JP2012144507A - 鹿角霊芝菌床を活用した難防除土壌病害予防堆肥とその製造方法。 - Google Patents
鹿角霊芝菌床を活用した難防除土壌病害予防堆肥とその製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】化学農薬によらない、鹿角霊芝菌床を活用した難防除土壌病害予防堆肥とその製造方法の提供。
【解決手段】難防除土壌病害の拡大防止を図るため、万年茸・鹿角霊芝の菌糸を増殖して堆肥化し、万年茸・鹿角霊芝の抗菌性及び植物に対する高免疫性付与機能を活用した霊芝抗菌堆肥の大量生産による、低コスト製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】難防除土壌病害の拡大防止を図るため、万年茸・鹿角霊芝の菌糸を増殖して堆肥化し、万年茸・鹿角霊芝の抗菌性及び植物に対する高免疫性付与機能を活用した霊芝抗菌堆肥の大量生産による、低コスト製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、鹿角霊芝の有する抗菌性物質及び作物に対する免疫性付与機能により難防除性の土壌病害の拡大を防止する堆肥に関する。
作物の土壌病害は、クロールピクリン、メチルブロマイドの殺菌剤を中心に土壌薫蒸によって行われてきた。
特に他の殺菌剤より安全で効果があったのは、メチルブロマイドによる薫蒸であったのだが、メチルブロマイドがオゾン層の破壊をすることが判明し、国際的に製造が禁止された。その為、土壌病害の防除が困難になり、その被害拡大が起こっている。
特に他の殺菌剤より安全で効果があったのは、メチルブロマイドによる薫蒸であったのだが、メチルブロマイドがオゾン層の破壊をすることが判明し、国際的に製造が禁止された。その為、土壌病害の防除が困難になり、その被害拡大が起こっている。
土壌病害青枯れ病防除の現状は、抵抗性台木品種を利用した高接ぎ木の技術、深耕還元消毒、ガスガマイシン・銅水和剤消毒と太陽熱消毒の連携、健全な床土育苗、発病圃場の3年程度の水田化、被害株の焼却、発病株に触れた手の即時洗浄、植傷み根の損傷防止、多湿防止の排水等の励行が示されている。
立ち枯れ病の場合は、リゾクトニア菌、フザリウム菌、キリンドロクラデイウム菌、ピチウム菌などが病原としてあげられるが、病徴にも地中腐敗型、倒伏型、首腐れ型、根腐れ型などがあり、病原病態とも複雑であるが、過湿になる環境、乾燥する環境で起こり易い。防除法は種子消毒、チウラム剤、木酢液、PNCB剤などで土壌消毒する方法が行われているが、菌汚染が多いとゲリラ的に多発するので被害を受けやすいので問題である。そこで、病原に対する拮抗微生物の活用が始まっている。
本発明と関係の深い技術としては、病原との拮抗菌による堆肥化により病害防除が行われている。拮抗菌としては枯草菌が用いられ、特許文献も27件程見られる。
その主なものを例示したが、本発明の鹿角霊芝に関する文献は見られない。
その主なものを例示したが、本発明の鹿角霊芝に関する文献は見られない。
通常霊芝の生産は、広葉樹の特に楢、ブナ、椎等の原木を殺菌して霊芝の植菌を行う。原木に植菌し、湿潤条件で霊芝の子実体を生産する場合は、菌糸の伸長が遅く、子実体が十分伸長するまでに1年以上の長期を要し、霊芝堆肥生産には壁がある。
菌床栽培では、広葉樹のおが屑(鋸屑)に米糠等の霊芝の栄養源を入れて、水を加えて、殺菌して霊芝の植菌を行う。菌糸の伸長は早く、1〜2カ月で全体を取り巻き、以後半年で霊芝の子実体が収穫できる。しかし、子実体収穫後の廃菌床は、栄養が抜けて
菌床栽培では、広葉樹のおが屑(鋸屑)に米糠等の霊芝の栄養源を入れて、水を加えて、殺菌して霊芝の植菌を行う。菌糸の伸長は早く、1〜2カ月で全体を取り巻き、以後半年で霊芝の子実体が収穫できる。しかし、子実体収穫後の廃菌床は、栄養が抜けて
従来の技術の項で示したように、農業では農薬耐性菌の出現による細菌性の病害の被害が拡大し、新農薬も登録に要する開発費用が莫大であり、耐性菌の出現と鼬ごっこであるので効果的な農薬の開発もままならず、防除は手詰まりの状態である。
本発明では鹿角霊芝を堆肥化有機物と共に攪拌養生した堆肥に強い抗菌性があることを見出し、霊芝の免疫強化機能とも共役して病害による損傷から早期に回復することを確認した。その際マイクロバブルの供給により作物根を活性化すれば病害抑制の効果が一段と向上することも判明した。
そこで、低コストで生産でき、病害を抑制する堆肥の生産にも即効のある、霊芝堆肥とその製造方法について提案した。
本発明では鹿角霊芝を堆肥化有機物と共に攪拌養生した堆肥に強い抗菌性があることを見出し、霊芝の免疫強化機能とも共役して病害による損傷から早期に回復することを確認した。その際マイクロバブルの供給により作物根を活性化すれば病害抑制の効果が一段と向上することも判明した。
そこで、低コストで生産でき、病害を抑制する堆肥の生産にも即効のある、霊芝堆肥とその製造方法について提案した。
前記課題を解決する手段として、本発明では次の方法で抗菌性作用と免疫強化作用を有する堆肥とその生産の技術を提案した。
即ち、1促成の土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥、2土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥である。(以下霊芝抗菌堆肥と呼ぶ。)
即ち、1促成の土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥、2土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥である。(以下霊芝抗菌堆肥と呼ぶ。)
促成の霊芝抗菌堆肥は、マンネンタケ特に鹿角霊芝を栽培し、子実体の万年茸を収穫した残りの菌床を活用する。
方法は、小面積の場合は、万年茸を収穫した残りの菌床をそのまま堆肥として施用しても構わない。しかし、広い圃場に用いるには不足するので、通常の場合は通気性の容器に鋸屑又は木屑又は竹紛又はチップ又は藁又は干草又はパルプ等の有機素材と、窒素肥料、米糠、魚粉などの素材と、よく混合し、水に浸漬して十分給水させ殺菌する。
ここへ、殺菌した糖蜜又は黒糖を溶解した水へ、万年茸を収穫した残りの菌床を大きさ1〜2cmに細断した塊を浸漬させ、この塊と浸漬水を種菌として前記の有機素材の上に塗し、よく混合して30℃〜60℃で熟成し、菌糸を発育させて、堆肥として施用する。この場合、霊芝の菌は、抗菌作用が極めて強いので、他の雑菌の侵入は殆ど起こらない。
方法は、小面積の場合は、万年茸を収穫した残りの菌床をそのまま堆肥として施用しても構わない。しかし、広い圃場に用いるには不足するので、通常の場合は通気性の容器に鋸屑又は木屑又は竹紛又はチップ又は藁又は干草又はパルプ等の有機素材と、窒素肥料、米糠、魚粉などの素材と、よく混合し、水に浸漬して十分給水させ殺菌する。
ここへ、殺菌した糖蜜又は黒糖を溶解した水へ、万年茸を収穫した残りの菌床を大きさ1〜2cmに細断した塊を浸漬させ、この塊と浸漬水を種菌として前記の有機素材の上に塗し、よく混合して30℃〜60℃で熟成し、菌糸を発育させて、堆肥として施用する。この場合、霊芝の菌は、抗菌作用が極めて強いので、他の雑菌の侵入は殆ど起こらない。
霊芝抗菌堆肥の大量生産の方法は、先の促成の生産方法と相違し、温度管理が難しいので、大型の殺菌装置と殺菌培養枠を用いる。
素材を加熱殺菌し、霊芝を培養する枠は、多孔の外壁で囲み、殺菌、培養の期間も撓むことなく、素材を包む機能が必要である。高さ10cm〜1.5m、奥行50cm〜2m、厚さ10cm〜30cmの長方体とあるが、殺菌効率を考えると、高さ1.5m、奥行2m、厚さ10cmの長方体の枠が実用上最適である。これに1cmの突起部で容器と容器の間隙を形成する。
図1には殺菌培養枠1の外観図を示した。殺菌培養枠1は、多孔枠で素材に耐熱性のプラスティック、ステンレス線、鉄線を用いた通気性の容器で、崩れないように内容物を保護する装置である。構造は、堆肥収容部2と蓋部3から成り、上面に蓋部3を有し、蓋部には蓋部の強化と隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部4を有する。5は左右の側面壁で、6は前後の側面壁である。
図2には蓋を開けた時の俯瞰図を示した。堆肥収容部は、網目のある上面に開口した長方体の籠枠で、高さ1.5m、奥行2m、厚さ10cmの網目の底面5と左右の側面4と前後の側面3に網目の側面壁を有し、上面を広く開口している。
蓋部1は左右の一辺を蝶番で堆肥収容部と連結し、上部に上向きの隣接容器と容器の間隙を形成し、蓋部を重量による変形を防止する機能の強化突起部2を有している。
容器の内側は、底面、側面、上面の内側をプラシティックフィルムを張って密閉し、雑菌の侵入がなく、内容物が外へ飛び出さない構造にする。
殺菌培養枠の使用に当たっては、堆肥収容部の枠内部、蓋部の内側に和紙を張り詰め、堆肥素材を包み込む構造にし、培養後菌床が容器と分離しやすくする。
素材を加熱殺菌し、霊芝を培養する枠は、多孔の外壁で囲み、殺菌、培養の期間も撓むことなく、素材を包む機能が必要である。高さ10cm〜1.5m、奥行50cm〜2m、厚さ10cm〜30cmの長方体とあるが、殺菌効率を考えると、高さ1.5m、奥行2m、厚さ10cmの長方体の枠が実用上最適である。これに1cmの突起部で容器と容器の間隙を形成する。
図1には殺菌培養枠1の外観図を示した。殺菌培養枠1は、多孔枠で素材に耐熱性のプラスティック、ステンレス線、鉄線を用いた通気性の容器で、崩れないように内容物を保護する装置である。構造は、堆肥収容部2と蓋部3から成り、上面に蓋部3を有し、蓋部には蓋部の強化と隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部4を有する。5は左右の側面壁で、6は前後の側面壁である。
図2には蓋を開けた時の俯瞰図を示した。堆肥収容部は、網目のある上面に開口した長方体の籠枠で、高さ1.5m、奥行2m、厚さ10cmの網目の底面5と左右の側面4と前後の側面3に網目の側面壁を有し、上面を広く開口している。
蓋部1は左右の一辺を蝶番で堆肥収容部と連結し、上部に上向きの隣接容器と容器の間隙を形成し、蓋部を重量による変形を防止する機能の強化突起部2を有している。
容器の内側は、底面、側面、上面の内側をプラシティックフィルムを張って密閉し、雑菌の侵入がなく、内容物が外へ飛び出さない構造にする。
殺菌培養枠の使用に当たっては、堆肥収容部の枠内部、蓋部の内側に和紙を張り詰め、堆肥素材を包み込む構造にし、培養後菌床が容器と分離しやすくする。
素材は、鋸屑又は木屑又は竹紛又はチップ又は藁又は干草又は乾燥した芦又はパルプ又はパルプ滓を用い、米ぬか、ふすま、油粕、黒糖の少なくとも二つ以上及び窒素肥料とよく混合する。水を加えて水分率60〜80%の範囲、最適水分率は70%とする。pHは、pH4.5〜7.5の範囲であるが、最適pHは6.5〜7.0である。
素材の加熱・殺菌枠は、内側にプラシティックフィルムと和紙の幕を有し、この中へ堆肥素材を設置し、殺菌及び培養を行う。
即ち、設置に当たっては、殺菌培養枠を横に寝かせ、広い開口部から堆肥化素材を入れる作業を行う。開口部を広くしたのは作業をし易くするためである。堆肥化素材を入れたら、殺菌を行う。
即ち、設置に当たっては、殺菌培養枠を横に寝かせ、広い開口部から堆肥化素材を入れる作業を行う。開口部を広くしたのは作業をし易くするためである。堆肥化素材を入れたら、殺菌を行う。
織布、布織布内に入れた素材は、大型の殺菌装置で殺菌を行う。殺菌に当たっては、多孔枠と多孔枠の間を殺菌蒸気が通過し、内部まで十分加熱殺菌するには、枠間の距離が少なくとも1cm以上の間隙が必要となり、蓋部の突起を1cmにした理由である。
殺菌は図3に示すように、大型殺菌装置6の中へ殺菌培養枠を連続して並べて設置する。
図3では、殺菌培養枠1の堆肥収容部2と蓋部3との蝶番面を下にして、前後の側面6を加熱殺菌室7の入り口方向に縦に並べ、設置する。
図3の説明を加えると、1は殺菌培養枠、2は堆肥収容部、3は蓋部、4は蓋部の強化と隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部。5は左右の側面、6は前後の側面、7は堆肥収容部2の底面、8は殺菌室、9はボイラー、10はボイラーの蒸気を殺菌室8へ送るパイプである。
殺菌は図3に示すように、大型殺菌装置6の中へ殺菌培養枠を連続して並べて設置する。
図3では、殺菌培養枠1の堆肥収容部2と蓋部3との蝶番面を下にして、前後の側面6を加熱殺菌室7の入り口方向に縦に並べ、設置する。
図3の説明を加えると、1は殺菌培養枠、2は堆肥収容部、3は蓋部、4は蓋部の強化と隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部。5は左右の側面、6は前後の側面、7は堆肥収容部2の底面、8は殺菌室、9はボイラー、10はボイラーの蒸気を殺菌室8へ送るパイプである。
殺菌した素材は、冷却後種菌の接種を行う。種菌接種は、糖蜜又は黒糖を溶解した殺菌溶液へ、万年茸の菌床を大きさ1〜2cmに細断した塊を浸漬させ種菌溶液とする。
この菌床の塊と種菌溶液は殺菌を終了した培養枠の中へ入れ、最適温度25℃〜30℃で培養し、菌糸の増殖を図る。
この菌床の塊と種菌溶液は殺菌を終了した培養枠の中へ入れ、最適温度25℃〜30℃で培養し、菌糸の増殖を図る。
低コストに大量の抗菌性霊芝堆肥を供給するには、菌糸を増殖した素材を、1〜2cmに細断し、塊を殺菌した糖蜜又は黒糖を溶解した水で浸漬させ、この塊と浸漬水を種菌として前記の有機素材の上に塗し、よく混合して30℃〜60℃で熟成し、菌糸を発育させて、堆肥として施用する。
実施例
霊芝抗菌堆肥による青枯れ病防止試験
毎年図5に示す青枯れ病の被害を受けている図4の規模のトマトのハウス圃場を用い、休耕時に黒マルチ太陽光殺菌を行い、抗菌堆肥による青枯れ病防止試験を行った。
霊芝抗菌堆肥による青枯れ病防止試験
毎年図5に示す青枯れ病の被害を受けている図4の規模のトマトのハウス圃場を用い、休耕時に黒マルチ太陽光殺菌を行い、抗菌堆肥による青枯れ病防止試験を行った。
試験の方法
図5に示したとおり、前年(2009)青枯れ病が多く発生した2棟のトマトのハウス圃場を二等分し、枯れ病が多く発生していたハウス奥半分に抗菌堆肥を全面に散布し処理区とし、枯れ病が少なかった出入り口の半分を対照無処理区とした。
ハウスの長さは50メートル、幅7.5メートル、トマトは株間50センチメートル、6畝定植したので、凡そ1区当たり、288株全体で1,152株を植え付けた。
抗菌堆肥は第4図に示したように、前年前年青枯れ病が多く発生した1棟目のハウス前年青枯れ病が少なく発生した2棟目のハウスを4等分し、A区、B区、C区、D区とし、4区で試験した。
A区は、1棟目のハウスの前年青枯れ病が多く発生したハウスの奥の方向に設定し、B区は、1棟目のハウスの前年青枯れ病が少なく発生したハウスの入り口側をその対照として設定した。
C区は、2棟目のハウスの前年前年青枯れ病が多く発生したハウス奥の方向に設定し、D区は、2棟目のハウスの前年青枯れ病が少なく発生したハウスの入り口側をその対照として設定した。
施用量は1棟目のハウスの前年前年特に青枯れ病が多く発生したA区の187.5m2に対し、霊芝抗菌堆肥400kgを散布施用した。2棟目のハウスの前年前年青枯れ病が多く発生したB区の187.5m2に対し霊芝抗菌堆肥200kgを散布施用した。抗菌堆肥は[0016]の項で示した 促成の土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥の製法による堆肥を用いた。
散布施用後、両区共に、施肥を行った後よく耕運して、畝を立てて潅水施設とマルチを設置し、トマトを定植した。管理は霊芝抗菌堆肥処理区、対照無処理区何れも同一とし、適宜潅水して通常の栽培を行ったが、前年と異なり、潅水チューブからマイクロバブルを供給して、根の活性を高め、トマトの耐病性を強化を行った。
図5に示したとおり、前年(2009)青枯れ病が多く発生した2棟のトマトのハウス圃場を二等分し、枯れ病が多く発生していたハウス奥半分に抗菌堆肥を全面に散布し処理区とし、枯れ病が少なかった出入り口の半分を対照無処理区とした。
ハウスの長さは50メートル、幅7.5メートル、トマトは株間50センチメートル、6畝定植したので、凡そ1区当たり、288株全体で1,152株を植え付けた。
抗菌堆肥は第4図に示したように、前年前年青枯れ病が多く発生した1棟目のハウス前年青枯れ病が少なく発生した2棟目のハウスを4等分し、A区、B区、C区、D区とし、4区で試験した。
A区は、1棟目のハウスの前年青枯れ病が多く発生したハウスの奥の方向に設定し、B区は、1棟目のハウスの前年青枯れ病が少なく発生したハウスの入り口側をその対照として設定した。
C区は、2棟目のハウスの前年前年青枯れ病が多く発生したハウス奥の方向に設定し、D区は、2棟目のハウスの前年青枯れ病が少なく発生したハウスの入り口側をその対照として設定した。
施用量は1棟目のハウスの前年前年特に青枯れ病が多く発生したA区の187.5m2に対し、霊芝抗菌堆肥400kgを散布施用した。2棟目のハウスの前年前年青枯れ病が多く発生したB区の187.5m2に対し霊芝抗菌堆肥200kgを散布施用した。抗菌堆肥は[0016]の項で示した 促成の土壌病害抗病原性高免疫性付与堆肥の製法による堆肥を用いた。
散布施用後、両区共に、施肥を行った後よく耕運して、畝を立てて潅水施設とマルチを設置し、トマトを定植した。管理は霊芝抗菌堆肥処理区、対照無処理区何れも同一とし、適宜潅水して通常の栽培を行ったが、前年と異なり、潅水チューブからマイクロバブルを供給して、根の活性を高め、トマトの耐病性を強化を行った。
試験の結果:図5(2009)、図6(2010)における試験区の位置関係を示せば、A、Cの霊芝抗菌堆肥区は奥の側、B、Dの対照区は入り口側に設置しあた。aはハウスの入り口、bは試験区境界の発病非算定株、cは青枯病株発生の位置を示す。
図5に示すとおり、前年のトマト青枯れ病の分布は、ハウス奥の方が多かった。図6に示すとおり、本年の青枯れ病の分布は、ハウス奥の方の霊芝抗菌堆肥処理区には殆ど発生しなかったが、前年青枯れ病の少なかったハウス出入り口の方の無処理区に多く発生した。その集計結果は表1に示した。
図5に示すとおり、前年のトマト青枯れ病の分布は、ハウス奥の方が多かった。図6に示すとおり、本年の青枯れ病の分布は、ハウス奥の方の霊芝抗菌堆肥処理区には殆ど発生しなかったが、前年青枯れ病の少なかったハウス出入り口の方の無処理区に多く発生した。その集計結果は表1に示した。
結果の概要
青枯病の発生は前年と比較して大幅に減少し、霊芝抗菌堆肥を多量施用した区では、青枯れ病の発生がなかった。霊芝抗菌堆肥を少量施用した区では2株発生した。
この様にA、C区は、明らかに青枯病を抑制した。
青枯病が前年と比較して大幅に減少したのは、太陽光熱殺菌とマイクロバブルによるトマトの健全性に伴う耐病性の向上によって発病の低下が起こったものと考えられる。すなわち、太陽熱殺菌、霊芝抗菌堆肥及びマイクロバブルの供給により土壌病害の完全抑制が可能であることが判明した。
青枯病の発生は前年と比較して大幅に減少し、霊芝抗菌堆肥を多量施用した区では、青枯れ病の発生がなかった。霊芝抗菌堆肥を少量施用した区では2株発生した。
この様にA、C区は、明らかに青枯病を抑制した。
青枯病が前年と比較して大幅に減少したのは、太陽光熱殺菌とマイクロバブルによるトマトの健全性に伴う耐病性の向上によって発病の低下が起こったものと考えられる。すなわち、太陽熱殺菌、霊芝抗菌堆肥及びマイクロバブルの供給により土壌病害の完全抑制が可能であることが判明した。
野菜花卉・園芸や畑作では、防除困難な土壌病害の被害が、営農上大きな障害になっている。特にメチルブロマイドの国際的な製造禁止以後、これに代わる有効な防除方法が少ないことも病害拡大の一因になっている。本発明では、ガンの防止、成人病の予防等に効果のある鹿角霊芝の菌床を堆肥として使用すれば、作物の青枯れ病、立ち枯れ病等の防除の困難な土壌病害を防止することが確認され、これを安価に生産することによって、無農薬有機農業を安定的に継続することが可能な技術を提供した。
1 殺菌培養枠
2 堆肥収容部
3 蓋部
4 隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部
5 左右の側面壁
6 前後の側面壁
7 堆肥収容部底面
8 殺菌室
9 ボイラー
10 ボイラーの蒸気を殺菌室8へ送るパイプ
<青枯れ病防除実証試験の符号>
A 第1棟 霊芝抗菌堆肥多量散布区
B 第1棟 無散布対照区
C 第2棟 霊芝抗菌堆肥少量散布区
D 第2棟 無散布対照区
a ハウス入り口
b 試験区境界の非算定株
c 青枯病株位置
2 堆肥収容部
3 蓋部
4 隣接容器との間隙を形成する外向きの突起部
5 左右の側面壁
6 前後の側面壁
7 堆肥収容部底面
8 殺菌室
9 ボイラー
10 ボイラーの蒸気を殺菌室8へ送るパイプ
<青枯れ病防除実証試験の符号>
A 第1棟 霊芝抗菌堆肥多量散布区
B 第1棟 無散布対照区
C 第2棟 霊芝抗菌堆肥少量散布区
D 第2棟 無散布対照区
a ハウス入り口
b 試験区境界の非算定株
c 青枯病株位置
Claims (4)
- 鹿角霊芝の抗菌力、免疫強化作用を活用した土壌病害防除堆肥。
- 米ぬか、ふすま、油粕、黒糖の少なくとも二つ以上と鋸屑又は木屑又は竹紛又はチップ又は藁又は干草又は乾燥した芦又はパルプ又はパルプ滓を混合攪拌し、
水を加えて水分率60〜80%、pH4.5〜7.5とし、
高さ10cm〜1.5m、奥行50cm〜2m、厚さ10cm〜30cmの長方体の枠内に同型のプラシティックフィルムなど機密性シートの容器に詰めて、
枠と枠の間に蒸気を透す空間を設けて殺菌処理を加え、
殺菌床に鹿角霊芝及びその他の万年茸の種菌を植菌し、
20℃〜30℃の温度で菌糸を内部まで十分発育させ、
菌床の発育菌糸塊を径1〜2cmの大きさに分割細断し、
細断菌糸と熟成堆肥を混合して30℃〜60℃で熟成し、
万年茸及び鹿角霊芝菌糸の抗菌作用及び免疫強化作用により、作物に対する土壌病害の拡大を防止する機能を有することを特徴とする土壌病害防除堆肥の生産方法。 - 請求項1において、鹿角霊芝を収穫した後の菌床を径1〜2cmの大きさに分割細断し、細断した菌糸と熟成堆肥を混合して30℃〜60℃で熟成し、万年茸及び鹿角霊芝菌糸の抗菌作用及び免疫強化作用により、作物に対する土壌病害の拡大を防止する機能及び防除機能を有することを特徴とする土壌病害防除堆肥の簡易生産方法。
- 請求項1及び請求項2における菌床又は鹿角霊芝を収穫した後の菌床を径1〜2cmの大きさに分割細断し、
菌糸をそのまま或いは堆肥と混合して施用し、
鹿角霊芝菌糸の抗菌作用及び免疫強化作用により、
作物に対する土壌病害の拡大を防止する機能及び病害防除機能を有することを特徴とする促成の土壌病害防除堆肥の促成簡易生産方法。
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