JP2012147562A - 保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性を確保できる保護継電装置を得る。
【解決手段】サンプリング時刻を各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部2と、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻を基点時刻として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値と、基点時刻以前の偶数個のサンプリング時刻で各々サンプリングされたサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、奇数個から1を減じた値をサンプリング周期に乗じた値を遅延時間として、基点時刻からこの遅延時間だけ遡った時点のサンプリング時刻をサンプリング部2から取り込み、このサンプリング時刻とフィルタデータとを対応付けて格納するフィルタ部4と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統(以下「系統」)を保護する保護継電装置に関する。
従来の一般的な保護継電装置では、系統で検出された入力電気量を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、ディジタル化されたデータを用いて逐次ディジタルフィルタ処理(フィルタ処理)が実行され、サンプリング周波数とは異なる周波数(演算周波数)によってリレー演算が行われる。なお、演算周波数がサンプリング周波数と異なる理由は、サンプリング周波数はアナログフィルタの簡素化を目的として高速化され、演算周波数はハードウェアの有用性の観点から低い周波数とされるためである。
例えば、下記特許文献1に示される従来の保護継電装置では、サンプリング定理による高周波ノイズを抑制するため、所定のサンプリング周波数でディジタル化されたディジタルデータの出力間隔に応じて、任意の重複期間を持たせながらフィルタ処理が実行されている。このフィルタ処理によってリレー演算用のディジタル情報を得ている。また、この保護継電装置では、ディジタルフィルタとして加算型フィルタが用いられており、演算周波数よりも高いサンプリング周波数でディジタルデータが生成されこのディジタルデータを用いてフィルタ処理が実行される。
一方、下記特許文献2には、ディジタルフィルタ処理がリレー演算の時間遅延(位相遅延)を招くことが述べられている。
特開2003−274548号公報(段落0017−0020、段落0028、段落0032−0033、図1) 特開平8−19161号公報(段落0004)
ここで、上記特許文献1に示される保護継電装置では、フィルタ処理がなされたディジタル情報を取得する毎に、最新のディジタル情報によりリレー演算を行う逐次演算方式が採用され、フィルタ処理によって位相遅延が生じた場合でも、動作時間遅延として処理されるのみであった。他方、近年ではディジタル技術の進展により、ディジタル変換(サンプリング)を行うサンプリング部とリレー演算部とが分離された保護継電装置が用いられる場合がある。この保護継電装置では、例えば、サンプリングされたときの時刻データをサンプリングデータに付加するなどしてサンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性を確保するなどの措置が必要となる。しかしながら、上記特許文献1に示される保護継電装置に代表される従来技術では、このような措置が考慮されていないため、フィルタ処理による位相遅延が生じた場合、サンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性が損なわれる可能性があるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性を確保できる保護継電装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、電力系統にて検出された電気量に基づいて前記電力系統を保護する保護継電装置であって、前記電気量を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、前記サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を前記各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部と、 時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻を基点時刻として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値と、前記奇数個から1を減じた連続する前記基点時刻以前のサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、前記奇数個から1を減じた値を前記サンプリング周期に乗じた値を遅延時間として、前記基点時刻からこの遅延時間だけ遡った時点のサンプリング時刻を前記フィルタデータに付与するフィルタ部と、前記フィルタ部からの前記サンプリング時刻と前記フィルタデータとを用いてリレー演算を行うリレー演算部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻で変換されたサンプリング値を用いてフィルタ処理を行うようにしたので、サンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性を確保できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1〜3にかかる保護継電装置を模式的に示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる保護継電装置に格納されるデータを模式的に示す図である。 図3は、図2に示される複数のサンプリングデータとこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データとの関係を説明するための図である。 図4は、本発明の実施の形態2にかかる保護継電装置に格納されるデータを模式的に示す図である。 図5は、図4に示される複数のサンプリングデータとこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データとの関係を説明するための図である。 図6は、本発明の実施の形態3にかかる保護継電装置に格納されるデータを模式的に示す図である。 図7は、図6に示される複数のサンプリングデータとこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データとの関係を説明するための図である。 図8は、本発明の実施の形態4にかかる保護継電装置に格納されるデータを模式的に示す図である。 図9は、図8に示される複数のサンプリングデータとこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データとの関係を説明するための図である。 図10は、本発明の実施の形態5にかかる保護継電装置を模式的に示す図である。 図11は、位相誤差を補正する前のサンプリングデータに基づくリレー演算データと位相誤差を補正した後のサンプリングデータに基づくリレー演算データとを模式的に示す図である。
以下に、本発明にかかる保護継電装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1〜3にかかる保護継電装置10を模式的に示す図である。図2は、実施の形態1にかかる保護継電装置10に格納されるデータを模式的に示す図である。図1に示される保護継電装置10は、主たる構成として、サンプリング部2と、ディジタルフィルタであるフィルタ部4と、リレー演算部9とを有して構成されている。
サンプリング部2には、系統に配設された変流器(図示せず)で検出された系統電気量1を所定のサンプリング周波数(サンプリング周期)でサンプリングし、ディジタル化された複数のサンプリングデータXt0〜Xt0±n(nは整数)を生成する。サンプリングデータXt0〜Xt0±nは、サンプリング部2内のサンプリングデータ格納領域12に格納されると共に、受け渡し線3を通じてフィルタ部4に取り込まれる。サンプリングデータXt0〜Xt0±nのサンプリングタイミングを示す時刻データt0〜t0±n(nは整数)は、サンプリング部2内の時刻データ格納領域11に格納される。
図2の左側には、時刻データ格納領域11に格納された時刻データt0〜t0±nと、サンプリングデータ格納領域12に格納されたサンプリングデータXt0〜Xt0±nとが模式的に示されている。例えば、サンプリングデータXt0−1は、サンプリングデータXt0よりも1つ前のタイミングでサンプリングされたデータであり、サンプリングデータXt0+1は、サンプリングデータXt0よりも1つ後のタイミングでサンプリングされたデータである。各時刻データt0〜t0±nの間隔は、サンプリング周期を表し、サンプリング部2には、サンプリング周期でサンプリングされた複数のサンプリングデータXt0〜Xt0±nと、複数の時刻データt0〜t0±nとが対応付けて時系列的に格納されている。
フィルタ部4は、サンプリング部2から得られたサンプリングデータXt0〜Xt0±nに対して、例えば加算形のフィルタ処理を行い、フィルタ処理後のデータ(フィルタデータ)Xt1〜Xt1±n(nは整数)を生成する。フィルタデータXt1〜Xt1±nは、フィルタデータ格納領域14に格納され、フィルタ処理のタイミングを示す時刻データt1〜t1±nは、時刻データ格納領域13に格納される。フィルタデータXt1〜Xt1±nと時刻データt1〜t1±nは、受け渡し線5を通じてリレー演算部9に取り込まれる。
図2の中側には、時刻データ格納領域13に格納された時刻データt1〜t1±nと、フィルタデータ格納領域14に格納されたフィルタデータXt1〜Xt1±nとが模式的に示されている。例えば、フィルタデータXt1は、サンプリングデータXt0−4〜Xt0をフィルタ処理したデータであり、時刻データt1と対応付けて格納されている。また、フィルタデータXt1+4は、サンプリングデータXt0〜Xt0+4をフィルタ処理したデータであり、時刻データt1+4と対応付けて格納されている。フィルタデータXt1+8は、サンプリングデータXt0+4〜Xt0+8をフィルタ処理したデータであり、時刻データt1+8と対応付けて格納されている。フィルタデータXt1+12は、サンプリングデータXt0+8〜Xt0+12をフィルタ処理したデータであり、時刻データt1+12と対応付けて格納されている。このように、フィルタ部4には、複数の時刻データt1〜t1±nと複数のフィルタデータXt1〜Xt1±nとが対応付けられて時系列的に格納されている。
なお、図2の中側に示されるフィルタデータXt1、Xt1+4、Xt1+8、およびXt1+12以外のフィルタデータ(例えばXt1−1)は、これらのフィルタデータと同様に複数のサンプリングデータ(例えばXt0−5〜Xt0−1)をフィルタ処理したデータとして時刻データ(例えばt1−1)と対応付けて格納されている。
リレー演算部9は、演算周波数処理部6および演算部8を有し、演算周波数処理部6は、サンプリング周波数の低減処理を行い、この低減処理によって得られた演算周波数(演算周期)で、フィルタデータ(例えばXt1−4、Xt1、Xt1+4、Xt1+8、およびXt1+12)を抜き取り、これらのデータをリレー演算データXt2〜Xt2±nとしてリレー演算データ格納領域16に格納する。なお、「低減処理」は、図1に示されるフィルタ部4に格納されたフィルタデータXt1〜Xt1nの中から、リレー演算に用いないデータ(例えば図2に示されるXt1−1〜Xt1−3)を間引く処理である。
また、サンプリングデータXt0〜Xt0±nを抜き取るタイミングを示す時刻データt2〜t2±nは、時刻データ格納領域15に格納される。図2の右側には、時刻データ格納領域15に格納された時刻データt1〜t1±nと、リレー演算データ格納領域16に格納されたリレー演算データXt2〜Xt2±nとが模式的に示されている。
演算部8では、受け渡し線7を通じて演算周波数処理部6から送信されるリレー演算データXt2〜Xt2±nを用いてリレー演算が実行される。
次に動作を説明する。サンプリング部2に入力された系統電気量1は、サンプリング部2に取り込まれ、所定のサンプリング周期でサンプリングされ、時刻データt0〜t0±nと共にフィルタ部4に送信される。フィルタ部4では、サンプリング部2からのXt0〜Xt0±nを用いて(1)式および(2)式の演算によるフィルタ処理が行われる。
Figure 2012147562
Figure 2012147562
なお、(2)式に示される振幅補正係数Kmは、フィルタ演算で得られたデータの振幅を補正するための係数である。
(1)式から明らかなように、フィルタ部4の演算式の項数は奇数であり、次数kは偶数となっている。例えば、整数iを2とした場合、(1)式の次数kは4、項数は5となるため、(1)式は、Y(t)={X(t)+X(t−1)+X(t−2)+X(t−3)+X(t−4)}/Kmと表すことができる。この式によれば、フィルタ部4は、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻を基点時刻(例えば時刻データt0)として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値(例えばXt0)と、前記奇数個から1を減じた連続する基点時刻以前のサンプリング値(例えばt0−1〜t0−4)と、を加算し、加算されたデータを振幅補正係数Kmで補正して、フィルタデータ(Xt1)を求めると共に、前記奇数個から1を減じた値をサンプリング周期に乗じた値を遅延時間として、基点時刻からこの遅延時間だけ遡った時点(t0−2)のサンプリング時刻をフィルタデータ(Xt1)に付与する。
その結果、時刻データt2には時刻データt0−2と同一の時刻が付与され、演算部8では、リレー演算データXt2に基づいてリレー演算が実行される。このような動作によって、フィルタ部4と演算部8とが分離して配設されているような場合でも、サンプリングデータXt0〜Xt0−4とリレー演算データXt2との同時刻性を確保することが可能となる。
次に、図3を用いてサンプリングデータXt0〜Xt0−4とリレー演算データXt2との関係を具体的に説明する。
図3は、図2に示される複数のサンプリングデータXt0〜Xt0−4とこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データXt2との関係を説明するための図である。図3には、一例として、フィルタ演算の次数kを4とした場合のサンプリングデータXt0〜Xt0−4と、これらのデータにてフィルタ演算して得られたリレー演算データXt2とがベクトル表現されている。点線のベクトルはリレー演算データXt2を表し、実線のベクトルはサンプリングデータXt0〜Xt0−4を表している。図3から明らかなように、リレー演算データXt2のベクトルがサンプリングデータXt0−2のベクトルと重なっている。すなわち、時刻データt2が時刻データt0−2と一致している。実施の形態1にかかる保護継電装置10では、この時刻データt0−2のサンプリング時刻をリレー演算データXt2に付与するように構成されている。
以上に説明したように、実施の形態1にかかる保護継電装置10は、系統電気量1を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を前記各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部2と、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻を基点時刻として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値と、前記奇数個から1を減じた連続する基点時刻以前のサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、前記奇数個から1を減じた値をサンプリング周期に乗じた値を遅延時間として、基点時刻からこの遅延時間だけ遡った時点のサンプリング時刻をフィルタデータに付与するフィルタ部4と、フィルタ部4からのサンプリング時刻とフィルタデータとを用いてリレー演算を行うリレー演算部9と、を備えるようにしたので、サンプリング周波数と演算周波数とが異なる場合でも、サンプリングデータXt0〜Xt0±nとリレー演算データXt2〜Xt2±nとの同時刻性を確保することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、フィルタ演算の基点時刻(例えば時刻データt0)を最新時間として、この最新時間から所定の遅延時間だけ遡った時刻(時刻データt0−2)をリレー演算データ(例えばXt2)に付与することで同時刻性を確保したが、実施の形態2では、フィルタ処理を開始した時刻から所定の遅延時間だけ遡った時刻をフィルタ演算の基点とし、この基点の時刻をリレー演算データXt2に付与することで同時刻性を確保するように構成されている。以下、実施の形態2にかかる保護継電装置10の構成を具体的に説明するが、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図4は、本発明の実施の形態2にかかる保護継電装置10に格納されるデータを模式的に示す図である。図4に示される時刻データ格納領域21、サンプリングデータ格納領域22、時刻データ格納領域23、フィルタデータ格納領域24、時刻データ格納領域25、およびリレー演算データ格納領域26には、実施の形態1と同様に、それぞれ時刻データt0〜t0±nと、サンプリングデータXt0〜Xt0±nと、時刻データt1〜t1±nと、フィルタデータXt1〜Xt1±nと、時刻データt2〜t2±nと、リレー演算データXt2〜Xt2±nとが格納される。
次に動作を説明する。サンプリング部2に入力された系統電気量1は、サンプリング部2に取り込まれ、所定のサンプリング周期でサンプリングされ、時刻データt0〜t0±nと共にフィルタ部4に送信される。フィルタ部4では、サンプリング部2からのXt0〜Xt0±nを用いて(3)式および(4)式の演算によるフィルタ処理が行われる。
Figure 2012147562
Figure 2012147562
なお、(4)式に示される振幅補正係数Kmは、フィルタ演算で得られたデータの振幅を補正するための係数である。
(3)式から明らかなように、フィルタ部4の演算式の項数は奇数であり、次数kは偶数となっている。例えば、整数iを1とした場合、(3)式の次数kは2、項数は5となるため、(3)式は、Y(t)=[X(t)+{X(t+1)+X(t−1)}+{X(t+2)+X(t−2)}/Kmと表すことができる。この式によれば、フィルタ部4は、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻(例えばt0+2〜t0−2)の最新時刻から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻(t0)を基点時刻として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0)と、基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0−1、Xt0−2)と、基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0+1、Xt0+2)とを加算してフィルタデータ(Xt1)を求めると共に、基点時刻(t0)をフィルタデータ(Xt1)に付与する。
その結果、時刻データt2には、基点時刻(時刻データt0−2)と同一の時刻が付与され、演算部8では、リレー演算データXt2に基づいてリレー演算が実行される。このような動作によって、フィルタ部4と演算部8とが分離して配設されているような場合でも、サンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との同時刻性を確保することが可能となる。
次に、図5を用いてサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との関係を具体的に説明する。
図5は、図4に示される複数のサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データXt2との関係を説明するための図である。図5には、一例として、フィルタ演算の次数kを2とした場合のサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2と、これらのデータにてフィルタ演算して得られたリレー演算データXt2とがベクトル表現されている。点線のベクトルはリレー演算データXt2を表し、実線のベクトルはサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2を表している。図5から明らかなように、リレー演算データXt2のベクトルがサンプリングデータXt0のベクトルと重なっているため、時刻データt2が時刻データt0と一致している。実施の形態2にかかる保護継電装置10では、この時刻データt0と同じ時刻をリレー演算データXt2に付与するように構成されている。
以上に説明したように、実施の形態2にかかる保護継電装置10は、系統電気量1を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部2と、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻を基点時刻として、基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値と、前記基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、基点時刻をフィルタデータに付与するフィルタ部4と、を備えるようにしたので、サンプリング周波数と演算周波数とが異なる場合でも、サンプリングデータXt0〜Xt0±nとリレー演算データXt2〜Xt2±nとの同時刻性を確保することが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、基点時刻のサンプリングデータを含む形でフィルタ演算を行っているが、実施の形態3では、基点時刻のサンプリングデータを使わずにフィルタ演算を行うように構成されている。以下、実施の形態3にかかる保護継電装置10の構成を具体的に説明する。実施の形態1、2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図6は、本発明の実施の形態3にかかる保護継電装置10に格納されるデータを模式的に示す図である。図6に示される時刻データ格納領域31、サンプリングデータ格納領域32、時刻データ格納領域33、フィルタデータ格納領域34、時刻データ格納領域35、およびリレー演算データ格納領域36には、それぞれ時刻データt0〜t0±nと、サンプリングデータXt0〜Xt0±nと、時刻データt1〜t1±nと、フィルタデータXt1〜Xt1±nと、時刻データt2〜t2±nと、リレー演算データXt2〜Xt2±nとが格納される。
次に動作を説明する。サンプリング部2に入力された系統電気量1は、サンプリング部2に取り込まれ、所定のサンプリング周期でサンプリングされ、時刻データt0〜t0±nと共にフィルタ部4に送信される。フィルタ部4では、サンプリング部2からのXt0〜Xt0±nを用いて(5)式および(6)式の演算によるフィルタ処理が行われる。
Figure 2012147562
Figure 2012147562
なお、(6)式に示される振幅補正係数Kmは、フィルタ演算で得られたデータの振幅を補正するための係数である。
(5)式から明らかなように、フィルタ部4の演算式の項数は偶数である。例えば、整数iを1とした場合、(5)式の次数kは2、項数は4となるため、(5)式は、Y(t)=[{X(t+1)+X(t−1)}+{X(t+2)+X(t−2)}/Kmと表すことができる。この式によれば、フィルタ部4は、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻(例えばt0+2〜t0−2)の最新時刻から前記サンプリング周期*(前記奇数個−1)/2を満たす時間だけ遡った時刻(t0)を基点時刻として、基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0−1、Xt0−2)と、基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0+1、Xt0+2)とを加算してフィルタデータ(Xt1)を求めると共に、基点時刻(t0)をフィルタデータ(Xt1)に付与する。
その結果、時刻データt2には、基点時刻(時刻データt0−2)と同一の時刻が付与され、演算部8では、リレー演算データXt2に基づいてリレー演算が実行される。このような動作によって、フィルタ部4と演算部8とが分離して配設されているような場合でも、サンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との同時刻性を確保することが可能となる。
次に、図7を用いてサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との関係を具体的に説明する。
図7は、図6に示される複数のサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データXt2との関係を説明するための図である。図7には、一例として、フィルタ演算の次数kを2とした場合のサンプリングデータXt0+2、Xt0+1、Xt0−1、Xt0−2と、これらのデータをフィルタ演算して得られたリレー演算データXt2とがベクトル表現されている。点線のベクトルはリレー演算データXt2を表し、実線のベクトルはサンプリングデータXt0+2、Xt0+1、Xt0−1、およびXt0−2をそれぞれ表している。ここで、リレー演算データXt2のベクトルは、サンプリングデータXt0+2〜Xt0−2の何れにも重なっていないわけであるが、実施の形態3にかかる保護継電装置10では、上述したように、時刻データt2に基点時刻(時刻データt0−2)と同一の時刻が付与される。
以上に説明したように、実施の形態3にかかる保護継電装置10は、系統電気量1を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部2と、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻を基点時刻として、少なくとも前記基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値と前記基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値とを加算してフィルタデータを求めると共に、前記基点時刻を前記フィルタデータに付与するフィルタ部4と、を備えるようにしたので、サンプリング周波数と演算周波数とが異なる場合でも、サンプリングデータXt0〜Xt0±nとリレー演算データXt2〜Xt2±nとの同時刻性を確保することが可能となる。
また、実施の形態3にかかる保護継電装置10では、例えば、基点時刻のサンプリングデータXt0がない場合でも、このサンプリングデータXt0の前後のサンプリングデータXt0−1、Xt0−2、Xt0+1、Xt0+2を足し合わせて演算データXt2を得ることができるため、リレー演算精度を低下させることなくフィルタ演算を簡略化することが可能である。例えば、所定のサンプリングデータ(例えばXt0)にエラーが生じた場合、一般的な保護継電装置におけるフィルタ処理では、このようなエラーデータが生じたときフィルタ演算が一時的に中断される場合があるが、実施の形態3にかかる保護継電装置10は、エラーデータを除いてフィルタ演算を行うことができるため、リレー演算の継続性を向上させることも可能である。
実施の形態4.
実施の形態3では、基点時刻のサンプリングデータ(例えばXt0)を使わずにフィルタ演算を行うように構成されているが、実施の形態4では、基点時刻のサンプリングデータ以外のデータが一部欠落している場合でもフィルタ演算を継続して求めることができるように構成されている。以下、実施の形態4にかかる保護継電装置10の構成を具体的に説明するが、実施の形態1〜3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図8は、本発明の実施の形態4にかかる保護継電装置10に格納されるデータを模式的に示す図である。図8に示される時刻データ格納領域21、サンプリングデータ格納領域22、時刻データ格納領域23、フィルタデータ格納領域24、時刻データ格納領域25、およびリレー演算データ格納領域26には、それぞれ時刻データt0〜t0±nと、サンプリングデータXt0〜Xt0±nと、時刻データt1〜t1±nと、フィルタデータXt1〜Xt1±nと、時刻データt2〜t2±nと、リレー演算データXt2〜Xt2±nとが格納される。
次に動作を説明する。サンプリング部2に入力された系統電気量1は、サンプリング部2に取り込まれ、所定のサンプリング周期でサンプリングされ、時刻データt0〜t0±nと共にフィルタ部4に送信される。
フィルタ部4では、実施の形態2に示した(2)式および(3)式と同様の演算式によってフィルタ処理が行われる。実施の形態4にかかるフィルタ部4の演算式の項数は、実施の形態2と同様に奇数であり、次数kは偶数となっている。例えば、整数iを1とした場合、(3)式の次数kは2、項数は5となるため、(3)式は、Y(t)=[X(t)+{X(t+1)+X(t−1)}+{X(t+2)+X(t−2)}/Kmと表すことができる。
ここで、例えばサンプリング時のエラーなどによって、所定のサンプリングデータが欠落した場合、フィルタ部4は、基点時刻以前または前記基点時刻以前の時刻にサンプリングされたサンプリング値の何れかが欠落している場合、このサンプリング値と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値を除外して、除外されていないデータを足し合わせて、この足し合わされたデータを振幅補正係数Kmで補正してフィルタ演算結果を得る。フィルタ部4は、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻(例えばt0+2〜t0−1)の最新時刻(t0+2)から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻を基点時刻(t0)として、基点時刻以前または基点時刻以前の時刻にサンプリングされた各サンプリング値(Xt0+2〜Xt0−2)の何れかが欠落(図8ではXt0−1が欠落)している場合、このサンプリング値と対を成すサンプリング値(例えばXt0+1)を除外する。そして、フィルタ部4は、基点時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0)と、基点時刻以前の時刻にサンプリングされたサンプリング値(Xt0−2)と、基点時刻以後にサンプリングされこのサンプリング値と対を成すサンプリング値(Xt0+2)と、を加算して、加算されたデータを振幅補正係数Kmで補正して、フィルタデータ(Xt1)を求めると共に、基点時刻(t0)をサンプリング部から取り込み、この基点時刻とフィルタデータとを対応付けて格納する。
その結果、時刻データt2には、基点時刻(時刻データt0−2)と同一の時刻が付与され、演算部8では、リレー演算データXt2に基づいてリレー演算が実行される。このような動作によって、フィルタ部4と演算部8とが分離して配設されているような場合でも、サンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との同時刻性を確保することが可能となる。
次に、図9を用いてサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とリレー演算データXt2との関係を具体的に説明する。
図9は、図8に示される複数のサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2とこれらをフィルタ処理して得られるリレー演算データXt2との関係を説明するための図である。図9には、一例として、フィルタ演算の次数kを2とした場合のサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2と、これらのデータをフィルタ演算して得られたリレー演算データXt2とがベクトル表現されている。実線のベクトルはサンプリングデータXt0+2〜Xt0−2を表している。サンプリングデータXt0のベクトルと重なる点線のベクトルは、リレー演算データXt2を表し、サンプリングデータXt0のベクトルとサンプリングデータXt0−2のベクトルの間に記される点線のベクトルは、欠落したサンプリングデータXt0−1を表す。
ここで、実施の形態4にかかるフィルタ部4では、欠落したサンプリングデータXt0−1と、そのデータと対をなすサンプリングデータXt0+1と、を除外してフィルタ演算を行う。その演算結果として、リレー演算データXt2が得られる。
また、図9から明らかなように、リレー演算データXt2のベクトルがサンプリングデータXt0のベクトルと重なっているため、時刻データt2が時刻データt0と一致しており、実施の形態1と同様に、この時刻データt0と同じ時刻がリレー演算データXt2に付与される。
なお、実施の形態4にかかるフィルタ部4の動作説明には、一例として、実施の形態2に示した(3)式のフィルタ演算を用いているが、これに限定されるものではなく、実施の形態3に示した(5)式のフィルタ演算にも適用可能である。
以上に説明したように、実施の形態4にかかる保護継電装置10では、フィルタ部4が、時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻を基点時刻として、前記基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値と前記基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値とを加算してフィルタデータを求めると共に、前記基点時刻を前記フィルタデータに付与するようにしたので、基点時刻以前または以前のサンプリング値の何れかが欠落している場合であっても、サンプリングデータXt0〜Xt0±nとリレー演算データXt2〜Xt2±nとの同時刻性を確保することが可能となる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、サンプリング部2およびフィルタ部4が各々1つの場合の構成例を説明したが、サンプリング部2およびフィルタ部4が複数の場合、一のサンプリング部2からの時刻データと、他のサンプリング部42からの時刻データとの間に位相誤差が生じる可能性がある。実施の形態5にかかる保護継電装置10はこのような問題を解決することができるように構成されている。
図10は、本発明の実施の形態5にかかる保護継電装置10を模式的に示す図である。サンプリング回路100は、サンプリング部2を備え、サンプリング回路101は、サンプリング部2と同等の機能を有するサンプリング部42を備え、データ処理回路102は、複数のフィルタ部(例えばフィルタ部4およびフィルタ部44)と、演算周波数処理部6と、演算部8とを有して構成されている。
サンプリング部2は、例えば、一の変流器(図示せず)で検出された系統電気量1を所定のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングデータXt0〜Xt0±nを生成する。サンプリングデータXt0〜Xt0±nは、受け渡し線3を通じてフィルタ部4に取り込まれる。フィルタ部4は、サンプリング部2から得られたサンプリングデータXt0〜Xt0±nに対して加算形のフィルタ処理を行い、フィルタデータXt1〜Xt1±n(nは整数)を生成する。
サンプリング部42は、例えば、他の変流器(図示せず)で検出された系統電気量41を所定のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングデータXt0〜Xt0±nを生成する。サンプリングデータXt0〜Xt0±nは、受け渡し線43を通じてフィルタ部44に取り込まれる。フィルタ部44は、サンプリング部42から得られたサンプリングデータXt0〜Xt0±nに対して加算形のフィルタ処理を行い、フィルタデータXt1〜Xt1±n(nは整数)を生成する。
演算周波数処理部6は、フィルタ部4からのフィルタデータXt1〜Xt1±nに対して、サンプリング周波数の低減処理を行う。この低減処理によって得られた演算周波数で、例えば図2に示されるXt1−4、Xt1、Xt1+4、Xt1+8、およびXt1+12を抜き取り、これらのデータを、例えば、図2に示されるリレー演算データXt2−1、Xt2、Xt2+1、Xt2+2、Xt2+3としてリレー演算データ格納領域16に格納する。
ここで、サンプリング部2からの時刻データt0〜t0±n(以下「第1の時刻データ」と称する)と、サンプリング部42からの時刻データt0〜t0±n(以下「第2の時刻データ」と称する)との間に、所定の値以上の時間差が生じた場合、第1の時刻データを補正するという処理を行う。以下、この動作を具体的に説明する。
図11は、位相誤差を補正する前のサンプリングデータに基づくリレー演算データと位相誤差を補正した後のサンプリングデータに基づくリレー演算データとを模式的に示す図である。図11には、一例として図2に示された各データのベクトルが記されている。図3との相違点は、サンプリングデータXt0−3(時刻データt0−3)に位相誤差が生じているために、リレー演算データXt2(時刻データt2)が、一点鎖線で示されるベクトルのように反時計回りの方向にずれた形となっている点である。図10に示されるフィルタ部4は、このような時刻データt2の位相誤差を解消するため、例えば、Xt0〜Xt0−4までの5つのサンプリングデータ)の内、時系列的に最も離れたサンプリングデータXt0−4またはサンプリングデータXt0に、振幅補正係数aを乗算する。以下、この処理内容をより具体的に説明する。
Figure 2012147562
(7)式は、(1)式を演算内容をより具体化した演算式であり、図10に示されるフィルタ部4で実行されるフィルタ演算の式である。(7)式の項数は奇数であり、次数kは偶数となっている。例えば、整数iを2とした場合、(7)式の次数kは4、項数は5となるため、(7)式は、Y(t)={a0X(t)+a1X(t−1)+a2X(t−2)+a3X(t−3)+a4X(t−4)}/Kmと表すことができる。a0とa1〜anとは振幅補正係数を示し、(2)ではこれらの振幅補正係数の値が1であったが、図10に示されるフィルタ部4では、1以外(例えば1.1や0.9など)の振幅補正係数が用いられる。
ここでは、一例として、(7)式の「a3X(t−3)」に位相誤差が含まれていると仮定する。この「a3X(t−3)」のベクトルは、図11に示されるサンプリングデータXt0−3に相当し、このサンプリングデータXt0−3は、位相誤差によってサンプリングデータXt0−4側に近くなっている。このとき、フィルタ部4は、時系列的に最も離れたデータに、1以外の振幅補正係数a0を乗じる。図11には、(7)式の「X(t)」(サンプリングデータXt0)に1以外の振幅補正係数a0を乗じたときの様子が示され、サンプリングデータXt0のベクトルがサンプリングデータXt0−4のベクトルよりも長くなっていることが分かる。
フィルタ部4は、振幅補正係数a0を乗じた後に、サンプリングデータXt0と4つのサンプリングデータXt0−1〜Xt0−4とを足し合わせ、かつ、足し合わされたデータを振幅補正係数Kmで補正してリレー演算データXt2を得る。一点鎖線で示されているベクトルは、振幅補正係数a0を乗じる前(補正前)のリレー演算データXt2のベクトルであり、点線で示されているベクトルは、振幅補正係数a0を乗じた後(補正前)のリレー演算データXt2のベクトルである。補正前のリレー演算データXt2は、サンプリングデータXt0−3の位相誤差の影響によってサンプリングデータXt0−4側に近くなっているが、補正後のリレー演算データXt2は、サンプリングデータXt0側に補正されている。その結果、リレー演算データXt2の時刻データt2がサンプリングデータXt−2の時刻データt0−2と一致することとなる。
以上に説明したように、実施の形態5にかかる保護継電装置10では、フィルタ部4が、サンプリング値に位相誤差が生じている場合、前記基点時刻以前または前記基点時刻以前の時刻にサンプリングされたサンプリング値の中で時系列的に最も離れた2つのサンプリング値の何れかに、1以外の値の係数を乗じるようにしたので、一のサンプリング部2からの時刻データに位相誤差が生じている場合でも位相誤差が補正され、リレー演算の精度向上を図ることが可能となる。
以上のように、本発明は、系統を保護する保護継電装置に適用可能であり、特に、サンプリングデータとリレー演算データとの同時刻性を確保できる発明として有用である。
1、41 系統電気量
2、42 サンプリング部
3、5、7、43、45 受け渡し線
4、44 フィルタ部
6 演算周波数処理部
8 演算部
9 リレー演算部
10 保護継電装置
11、13、15、21、23、25、31、33、35 時刻データ格納領域
12、22、32 サンプリングデータ格納領域
14、24、34 フィルタデータ格納領域
16、26、36 リレー演算データ格納領域
100、101 サンプリング回路
102 データ処理回路
Xt0〜Xt0±n サンプリングデータ
Xt1〜Xt1±n フィルタデータ
Xt2〜Xt2±n リレー演算データ
t0〜t0±n、t1〜t1±n、t2〜t2±n 時刻データ

Claims (5)

  1. 電力系統にて検出された電気量に基づいて前記電力系統を保護する保護継電装置であって、
    前記電気量を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、前記サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を前記各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部と、
    時系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻を基点時刻として、この基点時刻にサンプリングされたサンプリング値と、前記奇数個から1を減じた連続する前記基点時刻以前のサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、前記奇数個から1を減じた値を前記サンプリング周期に乗じた値を遅延時間として、前記基点時刻からこの遅延時間だけ遡った時点のサンプリング時刻を前記フィルタデータに付与するフィルタ部と、
    前記フィルタ部からの前記サンプリング時刻と前記フィルタデータとを用いてリレー演算を行うリレー演算部と、
    を備えたことを特徴とする保護継電装置。
  2. 電力系統にて検出された電気量に基づいて前記電力系統を保護する保護継電装置であって、
    前記電気量を所定のサンプリング周期でサンプリングして複数のサンプリング値を生成すると共に、前記サンプリング値を生成したタイミングを表すサンプリング時刻を前記各サンプリング値と対応付けて格納するサンプリング部と、
    系列的に連続する奇数個のサンプリング時刻の最新時刻から、前記奇数個から1を減じた値を2で除した値を満たす時間だけ遡った時刻を基点時刻として、少なくとも、前記基点時刻以前の所定時刻にサンプリングされたサンプリング値と、前記基点時刻以後の前記所定時刻と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値と、を加算してフィルタデータを求めると共に、前記基点時刻をフィルタデータに付与するフィルタ部と、
    前記フィルタ部からの前記基点時刻と前記フィルタデータとを用いてリレー演算を行うリレー演算部と、
    を備えたことを特徴とする保護継電装置。
  3. 前記フィルタ部は、前記基点時刻にサンプリングされたサンプリング値を、前記フィルタデータを求める際に加算することを特徴とする請求項2に記載の保護継電装置。
  4. 前記フィルタ部は、前記基点時刻以前または前記基点時刻以前の時刻にサンプリングされたサンプリング値の何れかが欠落している場合、このサンプリング値と対を成す時刻にサンプリングされたサンプリング値を除外して、前記フィルタデータを求めることを特徴とする請求項2または3に記載の保護継電装置。
  5. 前記フィルタ部は、サンプリング値に位相誤差が生じている場合、前記基点時刻以前または前記基点時刻以前の時刻にサンプリングされたサンプリング値の中で時系列的に最も離れた2つのサンプリング値の何れかに、1以外の値の係数を乗じることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の保護継電装置。
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