例えば、第1の基準を排水中の固形分1mg/L、第2の基準を100mg/Lとし、固形分1mg/L未満の排水に対しては、処理は行わずにそのまま河川等に放流し、固形分1mg/L以上100mg/L以下の排水に対しては、pH調整処理及び活性炭処理を行い、固形分100mg/Lを超える排水に対しては、凝集処理を行う。
排水を分ける基準として化学的酸素要求量(COD)を用いる場合、例えば、第1の基準を排水中のCOD:1mg/L、第2の基準をCOD:100mg/Lとし、COD:1mg/L未満の排水に対しては、処理は行わずにそのまま河川等に放流し、COD:1mg/L以上100mg/L以下の排水に対しては、膜分離処理を行い、COD:100mg/Lを超える排水に対しては、凝集処理を行う。
本実施形態に係る排水処理方法を、排水を分ける基準として固形分濃度を用い、第1の基準及び第2の基準を設定し、第1の基準未満の排水に対しては、処理は行わずにそのまま河川等に放流し、第1の基準以上で第2の基準以下の排水に対しては、pH調整処理及び活性炭処理を行い、第2の基準を超える排水に対しては、凝集沈殿処理を行う例について、図面を用いて以下に具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
図1,2には本実施形態に係る排水処理方法を行うための排水処理装置の一例の概略図を示す。また、図3には、従来の排水処理方法を行うための排水処理装置の概略図を示す。
本実施形態に係る排水処理装置の一例である排水処理装置1は、図1に示すように、原水槽10と、反応槽12と、凝集槽14と、凝集沈殿槽16と、生物処理槽18と、活性炭ろ過吸着装置20と、pH調整槽22と、活性炭ろ過吸着装置24と、脱水装置26とを含んで構成される。
排水処理装置1において、原水槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16、生物処理槽18及び活性炭ろ過吸着装置20の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、pH調整槽22と活性炭ろ過吸着装置24の入口と出口とが配管等を介して接続され、活性炭ろ過吸着装置24の出口は配管等を介して原水槽10の入口に接続されている。また、脱水装置26の入口は、凝集沈殿槽16の出口に配管等を介して接続されている。
また、本実施形態に係る排水処理装置の別の例である排水処理装置3は、図2に示すように、原水槽10と、反応槽12と、凝集槽14と、凝集沈殿槽16と、生物処理槽18と、活性炭ろ過吸着装置20と、脱水装置26と、膜分離装置28とを含んで構成される。図2の排水処理装置3は、図1の排水処理装置1におけるpH調整槽22及び活性炭ろ過吸着装置24の代わりに、膜分離装置28を有する。
排水処理装置3において、原水槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16、生物処理槽18及び活性炭ろ過吸着装置20の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、膜分離装置28の出口は配管等を介して原水槽10の入口に接続されている。また、脱水装置26の入口は、凝集沈殿槽16の出口に配管等を介して接続されている。
また、従来の排水処理装置5は、図3に示すように、原水槽10と、反応槽12と、凝集槽14と、凝集沈殿槽16と、生物処理槽18と、活性炭ろ過吸着装置20と、脱水装置26とを含んで構成される。図3の従来の排水処理装置5は、図1の排水処理装置1におけるpH調整槽22及び活性炭ろ過吸着装置24を有さない。
排水処理装置5において、原水槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16、生物処理槽18及び活性炭ろ過吸着装置20の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、脱水装置26の入口は、凝集沈殿槽16の出口に配管等を介して接続されている。
本実施形態に係る排水処理方法を図1を参照して説明する。本実施形態に係る排水処理方法においては、トナー製造工程から排出された排水は、固形分濃度に応じて固形分1mg/L未満の排水と、固形分1mg/L以上100mg/L以下の排水と、固形分100mg/Lを超える排水と、に排水経路が分離される。トナーの各工程おいて排出される排水の固形分濃度が予めおおよそわかっている場合には、各工程の各設備から排水処理装置1の各槽(例えば、原水槽10あるいはpH調整槽22)への配管を排水の固形分濃度に応じて設置すればよい。また、各工程の各設備から排水処理装置1の各槽(例えば、原水槽10あるいはpH調整槽22)のいずれにも配管を設置して、排水の固形分濃度に応じて排水経路を切り替えられるようにしてもよい。また、同じ工程でも固形分濃度が低いときと高いときがある場合、例えば、ろ過工程において最初のろ液部分とろ過物の洗浄の洗浄液とで固形分濃度が異なる場合、には排水の固形分濃度に応じて排水経路を切り替えられるようにしてもよい。
トナー製造工程から排出され、排水経路が分離された固形分1mg/L未満の排水は、そのまま河川等に放流される。また、固形分1mg/L未満の排水は、工業用水等としてそのまま再利用してもよい。
トナー製造工程から排出され、排水経路が分離された固形分1mg/L以上100mg/L以下の排水に対しては、まずpH調整が行われ、その後、必要に応じて活性炭ろ過による処理が行われる。pH調整処理では、まず排水が必要に応じて貯槽(図示せず)に蓄えられ、そこからポンプ等にて加圧された排水がpH調整槽22に送液され、ポンプ等にて送液される水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリまたは塩酸、硫酸等の酸により所定のpH(通常、pH=5.8〜8.6、好ましくはpH=6〜8)に調整される。トナー製造工程から排出される排水は、通常pHは10付近であり、濃塩酸によりpH7付近に調整される。
pH調整された排水は、通常は、ポンプ等により活性炭ろ過吸着装置24に送液され、そこで活性炭によるろ過が行われ、固形分が除去され、ろ液である処理水は河川等に放流される。ろ液の一部は逆洗水として活性炭の洗浄等に用いられ、洗浄液である逆洗排水は原水槽10へ送液されてもよい。
また、固形分1mg/L以上100mg/L以下の排水に対しては、pH調整処理及び活性炭処理の代わりに、図2に示すように限外ろ過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)、精密ろ過膜(MF膜)等による膜分離装置28を使用して膜分離処理が行われてもよい。これにより少量の固形分を低減することができる。膜分離処理が行われた処理水は河川等に放流される。また、膜分離における濃縮水は、原水槽10へ送液されてもよい。膜分離処理は、処理水のリサイクル利用をする場合には特に有効である。
トナー製造工程から排出され、排水経路が分離された固形分100mg/Lを超える排水に対しては、凝集沈殿処理が行われる。凝集沈殿処理は、反応槽12における、排水への凝集剤の添加及び凝集反応を行う反応工程と;凝集槽14における、反応工程で凝集反応した凝集物からフロックを形成するフロック形成工程と;凝集沈殿槽16における、フロックと処理水とに分離する分離工程と;を含む。
まず、固形分100mg/Lを超える排水は、原水槽10に一時的に貯留された後、反応槽12において撹拌羽根等の撹拌手段により急速撹拌されながらポンプ等により凝集剤が添加され、凝集反応が行われる(反応工程)。その後、凝集反応が行われた反応液は、凝集槽14に送液される。
この反応工程で使用される凝集剤としては、無機系凝集剤、有機系凝集剤を用いることができる。無機系凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム等が用いられ、安価であること、凝集性が良好であること等から、塩化第二鉄が用いられることが好ましい。但し、無機系凝集剤は、必ずしもこれらに限定されるわけではない。
また、有機系凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系等のアニオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系等のカチオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等のノニオン性高分子凝集剤;アクリル酸ジメチルアミノエチル系等の両性高分子凝集剤を使用することができる。凝集性が良好であること等から、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤を使用することが好ましく、ポリアクリルアミド系のカチオン性高分子凝集剤、アクリル酸ジメチルアミノエチル系の両性高分子凝集剤を使用することがより好ましい。また、凝集剤としては、上記各無機系凝集剤、各有機系凝集剤をそれぞれ組み合わせて使用してもよい。
無機系凝集剤の添加量は、処理する排水に対して500mg/L〜5000mg/Lの範囲の濃度であることが好ましく、1000mg/L〜3000mg/Lの範囲の濃度であることがより好ましい。添加量が500mg/Lより少ないと、凝集効果が少なく発生する汚泥の含水率が高くなる場合があり、5000mg/Lより多いと、発生する汚泥量が増加して次工程での分離が困難となる場合がある。
また、有機系凝集剤の添加量としては、処理する排水に対して50mg/L〜500mg/Lの範囲の濃度であることが好ましく、50mg/L〜300mg/Lの範囲の濃度であることがより好ましい。添加量が50mg/Lより少ないと、凝集効果が少なく発生する汚泥の含水率が高くなる場合があり、500mg/Lより多いと、発生する汚泥量が増加して次工程での分離が困難となる場合がある。
反応工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって急速撹拌することにより凝集反応が行われるが、撹拌速度は、100rpm〜500rpmの範囲であることが好ましい。撹拌速度が100rpmより小さいと、凝集反応が十分に行われず、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成された凝集物が再び細かくなってしまう場合がある。
次に、凝集槽14において、反応槽12から移送された反応液に対して撹拌羽根等の撹拌手段により緩速撹拌が行われ、排水中の懸濁物質が凝集したフロックが形成される(フロック形成工程)。このフロック中には、主に、顔料や離型剤等が含まれている。フロックは、緩速撹拌されることにより成長する。なお、反応槽12と凝集槽14とを一体化した槽を使用して、1つの槽内で反応工程と、フロック形成工程とが行われてもよい。
フロック形成工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって撹拌することによりフロックを成長させるが、撹拌速度は、60rpm〜500rpmの範囲であることが好ましく、100rpm〜300rpmの範囲であることがより好ましい。撹拌速度が60rpmより小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成されたフロックが再び細かくなってしまう場合がある。
フロック形成工程において、通常排水は凝集槽14に連続的に流入され、フロック形成された処理液は連続的に凝集沈殿槽16へ送液される。このとき、凝集槽14における滞留時間としては、5分〜20分の範囲であることが好ましく、10分〜15分の範囲であることがより好ましい。滞留時間が5分より小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、20分より大きいと、処理効率が低下するため好ましくない。また、排水は凝集槽14においてバッチ式で凝集処理が行われてもよい。この場合、処理時間は5分〜15分の範囲であることが好ましく、5分〜10分の範囲であることがより好ましい。
凝集工程における処理する排水の温度としては、通常、10℃〜30℃の範囲で行われ、好ましくは、15℃〜25℃の範囲で行われる。
次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液は、凝集沈殿槽16に送液される。凝集沈殿槽16に送液された処理液は、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離される(分離工程)。なお、分離工程において、凝集沈殿処理の代わりに加圧浮上処理、生物処理等を行ってもよい。
凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽18に送液されて生物処理が行われ、さらに必要に応じて活性炭ろ過吸着装置20へ送液され、そこで活性炭によるろ過が行われ、残留した固形分が除去され、ろ液である処理水は河川等に放流される。また、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、フィルタプレス等の脱水装置26による脱水処理工程を経て、産業廃棄物の汚泥として処理される。
生物処理としては、活性汚泥法等の生物処理方法を用いることができる。
脱水装置26としては、フィルタプレス、加圧ろ過、加圧浮上、真空ろ過等が挙げられるが、通常は、フィルタプレスが用いられる。発生する汚泥の量を減らすことができること、処理時間を短縮することができること、凝集工程にて使用する凝集剤の量を減らすことができること、装置のメンテナンス性等の点から脱水工程の前に遠心分離装置を使用した遠心濃縮により脱水してもよい。
図3に示す排水処理装置を使用する従来の排水処理方法では、トナー製造工程から排出される固形分含有排水は、排水の性状に関わらず排水処理が行われる。したがって、全排水量に対して50〜70重量%を占める固形分濃度が低い排水と、固形分濃度が高い排水とが混合され、凝集沈殿処理における沈降時間が長くなり、また、凝集沈殿させるために使用する凝集剤の添加量が増加し、その結果、汚泥が多量に発生する。これに比べて、本実施形態に係る排水処理方法では、排水の性状に基づいて排水を分けて、排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行うことにより、処理を効率的に行うことができ、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を削減することができる。
本発明の実施の形態に係る排水処理方法は、乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製造方法による製造工程、特に、界面活性剤を多量に使用する乳化重合法によるトナーの製造工程から排出される排水の処理に好ましく適用可能である。乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を水系溶媒中で撹拌・混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製する。乳化重合法は、トナーの原材料となるラテックスポリマの製造工程と、着色剤、離型剤等の分散液の製造工程と、現像用トナーの製造工程と、に大きく分けられる。以下に、それぞれについて例を挙げ説明する。
[ラテックスポリマの製造工程]
ラテックスポリマを生成するには、通常モノマと界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。モノマエマルションが生成したら、該モノマエマルションの好ましくは25重量%以下(すなわち、少量のモノマエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物に更に残りのモノマエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、ラテックスポリマ(エマルション分散液)を生成させる。このラテックスポリマの製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤等の固形分を含有するエマルション分散液等が排出される。ラテックスポリマが生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
ラテックスポリマを生成するには、通常モノマと界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。モノマエマルションが生成したら、該モノマエマルションの好ましくは25重量%以下(すなわち、少量のモノマエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物に更に残りのモノマエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、ラテックスポリマ(エマルション分散液)を生成させる。このラテックスポリマの製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤等の固形分を含有するエマルション分散液等が排出される。ラテックスポリマが生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
前記モノマの種類としては、遊離基開始剤と反応しうるものであれば特に制限はない。モノマの具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体等を挙げることができる。
また、自己乳化性を持つポリエステル、ポリウレタンのような樹脂を界面活性剤とともに水系媒体中でせん断し、分散させても良い。また、ラテックスポリマとして、アンモニア成分を含むものも用いられる。
ラテックスポリマの製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤を使用できるが、一般的にはアニオン系界面活性剤が、分散力が強く、樹脂粒子の分散に優れているため、好ましい。非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
遊離基開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類;2,2'-アゾビスプロパン、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスプロパン、1,1'−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2'−アゾビスイソブタン、2,2'−アゾビスイソブチルアミド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスブタン、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1'−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2'−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1'−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1'−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1'−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1'−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4'−アゾビス-4-シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2'−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
本実施形態において、ラテックスポリマの大きさは、レーザ回折式粒度分布測定機等で測定することができ、例えば、マイクロトラック(日機装社製)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜1μm程度である。
[着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程]
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液;界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液;等が排出される。
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液;界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液;等が排出される。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、などの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを挙げることができる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、着色剤分散液中の着色剤の大きさは、例えば、上記マイクロトラックで測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
また離型剤として働くワックスの種類としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;などが挙げられる。
また、離型剤分散液中の離型剤の大きさは、例えば、上記マイクロトラックで測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
界面活性剤としては、上記ラテックスポリマの製造に使用される界面活性剤と同様のものが挙げられる。
[現像用トナーの製造工程]
上記調製法により得られたラテックスポリマは、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られたラテックスポリマと、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、及び必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物をラテックスポリマのガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、ラテックスポリマのTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、ラテックスポリマのTg又はそれより高い温度、好ましくはラテックスポリマのTg+40℃、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
上記調製法により得られたラテックスポリマは、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られたラテックスポリマと、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、及び必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物をラテックスポリマのガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、ラテックスポリマのTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、ラテックスポリマのTg又はそれより高い温度、好ましくはラテックスポリマのTg+40℃、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
ラテックスポリマは、通常トナーの結着樹脂として用いられ、トナーの固形分に対して75〜98重量%程度トナー内に存在する。
着色剤は、通常トナー中に、着色に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して1〜15重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度存在する。
離型剤として働くワックス類の好ましい量としては、トナーの固形分に対して、5〜20重量%程度である。
必要に応じて使用される凝集剤は、融合に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.01〜10重量%程度を用いることができる。使用する凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のアニオン性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム等の塩類;等が挙げられるが、これらに限るものではない。好ましい凝集剤としては、硝酸等の窒素成分を有するものが挙げられる。
必要に応じて使用される帯電制御剤は、帯電させるのに効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.1〜5重量%を使用しても良い。適当な帯電制御剤としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物類、重硫酸塩類、シリカ等の帯電制御剤類、アルミニウム錯体のような陰帯電制御剤等が挙げられるが、これらに限るものではない。
その他必要に応じて添加剤として、無機微粒子等を湿式添加してもよい。湿式添加する無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等で水に分散して、シリカ等の無機微粒子分散液として湿式添加することができる。
以上のようなラテックスポリマの製造工程、着色剤分散液の製造工程、離型剤分散液の製造工程、トナー製造工程等の製造工程(トナーの洗浄工程を含む)から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤、離型剤、無機微粒子、トナー等の固形分を含有するエマルション分散液、顔料分散液、離型剤分散液、無機微粒子分散液、トナー分散液等が、排出される。その中で、固形分濃度が100mg/L以下である排水の排水量割合は、全体の50〜70重量%を占める。本実施形態に係る排水処理方法は、以上のような乳化重合法等の化学的トナー製造方法による電子写真用トナーの製造工程から排出される固形分含有排水の処理に適用されることが好ましい。
以上の本発明の実施形態の説明において、電子写真用トナーの製造工程を例としたが、本実施形態に係る排水処理方法は、水性塗料、インクジェットプリンタ用インク等の水系分散体の製造工場等の製造工程において排出される界面活性剤含有排水に対しても、適用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<静電荷現像用トナーの製造例>
以下に、本実施例及び比較例における排水処理が施される排水が排出される、静電荷現像用トナーの製造例を示す。
以下に、本実施例及び比較例における排水処理が施される排水が排出される、静電荷現像用トナーの製造例を示す。
[エマルション分散液の調製]
スチレン 320重量部
n−ブチルアクリレート 80重量部
アクリル酸 10重量部
ドデカンチオール 10重量部
この溶液420重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部とをイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、エマルション分散液を得た。
スチレン 320重量部
n−ブチルアクリレート 80重量部
アクリル酸 10重量部
ドデカンチオール 10重量部
この溶液420重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部とをイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、エマルション分散液を得た。
エマルション分散液で得られたラテックスポリマは、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ54℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ3万3千であった。
[着色剤分散液の調製]
顔料 150重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 20重量部
イオン交換水 400重量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調整した。なお、顔料は、イエロー用としてはピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)、をそれぞれ使用した。
顔料 150重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 20重量部
イオン交換水 400重量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調整した。なお、顔料は、イエロー用としてはピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)、をそれぞれ使用した。
[離型剤分散液の調製]
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃) 50重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃) 50重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
[凝集粒子の調製]
エマルション分散液 200重量部
着色剤分散液 30重量部
離型剤分散液 70重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 1.5重量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
エマルション分散液 200重量部
着色剤分散液 30重量部
離型剤分散液 70重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 1.5重量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
[付着粒子の調製]
調整した上記凝集粒子の分散液に、上記樹脂微粒子分散液を緩やかに60重量部追加した。なお、前記樹脂微粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3であった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
調整した上記凝集粒子の分散液に、上記樹脂微粒子分散液を緩やかに60重量部追加した。なお、前記樹脂微粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3であった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
その後、調整した上記付着粒子の分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3重量部を追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用トナーを得た。
[排水Aの組成]
排水Aとは、上記静電荷現像用トナーの製造を行う製造工場の洗浄工程から排出された排水であり、その中には、顔料分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる排水である。排水Aの主な組成について以下に示す。排水Aには、界面活性剤、ラテックスポリマ、着色剤、ワックス等が含まれ、排水Aの固形分濃度は1mg/L、化学的酸素要求量は1mg/Lであった。
界面活性剤 0.0008重量部
ラテックスポリマ 0.0004重量部
着色剤 0.0016重量部
ワックス 0.0012重量部
水 999.996重量部
排水Aとは、上記静電荷現像用トナーの製造を行う製造工場の洗浄工程から排出された排水であり、その中には、顔料分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる排水である。排水Aの主な組成について以下に示す。排水Aには、界面活性剤、ラテックスポリマ、着色剤、ワックス等が含まれ、排水Aの固形分濃度は1mg/L、化学的酸素要求量は1mg/Lであった。
界面活性剤 0.0008重量部
ラテックスポリマ 0.0004重量部
着色剤 0.0016重量部
ワックス 0.0012重量部
水 999.996重量部
なお、固形分濃度は、アルミ製の容器に、排水サンプルを入れ、オーブンにて水分を蒸発させる方法で測定した。また、化学的酸素要求量は、JIS K 0102 17にて定められている方法で測定した。具体的には、試料に酸化剤を加え、一定の条件の下で反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表す試験方法である。
(排水Bの組成)
排水Bは、主に洗浄工程以外の工程から排出された排水であり、排水Aとは、組成はほぼ同じであるがその濃度が異なる。排水Bの主な組成について以下に示す。排水Bには、界面活性剤、ラテックスポリマ、着色剤、ワックス等が含まれ、排水Bの固形分濃度は120mg/L、化学的酸素要求量は120mg/Lであった。
界面活性剤 0.08重量部
ラテックスポリマ 0.04重量部
着色剤 0.16重量部
ワックス 0.12重量部
水 999.6重量部
排水Bは、主に洗浄工程以外の工程から排出された排水であり、排水Aとは、組成はほぼ同じであるがその濃度が異なる。排水Bの主な組成について以下に示す。排水Bには、界面活性剤、ラテックスポリマ、着色剤、ワックス等が含まれ、排水Bの固形分濃度は120mg/L、化学的酸素要求量は120mg/Lであった。
界面活性剤 0.08重量部
ラテックスポリマ 0.04重量部
着色剤 0.16重量部
ワックス 0.12重量部
水 999.6重量部
(実施例1)
[排水Aの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度1mg/Lの排水Aを、図1に示す排水処理装置1を用いて処理した。排水Aは固形分濃度1mg/Lであったので、pH調整処理及び活性炭処理を行った。排水A(pH=10)を、まず貯槽に蓄え、そこからポンプにてpH調整槽22に送液し、pH調整槽22に35%濃塩酸をポンプにて送液し、pH7に調整した。次に、pH調整した排水を、ポンプにより活性炭ろ過吸着装置24に送液し、そこで活性炭によるろ過を行った。排水Aを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、pH調整も問題なく行えた。
[排水Aの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度1mg/Lの排水Aを、図1に示す排水処理装置1を用いて処理した。排水Aは固形分濃度1mg/Lであったので、pH調整処理及び活性炭処理を行った。排水A(pH=10)を、まず貯槽に蓄え、そこからポンプにてpH調整槽22に送液し、pH調整槽22に35%濃塩酸をポンプにて送液し、pH7に調整した。次に、pH調整した排水を、ポンプにより活性炭ろ過吸着装置24に送液し、そこで活性炭によるろ過を行った。排水Aを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、pH調整も問題なく行えた。
[排水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度120mg/Lの排水Bを、図1に示す排水処理装置1を用いて処理した。排水Bは固形分濃度120mg/Lであるので、凝集沈殿処理を行った。排水Bを、まず原水槽10に蓄え、そこからポンプにて反応槽12へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽14へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は良好に行うことができた。次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽16に送液した。凝集沈殿槽16に送液された処理液を、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は1時間であった。凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽18にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置20へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、脱水装置26(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水Bを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、2550mg/Lであり、処理性(凝集物の分離)も問題なかった。また、無機凝集剤の合計使用量は90kgであった。
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度120mg/Lの排水Bを、図1に示す排水処理装置1を用いて処理した。排水Bは固形分濃度120mg/Lであるので、凝集沈殿処理を行った。排水Bを、まず原水槽10に蓄え、そこからポンプにて反応槽12へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽14へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は良好に行うことができた。次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽16に送液した。凝集沈殿槽16に送液された処理液を、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は1時間であった。凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽18にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置20へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、脱水装置26(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水Bを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、2550mg/Lであり、処理性(凝集物の分離)も問題なかった。また、無機凝集剤の合計使用量は90kgであった。
(比較例1)
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度1mg/Lの排水A50重量部と、固形分濃度120mg/Lの排水B50重量部とを、一緒にして(以下排水(A+B)と呼ぶ)、図3に示す排水処理装置5を用いて凝集沈殿処理を行った。排水(A+B)を、まず原水槽40に蓄え、そこからポンプにて反応槽42へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽44へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は実施例1に比べて困難であった。次に、凝集槽44においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽46に送液した。凝集沈殿槽46に送液された処理液を、凝集沈殿槽46において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は2時間であった。凝集沈殿槽46において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽48にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置50へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽56において処理水と分離された汚泥は、脱水装置56(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水(A+B)を18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、最終的な汚泥発生量は、5100mg/Lであり、処理性に問題があった(排水Aと排水Bとを混合することにより、凝集物の分離に多くの時間を必要とした)。また、無機凝集剤の合計使用量は180kgであった。
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度1mg/Lの排水A50重量部と、固形分濃度120mg/Lの排水B50重量部とを、一緒にして(以下排水(A+B)と呼ぶ)、図3に示す排水処理装置5を用いて凝集沈殿処理を行った。排水(A+B)を、まず原水槽40に蓄え、そこからポンプにて反応槽42へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽44へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は実施例1に比べて困難であった。次に、凝集槽44においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽46に送液した。凝集沈殿槽46に送液された処理液を、凝集沈殿槽46において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は2時間であった。凝集沈殿槽46において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽48にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置50へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽56において処理水と分離された汚泥は、脱水装置56(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水(A+B)を18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、最終的な汚泥発生量は、5100mg/Lであり、処理性に問題があった(排水Aと排水Bとを混合することにより、凝集物の分離に多くの時間を必要とした)。また、無機凝集剤の合計使用量は180kgであった。
(実施例2)
[排水Aの処理]
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量1mg/Lの排水Aを、図2に示す排水処理装置3を用いて処理した。排水Aは化学的酸素要求量1mg/Lであるので、UF膜による膜分離処理を行った。排水Aを、まず貯槽に蓄え、そこからポンプにて膜分離装置28に送液し、固形分の除去を行った。排水Aを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、処理性(膜分離速度の低下)も問題なかった。
[排水Aの処理]
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量1mg/Lの排水Aを、図2に示す排水処理装置3を用いて処理した。排水Aは化学的酸素要求量1mg/Lであるので、UF膜による膜分離処理を行った。排水Aを、まず貯槽に蓄え、そこからポンプにて膜分離装置28に送液し、固形分の除去を行った。排水Aを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明であり、処理性(膜分離速度の低下)も問題なかった。
[排水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量120mg/Lの排水Bを、図2に示す排水処理装置3を用いて処理した。排水Bは化学的酸素要求量120mg/Lであるので、凝集沈殿処理を行った。排水Bを、まず原水槽10に蓄え、そこからポンプにて反応槽12へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽14へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は良好に行うことができた。次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽16に送液した。凝集沈殿槽16に送液された処理液を、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は1時間であった。凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽18にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置20へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、脱水装置26(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水Bを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、2550mg/Lであり、処理性(凝集物の分離)も問題なかった。また、無機凝集剤の合計使用量は90kgであった。
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量120mg/Lの排水Bを、図2に示す排水処理装置3を用いて処理した。排水Bは化学的酸素要求量120mg/Lであるので、凝集沈殿処理を行った。排水Bを、まず原水槽10に蓄え、そこからポンプにて反応槽12へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽14へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は良好に行うことができた。次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽16に送液した。凝集沈殿槽16に送液された処理液を、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は1時間であった。凝集沈殿槽16において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽18にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置20へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽16において処理水と分離された汚泥は、脱水装置26(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水Bを18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、2550mg/Lであり、処理性(凝集物の分離)も問題なかった。また、無機凝集剤の合計使用量は90kgであった。
(比較例2)
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量1mg/Lの排水A50重量部と、化学的酸素要求量120mg/Lの排水B50重量部とを、一緒にして(以下排水(A+B)と呼ぶ)、図3に示す排水処理装置5を用いて凝集沈殿処理を行った。排水(A+B)を、まず原水槽40に蓄え、そこからポンプにて反応槽42へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽44へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は実施例2に比べて困難であった。次に、凝集槽44においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽46に送液した。凝集沈殿槽46に送液された処理液を、凝集沈殿槽46において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は2時間であった。凝集沈殿槽46において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽48にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置50へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽46において処理水と分離された汚泥は、脱水装置56(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水(A+B)を18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、5100mg/Lであり、処理性に問題があった(排水Aと排水Bとを混合することにより、凝集物の分離に多くの時間を必要とした)。また、無機凝集剤の合計使用量は180kgであった。
上記トナー製造工程から排出された化学的酸素要求量1mg/Lの排水A50重量部と、化学的酸素要求量120mg/Lの排水B50重量部とを、一緒にして(以下排水(A+B)と呼ぶ)、図3に示す排水処理装置5を用いて凝集沈殿処理を行った。排水(A+B)を、まず原水槽40に蓄え、そこからポンプにて反応槽42へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄水溶液)を5000mg/L添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽44へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は実施例2に比べて困難であった。次に、凝集槽44においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽46に送液した。凝集沈殿槽46に送液された処理液を、凝集沈殿槽46において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥と清澄な処理水とに分離した。分離に要する時間は2時間であった。凝集沈殿槽46において汚泥と分離された処理水は、生物処理槽48にポンプで送液されて生物処理(活性汚泥処理)が行われ、さらに活性炭ろ過吸着装置50へ送液され、活性炭によるろ過を行った。ろ液は着色なく透明であった。また、凝集沈殿槽46において処理水と分離された汚泥は、脱水装置56(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。排水(A+B)を18m3処理したが、処理された排水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、5100mg/Lであり、処理性に問題があった(排水Aと排水Bとを混合することにより、凝集物の分離に多くの時間を必要とした)。また、無機凝集剤の合計使用量は180kgであった。
表1に示すように、固形分濃度または化学的酸素要求量(COD)に基づいて排水を分けて、固形分濃度または化学的酸素要求量(COD)に応じた処理を行った実施例1,2は、固形分濃度または化学的酸素要求量(COD)に関わらず処理を行った比較例1,2に比べて、処理を効率的に行うことができ、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を約1/2に削減することができた。
1,3,5 排水処理装置、10 原水槽、12 反応槽、14 凝集槽、16 凝集沈殿槽、18 生物処理槽、20 活性炭ろ過吸着装置、22 pH調整槽、24 活性炭ろ過吸着装置、26 脱水装置、28 膜分離装置。
Claims (1)
- 界面活性剤及び着色剤を含む水系分散体を製造する工程から排出される、固形分を含む排水を処理対象とする排水処理方法であって、
前記工程から発生する排水の性状に基づいて排水を分けて、前記排水の性状に応じた処理方法によりそれぞれ排水処理を行うことを特徴とする排水処理方法。
Priority Applications (1)
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JP2004381027A JP2006181549A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | 排水処理方法 |
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JP2008161804A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Fuji Xerox Co Ltd | 水処理装置及び水処理方法 |
CN110002671A (zh) * | 2019-04-04 | 2019-07-12 | 安徽大学 | 一种空调涂装废水处理工艺流程 |
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