第1の発明の電気機器は、電気機器を運転するための運転条件を取得する運転情報取得部と、前記電気機器の運転に要する期間を示す運転期間情報と、前記電気機器の運転に要する電力量を示す電力量情報とを、前記運転条件に対応付けて記憶する運転情報記憶部と、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得部と、前記運転情報取得部によって取得された前記運転条件に対応する前記運転期間情報と前記電力量情報を前記運転情報記憶部から読み出す運転情報読出部と、現在時刻を計時する時計部と、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記運転期間情報と前記電力量情報とに基づいて、前記現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出部と、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻をユーザに報知する報知部とを備える電気機器において、前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
この構成によれば、運転時刻算出部は、電力料金情報と運転期間情報と電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、電気機器を運転した場合に課金される電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する。報知部は、運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。そして、前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
第2の発明の電気機器は、電気機器を運転するための運転条件を取得する運転情報取得部と、前記電気機器の運転に要する期間を示す運転期間情報と、前記電気機器の運転に要する電力量を示す電力量情報とを、前記運転条件に対応付けて記憶する運転情報記憶部と、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得部と、前記運転情報取得部によって取得された前記運転条件に対応する前記運転期間情報と前記電力量情報を前記運転情報記憶部から読み出す運転情報読出部と、現在時刻を計時する時計部と、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記運転期間情報と前記電力量情報とに基づいて、前記現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出部と、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻をユーザに報知する報知部と、ユーザが選択した前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻を記憶する運転時刻記憶部とを備える電気機器において、前記運転時刻記憶部に記憶した電気機器の運転の履歴情報から前記所定時間を取得して前記運転情報記憶部に記憶させる。
この構成によれば、運転時刻算出部は、電力料金情報と運転期間情報と電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、電気機器を運転した場合に課金される電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する。報知部は、運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。そして、運転時刻記憶部に記憶した運転履歴情報から所定時間を取得して上記のように運転開始時刻または運転終了時刻を算出する。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。このとき、ユーザが過去に運転した時刻の履歴情報に基づいて所定時間を取得するので、ユーザがこれまでに実施した時間帯を考慮して電気機器を運転させることができる。
第3の発明の電気機器は、電気機器を運転するための運転条件を取得する運転情報取得部と、前記電気機器の運転に要する期間を示す運転期間情報と、前記電気機器の運転に要する電力量を示す電力量情報とを、前記運転条件に対応付けて記憶する運転情報記憶部と、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得部と、前記運転情報取得部によって取得された前記運転条件に対応する前記運転期間情報と前記電力量情報を前記運転情報記憶部から読み出す運転情報読出部と、現在時刻を計時する時計部と、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記運転期間情報と前記電力量情報とに基づいて、前記現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出部と、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻をユーザに報知する報知部とを備える電気機器において、前記電気機器はユーザの行動を検知するセンサ装置と接続し、センサ装置で検知したユーザの行動の履歴情報から所定時間を取得して運転情報記憶部に記憶させる。
この構成によれば、運転時刻算出部は、電力料金情報と運転期間情報と電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、電気機器を運転した場合に課金される電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する。報知部は、運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。そして、ユーザの行動を検知するセンサ装置と接続し、前記所定時間として、前記センサ装置で検知したユーザの行動の履歴情報を前記運転情報記憶部に記憶させる。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。このとき、センサ装置で検知したユーザの行動の履歴情報に基づいて所定時間を取得するのでユーザの行動を考慮して電気機器を運転させることができる。
第4の発明の電気機器は、上記第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記運転時刻算出部が算出した前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻が複数ある場合、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻と、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記運転期間情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記電力量情報とに基づいて、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻で運転された場合に課金される電力料金を算出する電気代算出部と、前記電気代算出部によって算出された前記電力料金の安い順番に前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻に対して順位を付与する
順位付与部とをさらに備え、前記報知部は、前記順位付与部によって付与された前記順位とともに前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻を報知する。
この構成によれば、運転時刻算出部が算出した運転開始時刻又は運転終了時刻が複数ある場合、順位付与部は、電気代算出部によって算出された電力料金の安い順番に運転開始時刻又は運転終了時刻に対して順位を付与する。報知部は、順位付与部によって付与された順位とともに運転開始時刻又は運転終了時刻を報知する。
したがって、タイマー予約運転を設定するときに、複数の運転開始時刻又は運転終了時刻がある場合に電力料金の安い順番にユーザに提案することができる。
第5の発明の電気機器は、上記第4の発明において、前記運転時刻算出部が算出した前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻が複数ある場合、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻と、時計部によって計時する現在時刻との時間差を算出する時間差算出部をさらに備え、前記順位付与部は、前記電気代算出部によって算出された前記電力料金と、前記時間差算出部によって算出された前記時間差とに基づいて、前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻に対して順位を付与する。
この構成によれば、時間差算出部は、前記運転開始時刻と、時計部によって計時する現在時刻との時間差を算出する。順位付与部は、電気代算出部によって算出された電力料金と、時間差算出部によって算出された時間差とに基づいて、運転開始時刻又は複数の運転終了時刻に対して順位を付与する。
したがって、電力料金に加えて、現在時刻と運転開始時刻との時間差も考慮して順位が付与されるので、よりユーザの意向に適した運転開始時刻を提案することができる。
第6の発明の電気機器の制御方法は、電気機器を運転するための運転条件を取得する運転情報取得ステップと、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得ステップと、前記運転情報取得ステップにおいて取得された前記運転条件に対応する前記運転期間情報と前記電力量情報とを、前記運転条件に対応付けて前記運転期間情報と前記電力量情報とを記憶する運転情報記憶部から読み出す運転情報読出ステップと、前記電力料金情報取得ステップにおいて取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出ステップにおいて読み出された前記運転期間情報と前記電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出ステップと、前記運転時刻算出ステップにおいて算出された複数の運転開始時刻又は複数の運転終了時刻をユーザに報知する報知ステップとを含む電気機器制御方法において、前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
この構成によれば、運転情報取得ステップで、電気機器を運転するための運転条件を取得する。次に、電力料金情報取得部ステップで、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する。次に、運転情報読出ステップで、運転期間情報と電力量情報を運転情報記憶部から読み出す。次に、運転時刻算出ステップで、電力料金情報と運転期間情報と電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、電気機器を運転した場合に課金される電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する。次に、報知部ステップで、運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。そして、前記所定時間として、電気機器の運転を許可する時間を前記運転情報記憶部に記憶させる。前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事
時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
第7の発明の電気機器の制御プログラムは、電気機器を運転するための運転条件を取得する運転情報取得部と、前記電気機器の運転に要する期間を示す運転期間情報と、前記電気機器の運転に要する電力量を示す電力量情報とを、前記運転条件に対応付けて記憶する運転情報記憶部と、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得部と、前記運転情報取得部によって取得された前記運転条件に対応する前記運転期間情報と前記電力量情報を前記運転情報記憶部から読み出す運転情報読出部と、現在時刻を計時する時計部と、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報と、前記運転情報読出部によって読み出された前記運転期間情報と前記電力量情報とに基づいて、前記現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出部と、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻をユーザに報知する報知部としてコンピュータを機能させる電気機器制御プログラムにおいて、前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
第8の発明の電気機器制御装置は、電気機器を運転するための運転条件と、前記運転条件に対応する前記電気機器の運転に要する期間を示す運転期間情報と、前記運転条件に対応する前記電気機器の運転に要する電力量を示す電力量情報とを前記電気機器から受信する受信部と、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する電力料金情報取得部と、前記受信部によって受信された前記運転期間情報と前記電力量情報とを、前記電力料金情報取得部によって取得された前記電力料金情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、前記電気機器を運転した場合に課金される前記電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する運転時刻算出部と、前記運転時刻算出部によって算出された前記運転開始時刻又は前記運転終了時刻をユーザに報知する報知部とを備える電気機器制御装置において、前記所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
この構成によれば、運転時刻算出部は、電力料金情報と運転期間情報と電力量情報とに基づいて、現在時刻から所定時間までの時刻において、電気機器を運転した場合に課金される電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻を算出する。報知部は、運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。そして、前記所定時間として、ユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させる。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る家電機器の構成を示す図である。図1に示す家電機器1は、運転情報取得部11、運転情報記憶部12、運転情報読出部13、通信部14、電力料金情報取得部15、運転時刻算出部16、電気代算出部17、順位付与部18、報知部19、運転時刻選択受付部20、運転時刻記憶部21、時計部22及び運転制御部23、所定時間設定部25を備える。
家電機器1は、例えば、洗濯乾燥機、炊飯器、電気給湯機、生ごみ処理機及び食器洗い機などである。
運転情報取得部11は、例えばユーザが家電機器1を操作するためのスイッチ、キーボード又はタッチパネルなどで構成され、家電機器1を運転するための運転条件と、ユーザが希望する家電機器1の希望運転終了時刻(又は希望運転開始時刻)を示す希望運転時刻とを取得する。希望運転時刻は運転情報取得部11によってユーザが設定することができるが、ユーザが設定しなくても所定時間設定部25で予め設定し運転情報記憶部12に記憶している所定時間を取得して、これを希望運転時刻として用いてもよい。これについては後述する。
また、運転条件は、例えば家電機器1が洗濯乾燥機であれば、標準洗いモード、しっかり洗いモード、洗濯モード、脱水モード及び乾燥モードなどの運転モードである。また、洗濯する衣類の重量を重量センサから取得してもよい。
運転情報取得部11は、取得した運転条件を運転情報読出部13へ出力し、取得した希望運転時刻を運転時刻算出部16へ出力する。
運転情報記憶部12は、家電機器1の運転に要する期間(運転時間)を示す運転期間情報と、家電機器1の運転に要する電力量を示す電力量情報とを運転条件に対応付けて記憶する。なお、運転情報記憶部12は、運転条件に対応付けた運転期間情報及び電力量情報を予め記憶しているが、本発明は特にこれに限定されず、運転条件に対応付けた運転期間情報及び電力量情報を後述する通信部14を介して外部サーバから取得してもよい。
運転情報読出部13は、運転情報取得部11によって取得された運転条件に対応する運転期間情報と、運転情報取得部11によって取得された運転条件に対応する電力量情報とを運転情報記憶部12から読み出す。
通信部14は、ネットワークを介して外部サーバと接続し、情報を送受信する。
電力料金情報取得部15は、通信部14を介して、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する。電力料金情報は、例えば電力会社から提供される。電力料金情報取得部15は、例えば前日に当日の電力料金情報を取得し、内部のメモリに記憶する。
電力料金情報は、24時間分の1kWh当たりの電力料金の変動を表す。電力料金はたとえば1時間毎に、時間に応じて変動している。これは、家電機器のある家庭に太陽電池及び燃料電池等の電力供給源が設置されることや、蓄電池が設置されることで家庭への電気の供給体制が大きく変わることからリアルタイムに電気代が変動するリアルタイムプライシングが反映されたものである。
リアルタイムプライシングとは、一般に、事前に電力会社から通知される電力料金情報を示し、太陽光発電、風力発電などの発電量や電力需要に応じて変化する。また、リアルタイムプライシングとは、電力会社からの電力料金情報だけでなく、それに加えて家庭内の電力供給源及び蓄電池等の機器運用情報、買電力料金情報及び売電力料金情報の過去の実績から作成される電力料金情報を示す場合もある。
以上のように、電力料金情報は、電力会社からの電力料金情報だけでなく、機器運用情報、買電力料金情報及び売電力料金情報の過去の実績から作成される、ある家庭だけで適応される電力料金情報であってもよい。要は、時間に依存して変動する電力料金がわかればよいのであって、その情報の入手方法は問わない。
運転時刻算出部16は、運転情報取得部11によって取得された希望運転時刻と、電力料金情報取得部15によって取得された電力料金情報と、運転情報読出部13によって読み出された運転期間情報とに基づいて、現在時刻から希望運転時刻までのあいだで電気代が所定料金以下となる運転開始時刻を算出する。
ここで、所定料金とはユーザが家電機器1を1回使用するのに支払っても良いと思われる金額で、たとえば、リアルタイムプライシングを反映させない条件で家電機器1を運転させたときの通常の電気代である。
電気代算出部17は、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻と、電力料金情報取得部15によって取得された電力料金情報と、運転情報読出部13によって読み出された運転期間情報と、運転情報読出部13によって読み出された電力量情報とに基づいて、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻で家電機器1が運転された場合に課金される電気代を算出する。運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻は複数であってもよい。
順位付与部18は、電気代算出部17によって算出された電気代の安い順番に複数の運転開始時刻に対して順位を付与する。
報知部19は、例えば液晶表示部で構成され、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻をユーザに報知する。なお、報知部19は、順位付与部18によって付与された順位とともに運転開始時刻を報知する。なお、順位付与部18を省いて、電気代の安い順位を付与せず報知しない構成でもよい。
なお、本実施の形態1において、報知部19は、表示部で構成されているが、本発明は特にこれに限定されず、報知部19は、音声を出力する音声出力部、及び家電機器1に接続された表示装置へ出力する出力部を含んでもよい。
運転時刻選択受付部20は、報知部19によって報知された複数の運転開始時刻の中から、ユーザが所望する運転開始時刻の選択を受け付ける。
運転時刻記憶部21は、運転時刻選択受付部20によって受け付けられた運転開始時刻を記憶する。時計部22は、時間を計る。運転制御部23は、時計部22を参照し、運転時刻記憶部21に記憶されている運転開始時刻に基づいて、家電機器1の運転を制御する。すなわち、運転制御部23は、現在時刻が運転時刻記憶部21に記憶された運転開始時刻になると開始信号を出力し、家電機器1の運転を開始するよう制御する。
次に、本実施の形態1における家電機器の動作について説明する。
図2は、本実施の形態1における家電機器の動作について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、運転情報取得部11は、家電機器1を運転するための運転条件と、ユーザが希望する家電機器1の希望運転終了時刻(又は希望運転開始時刻)を示す希望運転時刻とを受け付けて取得する。
ユーザは、家電機器1を運転するための運転条件を入力する。例えば、家電機器1が洗濯乾燥機であれば、運転情報取得部11は、ユーザによって選択された洗濯コース(標準コース、省エネコース及び時短コースなど)を運転条件として取得する。
特に、家電機器1が洗濯乾燥機であれば、運転の最中に複数の工程(例えば、洗濯工程、脱水工程及び乾燥工程など)が順次行われるので、運転条件は複雑なものとなる。運転情報取得部11は、洗濯コース、洗濯衣類の重量、及び水温や外気温等のセンサ結果を運転条件として取得する。
また、ユーザは、家電機器1の希望運転終了時刻(又は希望運転開始時刻)を入力する。ユーザは、例えば“18:00”等の実際の希望運転終了時刻(又は希望運転開始時刻)を入力する。あるいは、ユーザは、例えば“8時間後”等の現在の時刻から何時間後に運転を開始又は終了するかを入力する。
ここで、ステップS1にてユーザが希望運転終了時刻を入力しない場合は、たとえば、ユーザが家電機器1を運転するための運転条件(洗濯コース)を入力したのち5秒経過しても希望運転開始時刻または希望運転終了時刻が入力されない場合(ステップS2)は、ステップS4にて、運転情報読出部13は運転情報記憶部12に記憶した所定時間を読み出して、これを希望運転時刻として設定する。
所定時間は、ユーザが所定時間設定部25によって、家電機器の運転情報記憶部12に予め記憶させている時間である。
たとえば、家電機器が洗濯乾燥機であるような場合、ユーザが起床したときに洗濯と乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を起床時間前になるようにユーザが予め所定時間設定部25によって設定する。
また、ユーザが就寝するまでに洗濯と乾燥が終わっていることを望むときは所定時間を就寝時間前になるようにユーザが予め所定時間設定部25によって設定する。
また、家電機器が食器洗い乾燥機であるような場合、外出するまでに食器洗いと乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を外出時間前になるようにユーザが予め所定時間設定部25によって設定する。
また、次の食事を始めるまでに食器洗いと乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を食事時間前になるようにユーザが予め所定時間設定部25によって設定する。
同様に、家電機器が生ゴミ処理機であるような場合、帰宅するまでに生ゴミ処理機の運転が終わっていることを望むときは、所定時間を帰宅時間前になるようにユーザが予め所定時間設定部25によって設定する。
このように、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力しなくて
も、所定時間設定部25で予め設定した所定時間を用いて、以下のタイマー予約運転のフローチャートを実行することができる。
次に、ステップS3において、運転情報読出部13は、運転情報取得部11によって取得された運転条件に対応する運転期間情報と、運転情報取得部11によって取得された運転条件に対応する電力量情報とを運転情報記憶部12から読み出す。
運転情報読出部13は、読み出した運転期間情報を運転時刻算出部16へ出力する。また、運転情報読出部13は、読み出した運転期間情報及び電力量情報を電気代算出部17へ出力する。
次に、ステップS5において、電力料金情報取得部15は、通信部14を介して、時間毎に変化する電力料金を示す電力料金情報を取得する。なお、電力料金情報取得部15は、通信部14を介して、電力会社が運営する外部サーバにアクセスし、当該外部サーバから電力料金情報を取得するが、本発明は特にこれに限定されず、電力料金情報取得部15は、内部のメモリに予め記憶している電力料金情報を読み出してもよい。電力料金情報取得部15は、取得した電力料金情報を運転時刻算出部16及び電気代算出部17へ出力する。
次に、ステップS6において、運転時刻算出部16は、運転情報取得部11によって取得された希望運転時刻(または所定時間)と、電力料金情報取得部15によって取得された電力料金情報と、運転情報読出部13によって読み出された運転期間情報と、運転情報読出部13によって読み出された電力量情報とに基づいて、現在時刻から希望運転時刻までの時間の中で、家電機器1が運転された場合に課金される電気代が最も安くなる運転開始時刻を算出する運転開始時刻算出処理を実行する。
ここで、図2のステップS6における運転開始時刻算出処理について説明する。図3は、図2のステップS6における運転開始時刻算出処理について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS21において、運転時刻算出部16は、現在時刻から、希望運転時刻から運転期間を減算した時間の間で、電力料金が安くなる時間帯を検索する。なお、ここでの電力料金の安い時間帯は、現在時刻から希望運転時刻までの間における電力料金の安い時間帯であり、1日の内の電力料金の最も安い時間帯ではない。
次に、ステップS22において、運転時刻算出部16は、現在時刻から希望運転時刻までの間に、電力料金が安くなる時間帯が存在するか否かを判断する。ここで、現在時刻から、希望運転時刻から運転期間を削減した時間までの間に、電力料金が安くなる時間帯が存在すると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS23において、運転時刻算出部16は、電力料金の安くなる時間帯の始端を運転開始時刻に決定する。
また、ステップS24において、運転時刻算出部16は、電力料金の高くなる時間帯の前の安い時間帯の終端を運転終了時刻に決定する。
そして、ステップS25にて運転終了時刻から運転期間を減算して運転開始時刻を決定する。
以上のステップS23からステップS25を繰り返して(ステップS26でYES)、現在時刻より電力料金の安くなる時間帯の全てについて、運転開始時刻または運転終了時刻を求める。したがって複数の運転開始時刻または運転終了時刻が得られる。
一方、現在時刻から希望運転時刻までの間に、電力料金が安くなる時間帯が存在しないと判断された場合、たとえば、現在時刻から希望運転時刻までの間に電力料金が変化しない場合や現在時刻が電力料金の一番安い時間帯である場合は(ステップS22でNO)、ステップS27において、運転時刻算出部16は、運転開始時刻を現在時刻に決定する。
すなわち、電気機器を運転するのに課金される電力料金が、現在時刻において直ちに電気機器を運転するよりも安くなる運転時刻が存在するときのみ、その運転開始時刻又は運転終了時刻をユーザに報知する。
図4は、運転開始時刻算出処理について説明するための模式図である。なお、図4において、現在時刻は13時であり、家電機器1の運転期間は1時間で、1回の運転に必要な電力量は1kWhとする。
また、13時から17時までの時間帯の電力料金が28円/kWhであり、17時から23時までの時間帯の電力料金が21円/kWhであり、23時から午前7時までの時間帯の電力料金が8円/kWhであるとする。
ここで、ユーザは就寝する前に家電機器の運転を終了させたいとして、所定時間を25時として所定時間設定部25に予め記憶している。こうすることで、タイマー予約運転を行う度にユーザが希望運転終了時間を毎回設定しなくても、所定時間を用いて25時までに運転を終了するようにタイマー予約運転を行うことができる。これを図4にて説明する。
まず、図4の(z)に示すように、現在時刻(13時)からすぐに家電機器1を運転すると13〜14時に機器が運転され28円の電気代がかかる。
そして、運転時刻算出部16は、13時(現在時刻)から25時(所定時間)までの間で、電力料金の安い時間帯を検索する。
13時から17時での時間帯については、電力料金は、一律の28円/kWhである。そのため、運転時刻算出部16は、電力料金の安くなる時間帯が存在しないと判断する。
17時から23時での時間帯については、電力料金は、21円/kWhとなり上記の28円/kWhよりも安くなる。
そのため、運転時刻算出部16は、電力料金の安くなる時間帯の始端である17時を運転開始時刻として設定する。これが1つめの運転開始時間であり、図4(a)として示すように、17〜18時に運転して21円の電気代がかかる。
23時から25時(希望運転終了時刻)での時間帯については、電力料金は、8円/kWhとなり上記の28円/kWhよりも安くなる。
そのため、運転時刻算出部16は、電力料金の安くなる時間帯の始端である23時を運転開始時刻として設定する。これが2つめの運転開始時間であり、図4(b)として示すように、23〜24時に運転して8円の電気代がかかる。
なお、現在時刻よりも電力料金が高くなる時間帯について図4では図示しないが、電力料金が高くなる時間帯の前の安い時間帯の終端を運転終了時刻に決定し、運転終了時刻から運転期間を減算して運転開始時刻を求める。たとえば、17〜23時の電力料金が33
円で現在時刻の電力料金よりも高いときは、運転時刻算出部16は、電力料金の安くなる時間帯の終端である17時を運転終了時刻として設定する。家電機器1の運転期間は1時間であるから、運転開始時刻は16時となる。
このように電気代の安い時間帯から高い時間帯へ切り替わる時間や高い時間帯から安い時間帯への切り替わる時間の前後で家電機器1を運転させる。
図2に戻って、ステップS6以降の処理について説明する。
ステップS7において、電気代算出部17は、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻(図4(a)、図4(b))と、電力料金情報取得部15によって取得された電力料金情報と、運転情報読出部13によって読み出された運転期間情報と、運転情報読出部13によって読み出された電力量情報とに基づいて、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻のそれぞれで運転された場合に課金される電気代を算出する。
電気代算出部17は、運転開始時刻と運転終了時刻との間において時間毎に変化する電力料金に、家電機器1が運転に要する電力量を乗算した値を運転期間で積分することにより、それぞれの運転開始時刻で運転された場合に課金される電気代を算出する。
図4で説明したように、現在時刻で運転する(z)が電気代28円/kWhに対して、運転開始時刻(a)が21円/kWh、運転開始時刻(b)が8円/kWhと安くなる。
次に、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻が複数である場合には(S8のYES)、ステップS9において、順位付与部18は、電気代算出部17によって算出された電気代の安い順番に運転開始時刻(a)、(b)に対して順位を付与する。
図5は、実施の形態1において、図4の運転開始時刻に対して付与される順位について説明するための図である。(z)は現在時刻で運転する開始する場合、(a)、(b)は図4(a)、図4(b)の運転開始時刻で運転する場合の電気代を表している。
順位付与部18は、電気代が安い順番に順位を付与する。運転開始時刻(b)が8円で推薦順位は1番、運転開始時刻(a)が21円で推薦順位は2番が付与される。
図2に戻って、ステップS10において、報知部19は、順位付与部18によって付与された順位とともに、運転時刻算出部16によって算出された複数の運転開始時刻を表示する。
次に、ステップS11において、運転時刻選択受付部20は、報知部19によって報知された複数の運転開始時刻の中から、ユーザが所望する運転開始時刻の選択を受け付ける。
図6(A)〜図6(C)は、報知部によって表示される表示画面の一例を示す図である。報知部19は、複数の運転開始時刻を1候補ずつ順に表示する。報知部19は、図6(A)〜図6(C)に示す表示画面を順位の高い順に表示する。
図6(A)〜図6(B)に示すように、表示画面には、家電機器1が推薦する推薦順位、家電機器1が運転を開始する運転開始時刻、運転開始時刻から運転終了時刻までを表す運転時間、及び家電機器1が運転された場合に課金される電気代が表示される。また、報知部19は、表示される運転開始時刻の選択を受け付けるための選択項目を表示画面に表示する。選択項目には、表示されている運転開始時刻でよいか、及び別の運転開始時刻を
見るかが表示され、ユーザはいずれか一方を選択する。
運転時刻選択受付部20は、報知部19によって報知された複数の運転開始時刻の中から、ユーザが所望する運転開始時刻の選択を受け付ける。つまり、ユーザは、表示画面に表示される運転開始時刻でよければ、“Yes”に対応するボタンを押下し、別の運転開始時刻を表示する場合は、“No”に対応するボタンを押下する。
まず、報知部19は、“1番”の順位が付与された運転開始時刻を表示画面に表示する。ユーザにより“No”に対応するボタンを押下された場合、報知部19は、“2番”の順位が付与された運転開始時刻を表示画面に表示する。さらに、ユーザにより“No”に対応するボタンを押下された場合、図6(c)のように、タイマー予約運転をしない場合の運転開始時刻を表示画面に順次表示する。
このように、複数の運転開始時刻を1つずつ表示画面に表示することにより、ユーザは、許容できる運転開始時刻であるか否かを1つずつ判断することができる。また、順位が1番目の運転開始時刻が許容できる場合、順位が2番目以降の運転開始時刻について判断する必要がないため、選択操作が容易になる。
次に、報知部によって表示される表示画面の第1の変形例について説明する。図7は、報知部によって表示される表示画面の第1の変形例を示す図である。図7では、表示画面に複数の運転開始時刻が一括して表示されている。報知部19は、複数の運転開始時刻を順位の高い順に表示する。
図7に示すように、表示画面には、現在時刻、運転に要する期間、家電機器1が推薦する推薦順位、家電機器1が運転を開始する複数の運転開始時刻、運転開始時刻から運転終了時刻までを表す運転時間、及び家電機器1が運転された場合に課金される電気代が表示される。また、報知部19は、表示される複数の運転開始時刻の中から1つの運転開始時刻の選択を受け付けるための選択項目を表示画面に表示する。
選択項目には、表示されている複数の運転開始時刻の中から、ユーザが希望する運転開始時刻の選択を促す文章が表示される。ユーザは、運転開始時刻に対応付けられている順位に対応するボタンを押下することにより、複数の運転開始時刻の中からいずれかの運転開始時刻を選択する。
また、表示画面には、現在時刻、希望運転時刻、推薦順位、複数の運転開始時刻、運転時間、電力料金単価及び課金される電気代が模式的に表示される。図7の下側に示すように時間軸とともに電力料金変化と複数の運転時間をグラフ化して時間関係をユーザが理解するのを補助する。
このように、複数の運転開始時刻が1つの表示画面に表示されるので、ユーザは、各運転開始時刻を比較しながら選択することができる。
次に、報知部によって表示される表示画面の第2の変形例について説明する。図8は、報知部によって表示される表示画面の第2の変形例を示す図である。図8では、表示画面に複数の運転開始時刻が一括して表示されている。また、複数の運転開始時刻は、運転開始時刻の早い順に表示される。なお、複数の運転開始時刻は、電気代の安い順に表示してもよい。
図8に示すように、表示画面には、現在時刻、運転に要する期間、家電機器1が運転を開始する複数の運転開始時刻、運転開始時刻から運転終了時刻までを表す運転時間、及び
家電機器1が運転された場合に課金される電気代が表示される。
なお、図8に示す表示画面において、運転開始時刻の左方に表示される番号(1)〜(2)は、推薦順位を表すものではなく、運転開始時刻の早い順番を表している。また、番号(3)にはタイマー予約運転をしない場合の運転時間と電気代を示している。報知部19は、表示される複数の運転開始時刻の中から1つの運転開始時刻の選択を受け付けるための選択項目を表示画面に表示する。
選択項目には、表示されている複数の運転開始時刻の中から1つの運転開始時刻の選択を促す文章が表示される。ユーザは、運転開始時刻に対応付けられている番号に対応するボタンを押下することにより、複数の運転開始時刻の中からいずれかの運転開始時刻を選択する。
また、表示画面には、現在時刻、希望運転時刻、複数の運転開始時刻、運転時間、電力料金単価及び課金される電気代が模式的に表示される。図8の下側に示すように時間軸とともに電力料金変化と複数の運転時間をグラフ化して時間関係をユーザが理解するのを補助する。
このように、複数の運転開始時刻が1つの表示画面に表示されるので、ユーザは、各運転開始時刻を比較しながら選択することができる。
図2に戻って、ステップS12において、運転時刻記憶部21は、運転時刻選択受付部20によって受け付けられた運転開始時刻を記憶する。
次に、ステップS13において、運転制御部23は、現在の時刻が運転時刻記憶部21に記憶されている運転開始時刻になったか否かを判断する。現在の時刻が運転時刻記憶部21に記憶されている運転開始時刻になっていないと判断された場合(ステップS13でNO)、待機状態となり、現在の時刻が運転時刻記憶部21に記憶されている運転開始時刻になるまで所定のタイミングでステップS13の判断処理を繰り返す。
一方、現在の時刻が運転時刻記憶部21に記憶されている運転開始時刻になったと判断された場合(ステップS13でYES)、ステップS14において、運転制御部23は、家電機器1の運転を開始する。なお、運転制御部23は、運転情報取得部11によって取得された運転条件に従って家電機器1を運転する。
このように、電気代が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻が算出され、算出された複数の運転開始時刻又は複数の運転終了時刻がユーザに報知されるので、ユーザは電気代の安い時間にタイマー予約運転することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、算出された複数の運転開始時刻又は複数の運転終了時刻を電気代の安い順番にユーザに提案することができる。
以上のように、所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを前記運転情報記憶部に記憶させることで、ユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
また、運転時刻算出部が算出した運転開始時刻又は運転終了時刻が複数ある場合、順位付与部は、電気代算出部によって算出された電力料金の安い順番に運転開始時刻又は運転終了時刻に対して順位を付与する。報知部は、順位付与部によって付与された順位とともに運転開始時刻又は運転終了時刻を報知するので、電力料金の安い順番にユーザに提案す
ることができる。
なお、本実施の形態1において、順位付与部によって付与された順位とともに運転開始時刻又は運転終了時刻を報知することは必須ではない。
なお、本実施の形態1において、所定時間を25時としたが、ユーザが起床したときに家電機器1の運転が終わっていることを望むときは所定時間を午前8時に設定し、外出するまでに家電機器1の運転が終わっていることを望むときは所定時間を午前10時に設定し、帰宅するまでに家電機器1の運転が終わっていることを望むときは所定時間を18時に設定し、夕食の準備を始めるまでに家電機器1の運転が終わっていることを望むときは所定時間を19時に設定する、というようにユーザの生活シーンに応じて様々な所定時間を設定することができる。
また、予め複数の所定時間が設定されている場合は、S1の家電機器1を運転するための運転条件を入力するときの時刻(現在時刻)を参照して、この時刻から一番近い所定時間を設定してもよい。また、今から家電機器1を運転しても一番近い所定時間までに運転が終了しない場合は、運転終了が可能な時間を過ぎて一番近い時間を所定時間に設定してもよい。
なお、家電機器は洗濯乾燥機によらず、食器洗い乾燥機や生ゴミ処理機などであってもよい。家電機器に応じて所定時間を異ならせて設定してもよい。たとえば、洗濯乾燥機には所定時間を25時と設定し、食器洗い乾燥機には所定時間を21時と設定する。
また、本実施の形態1において、運転情報記憶部12は、家電機器1を運転した場合に排出されるCO2排出量情報を運転条件に対応付けてさらに記憶してもよい。この場合、家電機器1は、運転情報取得部11によって取得された希望運転時刻と、運転情報読出部13によって読み出された運転期間情報と、運転情報読出部13によって読み出されたCO2排出量情報とに基づいて、運転時刻算出部16によって算出された複数の運転開始時刻のそれぞれで運転された場合に排出されるCO2排出量を算出するCO2排出量算出部をさらに備える。そして、順位付与部18は、CO2排出量算出部によって算出されたCO2排出量の少ない順番に複数の運転開始時刻に対して順位を付与する。あるいはまた、家電機器1が運転された場合に課金される電気代と排出されるCO2排出量との両方を表示したりその順位付けしてユーザに選択させてもよい。
なお、本実施の形態1では、ユーザが希望運転時刻を入力しないときに所定時間を取得してタイマー予約運転を行う形態を示したが、ユーザによる希望運転時刻の設定するステップを無くし、常に所定時間を取得してタイマー予約運転を行うように設計することもできる。
すなわち、図2においてステップS2、S3を省いて、図9のように、ステップS1’にて運転条件のみを取得し、常にステップS4を実行する。そして、図9にて図2と同じ内容については同じステップ番号を付与して詳細な説明を省くが、ステップS6で運転開始時刻を算出し、ステップS7で電気代を算出して、図6〜図8のような報知部による報知をした後、ユーザが希望運転時刻を変更したければ希望運転時刻を入力して、再度、運転開始時刻を算出し、電気代を算出して報知部によって再報知するようにしてもよい。
したがって、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る家電機器について説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係る家電機器の構成を示す図である。
図1に示す家電機器1’は、運転情報取得部11、運転情報記憶部12、運転情報読出部13、通信部14、電力料金情報取得部15、運転時刻算出部16、電気代算出部17、順位付与部18、報知部19、運転時刻選択受付部20、運転時刻記憶部21、時計部22、運転制御部23及び時間差算出部24、所定時間設定部25を備える。なお、実施の形態2に係る家電機器1’において、実施の形態1に係る家電機器1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
時間差算出部24は、運転時刻算出部16によって算出された複数の運転開始時刻と、現在時刻との時間差を算出する。
順位付与部18は、電気代算出部17によって算出された電気代と、時間差算出部24によって算出された時間差とに基づいて、複数の運転開始時刻に対して順位を付与する。
次に、本実施の形態2における家電機器1’の動作について説明する。
図11は、本実施の形態2における家電機器1’の動作について説明するためのフローチャートである。
ステップS31〜S36,S38、S40〜S44の処理は、図9に示すステップS1’〜S6,S8、S10〜S14の処理と同じであるので説明を省略する。
ステップS37において、時間差算出部24は、運転時刻算出部16によって算出された運転開始時刻と現在時刻との時間差を算出する。
図4を使って説明すると、現在時刻が13時であり、運転開始時刻(a)が17時である場合、時間差算出部24によって算出される時間差は、“4時間”である。同様に、運転開始時刻(b)が23時である場合、時間差算出部24によって算出される時間差は、“10時間”である。
図11に戻って、ステップS39において、順位付与部18は、電気代算出部17によって算出された電力料金と、時間差算出部24によって算出された時間差とに基づいて、複数の運転開始時刻に対して順位を付与する。
なお、実施の形態1のように、電気代算出部17によって電気代の価値を算出するのみで時間差算出部24によって時間差の価値を演算しなくてもよいし、順位付与部18によって推薦順位を付与することなしに報知部19で報知する形態でもよい。
図12は、実施の形態2において、図4の運転開始時刻(z)、(a)、(b)のそれぞれに対して付与される順位について説明するための図である。
図12において、電気代は、それぞれの運転開始時刻で運転された場合に課金される電気代を表している。なお、図12における電気代は、図4の例において算出された運転開始時刻(z)、(a)、(b)のそれぞれで運転された場合に課金される電気代を示している。
図12における料金価値は、課金される電気代のうち、最も高い電気代を0円とし、最
も高い電気代に対して何円安くなっているかを表している。
図12における時間差は、運転開始時刻と現在時刻との時間差をそれぞれ表している。
図12における時間の価値は、上記の時間差を料金に換算したものであり、ここでは時間差が30分毎に1円の料金価値に換算して計算している。運転待ち時間が発生すると時間の価値は下がるとして、負の価値でそれぞれ表している。
図12における合計価値は、上記の料金価値と、上記の時間価値とを合計したものである。
図12のお薦め順位は、順位付与部18によって付与された順位を表している。順位付与部18は、料金価値と時間価値との合計が高い順番に、順位を付与する。
図12において、運転開始時刻(b)と(z)に対応する価値の合計が最も高いので、1番目の推薦順位が付与される。そして、運転開始時刻(a)に2番目の推薦順位が付与される。
この推薦順位を用いて、実施の形態1の図6〜図8のようにユーザに表示して、運転時間を選択させる。
なお、本実施の形態2では、図12においての時間価値において、30分の時間差を1円の料金価値に換算しているが、本発明は特にこれに限定されず、料金価値をより重視する場合は、たとえば、1時間の時間差を1円の料金に換算し、時間差に対する料金価値を高くしてもよい。また、時間価値をより重視する場合は、たとえば、15分の時間差を1円の電力価値に換算し、料金に対する時間価値を高くしてもよい。
このように、時間差を料金価値に換算する換算計数を設定することにより、料金と時間差との価値比率を変化させることができる。そして、電気代だけでなく、時間差も考慮してユーザに推薦する順位が決定されるので、よりユーザの意向に適した運転開始時刻を提案することができる。
さらに、家電機器の種類やユーザの好みによってその比率を異ならせてもよい。
ユーザが炊きたてや食べ頃にこだわる炊飯器のような調理機器では、運転時刻と現在時刻との時間差を小さくするように時間差に対する料金価値を高くする。たとえば、15分の時間差を1円の料金価値に換算する。
また、ユーザが出来上がり時間の多少の時間差が構わないような食器洗い乾燥機や生ゴミ処理機では運転時刻と現在時刻との時間差が大きくても電力料金を安くするように時間差に対する料金価値を低くする。たとえば、1時間の時間差を1円の料金価値に換算する。
また、運転する時刻に応じて時間差に対する料金価値を変化させてもよい、たとえば、深夜の時間帯では時間差に対する料金価値を低くするように設定し、それ以外の行動中の時間帯は時間差に対する料金価値を高く設定する。
なお、このように時間差と料金価値の換算値は、運転情報記憶部12に予め記憶しておく方法や、運転情報取得部11や通信部14を介して外部から設定変更できる方法が考えられる。
また、運転開始時刻よりも運転終了時刻を重要視して、ステップS37において、時間差算出部24は、運転時刻算出部16によって算出された運転終了時刻と現在時刻との時間差を算出してもよい。
以上のように、時間差算出部は、運転開始時刻と、時計部によって計時する現在時刻との時間差を算出し、順位付与部は、電気代算出部によって算出された電力料金と、時間差算出部によって算出された時間差とに基づいて、運転開始時刻又は複数の運転終了時刻に対して順位を付与するので、電力料金に加えて、現在時刻と運転開始時刻との時間差も考慮して順位が付与されるので、よりユーザの意向に適した運転開始時刻を提案することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1、2は、所定時間としてユーザが生活時間予め設定する内容であったが、所定時間の設定として家電機器の運転許可時間と運転不許可時間を設定してもよい。
家電機器の構成、フローチャートは実施の形態2と同じとして、図10、図11に示す。
例えば、図13のように1日の中で家電機器を運転してもよい時間帯(運転許可時間)を午前6時から21時までのあいだとし、それ以外の21時から午前6時は就寝中なので運転を許可しない時間帯(運転不許可時間)として、所定時間設定部25によってユーザは予め所定時間を設定する。このとき、運転許可時間と運転不許可時間をユーザは家電機機器の種類毎に異ならせて設定しても良い。
そして、図11のフローチャートによって、運転時刻算出部16によって運転許可時間の中で運転開始時刻を算出し、電気代算出部17によって電気代の価値を算出し、時間差算出部24によって時間差の価値を演算し、順位付与部18によって推薦順位を付与して、報知部19でユーザに報知する。
このとき、図11のステップS4において、運転許可時間を所定時間として取得し、図3のステップS21において、現在時刻13時〜21時のあいだと、午前6時〜13時(現在時刻の24時間先までをタイマー予約運転の範囲とする)のあいだのそれぞれで運転許可時間の中で電力料金の安い時間帯を検索する。
図13では、現在時刻を13時とし、運転期間を2時間、運転にかかる電力量を2kWhとした。
図13(a)は電力料金が21円/kWhに安くなる時間帯の始端(17時)を運転開始時刻としたものであり、図13(b)は電力料金が21円/kWhに安くなる時間帯の中で運転許可期間の終端(21時)を運転終了時刻としたものである。
また、図13(c)は運転許可時間(午前6時〜21時)の中で電力料金が8円/kWhに安くなる時間帯の始端(午前6時)を運転開始時刻としたものであり、図13(d)は電力料金が21円/kWhに高くなる時間帯の前の時間帯の終端(午前7時)を運転終了時刻としたものである。
なお、図13(d)は運転開始時刻(午前5時)が運転不許可時間(午前6時〜21時)に含まれるので、タイマー予約運転の対象から除外する。
図13(z)は現在時刻(13時)から運転開始した場合を示している。
そして、図14に図13(a)〜(d)、(z)の運転時間、電気代、料金価値を示す。
電気代では(c)が29円と一番安く、現在時刻から運転する(z)と比較して27円安く運転できる。
時間差では図14(c)が17時間となり一番大きくなる。時間差が一番小さいの(a)の4時間である。
ここで時間差の30分を1円の価値として時間差の価値を算出し、これと料金価値とで合計すると図14の合計価値に示すようになり、お薦め順位は(a)が1番、(b)が2番となる。
以上のように、ユーザが希望運転時刻を入力しなくても、家電機器の許可時間、不許可時間として所定時間を設定しておくことで、ユーザのニーズにあった時刻において電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
(実施の形態4)
実施の形態1、2は、所定時間としてユーザが生活時間や家電機器の運転許可時間を予め設定する内容であったが、ユーザが設定しなくても家電機器が所定時間を算出することが可能である。これを説明する。
実施の形態4に係る家電機器について説明する。図15は、本発明の実施の形態4に係る家電機器の構成を示す図である。
図15に示す家電機器1”は、運転情報取得部11、運転情報記憶部12、運転情報読出部13、通信部14、電力料金情報取得部15、運転時刻算出部16、電気代算出部17、順位付与部18、報知部19、運転時刻選択受付部20、運転時刻記憶部21、時計部22、運転制御部23及び時間差算出部24、運転時刻分析部26を備える。
なお、実施の形態4に係る家電機器1”において、実施の形態1に係る家電機器1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
ユーザがこれまでに電気機器1”を運転した時刻を運転時刻記憶部21に記憶し、運転時刻分析部26は、これを読み出して、運転したことがある時刻の時間分布からユーザが家電機器1”を使用する時間帯を求めるものである。
たとえば、あるユーザがこれまでに洗濯乾燥機を運転した時間帯を運転時刻記憶部21に記憶する。たとえば、今日の17時〜19時に運転したときは、運転時刻記憶部21に17時〜19時を記憶する。運転回数が増えるにしたがって、記憶される運転時刻は複数になる。
ここで運転履歴の有る時間については、このユーザがこれまでにタイマー予約運転を使って家電機器を運転した時刻に加えて、タイマー予約運転ではなくてもユーザが家電機器を運転した時刻を含める。
そして、たとえば、過去1年間に運転した時間帯を運転履歴として以下のように扱う。
この運転履歴の中で、1日の中で最も速い時間帯で運転した記録がたとえば午前6時からであるときは、運転時刻分析部26は運転履歴有りの時間は午前6時以降と分析する。
また、運転時刻記憶部21に記憶された運転時刻の中で、1日の中で最も遅い時間帯で運転した記録がたとえば20時までであるときは、運転時刻分析部26は運転履歴有りの時間は20時までと分析する。
このようにして運転履歴有り時間は、このユーザの運転履歴の有る時間帯から午前6時〜20時までとなり、運転履歴の有る時間帯から無い時間帯に変化する時刻(20時)を所定時間としてタイマー予約運転を行う。すなわち、ユーザがこの時刻までには家電機器の使用を終了したいとする時刻を所定時間とする。
また運転履歴の無い時間帯から有る時間帯に変化する時刻(午前6時)を所定時間としてタイマー予約運転を行う。すなわち、ユーザがこの時刻からであれば家電機器を使用してもよいとする時刻を所定時間とする。
なお、午前6時〜20時のあいだであっても、これまでの運転履歴を見てある時間長(たとえば2時間)以上にわたって運転の無い時間帯については、この時間帯を運転履歴無し時間としてもよい。
このようにして、運転時刻分析部26はユーザの過去の運転時刻の記憶から運転履歴有り時間を算出し、この始まりの時刻と終了の時刻とを所定時間としてタイマー予約運転を行う。あるいは、始まりの時刻のみを所定時間としてもよいし、終了の時刻のみを所定時間としてもよい。
所定時間を求めた後の、本実施の形態4における家電機器1”の動作について説明するためのフローチャートは本実施の形態2における家電機器1’の動作(図11のフローチャート)と同じである。
例えば、図16に示すように、洗濯乾燥機の過去の運転時間の履歴(たとえば過去一年間の実際に運転した時間の履歴)を時間帯に表すと、運転履歴有り時間を午前6時〜20時とする。すなわち、所定時間を午前6時〜20時とする。
そして、図11のフローチャートで、運転時刻算出部16によって現在時刻から所定時間のあいだで運転開始時刻を算出し(ステップS36)、電気代算出部17によって電気代の価値を算出し、時間差算出部24によって時間差の価値を演算し(ステップS37)、順位付与部18によって推薦順位を付与して(ステップS39)、報知部19でユーザに報知する(ステップS40)。
このとき、図11のステップS34において、運転履歴の有る時間を所定時間として取得し、図3のステップS21において、現在時刻13時〜20時のあいだと、午前6時〜13時(現在時刻の24時間先までをタイマー予約運転の範囲とする)のあいだのそれぞれで電力料金の安い時間帯を検索する。
また、運転時刻選択受付部20でユーザが選択した運転開始時刻または運転終了時刻を運転時刻記憶部21に記憶し、運転時刻分析部26にて運転履歴有り時間を算出する。
図16では図13と同じく、運転期間を2時間、運転にかかる電力量を2kWhとした。
図16(a)は13時〜20時のあいだで、電力料金が21円/kWhに安くなる時間帯の始端(17時)を運転開始時刻としたものである。
図16(b)は午前6時〜13時のあいだで、電力料金が8円/kWhに安くなる時間帯の始端(午前6時)を運転開始時刻としたものである。
図16(c)は電力料金が8円/kWhに安くなる時間帯の終端(午前7時)を運転終了時刻としたものであるが、運転開始時刻が運転履歴の無い時間に含まれるので、タイマー予約運転の対象から除外する。
図16(d)は午前6時から13時のあいだで、電力料金が28円/kWhに高くなる前の、21円/kWhの時間帯の終端(午前10時)を運転開始時刻としたものである。
また、図16(z)は現在時刻から運転開始した場合を示している。
そして、図17に、図16(a)、(b)、(c)、(d)、(z)の運転時間、電気代、料金価値を示す。
電気代は(b)が29円と一番安く、現在時刻から運転する(z)と比較して27円安く運転できる。
時間差は(d)が19時間と一番大きい。30分の時間差の1円の価値として時間差の価値を算出すると−38円となる。
電気代と時間差の時間価値とで合計してお薦め順位を付与すると、図17に示すように(a)が1番、(z)が2番の推薦順位となる。
以上のように、所定時間として、過去に運転した時刻の履歴情報を運転時刻記憶部に記憶させ、運転時刻分析部において運転履歴有り時間を算出して、これを所定時間とするので、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力しなくても、現在時刻から所定時間までの時刻において電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
そして、ユーザが過去に運転した時刻の履歴情報を記憶し、履歴情報に基づいて所定時間を設定するので、ユーザがこれまでに実施した運転期間を考慮して電気機器を運転させることができる。
また、機器毎に過去に運転した時刻の履歴情報は異なるので、所定時間も機器毎に最適な値とすることができる。
(実施の形態5)
続いて、実施の形態5に係る家電機器について説明する。図18は、本発明の実施の形態5に係る家電機器の構成を示す図である。図1における家電機器と同じものには同じ番号を付与して説明を省く。
家電機器1”’は、図1の所定時間設定部25の代わりに、宅内通信部31を介してセンサ装置3に接続して、そのセンサ情報をセンサ情報分析部27に取得する。
センサ装置3は、人感センサや明るさセンサなどであり、ユーザが宅内で行動した時間帯を検知する。たとえば、ユーザの就寝中や不在(外出中)を検知する。また、ユーザの
起床や帰宅を検知する。このようなセンサ装置3を家電機器1に内蔵してもよい。
また、センサ装置3は、ホームセキュリティ機器と接続してもよい。たとえば、玄関の施錠センサによって、ユーザの在宅中(宅内から施錠したとき)、外出中(宅外から施錠したとき)を検知する。あるいは、ホームセキュリティ機器にユーザ自身が設定する「就寝中」「外出中」を検知する。
またセンサ装置3は、他の家電機器であり、その動作状態からユーザの現在状態を取得してもよい。たとえば深夜にテレビが消された、照明が消された、寝室のエアコンの運転を始めたのを検知して就寝を検知する。また早朝にテレビがついた、照明がついた、居間のエアコンの運転を始めたのを検知して起床を検知する。
センサ情報分析部27は、これらのセンサ装置3からのセンサ情報を時間帯で分析することにより、ユーザが行動する時間帯と行動していない時間帯を得られる。そして、タイマー予約運転の所定時間をユーザの行動する時間帯と行動していない時間帯とから設定する。
センサ情報分析部27によるユーザの行動時間を図19で説明する。
センサ装置3からの検知により、このユーザの行動の有った時間は午前8時〜午前11時と12時30分〜24時ということが分析される。
センサ情報分析部27は、このユーザの行動のある時間帯から無い時間帯に変化する時刻(午前11時と24時)を所定時間としてタイマー予約運転を行う。すなわち、ユーザが就寝したり外出するような時刻までに家電機器の運転が終了するように所定時間を設定する。
また、行動の無い時間帯から有る時間帯に変化する時刻(午前8時と12時30分)を所定時間としてタイマー予約運転を行う。すなわち、ユーザが起床したり帰宅するような時刻までに家電機器の使用を終了したいとする時刻を所定時間とする。
このようにして、センサ情報分析部27はセンサ装置3からのセンサ情報によってユーザの行動有り時間を算出し、この始まりの時刻と終了の時刻とを所定時間としてタイマー予約運転を行う。あるいは、始まりの時刻のみを所定時間としてもよいし、終了の時刻のみを所定時間としてもよい。
このようにして、午前8時、午前11時、12時30分、24時の4つの時刻を所定時間としてタイマー予約運転を行う。
図11のフローチャートによって、4つの所定時間についてそれぞれ、運転時刻算出部16によって複数の運転開始時刻を算出し(ステップS36)、電気代算出部17によって電気代の価値を算出し、時間差算出部24によって時間差の価値を演算し(ステップS37)、順位付与部18によって推薦順位を付与して(ステップS39)、報知部19でユーザに報知する(ステップS40)。
このとき、図11のステップS4において、ユーザの行動有り時間を所定時間として取得し、図3のステップS21において、現在時刻13時〜24時のあいだと、24時〜午前8時のあいだと、午前8時〜午前11時のあいだと、午前11時〜12時30分のあいだと、12時30分〜13時(現在時刻の24時間先までをタイマー予約運転の範囲とする)のあいだのそれぞれで運転許可時間の中で電力料金の安い時間帯を検索する。
なお、実施の形態1のように、電気代算出部17によって電気代の価値を算出するのみで時間差算出部24によって時間差の価値を演算しなくてもよいし、順位付与部18によって推薦順位を付与することなしに報知部19で報知する形態でもよい。
図19の例では図13と同じく、運転期間を2時間、運転にかかる電力量を2kWhとした。
図19(a)は13時〜24時のあいだで電力料金が21円/kWhに安くなる時間帯の始端を運転終了時刻としたものである。
図19(b)は13時〜24時のあいだで電力料金が8円/kWhに安くなる時間帯の始端を運転終了時刻としたものである。
図19(c)は24時〜午前8時のあいだで電力料金が8円/kWhに安くなる時間帯の終端を運転終了時刻としたものである。
図19(d)は午前8時〜午前11時のあいだで電力料金が21円/kWhに安くなる時間帯の終端を運転終了時刻としたものである。
参考までに、図19(e)は現在時刻から24時間以上先であるが、図19(a)と同じ時間帯である。
また、図19の(z)は現在時刻から運転開始した場合を示している。
これを、図20に示すように、図19(a)、(b)、(c)、(d)、(z)の運転時間、電気代、料金価値を示す。
電気代は(b)と(c)が16円と一番安く、現在時刻から運転する(z)と比較して40円安く運転できる。
時間差は(d)が19時間と一番大きい。30分の時間差の1円の価値として時間差の価値を算出すると−38円となる。
電気代と時間差の時間価値とで合計してお薦め順位を付与すると、図20に示すように(b)が1番、(a)が2番の推薦順位となる。
以上のように、電気機器は、ユーザの行動を検知するセンサ装置と接続し、ユーザが過去に行動した時刻の履歴情報を記憶し、履歴情報に基づいて所定時間を設定するので、タイマー予約運転を設定するときにユーザが希望運転時刻を入力しなくても、現在時刻から所定時間までの時刻において電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
そして、センサ装置で検知したユーザの行動の履歴情報を記憶し、運転時刻算出部は、履歴情報に基づいて所定時間を設定するのでユーザの行動を考慮して電気機器を運転させることができる。
(実施の形態6)
続いて、実施の形態6に係る機器制御システムについて説明する。図21は、本発明の実施の形態6に係る機器制御システムの構成を示す図である。図21に示す機器制御システムは、機器制御装置2と第1の家電機器5を備える。
機器制御装置2と、第1の家電機器5とは、無線又は有線のホームネットワークにより情報を相互に送受信可能に接続されている。なお、図21では、1つの家電機器が機器制御装置2に接続されているが、本発明は特にこれに限定されず、2つ以上の家電機器が機器制御装置2に接続されていてもよい。
第1の家電機器5は、運転情報取得部51、運転情報記憶部52、運転情報読出部53、宅内通信部54及び運転制御部55を備える。
機器制御装置2は、宅内通信部31、通信部32、電力料金情報取得部33、運転時刻算出部34、電気代算出部35、順位付与部36、報知部37、運転時刻選択受付部38、運転時刻記憶部39、時計部40及び家電機器遠隔制御部41を備える。機器制御装置2は、例えば宅内に設けられたホームサーバ又はパーソナルコンピュータである。なお、宅内通信部31、54の代わりに宅外通信部を備えて、機器制御装置2は、例えば宅外に設けられたサーバであってもよい。
第1の家電機器5の運転情報取得部51は、例えばユーザが第1の家電機器5を操作するためのスイッチ、キーボード又はタッチパネルなどで構成され、第1の家電機器5を運転するための運転条件を取得する。
運転情報記憶部52は、第1の家電機器5の運転に要する期間を示す運転期間情報と、第1の家電機器5の運転に要する電力量を示す電力量情報とを運転条件に対応付けて記憶する。また、運転情報記憶部52は所定時間を記憶している。
運転情報読出部53は、運転情報取得部51によって取得された運転条件に対応する運転期間情報と、運転情報取得部51によって取得された運転条件に対応する電力量情報とを運転情報記憶部52から読み出す。
宅内通信部54は、運転情報取得部51によって取得された所定時間と、運転情報読出部53によって読み出された運転期間情報及び電力量情報とを機器制御装置2へ送信する。また、宅内通信部54は、機器制御装置2から送信される第1の家電機器5の運転を開始するための運転開始指示信号を受信する。
運転制御部55は、宅内通信部54によって受信された運転開始指示信号に基づいて、第1の家電機器5の運転を制御する。
機器制御装置2の宅内通信部31は、第1の家電機器5の宅内通信部54によって送信された所定時間、運転期間情報及び電力量情報を受信する。
なお、通信部32、電力料金情報取得部33、運転時刻算出部34、電気代算出部35、順位付与部36、報知部37、運転時刻選択受付部38、運転時刻記憶部39及び時計部40の構成は、図1に示す通信部14、電力料金情報取得部15、運転時刻算出部16、電気代算出部17、順位付与部18、報知部19、運転時刻選択受付部20、運転時刻記憶部21及び時計部22の構成と同じであるので説明を省略する。
家電機器遠隔制御部41は、時計部40を参照し、運転時刻記憶部39に記憶されている運転開始時刻に基づいて、第1の家電機器5の運転を遠隔制御する。すなわち、家電機器遠隔制御部41は、現在時刻が運転時刻記憶部39に記憶された運転開始時刻になると、第1の家電機器5の運転を開始するための運転開始指示信号を生成する。家電機器遠隔制御部41は、生成した運転開始指示信号を宅内通信部31へ出力する。宅内通信部31
は、家電機器遠隔制御部41によって生成された運転開始指示信号を第1の家電機器5の宅内通信部54へ送信する。
あるいは、図示しないが、第1の家電機器5が時計部40を備えて、運転制御部55において、現在時刻が機器制御装置2から受信した運転開始時刻になると、第1の家電機器5の運転を開始するように構成してもよい。
なお、本実施の形態6において、第1の家電機器5は、運転情報記憶部52及び運転情報読出部53を備えているが、本発明は特にこれに限定されず、機器制御装置2が、運転情報記憶部52及び運転情報読出部53を備えてもよい。この場合、運転情報取得部51は、運転条件と希望運転時刻とを取得し、取得した運転条件と希望運転時刻とを宅内通信部54へ出力する。宅内通信部54は、運転条件及び希望運転時刻を機器制御装置2へ送信する。機器制御装置2の宅内通信部31は、第1の家電機器5によって送信された運転条件及び所定時間を受信し、受信した運転条件を運転情報読出部へ出力し、受信した所定時間を運転時刻算出部34へ出力する。機器制御装置2の運転情報読出部は、宅内通信部31によって受信された運転条件に対応する運転期間情報と、宅内通信部31によって受信された運転条件に対応する電力量情報とを運転情報記憶部から読み出す。
なお、本実施の形態6において、第1の家電機器5を運転するための所定時間を第1の家電機器5の運転情報記憶部52に予め記憶して、宅内通信部31を介してこれを機器制御装置2が取得するようにしているが、実施の形態1のように機器制御装置2側に運転情報記憶部12を備えてこれに所定時間を記憶するようにしてもよい。
次に、本実施の形態6における機器制御システムの動作について説明する。
図22は、本実施の形態6における機器制御システムの動作について説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、第1の家電機器5の運転開始時刻を決定する動作について説明する。
まず、ステップS101において、運転情報取得部51は、第1の家電機器5を運転するための運転条件を取得する。運転情報取得部51は、第1の家電機器5を運転するための運転条件の入力を受け付ける。運転情報取得部51は、取得した運転条件を運転情報読出部53へ出力し、取得した希望運転時刻を宅内通信部54へ出力する。
次に、ステップS102において、運転情報読出部53は、運転情報取得部51によって取得された運転条件に対応する運転期間情報と、運転情報取得部51によって取得された運転条件に対応する電力量情報とを運転情報記憶部52から読み出す。運転情報読出部53は、読み出した運転期間情報及び電力量情報を宅内通信部54へ出力する。また、運転情報読出部53は運転情報記憶部52から所定時間情報を読み出し宅内通信部54へ出力する。
所定時間情報は、ユーザが第1の家電機器5の運転情報記憶部52に予め記憶させている時間である。
たとえば、家電機器が洗濯乾燥機であるような場合、ユーザが起床したときに洗濯と乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を起床時間前になるようにユーザが予め設定する。
また、ユーザが就寝するまでに洗濯と乾燥が終わっていることを望むときは所定時間を就寝時間前になるようにユーザが予め設定する。
また、家電機器が食器洗い乾燥機であるような場合、外出するまでに食器洗いと乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を外出時間前になるようにユーザが予め設定する。
また、次の食事を始めるまでに食器洗いと乾燥が終わっていることを望むときは、所定時間を食事時間前になるようにユーザが予め設定する。
同様に、家電機器が生ゴミ処理機であるような場合、帰宅するまでに生ゴミ処理機の運転が終わっていることを望むときは、所定時間を帰宅時間前になるようにユーザが予め設定する。
このように、ユーザが希望運転時刻を入力しなくても、運転情報記憶部52に予め設定した所定時間情報を用いて、以下のタイマー予約運転のフローチャートを実行することができる。
次に、ステップS103において、運転情報読出部53によって読み出された運転期間情報及び電力量情報、所定時間情報を宅内通信部54から機器制御装置2へ送信する。
次に、ステップS104において、機器制御装置2の宅内通信部31は、第1の家電機器5の宅内通信部54によって送信された運転期間情報、電力量情報、所定時間情報を受信する。宅内通信部31は、受信した所定時間情報及び運転期間情報を運転時刻算出部34へ出力し、受信した運転期間情報及び電力量情報を電気代算出部35へ出力する。
ステップS105からS112の処理は、図2に示すステップS6からS13の処理と同じであるので説明を省略する。
現在の時刻が運転時刻記憶部39に記憶されている運転開始時刻になったと判断された場合(ステップS112でYES)、ステップS113において、家電機器遠隔制御部41は、第1の家電機器5の運転を開始するための運転開始指示信号を生成し、宅内通信部31へ出力する。
次に、ステップS114において、宅内通信部31は、家電機器遠隔制御部41によって生成された運転開始指示信号を第1の家電機器5の宅内通信部54へ送信する。
次に、ステップS115において、第1の家電機器5の宅内通信部54は、機器制御装置2の宅内通信部31によって送信された運転開始指示信号を受信する。
次に、ステップS116において、運転制御部55は、運転情報取得部51によって取得された運転条件に基づいて、第1の家電機器5の運転を開始する。
このように、電力料金が所定料金以下となる運転開始時刻又は運転終了時刻が算出され、算出された複数の運転開始時刻又は複数の運転終了時刻がユーザに報知されるので、ユーザは電力料金の安い時間にタイマー予約運転することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、算出された複数の運転開始時刻又は複数の運転終了時刻を電気代の安い順番にユーザに提案することができる。
このときに、実施の形態1、2で説明したように、所定時間として、ユーザの起床時間、就寝時間、外出時間、帰宅時間、食事時間等のユーザの生活に基づいた時間の少なくとも1つを運転情報記憶部に記憶させることで、ユーザが希望運転時刻を入力することなく
、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
また、実施の形態3で説明したように、所定時間として、家電機器の運転許可時間を運転情報記憶部に記憶させることで、ユーザが希望運転時刻を入力することなく、最適な所定時間までのあいだで電力料金の安い時間帯に家電機器を運転することができる。
また、実施の形態4で説明したように、所定時間として、過去に運転した時刻の履歴情報を運転情報記憶部に記憶させ、それを分析して運転履歴有り時間を算出して、これを所定時間とすることで、ユーザが希望運転時刻を入力しなくても、ユーザがこれまでに実施した運転期間を考慮して電気機器を運転させることができる。
なお、本実施の形態1〜6では、タイマー予約運転をするときに希望運転終了時刻のユーザ設定がないときに所定時間を希望運転終了時刻に設定し、現在時刻から所定時間のあいだでタイマー予約運転の運転時間を算出する形態を説明した。それとは逆に、タイマー予約運転をするときに希望運転開始時刻のユーザ設定がないとき、希望運転開始時刻を所定時間に設定する形態でもよい。たとえば、所定時間以降で現在時刻から12時間後までのあいだの時間でタイマー予約運転の運転時間を算出する。そうすれば、就寝した後に電気機器を自動で運転する、起床した後に自動で運転する、外出した後に自動で運転する、帰宅した後に自動で運転することができる。
なお、本実施の形態1〜6では、説明上、時間帯別電力料金として夜間の電力料金を安くし昼の電力料金を高くするような電力契約で説明したので、就寝以降である23時に運転したり、起床前である午前7時前に運転するものが電気代の一番安い時間帯となった。また、現在時刻を13時として説明したので、時間差を考慮すると、その日の夕方から深夜に運転するものが時間差が小さく、お薦めの順位が高くなった。
たとえば、太陽光発電を組み合わせた時間帯別電力料金では、日中の発電量が多くなるので日中のほう夜間よりも電気料金が安くなる場合が発生する。その日の天候によって発電量が異なるので時間帯別電力料金は日々変動する、複雑なものとなることが予想される。
本願発明は、このように変動する電力料金についても、電力料金情報を取得することで対応できる。そして、洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機、生ゴミ処理機をはじめ、今日の夕方までに運転が終了できれば運転開始時間や運転終了時間はいつでも構わないとユーザが考える家電機器を、日中の発電量の変化を意識することなく、電気代の安い時間帯で自動的に運転させることが可能となる。
なお、本実施の形態1〜6では、電気機器の例として家庭にある家電機器で説明したが、これに限らず、事務所、工場及び施設などで扱われる電気機器や充電機器においても同様の効果が得られる。
また、本発明をプログラムとして記憶媒体や通信媒体によって配布し、サーバやパーソナルコンピュータ、電気機器のマイクロコンピュータにインストールして実行させてもよい。