JP2014052038A - 動吸振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動吸振器の動吸振器本体22には、周方向に沿って複数の転動室23が設けられ、転動室23には、外側縁部25に沿って揺動するコロ30が設けられている。外側縁部25は、径方向において最も外側に位置する最外部位P1から周方向に離れるに連れて曲率半径が次第に大きくなる第1の領域51と、第1の領域51の周方向外側の部位に連続するとともに、同周方向外側の部位の曲率半径よりも小さい曲率半径で形成される第2の領域52と、を有する。
【選択図】図3
Description
第1の方法を採用するためには、動吸振器本体に周方向に沿って設けられる転動室の数を増やすこととなる。しかしながら、外側縁部を最外部位から周方向に離れるに従い曲率半径が次第に大きくなる形状とすると、転動室の周方向における幅は、外側縁部が一定曲率の円弧状に形成される場合と比較して広くなる。すなわち、一つの転動室を設けるために広いスペースが必要となる。そのため、動吸振器本体に設けることのできる転動室の数が減る可能性があり、転動体の使用数が減ってしまうおそれがある。
本発明の一態様は、所定の軸線を中心に回転するとともに周方向に沿って複数の転動室が設けられてなる動吸振器本体を備え、転動室にはその径方向外側の縁部に沿って転動可能な転動体が収容されてなる動吸振器を前提としている。そして、径方向外側の縁部は、径方向において最も外側に位置する最外部位から周方向に離れるに連れて曲率半径が次第に大きくなる第1の領域と、この第1の領域の周方向外側の部位に連続するとともに、この周方向外側の部位の曲率半径よりも小さい曲率半径で形成される第2の領域と、を有することを要旨とする。
また、転動体には、軸線方向における両側に突出する一対の軸部を設けてもよい。この場合、動吸振器は、動吸振器本体の軸線方向における両側に配置され、転動体を、軸部を介して転動自在に支持する一対の支持部材と、転動体の軸線方向への移動を制限する制限手段と、をさらに備えることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態の動吸振器21は、図1にて紙面と直交する軸線Sを中心に回転する平面視略円環状の動吸振器本体22を備えている。本実施形態の動吸振器本体22は、比較的肉厚の一枚の板材で構成されている。こうした動吸振器本体22には、周方向に沿って略等間隔に配置される複数の転動室23が形成されている。これら各転動室23は、動吸振器本体22の内周縁221側に開口している。そして、周方向において互いに隣り合う各転動室23の間には、各転動室23を区画する区画壁24が設けられている。
動吸振器本体22の軸線方向における両側には、支持部材の一例としてのガイド部材40がそれぞれ設けられている。これら一対のガイド部材40は、円環状をなすとともに、動吸振器本体22に対して一体回転するように固定されている。こうしたガイド部材40の外周側には、コロ30の軸部33を支持する支持部41が形成されている。すなわち、一対のガイド部材40は、軸部33を介してコロ30を転動室23内で転動自在に支持している。
図3に示すように、外側縁部25は、複数の領域51,52が周方向に沿って連続するようにして構成されている。すなわち、外側縁部25において周方向における中央は、径方向において最も外側に位置する最外部位P1である。そして、この最外部位P1を含む第1の領域51は、最外部位P1から周方向に離れるに連れて曲率半径が次第に大きくなるように形成されている。本実施形態の第1の領域51は、コロ30の重心Cの移動軌跡が懸垂曲線形状となるように形成されている。
図4に示す比較例の動吸振器本体22Aでは、外側縁部25Aが、最外部位P1から周方向に離れるに連れて次第に曲率半径が大きくなるように形成されている。すなわち、外側縁部25Aには、第2の領域に相当する領域が形成されていない。この場合、本実施形態の場合と比較して、一つの転動室23Aの周方向における幅が広くなってしまう。
動吸振器21へのトルクの入力によって、動吸振器本体22が一定速度で回転している場合、コロ30は、自身に作用する遠心力によって外側縁部25の最外部位P1近傍に位置し、動吸振器本体22とほぼ一体回転する。この状態でトルク変動が動吸振器21に入力されると、動吸振器本体22の回転速度が変動する。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
・図6(a)に示すように、動吸振器は、円盤状の動吸振器本体122を備えた構成であってもよい。この場合、転動室123は、動吸振器本体122に形成された貫通孔で構成されることとなる。こうした転動室123であっても、外側縁部25は、第1の領域51と、第1の領域51の周方向における外側に位置する第2の領域52とを有してなる。
・また、図7(a),(b)に示すように、コロ30の周面31の軸線方向における中央に、環状の突条部66を全周に渡って設けるとともに、外側縁部25に突条部66を収容可能な溝部67を設けてもよい。この場合、突条部66と溝部67とにより、「制限手段」が構成される。そして、突条部66の高さ寸法H3を、溝部67の深さ寸法H4よりも長くしてもよい。
・コロ30を、軸線方向における内側に向けて次第に肉厚となるように構成するとともに、外側縁部25を、コロ30の周面に対応した形状としてもよい。
・コロ30を、軸線方向における内側に向けて次第に肉薄となるように構成するとともに、外側縁部25を、コロ30の周面に対応した形状としてもよい。
・第2の曲率半径が第1の曲率半径と同一値となるように第2の領域52を構成してもよい。
Claims (11)
- 所定の軸線を中心に回転するとともに周方向に沿って複数の転動室が設けられてなる動吸振器本体を備え、前記転動室にはその径方向外側の縁部に沿って転動可能な転動体が収容されてなる動吸振器において、
前記径方向外側の縁部は、
径方向において最も外側に位置する最外部位から周方向に離れるに連れて曲率半径が次第に大きくなる第1の領域と、
前記第1の領域の周方向外側の部位に連続するとともに、同周方向外側の部位の曲率半径よりも小さい曲率半径で形成される第2の領域と、を有する
ことを特徴とする動吸振器。 - 前記第1の領域の前記最外部位の曲率半径を第1の曲率半径とし、前記第2の領域の曲率半径を第2の曲率半径としたとき、前記第2の曲率半径を前記第1の曲率半径以下とする
請求項1に記載の動吸振器。 - 前記第1の領域の周方向両側に、前記第2の領域をそれぞれ設ける
請求項1又は請求項2に記載の動吸振器。 - 前記第1の領域を、同第1の領域に沿って移動する前記転動体の重心の移動軌跡が懸垂曲線形状となるように形成する
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の動吸振器。 - 前記転動体には軸線方向における両側に突出する一対の軸部が設けられており、
前記動吸振器本体の軸線方向における両側に配置され、前記転動体を、前記軸部を介して転動自在に支持する一対の支持部材と、
前記転動体の軸線方向への移動を制限する制限手段と、をさらに備える
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の動吸振器。 - 前記制限手段は、
前記径方向外側の縁部に、同縁部の延びる方向に沿うように設けられる突条部と、
前記転動体の周面の全周に渡って設けられるとともに、前記突条部の軸線方向における幅よりも広い幅を有する溝部と、を含んでなり、
前記溝部の深さ寸法を、前記突条部の高さ寸法よりも長くする
請求項5に記載の動吸振器。 - 前記転動体の軸線方向における幅は、前記動吸振器本体の軸線方向における幅よりも広くなっており、
前記制限手段は、前記転動体の周面に全周に渡って設けられるとともに、前記動吸振器本体の軸線方向における幅よりも広い幅を有する溝部を含んでなる
請求項5に記載の動吸振器。 - 前記制限手段は、
前記転動体の周面の全周に渡って設けられる環状の突条部と、
前記径方向外側の縁部に、同縁部の延びる方向に沿うように設けられるとともに、前記突条部の軸線方向における幅よりも広い幅を有する溝部と、を含んでなり、
前記溝部の深さ寸法を、前記突条部の高さ寸法よりも短くする
請求項5に記載の動吸振器。 - 前記制限手段は、
前記転動体の周面の全周に渡って設けられる環状の突条部と、
前記径方向外側の縁部に、同縁部の延びる方向に沿うように設けられるとともに、前記突条部の軸線方向における幅よりも広い幅を有する溝部と、を含んでなり、
前記溝部の深さ寸法を、前記突条部の高さ寸法よりも長くする
請求項5に記載の動吸振器。 - 前記転動体は、軸線方向における内側に向かうに連れて次第に肉厚又は肉薄となるように構成され、前記径方向外側の縁部は、前記転動体の周面に対応した形状となっており、
前記転動体の周面及び前記径方向外側の縁部により、前記制限手段が構成される
請求項5に記載の動吸振器。 - 前記制限手段は、前記両支持部材に設けられるとともに、同支持部材の側面と前記転動体の側面との間に隙間が介在した状態で前記軸部の先端が当接する当接部を含んでなる
請求項5に記載の動吸振器。
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