JP2012146869A - 磁性シート及び磁性シートの製造方法 - Google Patents

磁性シート及び磁性シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012146869A
JP2012146869A JP2011005092A JP2011005092A JP2012146869A JP 2012146869 A JP2012146869 A JP 2012146869A JP 2011005092 A JP2011005092 A JP 2011005092A JP 2011005092 A JP2011005092 A JP 2011005092A JP 2012146869 A JP2012146869 A JP 2012146869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy powder
magnetic alloy
electromagnetic
electromagnetic interference
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011005092A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Takahashi
利男 高橋
Manabu Usui
学 臼井
Masahiro Yokoyama
正弘 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2011005092A priority Critical patent/JP2012146869A/ja
Publication of JP2012146869A publication Critical patent/JP2012146869A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成により、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成するとともに、層間の接着強度を向上させることが可能な磁性シートおよび磁性シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】電磁シールド機能を有する電磁シールド層11と、電磁シールド層11の少なくとも一方の面に積層された、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層10とを有し、電磁干渉抑制層10は、第1磁性合金粉及び第1結合剤を有し構成され、電磁シールド層11は、第2磁性合金粉及び第2結合剤を有し構成されており、第1磁性合金粉と第2磁性合金粉とが同一の材料で構成され、第1結合剤と第2結合剤とが同一の材料で構成されており、電磁シールド層11の第2磁性合金粉の充填量が、電磁干渉抑制層10の第1磁性合金粉の充填量よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性シート及び磁性シートの製造方法に関し、特に電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能とを備えた、磁性シート及び磁性シートの製造方法に関する。
パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器において、電子部品の高密度化、高集積化及び動作周波数の高周波化が進んでいる。そのため、電子機器内部で電子部品や配線から電磁波が発生し、内部で反射した電磁波により電子部品が誤動作するなどの電磁干渉が発生し易くなっている。また、電子機器外部に漏洩した電磁波が他の電子機器などに悪影響を及ぼす場合も生じる。
このような電磁ノイズ対策用部品として、磁性合金複合材料をシート状に加工した電磁干渉抑制シートや、導電性材料をシート状に形成した電磁シールド材料が用いられている。
電磁干渉抑制シートは、IC(Integrated Circuit)などのノイズ発生源と推定される箇所に直接貼り付ける、または電子部品間を接続するFPC(Flexible Printed Circuit)に巻き付ける等の方法で使用される。電磁干渉抑制シートは、入射した電磁波ノイズのエネルギーを熱エネルギーに変換することにより、反射波及び透過波を抑制する。しかし、電磁干渉抑制シートにより完全に電磁ノイズを除去することは困難であり、磁性合金の特性やシートの厚みにより、ノイズ吸収性能や対応可能な周波数範囲が限定されてしまうという課題がある。
一方、電磁シールド材料は、電子機器の外部へ不要電磁波の漏洩を防ぐ目的で電子機器の筐体の内面に貼られて用いられる。電磁シールド材料は、入射した電磁ノイズの大部分を反射するため、透過を防ぐことは可能である。しかし、電磁シールド材料により反射された電磁波が電子機器内部で散乱し、内部で干渉を引き起こすという問題がある。
このような電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能とを兼ね備えた磁性シートとして、特許文献1及び特許文献2には、異なる材料により形成した電磁干渉抑制層と電磁シールド層とを多層に積層した磁性シートについての発明が開示されている。これによれば、磁性シートに入射した電磁ノイズを電磁干渉抑制層で低減するとともに、電磁干渉抑制層を透過した電磁ノイズを電磁シールド層で反射することができる。また、反射された電磁ノイズは電磁干渉抑制層で更に低減されるため、電磁シールド層で反射した電磁ノイズによる電磁干渉をより効率的に抑制することができる。
例えば特許文献1では、電磁波を吸収する機能をもつグラファイト化カーボンブラック複合粒子と磁性粒子、及び電磁波をシールドする機能をもつ導電性繊維の少なくとも1つを用い、配合量を種々に変えて電磁干渉抑制層と電磁シールド層とを形成し積層体としている。また、特許文献2では、導電性充填材をシリコーン樹脂中に分散させた電磁シールド層と、電磁波吸収性充填材をシリコーン樹脂中に分散させてなる電磁干渉抑制層とを積層して、電磁波干渉抑制シートを形成している。
特開2000−244167号公報 特開2002−329995号公報
しかしながら、従来技術の電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能とを備えた磁性シートにおいては、電磁干渉抑制層と電磁シールド層とにそれぞれ異なる材料を用いることにより電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能を実現している。このように、各層に異なる材料を用いた場合、層間の熱膨張係数の違いにより層間剥離や接着不良が発生する可能性があった。そのため、各層間に接着剤を介して接合する方法や、熱圧着により接合する方法により層間の接着強度を向上させる必要があった。
本発明は、上記課題を解決し、簡単な構成により、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成するとともに、接着剤や熱圧着工程等を追加することなく、層間の接着性を向上させることが可能な磁性シートおよび磁性シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁性シートは、電磁シールド機能を有する電磁シールド層と、前記電磁シールド層の少なくとも一方の面に積層された、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、を有し、前記電磁干渉抑制層は、第1磁性合金粉及び第1結合剤を有し構成され、前記電磁シールド層は、第2磁性合金粉及び第2結合剤を有し構成されており、前記第1磁性合金粉と前記第2磁性合金粉とが同一の材料で構成されており、前記第1結合剤と前記第2結合剤とが同一の材料で構成されており、前記電磁シールド層の前記第2磁性合金粉の充填量が、前記電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量よりも大きいことを特徴とする。
これによれば、各層に同一の磁性合金粉及び同一の結合剤を用いた簡単な構成で、磁性合金粉の充填量を変えることにより、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成する事が可能となる。また、各層に同一の磁性合金粉及び同一の結合剤を用いていることから層間の熱膨張係数の差を小さく抑えることができ、層間の接着性を向上させることができる。これにより、接着剤や熱圧着工程等を追加することなく、層間の接着性を向上する事が可能となる。
本発明の磁性シートは、前記電磁シールド層の表裏面の両方に、前記電磁干渉抑制層が積層されていることが好ましい。これによれば、電磁ノイズが磁性シートの表裏面どちらから入射した場合に対しても、効果的に電磁ノイズを抑制する事が可能となる。すなわち、ICやFPC等の不要輻射を抑制し、かつ、外部からの電磁ノイズの影響についても抑制可能である。
本発明の磁性シートは、前記電磁シールド層の他方の面に、前記電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量とは異なる充填量を有する電磁干渉抑制層が積層されていてもよい。このような構成とすることで、異なるμ″の周波数特性を有する電磁干渉抑制層を電磁シールド層の両面にそれぞれ形成できるため、電磁干渉抑制可能な周波数帯域を広げることが可能となる。
本発明の磁性シートは、前記第1磁性合金粉が、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、55体積%未満であり、前記第2磁性合金粉が、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、55体積%以上、80体積%以下であることが好ましい。これによれば、同一の磁性合金粉を用いて、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成する事が可能となる。
本発明の磁性シートは、前記第1磁性合金粉が、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、32.5体積%以上、55体積%未満であり、前記第2磁性合金粉が、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、55体積%以上、60体積%以下であることが、より好適である。これによれば、より良好な電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層を形成することができ、また、良好な可撓性と電磁シールド機能とを備えた電磁シールド層を形成することができる。
本発明の磁性シートは、前記第1磁性合金粉及び前記第2磁性合金粉が、FeAlSi合金粉であることが好ましい。これによれば、複素透磁率の周波数特性が良好であり、優れた電磁干渉抑制機能を実現することができる。
また、本発明の磁性シートは、前記第1結合剤と前記第2結合剤とが塩素化ポリエチレンであることが好ましい。これによれば、耐候性、耐熱性、耐燃性、耐薬品性などに優れ、良好な可撓性を有する磁性シートを形成する事ができる。
本発明の磁性シートの製造方法は、電磁シールド層と電磁干渉抑制層とを積層してなる磁性シートの製造方法であって、(a)第1磁性合金粉と第1結合剤とを混合してスラリー状に形成した第1混合材料をシート状に加工して、第1電磁干渉抑制層を形成する工程と、(b)第2磁性合金粉と第2結合剤とを混合してスラリー状に形成した第2混合材料を、前記第1電磁干渉抑制層の一方の面に積層して電磁シールド層を形成する工程とを含み、前記第1磁性合金粉と前記第2磁性合金粉とに同一の材料を用い、前記第1結合剤と前記第2結合剤とに同一の材料を用い、前記電磁シールド層の前記第2磁性合金粉の充填量は、前記第1電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量よりも大きいことを特徴とする。
これによれば、各層に同一の磁性合金粉および同一の結合剤を用いた簡単な構成で、各層の磁性合金粉の充填量を変えることにより、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成する事が可能となる。また、各層に同一の結合剤を用いているため、各層が一体になったと見なせる程に強固に接着される。したがって、接着剤や熱圧着工程を追加することなく、層間の接着性を向上する事ができる。
また、本発明の磁性シートの製造方法において、前記電磁シールド層は、前記第1電磁干渉抑制層が乾燥しない状態で、もしくは乾燥した状態で形成することができる。どちらの方法であっても、各層が一体になったと見なせる程度に強固に接着される。また、磁性合金粉の配向性や、充填密度の制御のため、どちらかの方法を適宜選択することができる。
本発明の磁性シートの製造方法は、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、前記第1磁性合金粉を55体積%未満の充填量で混合して、前記第1混合材料を形成し、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、前記第2磁性合金粉を55体積%以上、80体積%以下の充填量で混合して、前記第2混合材料を形成することが好ましい。これによれば、同一の磁性合金粉を用いて、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成することができる。
また、本発明の磁性シートの製造方法は、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、前記第1磁性合金粉を32.5体積%以上、55体積%未満の充填量で混合して、前記第1混合材料を形成し、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、前記第2磁性合金粉を55体積%以上、60体積%以下の充填量で混合して、前記第2混合材料を形成することが好適である。これによれば、より良好な電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、良好な可撓性と電磁シールド機能とを備えた電磁シールド層とを形成する事ができる。
本発明の磁性シートの製造方法において、前記(b)の工程の後に、前記第1混合材料を前記電磁シールド層に積層して第2電磁干渉抑制層を形成する工程を含むことが好適である。これによれば、各層間を良好に接着して、電磁シールド層の表裏面の両方に電磁干渉抑制層を積層する事ができる。
本発明の磁性シートの製造方法において、前記(b)の工程の後に、前記第2電磁干渉抑制層の代わりに、前記第1混合材料とは異なる前記第1磁性合金粉の充填量を有する第3混合材料を前記電磁シールド層に積層して第3電磁干渉抑制層を形成してもよい。これによれば、電磁シールド層の表裏面にそれぞれ第1磁性合金粉の充填量が異なる電磁干渉抑制層を積層され、電磁干渉抑制可能な周波数帯域を広げることが可能となる。
また、前記第2電磁干渉抑制層または前記第3電磁干渉抑制層は、前記電磁シールド層が乾燥しない状態、もしくは乾燥した状態で形成することが可能である。どちらの方法であっても、各層が一体になったと見なせる程度に強固に接着することができる。また、磁性合金粉の配向性や充填密度の制御のため、どちらかの方法を適宜選択することができる。
本発明の磁性シートの製造方法において、前記第1磁性合金粉及び前記第2磁性合金粉にFeAlSi合金粉を用いることが好ましい。これによれば、複素透磁率の周波数特性が良好であり、優れた電磁干渉抑制機能を有する磁性シートを形成することができる。
また、本発明の磁性シートの製造方法において、前記第1結合剤及び前記第2結合剤に塩素化ポリエチレンを用いることが好ましい。これによれば、耐候性、耐熱性、耐燃性、耐薬品性などに優れ、良好な可撓性を有する磁性シートを形成する事ができる。
本発明の磁性シートおよび磁性シートの製造方法によれば、各層に同一の磁性合金粉および同一の結合剤を用いた簡単な構成で、各層の磁性合金粉の充填量を変えることにより、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、電磁シールド機能を有する電磁シールド層とを形成する事が可能となる。また、各層に同一の磁性合金粉及び同一の結合剤を用いていることから、層間の熱膨張係数の差を抑えることができ、層間の接着性が向上する。これにより、接着剤や熱圧着工程を追加することなく、層間の接着性を向上する事ができる。
本発明の第1の実施形態における磁性シートを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における磁性シートを示す断面図である。 本発明の磁性シートの製造方法を示す工程図である。 本発明の実施例における電磁ノイズ減衰量の周波数特性を、比較例と対比して示すグラフである。 比較例の磁性シートにおける、複素透磁率(μ′、μ″)の周波数特性を示すグラフである。 本発明の実施例における、磁性合金粉の充填量を変えて作製した磁性シートの、電磁ノイズ減衰量の周波数特性を示すグラフである。 本発明の実施例における、電磁ノイズ減衰量の評価方法を示す説明図である。
<第1の実施形態>
図1には、本発明の第1の実施形態における磁性シート1の断面図を示す。図1に示すように磁性シート1は、電磁シールド機能を有する電磁シールド層11と、電磁シールド層11の一方の面に積層された電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層10とを有し構成されている。電磁干渉抑制層10は、第1磁性合金粉が第1結合剤中に分散され、シート状に形成されている。また、電磁シールド層11は、第2磁性合金粉が第2結合剤中に分散されて、シート状に形成されている。電磁干渉抑制層10及び電磁シールド層11の厚さは、それぞれ0.05mmから0.5mm程度に形成することができる。
第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉としては、FeNi系合金、FeSi合金、FeAl合金、FeAlSi合金、FeCo系合合金、FeCr合金等を用いることができる。または、Fe基非晶質合金粉、例えばFeBSi系、FeBSiCr系、FeCoBSi系、FeNiMoB系、CoFeNiMoBSi系、CoFeNiBSi系、FeMNiCrPCBSi系(M:Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Auより選ばれる1種または2種以上の元素)等の磁性合金を用いてもよい。
磁性合金粉の形状は限定されるものではないが、扁平状であることが好適である。磁性粉の平均粒径(D50)は20〜60μm程度、アスペクト比は50〜200程度であることが好適である。アスペクト比の高い磁性合金粉を用いることにより、磁性合金粉どうしの接触が生じ、また、磁性合金粉の反磁界が抑制されるため高い透磁率を得ることが可能となる。
本実施形態において、第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉にFeAlSi合金粉を用いた。そして、電磁シールド層11における第2磁性合金粉の充填量を、電磁干渉抑制層10における第1磁性合金粉の充填量よりも大きくなるようにそれぞれ形成した。このように電磁干渉抑制層10と電磁シールド層11とに同一の材料を用い、充填量を変えて形成することにより、電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能とを実現する事ができる。
電磁干渉抑制層10において、第1磁性合金粉の充填量を、第1磁性合金粉と第1結合剤との合計体積に対し55体積%未満とする事で良好な電磁干渉抑制機能が得られる。また、電磁シールド層11において、第2磁性合金粉の充填量を、第2磁性合金粉と第2結合剤との合計体積に対し55体積%以上、80体積%以下とすることにより、良好な電磁シールド機能が得られる。
本実施形態における磁性シート1は、電磁干渉抑制層10が電磁ノイズの入射面となるようにして使用されるが、第1磁性合金粉を55体積%以上とすると、電磁干渉抑制層10の表面抵抗値が小さくなる。そうすると、電磁ノイズが効率よく電磁干渉抑制層10の内部に入らなくなってしまうため好ましくない。また、電磁シールド層11において、第2磁性合金粉を55体積%以上とすることで、電磁シールド層の導電性が向上し電磁シールド機能を実現できる。しかし、第2磁性合金粉を80体積%以上に増やすと、電磁シールド層11が脆くなってしまい、磁性シート1の可撓性及び、機械的強度が得られないため好ましくない。
更に、電磁干渉抑制層10の第1磁性合金粉の充填量を32.5体積%以上55体積%未満とすることがより好ましい。第1磁性合金粉の充填量を32.5体積%以上とすることで、電磁干渉抑制層10の面内方向の複素透磁率(μ′、μ″)を大きくする事ができ、より良好な電磁干渉抑制機能を実現する事ができる。また、電磁シールド層11の第2磁性合金粉の充填量を55体積%以上60体積%とすることが、より好ましい。こうすれば、電磁シールド層11において良好な電磁シールド機能を得るとともに、設置する電子部品やケーブルの形状に合わせて任意の形状に変形可能な可撓性を有することができる。
本実施形態において、第1磁性合金粉と第2磁性合金粉とにFeAlSi合金粉を用いている。これにより、電磁干渉抑制層10と電磁シールド層11との熱膨張係数の差を小さくすることができるため、磁性シート1を電子部品等に貼り付けて使用する際、電子部品や電子機器の熱の影響で磁性シート1が高温になっても、熱膨張係数の差による層間剥離や反りの発生等の不具合を防ぐことができる。
第1結合剤及び第2結合剤としては、シリコーン樹脂、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマ(EPDM)、クロロプレン、ポリウレタン、塩化ビニル、飽和ポリエステル、ニトリル樹脂等を選択できる。また、リン酸エステル、赤燐、三酸化アンチモン、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ヘキサブロモベンゼン、メラミン誘導体、臭素系、塩素系、白金系等の難燃剤を添加してもよい。なお第1結合剤及び第2結合剤には、潤滑剤やシランカップリング剤等の微量添加物が添加されていてもよい。
本実施形態において、第1結合剤及び第2結合剤に塩素化ポリエチレンを使用している。これによって、耐候性、耐熱性、耐燃性、耐薬品性などに優れた磁性シート1を形成することができる。また、磁性シート1は、IC等の電子部品表面や電子機器の筐体内部などに貼り付けたり、FPCに巻き付けたりして使用されるが、第1結合剤及び第2結合剤に塩素化ポリエチレンを用いることにより、様々な形状に変形可能な可撓性を有する磁性シート1を形成することができる。
また、第1結合剤及び第2結合剤に同一の材料を用いて電磁干渉抑制層10及び電磁シールド層11を形成することにより、電磁干渉抑制層10と電磁シールド層11との界面でのなじみが良くなり、各層が一体になったと見なせる程に強固に接着される。また、各層の熱膨張係数の差をより小さくする事ができるため、層間剥離や反りの発生等を防ぎ、層間の接着性を向上させることができる。このため、層間を接着するための両面テープ、接着剤等の部材や、熱圧着等の工程を追加したりすることなく、層間の接着信頼性を向上することができる。
さらに、第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉に同一の磁性合金材料を用い、また、第1結合剤及び第2結合剤に同一の材料を用いているため、使用する材料の種類が少なくなり磁性シート1の製造コストを抑制することができる。
<第2の実施形態>
図2には、本発明の第2の実施形態における磁性シート2の断面図を示す。図2に示すように、磁性シート2は、電磁シールド機能を有する電磁シールド層22の一方の面に電磁干渉抑制機能を有する第1電磁干渉抑制層20が積層され、電磁シールド層22の他方の面に第2電磁干渉抑制層21が積層されて構成されている。第1電磁干渉抑制層20及び第2電磁干渉抑制層21は、第1磁性合金粉が第1結合剤中に分散され、シート状に形成されている。また、電磁シールド層22は、第2磁性合金粉が第2結合剤中に分散されて、シート状に形成されている。なお、第1の実施形態と共通する内容については説明を省略する。
本実施形態の磁性シート2は、電磁ノイズ発生源であるICに直接貼り付ける、またはFPC等に巻き付ける等の方法で用いられる。電磁シールド層22の表裏面の両方に第1電磁干渉抑制層20と第2電磁干渉抑制層21とをそれぞれ積層する事により、電磁ノイズ発生源からの不要輻射を効果的に抑制するとともに、外部から入射した電磁ノイズに対しても抑制することができるため、電子機器内部での電磁干渉をより効果的に防ぐことが可能となる。
本実施形態においても、第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉に同一の磁性合金粉を用い、第1結合剤及び第2結合剤に同一の材料を用いた。これにより、積層数を多くした磁性シート2においても層間剥離や反りの発生がなく、良好な接着信頼性を有する。第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉としてはFeAlSi合金粉を、また、第1結合剤及び第2結合剤としては塩素化ポリエチレンを用いることができる。
また、本実施形態において、第1電磁干渉抑制層20及び第2電磁干渉抑制層21における第1磁性合金粉の充填量を55体積%未満、より好ましくは32.5体積%以上55体積%未満とする事で、良好な電磁干渉抑制機能を得ることができる。また、電磁シールド層22における第2磁性合金粉の充填量を、55体積%以上80体積%以下、より好ましくは、55体積%以上60体積%以下とする事により、良好な電磁シールド機能を得ることが可能となる。
第1電磁干渉抑制層20及び第2電磁干渉抑制層21における第1磁性合金粉の充填量を同一にして形成してもよい。こうすれば、磁性シート2における反りの発生を抑制することができる。また、磁性シート2の表裏面で同等の電磁干渉抑制効果を有することから、実際に電子部品等に貼り付ける際に容易に使用することができる。
また、第1電磁干渉抑制層20及び第2電磁干渉抑制層21における第1磁性合金粉の充填量は異なっていても良い。このようにすることで、第1電磁干渉抑制層20と第2電磁干渉抑制層21のμ″の周波数特性を変えることができるため、電磁干渉抑制させる周波数帯域を広くすることが可能となる。なお、この場合の第1磁性合金粉の充填量は、電磁シールド層22の第2磁性合金粉の充填量よりも小さくすることが必須条件となる。
<磁性シートの製造方法>
以下、本発明の磁性シート1、2の製造方法について説明する。
図3(a)に示すように、第1磁性合金粉と第1結合剤とを混合しスラリー状に形成した第1混合材料30を、ディスペンサ44からフィルム状基材40の上に投入する。フィルム状基材40には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を長尺フィルム状に加工したものを用いる。そして、フィルム状基材40がX2方向に引き出されるとともに、フィルム状基材40上の第1混合材料30は、ドクターブレード41により所定の厚さに均一に形成される。このように、いわゆるドクターブレード法により、電磁干渉抑制層10を形成する。
また、ドクターブレード41のX2側に、空芯コイル(図示しない)を設けて一定の方向に磁界を印加することにより、第1磁性合金粉の配向を一定方向に揃えることも可能である。あるいは、圧延ローラー(図示しない)を設けて一定の圧力を加えることにより、第1磁性合金粉の配向を揃えることもできる。こうすれば、磁性シート面内の複素透磁率を向上させることができる。
次に、図3(b)に示す工程により、電磁シールド層11を電磁干渉抑制層10に積層する。まず、第2磁性合金粉と第2結合剤とを混合してスラリー状に形成した第2混合材料31を用意する。図3(a)の工程で形成した電磁干渉抑制層10が乾燥した状態、もしくは乾燥しない状態で、電磁干渉抑制層10の表面に第2混合材料31をディスペンサ45により投入する。そして、フィルム状基材40と電磁干渉抑制層10とをX2方向に引き出すとともに、第2混合材料31が、ドクターブレード42により所定の厚さに均一に形成される。このような工程により、電磁干渉抑制層10の上に電磁シールド層11を積層して磁性シート1を形成する。
電磁干渉抑制層10が乾燥した状態で電磁シールド層11を積層するか、乾燥しない状態で積層するかは、磁性合金粉の配向性や充填密度を制御するために適宜選択し得る。
なお、特に図示はしないが、図3(b)の工程の後、長尺に形成され完全に乾燥された磁性シート1は、所望の大きさに切断して使用される。
図3(a)及び図3(b)に示した本発明の磁性シートの製造方法において、電磁干渉抑制層10及び電磁シールド層11に同一の結合剤を用い、電磁干渉抑制層10が乾燥した状態、もしくは乾燥しない状態で電磁シールド層11を積層する事により、層間のなじみが良くなり、各層が一体になったと見なせる程に強固に接着される。したがって、層間に接着剤や、熱圧着工程等を追加することなく、層間の接着性を向上して磁性シート1を製造する事が可能となる。また、層間接着用の部材や工程が不要となることから、製造コストを低減することもできる。
本発明の磁性シートの製造方法によれば、第1磁性合金粉と第2磁性合金粉とに同一の材料を用い、また、第1結合剤と第2結合剤とに同一の材料を用いる。第1磁性合金粉及び第2磁性合金粉には、例えばFeAlSi合金粉を用いることができ、また、第1結合剤及び第2結合剤には塩素化ポリエチレンを用いることができる。電磁シールド層11の第2磁性合金粉の充填量は、電磁干渉抑制層10の前記第1磁性合金粉の充填量より大きくなるように形成する。
第1混合材料30における第1磁性合金粉の充填量は、第1磁性合金粉と第1結合剤との合計体積に対し55体積%未満となるように、より好ましくは32.5体積%以上55体積%未満となるように配合する。これにより、電磁干渉抑制層10は良好な電磁干渉抑制機能を実現できる。また、第2混合材料31における第2磁性合金粉の充填量を、第2磁性合金粉と第2結合剤との合計体積に対し55体積%以上80体積%以下、より好ましくは55体積%以上60体積%以下となるように配合する。これにより電磁シールド層11は良好な電磁シールド機能を実現できる。
電磁干渉抑制層10と電磁シールド層11に同一の磁性合金粉と同一の結合剤を用いることにより、各層の熱膨張係数の差を小さくする事ができる。これにより、層間剥離や反りの発生を抑え、良好な層間接着性を有する磁性シート1を製造する事ができる。また、同一の磁性合金粉と同一の結合剤を用いて、電磁干渉抑制機能と電磁シールド機能とを実現する事ができるため、それぞれ別の材料を用いる場合に比べ、製造コストを抑えることができる。
なお、図3(a)及び図3(b)の工程では、電磁干渉抑制層10を形成した後に電磁シールド層11を積層しているが、この工程順に限られるものではなく、電磁シールド層11を形成した後に電磁干渉抑制層10を積層しても何ら問題はない。
図3(c)には、本発明の磁性シートの製造方法の変形例を示す。まず、図3(a)及び図3(b)の工程と同様に、第1電磁干渉抑制層20の上に電磁シールド層22を積層する。その後、電磁シールド層22が乾燥した状態、もしくは乾燥しない状態で、第1混合材料30をディスペンサ46により電磁シールド層22の表面に投入する。第1混合材料30はドクターブレード43により所定の厚さに均一に形成され、第2電磁干渉抑制層21が積層される。なお、電磁シールド層22が乾燥した状態で第2電磁干渉抑制層21を積層するか、乾燥しない状態で積層するかは、磁性合金粉の配向性や充填密度を制御するために適宜選択し得る。
以上のような工程により、電磁シールド層22の一方の面に第1電磁干渉抑制層20が積層され、他方の面に第2電磁干渉抑制層21が積層された磁性シート2を形成することができる。
本変形例では、第1電磁干渉抑制層20と第2電磁干渉抑制層21とに同一の第1混合材料を用いているため、第1電磁干渉抑制層20及び第2電磁干渉抑制層21の磁性合金粉の充填量が等しくなっている。しかし、この態様に限らず、磁性合金粉の充填量が異なる電磁干渉抑制層を電磁シールド層22の表裏面に積層することもできる。例えば、図3(c)の工程において、第2電磁干渉抑制層21の代わりに、第1混合材料30とは異なる第1磁性合金粉の充填量を有する第3混合材料を前記電磁シールド層22に積層して第3電磁干渉抑制層を形成してもよい。こうすれば、第1電磁干渉抑制層20と第3電磁干渉抑制層とのμ″の周波数特性を変えることができるため、電磁干渉抑制させる周波数帯域を広くすることが可能となる。なお、第3混合材料の第1磁性合金粉の充填量は、電磁シールド層22の第2磁性合金粉の充填量よりも小さくすることが必須条件となる。
図3(c)の工程によれば、層数を増やした場合においても、層間の接着性を向上して磁性シート2を製造することが可能である。また、層数を増やしても層間の接着剤や、熱圧着工程等を追加する必要がないため、製造コストを低減して多層に積層した磁性シート2を製造できる。
図3(a)から図3(c)の工程では、2層積層した磁性シート1、または3層積層した磁性シート2の製造方法を示したが、本発明の磁性シートの製造方法によれば、この積層構成に限られるものではない。所望の電磁干渉抑制機能及び電磁シールド機能を実現するために、電磁干渉抑制層及び電磁シールド層の積層数を増やした場合でも、同様の効果が得られる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
本実施例において、電磁干渉抑制層及び電磁シールド層の磁性合金粉としてFeAlSi合金粉を用いた。また、結合剤として塩素化ポリエチレンを用いた。
電磁干渉抑制層におけるFeAlSi合金粉の充填量が40体積%となるように、FeAlSi合金粉と塩素化ポリエチレンとを混合攪拌し、スラリー状の第1混合材料を作製した。また、電磁シールド層におけるFeAlSi合金粉の充填量が55体積%となるように、FeAlSi合金粉と塩素化ポリエチレンとを混合攪拌し、スラリー状の第2混合材料を作製した。
この第1混合材料及び第2混合材料を用いてドクターブレード法により、電磁干渉抑制層と電磁シールド層とを積層した磁性シートを形成した。
比較例1の磁性シートには、磁性合金粉としてFeAlSi合金粉を用い、結合剤として塩素化ポリエチレンを用いた。FeAlSi合金粉の充填量が40体積%となるように混合材料を作製し、ドクターブレード法によりシート成形を行った。本実施例及び比較例1の磁性シートの厚さは、いずれも約100μmとなるように形成した。
本実施例における磁性シートの電磁ノイズ抑制効果を、図7に示す測定系で評価した。図7に示すように、ネットワークアナライザ61(アジレントテクノロジー社製 8753E)、及び同軸管タイプシールド効果測定システム62(キーコム社製)を用い、Sパラメータ法により試料3(本実施例及び比較例1の磁性シート)の電磁ノイズ透過減衰量を評価した。
図4には、本実施例の磁性シート及び比較例1の磁性シートについて、減衰量(S21)の周波数特性を評価したグラフを示す。本実施例の磁性シートは、300MHz以上の周波数領域において比較例1の磁性シートに比べて大きな減衰量(S21)を示しており、高い電磁ノイズ抑制効果を有していることがわかる。特に、1GHz以上の周波数領域において比較例1に比べて4dB以上大きい減衰量(S21)を示していることから、本実施例の磁性シートは高周波の電磁ノイズに対してより効果的であるといえる。
また、本実施例の磁性シートは層間の接着性も良好であり、層間剥離等の不具合は発生していない。
電磁干渉抑制機能を向上させるためには、複素透磁率の虚数部(μ″)を大きくすることが望ましい。しかし、複素透磁率は周波数特性を有し、スネークの限界と呼ばれる「周波数×透磁率=一定」という関係があるため,ある周波数以上ではμ″は急激に低下することが知られている。
図5には、比較例1及び比較例2の磁性シートについて、複素透磁率(μ′、μ″)の周波数特性を示す。比較例1は図4で示したものと同様のシートであり、比較例2は複素透磁率を向上させるために、磁性合金粉の粒径、形状を変えて作製したものである。100MHz以下の周波数領域では、比較例2のμ″は比較例1に比べ高い値を示しているが、周波数100MHz以上では低下しはじめて比較例1と比較例2とのμ″の差は小さくなっていく。1GHz以上の周波数領域ではほとんど差がなくなってしまうことから、GHz帯のμ″を向上させることが困難であることがわかる。
しかしながら、図4のグラフに示したように、本実施例の磁性シートは、1GHz以上において特に大きな減衰量を示している。このことから、本実施例の磁性シートはFeAlSi合金粉を40体積%充填した電磁干渉抑制層における電磁干渉抑制機能に加えて、FeAlSi合金粉を55体積%充填した電磁シールド層による電磁シールド機能を兼ね備えており、高周波領域においても効果的に電磁ノイズを抑制することができる。
次に、本発明の磁性シートにおける磁性合金粉の充填量と電磁ノイズ抑制効果との関係を明確にするために、FeAlSi合金粉の充填量を32.5体積%、40体積%、50体積%、60体積%と変えて作製した磁性シートについて、それぞれ単層シートでの減衰量(S21)を評価した。その結果を図6のグラフに示す。
図6に示すように、FeAlSi合金粉の充填量を32.5体積%から50体積%に増やすにしたがって、減衰量(S21)が大きくなることがわかる。また、減衰量(S21)の周波数特性は特に大きな違いが見られない。このことから、FeAlSi合金粉の充填量を32.5体積%から50体積%に増やしたことにより、磁性シートの複素透磁率の虚数部(μ″)が大きくなり減衰量(S21)が大きくなったと考えられる。
また、FeAlSi合金粉の充填量を50体積%から60体積%に増やすと、減衰量(S21)が急激に大きくなり、特に1GHz以上の高周波領域における減衰量が増大している。図5に示したようにμ″は1GHz以上の周波数領域では小さい値となるため、1GHz以上の周波数領域での減衰量の著しい増大は、μ″による電磁干渉抑制機能ではなく、電磁シールド効果が大きくなったためと考えられる。
図4及び図6に示した減衰量(S21)の周波数特性の結果から、FeAlSi合金粉の充填量が55体積%未満の場合は優れた電磁干渉抑制機能を実現しており、FeAlSi合金粉の充填量が55体積%以上の場合は優れた電磁シールド機能を実現できることがわかった。
1、2 磁性シート
3 試料
10 電磁干渉抑制層
11、22 電磁シールド層
20 第1電磁干渉抑制層
21 第2電磁干渉抑制層
30 第1混合材料
31 第2混合材料
40 フィルム状基材
41、42、43 ドクターブレード
44、45、46 ディスペンサ
61 ネットワークアナライザ
62 同軸管タイプシールド効果測定システム

Claims (17)

  1. 電磁シールド機能を有する電磁シールド層と、
    前記電磁シールド層の少なくとも一方の面に積層された、電磁干渉抑制機能を有する電磁干渉抑制層と、を有し、
    前記電磁干渉抑制層は、第1磁性合金粉及び第1結合剤を有し構成され、
    前記電磁シールド層は、第2磁性合金粉及び第2結合剤を有し構成されており、
    前記第1磁性合金粉と前記第2磁性合金粉とが同一の材料で構成されており、
    前記第1結合剤と前記第2結合剤とが同一の材料で構成されており、
    前記電磁シールド層の前記第2磁性合金粉の充填量が、前記電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量よりも大きいことを特徴とする磁性シート。
  2. 前記電磁シールド層の表裏面の両方に、前記電磁干渉抑制層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性シート。
  3. 前記電磁シールド層の他方の面に、前記電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量とは異なる充填量を有する電磁干渉抑制層が積層されている事を特徴とする、請求項1に記載の磁性シート。
  4. 前記第1磁性合金粉が、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、55体積%未満であり、
    前記第2磁性合金粉が、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、55体積%以上、80体積%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁性シート。
  5. 前記第1磁性合金粉が、前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、32.5体積%以上、55体積%未満であり、
    前記第2磁性合金粉が、前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、55体積%以上、60体積%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁性シート。
  6. 前記第1磁性合金粉及び前記第2磁性合金粉が、FeAlSi合金粉であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁性シート。
  7. 前記第1結合剤と前記第2結合剤とが塩素化ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の磁性シート。
  8. 電磁シールド層と電磁干渉抑制層とを積層してなる磁性シートの製造方法であって、
    (a)第1磁性合金粉と第1結合剤とを混合してスラリー状に形成した第1混合材料をシート状に加工して、第1電磁干渉抑制層を形成する工程と、
    (b)第2磁性合金粉と第2結合剤とを混合してスラリー状に形成した第2混合材料を、前記第1電磁干渉抑制層の一方の面に積層して電磁シールド層を形成する工程とを含み、
    前記第1磁性合金粉と前記第2磁性合金粉とに同一の材料を用い、
    前記第1結合剤と前記第2結合剤とに同一の材料を用い、
    前記電磁シールド層の前記第2磁性合金粉の充填量は、前記第1電磁干渉抑制層の前記第1磁性合金粉の充填量よりも大きいことを特徴とする磁性シートの製造方法。
  9. 前記電磁シールド層は、前記第1電磁干渉抑制層が乾燥しない状態で、もしくは乾燥した状態で形成することを特徴とする請求項8に記載の磁性シートの製造方法。
  10. 前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、前記第1磁性合金粉を55体積%未満の充填量で混合して、前記第1混合材料を形成し、
    前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、前記第2磁性合金粉を55体積%以上、80体積%以下の充填量で混合して、前記第2混合材料を形成することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の磁性シートの製造方法。
  11. 前記第1磁性合金粉と前記第1結合剤との合計体積に対し、前記第1磁性合金粉を32.5体積%以上、55体積%未満の充填量で混合して、前記第1混合材料を形成し、
    前記第2磁性合金粉と前記第2結合剤との合計体積に対し、前記第2磁性合金粉を55体積%以上、60体積%以下の充填量で混合して、前記第2混合材料を形成することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の磁性シートの製造方法。
  12. 前記(b)の工程の後に、前記第1混合材料を前記電磁シールド層に積層して第2電磁干渉抑制層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の磁性シートの製造方法。
  13. 前記第2電磁干渉抑制層は、前記電磁シールド層が乾燥しない状態、もしくは乾燥した状態で形成することを特徴とする請求項12に記載の磁性シートの製造方法。
  14. 前記(b)の工程の後に、前記第2電磁干渉抑制層の代わりに、前記第1混合材料とは異なる前記第1磁性合金粉の充填量を有する第3混合材料を前記電磁シールド層に積層して第3電磁干渉抑制層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の磁性シートの製造方法。
  15. 前記第3電磁干渉抑制層は、前記電磁シールド層が乾燥しない状態、もしくは乾燥した状態で形成することを特徴とする請求項14に記載の磁性シートの製造方法。
  16. 前記第1磁性合金粉及び前記第2磁性合金粉にFeAlSi合金粉を用いることを特徴とする、請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の磁性シートの製造方法。
  17. 前記第1結合剤及び前記第2結合剤に塩素化ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項8から請求項15のいずれか1項に記載の磁性シートの製造方法。
JP2011005092A 2011-01-13 2011-01-13 磁性シート及び磁性シートの製造方法 Pending JP2012146869A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011005092A JP2012146869A (ja) 2011-01-13 2011-01-13 磁性シート及び磁性シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011005092A JP2012146869A (ja) 2011-01-13 2011-01-13 磁性シート及び磁性シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012146869A true JP2012146869A (ja) 2012-08-02

Family

ID=46790132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011005092A Pending JP2012146869A (ja) 2011-01-13 2011-01-13 磁性シート及び磁性シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012146869A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015083491A1 (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 電子素子およびシート材

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001015980A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Daido Steel Co Ltd 広帯域吸収型電磁波吸収体およびその製造方法
JP2001077586A (ja) * 1999-09-07 2001-03-23 Nippon Muki Co Ltd 電磁波吸収体及びその製造方法
JP2008021990A (ja) * 2006-06-16 2008-01-31 Nitta Ind Corp 電磁干渉抑制体および電磁障害抑制方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001015980A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Daido Steel Co Ltd 広帯域吸収型電磁波吸収体およびその製造方法
JP2001077586A (ja) * 1999-09-07 2001-03-23 Nippon Muki Co Ltd 電磁波吸収体及びその製造方法
JP2008021990A (ja) * 2006-06-16 2008-01-31 Nitta Ind Corp 電磁干渉抑制体および電磁障害抑制方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015083491A1 (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 電子素子およびシート材
CN105794331A (zh) * 2013-12-03 2016-07-20 东洋油墨Sc控股株式会社 电子元件以及片材
KR20180059952A (ko) * 2013-12-03 2018-06-05 토요잉크Sc홀딩스주식회사 전자 소자 및 시트재
KR102150258B1 (ko) * 2013-12-03 2020-09-01 토요잉크Sc홀딩스주식회사 전자 소자 및 시트재

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015076387A1 (ja) ノイズ吸収シート
US9380736B2 (en) Electromagnetic interference suppressor
KR101544587B1 (ko) 열전도성 접착층을 포함하는 전자파 차단 필름 및 그 제조 방법.
TW201601915A (zh) 電磁波干擾遮蔽薄膜
JP2008270370A (ja) 電磁波遮蔽シート
CN103929933B (zh) 抑制电磁波干扰结构及具有该结构的软性印刷电路板
JP2010153542A (ja) 電磁波抑制シート及びその製造方法
KR20150096655A (ko) 전자파 간섭 억제체
JP5151162B2 (ja) ノイズ抑制シート
JP6674436B2 (ja) ノイズ抑制シート
JP5424606B2 (ja) ノイズ抑制体とその製造方法
JP5720358B2 (ja) 電波抑制シートとこのシートを具備した電子機器及び電波抑制用部品
JP2012146869A (ja) 磁性シート及び磁性シートの製造方法
JP5625934B2 (ja) 電磁ノイズ対策部材及びこれを用いた電磁ノイズ対策方法
JP2000244167A (ja) 電磁波障害防止材
JP2012129352A (ja) 電磁波抑制シート、電磁波抑制シートの製造方法、シート積層体、可撓性材
JP5605766B2 (ja) 電波抑制体とこの電波抑制体を具備した電子機器及び電波抑制用部品
JP2010153461A (ja) 電磁干渉抑制シート
JP4611699B2 (ja) 伝導ノイズ抑制体および伝導ノイズ対策方法
JP5602045B2 (ja) 回路基板
KR100712836B1 (ko) 전자기파 간섭 차폐용 다층 필름 및 이를 포함하는회로기판
JP2013182931A (ja) 電磁ノイズ抑制部材
JP2008270714A (ja) 電磁波遮蔽シート
JP4381871B2 (ja) 電磁波ノイズ抑制体、その製造方法、および電磁波ノイズ抑制機能付きプリント配線板
US10098268B2 (en) Electromagnetic wave shielding tape using nanomaterials

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140502

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140702

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20141118