JP2009006244A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減を効率的に達成することができる水処理装置を提供する。
【解決手段】アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、原水を凝集処理する凝集処理手段と、凝集処理におけるpHを3以上5.5以下に調整するpH調整手段と、凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理手段と、を有する水処理装置である。
【選択図】図1
【解決手段】アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、原水を凝集処理する凝集処理手段と、凝集処理におけるpHを3以上5.5以下に調整するpH調整手段と、凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理手段と、を有する水処理装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、水処理装置及び水処理方法に関する。
例えば、水性塗料、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)等の製造工場における水系分散体の製造工程では、着色成分等を含有する水が発生する。これらの水には、着色成分である顔料、染料等の他に、顔料等の分散性を上げるために界面活性剤等の分散剤等が含まれているため、固形分濃度とともに化学的酸素要求量が大きく、このままの状態で河川や下水道等に排出することはできない。このため、これらの水は、工場内の水処理施設にて処理された後に再利用されたり、外部に排出される。
特に、近年、電子写真用トナーの製造方法として、従来の混練粉砕法に代わり、乳化重合法によるトナーを始め、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製法が開発され、実施されている。例えば乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を界面活性剤の存在下、水系溶媒中で撹拌、混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製するが、この過程で界面活性剤水溶液や、着色剤分散液、離型剤分散液、エマルション水溶液、装置洗浄水等、固形分を含有する水が発生する。
通常、一般の水処理としては、凝集沈殿処理が利用される場合が多い。凝集沈殿処理とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)141〜153ページに記載されているように、水処理の分野において最も一般的に用いられている固液分離操作であり、広く用いられている。凝集沈殿処理は、原水に凝集剤を添加することによりフロック(凝集により生じた粗大粒子)を生じさせ、水とフロックとの比重差により、フロックを沈殿させ固液分離を行う処理方法である。こうして固体として分離されたフロックは、産業廃棄物の汚泥として処理され、固体を分離した水は、化学的酸素要求量が低減し、再利用されたり、河川や下水道等へ排出されている。これらの固液分離した後の汚泥は、そのまま加圧濾過脱水装置にて脱水処理される場合が多い。加圧濾過脱水装置とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)182ページにも記載されているように、水処理の分野において最も一般的に用いられている脱水装置である。
特許文献1では、界面活性剤を含む排水の処理方法において、排水ラインを分離することにより、凝集剤使用量と汚泥の発生量を削減する排水処理方法が開示されている。特許文献2では、界面活性剤を含む排水の処理方法において、凝集処理工程と濃縮処理工程を持つことにより、汚泥の発生量を削減する排水処理方法が開示されている。
また、特許文献3では、有機物含有廃水を電解処理及び/又は凝集処理して一次処理水を取り出す電解処理装置と、上記一次処理水を活性汚泥処理して二次処理水を取り出す活性汚泥処理装置と、上記二次処理水のpHを酸性に調整するpH調整槽と、pH調整された二次処理水を吸着処理して三次処理水を取り出す活性炭吸着装置を具備し、pHを6.5以下に保つ廃水処理方法が開示されている。
本発明は、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減を効率的に達成することができる水処理装置及び水処理方法である。
本発明は、アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、前記原水を凝集処理する凝集処理手段と、前記凝集処理におけるpHを3以上5.5以下に調整するpH調整手段と、前記凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理手段と、を有する水処理装置である。
また、前記水処理装置において、前記原水の生物化学的酸素要求量(BOD)の値が100mg/L以下であることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記活性炭吸着処理を行った活性炭吸着処理液を接触酸化処理する接触酸化処理手段を有することが好ましい。
また、本発明は、アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、前記原水をpH3以上5.5以下にて凝集処理する凝集処理工程と、前記凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理工程と、を含む水処理方法である。
また、前記水処理方法において、前記原水の生物化学的酸素要求量(BOD)の値が100mg/L以下であることが好ましい。
また、前記水処理方法において、前記活性炭吸着処理を行った活性炭吸着処理液を接触酸化処理する接触酸化処理工程を含むことが好ましい。
本発明の請求項1によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減を効率的に達成することができる水処理装置を提供することができる。
本発明の請求項2によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減をより効率的に達成することができる水処理装置を提供することができる。
本発明の請求項3によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減をより効率的に達成することができる水処理装置を提供することができる。
本発明の請求項4によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減を効率的に達成することができる水処理方法を提供することができる。
本発明の請求項5によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減をより効率的に達成することができる水処理方法を提供することができる。
本発明の請求項6によると、アニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、化学的酸素要求量(COD)の低減をより効率的に達成することができる水処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、ここでは電子写真用トナー製造工程から排出される水を原水(被処理水)の例にして、本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法を説明する。
<水処理装置及び水処理方法>
例えば、化学的トナー製法、すなわち湿式製法による電子写真用トナー製造工場におけるトナー製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備点検等にて発生する界面活性剤水溶液、着色剤分散液、離型剤分散液、エマルション分散液、装置洗浄水等のアニオン系界面活性剤を含有する水が排出される。
例えば、化学的トナー製法、すなわち湿式製法による電子写真用トナー製造工場におけるトナー製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備点検等にて発生する界面活性剤水溶液、着色剤分散液、離型剤分散液、エマルション分散液、装置洗浄水等のアニオン系界面活性剤を含有する水が排出される。
本発明者らが検討した結果によれば、トナー製造時等に発生するアニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、凝集処理後に活性汚泥による生物処理を行うと、活性汚泥処理装置での発泡が多く、この対策として多量の消泡剤が必要になり、処理コストが高くなるなどの問題があった。また、活性汚泥による生物処理の前に活性炭吸着処理を行っても、活性炭吸着による化学的酸素要求量(COD)の低減性が悪く、活性炭の消費量が多くなる傾向にあった。
そこで、さらに検討したところ、トナー製造時等に発生するアニオン系界面活性剤を含む原水の処理において、原水の着色成分及び固形分をpH3以上5.5以下の酸性にて凝集処理した後、活性炭吸着処理手段にて活性炭吸着処理することにより、アニオン系の界面活性剤を含む水の化学的酸素要求量(COD)低減を効率的に達成することが出来ることを見出した。これは、pH3以上5.5以下の酸性にて凝集処理した処理液においてアニオン系界面活性剤が非解離状態になり、活性炭に吸着されやすい状態となるため、活性炭吸着処理することによりアニオン系界面活性剤を効率的に除去することができ、その結果、必要以上の活性炭を使用する必要もなく、活性炭の使用量を低減することができる。
特に比較的生物化学的酸素要求量(BOD)の値が低い、アニオン系界面活性剤を含む水の処理に際して、使用する活性炭の消費量をより低減することができる。また、活性炭吸着処理の後段で活性汚泥処理等の生物処理を行う必要がなくなる。
図1には本実施形態に係る水処理を行うための水処理装置の一例の概略構成を示す。本実施形態に係る水処理装置1は、原水槽10と、凝集処理手段としての反応槽12、凝集槽16及び凝集沈殿槽18と、pH調整槽14と、活性炭吸着処理手段としての活性炭吸着処理装置20と、砂ろ過装置22と、活性炭ろ過吸着装置24と、汚泥濃縮装置26と、脱水装置28とを備える。
水処理装置1において、原水槽10、反応槽12、pH調整槽14、凝集槽16、凝集沈殿槽18、活性炭吸着処理装置20、砂ろ過装置22、活性炭ろ過吸着装置24の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、分離手段である汚泥濃縮装置26の入口は凝集沈殿槽18の下部の出口に、脱水装置28の入口は汚泥濃縮装置26の出口に、配管等を介して接続されている。また、pH調整手段としてpH調整剤添加配管がポンプ等を介してpH調整槽14に接続され、pH調整槽14にはpH測定手段であるpHメータ30が設置されている。凝集剤添加手段として凝集剤添加配管がポンプ等を介して反応槽12及び凝集槽16にそれぞれ接続されている。反応槽12、pH調整槽14及び凝集槽16には撹拌羽根等の撹拌手段が設置されても良い。
本実施形態に係る水処理装置の動作及び水処理方法を図1を参照して説明する。
トナー製造工程等から排出される原水に対しては、まず凝集処理が行われる。凝集処理は、反応槽12における、被処理水である原水への凝集剤の添加及び凝集反応を行い凝集物を得る反応工程と、pH調整槽14における、反応工程で凝集反応した反応液のpHを3以上5.5以下に調整するpH調整工程と、凝集槽16における、pH調整工程でpH調整を行ったpH調整液の凝集物からフロックを形成するフロック形成工程と、凝集沈殿槽18における、凝集沈殿によりフロックと分離液とに分離するフロック分離工程と、を含む。なお、凝集沈殿処理の代わりに加圧浮上処理等による固液分離処理を行ってもよい。
まず原水は、原水槽10に一時的に貯留された後、反応槽12において撹拌羽根等の撹拌手段により急速撹拌されながらポンプ等により凝集剤が添加され、凝集反応が行われる(反応工程)。その後、凝集反応が行われた反応液は、pH調整槽14に送液される。
この反応工程において使用される凝集剤としては、一般の無機系凝集剤、有機系凝集剤を用いることができる。無機系凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄凝集剤等が用いられ、安価であること、凝集性が良好であること等から、塩化第二鉄が用いられることが好ましい。
また、有機系凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系等のアニオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系等のカチオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等のノニオン性高分子凝集剤;アクリル酸ジメチルアミノエチル系等の両性高分子凝集剤を使用することができる。凝集性が良好であること等から、ポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤を使用することがより好ましい。また、凝集剤として、上記無機系凝集剤及び有機系凝集剤から選択される2つ以上の凝集剤を組み合わせて使用してもよく、無機系凝集剤として塩化第二鉄を使用し、さらにフロックを成長させるために有機系凝集剤としてポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤を併用することが好ましい。有機系凝集剤は反応工程において添加しても良いし、後段のフロック形成工程において添加しても良い。
無機系凝集剤を使用する場合の添加量は、処理する原水に対して500mg/L以上5000mg/L以下の範囲の濃度であることが好ましく、1000mg/L以上3000mg/L以下の範囲の濃度であることがより好ましい。
また、有機系凝集剤を使用する場合の添加量としては、処理する原水に対して0.5mg/L以上5mg/L以下の範囲の濃度であることが好ましく、1mg/L以上3mg/L以下の範囲の濃度であることがより好ましい。
凝集反応時の反応液のpHは、凝集効果の点から6以上8以下の範囲であることが好ましく、6.5以上7.5以下の範囲であることがより好ましい。
反応工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって急速撹拌することにより凝集反応が行われるが、撹拌速度は、100rpm以上500rpm以下の範囲であることが好ましい。撹拌速度が100rpmより小さいと、凝集反応が十分に行われず、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成された凝集物が再び細かくなってしまう場合がある。
次に、pH調整槽14において、反応槽12から移送された反応液に対して、必要に応じて撹拌羽根等の撹拌手段により撹拌を行い、pHメータ30によりpHを測定しながら、pH調整剤を添加してpH3以上5.5以下の酸性にpH調整を行う(pH調整工程)。その後、pH調整が行われたpH調整液は、凝集槽16に送液される。pHは3以上5.5以下に調整すればよいが、4.0以上5.0以下が好ましい。pHが3未満であると、形成した凝集物が不安定になり、5.5を超えると、アニオン系界面活性剤が解離状態になり、後段で活性炭に吸着されにくくなる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸、または水酸化ナトリウム等のアルカリが用いられる。
次に、凝集槽16において、pH調整槽14から移送されたpH調整液に対して撹拌羽根等の撹拌手段により緩速撹拌が行われ、水中の懸濁物質が凝集したフロックが形成される(フロック形成工程)。このフロック中には、主に、トナー製造において使用された顔料、離型剤、トナー粒子等が含まれている。フロックは、緩速撹拌されることにより成長する。このとき得られるフロックの懸濁液(処理液)の固形分濃度は0.5%以上1.5%以下程度である。なお、原水のpHを3以上5.5以下に調整し、反応槽12と凝集槽14とを一体化した槽を使用して、1つの槽内で反応工程と、フロック形成工程とが行われてもよい。
フロック形成工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって撹拌することによりフロックを成長させるが、撹拌速度は、60rpm以上500rpm以下の範囲であることが好ましく、100rpm以上300rpm以下の範囲であることがより好ましい。撹拌速度が60rpmより小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成されたフロックが再び細かくなってしまう場合がある。
次に、凝集槽16においてフロック形成された処理液は、凝集沈殿槽18に送液される。フロック形成工程において、pH調整液は通常凝集槽16に連続的に流入され、フロック形成された処理液は連続的に凝集沈殿槽18へ送液される。このとき、凝集槽16における滞留時間としては、5分以上20分以下の範囲であることが好ましく、10分以上15分以下の範囲であることがより好ましい。滞留時間が5分より小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、20分より大きいと、処理効率が低下する場合がある。また、凝集槽16においてバッチ式で水の凝集処理が行われてもよい。この場合、処理時間は5分以上15分以下の範囲であることが好ましく、5分以上10分以下の範囲であることがより好ましい。
凝集工程における処理する水の温度としては、通常、10℃以上30℃以下の範囲で行われ、好ましくは、15℃以上25℃以下の範囲で行われる。
凝集沈殿槽18に送液された処理液は、凝集沈殿槽18において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された沈殿物(汚泥スラリ)と分離液とに分離される(フロック分離工程)。なお、フロック分離工程において、凝集沈殿処理の代わりに加圧浮上処理等を行ってもよいが、汚泥の発生量の点から凝集沈殿処理及び加圧浮上処理のうち少なくとも1つを行うことが好ましい。なお、加圧浮上処理とは、加圧水が減圧されることにより加圧状態で溶け込んだ空気が微細気泡となって放出される特性を利用した水処理方法であり、加圧浮上槽内に加圧水を流入させ、発生した微細気泡に水内の浮遊物質を付着させ、浮遊物質を浮上分離させる処理方法である。
凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液は、活性炭吸着処理装置20に送液されて、凝集処理を行った分離液を活性炭吸着処理する(活性炭吸着処理工程)。活性炭吸着処理工程において、活性炭により分離液に含まれるアニオン系界面活性剤等のCOD成分が吸着除去される。
活性炭吸着処理装置20としては、多段流動層活性炭吸着装置、固定床活性炭吸着装置等を用いることができるが、運転管理及び吸着量等の点から多段流動層活性炭吸着装置が好ましい。
用いる活性炭としては特に制限はないが、粉末活性炭、粒状活性炭等を用いることができる。
活性炭吸着処理された活性炭処理液は、例えばBODが100mg/L以下であれば、砂ろ過装置22で残存固形物を除去した後、活性炭ろ過吸着装置24で溶存化学物質や生物処理工程で処理しきれなかった溶存有機物を吸着処理した後、再利用あるいは河川等に放流される。
一方、凝集沈殿槽18において分離液と分離された汚泥スラリは、ポンプ等にて汚泥濃縮装置26に送液される。汚泥濃縮装置26において混合液は水分である汚泥分離液と固形分とに分離される(分離工程)。汚泥濃縮装置26においては、例えば6時間以上12時間以下程度をかけて、自然沈降にて濃縮される。濃縮前の固形分の固形分濃度は0.5重量%以上1.5重量%以下程度である。また、濃縮後の固形分の固形分濃度は2.0重量%以上4.0重量%以下程度である。濃縮後の固形分は、脱水装置28で脱水処理された(脱水処理工程)後、産業廃棄物の汚泥として処理される。なお、脱水後の汚泥ケーキの固形分濃度は30重量%以上60重量%以下程度である。なお、汚泥濃縮装置26及び脱水装置28で発生した濾過液である汚泥分離液は、トナー製造工程で発生した水を貯蔵する原水槽10へ移送され、新たな原水と混合された後、上述の水処理プロセスで処理されてもよい。
脱水装置28としては、加圧葉状濾過機、加圧ヌッチェ等の加圧濾過機、フィルタプレス、加圧浮上機、真空濾過機等が挙げられるが、通常は、フィルタプレスが用いられる。また、発生する汚泥の量を減らすことができること、処理時間を短縮することができること、凝集剤の量を減らすことができること、装置のメンテナンス性等の点から脱水処理工程の前に遠心分離装置を使用した遠心濃縮により脱水してもよい。
図2には本実施形態に係る水処理を行うための水処理装置の他の例の概略構成を示す。本実施形態に係る水処理装置2は、図1の水処理装置1の構成に加えて、接触酸化処理手段としての生物処理槽32と、後沈殿槽34とを備える。
水処理装置2において、原水槽10、反応槽12、pH調整槽14、凝集槽16、凝集沈殿槽18、活性炭吸着処理装置20、生物処理槽32、後沈殿槽34、砂ろ過装置22、活性炭ろ過吸着装置24の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、分離手段である汚泥濃縮装置26の入口は凝集沈殿槽18の下部の出口及び後沈殿槽34下部の出口に、脱水装置28の入口は汚泥濃縮装置26の出口に、配管等を介して接続されている。
図1の水処理装置1と同様にして活性炭吸着処理された活性炭処理液は、BODが基準BOD(例えば、基準BOD=100mg/L)を超える場合は、生物処理槽32に送液されて生物処理等の接触酸化処理が行われ(接触酸化処理工程)、溶存有機物が除去される。例えばBODが基準BOD(例えば、基準BOD=100mg/L)以下の場合は、砂ろ過装置22へ送液しても良い。生物処理槽32では活性汚泥に生息するバクテリア等で溶存有機物を分解処理し、次の後沈殿槽34で自然沈降により、活性汚泥と上澄み水に分離される。後沈殿槽34で得られた上澄み水は、砂ろ過装置22で残存固形物を除去した後、活性炭ろ過吸着装置24で溶存化学物質や生物処理工程で処理しきれなかった溶存有機物を吸着処理した後、再利用あるいは河川等に放流される。
活性炭処理液を接触酸化処理する接触酸化処理としては、活性汚泥を用いて有機物を分解する活性汚泥法、微生物を担体に担持した生物膜を用いて有機物を分解する生物膜法等が挙げられる。
一方、凝集沈殿槽18において分離液と分離された汚泥スラリ及び後沈殿槽34で得られた汚泥スラリは、汚泥濃縮装置26に送液され、汚泥濃縮装置26における分離処理、脱水装置28における脱水処理を経て、産業廃棄物の汚泥として処理される。
図3には本実施形態に係る水処理を行うための水処理装置の他の例の概略構成を示す。本実施形態に係る水処理装置3は、図1の水処理装置1の構成に加えて、原水槽として、第1原水槽10a、第2原水槽10b及び第3原水槽10cの3つの原水槽を備える。また、原水槽の後段に混合槽36を備える。なお、図3の例では3つの原水槽を備えるが、複数の原水槽を備えればよく、これに制限されない。原水槽の数は処理対象となる原水の性状、例えば界面活性剤濃度の変動量等に応じて決めればよい。
水処理装置3において、第1原水槽10a、第2原水槽10b及び第3原水槽10cの出口はそれぞれ混合槽36の入口に接続され、混合槽36、反応槽12、pH調整槽14、凝集槽16、凝集沈殿槽18、活性炭吸着処理装置20、砂ろ過装置22、活性炭ろ過吸着装置24の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。汚泥濃縮装置26の入口は凝集沈殿槽18の下部の出口に、脱水装置28の入口は汚泥濃縮装置26の出口に、配管等を介して接続されている。混合槽36には撹拌羽根等の撹拌手段が設置されても良い。また、第1原水槽10a、第2原水槽10b、第3原水槽10c及び混合槽36にはそれぞれ導電率計38が設置されている。
本実施形態に係る水処理装置では、少なくともアニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、界面活性剤濃度の異なる複数の原水をそれぞれ貯留する複数の原水槽と、複数の原水槽の後段に設置した複数の原水を混合するための混合槽と、原水中及び混合した混合水中の界面活性剤成分の濃度を検出する界面活性剤濃度検出手段として導電率計とを有し、各原水槽での導電率計による測定結果に基づいて、各原水槽から混合槽への送液量を調整し、各原水の混合比を調整する。
水処理装置3において、トナー製造工程等から排出される原水は、その界面活性剤濃度に応じて第1原水槽10a、第2原水槽10b及び第3原水槽10cに分けて貯留される。
後述するような樹脂粒子の製造工程、着色剤分散液の製造工程、離型剤分散液の製造工程、トナー製造工程等の製造工程(トナーの洗浄工程を含む)から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤、離型剤、無機粒子、トナー等の固形分を含有する界面活性剤水溶液、エマルション分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、無機粒子分散液、トナー分散液、装置洗浄水等が、排出される。これらの原水のうち、例えば、仕上げ洗浄水等の界面活性剤濃度の比較的低い希薄原水は原水Aとして第1原水槽10aに、装置洗浄水等の界面活性剤濃度が比較的中位の雑原水は原水Bとして第2原水槽10bに、界面活性剤水溶液、エマルション分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、無機粒子分散液、トナー分散液等の界面活性剤濃度の比較的高い濃厚原水は原水Cとして第3原水槽10cにそれぞれ貯留される。それぞれの原水槽10a,10b,10cにおける原水の導電率を導電率計38により測定する。各原水槽での導電率計38による測定結果に基づいて、各原水槽10a,10b,10cから混合槽36への送液量を調整し、混合槽36における混合水の導電率が予め定めた基準導電率の範囲内になるように各原水の混合比を調整する。以降、図1あるいは図2の水処理装置と同様にして凝集処理が行われる。
このように各原水槽10a,10b,10cから混合槽36への送液量を調整することにより混合槽36における混合水の導電率を所定の範囲に調整する。混合槽36における導電率の範囲は1.5mS/cm以上2.5mS/cm以下に調整することが好ましい。導電率が1.5mS/cm未満であると凝集剤量の過剰によりpHが変動する場合があり、2.5mS/cmを超えると凝集剤量の不足により処理が不安定となる場合がある。
従来、電子写真用トナーの乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法等の化学的トナー製法による製造工程等から発生する、界面活性剤、着色剤、離型剤、その他成分を含有する水の凝集処理では、水中に界面活性剤が多量に存在し、さらにバッチ処理のため、原水の界面活性剤濃度が変動するために、凝集沈澱処理のフロックが形成し難く、処理水の懸濁成分を十分に除去することができない場合があった。また、処理性を向上させるために凝集剤を多量に使用すると、汚泥が多量に発生する場合があった。
本実施形態では、トナー製造工程等から発生する、少なくともアニオン系界面活性剤を含む原水の水処理に使用する凝集剤量と、水処理によって発生する汚泥の発生量を削減することができる。
また、本実施形態において、混合槽36での導電率計による測定結果に基づいて、後段の凝集処理における凝集剤の添加量を調整することが好ましい。例えば、混合水の導電率が比較的高い、すなわち混合水中の界面活性剤濃度が比較的高い場合は、凝集処理における凝集剤の量を増やせばよいし、混合水の導電率が比較的低い、すなわち混合水中の界面活性剤濃度が比較的低い場合は、凝集処理における凝集剤の量を減らせばよい。このように、混合槽36での導電率計による測定結果に基づいて、凝集処理における凝集剤の添加量を調整することにより、凝集剤の使用量をさらに減らすことができ、汚泥の発生量をさらに削減することができる。
以上、電子写真用トナー製造工程から排出される水を原水(被処理水)の例として、本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態に係る水処理装置及び水処理方法は、水性塗料等の水系分散体の製造工場等の製造工程、水性インクの製造工程等において排出される界面活性剤及び着色剤を含む原水に対しても、適用することができる。また、原水の性状によっては、生物処理工程や、砂ろ過、活性炭ろ過等の後ろ過工程等が省略される場合もある。すなわち、処理水の性状によって、水処理装置の構成を適宜決めればよい。
本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法は、アニオン系界面活性剤及び着色剤を使用する電子写真用トナーの製造工程から排出される水を処理対象とすることが好ましい。また、本実施形態に係る水処理装置及び水処理方法は、乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製造方法による製造工程、特に、シリカや界面活性剤を多量に使用する乳化重合法によるトナーの製造工程から排出される水の処理に好ましく適用可能である。乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を水系溶媒中で撹拌、混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製する。乳化重合法は、トナーの原材料となる樹脂粒子の製造工程と、着色剤分散液、離型剤分散液等の分散液の製造工程と、現像用トナーの製造工程と、に大きく分けられる。以下に、それぞれについて例を挙げ説明する。
<電子写真用トナー製造工程>
(樹脂粒子の製造工程)
樹脂粒子を生成するには、通常重合性単量体と界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25重量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物に更に残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子(エマルション分散液)を生成させる。この樹脂粒子の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤等の固形分を含有するエマルション分散液等が排出される。樹脂粒子が生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
(樹脂粒子の製造工程)
樹脂粒子を生成するには、通常重合性単量体と界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25重量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物に更に残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子(エマルション分散液)を生成させる。この樹脂粒子の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤等の固形分を含有するエマルション分散液等が排出される。樹脂粒子が生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
前記重合性単量体の種類としては、遊離基開始剤と反応しうるものであれば特に制限はない。重合性単量体の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類等を挙げることができ、これらの重合性単量体は重合されて、単独重合体あるいは共重合体とされる。
また、自己乳化性を持つポリエステル類、ポリウレタン類のような樹脂を界面活性剤とともに水系媒体中でせん断し、分散させても良い。また、樹脂粒子として、アンモニア成分を含むものも用いられる。
樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤を使用できるが、一般的にはアニオン系界面活性剤が、分散力が強く、樹脂粒子の分散に優れているため、好ましい。非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
遊離基開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類;2,2'-アゾビスプロパン、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスプロパン、1,1'−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2'−アゾビス(2−ジアミノプロパン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−ジアミノプロパン)硝酸塩、2,2'−アゾビスイソブタン、2,2'−アゾビスイソブチルアミド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスブタン、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1'−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2'−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1'−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1'−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1'−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1'−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4'−アゾビス-4-シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2'−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
本実施形態において、樹脂粒子の大きさは、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜1μm程度である。
(着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程)
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液や、界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液等が排出される。
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液や、界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液等が排出される。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、などの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などを挙げることができる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、着色剤分散液中の着色剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
また離型剤として働くワックスの種類としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;などが挙げられる。
また、離型剤分散液中の離型剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
界面活性剤としては、上記樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤と同様のものが挙げられる。
(トナーの製造工程)
上記調製法により得られた樹脂粒子は、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られた樹脂粒子と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、及び必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、樹脂粒子のTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、樹脂粒子のTg又はそれより高い温度、好ましくは樹脂粒子のTg+40℃、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
上記調製法により得られた樹脂粒子は、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られた樹脂粒子と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、及び必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、樹脂粒子のTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、樹脂粒子のTg又はそれより高い温度、好ましくは樹脂粒子のTg+40℃、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
樹脂粒子は、通常トナーの結着樹脂として用いられ、トナーの固形分に対して75〜98重量%程度トナー内に存在する。
着色剤は、通常トナー中に、着色に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して1〜15重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度存在する。
離型剤として働くワックス類の好ましい量としては、トナーの固形分に対して、5〜20重量%程度である。
必要に応じて使用される凝集剤は、融合に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.01〜10重量%程度を用いることができる。使用する凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のアニオン性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム等の塩類;等が挙げられるが、これらに限るものではない。好ましい凝集剤としては、硝酸等の窒素成分を有するものが挙げられる。
帯電制御剤は、帯電させるのに効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.1〜5重量%を使用しても良い。適当な帯電制御剤としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物類、重硫酸塩類、シリカ等の帯電制御剤類、アルミニウム錯体のような陰帯電制御剤等が挙げられるが、これらに限るものではない。
その他必要に応じて添加剤として、無機粒子等を湿式添加してもよい。湿式添加する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等で水に分散して、シリカ等の無機粒子分散液として湿式添加することができる。
本実施形態において使用される無機粒子の分散液中の大きさは、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、4nm〜150nm程度である。
以上のような樹脂粒子の製造工程、着色剤分散液の製造工程、離型剤分散液の製造工程、トナー製造工程等の製造工程(トナーの洗浄工程を含む)から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤、離型剤、無機粒子、トナー等の固形分を含有する界面活性剤水溶液、エマルション分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、無機粒子分散液、トナー分散液、装置洗浄水等が、排出される。これらの原水は原水槽に集められ、上記水処理方法による処理が施される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<電子写真用トナーの製造例>
以下に、本実施例及び比較例における水処理が施される水が排出される、電子写真用トナーの製造例を示す。
(エマルション分散液の調製)
スチレン 320重量部
n−ブチルアクリレート 80重量部
アクリル酸 10重量部
ドデカンチオール 10重量部
この溶液420重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部とをイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌、混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、エマルション分散液を得た。
以下に、本実施例及び比較例における水処理が施される水が排出される、電子写真用トナーの製造例を示す。
(エマルション分散液の調製)
スチレン 320重量部
n−ブチルアクリレート 80重量部
アクリル酸 10重量部
ドデカンチオール 10重量部
この溶液420重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部とをイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌、混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、エマルション分散液を得た。
エマルション分散液で得られた樹脂粒子は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で樹脂粒子の体積平均粒径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ54℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33,000であった。
(着色剤分散液の調製)
顔料 150重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 20重量部
イオン交換水 400重量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調整した。なお、顔料は、イエロー用としてはC.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはC.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)をそれぞれ使用した。
顔料 150重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 20重量部
イオン交換水 400重量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調整した。なお、顔料は、イエロー用としてはC.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはC.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)をそれぞれ使用した。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)50重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)50重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
(凝集粒子の調製)
エマルション分散液 200重量部
着色剤分散液 30重量部
離型剤分散液 70重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 1.5重量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
エマルション分散液 200重量部
着色剤分散液 30重量部
離型剤分散液 70重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 1.5重量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
(付着粒子の調製)
調整した上記凝集粒子の分散液に、上記樹脂粒子分散液を緩やかに60重量部追加した。なお、前記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3であった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
調整した上記凝集粒子の分散液に、上記樹脂粒子分散液を緩やかに60重量部追加した。なお、前記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cm3であった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
その後、調整した上記付着粒子の分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3重量部を追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、電子写真用トナーを得た。
(処理対象水Aの組成)
処理対象水Aとは、トナー製造工場から排出される水であり、その中には、顔料分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液が含まれる水である。処理対象水Aの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は20mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は200mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 0.5重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 95.5重量%
処理対象水Aとは、トナー製造工場から排出される水であり、その中には、顔料分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液が含まれる水である。処理対象水Aの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は20mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は200mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 0.5重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 95.5重量%
生物化学的酸素要求量(BOD)は、JIS K 0102 21にて定められている方法で測定した。具体的には、希釈法という試験方法である。化学的酸素要求量(COD−Mn)は、JIS K 0102 17にて定められている方法で測定した。具体的には、試料に酸化剤を加え、一定の条件の下で反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表す試験方法である。
(処理対象水Bの組成)
処理対象水Bは、処理対象水Aとは組成は同じであるがその濃度が異なる。処理対象水Bの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は50mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は800mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2.0重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 94.0重量%
処理対象水Bは、処理対象水Aとは組成は同じであるがその濃度が異なる。処理対象水Bの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は50mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は800mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2.0重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 94.0重量%
(処理対象水Cの組成)
処理対象水Cは、処理対象水Aとは組成は同じであるがその濃度が異なる。処理対象水Cの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は100mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は1600mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 4.0重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 92.0重量%
処理対象水Cは、処理対象水Aとは組成は同じであるがその濃度が異なる。処理対象水Cの主な組成についてトナーの作製に用いた材料より、以下に示すものと推定される。また、この水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定結果は100mg/Lで、化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は1600mg/Lであった。
アニオン界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 4.0重量%
ラテックスポリマ 1.0重量%
着色剤 2.0重量%
ワックス(ポリワックス725、東洋ペトロライト(株)製) 1.0重量%
水 92.0重量%
(実施例1)
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて処理した。水処理装置において、反応槽12の容積は3m3、pH調整槽14の内容積は3m3とした。無機系凝集剤には塩化第二鉄(38重量%水溶液)を用いて1000mg/Lを反応槽12に添加し、pH調整槽14における撹拌速度360rpm、各槽の滞留時間10分にて凝集処理を行った。pH調整槽14のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った。凝集槽16においてアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)、0.1重量%水溶液)2mg/Lを添加し、凝集処理を行い、フロックを凝集沈澱槽18にて沈降分離し、この分離液を活性炭吸着処理装置20(多段流動層活性炭吸着装置、段数10段)に導入し、吸着処理を行った。この時の活性炭使用量は400kg/日であった。活性炭処理液は砂ろ過装置22及び活性炭ろ過吸着装置24へ送液し、ろ過を行った。処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は2mg/Lであった。また、処理水はほぼ透明であった。
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて処理した。水処理装置において、反応槽12の容積は3m3、pH調整槽14の内容積は3m3とした。無機系凝集剤には塩化第二鉄(38重量%水溶液)を用いて1000mg/Lを反応槽12に添加し、pH調整槽14における撹拌速度360rpm、各槽の滞留時間10分にて凝集処理を行った。pH調整槽14のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った。凝集槽16においてアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)、0.1重量%水溶液)2mg/Lを添加し、凝集処理を行い、フロックを凝集沈澱槽18にて沈降分離し、この分離液を活性炭吸着処理装置20(多段流動層活性炭吸着装置、段数10段)に導入し、吸着処理を行った。この時の活性炭使用量は400kg/日であった。活性炭処理液は砂ろ過装置22及び活性炭ろ過吸着装置24へ送液し、ろ過を行った。処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は2mg/Lであった。また、処理水はほぼ透明であった。
一方、凝集沈殿槽18において分離液と分離された汚泥スラリは、汚泥濃縮装置26に送液した。送液された汚泥スラリを、自然沈降により汚泥と汚泥分離液とに分離した。汚泥は脱水装置28による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。最終的な汚泥発生量は、1.2g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1500mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)2mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、1.8g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1500mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)2mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、1.8g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例3)
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。活性炭処理液について生物処理槽32において生物処理(活性汚泥処理)を行った後、後沈殿槽34で自然沈降により活性汚泥と上澄み水に分離し、上澄み水をさらに砂ろ過装置22及び活性炭ろ過吸着装置24へ送液し、ろ過を行った。この時の活性炭使用量は750kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。活性炭処理液について生物処理槽32において生物処理(活性汚泥処理)を行った後、後沈殿槽34で自然沈降により活性汚泥と上澄み水に分離し、上澄み水をさらに砂ろ過装置22及び活性炭ろ過吸着装置24へ送液し、ろ過を行った。この時の活性炭使用量は750kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。
一方、凝集沈殿槽18において分離液と分離された汚泥スラリ、及び後沈殿槽34で得られた汚泥スラリは、汚泥濃縮装置26に送液した。送液された汚泥スラリを、自然沈降により汚泥と汚泥分離液とに分離した。汚泥は脱水装置28による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。最終的な汚泥発生量は、2.2g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.4g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.4g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例5)
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて3000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、3.6g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて3000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、3.6g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例6)
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて4000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は2000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、4.8g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて4000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH5.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は2000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、4.8g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は800kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.2g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて1800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は800kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.2g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例2)
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は6mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.4g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Aを、図1に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例1と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は6mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.4g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例3)
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて3000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は6mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、3.6g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて3000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1500kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は6mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、3.6g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例4)
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて4000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は2000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は7mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、4.8g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Bを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて4000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は2000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は7mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、4.8g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例5)
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて6000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)12mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は3000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は7mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、7.2g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて6000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)12mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH6±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は3000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は7mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、7.2g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例6)
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて7000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)12mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は4000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は8mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、8.4g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて7000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)12mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH8±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は4000kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は8mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、8.4g/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例7)
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH2.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1400kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水には着色が見られた。また、最終的な汚泥発生量は、3.4g/Lであった。結果を表1に示す。
処理対象水Cを、図2に示す水処理装置を用いて、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2800mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH2.5±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は1400kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は5mg/Lであった。処理水には着色が見られた。また、最終的な汚泥発生量は、3.4g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例7)
図3に示す水処理装置を用いて、処理対象水Aを第1原水槽10aに、処理対象水Bを第2原水槽10bに、処理対象水Cを第3原水槽10cに貯留し、各原水槽の導電率を導電率計(メトラー・トレド(株)製、SG7型)で測定したところ、第1原水槽10aにおける導電率は0.01〜1.0mS/cm(日平均0.5mS/cm)、第2原水槽10bにおける導電率は0.2〜4.0mS/cm(日平均2.0mS/cm)、第3原水槽10cにおける導電率は1.0〜6.0mS/cm(日平均3.5mS/cm)であった。その後、各原水槽から混合槽36への流量を調整して混合槽36における導電率が1.5〜2.5mS/cm(日平均2.0mS/cm)になるように混合槽36へ送液した。混合槽36における導電率を調整した後、反応槽12へ送液した。以降、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3.0±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は700kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.1g/Lであった。結果を表1に示す。
図3に示す水処理装置を用いて、処理対象水Aを第1原水槽10aに、処理対象水Bを第2原水槽10bに、処理対象水Cを第3原水槽10cに貯留し、各原水槽の導電率を導電率計(メトラー・トレド(株)製、SG7型)で測定したところ、第1原水槽10aにおける導電率は0.01〜1.0mS/cm(日平均0.5mS/cm)、第2原水槽10bにおける導電率は0.2〜4.0mS/cm(日平均2.0mS/cm)、第3原水槽10cにおける導電率は1.0〜6.0mS/cm(日平均3.5mS/cm)であった。その後、各原水槽から混合槽36への流量を調整して混合槽36における導電率が1.5〜2.5mS/cm(日平均2.0mS/cm)になるように混合槽36へ送液した。混合槽36における導電率を調整した後、反応槽12へ送液した。以降、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)4mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3.0±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。この時の活性炭使用量は700kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は3mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。また、最終的な汚泥発生量は、2.1g/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例8)
図2に示す水処理装置を用いて、処理対象水A、処理対象水B及び処理対象水Cを原水槽10に貯留し、原水槽10の導電率を導電率計(メトラー・トレド(株)製、SG7型)で測定したところ、導電率は0.01〜6.0mS/cm(日平均2.0mS/cm)であった。その後、原水槽10から反応槽12へ送液した。以降、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3.0±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。界面活性剤濃度が安定しないため、無機系凝集剤の添加量を3000mg/Lに変更して凝集処理を実施した。その結果、凝集処理は安定したものの汚泥の発生量が3.6g/Lとなった。この時の活性炭使用量は1800kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。結果を表1に示す。
図2に示す水処理装置を用いて、処理対象水A、処理対象水B及び処理対象水Cを原水槽10に貯留し、原水槽10の導電率を導電率計(メトラー・トレド(株)製、SG7型)で測定したところ、導電率は0.01〜6.0mS/cm(日平均2.0mS/cm)であった。その後、原水槽10から反応槽12へ送液した。以降、無機系凝集剤には塩化第二鉄を用いて2000mg/Lを添加し、有機系凝集剤にはアニオン性高分子凝集剤(ポリアクリル酸エステル系高分子凝集剤、ハイモロックSS130、ハイモ(株)製)8mg/Lを添加し、pH調整槽のpH調整はpH3.0±0.2にて調整を行った以外は、実施例3と同様に処理した。界面活性剤濃度が安定しないため、無機系凝集剤の添加量を3000mg/Lに変更して凝集処理を実施した。その結果、凝集処理は安定したものの汚泥の発生量が3.6g/Lとなった。この時の活性炭使用量は1800kg/日であり、処理水の化学的酸素要求量(COD−Mn)の測定結果は4mg/Lであった。処理水はほぼ透明であった。結果を表1に示す。
このように、実施例1〜6による水処理では、比較例1〜6による水処理に比べて、活性炭の使用量が少なかった。実施例1〜6において水処理性が向上していることがわかる。また、比較例7では処理水に着色が見られた。実施例7は実施例8に比べて発生汚泥量が低減した。
1,2,3 水処理装置、10 原水槽、10a 第1原水槽、10b 第2原水槽、10c 第3原水槽、12 反応槽、14 pH調整槽、16 凝集槽、18 凝集沈殿槽、20 活性炭吸着処理装置、22 砂ろ過装置、24 活性炭ろ過吸着装置、26 汚泥濃縮装置、28 脱水装置、30 pHメータ、32 生物処理槽、34 後沈殿槽、36 混合槽、38 導電率計。
Claims (6)
- アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、
前記原水を凝集処理する凝集処理手段と、
前記凝集処理におけるpHを3以上5.5以下に調整するpH調整手段と、
前記凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理手段と、
を有することを特徴とする水処理装置。 - 前記原水の生物化学的酸素要求量(BOD)の値が100mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
- 前記活性炭吸着処理を行った活性炭吸着処理液を接触酸化処理する接触酸化処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
- アニオン系界面活性剤を含む原水を処理対象とし、
前記原水をpH3以上5.5以下にて凝集処理する凝集処理工程と、
前記凝集処理を行った凝集処理液を活性炭吸着処理する活性炭吸着処理工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。 - 前記原水の生物化学的酸素要求量(BOD)の値が100mg/L以下であることを特徴とする請求項4に記載の水処理方法。
- 前記活性炭吸着処理を行った活性炭吸着処理液を接触酸化処理する接触酸化処理工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の水処理方法。
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---|---|---|---|
JP2007169187A JP2009006244A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 水処理装置及び水処理方法 |
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CN101805102A (zh) * | 2010-05-27 | 2010-08-18 | 江门裕华皮革有限公司 | 污水处理方法 |
CN109678283A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-04-26 | 浙江染化宝检测服务有限公司 | 一种纺织印染废水处理工艺 |
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- 2007-06-27 JP JP2007169187A patent/JP2009006244A/ja not_active Withdrawn
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