JP2012145190A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で慣性質量体の重心の移動軌跡を擬似的なサイクロイド曲線にできるダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】回転部材2に形成された収容室3に、回転部材2の捩り振動に伴ってその回転方向に往復運動する慣性質量体4を収容し、収容室3の内周面に慣性質量体4が転動しながら往復運動する転動面9が形成されているダイナミックダンパ1において、収容室3の内周面に曲率の異なる複数の転動面9,10が形成され、慣性質量体4は、回転部材2の捩り振動に応じて往復運動した場合の慣性質量体2の振幅が増大することに伴って慣性質量体2が転動していたいずれかの転動面9から曲率の異なるいずれか他の転動面10に次第に乗り移って慣性質量体4の往復運動の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化するように複数の転動面9,10に対応する曲率の異なる複数の円弧面7,8を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転部材に取り付けられてそのトルク変動もしくは捩り振動を減衰させ、もしくは吸収するダイナミックダンパに関するものである。
車両に搭載されるエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなど、あるいはこれらに取り付けられてこれらと一体回転する部材などの回転部材は、エンジンからの起振力に起因して、その軸心の周りに固有の捩り振動を起こすことが知られている。この捩り振動が大きくなる回転部材の回転数領域や捩り振動とエンジンのシリンダの爆発回転速度の周期とが共振しやすい回転部材の回転数領域において捩り振動を低減するために、前述したような回転部材に取り付けられて、捩り振動を吸収もしくは減衰させるダイナミックダンパが知られている。そのようなダイナミックダンパの一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されたダイナミックダンパは、回転部材の回転中心軸線から離れた箇所に転動室が形成され、その転動室に回転部材の回転変動や捩り振動に応じて往復運動可能な慣性質量体が収容され、その転動室の内壁面に、回転部材の回転変動や捩り振動に応じて慣性質量体が転動し、かつ往復運動可能な転動面が形成されている。慣性質量体の往復運動次数は、回転部材の回転変動次数に等しくなるように設計されている。そのため、回転部材の回転変動や捩り振動に応じて慣性質量体が転動面を転動しながら往復運動すると、その往復運動次数に等しい回転部材の捩り振動次数を減衰することができる、とされている。
特開2002−340097号公報
上記の特許文献1に記載されている構成のダイナミックダンパは、回転部材の回転変動や捩り振動に応じて慣性質量体が往復運動した場合に、慣性質量体が往復運動していない中立状態からの慣性質量体の振幅が増大することに伴って、設計した慣性質量体の往復運動次数と実際の慣性質量体の往復運動次数との乖離が大きくなる。そのため、慣性質量体の振幅が増大することに伴って慣性質量体の往復運動次数による回転部材の捩り振動の減衰効果が低下してしまう。
一方で、慣性質量体の往復運動次数がその振幅の大きさに依存しないサイクロイド振子が多くの教科書、ハンドブックなどに公知である。そこで、特許文献1に記載された慣性質量体の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようにすれば、慣性質量体の振幅が増大することに伴う次数ずれを抑制し、ダイナミックダンパの制振性能の低下を抑制することができる。しかしながら、特許文献1に記載された慣性質量体の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするためには、転動面の加工が複雑になる虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、複雑な加工を要しないで慣性質量体の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にすることができるダイナミックダンパを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材に形成された収容室に、前記回転部材の捩り振動に伴ってその回転方向に往復運動する慣性質量体を収容するとともに、前記収容室の内周面に前記慣性質量体が転動しながら往復運動する転動面が形成されているダイナミックダンパにおいて、前記収容室の内周面に、曲率の異なる複数の前記転動面が形成され、前記慣性質量体は、前記回転部材の捩り振動に応じて往復運動した場合の前記慣性質量体の振幅が増大することに伴って前記慣性質量体が転動していた前記いずれかの転動面から曲率の異なる前記いずれか他の転動面に次第に乗り移って前記慣性質量体の往復運動の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化するように前記複数の転動面に対応する曲率の異なる複数の円弧面を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記慣性質量体は、前記いずれかの円弧面が前記いずれかの転動面に接触して転動している場合に、前記いずれか他の円弧面は前記いずれか他の転動面に対して非接触とされるように構成されていることを特徴とするダイナミックダンパである。
さらにまた、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記収容室は、前記回転部材とこれを挟み込む蓋部材とによって構成されることを含み、前記いずれかの転動面は前記回転部材に一体化して形成され、前記他のいずれかの転動面は前記蓋部材に一体化して形成されることを特徴とするダイナミックダンパである。
請求項1の発明によれば、収容室の内周面には、曲率の異なる複数の転動面が形成され、慣性質量体は、各転動面に対応する曲率の異なる円弧面を備えている。慣性質量体は、回転部材の捩り振動に応じて往復運動した場合に、慣性質量体が往復運動していない中立状態からの慣性質量体の振幅が増大することに伴って、曲率の異なる転動面を乗り移っていってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が変化し、その移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。そのため、収容室に慣性質量体の重心の移動軌跡がサイクロイド形状となるような転動面形状を加工する場合に比較して容易な加工を施すことにより、慣性質量体の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体の重心の移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くので、慣性質量体の振幅が増大した場合であっても、設計した往復運動次数と実際の往復運動次数との次数ずれを抑制でき、次数ずれに起因する制振性能の低下を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、慣性質量体は、そのいずれかの円弧面がいずれかの転動面に接触し、その転動面を転動しながら往復運動している場合には、いずれか他の円弧面はいずれか他の転動面に対して接触しないように構成されている。そのため、慣性質量体の各円弧面と各転動面とが同時に接触することが防止されるとともに、回転部材の捩り振動に応じて往復運動した場合に、その中立状態からの慣性質量体の振幅が増大することに伴っていずれかの転動面からいずれか他の転動面に乗り移ることができる。
さらにまた、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明による効果と同様の効果に加えて、曲率の異なる複数の転動面は、それぞれ異なる部材に形成することができる。そのため、各部材に対して比較的容易な加工を施すことにより転動面を形成することができる。その結果、曲率が異なる複数の転動面の加工性を向上できるとともに、その加工コストの低減を図ることができる。また、各曲率の異なる転動面が形成される部材を分けることができるので、各転動面が形成される部材の材質を任意に選択することができる。より具体的には、慣性質量体が転動面を転動しながら往復運動する場合に、慣性質量体の質量や慣性質量体に生じた遠心力などにより、相対的に高い面圧が作用する転動面が形成される部材の強度を、相対的に低い面圧が作用する転動面が形成される部材の強度に比較して高い強度を有する材料にすることができる。これとは反対に、相対的に低い面圧が作用する転動面が形成される部材については、相対的に高い面圧が作用する転動面が形成される部材に比較して強度が低く、低価格の材料を選択することができ、材料コストを抑えることができる。
この発明に係るダイナミックダンパの構成を模式的に示す図である。 図1に示すII−II’線に沿うダイナミックダンパの断面図である。 この発明に係るダイナミックダンパの他の構成を模式的に示す図である。 図3に示すIV−IV’線に沿うダイナミックダンパの断面図である。 この発明に係るダイナミックダンパの更に他の構成を模式的に示す図である。 図5に示すVI−VI’線に沿うこの発明に係るダイナミックダンパの断面図である。 図1に示す構成を改良した構成の断面図である。 図1に示す構成を改良した他の構成の断面図である。 図1に示す構成を改良した更に他の構成の断面図である。 図9に示す構成を改良した構成の断面図である。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。図1に、この発明に係るダイナミックダンパの構成を模式的に示してある。図1には、複数のダイナミックダンパ1を、そのダイナミックダンパ1が取り付けられる回転部材2の回転面に対し、垂直な方向から見た状態を示してある。ダイナミックダンパ1は、制振対象となる例えば車両のエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなど、あるいはこれらに取り付けられてこれらと一体回転する回転部材2と、その回転部材2の回転中心から離れた箇所に形成された収容室3と、収容室3の内壁面であって、回転部材2の半径方向で外側に円弧状に形成された複数の転動面と、収容室3に収容され、回転部材2の回転変動あるいはこれに起因する捩り振動に応じて転動面を往復運動する慣性質量体(すなわち、ダンパマス)4とを備えている。
慣性質量体4は、その往復運動次数によって回転部材2の所定次数の捩り振動を吸収もしくは減衰するものであるから、慣性質量体4の往復運動次数は、吸収もしくは減衰したい回転部材2の捩り振動の次数、すなわち回転変動次数に等しくなるように、あるいはその回転変動次数に近似した値になるように設計されている。
図2に、図1に示すII−II’線に沿うダイナミックダンパの断面図を示してある。図1および図2に示したように、慣性質量体4は、小径の質量体5と大径の質量体6とを備え、二つの質量体6によって質量体5を挟み込むとともに、これらの回転軸線が互いに同一になるように一体に形成されている。また、図2に示す例において、各質量体5,6の厚みは、すなわち回転部材2の回転軸線方向での各質量体5,6の肉厚は、質量体5の厚みを質量体6の厚みに比較して厚く形成されている。そして、これらの質量体5,6における各外周面が、上記の各転動面に対応する円弧面7,8になっている。
図1および図2に示したように、収容室3の内壁面であって回転部材2の半径方向で外側には、円弧状に形成されて相対的に曲率の小さい転動面9と、円弧状に形成されて相対的に曲率の大きい転動面10とが形成されており、転動面9は転動面10よりも回転部材2の半径方向で内側に形成あるいは配置されている。その転動面9に、慣性質量体4の振幅が相対的に小さい領域において、上記の円弧面7が接触するようになっており、転動面10に、慣性質量体4の振幅が相対的に大きい領域において、上記の円弧面8が接触するようになっている。
図1および図2に示すように構成されたダイナミックダンパ1の作用について説明する。ダイナミックダンパ1が停止している状態から制振対象の回転部材2が回転し始めて、それと一体にダイナミックダンパ1が回転し始めてその回転数が上昇すると、収容室3内の慣性質量体4には、ダイナミックダンパ1の回転数に応じた遠心力が作用する。すなわち、ダイナミックダンパ1の回転数が上昇するほど大きな遠心力が収容室3内の慣性質量体4に作用する。したがって、ダイナミックダンパ1の回転数が上昇すると、収容室3内の慣性質量体4に作用する遠心力も大きくなり、慣性質量体4は、その慣性質量体4に作用する遠心力が慣性質量体4に作用する重力よりも大きくなることによって、図1に示したように、収容室3内における最外周側(最膨出位置あるいは最外周位置と呼ばれることがある。)に移動する。そして、回転部材2すなわちダイナミックダンパ1の回転数が一定であったり、その回転数の上昇あるいは下降に伴う回転変動や捩り振動がある程度小さい場合には、慣性質量体4は、収容室3内における最外周側に位置することになり、慣性質量体4が転動面を往復運動しない中立状態になっている。この中立状態においては、慣性質量体4の円弧面7と転動面9とが接触した状態となっている。
回転部材2の回転数が上昇あるいは下降してある程度の大きさの回転変動やこれに起因する捩り振動が生じ、その回転変動や捩り振動がダイナミックダンパ1に入力されると、慣性質量体4は、その中立状態から上記の回転部材2の回転変動や捩り振動の大きさに応じて回転部材2の回転方向に転動面9を転動しながら転動面9を往復運動する。すなわち、上記の中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度は、回転部材2の回転変動や捩り振動の大きさに応じた変位量あるいは変位角度もしくは転動角度になる。
上記の回転変動や捩り振動よりも大きな回転変動や捩り振動が回転部材2に生じ、これがダイナミックダンパ1に入力されると、慣性質量体4の振幅が増大し、上記の中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度が増大する。そして、振幅が増大することに伴って慣性質量体4は、その円弧面7と転動面9とが接触していた状態から円弧面7と転動面9とが接触しない状態になるとともに、次第にかつ滑らかに円弧面8と転動面10とが接触する状態に移行する。すなわち、慣性質量体4が転動面9から転動面10に乗り移って行く。
より具体的には、中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度がある程度小さい領域においては、円弧面7と転動面9とが接触して慣性質量体4が転動面9を転動可能な状態となっており、そのような領域においては円弧面8と転動面10とは接触しないようになっている。そして、中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度がある程度大きい領域においては、円弧面8と転動面10とが接触して慣性質量体4が転動面10を転動可能な状態となり、そのような領域においては円弧面7と転動面9とは接触しないようになっている。
したがって、慣性質量体4の振幅が増大することに伴って円弧面7および転動面9が接触している状態から円弧面8および転動面10が接触する状態に次第に乗り移って行くと、円弧面7および転動面9は次第に接触しないようになる。これとは反対に、慣性質量体4の振幅が減少すると、円弧面8および転動面10が接触している状態から円弧面7および転動面9が接触する状態に次第に移行し、円弧面8および転動面10は次第に接触しない状態になる。すなわち、慣性質量体4は、その中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度に応じて各転動面9,10を乗り移りながら往復運動する。慣性質量体4の各円弧面7,8および各転動面9,10の曲率は、上記のように慣性質量体4が転動面9と転動面10とを滑らかに乗り移りながら往復運動できるようになっている。
このような構成のダイナミックダンパにおいては、収容室3に曲率の異なる複数の転動面9,10を設け、慣性質量体4がその振幅の変化に応じて曲率の異なる複数の転動面9,10を滑らかに乗り移るように構成することにより、慣性質量体4はその振幅の変化に応じて曲率の異なる転動面9,10を滑らかに乗り移っていってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が変化し、その重心の移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。したがって、慣性質量体4の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするために、収容室3に施す加工を従来に比較して容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体4の重心の移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになるから、慣性質量体4の振幅が増大した場合であっても、設計した往復運動次数と実際の往復運動次数との次数ずれを抑制して次数ずれに起因するダイナミックダンパ1の制振性能の低下を防止もしくは抑制することができる。
さらにまた、図1および図2に示す例においては、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域においては、慣性質量体4が転動する転動面10が転動面9よりも回転部材2の半径方向で外側に形成されている。そのため、ある程度大きな回転変動やこれに起因する捩り振動が生じやすい傾向にある回転部材2の低回転数領域において、慣性質量体4に生じる遠心力をある程度大きくでき、慣性質量体4の円弧面8と転動面10との間の摩擦力や転動面10に作用する面圧を確保できる。これとは反対に、ある程度小さな回転変動やこれに起因する捩り振動が生じやすい傾向にある回転部材2の高回転数領域において、慣性質量体4に生じる遠心力をある程度小さくでき、慣性質量体4の円弧面7と転動面9との間の摩擦力や転動面9に生じる面圧を低減することができる。したがって、図1および図2に示したように構成することにより、慣性質量体4およびその各円弧面7,8ならびに各転動面9,10の耐久性を向上させることができる。
そして、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、転動面9を挟んでその両側に設けられた転動面10を転動することになる。すなわち、図1および図2に示す例においては、慣性質量体4は2箇所で転動面10に接触することになるので、慣性質量体4の振幅がある程度大きい場合であっても慣性質量体4を安定して転動させることができる。また、円弧面7およびこれに対応する転動面9は大きく形成されているので、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域においても慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図3に、この発明に係るダイナミックダンパの他の構成を模式的に示してある。ここに示す例は、収容室3を回転部材2とその回転部材2の少なくとも一部を覆うように構成された蓋部材11とによって構成するとともに、各部材2,11に慣性質量体4が転動しながら往復運動するための上記の転動面9,12を設けた例である。より具体的に説明すると、図3に示す例において、回転部材2の回転中心から離れた箇所に、回転部材2を連通して収容室3の一部が形成されていて、その内壁面における回転部材2の半径方向で内側に相対的に曲率の小さい転動面9が設けられている。また、回転部材2の少なくとも一部を覆うように蓋部材11が設けられており、その蓋部材11に回転部材2に収容室3の他の一部が形成されている。蓋部材11には、相対的に曲率の大きい転動面12が設けられている。図3に示す例において、転動面9が、蓋部材11に形成された転動面12よりも回転部材2あるいは蓋部材11の半径方向で内側になるようになっている。
図4に、図3に示すIV−IV’線に沿うダイナミックダンパの断面図を示してある。図3および図4に示す例においては、回転部材2の回転軸線方向で回転部材2を挟み込むように蓋部材11が設けられている。慣性質量体4は、小径の質量体5と大径の質量体6とによって構成することができ、例えば二つの質量体6によって質量体5を挟み込むとともに、これらの回転軸線が互いに同一になるようにまた一体に形成することができる。また、図4に示す例において、各質量体5,6の厚みは、質量体5の厚みを質量体6の厚みに比較して厚く形成されている。そして、質量体5の外周面を、慣性質量体4の振幅が相対的に小さい領域において慣性質量体4を転動面9に対して転動可能にする円弧面7とすることができ、質量体6の外周面を、慣性質量体4の振幅が相対的に大きい領域において慣性質量体4を転動面12に対して転動可能にする円弧面8とすることができる。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、曲率の異なる複数の転動面9,12をそれぞれ異なる部材2,11に形成することができるので、各部材2,11に対して例えば打ち抜きや孔抜き加工などの比較的容易なあるいは単純な加工を施すことにより転動面9,12を形成することができるとともに、加工コストの低減を図ることができる。また、各部材2,11に使用する材料強度や材質を、各部材2,11に見合ったものとすることができ、これにより材料コストの低減を図ることができる。より具体的には、慣性質量体4が転動面12を転動する頻度は転動面9を転動する頻度に比較して低く、また、慣性質量体4が転動面12を転動する頻度が高くなるのは回転部材2が低回転数領域にある場合であるから、上記のように転動面12を転動面9よりも回転部材2あるいは蓋部材11の半径方向で外側に配置させたとしても、慣性質量体4に生じた遠心力やその質量に基づいて転動面12に作用する面圧は、転動面9に作用する面圧に比較して一般的に低くなる傾向にある。したがって、転動面12を形成する蓋部材11には、回転部材2に比較して材料強度の低い素材を使用することができ、その分、材料コストの削減を図ることができる。
そして、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、転動面9を挟んでその両側に設けられた転動面12を転動することになる。すなわち、図3および図4に示す例においては、慣性質量体4は2箇所で転動面12に接触することになるので、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域であっても慣性質量体4を安定して転動させることができる。また、円弧面7およびこれに対応する転動面9は大きく形成されているので、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域においても慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図5に、この発明に係るダイナミックダンパの更に他の構成を模式的に示してある。また、図6に、図5に示すVI−VI’線に沿うこの発明に係るダイナミックダンパの断面図を示してある。具体的に説明すると、慣性質量体4は小径の質量体5と大径の質量体6とを備え、各回転軸線が同軸上になるように一体に形成されていて、各質量体5,6の厚みは、質量体5の厚みを質量体6の厚みに比較して厚く形成されている。そして、各質量体5,6の各外周面がそれぞれ円弧面7,8となっている。収容室3における回転部材2の半径方向で外側に曲率の大きい転動面13が形成されている。転動面13よりも曲率の小さい転動面14は、回転部材2とは異なる部材15に形成されていて、その部材15は、回転部材2の軸線方向で転動面13における中央あるいは中央付近に設けられている。したがって、図5および図6に示す例において、転動面14は転動面13に比較して回転部材2の半径方向で内側に設けられている。慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において、慣性質量体4の円弧面7および転動面14が接触し、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、円弧面8および転動面13が接触するようになっている。なお、各円弧面7,8および転動面13,14は、慣性質量体4がその振幅が増大することに伴って滑らかに乗り移っていけるようになっている。また、部材15は回転部材2と一体化してもよい。さらにまた部材15は、回転部材2と異なる材料強度や材質の素材を使用することができる。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、転動面13が回転部材2に形成されていて、転動面13の中央あるいは中央付近に転動面14が形成された部材15が設けられているので、図3および図4に示す例に比較して、部品点数を削減できるとともに、転動面13が形成された部材15と回転部材2との位置合わせを不要とすることができ、その結果、ダイナミックダンパ1の組み付け性を向上させることができる。また、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、転動面14を挟んでその両側に設けられた転動面13を転動することになる。すなわち、図5および図6に示す例においては、慣性質量体4は2箇所で転動面13に接触することになるので、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において慣性質量体4を安定して転動させることができる。また、円弧面7およびこれに対応する転動面14は大きく形成されているので、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域においても慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図7に、図1に示す構成を改良した構成の断面図を示してあり、ここに示す例は、慣性質量体4を三つの質量体16,17,18によって構成するとともに各質量体16,17,18の外周面にそれぞれ曲率の異なる円弧面19,20,21を設け、また、これらの各円弧面19,20,21に対応する曲率の異なる転動面22,23,24を回転部材2に設けた例である。図7に示す例において、慣性質量体4は、小径の質量体16と、質量体16よりも大径の質量体17と、質量体17よりも大径の質量体18とを備えている。そして、質量体16を挟み込むように質量体17が設けられ、更にこれらを挟み込むように質量体18が設けられている。各質量体16,17,18の回転軸線は、同一軸線上に設けるとともに、一体に形成することができる。また、各質量体16,17,18の厚みは、すなわち回転部材2の回転軸線方向での各質量体16,17,18の肉厚は、質量体16の厚みを質量体17の厚みに比較して厚く、質量体17の厚みを質量体18の厚みに比較して厚く形成されている。
収容室3における回転部材2の半径方向で外側には、曲率の小さい転動面22と、転動面22よりも曲率の大きい転動面23と、転動面23よりも曲率の大きい転動面24とが形成されている。転動面22は転動面23よりも回転部材2の半径方向で内側に形成あるいは配置され、転動面23は転動面24よりも回転部材2の半径方向で内側に形成あるいは配置されている。上記の転動面22に、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において上記の円弧面19が接触するようになっており、転動面23に、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において上記の円弧面20が接触するようになっており、転動面24に、慣性質量体4の振幅が更に大きい領域において上記の円弧面21が接触するようになっている。慣性質量体4の各円弧面19,20,21および各転動面22,23,24の曲率は、慣性質量体4が各転動面22,23,24を滑らかに乗り移りながら往復運動できるようになっている。したがって、慣性質量体4は、その振幅が増大することに伴って転動面22から転動面23に次第にそして滑らかに乗り移っていき、更に振幅が増大することに伴って転動面23から転動面24に次第にそして滑らかに乗り移っていくようになっている。これとは反対に、増大した振幅が小さくなるに伴って、すなわち、慣性質量体4の中立状態からの変位角度が大きい状態から小さい状態になるに伴って慣性質量体4は転動面24から転動面23にそして転動面22に次第にそして滑らかに乗り移っていくようになっている。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、慣性質量体4の振幅が増大することに伴って円弧面19および転動面22が接触している状態から円弧面20および転動面23が接触する状態に移行し、更に振幅が増大することに伴って円弧面21および転動面24が接触する状態に移行する。すなわち、慣性質量体4は、振幅が増大することに伴って転動面22から転動面23に、更に転動面24に次第にかつ滑らかに乗り移っていってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化してその移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。したがって、慣性質量体4の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするために、収容室3に施す加工を従来に比較して容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、円弧面や転動面の数が図1ないし図6に示す例に比較して多く形成されているので、慣性質量体4の重心の移動軌跡は、図1ないし図6に示す例に比較してよりサイクロイド曲線に近似した曲線を描くようになる。その結果、図1ないし図6に示す例に比較して次数ずれに起因するダイナミックダンパ1の制振性能の低下をより防止もしくは抑制することができる。
さらにまた、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、転動面22を挟んでその両側に設けられた転動面23あるいは転動面23を挟んでその両側に配置された転動面24を転動することになる。すなわち、図7に示す例においては、慣性質量体4は2箇所で転動面23あるいは転動面24に接触することになるので、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において慣性質量体4を安定して転動させることができる。そして、円弧面19およびこれに対応する転動面22は大きく形成されているので、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域においても慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図8に、図1に示す構成を改良した他の構成の断面図を示してあり、ここに示す例は、慣性質量体4を小径の質量体25およびこれを挟み込むように質量体25と同心円状にかつ一体に形成された大径の質量体26によって構成するとともに、各質量体25,26の各外周面を円弧面27,28とした例である。また、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において、円弧面28に接触する曲率の小さい転動面29を回転部材2の半径方向で内側に形成し、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、円弧面27に接触する曲率の大きい転動面30を転動面29よりも回転部材2の半径方向で外側に形成した例である。さらにまた、各質量体25,26の厚みは、質量体25の厚みが質量体26の厚みに比較して厚く形成されている。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、慣性質量体4の振幅が増大することに伴って慣性質量体4は、円弧面28および転動面29が接触している状態から円弧面27および転動面30が接触する状態に次第にかつ滑らか乗り移っていって、円弧面28および転動面29が接触しない状態に移行するとともに円弧面27および転動面30が接触する状態になる。その結果、慣性質量体4は、振幅が増大することに伴ってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化してその移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。したがって、慣性質量体4の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするために、収容室3に施す加工を従来に比較して容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体4の重心の移動軌跡が、サイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くので、慣性質量体4の振幅が増大することに伴う設計した慣性質量体4の往復振動次数と実際の慣性質量体4の往復振動次数との次数ずれを抑制し、これに起因するダイナミックダンパ1の制振性能の低下をより防止もしくは抑制することができる。
さらにまた、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において慣性質量体4は2箇所で転動面29に接触することになるので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。これとは反対に、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域においては、慣性質量体4の円弧面27およびこれに対応する転動面30は大きく形成されているので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図9に、図1に示す構成を改良した更に他の構成の断面図を示してあり、ここに示す例は、慣性質量体4を大径の質量体31およびこれを挟み込むように質量体31と同心円状にかつ一体に形成された小径の質量体32によって構成するとともに、各質量体31,32の各外周面を円弧面33,34とした例である。また、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において、円弧面28に接触する曲率の小さい転動面29を回転部材2の半径方向で内側に形成し、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において、円弧面27に接触する曲率の大きい転動面30を転動面29よりも回転部材2の半径方向で外側に形成した例である。さらにまた、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において円弧面34および曲率の小さな転動面35が接触する状態にするとともに、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において円弧面33および曲率の大きな転動面36が接触する状態になるように、転動面35を転動面36よりも回転部材2の半径方向で内側に形成するように構成した例である。そして、各質量体31,32の厚みは、質量体31の厚みが質量体32の厚みに比較して厚く形成されている。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、慣性質量体4の振幅が増大することに伴って慣性質量体4は、円弧面34および転動面35が接触している状態から円弧面33および転動面36が接触する状態に次第にかつ滑らか乗り移っていって、円弧面34および転動面35が接触しない状態に移行するとともに円弧面33および転動面36が接触する状態になる。その結果、慣性質量体4は、振幅が増大することに伴ってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化してその移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。したがって、慣性質量体4の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするために、収容室3に施す加工を従来に比較して容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体4の重心の移動軌跡が、サイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くので、慣性質量体4の振幅が増大することに伴う設計した慣性質量体4の往復振動次数と実際の慣性質量体4の往復振動次数との次数ずれを抑制し、これに起因するダイナミックダンパ1の制振性能の低下をより防止もしくは抑制することができる。
さらにまた、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において慣性質量体4は2箇所で転動面35に接触することになるので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。これとは反対に、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域においては慣性質量体4の円弧面33およびこれに対応する転動面36は大きく形成されているので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。
図10に、図9に示す構成を改良した構成の断面図を示してあり、ここに示す例は、慣性質量体4を大径の質量体37およびこれを挟み込むように質量体37と同心円状にかつ一体に形成された小径の質量体38によって構成するとともに、各質量体37,38の各外周面を円弧面39,40とした例である。また、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域において円弧面39および曲率の小さな転動面41が接触する状態にするとともに、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において円弧面40および曲率の大きな転動面42が接触する状態になるように、転動面41を転動面42よりも回転部材2の半径方向で外側に形成するように構成した例である。さらにまた、各質量体37,38の厚みは、質量体37の厚みが質量体38の厚みに比較して厚く形成されている。
したがって、このような構成のダイナミックダンパ1においては、慣性質量体4の振幅が増大することに伴って慣性質量体4は、円弧面39および転動面41が接触している状態から円弧面40および転動面42が接触する状態に次第にかつ滑らか乗り移っていって、円弧面39および転動面41が接触しない状態に移行するとともに円弧面40および転動面42が接触する状態になる。その結果、慣性質量体4は、振幅が増大することに伴ってその重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化してその移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになる。したがって、慣性質量体4の重心の移動軌跡をサイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線にするために、収容室3に施す加工を従来に比較して容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体4の重心の移動軌跡が、サイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くので、慣性質量体4の振幅が増大することに伴う設計した慣性質量体4の往復振動次数と実際の慣性質量体4の往復振動次数との次数ずれを抑制し、これに起因するダイナミックダンパ1の制振性能の低下をより防止もしくは抑制することができる。
さらにまた、慣性質量体4は、慣性質量体4の振幅がある程度大きい領域において転動面41を挟んでその両側に設けられた転動面42を転動することになる。すなわち、図10に示す例においては、慣性質量体4は2箇所で転動面42に接触することになるので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。これとは反対に、慣性質量体4の振幅がある程度小さい領域においても、円弧面39およびこれに対応する転動面41は大きく形成されているので、慣性質量体4を安定して転動させることができる。
したがって、この発明によれば、慣性質量体は、複数の質量体とその質量体の各外周面に形成された曲率の異なる円弧面とを備え、各円弧面に対応する曲率の異なる複数の転動面が収容室の内壁面に形成されている。各円弧面および各転動面は、慣性質量体の振幅が増大することに伴って慣性質量体が各転動面を次第にそして滑らかに乗り移って行くことができるようになっている。したがって、この発明に係るダイナミックダンパによれば、慣性質量体の振幅が増大することに伴って、すなわち、その中立状態からの慣性質量体4の変位量あるいは変位角度もしくは転動角度が増大することに伴って慣性質量体がそれまで転動していた転動面から他の転動面に次第にそして滑らかに乗り移っていって、その重心の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化するようになっている。上記のように構成することにより、慣性質量体の重心の移動軌跡がサイクロイド曲線あるいはこれを近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くようになっている。したがって、収容室に慣性質量体の重心の移動軌跡がサイクロイド形状となるような転動面形状を加工する場合に比較して収容室の加工を比較的容易にでき、その加工コストを抑えることができる。また、慣性質量体の重心の移動軌跡が、サイクロイド曲線あるいはこれに近似した擬似的なサイクロイド曲線を描くことにより、慣性質量体の振幅が増大することに伴う設計した慣性質量体の往復振動次数と実際の往復振動次数との次数ずれを抑制し、これに起因するダイナミックダンパの制振性能の低下をより防止もしくは抑制することができる。
1…ダイナミックダンパ、 2…回転部材、 3…収容室、 4…慣性質量体、 7,8…円弧面、 9,10…転動面。

Claims (3)

  1. 回転部材に形成された収容室に、前記回転部材の捩り振動に伴ってその回転方向に往復運動する慣性質量体を収容するとともに、前記収容室の内周面に前記慣性質量体が転動しながら往復運動する転動面が形成されているダイナミックダンパにおいて、
    前記収容室の内周面に、曲率の異なる複数の前記転動面が形成され、
    前記慣性質量体は、前記回転部材の捩り振動に応じて往復運動した場合の前記慣性質量体の振幅が増大することに伴って前記慣性質量体が転動していた前記いずれかの転動面から曲率の異なる前記いずれか他の転動面に次第に乗り移って前記慣性質量体の往復運動の移動軌跡における瞬間曲率中心が次第に変化するように前記複数の転動面に対応する曲率の異なる複数の円弧面を備えている
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記慣性質量体は、前記いずれかの円弧面が前記いずれかの転動面に接触して転動している場合に、前記いずれか他の円弧面は前記いずれか他の転動面に対して非接触とされるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記収容室は、前記回転部材とこれを挟み込む蓋部材とによって構成されることを含み、前記いずれかの転動面は前記回転部材に一体化して形成され、前記他のいずれかの転動面は前記蓋部材に一体化して形成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のダイナミックダンパ。
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