以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
[本印刷システム1000を含む印刷環境10000全体のシステム構成の説明]
本形態は、背景技術で想定したような課題に対処すべく、POD環境等のオフィス環境とは異なる印刷環境を想定している。故に、ここでは、本印刷システム1000を含むPOD環境の現場(図1の印刷環境10000)全体のシステム環境について説明する。このような印刷環境自体も本形態の特徴の1つである。
尚、本形態では、この本印刷システム1000が適用可能な印刷環境10000のことを、POD環境にも適しているが故に、PODシステム10000と呼ぶ。
図1のPODシステム10000は、構成要素として、本形態の印刷システム1000、サーバコンピュータ103、クライアントコンピュータ104(これを、以下PCと呼ぶ)を具備する。又、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108、スキャナ102等も具備する。このように複数の装置がPODシステム10000に用意されている。
本印刷システム1000は、構成要素として、印刷装置本体100及びシート処理装置200を具備する。尚、印刷装置100の1例として、本形態では、コピー機能及びPCプリント機能等複数の機能を具備する複合機で説明するが、PC機能のみ或いはコピー機能のみの単一機能型の印刷装置であっても、良い。尚、該複合機のことを、以下では、MFP(Multi Function Peripheral)とも呼ぶ。
ここでは、図1の紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108を、本印刷システム1000が具備するシート処理装置200と同様に、シート処理装置と定義する。何故なら、本印刷システム1000が具備する印刷装置100で印刷されたジョブのシートに対するシート処理を実行可能なデバイスであるからである。例えば、紙折り機107は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートの折処理を実行可能に構成されている。断裁機109は、複数枚のシートで構成されるシート束単位で、印刷装置100で印刷されたシートの断裁処理を、実行可能に構成されている。中綴じ製本機110は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートの中綴じ製本処理を実行可能に構成されている。くるみ製本機108は、印刷装置100で印刷されたジョブのシートのくるみ製本処理を実行可能に構成されている。但し、これらのシート処理装置で各種シート処理を実行させるには、印刷装置100で印刷されたジョブの印刷物を該印刷装置100の排紙部からオペレータが取出し、且つ、処理対象となるシート処理装置に、その印刷物をセットする作業が必要である。
このように、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200以外のシート処理装置を利用する場合には、印刷装置100による印刷処理後にオペレータによる介入作業を要する。
換言すると、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200を利用して印刷装置100により印刷されたジョブにて要するシート処理を実行させる場合には、該装置100による印刷処理の実行後にオペレータによる介入作業は不要である。何故なら、印刷装置100からシート処理装置200に対しては、印刷装置100で印刷されたシートを、直接、供給出来るように構成されているからである。具体的には、印刷装置100内部のシート搬送路が、シート処理装置200内部のシート搬送路に、連結可能に構成している。このように、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200と印刷装置100は、互いに、物理的接続関係にあるからである。且つ、本印刷装置100とシート処理装置200は、互いに、CPUを具備し、データ通信可能に構成されている。このように印刷装置100とシート処理装置200は、互いに、電気的接続関係にあるからである。
尚、本形態では、本印刷システムが具備する制御部が、これら印刷装置100とシート処理装置200を統括的に制御している。この1例として、本例では、図2の印刷装置100内部のコントローラ部205が統括制御を行う。尚、本形態では、これらシート処理装置の事を、後処理装置やポストプレスとも呼ぶ。
図1のPODシステム10000における、これら複数の装置のうちの、中綴じ製本機110以外の装置は、全て、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
例えば、PC103、104等の外部装置の一例に該当する情報処理装置からネットワーク101を介して送信された印刷実行要求がなされた処理対象となるジョブの印刷データを、印刷装置100により印刷させる。
又、例えば、ネットワーク通信により他の装置とのデータの送受を実行することで、サーバPC103は、本POD環境10000にて処理すべき全てのジョブの全体を管理する。換言すると、複数の処理工程からなる一連のワークフローの工程全体を統括管理するコンピュータとして機能する。該PC103は、オペレータから受け付けたジョブの指示に基づいて、本環境10000にて仕上げ可能な後処理条件を決定する。且つ、エンドユーザ(この例では印刷の作成依頼をした顧客)の要求通りの後処理(仕上げ処理)工程の指示を行う。この際に、サーバ103が、JDF(Job Definition Format)などの情報交換ツールを用いて、ポストプレス内部でのコマンドやステータスでそれぞれの後処理機器と情報交換している。
以上のような構成要素を具備するPOD環境10000における本形態の着目点の1つとして、上記各シート処理装置を、本形態では、3種類に分類して、以下のように、定義している。
[定義1] 以下に列挙の(条件1)と(条件2)の両方を満たす装置に該当するシート処理装置を、「インラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、インラインタイプのシート処理装置とも呼ぶ。
(条件1) 印刷装置100から搬送されるシートをオペレータの介入無しに直接的に受容出来るように、紙パス(シート搬送路)が、印刷装置100と物理的に接続されている。
(条件2) 操作指示や状況確認等に要するデータ通信を他装置と出来るように、他装置と電気的に接続されている。具体的には、印刷装置100とデータ通信可能に電気的接続されている事、或いは、ネットワーク101を介して印刷装置100以外の装置(例えば、PC103、104等)とデータ通信可能に電気的接続されている事。これら少なくとも何れかの条件を満たすものを、(条件2)に合致するものとする。
即ち、本印刷システム1000自身が具備するシート処理装置200は、「インラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、上記の如く、シート処理装置200は、印刷装置100と物理的接続関係にあり、且つ、印刷装置100と電気的接続関係にあるシート処理装置であるからである。
[定義2] 前項に掲げる(条件1)と(条件2)のうちの(条件1)は満たさないが、(条件2)を満たす装置に該当するシート処理装置を、「ニアラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、ニアラインタイプのシート処理装置とも呼ぶ。
例えば、紙パスも印刷装置100と接続されておらず、作業者(オペレータ)が印刷物の運搬等の介入作業を要する。しかし、操作指示や状況確認はネットワーク101等の通信手段を介して電気的に情報送受可能である。このような条件に合致するシート処理装置を、「ニアラインフィニッシャ」と定義する。
即ち、図1の紙折り機107、断裁機109、くるみ製本機108は、「ニアラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、これらのシート処理装置は、印刷装置100と物理的接続関係には無い。しかし、少なくとも、ネットワーク101を介して、PC103やPC104等の他装置とデータ通信可能な電気的接続関係にあるシート処理装置であるからである。
[定義3] 前項に掲げる(条件1)と(条件2)の何れの条件も満たさない装置に該当するシート処理装置を、「オフラインフィニッシャ」と定義する。尚、この定義に該当する装置を、本形態では、オフラインタイプのシート処理装置とも呼ぶ。
例えば、紙パスも印刷装置100と接続されておらず、作業者(オペレータ)が印刷物の運搬等の介入作業を要する。しかも、操作指示や状況確認に要する通信ユニットも具備しておらず、他装置とのデータ通信も不可能である。故に、作業者が出力物の運搬、出力物の設定、手作業での操作入力、機器自体が発する状況報告を手作業で行う。このような条件に合致するシート処理装置を「オフラインフィニッシャ」と定義する。
即ち、図1の中綴じ製本機110は「オフラインフィニッシャ」に該当する。何故なら、このシート処理装置は、印刷装置100と物理的接続関係には無い。しかも、ネットワーク101にも接続不可で、他装置とデータ通信不可な、電気的接続関係ではない、シート処理装置であるからである。
以上の如く、3つの種類に分類する各種シート処理装置を具備する本POD環境10000にて、様々なシート処理を実行可能に構成している。
例えば、断裁処理、中綴じ製本処理、くるみ製本処理、シートの折処理、穴あけ処理、封入処理、帳合処理、等の様々なシート加工処理を、印刷装置100により印刷処理されたジョブの印刷媒体に対して実行可能に構成している。このように、エンドユーザ(顧客)が望む所望の製本印刷体裁でもってシート加工を実行可能に構成されている。
サーバPC103が管理するニアラインフィニッシャやオフラインフィニッシャには、他にも、ステープラ専用装置、穴あけ専用装置、封入機あるいは、帳合機(コレータ)を初めとして様々なものがある。サーバ103は、これらのニアラインフィニッシャと予め決められたプロトコルで、逐次ポーリングなどでデバイスの状況やジョブの状況を、ネットワーク101経由で把握する。且つ、本環境10000にて処理すべき多数のジョブの各ジョブの実行状況(進捗状況)を管理する。
尚、本形態は、上述の複数の記録紙処理をそれぞれ別々のシート処理装置により実行可能にする構成でも、複数種類の記録紙処理を1台のシート処理装置が実行可能にする構成でも良い。又、複数のシート処理装置のうちのいずれかのシート処理装置を本システムに具備する構成でも良い。
ここで、本形態の更なる着目点について説明しておく。
図1の印刷システム1000は、印刷装置100と、該印刷装置100に着脱可能なシート処理装置200を具備している。このシート処理装置200は、印刷装置100で印刷がなされたジョブのシートを、直接的に、シート搬送路を介して、受容可能な装置である。且つ、ユーザインタフェース部を介して印刷実行要求と共にユーザが要求したシート処理を、印刷装置100のプリンタ部203により印刷されたジョブのシートに対して実行するシート処理装置である。この点は、上記インラインタイプのシート処理装置である点からも明白である。
ここで特筆すべきは、本形態のシート処理装置200は、一連のシート処理装置群200として、定義することも可能である点である。というのも、本形態では、シート処理装置200として、互いに独立筐体で且つ独立使用可能な、複数台のシート処理装置を、印刷装置100に連結して利用可能に構成されているからである。この1例として、図1に示す、印刷システム1000は印刷装置100と3台のシート処理装置とを具備している構成である事を意味している。換言すると、図1の印刷システム1000は、3台のシート処理装置が印刷装置100に直列的に接続されている。本例では、このように複数台のシート処理装置を印刷装置100に接続された構成をカスケード接続と呼ぶ。これら印刷装置100にカスケード接続される、一連のシート処理装置群200に包含される、複数台のシート処理装置は、全て、インラインフィニッシャとして、本形態で取り扱っている。且つ、本システム1000の制御部の1例に該当する図2のコントローラ205が、印刷装置本体100及びこれら複数台のインラインタイプのシート処理装置を統括的に制御し、以下の実施形態で述べる各種制御を実行する。このような特徴点も具備している。尚、この構成については、図3等を用いて後述する。
[本システム1000の内部構成(主にソフト構成)]
次に、本印刷システム1000の内部構成(主に、ソフト構成)について、図2のシフテムブロック図でもって説明する。尚、本例では、本印刷システム1000が具備する図2に示す各ユニットのうちのシート処理装置200(厳密にいえば、複数台のインラインタイプのシート処理装置で構成可能な一連のシート処理装置群)以外のユニットは、全て印刷装置100内部に具備している。換言すると、シート処理装置200は、本印刷装置100に対して、着脱可能なシート処理装置であり、印刷装置100のオプションとして提供可能に構成されている。これにより、POD環境にて、必要なインラインフィニッシャを、必要な台数分、提供可能にする等の効果を図っている。故に、以下のような構成となっている。
印刷装置100は、自装置内部に複数の処理対象となるジョブのデータを記憶可能なハードディスク209(以下、HDとも呼ぶ)等の不揮発性メモリを具備する。且つ、印刷装置100自身が具備するスキャナ部201から受付けたジョブデータを該HDを介してプリンタ部203で印刷するコピー機能を具備する。且つ、PC103、104等の外部装置から通信部の1例に該当する外部I/F部202ユニットを介して受付けたジョブデータを該HDを介してプリンタ部203で印刷する印刷機能等を具備する。このような複数の機能を具備したMFPタイプの印刷装置(画像形成装置とも呼ぶ)である。
尚、換言すると、本形態の印刷装置は、カラープリント可能な印刷装置でも、モノクロプリント可能な印刷装置でも、本形態で述べる各種制御を実行可能であるならば如何なる構成でも良い。
本形態の印刷装置100は、原稿画像を読み取り、読み取られた画像データを画像処理するスキャナ部201を具備する。又、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置と画像データなどを送受する外部I/F部202を具備する。又、スキャナ部201及び外部I/F部202の何れかから受付けた複数の印刷対象となるジョブの画像データを記憶可能なハードディスク209を具備する。又、ハードィスク209に記憶された印刷対象のジョブのデータの印刷処理を印刷媒体に対して実行するプリンタ部203を具備する。又、本印刷装置100は、本印刷システム1000が具備するユーザインタフェース部の一例に該当する、表示部を有する操作部204も、具備する。本印刷システム1000にて提供しているユーザインタフェース部の別の例としては、例えば、PC103や104の外部装置の表示部及びキーボードやマウス等がこれに該当する。
本印刷システム1000が具備する制御部の一例に該当するコントローラ部(制御部、或いは、CPUとも呼ぶ)205は、本印刷システム1000が具備する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。ROM207には、後述するフローチャートの各種処理等を実行する為のプログラムを含む本形態にて要する各種の制御プログラムが記憶されている。又、ROM207には、図示しているユーザインタフェース画面(以下、UI画面と呼ぶ)を含む、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させる為の表示制御プログラムも記憶されている。制御部205は、ROM207のプログラムを読出実行することで、本形態にて説明する各種の動作を本印刷装置により実行させる。外部I/F202を介して外部装置(103や104等)から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行する為のプログラム等もROM207に記憶されている。これらは、ソフトウェアによって処理される。
ROM207は読み出し専用のメモリで、ブートシーケンスやフォント情報等のプログラムや上記のプログラム等各種プログラムが予め記憶されている。RAM208は読み出し及び書き込み可能なメモリで、スキャナ部201や外部I/F202よりメモリコントローラ206(不図示)を介して送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報を記憶する。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する大容量の記憶装置である。当該HDD209に、処理対象となるジョブのプリントデータ等複数のデータを保持可能に構成されている。制御部205は、スキャナ部201や外部I/F部202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブのデータを、該HDD209を介して、プリンタ部203でプリント可能に制御する。又、外部I/F202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。このようにHDD209に格納した処理対象のジョブのデータの各種の出力処理を実行可能に制御部205により制御する。圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等を圧縮・伸張動作を行う。
以上のような構成のもと、本印刷システムが具備する制御部の1例としての制御部205が、図1の説明の如く、インラインタイプのシート処理装置200の動作も制御する。この説明も含む、本印刷システム1000のメカ構成について、図3等でもって説明する。
[本システム1000の装置構成(主にメカ構成)]
次に、本印刷システム1000の構成(主に、メカ構成)について、図3の装置構成説明図でもって説明する。
尚、上述したように、本印刷システム1000は、複数台のインラインタイプのシート処理装置を、印刷装置100にカスケード接続可能に構成している。又、印刷装置100に接続可能なインラインタイプのシート処理装置は、特定の制限下のもと、本形態の効果を向上させるべく、利用環境に合わせ、任意の台数設置可能に構成されている。
故に、説明をより明瞭化すべく、図2や図3では、シート処理装置200は、一連のシート処理装置群として、N台接続可能であるものとしている。且つ、1台目のシート処理装置から順に、シート処理装置200a、200b、、、、、と示し、N台目のシート処理装置として、シート処理装置200nと示している。尚、図1〜図3では、説明上、シート処理装置200の形状が、図のような形状となっているが、しかし、本来の概観は、後述するような構成となっている。
まず、これらインラインタイプのシート処理装置200によるシート処理を実行する前の工程に該当する印刷装置100における印刷処理を実行する際の、メカ構成を説明する。主に、図2のコントローラ部(以下制御部又はCPUと呼ぶ)205が印刷装置100に実行させる、プリンタ部203の内部からシート処理装置200の内部へ印刷処理がなされたジョブのシートを供給する時点迄のペーパハンドリング動作等を説明する。
図3に示す符号301〜322のうち、301は、図2のスキャナ部201のメカ構成に該当する。302〜322が、図3のプリンタ部203のメカ構成に該当する。尚、本形態では、1DタイプのカラーMFPの構成について説明する。尚、4DタイプのカラーMFP、白黒MFPも、本形態の印刷装置の一例であるが、ここでは説明を割愛する。
図3の自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、前記画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上に前記レーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。
定着器308は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。一方、シート材の両面に画像を形成する際には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313および両面トレイ314を具備する。
反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動させ、反転ローラ312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、該シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、該シートを両面トレイ314へと導くよう制御する。
両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラ315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にして該シートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラ310を介して印刷装置本体内部から機外へと該シートを排出させる。制御部205は、以上のような一連の両面印刷シーケンスを実行することで、両面印刷対象のジョブのデータのシートの第1面と第2面の各面に対する両面印刷を本印刷装置により実行可能にする。
給紙搬送部は、印刷処理に要するシートを収納する給紙ユニットとしての給紙カセット317、318(例えば、夫々500枚のシートを収容可能)、ペーパーデッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。又、これら給紙ユニットに収納されたシートを給送するユニットとして、給紙ローラ321、レジストローラ316等がある。給紙カセット317、318、ペーパーデッキ319には、各種のシートサイズで且つ各種のマテリアルのシートを、これらの各給紙ユニット毎に、区別して、セット可能に構成されている。
手差しトレイ320も、OHP(Over Head Projector)シート等の特殊なシートを含む各種の印刷媒体をセット可能に構成されている。給紙カセット317、318、ペーパーデッキ319、手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラ321が設けられ1枚単位でシートを連続的に給送可能に構成される。例えば、ピックアップローラによって積載されたシート材が順次繰り出され、給紙ローラ321に対向して設けられる分離ローラによって重送が防止されてシート材は1枚ずつ搬送ガイドへと送り出される。ここで、分離ローラには搬送方向とは逆方向に回転させる駆動力が図示しないトルクリミッタを介して入力されている。給紙ローラとの間に形成されるニップ部にシート材が1枚だけ進入しているときには、シート材に従動して搬送方向に回転する。
一方、重送が発生している場合には搬送方向とは逆方向に回転することにより重送したシート材が戻され、最上部の1枚だけが送り出されるようになっている。送り出されたシート材は搬送ガイドの間を案内され、複数の搬送ローラによってレジストローラ316まで搬送される。このときレジストローラ316は停止しており、シート材の先端がレジストローラ316対で形成されるニップ部に突き当たり、シート材がループを形成し斜行が補正される。その後、画像形成部において感光ドラム304上に形成されるトナー像のタイミングに合わせて、レジストローラ316は回転を開始してシート材を搬送する。レジストローラ316により送られたシート材は、吸着ローラ322によって転写ドラム305表面に静電気的に吸着される。定着器308から排出されたシート材は、排出ローラ310を介して、シート処理装置200内部のシート搬送路へ導入される。
制御部205は、以上のような印刷プロセスを経て、印刷対象となるジョブを処理する。
制御部205は、UI部を介してユーザから受付た印刷実行要求に基き、データ発生源からHD209に記憶させた該ジョブの印刷データの印刷処理を、上記方法でもって、プリンタ部203により、実行させる。
尚、例えば、印刷実行要求を操作部204から受付けたジョブのデータ発生源は、スキャナ部201を意味する。又、印刷実行要求をホストコンピュータから受付けたジョブのデータ発生源は、当然ホストコンピュータである。
又、制御部205は、処理対象のジョブの印刷データを、先頭ページから順番にHD209に記憶させ、且つ、先頭ページから順番にHD209から該ジョブの印刷データを読み出して、シート上に該印刷データの画像を形成させる。このような先頭ページ処理を遂行する。且つ、制御部205は、先頭ページから順番に印刷されるシートを、画像面が下向きで、シート処理装置200内部のシート搬送路へ供給させる。その為に、排紙ローラ310によりシート処理装置200内部へシートを導入する直前で、定着部308からのシートの表裏を反転させる為のスイッチバック動作をユニット309、312等を用いて実行させる。このような、先頭ページ処理に対処する為のペーパハンドリング制御も制御部205は実行する。
次に、本印刷システム1000が印刷装置100と共に具備するインラインタイプのシート処理装置200の構成について説明する。
本形態のシステム1000は、図3に示すが如く、印刷装置100にカスケード接続可能なインラインタイプのシート処理装置を合計n台としている。この台数は、例えば、可能な限り何台でも設置可能に構成しても良い。しかし、少なくとも、プリンタ部203により印刷がなされたシートをオペレータによる介入作業無しに機内のシート処理部へ供給可能な構成のシート処理装置の利用を要する。換言すると、例えば、印刷装置100が具備する排紙ローラ310を経てプリンタ部203内部から排出される印刷媒体を機内で搬送可能なシート搬送路(紙パス)を具備するシート処理装置の利用を要する。このような制約事項は遵守するように構成されている。
とはいうものの、本形態の効果を向上させる為の1つの仕組みとして、このような制約事項を遵守した範囲内では、柔軟に本印刷システム1000を構築可能に構成している。
例えば、インラインタイプのシート処理装置を3台接続したり、5台接続したり、接続数も任意とする。勿論、オフラインタイプのシート処理装置の利用効率を向上させるが故に、インラインタイプのシート処理装置は不要と管理者が判断するようなPOD環境も想定している。例えば、インラインタイプのシート処理装置を全く利用しない(即ち、0台)場合でも、本形態の印刷装置100は当然利用可能にする。
又、例えば、複数台のインラインタイプのシート処理装置を印刷装置100にカスケード接続する場合に、それら複数台のシート処理装置の接続順番も、管理者等の特定ユーザにより、制約の範囲内で、任意に、変更、決定可能に構成している。
但し、上記のような仕組みは、ユーザ利便性を向上させるための仕組みであるが故に、必ずしも必須の構成要件としなくても良い。換言すると、例えば、本発明はこのような構成に限定解釈されない。1例として、例えば、本印刷システム1000にて利用可能なインラインタイプのシート処理装置の台数や、それらの装置の接続順序が、一律的に規定されているようなシステム構成でも良い。少なくとも、後述する各種ジョブ制御の少なくとも何れかを実行可能に構成されるならば、如何なるシステム構成でも装置構成でもあっても、本発明に包含される。
尚、本印刷システム1000が、印刷装置100に対して、如何様なシート処理を実行可能な如何様なインラインタイプのシート処理装置を、如何様に、何台、接続できるのか等は、後述する。
[本システム1000のUI部の1例に該当する操作部204の構成]
図4等を用いて、本システム1000の印刷装置100が具備する本システム1000におけるユーザインタフェース部(以下、UI部と呼ぶ)の一例に該当する操作部204について説明する。
操作部204は、ハードキーによるユーザ操作を受付け可能なキー入力部402、ソフトキー(表示キー)によるユーザ操作を受付可能な表示ユニットの一例としてのタッチパネル部401を、有する。
図5に示すように、キー入力部402は、操作部電源スイッチ501を具備する。該スイッチ501のユーザ操作に応答し、制御部205は、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモード(ネットワーク印刷やファクシミリなどに備えて割り込み待ち状態でプログラムを停止して、消費電力を抑えている状態)を選択的に切換るよう制御する。制御部205は、該スイッチ501のユーザ操作を、システム全体の電源供給を行う主電源スイッチ(不図示)がON状態にて、受付可能に制御する。
スタートキー503は、処理対象となるジョブのコピー動作や送信動作等、ユーザにより指示された種類のジョブ処理を印刷装置に開始させる指示をユーザから受付可能にする為のキーである。ストップキー502は、受付けたジョブの処理を印刷装置に中断させる指示をユーザから受付可能にする為のキーである。テンキー506は、各種設定の置数の設定をユーザにより実行可能にする為のキーである。クリアキー507は、キー506を介してユーザにより設定された置数等の各種パラメータを解除するためのキーである。リセットキー504は、ユーザにより処理対象のジョブに対して設定された各種設定を全て無効にし、且つ、設定値をデフォルト状態に戻す指示をユーザから受付る為のキーである。ユーザモードキー505は、ユーザごとのシステム設定画面に移行するためのキーである。
次に、図6は、本印刷システムが提供するユーザインタフェースユニットの一例に相当するタッチパネル部(以下、表示部とも呼ぶ)401を説明する図である。該タッチパネル部401はLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを有す。当該ユニット401は、操作者からの各種設定を受付ける機能と操作者に情報を提示する機能を兼ね備える。例えば、LCD上の有効表示状態の表示キーに該当する個所がユーザにより押下されたのを検知すると、制御部205は、ROM207に予め記憶された表示制御プログラムに従い、該表示部401に該キー操作に応じた操作画面を表示可能に制御する。尚、図6は、本印刷装置の状態がスタンバイモード時(印刷装置により処理すべきジョブが無い状態)に表示部401に表示させる初期画面の一例である。
図6に示す表示部401上のコピータブ601がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するコピー機能の操作画面を表示部401に表示させる。送信タブ602がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するファックスやE−mail送信などデータ送信(Send)機能の操作画面を表示部401に表示させる。ボックスタブ603がユーザにより押下された場合、制御部205は、本印刷装置が具備するボックス機能の操作画面を表示部401に表示させる。
尚、ボックス機能とは、HDD209に仮想的に予め設けているユーザ毎に区別して利用可能な複数個のデータ記憶ボックス(以下、ボックスと呼ぶ)を用いた機能である。当該機能にて、制御部205は、例えば、複数のボックスのうちのユーザが所望のボックスを該ユーザによりユーザインタフェースユニットを介して選択可能にし、所望の操作をユーザから受付可能に制御する。例えば、制御部205は、操作部204を介して入力されたユーザからの指示に応答し、該ユーザにより選択されたボックスに対して、本印刷装置のスキャナ部201から受付けたジョブの文書データを記憶可能にHDD209を制御する。又、外部I/F部202を介し受付た外部装置(例えばPC103や104等)からのジョブの文章データ等も、該外部装置のユーザインタフェース部を介して指定された該外部装置のユーザ指示に従い、該ユーザが指定したボックスに、記憶可能にする。又、制御部205は、ボックスに記憶されたジョブのデータを、操作部204からのユーザ指示に従い、該ユーザが所望の出力形態で、例えば、プリンタ部203により印刷させたり、該ユーザの所望の外部装置に送信可能に外部I/F部202を制御する。
このよう各種のボックス操作をユーザにより実行可能にすべく、制御部205は、該ボックスタブ603のユーザ押下に応答し、表示部401にボックス機能の操作画面を表示可能に制御する。又、制御部205は、図6の表示部401の拡張タブ604がユーザにより押下された場合、スキャナ設定など拡張機能を設定するため画面を表示部401に表示させる。システムモニタキー617がユーザ押下された場合、MFPの状態や状況をユーザに通知する為の表示画面を表示部401に表示させる。
色選択設定キー605は、カラーコピー、白黒コピー、あるいは自動選択かを予めユーザにより選択可能にするための表示キーである。倍率設定キー608は、等倍、拡大、縮小などの倍率設定をユーザにより実行可能にする設定画面を表示部401に表示させる為のキーである。
両面キー614がユーザにより押下された場合、制御部205は、印刷対象となるジョブのプリント処理にて片面印刷か両面印刷のどちらを実行させるかを該ユーザにより設定可能にする画面を表示部401に表示させる。又、用紙選択キー615のユーザ押下に応答し、制御部205は、印刷対象のジョブの印刷処理に要する給紙部やシートサイズやシートタイプ(メディアタイプ)を該ユーザにより設定可能にする画面を表示部401に表示させる。キー612のユーザ押下に応答し、制御部205は、文字モードや写真モードなど原稿画像に適した画像処理モードを該ユーザにより選択可能にする為の画面を表示部401に表示させる。又、濃度設定キー611をユーザ操作することで、印刷対象となるジョブの出力画像の濃淡を調整可能にする。
又、図6を参照し、制御部205は、表示部401のステータス表示欄606に、スタンバイ状態、ウォームアップ中、プリント中、ジャム、エラー等、本印刷装置にて現在発生中のイベントの動作状態をユーザに確認させる為の表示を実行させる。又、制御部205は、処理対象となるジョブの印刷倍率をユーザに確認させる為の情報を、表示欄607に、表示させる。又、処理対象となるジョブのシートサイズや給紙モードをユーザに確認させる為の情報を、表示欄616に、表示させる。又、処理対象となるジョブの印刷部数をユーザに確認させる為の情報や、プリント動作中にて何枚目を印刷中かをユーザに確認させる為の情報を、表示欄610に、表示させる。このように、制御部205は、ユーザに通知すべき各種情報を表示部401に表示させる。
更に、制御部205は、割り込みキー613がユーザにより押下された場合、本印刷装置により印刷中のジョブの印刷を停止させ、該ユーザのジョブの印刷を実行可能にする。応用モードキー618が押下された場合、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動など様々な画像処理やレイアウトなどの設定を行う画面を表示部401に表示させる。
ここで、本形態の更なる着目点の1例について述べておく。
制御部205は、処理対象となるジョブの為の設定として、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置200が具備するシート処理部によるシート処理の実行要求をユーザから受付可能にする為の表示をUI部により実行させる。この表示を該UI部に実行させる為の指示自体をユーザから受付可能にする表示も該UI部により実行させる。
この1例として、例えば、制御部205は、表示部401に図6の表示キー(シート処理設定キー609)を表示させる。このシート処理設定キー609がユーザ押下されたとする。この場合、制御部205は、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置を用いて実行可能なシート処理の選択候補の中からユーザが所望のシート処理をユーザ自身により特定可能にする表示を、表示部401に、実行させる。尚、この図7の表示に例示する「シート処理設定キー609」のことを、図19以降で例示では、「フィニッシングキー」とも呼ぶ。即ち、同じ機能ボタンを意味する。故に、後述する説明では、「シート処理」のことを「フィニッシィング」とも呼ぶ。又、「パンチ処理」に関しても、POD環境では、様々なパンチ処理(印刷済みのシートに対する穿孔処理)を行うニーズが想定される。
そこで、図19以降の例示では、複数種類のパンチ処理に該当する、「2穴パンチ(シートの綴じ辺に該当するシート端部に2箇所穴をあける処理)「多穴パンチ(シートの端部に30穴等の多数の穴をあける処理)」を例示している。これらの処理は、上記構成に対応すべく、図8A〜図10Bに示す中綴じ製本機が具備するパンチユニットにより実行可能にするものとする。換言すると、これ以外の装置やユニットを用いて、これらのパンチ処理を実行可能に構成しても良い。但し、上記例示の如く、インラインフィニッシャの定義に該当する装置を本システム1000にて利用を許可し、これに該当しない装置は本システム1000での利用を禁ずるよう構成する。
例えば、本例では、キー609がユーザにより押下された事に応答し、表示部401に図7の表示を実行させる。制御部205は、図7の表示を介して、処理対象のジョブにて印刷されたシートに対してインラインシート処理装置200により実行すべきシート処理の実行要求を受付可能に制御する。
但し、制御部205は、図7の表示を介して選択可能なシート処理装置の候補は、本システム1000が如何なるシート処理装置を具備するのか、その装備状況に応じて、決定する。例えば、図7の表示では、プリンタ部203により印刷されたシートに対して以下に列挙する複数種類のシート処理のうちの何れかの種類のシート処理の実行要求をユーザから受付けることを許可している。
(1) ステイプル処理
(2) パンチ処理
(3) 折り処理
(4) シフト排紙処理
(5) 断裁処理
(6) 中綴じ製本処理
(7) 糊付け製本処理の1例に該当するくるみ製本処理
(8) 糊付け製本処理の別例に該当する天糊製本処理
(9) 大量積載処理
図7のUI制御例では、制御部205は、これら9種類のシート処理を選択候補となるよう操作部204を制御している。この理由は、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置を利用することで、これら9種類のシート処理を選択的に実行可能であるからである。
換言すると、本システム1000にて実行不可能な種類に該当するシート処理は、図7の表示にて選択候補の対象外となるよう、UI部を制御する。例えば、くるみ製本処理及び天糊製本処理を選択的に実行可能な1台のシート処理装置を本システム1000が具備していない場合、或いは、故障している場合等は、キー707及びキー708は選択無効状態となるよう制御する。例えば、制御部205は、グレーアウト表示な網掛け表示を実行させる。これにより、当該シート処理の実行要求をユーザから受付けないように制御する。更に、換言すると、上記9種類の候補以外の異なるシート処理を実行可能なシート処理装置を本システム1000が具備している場合は、そのシート処理の実行要求をユーザから受付可能にする為の表示キーを、図7の表示にて、有効表示状態にするよう制御する。これにより、当該シート処理の実行要求をユーザから受付ける事を許可する。このような表示制御も、本形態にて、後述するジョブ処理制御と共に実行可能に構成することで、ユーザの誤操作を防止可能にしている。
又、このような制御を実行するうえで、制御部205は、如何なるシート処理装置が、シート処理装置200として、本システム1000が具備しているかを特定するシステム構成情報を獲得する。又、該シート処理装置200にてエラーが発生しているか否か等を特定するステータス情報等も、上記制御の際に利用する。これらの情報を、制御部205は、例えば、UI部を介してユーザがマニュアル入力する事で獲得するか、シート処理装置200が印刷装置100が接続された際に、装置自身が信号線を介して出力する信号に基いて自動獲得する。このような構成を前提とし、制御部205は、当該獲得した情報に基いた表示内容でもって、図7の表示を、表示部401に実行させる。
尚、本システム1000は、PC103、104等の外部装置からも処理対象となるジョブの印刷実行要求、及び、該ジョブにて要するシート処理の実行要求を受付可能に構成している。このように外部装置からジョブを投入する場合は、印刷データの送信元となる該外部装置の表示部に図7の表示と同等機能の表示を実行させるよう制御する。この1例として、本例では、後述するような、プリンタドライバの設定画面を、PC103や104のコンピュータの表示部に表示させている。但し、このように外部装置のUIに表示を実行させる場合には、該装置の制御部が上記制御を実行する。例えば、PC103やPC104の表示部に後述するプリンタドライバUI画面を表示させる場合には、制御の主体は、該PCのCPUが実行する。
[本形態にて制御対象となる本印刷システム1000の具体的システム構成例]
本形態の特徴点の1例に関連し、本印刷システム1000が、印刷装置100に対して、如何様なシート処理を実行可能な如何様なインラインタイプのシート処理装置を、如何様に、何台、接続できるのか等のシステム構成に関し、図8A、8B等を用いて説明する。
本形態は、図1〜図3に示すシステム1000として、例えば、図8A、8Bのようなシステム構成を構築可能に構成している。
図8Aのシステム構成例は、本システム1000が、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機、合計3台のインラインタイプのシート処理装置を、一連のシート処理装置群200として、具備している事を意味する。尚且つ、図8Aの構成例は、本システム1000が具備する印刷装置100に対して、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機という、接続順序で、接続されている事を意味する。本システム1000が具備する制御部の1例に該当する制御部205は、図8A、8Bのようなシステム構成からなる本印刷システム1000を統括的に制御する。
本例にて、大容量スタッカは、プリンタ部203からのシートを、大量枚数(例えば、5000枚)、積載可能なシート処理装置である。
又、本例の糊付け製本機は、プリンタ部203で印刷された1束分のシートを表紙をつけて製本するにあたりシートの糊付け処理を要するくるみ製本処理を実行可能なシート処理装置である。又、表紙をつけずに糊付け製本するシート処理に該当する天糊製本処理も該糊付け製本機により実行可能である。該糊付け製本機は、少なくとも、くるみ製本処理を実行可能なシート処理装置であるが故に、くるみ製本機とも呼ぶ。
又、中綴じ製本機は、プリンタ部203からのシートに対して、ステイプル処理、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙、中綴じ製本処理、折り処理、を、選択的に実行可能なシート処理装置である。
本形態では、制御部205が、これらのシート処理装置に関わる各種のシステム構成情報を、各種制御に要する管理情報として、特定のメモリに登録させる。例えば、制御部205は、本システム1000が図8Aのようなシステム構成である場合、以下に列挙する情報を、HDD209に登録させておく。
(情報1) 本システム1000はインラインタイプのシート処理装置を具備している事を制御部205により確認可能にする為の装置有無情報。このように、本システム1000がインラインタイプのシート処理装置を具備しているか否かを制御部により特定可能にする情報がこれに該当する。
(情報2) 本システム1000は、インラインタイプのシート処理装置200を3台具備している事を制御部205により確認可能にする為のインラインシート処理装置の台数情報。このように、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置の台数を制御部により特定可能にする情報がこれに該当する。
(情報3) 大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機を、本システム1000が具備している事を制御部205により特定可能にするインラインシート処理装置の種類情報。このように、本システム1000にて具備するインラインシート処理装置の種類を制御部により確認可能にする情報がこれに該当する。
(情報4) 上記3台のうち、1台は、プリンタ部203からのシートの積載処理を実行可能な大容量スタッカである事を制御部205により確認可能にする情報。うち1台は、プリンタ部203からのシートの糊付け製本処理(くるみ製本処理、及び/又は、天糊製本処理)を実行可能な糊付け製本装置ある事を制御部205により確認可能にする装置能力情報。うち1台は、プリンタ部203からのシートに対して、ステイプル、パンチ、断裁、シフト排紙、中綴じ製本処理、折り処理、が、選択的に実行可能な中綴じ製本装置である事を制御部205により確認可能にする情報。換言すると、本システムにて実行可能なシート処理は、ステイプル、パンチ、断裁、シフト排紙、中綴じ製本、折り、くるみ製本、天糊製本、大量積載の、合計9種類である事を制御部205により特定可能にする為の情報。このように、本システム1000のインラインタイプのシート処理装置にて実行可能なシート処理の能力情報を制御部により確認可能にする為の情報が、これに該当する。
(情報5) 上記3台のシート処理装置は、印刷装置100に対して、大容量スタッカ、糊付け製本機、中綴じ製本機、の順序で、カスケード接続されている事を制御部205により確認可能にする為の情報。このように、複数台のインラインフィニッシャが接続されている場合に、これらシート処理装置の本システムにおける接続順序情報が、これに該当する。
以上の(情報1)〜(情報5)で示すが如くの、各種情報を、制御部205が各種制御にて要するシステム構成情報として、HD209に登録する。且つ、制御部205は、この情報を後述するジョブ制御にて要する判断材料情報として、利用する。
以上の構成を前提とし、例えば、本印刷システム1000のシステム構成状況が、図8Aのようなシステム構成であるとする。このシステム構成にて制御部205が、どのような制御を実行するか、以下に例示する。
例えば、本システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合、上記9種類のシート処理を本システムにて全て実行可能である。この事実は、制御部205が、上記(情報1)〜(情報5)の判断材料に基いて、認識する。且つ、当該認識結果に基いて、制御部205が、図7の表示に示す合計9種類のシート処理を全て選択候補にするようUI部を制御する。且つ、該制御部205は以下のようなユーザ操作に応答した制御を実行する。
例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー701のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にステイプル処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートに対するステイプル処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー702のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にパンチ処理(シートの穴あけ処理)の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートに対するパンチ処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー703のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に断裁処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの断裁処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー704のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に断裁処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの断裁処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー705のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に中綴じ製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの中綴じ製本処理を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー706のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に折り処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの折り処理(例えば、Z折りと呼ばれるシート処理)を、図8Aのシート処理装置200cに該当する中綴じ製本装置により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー707のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為にくるみ製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートのくるみ製本処理を、図8Aのシート処理装置200bに該当する糊付け製本機により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー708のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に天糊製本処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの天糊製本処理を、図8Aのシート処理装置200bに該当する糊付け製本機により実行させる。
一方、例えば、制御部205がUI部に実行させた図7の表示におけるキー709のユーザ押下により、該UI部を介して処理対象ジョブの為に大量積載処理の実行要求をユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、当該要求に応答し、該ジョブにて印刷処理がなされたシートの大量積載処理を、図8Aのシート処理装置200aに該当する大容量スタッカにより実行させる。
以上の如く、制御部205は、本システム1000が具備するシート処理装置にて実行可能な種類のシート処理に対応する選択候補の中からユーザが所望の種類のシート処理の実行要求を、UI部を介して、印刷実行要求と共に、受付可能に制御する。且つ、本形態で提供するUI部を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付け事に応答し、該ジョブにて要する印刷処理をプリンタ部203により実行させる。且つ、そのプリント処理がなされた該ジョブのシートに対して該ジョブにて要するシート処理を本システム1000のシート処理装置により実行させる。
尚且つ、本形態の特徴点の1例として、制御部205は、以下のような制御も本システム1000にて実行する。
例えば、システム1000が図8Aのようなシステム構成であるとする。換言すると、印刷システム1000が、印刷装置100→大容量スタッカ→糊付け製本機→中綴じ製本機の順で接続されているとする。この場合のシステム構成内部の状況は、図8Bに示すような構成になる。
図8Bは、印刷システム1000の構成が図8Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体の装置断面図を示している。且つ、図8Bの装置構成は、図8Aの装置構成に対応している。
図8Bでは、システム1000全体の装置断面図を示している。且つ、図8Bの装置構成は、図8Aの装置構成に対応している。
図8Bの装置内部構成からも明らかなように、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートは、各シート処理装置の内部へと供給可能に構成されている。具体的には、図8Bに示すが如く、各シート処理装置は、装置内部におけるA点、B点、C点を介して、シートを搬送可能な、シート搬送路を、夫々、具備する構成である。
且つ、図8Bのシート処理装置200aや200b等、各インラインタイプのシート処理装置は、自装置にて実行可能なシート処理が処理対象となるジョブにて必要でなくても、自装置よりも前に接続されている前段の装置からシートを受取る機能を具備する。且つ、該前段装置から受取ったシートを、自装置よりも後ろ接続されている後段の装置へと渡す機能を具備する。
このように、本形態の印刷システム1000は、処理対象のジョブにて要するシート処理とは異なるシート処理を実行するシート処理装置が前段の装置から後段の装置へと処理対象となるジョブのシートを搬送する機能を具備する。この構成も、本形態の特徴点の1例である。
以上が如くのシステム構成を前提とし、例えば、印刷システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して、制御部205は、以下に例示する制御を当該システム1000の為に実行する。ここでは、システム1000の構成が図8A、8Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図8Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図8Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図8Bの(ケース3)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bのシステム構成である場合において、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図8Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図8Bの排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図8Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bのシステム構成である場合において、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)を要するジョブであるとする。ここではこのジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点及びB点を通過させて、糊付け製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)がなされた糊付け製本ジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図8Bのシステムにおける、該糊付け製本機の後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す糊付け製本装置内部の排紙先Yにて、保持させる。
この図8Bの排紙先Yにホールドされた糊付け製本ジョブの印刷物は、この排紙先Yの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図8Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該糊付け製本ジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース2)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図8A、8Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図8Bの(ケース3)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図8A、8Bに示すシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又は、パンチ処理、又は、断裁処理、又は、シフト排紙処理、又は、折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図8A、8Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図8BのA点及びB点及びC点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図8Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Zにて、保持させる。
尚、図8Bの排紙先Zは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図8A、8Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図8Bの(ケース3)の制御例に該当する。
以上の如く、本形態の制御部の一例に該当する制御部205は、HD209に記憶された本システム1000のシステム構成情報に基いたペーパハンドリング制御も、実行する。
尚、このシステム構成情報に該当する情報は、インラインフィニッシャを具備しているか否かの情報、インラインフィニッシャを具備している場合の、その装置の台数の情報、その装置の能力情報である。又、複数台のインラインフィニッシャを具備する場合には、それらの接続順序情報も、これに該当する。
図1〜図3、図8A、8B等で説明したように、本形態の印刷システム1000は、印刷装置100に対して、複数台のインラインタイプのシート処理装置を接続可能に構成している。且つ、図8A、8B及び後述する図9A、9Bや図10A、10Bを対比参照しても明白なように、これら複数台のインラインタイプのシート処理装置は、それぞれ独立に接続したり、外したり、自由な組合せで、印刷装置100に対して、取付可能に構成している。また、これら複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序も、物理的に接続できれば、自由に組み合わせることができる。但し、本形態では、これらのシステムに構成に関し、制約事項も設けている。
例えば、本システム1000にてインラインタイプのシート処理装置として利用を許可する装置は、以下の構成要件を具備する装置としている。
自装置にて実行可能なシート処理を要するジョブのシートに対するシート処理を自装置自身で実行可能であり、且つ、自装置自身によるシート処理を要さないジョブのシートを前段の装置から受け取り後段装置へ渡すシート搬送機能を具備するシート処理装置。例えば、本例では、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示す、大容量スタッカ及び糊付け製本機が、これに該当する。
尚且つ、本形態では、上記構成に該当しないシート処理装置も、インラインタイプのシート処理装置として本システム1000にて利用を許可している。例えば、以下の要件を満たす装置がこれに該当する。
自装置にて実行可能なシート処理を要するジョブのシートに対するシート処理を自装置自身で実行可能である反面、自装置自身によるシート処理を要さないジョブのシートを前段の装置から受け取り後段の装置へ渡すシート搬送機能を具備しない、シート処理装置。例えば、本例では、図8A、8Bや後述する図9A、9Bや図10A、10Bのシステム構成で示す、中綴じ製本機が、これに該当する。但し、このような装置に対しては制約事項を設けている。
例えば、上記の如く、後段装置へのシート搬送機能が無い構成のインラインフィニッシャ(例えば図8A、8Bの中綴じ製本機)を本印刷システム1000にて利用する場合には、この装置の利用台数を1台のみとする。但し、これ以外のタイプのインラインフィニッシャを同時に利用することは許可する。
例えば、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示すが如く、大容量スタッカや糊付け製本機を、中綴じ製本機と併用して利用することは許可する。但し、このように、複数台のシート処理装置をカスケード接続して利用する場合、上記後段装置へのシート搬送機能を具備しないインラインタイプのシート処理装置は、シート搬送方向最下流に位置するように設置させる。
例えば、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成で示すが如く、中綴じ製本機は、システム1000にて1番最後に接続するように構成する。換言すると、図8A、8Bや後述する図9A、9Bのシステム構成とは異なるシステム構成として、大容量スタッカと糊付け製本機との間に上記中綴じ製本機を接続するように本システムにて構成する事は禁止する。
以上のような制約事項を遵守した範囲内での運用を行うよう本システムが具備する制御部は本システム1000を統括的に制御する。
この1例として、例えば、制御部205は、上記制約に違反するような接続順序でインラインタイプのシート処理装置が接続された場合には、UI部に警告表示を実行させる。又、例えば、上述した構成が如く、複数台のシート処理装置の接続順番をUI部を介してユーザ自身により入力させる構成の場合に、制御部205は、上記制約に違反するようなユーザ設定は無効にするよう制御する。例えば、不適正な接続の設定を阻止するべくグレーアウト表示や網掛け表示を実行させる。
以上のような構成を採用することで、本形態のような構成を採用する場合にて、ユーザ誤操作や装置誤動作等の発生を未然防止できる。即ち、本形態で述べている効果が更に向上する。
このような構成を前提とし、本形態では、上記制約事項を遵守する範囲内において、本システム1000のシステム構成を柔軟に構築可能に構成する。
例えば、インラインタイプのシート処理装置の接続順序や接続台数を、上記制約事項を遵守した範囲内で、PODシステム10000のオペレータにより任意に決定変更可能に構成する。且つ、本システム1000は、当該システム構成状況に応じた制御を実行する。この一例を以下に示す。
例えば、図8Aのシステム構成における複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序を変更したシステム構成の1例として、図9Aのようなシステム構成も構築可能に本印刷システム1000を構成している。
図9Aのシステム構成は、図8Aのシステム構成と比較して、本システム1000が具備する複数台のインラインシート処理装置の接続順序が異なる。具体的には、印刷システム1000が、印刷装置100→糊付け製本機→大容量スタッカ→中綴じ製本機の順で接続されている。この場合のシステム構成内部の状況は、図9Bに示すような構成になる。
図9Bは、印刷システム1000の構成が図9Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体の装置断面図を示す。且つ、図9Bのシステム構成は、図9Aのシステム構成の内部構成に対応している。
図9Bのシステム内部構成も、先のシステム構成例と同様に、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートを、各シート処理装置内部へ供給可能に構成されている。具体的には、図9Bに示すが如く、装置内部におけるA点、B点、C点を介して、プリンタ部203からのシートを搬送可能なシート搬送路を具備する。
しかも、図9A、9Bのシステム構成も、上記制限事項を遵守したシステム構成となっている。例えば、上述したように、中綴じ製本機は、シート搬送方向最下流になるよう、各シート処理装置を本印刷装置100にカスケード接続している。
以上の構成を前提とし、例えば、印刷システム1000のシステム構成状況が、図9A、9Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して、制御部205は、以下に例示する制御を実行する。ここでは、システム1000の構成が図9A、9Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図9Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図9Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図9Bの(ケース3)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000の構成が図9A、9Bに示すシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図9A、9Bに示すシステム構成である場合において当該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点及びB点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図9Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Yにて、保持させる。
この図9Bの排紙先Yにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Yの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図9Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図9のシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て糊付け製本機によるシート処理(例えば、くるみ製本処理、又は、天糊製本処理)を要するジョブであるとする。ここではこのジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
この糊付け製本ジョブを、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点を通過させて、糊付け製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この糊付け製本機によるシート処理(exくるみ製本処理、又は、天糊製本処理)がなされた糊付け製本ジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図9Bのシステムにおける、該糊付け製本機の後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す糊付け製本装置内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図9Bの排紙先Xにホールドされた糊付け製本ジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図9Bのシート搬送方向最下流の排紙先Zにシートを搬送して、該個所から該糊付け製本ジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース2)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図9A、9Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図9Bの(ケース3)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又は、パンチ処理、又は、断裁処理、又は、シフト排紙処理、又は、折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図9BのA点及びB点及びC点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図9Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Zにて、保持させる。
尚、図9Bの排紙先Zは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図9A、9Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図9Bの(ケース3)の制御例に該当する。
以上の図8A、8B、図9A、9Bに例示した如く、本印刷システム1000は、インラインシート処理装置として利用を許可する複数台のシート処理装置の接続順序を、上記制約事項の範囲内で、柔軟に、組換え変更可能に構成している。このように、本形態で上述する効果を最大限に発揮する為の仕組みを多数盛り込んでいる。
この観点で、本形態では、図8A、8Bや図9A、9Bのようなシステム構成以外の構成も、本システム1000にて、適宜、構築可能に構成している。この一例を以下に説明する。
例えば、図8A、8Bや図9A、9Bのシステム構成では、インラインタイプのシート処理装置を3台具備するシステム構成を説明した。本形態では、インラインタイプのシート処理装置の台数を上記のような制約事項を遵守した範囲内で任意にユーザが決定可能に構成している。
この1例として、図10Aのようなシステム構成も構築可能に本印刷システム1000を構成している。
図10Aのシステム構成は、図8Aや図9Aのシステム構成とはシート処理装置の接続台数が異なる。具体的には、印刷システム1000が、印刷装置100→大容量スタッカ→中綴じ製本機の順序で、2台接続されている。この場合のシステム構成内部の状況は、図10Bに示すような構成になる。
図10Bは、印刷システム1000の構成が図10Aのシステム構成の場合における印刷システム1000全体のシステム構成断面図を示す。且つ、図10Bの装置構成は、図10Aの装置構成に対応している。
図10Bの装置内部構成も、先のシステム構成例と同様に、印刷装置100のプリンタ部203で印刷されたシートを、各シート処理装置内部へ供給可能に構成されている。具体的には、図10Bに示すが如く、装置内部におけるA点、B点、を介して、シートを搬送可能な、シート搬送路を、具備する。しかも、上記制限事項を遵守したシステム構成となっている。例えば、上述したように、中綴じ製本機は、シート搬送方向最下流になるよう、各シート処理装置を接続している。
このような構成を前提とし、例えば、印刷システム1000のシステム構成状況が、図10A、10Bに示すシステム構成である場合、上記のような方法でUI部を介して印刷実行要求がユーザからなされたジョブに対して、制御部205は、以下に例示する制御を実行する。ここでは、システム1000の構成が図10A、10Bに示すシステム構成である事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御例として、図10Bの(ケース1)と称する制御例、及び、図10Bの(ケース2)と称する制御例、及び、図10Bの(禁則制御)と称する制御例、を、それぞれ、順番に説明する。
まず、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(ケース1)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
このスタッカジョブを、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図10BのA点を通過させて、大容量スタッカによるシート処理を実行させる。且つ、この大容量スタッカによるシート処理(ex積載処理)がなされたスタッカジョブの印刷結果を、他装置(例えば、図10Bのシステムにおける、該大容量スタッカの後段に位置する、インラインフィニッシャ)へ搬送させずに、そのまま、図10Bに示す大容量スタッカ内部の排紙先Xにて、保持させる。
この図10Bの排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物は、この排紙先Xの個所から直接、オペレータにより取出可能に構成している。換言すると、わざわざ、図10Bのシート搬送方向最下流の排紙先Yにシートを搬送して、該個所から該スタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置動作やオペレータ操作を、不要に構成する。
以上の、本印刷システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図10Bの(ケース1)の制御例に該当する。
次に、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(ケース2)の制御例について、説明する。例えば、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合においてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、印刷処理を経て中綴じ製本処理によるシート処理(例えば、中綴じ製本、又は、パンチ処理、又は、断裁処理、又は、シフト排紙処理、又は、折り処理)を要するジョブであるとする。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを、システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて該システム1000にて処理するケースを説明する。このケースの場合、制御部205は、印刷装置100で印刷がなされた該ジョブのシートを、図10BのA点及びB点を通過させて、中綴じ製本機によるシート処理を実行させる。且つ、この中綴じ製本機による上記シート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷結果を、他装置へ搬送させずに、そのまま、図10Bに示す中綴じ製本装置の排紙先Yにて、保持させる。
尚、図10Bの排紙先Yは複数の排紙先候補がある。これは、後述の図13の説明のように、本形態の中綴じ製本機は、複数種類のシート処理を実行可能であり、各シート処理毎に排紙先を異ならせる構成である事に起因する。
以上の、本印刷システム1000が図10A、10Bのシステム構成である場合にて制御部205により実行する一連の制御が、図10Bの(ケース2)の制御例に該当する。
但し、制御部205は、図10A、10Bのシステム構成の場合は、糊付け製本機が実行可能なシート処理(exくるみ製本処理or天糊製本処理)の実行要求をユーザから受付ける事を禁止する。この制御が、システム1000の構成が図10A、10Bに例示するシステム構成に該当する事を条件に制御部205がシステム1000の為に実行する制御に該当する、図10Bの(禁則制御)である。この10Bの(禁則制御)の更なる詳細な具体例を以下に例示する。
例えば、本印刷システムが図10A、10Bのようなシステム構成状況である場合において、図7の表示をUI部に実行させる際には、表示キー707及び表示キー708の網掛け表示やグレーアウト表示になるよう制御部205によりUI部を制御する。換言すると、制御部205は、該キー707、708のユーザ操作を無効状態にする。
以上の如く、本システム1000が図10A、10Bのようなシステム構成である場合には、制御部205は、糊付け製本処理を本システム1000にて実行する事を禁止する。
この、本印刷システム1000が図10のシステム構成である場合にて制御部205により実行する制御が、図10Bの(禁則制御)に該当する。
以上の説明の如く、制御部205は、本印刷システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置の接続台数に応じた各種制御を実行する。換言すると、システム1000にて実行可能なシート処理の種類に応じた各種制御を実行する。
以上、図8A〜図10B等の説明からも明らかなように、本印刷システム1000が具備する制御部は、本システム1000のシステム構成状況(インラインシート処理装置の接続台数や接続順序)毎に対応した各種制御を本システム1000にて実行する。
尚、何故、本形態にて本印刷システム1000にてインラインシート処理装置の接続順序や台数をユーザニーズに対応するよう柔軟に構築変更可能に構成しているか、この理由の1例を述べる。これは、全てユーザメリットを考慮しているからである。
例えば、まず、なぜ、本システム1000にて利用を許可するインラインタイプのシート処理装置は、各々、独立筐体で且つ印刷装置に対して着脱可能に構成しているかの理由を述べる。
この理由の1例としては、例えば、本システム1000の納品先となるPOD業者として、くるみ製本処理は必要ないが大容量積載処理は行いたい等の要望をもった業者等の存在に配慮した仕組みである。
換言すると、例えば、本システムの利用環境を想定してみると、上記9種類のシート処理の全てをインラインシート処理装置で実現したい等のニーズが予想される。一方、特定のシート処理のみインラインシート処理装置で実現した等のニーズも可能性としてはある。このように、納品先となる各POD業者毎にニーズも千差万別である事に対処する仕組みを提供する為である。
又、なぜ、本システム1000にて利用を許可するインラインタイプのシート処理装置の接続順序を上記制約事項の範囲内で任意に変更、組替えを、可能に構成しているかの理由を述べる。この理由は、なぜ、図8A、8Bや図9A、9Bに示すが如く、各インラインシート処理装置毎に印刷物をオペレータにより取出可能な排紙先を設けているのかの理由でもある。
この理由の一例としては、本印刷システム1000にて要求される複数のシート処理の利用頻度に応じて柔軟にシステムを構築可能にする方が、本システム1000の利用者の利便性が向上すると考えるからである。
例えば、図1のPODシステム10000を保有するPOD業者では、顧客より依頼される印刷形態のニーズが、ユーザマニュアルやガイドブック等、くるみ製本処理を要する印刷ジョブが比較的多い傾向にあるとする。このような利用環境の場合、図8A、8Bのような接続順序でシステム1000を構築するよりも、図9A、9Bのような接続順序でシステム1000を構築する方が利便性がある。
換言すると、印刷装置100に対して、より近い個所に、糊付け製本機を接続した方が使い勝手が良い。これは、くるみ製本ジョブにて要するくるみ製本処理を実行する為に必要な装置内部におけるシートの搬送距離を短い方が効果的である事に起因する。
例えば、シート搬送距離がながければ長いほど、そのジョブの最終成果物である印刷物の完成に要する時間が長くなる。又、シート搬送距離が長ければ長いほど、シート搬送動作中における装置内部でのジャム発生率が、高くなる可能性が予想される。このような理由によるものである。
即ち、くるみ製本ジョブがユーザニーズとして多いようなPOD業者の場合には、図8A、8Bのシステム構成よりも図9A、9Bのシステム構成を採用する方が、くるみ製本ジョブの印刷物を作成するうえで必要なシート搬送距離が短くなる。且つ、迅速に印刷物を取出すことが出来る。
換言すると、例えば、上記業者とは別のPOD業者では、シートの大量積載を要するジョブの方が多い傾向にあるとする。この場合には、図9A、9Bのシステム構成よりも図8A、8Bのシステム構成の方が、スタッカジョブの印刷物を作成するうえで必要なシート搬送距離が短くなる。且つ、迅速に印刷物を取出すことが出来る。
このように、本形態は、如何に、効率よく、利用環境に適した柔軟なシステム形態で、本印刷システム1000にて複数のジョブの生産性を向上させるかに着目している。その上で、このような本システム1000を利用するユーザからの立場にたった利便性を追求した多数の仕組みを提供可能に構成している。
次に、図8A〜図10Bで例示した本システム1000にて具備可能な各種インラインタイプのシート処理装置の内部構成の具体例を、各シート処理装置毎に、個別に例示する。
[大容量スタッカの内部構成]
図11は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、大容量スタッカの内部構成断面図の1例を示す。
当該大容量スタッカ内部には、印刷装置100からのシートの搬送経路として、大きく分けて、3つに分かれている。この1例として、図11に示すが如く、1つは、ストレートパスである。1つは、エスケープパスである。1つは、スタックパスである。このように3つのシート搬送路が内部に設けられている。
尚、図11の大容量スタッカ及び後述する図12の糊付け製本機の各装置が具備するストレートパスは、前段装置から受取ったシートを後段装置へ渡す為の機能を果たすが為に、本例ではインラインシート処理装置におけるスルーパスとも呼ぶ。
大容量スタッカ内部に具備するストレートパスは、該装置が具備する積載ユニットによるシートの積載処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ渡す為のシート搬送路である。換言すると、当該シート処理装置自身によるシート処理が要求されていないジョブのシートを、上流の装置から下流の装置へと搬送する為のユニットである。
又、大容量スタッカ内部に具備するエスケープパスは、スタックせずに、出力したい場合に用いられる。例えば、後続のシート処理装置が接続されていない場合に、出力の確認作業(プルーフプリント)等を行う場合に、スタックトレイからの取出しを簡略化するべく、当該エスケープパスに印刷物を搬送して、該トレイから印刷物を取出可能にする。
尚、この大容量スタッカ内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
大容量スタッカの不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この大容量スタッカからの情報に基き、大容量スタッカ内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この大容量スタッカのセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又更に、大容量スタッカ内部に具備するスタックパスは、該装置が具備する積載ユニットによるシートの積載処理を要するジョブのシートに対する積載処理を、該装置により実行させる為のシート搬送路である。
例えば、本システム1000が図8A〜図10Bに示した大容量スタッカを具備しているとする。このシステム構成状況において、制御部205が、例えば図7の表示のキー709のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該スタッカにて実行可能なシートの積載処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、この大容量スタッカが具備するスタックパスへシートを搬送するよう制御する。スタックパスへ搬送されたシートはスタックトレイへ排紙する。
図11のスタックトレイは、伸縮可能なステイなどの上に載置される積載ユニットである。このスタックトレイとの結合部には、ショックアブソーバ等が付けられている。制御部205は、このスタックトレイを用いて、処理対象となるジョブの印刷済みシートの積載処理を該大容量スタッカによる実行させるよう制御する。伸縮可能なステイの下は台車となっており、不図示の取っ手を付けると台車として、上に載せたスタック出力を別のオフラインフィニッシャなどに運べるようになっている。
スタッカ部の前ドアが閉まっているときは、伸縮可能なステイはスタック出力が積載されやすい上の位置に上昇し、前ドアがオペレータにより開けられる(あるいは、開ける指示がなされる)とスタックトレイは、下降する仕組みになっている。
また、スタック出力の積み方には、平積みとシフト積みがあって、平積みは、文字通り常に同じ位置に積む。シフト積みは、ある決められた部数単位、ジョブ単位などで奥手前方向にシフトして、出力に区切りを作って、出力を扱いやすいように積む方法である。
このように、本システム1000にてインラインタイプのシート処理装置として利用を許可する対象の当該大容量スタッカは、プリンタ部203からのシートの積載処理を実行するにあたり、複数種類の積載方法を実行可能に構成されている。制御部205は、このような各種動作の制御を装置に対して実行する。
[糊付け製本装置の内部構成]
図12は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、糊付け製本装置の内部構成断面図の1例を示す。
当該糊付け製本装置内部には、印刷装置100からのシートの搬送経路として、大きく分けて、3つに分かれている。この1例として、図12に示すが如く、1つは、ストレートパスである。1つは、本身パスである。1つは、表紙パスである。このように3つのシート搬送路が内部に設けられている。
図12の糊付け製本装置内部に具備するストレートパス(スルーパス)は、該装置が具備する糊付け製本ユニットによるシートの糊付け製本処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ渡す為の機能を果たすシート搬送路である。換言すると、当該シート処理装置自身によるシート処理が要求されていないジョブのシートを、上流の装置から下流の装置へと搬送する為のユニットである。
尚、この糊付け製本機内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
糊付け製本機の不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この糊付け製本機からの情報に基き、糊付け製本機内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この糊付け製本装置のセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又、図12の糊付け製本装置内部に具備する本身パスと表紙パスは、くるみ製本印刷物を作成する為のシート搬送路である。
例えば、本形態では、くるみ製本印刷処理として、本文となる印刷データの印刷処理をプリンタ部203で実行させる。且つ、この印刷されたシートをくるみ製本印刷物の1束分の出力物における本文部分として利用可能にする。このように、くるみ製本にて本文(中身)部分に該当する印刷データが印刷された本文部分のシート束を、本例では「本身」と呼ぶ。且つ、この本身を表紙用の1枚のシートでくるむ処理を、くるみ製本処理にて実行する。この表紙としてのシートを、表紙パスを介して搬送する。他方、本身となる、プリンタ部203でプリントした印刷用紙は、本身パスへ搬送するよう制御部205が各種シートの搬送制御を実行する。
このような構成のもと、例えば、制御部205が、例えば図7の表示のキー707のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該糊付け製本機にて実行可能なくるみ製本処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、以下のように当該装置を制御する。
例えば、プリンタ部203で印刷されたシートを、図12の本身パスを介して、順次スタック部に蓄える。且つ、処理対象となるジョブの1冊分のシートにて要する本文データが印刷されたシートを、全ページ、該スタック部に蓄えたうえで、表紙パスを介して、該ジョブにて要する表紙用のシートを、搬送させる。
尚、くるみ製本に関し、本形態の特徴点の1つに関連する事項が存在する。例えば、本例にて糊付け製本処理の1例に該当するくるみ製本処理では、1束分のシート束として処理可能なシート処理枚数が、当該糊付け製本処理とは異なる種類のシート処理にて1束分のシート束として処理可能なシート処理枚数よりも、圧倒的に多い。例えば、くるみ製本処理にて1束分の本文用のシート束として最大200枚まで処理を許容する。一方、ステイプル処理等は、最大20枚、中綴じ製本では最大15枚まで、1束分のシート処理として印刷用紙を処理する事を許可する。このように、1束分のシート束としてシート処理を許可する印刷用紙の許容枚数は、糊付け製本処理と、その他のシート処理では、圧倒的に異なる。
このように、本形態では、制御部205により制御対象となるインラインタイプのシート処理装置により、くるみ製本処理という糊付け製本処理を実行可能に構成している。且つ、オフィス環境では要求すらされなかったインラインタイプのシート処理装置により実行可能なフィニッシィングとして全く新規のフィニッシィングを提供可能に構成している。換言すると、POD環境を想定した仕組みの1つであり、且、後述する制御に関連する構成である。
尚、くるみ製本にて、表紙用のシートとして、図12に示すが如く、糊付け製本装置自身が具備するインサータのインサータトレイから搬送対象となる、表紙用のデータが予め印刷済みのプレプリントシートを利用可能に構成している。又、印刷装置100自身により表紙用の画像を印刷させたシートも利用可能に構成している。これら何れかのシートを表紙用のシートとして、表紙パスへ搬送させる。そして、スタック部の下方部分にて、当該表紙用のシートの搬送を一時停止させる。
この動作に並行して、スタック部に積載済みの本文全ページが印刷済みの複数枚のシートで構成される本身に対して、糊付け処理を実行する。例えば、糊付け部は、所定量の糊を本身の下部に塗布して、十分に糊が行き渡ったところで、本身の糊付けされた部分を表紙の中央部にあてがい、包み込むように結合させる。結合に当たっては、本身を下方に押し込むように送り出すため、表紙にくるまれた本身は、ガイドに添って、回転台の上に滑り落ちる。その後、ガイドは、表紙にくるまれた本身を回転台の上に倒すように移動する。
回転台の上に寝た表紙にくるまれた本身を、幅寄せ部で位置合わせを行って、まず、小口となる部分をカッターで断裁する。次に、回転台を90度回転して、幅寄せ部で位置合わせを行い、天となる部分を断裁する。更に、180度回転して、幅寄せ部で位置合わせを行い、地となる部分を断裁する。
断裁後は、再度幅寄せ部で奥まで押しやって、出来上がった表紙にくるまれた本身をバスケット部に入れる。
バスケット部で十分に糊を乾かした後、出来上がったくるみ製本の束を取り出すことができる。
このように、糊付け製本機は、UI部を介して印刷実行要求と共に糊付け製本処理の実行要求がユーザからなされた処理対象のジョブのシートに対する糊付け製本処理を実行する糊付けユニットを具備している。
又、上述したように、本形態にて、インラインタイプのシート処理装置により実行可能に構成した糊付け製本処理は、上記構成に示すが如く、他の種類のシート処理と比較して、処理工程が多く準備すべき前構成も多い。換言すると、ステイプルや中綴じ製本のようなオフィス環境にて頻繁に利用されうるシート処理とは全く構成も異なり、要求されたシート処理を完結されるのに要する処理時間も、他のフィニッシィングに比べ、長くなる事が予想される。本形態では、このような点についても、着目している。
このように、糊付け製本機能1つをとっても分るように、本形態では、例えば、オフィス環境のみ留まらず、POD環境等の全く新しい印刷環境でも充分に通用する、利便性や生産性を追求した、印刷システム、製品の、実用化を目指す為の仕組みを採用している。換言すると、例えば、くるみ製本機能や大量積載機能等、オフィス環境では全く未対処であった新機能をPOD環境でも活用可能に構成要件として具備している。又、図8A〜図10Bに例示するが如く、印刷装置に対して、インラインタイプのシート処理装置を複数台接続可能にしたシステム構成自体についても、上記目的を果たすが為の仕組みである。
ここで、特筆すべきは、例えば、本形態は、単に、上記のような新規の機能やシステム構成を具備する事のみに留まらず、当該機能構成を採用する事で想定されうるユースケースやユーザニーズ等、対処すべき課題を事前に発見検討している点である。且つ、その課題に対する解決手法となる構成要件をも具備する点が特徴点の1つに該当する。このように、本形態では、事務機メーカが新規市場の開拓参入するうえで、新規に搭載する機能やシステム構成に対する市場要望等を、課題として、事前に、発見検討し、その課題に対する解決手法をも念頭に入れた仕組みを構成として採用している。このような点も本形態の特徴的要件の1つに該当する。この具体的に構成要件の1例として、制御部205により本形態にて各種制御を実行している。
[中綴じ製本装置の内部構成]
図13は、図8A〜図10Bに例示した、本形態にて、制御部205により制御対象となる、中綴じ製本機の内部構成断面図の1例を示す。
当該中綴じ製本装置内部には、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理や断裁処理やパンチ処理や折り処理がシフト排紙処理等を選択的に実行可能にするための各種ユニットを具備している。但し、当該中綴じ製本機は、上記制約事項で述べたように、後段装置へのシート搬送機能の役目を果たすスルーパスを具備しない。
尚、この中綴じ製本機内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するのに要する複数のシート検知センサが設けられている。
中綴じ製本機の不図示のCPUは、これら各センサからのシート検知情報を、制御部205とのデータ通信を行う為の信号線(図2に示す、シート処理装置200と制御部205とを電気的接続関係にする信号線)を、介して、制御部205に通知する。制御部205は、この中綴じ製本機からの情報に基き、中綴じ製本機内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、本印刷システムのシステム構成として、このシート処理装置装置と印刷装置100の間に他のシート処理装置がカスケード接続されている場合、そのシート処理装置のCPUを介して、この中綴じ製本装置のセンサの情報を、制御部205に通知する構成となっている。このように、インラインフィニッシャ固有の構成を具備する。
又、例えば、図13に示すが如く、サンプルトレイ、スタックトレイ及び、ブックレットトレイが設けられており、制御部205は、ジョブの種類や排出される記録紙の枚数に応じて利用するユニットを切り替えるよう制御する。
例えば、制御部205が、図7の表示のキー701のキー操作により、処理対象のジョブの為に、当該中綴じ製本機にて実行可能なステイプル処理の実行要求を、UI部を介してユーザから受付けたとする。この場合、制御部205は、プリンタ部203からのシートを、スタックトレイ側へ搬送するよう制御する。尚、この際、記録紙がスタックトレイに排出される前に、記録紙をジョブ毎に中綴じ製本部の内部の処理トレイに順次蓄えておき、該処理トレイ上にてステープラにてバインドして、その上で、スタックトレイへ、該記録紙束を束排出する。このような方法でプリンタ部203にて印刷されたシートに対するステイプル処理を当該装置により実行させる。
その他、紙をZ字状に折るためのZ折り機、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャがあり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。例えば、出力すべきジョブに対する記録紙処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してZ折り処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してZ折り機により折り処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。又、例えば、出力すべきジョブに対する記録紙処理に関する設定としてユーザにより操作部を介してパンチ処理設定がなされた場合には、そのジョブの記録紙に対してパンチャによるパンチ処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
又、サドルステッチャ部は、記録紙の中央部分を2ヶ所バインドした後に、記録紙の中央部分をローラに噛ませることにより記録紙を半折りし、パンフレットのようなブックレットを作成する中綴じ製本処理を行う。
サドルステッチャ部で製本された記録紙は、ブックレットトレイに排出される。当該サドルステッチによる製本処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
又、インサータはインサートトレイにセットされた記録紙をプリンタへ通さずにスタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイのいずれかに送るためのものである。これによって中綴じ製本部に送り込まれる記録紙(プリンタ部で印刷された記録紙)と記録紙の間にインサータにセットされた記録紙をインサート(中差し)することができる。インサータのインサートトレイにはユーザによりフェイスアップの状態でセットされるものとし、ピックアップローラにより最上部の記録紙から順に給送する。故に、インサータからの記録紙はそのままスタックトレイまたはサンプルトレイへ搬送することによりフェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャへ送るときには、一度パンチャ側へ送り込んだ後スイッチバックさせて送り込むことによりフェースの向きを合わせる。
尚、当該インサータによる記録紙挿入処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
又、本形態では、1例として、中綴じ製本装置内部に断裁部(トリマ部)も具備する。この説明を以下の行う。
中綴じ製本部においてブックレット(中綴じの小冊子)となった出力は、このトリマに入ってくる。その際に、まず、ブックレットの出力は、ローラで予め決められた長さ分だけ紙送りされ、カッタ部にて予め決められた長さだけ切断され、ブックレット内の複数ページ間でばらばらになっていた端部がきれいに揃えられることとなる。そして、ブックレットホールド部に格納される。尚、当該トリマによる断裁処理等の記録紙処理動作の実行可否も、上述の如く、出力すべきジョブに対してユーザにより設定された記録紙処理設定に基づく。
このように、中綴じ製本機は、UI部を介して印刷実行要求と共に中綴じ製本処理の実行要求がユーザからなされた処理対象のジョブのシートに対する中綴じ製本処理を実行する中綴じ製本ユニットを具備している。
尚、例えば、図7の表示のキー705によりユーザから中綴じ製本が選択された場合、制御部205は、UI部に図14の表示を実行させる。当該図14の表示を介して、制御部205は、中綴じ製本の詳細設定をユーザから受付可能に制御する。例えば、ステイプル針を用いて実際にシート中央付近に対する中綴じ処理を実行するか否かを決定可能にする。又、分割製本、中綴じ位置の変更、断裁の有無、あるいは、断裁幅の変更などの設定もユーザから受付け可能にする。
例えば、制御部205がUI部に実行させた図14の表示を介してユーザにより「中綴じ製本する」と「断裁する」が設定されたとする。この場合、制御部205は、中綴じ製本印刷結果として処理対象のジョブが図15のような印刷体裁になるよう本システム1000の動作制御を行う。図15の中綴じ製本印刷結果に示すが如く、サドルステッチが打たれて、小口側の断裁がなされる。また、サドルステッチの位置や断裁面の位置を予め設定しておけば、所望の位置に変更することができる。
又、例えば、図7の表示のキー707によりユーザからくるみ製本処理の実行要求がなされた場合、制御部205は、くるみ製本印刷結果として、処理対象のジョブが図16のような印刷体裁になるよう本システム1000を制御する。図16の1例に示すが如く、くるみ製本の場合の印刷物は、断裁面A、B及び、Cに関して、それぞれ断裁幅を設定することができる。
又、本印刷システム1000は、外部装置の一例に該当する情報処理装置からも処理対象となるジョブの印刷実行要求及びシート処理の実行要求を受付け可能に構成されている。以下、ホストコンピュータから本印刷システム1000を利用する場合の一例をもって説明する。
例えば、本実施形態の各種の処理や制御を実行する為のプログラムデータをWEB等のデータ供給源あるいは特定の記憶媒体からダウンロードしたホストコンピュータ(図1のPC103や104等)にて操作する場合、以下のように制御する。但し、制御の主体はPCの制御部である。
例えば、ユーザからのマウス或いはキーボード操作に応答し、本システム1000の印刷装置100を操作する為のプリンタドライバの起動指示がなされたとする。これを受け、該ホストコンピュータのCPUは、当該ホストコンピュータの表示部に、図17Aに示す印刷設定画面を表示させる。図17A、17Bは、本実施形態にて制御対象となる、ユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
ここで、例えば、当該図17A、17Bの操作画面上の仕上げキー1701がユーザのマウス操作により押下されたとする。すると、該ホストコンピュータのCPUは、当該印刷設定画面を、図17Bのような印刷設定画面に切り換えるよう表示部を制御する。
そして、該ホストコンピュータのCPUは、図17A、17Bの印刷設定画面上のシート処理設定項目1702を介して、本システム1000が具備するインラインタイプのシート処理装置200により実行させるべきシート処理の種類をユーザにより選択可能に制御する。
尚、ここでは、省略するが、該ホストコンピュータを含む外部装置においては、図17A、17B以外の画面として、本実施形態で詳述した各種の表示画面を介して入力可能な指示と同等の指示を入力可能にするための表示画面を表示させるように構成している。換言すると、本形態で述べる各種の処理や制御と同等の処理や制御を外部装置側にて実行可能に構成されている。
そして、ユーザにより、設定項目1701を介して所望のシート処理が選択され、図17A、17Bの画面に戻って、OKキーが押下されるとする。
これを受け、ホストコンピュータのCPUは、当該印刷設定画面を介してユーザにより設定された各種印刷条件を示すコマンドと、プリント部203によりプリントさせるべき一連のプリントデータとを、一つのジョブとして関連付けて、本システム1000に対して、ネットワーク101を介して送信する。
そして、該コンピュータからのジョブを、本システム1000の外部I/F部202が受信すると、これを受け、本システムの制御部205は、当該ホストコンピュータからのジョブを、該ホストコンピュータにてユーザにより設定された処理要件に基づいて、処理するよう本システム1000を制御する。
以上のように構成することで、外部装置等からのジョブでも、本形態で述べる各種の効果を得ることが出来、本システム1000の利用効率を更に向上させる事ができる。
本形態の印刷システム1000が具備する制御部は、以上で説明したような各種構成要件を前提として、後述する各種制御を実行する。
尚、図1〜図17Bを用いた説明した構成は、本実施形態にて述べる全ての実施形態にて共通する構成要件に該当する。換言すると、例えば、本形態にて述べる各種制御は、当該構成を前提とした構成要件に該当する。
図1〜図17Bを用いた上述の如く、本形態の印刷システム1000は、オフィス環境に留まらず、POD環境にも適した印刷環境を構築可能に構成している。
例えば、その1例として、オフィス環境では全く想定されえないPOD環境にて想定されうるユースケースやユーザニーズに対処可能な仕組みを採用している。
この1例として、例えば、POD環境では顧客から様々な印刷形態をPOD業者が受注可能に構成している。
具体例を挙げるならば、例えば、上記の如く、糊付け製本処理や大量積載処理等、オフィス環境ではユーザニーズとして要求されえないフィニッシィングをインラインシート処理装置により実現可能に構成している。換言すると、本形態は、ステイプル等のオフィス環境にて要求されうるニーズ以外のユーザニーズにもPOD環境を考慮して対処出来るように構成している。又、例えば、本印刷システム1000の納入対象となるPOD環境で商売をなすPOD業者におけるビジネス形態に柔軟に対応可能に構成している。
この1例として、例えば、上記の如く、複数台のインラインシート処理装置を印刷装置100に対して接続可能にし、且つ、各インラインシート処理装置毎に、独立筐体で且つ独立動作が可能に構成している。且つ、接続するシート処理装置も任意台数とし、本印刷システム1000にて柔軟にインラインシート処理装置の増設や変更等を可能にシステムを構成している。
尚、本形態では本印刷システム1000の利用者の操作性にも充分配慮した設計となっている。この1例として、例えば、本形態では、本印刷システム1000のシステム構成を、オペレータ自らが手動でHD209に登録できる構成を説明した。故に、これを用いて例示する。
例えば、本印刷システム1000のシステム構成として、図8A、8Bに示すシステム構成をPOD業者にて構築したいと望んだとする。この場合、まず、該POD業者のオペレータにより、印刷装置100と共に購入した図8A、8Bの3台のシート処理装置を、図8A、8Bに示す接続順序で、印刷装置に接続してもらう。そのうえで、操作部204のユーザモードキー505を押下してもらう。この場合に、制御部205は、当該キー操作に応答し、表示部401に、図18Aの表示を実行させる。
図18Aの表示は、本印刷システム1000のシステム構成情報を、オペレータ自身によりマニュアル入力可能にする為の表示である。制御部205は、当該図18A〜18Dの表示を介して、印刷装置100に接続すべきインラインタイプのシート処理装置の種類をオペレータにより決定可能にする。且つ、制御部205は、当該図18A〜18Dの表示を介して、印刷装置100に接続する複数台のインラインタイプのシート処理装置の接続順序をオペレータにより決定可能にする。
且つ、制御部205は、図18Aの表示の各設定項目毎に設けた「詳細設定」キーがオペレータにより押下されたら、不図示の画面を表示させる。この画面で、1台ずつ、本印刷システムにて利用するシート処理装置を特定可能にする。しかも、本形態は、上述したように制約事項を遵守してもらっている故、この情報もガイダンス情報としてオペレータに通知する。例えば、制御部205は、図18Aに示すが如く、「印刷装置に接続する、シート処理装置の種類と接続順序を登録して下さい。最大5台まで接続できます。但し、中綴じ製本機は接続する装置の1番最後に接続して下さい。」なるガイダンスを通知する。尚、ここでは、インラインシート処理装置の接続台数を最大5台までとしているが、特にこれに限定しなくても良い。
尚、制御部205は、図18Aの設定項目の上から順番に、利用するシート処理装置を1台ずつ決定可能に表示部401を制御するが、この設定項目の上から順番に設定する設定順序自体が、実際の装置の接続順序として判断する。
上記構成のもと、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図8A、8Bに示すシステム構成にする場合、図18Bの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Bの表示のように、設定項目の上から順番に「大容量スタッカ⇒糊付け製本機⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図8A、8Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
一方、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図9A、9Bに示すシステム構成にする場合、図18Cの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Cの表示のように、設定項目の上から順番に「糊付け製本機⇒大容量スタッカ⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図9A、9Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
更に一方、例えば、本印刷システム1000のシステム構成を図10A、10Bに示すシステム構成にする場合、図18Dの表示のように、各シート処理装置の種類と、接続順番を登録してもらう。具体的には、図18Dの表示のように、設定項目の上から順番に「大容量スタッカ⇒中綴じ製本機」となるよう設定してもらう。この設定順序が、図10A、10Bに示すが如く、実際の接続順序として、制御部205が判断する。
このように、実際の現場のユースケースを想定した利便性を向上させるUI制御自体も本形態の特徴点の1つに該当する。
以上の図1〜図18Dを用いて上述した如く、本システム1000は、オフィス環境とはユースケースやユーザニーズも異なるPOD環境等をも見据えた、様々なユースケースやユーザニーズにも柔軟に対処可能な、製品の実用化に向けての様々な仕組みを具備する。
しかも、単に、上記のような新規な機能及び新規な構成を具備するに留まらず、本印刷システム1000の効果を最大限に発揮すべく、以下のような各種制御を、本システム1000にて実行可能に構成している。
この1例として、例えば、本印刷システムが具備する制御部は、以下のような制御を本印刷システム1000にて実行するよう制御している。
尚、以下の具体的制御を説明する前に、本システム1000の構成について補足しておく。
本形態のインラインフィニッシャは、それぞれ、各装置毎に、印刷用紙のジャムを除去したり、印刷物を取出す為に、装置筐体前面に開閉動作が可能なドアを具備している。
例えば、本形態の大容量スタッカは、図13の内部構成で例示した如く、大容量の印刷物を積載可能なスタックトレイ(単にスタッカ部とも呼ぶ)とエスケープトレイ(サンプルトレイとも呼ぶ)への排紙が可能になっている。更に、装置内部のスルーパスを介して、後段の後段のフィニッシャへシートを搬送する機能も具備する。又、印刷装置100からのシートを、スタックトレイに積載された印刷物のシート積載量に応じて、該トレイが下降するよう構成されている。又、印刷物の整合処理も可能に構成されている。
以上の構成は図13で説明したとおりだが、図19の装置概観例に示すが如く、大容量スタッカの前面には開閉動作が可能なドア2002を具備する。且つ、当該ドア2002をオープンさせる為の指示をオペレータが入力する為のスイッチ2001を装置筐体上部に具備している。この大容量スタッカにおける各種動作の制御は、当該大容量スタッカ自身が具備する制御部(不図示)が、主体となり、行う。この制御部は、スイッチ2001からのオペレータによる手動入力命令に従い、このドア2002をオープンさせる。具体的には、当該ドア2002は閉じている状態の時に不図示の鍵により施錠状態としており、この鍵を開錠させて、ドア2002をオープンさせる。これにより、大容量スタッカのスタックトレイに積載済みの印刷物をオペレータにより取出可能に構成している。又、スイッチ2001からの操作だけでなく、印刷装置100の制御部205からの指示により、当該ドア2002を自動的にオープンせせることも可能にしている。この際は、図2に示す装置内部の信号線を介して、当該ドアオープン信号を、制御部205から大容量スタッカの制御部に送信する。又、大容量スタッカのスタックトレイに積載された印刷物をオペレータにより取出作業を行う際に、ドア2002を開けて、オペレータによる取出作業が行われる。
本形態では、印刷処理がなされたジョブの印刷物を該大容量スタッカからオペレータにより取出す際には、その大容量スタッカが具備するスタックトレイに対して、当該ジョブの後に印刷実行要求がなされた後続ジョブのシートが排紙されないように、本印刷システム1000を、制御部205が主体となり、制御している。
換言すると、本形態の印刷システム1000は、シート処理装置におけるオペレータによる印刷処理がなされたジョブの印刷物の取出作業中には、当該シート処理装置内部のシート処理部に対して、当該ジョブに後続するジョブのシートが排紙されないよう制御する。
但し、制御部205は、例えば、大容量スタッカが具備するスタックトレイにおける印刷物のオペレータによる取り出し作業中であっても、制御部205は、例えば以下に例示する動作は実行可能に制御する。例えば、大容量スタッカ上部のエスケープトレイに対して、印刷処理がなされた後続ジョブのシートを排紙させる動作である。又、例えば、該大容量スタッカによるシートの積載処理が不要なジョブで且つ、当該大容量スタッカの後に接続されているシート処理装置によるシート処理を要するジョブに該当する、後続ジョブのシートを、大容量スタッカ内部のスルーパスを介して、搬送させる動作である。
換言すると、これらの動作は、ドア2002がオープンされている状態のままでも、実行を許可する動作に該当する。この動作は、本実施形態のコンティニアスラン動作の代表例である。本実施形態では、制御部205が、このコンティニアスラン動作に係る以下の各種動作を、本印刷システム1000により実行可能に、該システム1000を制御する。そして、このコンティニアスラン動作に関する制御を印刷システム1000の為に実行可能に構成することで、以下に例示の効果が本実施形態にて享受可能にしている。
例えば、本実施形態によれば、冒頭の技術背景にて記載の課題で想定したような問題に対応することができる。又、本実施形態によれば、例えば、オフィス環境に留まらずPOD環境で適用可能な使い勝手の良い便利な印刷環境が構築可能となる。又、特に本実施形態によれば、例えば、以下に記載の効果Aを享受可能にするのみならず、該効果Aを享受可能にしたが故に以下に記載の効果Bが享受出来ないといった新たなトラブルにつながる事も無く該効果Aと効果Bの両方を満足する印刷環境が構築可能となる。
(効果A)例えば、印刷システム1000にて利用対象のシート処理装置の可動ユニットが、メンテナンス作業中や印刷物の取出作業中等に起因して、オープン状態であるとする。例えば、このような場合でも、これに影響を受けないジョブの印刷処理をシステム1000にて実行可能となる。このような、POD市場にて今後生じうるユースケースやニーズを想定した、高い生産性を極力維持可能にした印刷環境が提供可能となる効果。
(効果B)該効果Aを享受可能に印刷システムを構成したはずが、シート処理装置の可動ユニットがオープン状態である事をオペレータが気づかない等が原因で、顧客に納品すべき印刷物をシステムにて満足に作成する事が困難になる。そして、これに起因して、結局、システムにて高い生産性を維持する事が困難になる。このような、上記効果Aを享受可能に構成したが故に、これらに例示のような予期せぬトラブル等が発生してしまう。このようなトラブルの発生を極力抑制可能となる効果。
そして、本実施形態によれば、例えば、本実施形態に開示のコンティニアスラン動作により、印刷システム1000を可能な限り連続運転可能にし、高生産性と高操作性の両方を可能な限りシステム1000により維持可能にした印刷環境が構築可能となる。本実施形態によれば、これらに例示の各種効果が供述可能な印刷システム、ジョブ処理方法、記憶媒体、プログラム、印刷装置が提供可能となる。そして、このように様々な状況や利用環境を想定し、様々なユーザからの様々なニーズにも、極力、柔軟に対応出来るようにした、今後のPOD市場等の印刷環境を見据えた製品実用化に貢献可能となる。
尚、制御部205により制御される本印刷システム1000は、以下のように構成されている。
本システム1000は、印刷装置100の該プリンタ部203から、複数台のインラインフィニッシャへ、選択的に、プリンタ部203により印刷されたジョブのシート(印刷媒体)を、供給可能に、構成されたシステムである。このプリンタ部203は、複数のジョブのデータを記憶可能なHD209のデータの印刷処理を実行可能に構成されている。この複数台のインラインフィニッシャとして、本形態では、種々のインラインフィニッシャを利用可能に構成している。例えば、オペレータ操作に連動して開閉動作が可能な開閉ユニットを具備するインラインフィニッシャも、本印刷システム1000にて、利用可能に構成されている。上述の図19に示す大容量スタッカも、この代表例の1つである。この大容量スタッカは、オペレータによる開閉操作の対象となるフロントカバー(フロントドアとも呼ぶ)を具備する後処理装置である。ここで述べる後処理装置とは、本形態にて既述のインラインフィニッシャを意味する。
本実施形態では、この大容量スタッカのフロントドア等の開閉ユニットを含む、シートの取出し作業等に際してオペレータ操作に応答可能に構成された複数種類の可動ユニットのステータスを制御部205が確認する。尚、本願発明の代表例の1つに該当する、この、オペレータの手動操作に応答可能に構成された本実施形態に開示される可動ユニットは、「可動部材」又は「可動パーツ」又は「可動コンポーネント」等と称しても良い。このように、例えば、この単語自体に何ら限定要素はないが、この可動ユニットの代表例として少なくともカバーユニット等の開閉ユニット(開閉部材)は包含される事が望ましい。以下、説明に戻る。
制御部205は、上述の、各インラインフィニッシャが有すフロントカバーや上カバー等の本実施形態にて開示の可動ユニットが開いた状態(オープン状態)か閉じた状態(クローズ状態)であるか、そのステータスを各可動ユニット毎に区別して確認する。この確認の際に、制御部205は、可動ユニットの状況を示すカレントステータス情報(例えば、開閉ユニットがオープン状態かクローズ状態かを特定するための情報)を、内部の信号線を介して各ユニットから自動的に収集する。
そして、制御部205は、システム1000に存在する各可動ユニットのステータスや、処理対象のジョブの処理条件に基いて、処理すべきジョブに係る制御を実行する。特に、本実施形態では、これらの情報に基いて、処理対象のジョブの処理を、システム1000にて可動ユニットがオープン状態期間中に、システム1000により実行させる事を許可するか禁止するかを、制御部205が決定する。
例えば、本実施形態では、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブの処理完遂に関係しない(影響を受けない)可動ユニットがオープンされている状況であることを制御部205により確認したとする。この場合、たとえ、その可動ユニットがオープンされた状況のままでも、制御部205は、そのジョブの印刷処理を印刷装置100により開始実行させる。且つ、その可動ユニットがオープン状態期間中に、該ジョブのシートに対するフィニッシング処理も該ジョブのシート処理に要するインラインフィニッシャにより実行させる。
このような制御を制御部205がシステム1000にて実行する。この一連の動作も本実施形態におけるコンティニアスラン動作の代表例である。
尚、本実施形態では、前カバーや上カバー等の各種開閉ユニット等、システム1000にて利用対象の、各インラインフィニッシャが具備する各可動ユニットがオープンされたままの状態であるか否かの判断を制御部205が実行する。
且つ、システム1000にて利用可能な複数台のインラインフィニッシャのうちの何れかの可動ユニットがオープン状態下においても、制御部205は、印刷装置100により処理対象となる新規ジョブの実行要求を受付け可能にする。
且つ、もし、新規にジョブを受付けた場合、そのジョブは、可動ユニットが現在オープンされたままの状態のインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブであるか否かの判断を、制御部205が行う。
もし、その新規に受付けたジョブは、可動ユニットがオープンされたままの状態のインラインフィニッシャによる後処理(シート処理)が不要なジョブ(以下、ジョブXと称す)であるとする。これは、このジョブXは、「可動ユニットがオープン状態のインラインフィニッシャの排出先へ印刷物の排出が不要なジョブ」に該当することを意味する。このケース(以下、ケースXと呼ぶ)に該当する判断を制御部205が下した場合、システム1000にて可動ユニットが現在オープンされた状態のままであっても、制御部205は、このジョブの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
且つ、このケースXに該当する場合、制御部205は、プリンタ部203により印刷処理がなされた該ジョブXのシートを、インラインフィニッシャへ供給させる。
尚、このケースXに該当する場合に、もし、複数台のインラインフィニッシャが印刷装置100に接続されたシステム構成であり、且つ、そのうちの上流側のインラインフィニッシャの可動ユニットがオープンされたままの状態であるとする。且つ、この、印刷開始許可対象のジョブXが、当該上流側のインラインフィニッシャよりも更に下流側の、後段のインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブであるとする。この場合、該前段のインラインフィニッシャの可動ユニットがオープン状態のままでも、該前段のインラインフィニッシャ内部のシート搬送路を経由して、該ジョブXのシートを、該後段のインラインフィニッシャ内部へ供給可能にする。このような制御も、制御部205がシステム1000に対して実行する。
一方、もし、可動ユニットがオープン状況下において新規に受付けた上記ジョブが、可動ユニットがオープンされたままの状態のインラインフィニッシャによる後処理(シート処理と同義)を要するジョブ(以下、ジョブYと称す)であるとする。これは、このジョブYは、「可動ユニットがオープンの状態のインラインフィニッシャの排出先へ印刷物の排出を要するジョブ」に該当することを意味する。このケース(以下、ケースYと呼ぶ)に該当する判断を制御部205が下した場合、制御部205は、システム1000にて可動ユニットがオープンされた状態のままでそのジョブYの印刷処理を印刷装置100により開始させることを禁止する。
又、このケースYに該当する場合、制御部205は、以下の二つの条件AとBの両方を満足したことを条件に、該ジョブYの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
(条件A)ジョブYにて要する後処理を実行すべきインラインフィニッシャが具備する現在オープン状態の可動ユニットをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報を本実施形態のUI部により報知させる。このような、ジョブYの処理を完成させるのに必要なオペレータがとるべき行動に係る情報の報知を、UI部を用いてオペレータに対して行うように制御部205は制御する。
(条件B)ジョブYにて要する後処理を実行すべきインラインフィニッシャの可動ユニットがクローズされた事を制御部205が確認する。これは、この可動ユニットのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化した事を制御部205が確認する事を意味する。
これらの条件Aと条件Bの両方を満足したことを契機に、制御部205は、該ジョブYの印刷処理を印刷装置100により開始実行することを許可する。この点も本実施形態の特徴点であるが、ここで、更に特筆すべき点として、制御部205は以下の制御も実行する。
例えば、処理すべきジョブ(以下ジョブZと呼ぶ)の印刷実行要求をスタートキー503によりオペレータから制御部205が受付けたとする。この時点にて、このジョブZの後処理に要するインラインフィニッシャの可動ユニットがオープンされたままの状態であるとする。即ち、このジョブZにて要する排紙先に該当する排紙先を具備するインラインフィニッシャの可動ユニットがオープン状態であるとする。
この例では、ジョブZのシート処理に要するインラインフィニッシャは、図8Aのインラインフィニッシャ200aの大容量スタッカであるとする。そして、この大容量スタッカの可動ユニットの1例に相当する前カバーが、現在オープン状態にあるとする。
尚、本実施形態では、スタートキー503による印刷実行要求の入力に先立ち、処理すべきジョブの印刷処理条件を操作部204を介してオペレータにより入力可能に構成している。制御部205は、キー503が入力される前にオペレータにより設定された該ジョブZの印刷処理条件のデータを、メモリから読出し、確認する。この確認により、該ジョブZは図8Aの大容量スタッカによるシート処理を要するジョブである事を制御部205が特定する。
又、システム1000に存在する各可動ユニットのステータスがオープン状態かクローズ状態かを判断したり、可動ユニットのステータスの変化の有無を判断したりする際には、制御部205は、図2に示すシステム1000の内部の信号線を介して伝達される各種センサ情報を利用する。以下、具体例の説明に戻る。
この例では、この図8Aの大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態であるだけでなく、この図8Aのシステム1000における他のインラインフィニッシャの可動ユニットも、現在オープン状況下にあるとする。この例では、図8Aのインラインフィニッシャ200cに該当する中綴じ製本機の前カバーがオープン状態であるとする。
このように、ジョブZの印刷実行要求が入力された時点のシステム1000のステータスとして、上記2つの可動ユニット(この例では、図8Aのシステム1000における大容量スタッカの前カバーと中綴じ製本機の前カバー)がオープン状態であるとする。このケース(以下、ケースZと呼ぶ)の場合に、制御部205は、ジョブZに係るコンティニアスラン動作の制御として、以下の制御を実行する。
例えば、このケースZの場合にて、スタートキー503を用いてジョブZの印刷実行要求がオペレータにより入力されても、制御部205は、該ジョブZの印刷処理をプリンタ部203により開始させることは禁止する。
尚且つ、この印刷実行要求が入力された時点にて、制御部205は、この印刷禁止対象のジョブZに係る情報として、図8Aの大容量スタッカの前カバーをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報の表示を本形態のUI部により実行させる。例えば、ここで制御部205は、大容量スタッカの前カバーをクローズさせる為のガイダンス情報を具備する表示画面(例えば図24の画面2404のポップアップ画面)を操作部204の表示部401に表示させる。
このケースZにて制御部205が実行するこれらの制御は、該ジョブZの印刷物の排紙先に該当する排紙先を具備する大容量スタッカの可動ユニットのステータスがオープン状態である事に基いた制御である。
但し、このように、ジョブZの印刷処理を印刷装置100により実行させることは禁止しても、制御部205は、該ジョブZの印刷データの全ページをHD209へ記憶させる処理を印刷装置100により実行させることは、許可する。
例えば、この1例として、制御部205は、スキャナ部201によるジョブZの原稿読取動作とHD209による該読取画像データの記憶動作を実行可能にする。
これにより、処理すべきジョブの印刷処理を開始させた時点から印刷が終了する迄に必要な所要時間を少しでも短縮させる事が可能となる等の効果が図れる。以下、具体例の説明に戻る。
上述のジョブZのガイダンス情報の表示が実行された後に、この表示内容を確認したオペレータが、図8Aの大容量スタッカの前カバーをクローズしたとする。即ち、該前カバーのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化したとする。すると、当該ステータスの変化を確認した制御部205は、これを契機に、上記ジョブZの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。
その後、制御部205は、プリンタ部203により印刷処理がなされたジョブZの印刷物を図8Aの大容量スタッカ内部へ供給し、図8Aの大容量スタッカ内部のトレイへ該ジョブZの印刷物をスタックさせる。これにより該ジョブZの処理を完了させる。
以上のような制御を、ケースZに該当する場合にジョブZの為に制御部205が実行する。この制御は、「図8Aの大容量スタッカの前カバーをクローズさせる為のガイダンス情報の報知(本例では画面2404のポップアップ表示)を実行する事無しに該ジョブZの印刷処理をプリンタ部203が実行する事は、禁止する」制御に包含される1例である。
又、上記ケースZにて、上記ガイダンス表示の実行後に図8Aの大容量スタッカの前カバーのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化したものの、図8Aの中綴じ製本機の前カバーのステータスはオープン状態のままであるとする。
この場合、この中綴じ製本機の前カバーはオープン状態のままであっても、制御部205は、これに依らずに、大容量スタッカの前カバーの上記ステータスの変化を契機に該ジョブZの印刷処理を印刷装置100により実行する事を許可する。
しかも該ケースにて、制御部205は、該ジョブZの印刷処理の実行に先立ち上記中綴じ製本機の前カバーをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報を報知すること無しに該ジョブZの印刷処理を印刷装置100により実行可能にする。
例えば、制御部205は、該中綴じ製本機の前カバーをオペレータにクローズさせる為の画面2403のポップアップ画面を表示させる事無しに、上記大容量スタッカの排紙先を要するジョブZの印刷処理を実行可能にシステム1000を制御する。
これらの制御は本実施形態にて以下の点に着目した制御である。
例えば、このケースZにて、図8Aの大容量スタッカは、ジョブZの後処理に要するインラインフィニッシャに該当し、図8Aの中綴じ製本機は、ジョブZの後処理に要するインラインフィニッシャには該当しない。即ち、ケースZにて、図8Aの大容量スタッカは、このジョブZの排紙先に該当する排紙先のインラインフィニッシャに該当し、図8Aの中綴じ製本機は、このジョブZの排紙先に該当する排紙先のインラインフィニッシャには該当しない。
故に、制御部205は、該ジョブZの処理に影響のある大容量スタッカの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為の報知処理は該ジョブZの印刷実行に先立ち実行させる。且つ、制御部205は、該ジョブZの処理に影響の無い中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為の報知処理は該ジョブZの印刷実行に先立ち実行する事無しに該ジョブZの印刷実行を許可する。
本実施形態では、このように、処理対象のジョブの処理に影響がある可動ユニットに係るガイダンス情報はUI部により報知させたうえで該ジョブの印刷処理を開始可能に、制御部205がシステム1000を制御する。一方で、処理対象のジョブの処理に影響のない可動ユニットがオープン状態であっても当該可動ユニットに係るガイダンス情報はUI部により報知させる事無しに該ジョブの印刷処理を開始可能に、制御部205がシステムを制御する。
このような選択的なジョブ制御に連動する表示制御も実行する。これにより、例えば、以下に例示の懸念事項(1)〜(3)等のトラブルの発生も抑制しつつ、本形態に記載の上記効果を得られるようにし、本システム1000を最大限に活用可能となる。このように本形態にて得られる効果が更に向上可能となる。
(1)例えば、処理すべきジョブの処理に影響のない可動ユニットがオープン状態の場合に、当該可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報をオペレータが望んでいないにも拘らず、オペレータに報知してしまう。
(2)これが原因で、必要以上の処置をオペレータに要求してしまい、高操作性の維持が困難になる。
(3)処理すべきジョブの処理に影響のない可動ユニットがオープン期間中でも該ジョブを印刷可能にして、可能な限りシステム1000を連続運転可能にしているにも拘らず、これら(1)や(2)が原因で高生産性の維持が困難になる。
以上の各種点についても本実施形態の特徴点の代表例の1つである。
但し、処理すべき処理に影響のない可動ユニットをオペレータにクローズさせるのを促す為のガイダンス情報の報知要求がオペレータ自身から入力された場合には、制御部205は該ガイダンス情報を本形態のUI部により報知させる。
例えば、上記ケースZにて、ジョブZの印刷開始前の時点及びジョブZの印刷中の時点並びにジョブZの印刷開始後の時点のどのタイミングでも、制御部205は、表示部401にて「システム状況/中止」キー617を有効表示状態とする。そして、これらのどのタイミングにおいても、該キー617のオペレータ入力に応答して、制御部205は、ジョブZの処理に影響の無い上記中綴じ製本機の前カバーをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401により表示可能にする。
この構成により、例えば、処理すべきジョブの処理に影響のないインラインフィニッシャの可動ユニットをクローズさせる方法等をオペレータ自らが望むならば、タイムリーに提示可能となる。このような操作性向上効果が上記効果に加えて更に図れる。
又、本実施形態にて、可動ユニットに係る情報として、制御部205が、報知ユニットとしても機能する本実施形態のUI部の1例に該当する操作部204の表示部401に表示させる報知情報は、大別すると例えば以下の4種類である。
(1)処理対象のジョブの処理に影響のある可動ユニットがオープン状態であることをオペレータに通知可能にする為のステータス情報。
(2)処理対象のジョブの処理に影響の無い可動ユニットがオープン状態にあることをオペレータに通知可能にする為のステータス情報。
(3)処理対象のジョブの処理に影響のある可動ユニットをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報。
(4)処理対象のジョブの処理に影響の無い可動ユニットをオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報。
本実施形態にて、これら(1)〜(4)のうちの、(1)と(2)の報知情報は、表示部401の表示領域最下方に位置するステータスラインにて表示可能に制御部205により制御する。これらは、システム1000のステータス情報として利用可能な情報である。
尚、(1)の情報も(2)の情報も、オペレータからの明示的な表示指示の入力無しに、可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化した事に応じて、自動的に、該ステータスラインにて表示可能に、制御部205は表示部401を制御する。
又、このオープン状態の可動ユニットのステータス情報は、ステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化するまでの期間中は、ステータスラインにて有効表示状態を維持させるよう制御部205により制御する。
例えば、処理対象のジョブの処理に影響の無い可動ユニットがオープン状態である事を示すステータス情報をステータスラインにて表示させた状態のままでも、制御部205は、以下の(A)、(B)、(C)のどの画面でも、表示部401により表示可能にする。この具体例は後述する。
(A)処理対象のジョブの印刷処理条件を設定するための画面。
(B)処理対象のジョブの印刷実行要求を受付ける為の画面。
(C)処理対象のジョブの印刷処理中における進捗情報を示す画面。
又、これら、オープン状態の可動ユニットのステータス情報を、一画面上で複数同時に表示可能に構成しても良い。但し、ステータスラインにて可動ユニットのオープン状態を示すステータス情報を表示させる場合、制御部205は、複数のステータス情報を同時に表示させる事は禁止し、優先順位に応じた順序で、順次切り換えて表示させる。この具体例も後述する。
又、本実施形態にて、これら(1)〜(4)のうちの、(3)と(4)の報知情報は、オペレータのとるべき行動を促す為のガイダンス情報として利用可能にした情報である。
但し、(3)の報知情報は、処理すべきジョブに関連付けられたジョブ情報として、制御部205は、表示部401によりポップアップ表示可能に制御する。又、この(3)の報知情報もオペレータからの明示的な表示指示の入力無しに、表示可能に制御する。
例えば、この(3)の報知情報は、処理すべきジョブの処理に影響のある可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化した事に応じて、自動的に、表示部401によりポップアップ表示可能に、制御部205が制御する。但し、この(3)の情報は、オペレータからの明示的な指示が操作部204により入力された場合にも、表示部401により表示可能に制御部205が制御する。
又、上記(4)の報知情報は、オペレータからの明示的な指示が操作部204により入力された場合に、表示部401により表示可能に制御部205が制御する。但し、少なくとも、この(4)の報知情報は、処理すべきジョブの印刷処理の開始に先立ち自動的に表示部401により表示されないように制御部205が制御する。
尚、本実施形態では、上記報知情報を含む本実施形態に開示のオペレータに報知対象となる各種報知情報の報知方法として、上記例示が如くの表示機能を備えたユニットによる表示処理を採用しているが、これに限定しなくても良い。例えば、音声出力機能を備えたユニットにより本実施形態に開示の各種報知情報を音声出力させる構成でも良い。又、例えばプリンタ部203など、プリンタ機能を備えたユニットにより本実施形態に開示の各種報知情報を印刷出力させる構成でも良い。このように、システム1000を操作するオペレータなど、本形態に開示の報知情報を伝えるべきユーザに、本形態に開示の報知情報が伝達可能に構成されているならば、如何なる構成でも良い。但し、これは、本形態に開示の効果を更に向上可能とする仕組みの1例であるが故に、必ずしも必須要件では無くても良い。上述の制御例の説明に戻る。
以上のジョブX、Y、Zで例示の各制御例は、コンティニアスラン動作における1つのジョブに係る選択的なジョブ処理制御並びに表示制御の代表例である。この本実施形態におけるコンティニアスラン動作に関する制御の更なる具体例を、システム1000が図8Bのシステム構成である場合でもって、以下に説明する。以下の制御例は、コンティニアスラン動作における複数のジョブに係る制御例である。
例えば、システム1000が図8Bのシステム構成であることを制御部205が確認したとする。且つ、図8Bの大容量スタッカのスタックトレイに積載済のスタッカジョブ(以下、スタッカジョブ8Aと呼ぶ)の印刷物を取出すべくオペレータからスイッチ2001を介してオープン要求がなされたことを受けて、図8Bの該スタッカのドア2002が現在オープン状態期間中であることを制御部205が確認したとする。この2つの確認を制御部205が行ったケース(以下、ケース8Aと呼ぶ)に該当する場合、制御部205は、該スタッカジョブ8Aに後続する後続ジョブがHD209に存在するかを検索する。
このケース8Aの場合にて、該ジョブ8Aの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図8Bの大容量スタッカによるシート処理を要する後続ジョブ(以下、ジョブ8Bと呼ぶ)であることを制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース8Bと呼ぶ)の場合、制御部205は、図8Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、該ジョブ8Bの印刷処理を印刷装置100により開始させることを禁止する。且つ、このケース8Bの場合、該ジョブ8Bは印刷待機状態を維持するように制御部205は印刷装置100を制御する。
尚、該ケース8Bの場合、ジョブ8Bの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図8Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態期間中である。又、このジョブ8Bは、図8Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出を要するジョブに該当する。
故に、該ケース8Bの場合、制御部205は、印刷実行要求が入力されても上述の如くジョブ8Bの印刷処理は禁止するだけでなく、図8Bの大容量スタッカのドア2002をクローズさせる為のガイダンス情報を自動的に表示部401により表示させる。
即ち、ケース8Bの場合は、図8Bの大容量スタッカのドア2002をクローズさせる為のガイダンス情報の報知が操作部204により実行される事無しに該ジョブ8Bの印刷処理を印刷装置100により開始実行させる事は、禁止する。このケース8Bでは、このガイダンス情報の報知後にオペレータが該ドア2002をクローズした事を条件に(即ち、オープン状態からクローズ状態へのドア2002のステータスの変化に応じて)、該ジョブ8Bの印刷処理の実行を制御部205は許可する。ケース8Bにて、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ8Bのために実行する。
又、ケース8Aの場合にて、ジョブ8Aの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図8Bの大容量スタッカよりも後段(下流側)に位置するインラインフィニッシャに該当する図8Bの糊付け製本機による糊付け処理を要するジョブ(以下、ジョブ8Cと呼ぶ)である事を制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース8Cと呼ぶ)の場合、制御部205は、図8Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、当該ジョブ8Cの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
例えば、該ケース8Cの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ8Cの印刷データをHD209から読み出してプリンタ部203により印刷させる。且つ、該ケース8Cの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、プリンタ部203により該ジョブ8Cの印刷データが印刷されたシートを、図8BのA点⇒図8Bの大容量スタッカ内部のスルーパス⇒図8BのB点という一連の搬送経路を介して通過させる。このような方法で、制御部205は、図8Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、印刷装置100の内部から図8Bの糊付け製本機の内部への該ジョブ8Cのシート供給動作をシステム1000により実行させる。且つ、該ケース8Cの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、この印刷装置100の内部から供給された該ジョブ8Cのシート(印刷媒体)に対する糊付け製本処理を、図8Bの糊付け製本機により実行させる。これにより、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ8Cのシステム1000における処理を完了させる。
尚、該ケース8Cの場合でも、ジョブ8Cの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図8Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態である。しかし、ジョブ8Cは、図8Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出は不要なジョブに該当する。
故に、該ケース8Cの場合、ジョブ8Cの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点にて、図8Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401により自動的に表示させることは、禁止する。且つ、該ケース8Cの場合、該ドア2002がオープン状態のままであっても、該ジョブ8Cの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
即ち、ケース8Cの場合、図8Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の報知を操作部204により自動的に実行させる事無しに該ジョブ8Cの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
ケース8Cに該当する場合は、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ8Cのために実行する。
又、ケース8Aの場合にて、該ジョブ8Aの後に印刷実行要求を受付た後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図8Bの糊付け製本機よりも後段に位置するインラインフィニッシャに該当する図8Bの中綴じ製本機によるシート処理を要する後続ジョブ(以下、ジョブ8Dと呼ぶ)である事を制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース8Dと呼ぶ)の場合、制御部205は、図8Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、当該ジョブ8Dの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
例えば、このケース8Dの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ8Dの印刷データをHD209から読み出してプリンタ部203により印刷させる。且つ、該ケース8Dの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、プリンタ部203により該ジョブ8Dの印刷データが印刷されたシートを、図8BのA点⇒図8Bの大容量スタッカ内部のスルーパス⇒図8BのB点⇒図8BのC点という一連の搬送経路を介して通過させる。このような方法で、制御部205は、図8Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、印刷装置100の内部から図8Bの中綴じ製本機の内部への該ジョブ8Dのシート供給動作をシステム1000により実行させる。且つ、このケース8Dの場合、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、この印刷装置100の内部から供給された該ジョブ8Dのシート(印刷媒体)に対するシート処理を図8Bの中綴じ製本機により実行させる。これにより、図8Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ8Dのシステム1000における処理を完了させる。
尚、該ケース8Dの場合でも、ジョブ8Dの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図8Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態である。しかし、ジョブ8Dは、ジョブ8Cと同様に、図8Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出が不要なジョブに該当する。
故に、このケース8Dの場合でも、ジョブ8Dの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点にて、図8Bの大容量スタッカのドア2002をクローズさせる為のガイダンス情報を操作部204により自動的に表示させることは、禁止する。且つ、該ケース8Dの場合、該ドア2002がオープン状態のままであっても、該ジョブ8Dの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
即ち、ケース8Dの場合も、図8Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の報知を操作部204により自動的に実行させる事無しに該ジョブ8Dの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
ケース8Dに該当する場合、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ8Dのために実行する。
以上の、ケース8B、ケース8C、ケース8Dの各ケースにおける3種類の制御例の如く、本実施形態では、処理すべきジョブの処理条件とシステム1000の可動ユニットのステータス情報に基いて選択的なジョブ制御を制御部205が実行する。しかも、この、ジョブ制御に連動して、処理すべきジョブの処理条件と可動ユニットのステータス情報に基いた表示制御も選択的に制御部205が実行する。
次に、コンティニアスラン動作における複数のジョブに係る制御例の更なる具体例を以下に説明する。
例えば、システム1000が図9Bのシステム構成であることを制御部205が確認したとする。且つ、図9Bの大容量スタッカのスタックトレイに積載済のスタッカジョブ(以下、スタッカジョブ9Aと呼ぶ)の印刷物を取出すべくオペレータからスイッチ2001を介してオープン要求がなされたことを受けて、図9Bの該スタッカのドア2002が現在オープン状態期間中であることを制御部205が確認したとする。この2つの確認を制御部205が行ったケース(以下、ケース9Aと呼ぶ)に該当する場合、制御部205は、該スタッカジョブ9Aに後続する後続ジョブがHD209に存在するかを検索する。
このケース9Aの場合において、該ジョブ9Aの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図9Bの大容量スタッカによるシート処理を要する後続ジョブ(以下、ジョブ9Bと呼ぶ)である事を制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース9Bと呼ぶ)の場合、制御部205は、図9Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、当該ジョブ9Bの印刷処理を印刷装置100により開始させることを禁止する。且つ、このケース9Bの場合、該ジョブ9Bは印刷待機状態を維持するように制御部205は印刷装置100を制御する。
尚、該ケース9Bの場合、ジョブ9Bの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図9Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態期間中である。又、このジョブ9Bは、図9Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出を要するジョブに該当する。
故に、該ケース9Bの場合、印刷実行要求が入力されても上述の如くジョブ9Bの印刷処理は禁止するだけでなく、図9Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータによりクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401により自動的に表示させる。
即ち、ケース9Bの場合、ドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の報知を操作部204により自動的に実行させる事無しに該ジョブ9Bの印刷処理を印刷装置100により実行させる事は、禁止する。
且つ、該ケース9Bの場合、当該情報の報知の実行後にオペレータが該ドア2002のクローズした事を条件に(即ち、図9Bの大容量スタッカのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化した事に応じて)、該ジョブ9Bの印刷処理の実行を許可する。
ケース9Bに該当する場合、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ9Bのために実行する。
又、ケース9Aの場合において、該ジョブ9Aの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図9Bの大容量スタッカよりも前段(上流側)に位置するインラインフィニッシャに該当する図9Bの糊付け製本機による糊付け処理を要する後続ジョブ(以下、ジョブ9Cと呼ぶ)である事を制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース9Cと呼ぶ)の場合、制御部205は、図9Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、当該ジョブ9Cの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
例えば、このケース9Cの場合、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ9Cの印刷データをHD209から読み出してプリンタ部203により印刷させる。且つ、該ケース9Cの場合、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、プリンタ部203により該ジョブ9Cの印刷データが印刷されたシートを、図9BのA点を介して通過させる。このような方法で、制御部205は、図9Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、印刷装置100の内部から図9Bの糊付け製本機の内部への該ジョブ9Cのシート供給動作をシステム1000により実行させる。
且つ、このケース9Cの場合、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、この印刷装置100の内部から供給された該ジョブ9Cのシート(印刷媒体)に対する糊付け製本処理を図9Bの糊付け製本機により実行させる。これにより、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ9Cのシステム1000における処理を完了させる。
尚、該ケース9Cの場合でも、ジョブ9Cの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図9Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態である。しかし、ジョブ9Cは、図9Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出が不要なジョブに該当する。
故に、該ケース9Cの場合、ジョブ9Cの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点にて、図9Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401により自動的に表示させることは、禁止する。且つ、該ケース9Cの場合、該ドア2002がオープン状態のままであっても、該ジョブ9Cの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
即ち、ケース9Cの場合、図9Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を操作部204により自動的に報知させる事無しに該ジョブ9Cの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
ケース9Cに該当する場合、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ9Cのために実行する。
また、ケース9Aの場合にて、該ジョブ9Aの後に印刷実行要求を受付けた後続ジョブが存在する事を制御部205が確認したとする。且つ、この後続ジョブは、図9Bの大容量スタッカよりも後段に位置するインラインフィニッシャに該当する図9Bの中綴じ製本機によるシート処理を要する後続ジョブ(以下、ジョブ9Dと呼ぶ)である事を制御部205が確認したとする。このケース(以下、ケース9Dと呼ぶ)の場合、制御部205は、図9Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、当該ジョブ9Dの印刷処理を印刷装置100により開始させることを許可する。
例えば、このケース9Dの場合、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ9Dの印刷データをHD209から読み出してプリンタ部203により印刷させる。且つ、該ケース9Dの場合、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、プリンタ部203により該ジョブ9Dの印刷データが印刷されたシートを、図9BのA点⇒図9BのB点⇒図9Bの大容量スタッカ内部のスルーパス⇒図9BのC点という一連の搬送経路を介して通過させる。このような方法で、制御部205は、図9Bの大容量スタッカのドア2002がオープン状態期間中に、印刷装置100の内部から図9Bの中綴じ製本機の内部への該ジョブ9Dのシート供給動作をシステム1000により実行させる。且つ、該ケース9Dの場合、図9Bのスタッカのドア2002のオープン状態は維持したまま、この印刷装置100の内部から供給された該ジョブ9Dのシート(印刷媒体)に対するシート処理(例えば中綴じ製本処理)を図9Bの中綴じ製本機により実行させる。これにより、図9Bのスタッカのドア2002がオープンされた状態は維持したまま、制御部205は、このジョブ9Dのシステム1000における処理を完了させる。
尚、該ケース9Dの場合でも、ジョブ9Dの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点(例えば、スタートキー503が押下された時点)にて、図9Bの大容量スタッカのドア2002はオープン状態である。しかし、ジョブ9Dは、ジョブ9Cと同様に、図9Bの大容量スタッカの排紙先への印刷物の排出が不要なジョブに該当する。
故に、このケース9Dの場合でも、ジョブ9Dの印刷実行要求がUI部でオペレータ入力された時点にて、図9Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401により自動的に表示させることは、禁止する。且つ、該ケース9Dの場合、該ドア2002がオープン状態のままであっても、該ジョブ9Dの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
即ち、ケース9Dの場合も、図9Bの大容量スタッカのドア2002をオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を操作部204により自動的に報知させる事無しに該ジョブ9Dの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
ケース9Dに該当する場合、制御部205は、このような制御を印刷システム1000にて該ジョブ9Dのために実行する。
以上のケース8A〜ケース9Dを用いて例示の各種のジョブ制御と表示制御も、コンティニアスラン動作における制御の代表例である。これは、以下の制御をシステム1000のために実行可能にした構成における、代表例の1つであることを意味する。
例えば、オペレータによるシートの取出作業にて可動ユニットのオープン動作を要するシート処理装置(以下、第1シート処理装置)によるシート処理を要する第1ジョブの印刷実行要求を印刷装置100が受付けたとする。その後、該第1ジョブの印刷処理を行った後に、これに後続するジョブとして、第2ジョブの印刷実行要求を印刷装置100が受付けたとする。
もし、この第1ジョブの後に受付けた該第2ジョブが、該第1ジョブのシート処理にて利用対象の該第1シート処理装置によるシート処理を要するジョブに該当したとする。且つ、該第1シート処理装置の可動ユニットのステータスがオープン状態のままであるとする。以下、これを第1ケースと呼ぶ。
この第1ケースに相当する判断を制御部205が下した場合、制御部205は、該第1シート処理装置の可動ユニットがオープン状態のままで該第2ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行する事を禁止する。しかも、該第1ケースの場合、制御部205は、該第2ジョブの印刷実行要求が入力された際に、該第1シート処理装置の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報をUI部により自動的に報知させる。即ち、該第1ケースの場合にて、該第2ジョブの印刷実行要求が入力されても、当該ガイダンス情報を操作部204により自動的に報知させる事無しに該第2ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行させる事は、禁止する。
以上の、第1ケースにて実行する制御を本実施形態では制御部205が実行する。
一方、もし、上記第2ジョブが、該第1ジョブのシート処理にて利用対象の第1シート処理装置によるシート処理を要するジョブに該当しなかったとする。但し、該第1シート処理装置の可動ユニットのステータスはオープン状態のままであるとする。以下、これを第2ケースと呼ぶ。
この第2ケースに相当する判断を制御部205が下した場合、制御部205は、該第1シート処理装置の可動ユニットがオープンされた状態のままで当該第2ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行する事を許可する。しかも、該第2ケースの場合、該第2ジョブの印刷実行要求が入力された際に、該第1シート処理装置の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報をUI部により自動的に報知させる事は、禁止する。即ち、この第2ケースの場合、該第2ジョブの印刷実行要求の入力を契機に、該ガイダンス情報をUI部により自動的に報知させる事無しに該第2ジョブの印刷処理を印刷装置100により開始させる事を、許可する。
以上の、第2ケースにて実行する制御を本実施形態では制御部205が実行する。
尚、該第2ケースでは、第1シート処理装置の可動ユニットがオープン状態のままでも、印刷処理がなされた当該第2ジョブのシートの全てを、該第2ジョブのシート処理に利用するシート処理装置(以下、第2シート処理装置)内部に搬送させる。且つ、この可動ユニットのオープン状態は維持したまま、該第2シート処理装置により該第2ジョブにて要するシート処理を該第2ジョブの1束分のシートに対して実行させる。
以上の、上記状況下における制御も本実施形態では、制御部205がシステム1000の為に実行する。
以上、ケース8A〜ケース9D、及び、第1ケースと第2ケースの夫々にて開示の制御例のように、印刷システム1000にて可能な限り生産性と操作性の両者を向上させる仕組みが、本実施形態で開示するコンティニアスラン動作の制御例である。
又、上述の図8Bを用いた制御例と図9Bを用いた制御例を比較しても分るように、コンティニアスラン動作に係る制御においても、システム1000のシステム構成が異なる毎に、制御部205により実行するジョブ制御を異ならせる。制御部205は、この制御においても、冒頭で説明したシステム構成情報や各インラインフィニッシャのステータス情報や印刷装置100が印刷実行要求を受付けた各ジョブの印刷処理条件情報を、利用する。後述する各種制御例も、このコンティニアスラン動作に関する制御である。
尚、留意点として、本形態にて述べているシート処理(後処理と同義)とは、例えば、図7のUI画面や図17BのUI画面にてオペレータにより処理対象のジョブの為に実行要求がなされる対象の各種の後処理(ソート、ステイプル、断裁、シフト排紙、中綴じ製本、折り処理、くるみ製本処理、天糊製本処理、大量積載処理)等を意味する。但し、システム1000内部のシート搬送路にて印刷媒体を搬送させる等の、シートの搬送処理は、本形態で述べている「処理対象のジョブにて要するシート処理(後処理)」には該当しない。
以上のコンティニアスラン動作の制御の1つとして、制御部205は、シート処理装置からのオペレータによるシートの取出対象となるジョブの後に印刷実行要求がなされた後続ジョブの印刷動作の開始を禁止したり、許可したりする。又、これに連動した表示制御も制御部205により実行可能にする。
以上のような構成も、印刷装置に対して物理的接続関係にあり且つ電気的接続関係にあるインラインフィニッシャ固有の構成を前提した構成の代表例の1つである。
以上のような構成を前提とし、本印刷システム1000が具備する制御部の一例に該当する制御部205は、以下に例示の制御を実行する。
尚、以下に例示の制御を説明する前に前提的な構成要件についてここで補足しておく。
前提として、本システム1000は、複数のジョブのデータを記憶可能なHD209のデータの印刷処理を実行可能なプリンタ部203を具備する印刷装置100を具備する。且つ、該システム1000は、印刷装置100に対して接続可能な、該プリンタ部203により印刷がなされたジョブのシートに対するシート処理を実行可能な複数台のシート処理手段200a〜nを具備する。これらのシート処理装置は、各装置毎に、自装置でシート処理を施した印刷物をオペレータにより取出可能に構成している。且つ、本システム1000は、該印刷装置100のプリンタ部203から、これら複数のシート処理装置に対して、プリンタ部203により印刷がなされたジョブのシートを、選択的に、供給可能に構成している。
本形態の制御部の一例に相当する制御部205は、以上のシステム構成を前提とし、以下に例示が如くの制御を実行する。
ここでは、本形態の特長となるカバーオープン時の表示手段への表示方法と、ジョブの動作制御についてどのように制御部205が制御を行うかを以下に説明する。より具体的に説明するために、図8Aおよび図8Bの印刷装置本体100に対して、大容量スタッカ200a、糊付け製本機200b、中綴じ製本機200cの順番で接続されている印刷システムのシステム構成の場合について、図20以降の図面を用いて説明していく。
まず、システム1000により印刷処理すべきジョブが存在しない場合にて印刷装置100のカバーオープン状態である事を条件に制御部205が実行する表示制御について説明する。この、印刷装置100のカバーオープン状態とは、本形態に開示のオペレータによる手動操作可能な可動ユニットの1例に相当する、印刷装置100自身のカバーユニットがオープン状態である事を意味する。ここでは、印刷装置100自身の筐体のフロントカバーを例にとる。図20は、印刷装置本体100のカバーオープン状態にて制御部205が操作部204のタッチパネル部401(表示部)に実行する表示制御の1例を示す図である。同図において2011は、処理すべきジョブが存在せず、且つ、印刷装置100がスタンバイ状態である事を条件に、制御部205が表示部401に表示させる、表示画面である。制御部205は、システム1000の状態がこの状態である場合に、新規のジョブを投入可能にシステム1000を制御する。
この画面2011を表示させている状態にて、オペレータが印刷装置100のカバーをオープンすると、その旨を示す情報を内部の信号線を介して制御部205は受ける。この情報通知を契機に制御部205は、カバーを閉めるように促す画面表示2012を表示部401に表示させる。
このように、印刷装置100自身が具備するオペレータの手動操作に応答可能な可動ユニットがオープン状態である場合、制御部205は、該印刷装置100に対する新規ジョブの投入を出来ないように、新たな印刷実行要求の受付けを制限(禁止)する。又、このように、印刷装置100自身のカバーオープン時は、他のシート処理装置群が動作可能状態であっても、制御部205は、印刷装置100による印刷処理の実行を禁止する。又、この装置100のカバーオープン時には、制御部205は、印刷処理を要する全てのジョブの全ての動作を禁止するように制御する。その為にも、制御部205は、表示部401の表示内容を、画面2012の表示内容とすることで、印刷処理を実行するための指示などの入力が実行不可状態となるよう制御する。
本実施形態にて、制御部205は、この画面2012を、印刷装置100の可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化した事を契機に、表示部401に自動的に表示させる。この画面2012は、印刷装置100自身が具備する可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が具備されるように構成されている。
尚、画面2012の表示期間中でも、制御部205は、表示画面下方領域に位置する「システム状況/中止」キーはオペレータにより押下可能に制御する。このキーは、システム1000のデバイス状況をオペレータに報知するための指示を入力する際等に利用される。
例えば、画面2012を表示部401に表示させている状況下にて同画面2012の「システム状況/中止」キーがオペレータ入力されたとする。この「システム状況/中止」キーの入力を契機に制御部205は、該画面2012に代わって、デバイス状況表示を行う画面2013を、表示部401に、表示させる。
尚、上記ケースの場合、制御部205は、この画面2013を表示中でも、上記画面2013を表示中でも、画面下方のステータスラインには、印刷装置100のカバーがオープン状態である事を示すステータス情報の表示を維持させる。
次に、システム1000により印刷処理すべきジョブが存在しない場合にてシート処理装置が有するオペレータによる手動操作に応答可能な可動ユニットがオープン状態である事を条件に、制御部205が実行する制御について説明する。この制御を、ここでは、図21A、21Bを用いて説明する。ここで述べる、シート処理装置とは、本実施形態におけるインラインフィニッシャに該当する。
本形態にて、印刷装置100の可動ユニットがクローズ状態である事を制御部205により確認する。且つ、システム1000にて利用可能な複数のシート処理装置群200のうちの少なくとも何れかのシート処理装置が有する可動ユニットがオープン状態である事を制御部205により確認する。
このケースの場合、制御部205は、印刷処理を要する新規ジョブの投入を許可する。例えば、このケースの場合、制御部205は、新規ジョブの印刷処理条件の設定及び印刷実行要求を操作部204を介して受付け可能に制御する。
但し、このケースでは、システム1000のデバイスの状態としては、シート処理装置が具備する可動ユニットがオープン状態である。故に、このステータス情報をオペレータに伝達するために、表示部401の表示画面領域の最下部のステータスラインに、当該情報を示すメッセージ表示を行うように制御部205は表示部401を制御する。
以下、この、表示部401を具備する操作部204に対して制御部205が実行する表示制御の具体例を、図21Aの表示画面2101〜図21Bの表示画面2116を用いて説明する。尚、この図21A、図21Bでは、オペレータによる手動操作に応答可能に構成された本実施形態が開示する可動ユニットの代表例として、合計、15個種類の可動ユニットを例示する。又、この図21A、図21Bの各表示は、少なくとも、印刷装置100の可動ユニットはクローズ状態である事を制御部205が確認した事を前提に、実行される表示である。まず、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも大容量スタッカが存在する事、及び、このスタッカの前カバー(図19の前ドア2002に相当)がオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、図21Aの画面2101を表示させる。この画面2101を介して、制御部205は、当該前カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。
このように、ステータスラインにて表示対象となる候補の1つに該当する画面2101に例示のメッセージを、例えば、スタックトレイの印刷物を取り除くために該大容量スタッカの前カバーが開いている事を条件に、制御部205は、表示部401に表示させる。尚、この画面2101のステータスラインに表示させているステータス情報は、該スタッカの前カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205は表示部401を制御する。次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも大容量スタッカが存在するシステム構成である事、及び、該スタッカの上カバーがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2102を表示させる。この画面2102を介して、制御部205は、当該上カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。
本形態の大容量スタッカは、例えば該装置のストレートパス(図11の内部構成参照)でのジャム処理を行うためにオペレータによる開閉操作が可能な可動ユニットとして、上カバーも具備する。、この上カバーがオペレータによりオープンされた事を確認した場合に、制御部205は画面2102に例示のメッセージを表示部401に表示させる。尚、この画面2102のステータスラインに表示させているステータス情報は該スタッカの上カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205は表示部401を制御する次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも大容量スタッカが存在する事、及び、このスタッカの排紙トレイカバーがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2103を表示させる。この画面2103を介して、制御部205は、当該排紙トレイカバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。
本形態の大容量スタッカは、オペレータによる手動操作に応答可能に構成された可動ユニットとして、エスケープパスからエスケープトレイへとシートを搬送する部分(図11の内部構成参照)に排紙トレイカバーを具備する。この排紙トレイカバーがオペレータによりオープンされた事を確認した場合に、制御部205は画面2103に例示のメッセージを表示部401に表示させる。尚、この画面2103のステータスラインに表示させているステータス情報は該排紙トレイカバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205は表示部401を制御する。
ここで、システム1000の状況として、以上の、図21Aの画面2101〜画面2103の3種類の表示のうちの何れかの表示を操作部204に実行させている状況下にあるとする。即ち、システム1000で利用可能なインラインフィニッシャに該当する大容量スタッカが有する可動ユニット(この例では、前カバー、上カバー、排紙トレイカバーの何れか)がオープン状態であるとする。この状況下にて、制御部205が印刷処理の開始を許可する対象のジョブは、大容量スタッカによるシート処理が不要なジョブである。
例えば、図21Aの画面2101〜2103の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、大容量スタッカによるシート処理が不要なジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケースの場合、制御部205は、この大容量スタッカの可動ユニットのオープン状態を示すメッセージ表示はステータスライン上にて表示させたままの状態となるように当該ステータス情報の表示は維持させる。
但し、このケースの場合、この大容量スタッカの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示は表示部401により実行させる事無しに当該ジョブの印刷処理を印刷装置100により開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、許可する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
一方、画面2101〜画面2103の何れかの表示を実行させている状況下では、特定条件を満足しない限り、この大容量スタッカによるシート処理を要するジョブの印刷処理の実行を禁止(制限)するように、制御部205はシステム1000を制御する。
例えば、図21Aの画面2101〜2103の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、大容量スタッカによるシート処理を要するジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケース場合、該ジョブの印刷実行要求は入力されたものの、制御部205は、該ジョブの印刷処理の開始実行を禁止し、且つ、この大容量スタッカの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示を表示部401により実行させる。
又、このケースの場合、このガイダンス情報の表示が表示部401により実行され、且つ、この大容量スタッカの可動ユニットがオペレータによりクローズされた後に、このジョブの印刷処理を開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、禁止する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
尚、本形態では、この大容量スタッカの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示として、例えば、後述の図23の画面2304のポップアップ画面の表示を1例として採用している。次に、上記画面2101〜2103の制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも糊付け製本機が存在する事、及び、該糊付け製本機のインサータ(図12の内部構成参照)がオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2105を表示させる。この画面2105を介して、制御部205は、このインサータがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。この糊付け製本機のインサータやインサートトレイ(図12参照)も、該製本機内部のインサータパスの滞留用紙を取り除く作業の際にオペレータが開閉操作可能に構成されており、本実施形態の可動ユニットの1例である。尚、この画面2105のステータスラインに表示させているメッセージは該糊付け製本機のインサータがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも糊付け製本機が存在する事、及び、該糊付け製本機の上カバーがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2106を表示させる。この画面2106を介して、制御部205は、この糊付け製本機の上カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。この糊付け製本機の上カバーも(図12の内部構成参照)、ストレートパス部分の滞留用紙を取り除く際にオペレータが開閉操作可能に構成されており、本形態の開閉ユニットの1例である。尚、この画面2106のステータスラインに表示させているメッセージは該糊付け製本機の上カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも糊付け製本機が存在する事、及び、該糊付け製本機の前カバーがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2107を表示させる。この画面2107を介して、制御部205は、この糊付け製本機の前カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2107のステータスラインに表示させているメッセージは該糊付け製本機の前カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
ここで、システム1000の状況として、以上の、図21Aの画面2105〜画面2107の3種類の表示のうちの何れかの表示を操作部204に実行させている状況下にあるとする。即ち、システム1000にて利用可能なインラインフィニッシャに該当する糊付け製本機が具備するオペレータの手動操作に応答可能な可動ユニット(この例では、インサータ、上カバー、前カバーの少なくとも何れか)がオープン状態であるとする。この状況下にて、制御部205が印刷処理の開始を許可する対象のジョブは、糊付け製本機によるシート処理が不要なジョブである。
例えば、図21Aの画面2105〜2107の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、糊付け製本機によるシート処理が不要なジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケースの場合、制御部205は、この糊付け製本機の可動ユニットのオープン状態を示すメッセージ表示はステータスライン上にて表示させたままの状態となるように当該ステータス情報の表示は維持させる。
但し、このケースの場合、この糊付け製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示は表示部401により実行させる事無しに当該ジョブの印刷処理を印刷装置100により開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、許可する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
一方、画面2105〜画面2107の何れかの表示を実行させている状況下では、特定条件を満足しない限り、この糊付け製本機によるシート処理を要するジョブの印刷処理の実行を禁止(制限)するように、制御部205はシステム1000を制御する。
例えば、図21Aの画面2105〜2107の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、糊付け製本機によるシート処理を要するジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケース場合、該ジョブの印刷実行要求は入力されたものの、制御部205は、該ジョブの印刷処理の開始実行を禁止し、且つ、この糊付け製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示を表示部401により実行させる。
又、このケースの場合、このガイダンス情報の表示が表示部401により実行され、且つ、この糊付け製本機の可動ユニットがオペレータによりクローズされた後に、このジョブの印刷処理を開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、禁止する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
尚、本形態では、この糊付け製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示として、例えば、後述の図25の画面2503のポップアップ画面の表示を1例として採用している。
次に、上記画面2105〜2107の制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在する事、及び、該中綴じ製本機のZ折り部(図13内部構成参照)の上カバーがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Aの画面2108を表示させる。且つ、この画面2108を介して、制御部205は、このZ折り部の上カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2108のステータスラインに表示させているメッセージは、このZ折り部の上カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。この、中綴じ製本機のZ折り部が具備する上カバーも(図13の内部構成参照)、後段のシート処理装置への搬送パス上の滞留紙を取り除く際等にオペレータが開閉操作可能な可動ユニットの1例である。次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在する事、及び、該中綴じ製本機の上部に具備するインサータがオープン状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2109を表示させる。且つ、この画面2109を介して、制御部205は、このインサータがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2109のステータスラインに表示させているメッセージは該中綴じ製本機のインサータがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。この、中綴じ製本機が具備するインサータも(図13の内部構成参照)、オペレータ操作に応答可能な可動ユニットの1例である。次に、この制御例以外の制御例を以下に記す。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在する事、及び、該中綴じ製本機のZ折り部が手前に引き出された状態である事を、制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2110を表示させる。且つ、この画面2110を介して、制御部205は、このZ折り部がオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2110のステータスラインに表示させているメッセージは該中綴じ製本機のZ折り部が元の位置に戻された事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。この、中綴じ製本機のZ折り部も(図13の内部構成参照)、オペレータの手動操作に応答可能に構成された可動ユニットの1例である。
この、図13に内部構造が示される中綴じ製本機は、上記可動ユニット以外にも、オペレータによる手動操作可能な他の可動ユニットを有している。図21Bの画面2111〜画面2116にて例示のステータスラインにて表示対象の情報は、これに該当する可動ユニットがオープン状態の際に表示させる情報である。
例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機のパンチャ部やステープラが内蔵される筐体の前カバーがオープン状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2111を表示させる。且つ、この画面2111を介して、制御部205は、この中綴じ製本機の前カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2111のステータスラインに表示させているメッセージは該中綴じ製本機の前カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
又、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機のパンチャ部やステープラが内蔵される筐体の上カバーがオープン状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2112を表示させる。且つ、この画面2112を介して、制御部205は、この上カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2112のステータスラインに表示させているメッセージは、この上カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
又、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機が具備するインサータのカバーがオープン状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2113を表示させる。且つ、この画面2113を介して、制御部205は、このインサータのカバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2113のステータスラインに表示させているメッセージは、この中綴じ製本機のインサータのカバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
上述の中綴じ製本機の前カバーや上カバーやインサータのカバーも、中綴じ製本機内部の滞留紙を取り除く際等にオペレータが開閉操作可能な可動ユニットの1例である。
又、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機が具備するトリマ部のユニットが引き出されている状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2114を表示させる。且つ、該ケースの場合、画面2114のように、このトリマ部のユニットが引き出されていた状態にある旨をステータスラインでオペレータに通知した状態のままで新たなジョブの印刷実行要求をオペレータから受付可能に、制御部205は操作部204を制御する。尚、この図21Bの画面2114のステータスラインのメッセージは該トリマ部のユニットが元の位置に戻された事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。この、中綴じ製本機(図13の内部構成参照)のトリマ部のユニットも、オペレータの手動操作により引出可能に構成されており、本形態に開示の可動ユニットの1例である。
又、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機が具備するトリマ部の上カバーがオープン状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2115を表示させる。且つ、該ケースの場合、画面2115のように、このトリマ部の上カバーがオープン状態にある旨をステータスラインでオペレータに通知した状態のままで新たなジョブの印刷実行要求をオペレータから受付可能に、制御部205は操作部204を制御する。尚、この図21Bの画面2115のステータスラインのメッセージは該トリマ部の上カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
又、例えば、システム1000のインラインフィニッシャとして少なくとも中綴じ製本機が存在し、且つ、この中綴じ製本機が具備するトリマ部の前カバーがオープン状態である事を制御部205が確認したとする。このケースの場合、制御部205は、表示部401に図21Bの画面2116を表示させる。且つ、この画面2116を介して、制御部205は、このトリマ部の前カバーがオープン状態である事を通知するメッセージをステータスラインにて表示させた状態のままで新規ジョブの処理条件や印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。尚、この画面2116のステータスラインに表示させているメッセージは、このトリマ部の前カバーがクローズされた事を条件に消去するように、制御部205が表示部401を制御する。
上述のトリマ部のユニットや上カバーや前カバーも、トリマ部の内部の滞留紙を取り除く際等にオペレータが操作可能な可動ユニットの1例である。
ここで、システム1000の状況として、以上の、図21Aの画面2108〜図21Bの画面2116の9種類の表示のうちの何れかの表示を操作部204に実行させている状況下にあるとする。即ち、システム1000にて利用可能なインラインフィニッシャに該当する中綴じ製本機が具備する可動ユニットがオープン状態であるとする。この状況下にて、制御部205が印刷処理の開始を許可する対象のジョブは、例えば、該中綴じ製本機によるシート処理が不要なジョブである。
例えば、図21Aの画面2108〜図21Bの2116の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、中綴じ製本機によるシート処理が不要なジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケースの場合、制御部205は、この中綴じ製本機の可動ユニットのオープン状態を示すメッセージ表示はステータスライン上にて表示させたままの状態となるように当該ステータス情報の表示は維持させる。
但し、このケースの場合、この中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示は表示部401により実行させる事無しに当該ジョブの印刷処理を印刷装置100により開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、許可する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
一方、画面2108〜画面2116の何れかの表示を実行させている状況下では、特定条件を満足しない限り、この中綴じ製本機によるシート処理を要するジョブの印刷処理の実行を禁止(制限)するように、制御部205はシステム1000を制御する。
例えば、画面2108〜画面2116の何れかの表示を制御部205が表示部401に実行させた場合に、中綴じ製本機によるシート処理を要するジョブの印刷実行要求がキー503によりオペレータ入力されたとする。
このケース場合、該ジョブの印刷実行要求は入力されたものの、制御部205は、該ジョブの印刷処理の開始実行を禁止し、且つ、この中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示を表示部401により実行させる。
又、このケースの場合、このガイダンス情報の表示が表示部401により実行され、且つ、この中綴じ製本機の可動ユニットがオペレータによりクローズされた後に、このジョブの印刷処理を開始実行可能に、制御部205はシステム1000を制御する。
この制御は、「インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を報知ユニットにより報知させる事無しに処理対象のジョブの印刷処理を開始実行する事を、禁止する」制御に包含される制御例の1つに該当する。
尚、本形態では、この中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報の表示として、例えば、後述の図24の画面2403のポップアップ画面の表示を1例として採用している。
以上、シート処理装置群200の複数種類の可動ユニットのうちの少なくとも何れかがオープン状態である事を制御部205が確認した事を条件に、制御部205が実行する制御について、図21A〜図21Bを用いて例示した。これらの図21Aの画面2101〜図21Bの画面2116の何れかの表示させる際の制御部205が実行する制御は、図20の画面2012や画面2013を表示させる際に制御部205が実行する制御とは異なる。
例えば、図21Aと図21Bで例示の制御にて、制御部205は、表示画面最下部に位置するステータスライン上にて、可動ユニットがオープン状態である旨を示すメッセージ(ステータス情報)を表示させる。但し、制御部205は、このステータス情報の表示は維持したままで、新規ジョブの印刷処理条件の設定や印刷実行要求の入力はオペレータにより実行可能に、操作部204を制御する。
即ち、表示領域の全てを覆い尽くすような全画面表示を実行することでオペレータの一切の操作を受付不可状態とし、これにより新規ジョブの投入を禁止するといった制御を、この図21Aや図21Bに例示の制御を実行する際には、実行しない。これは、新規に投入されるジョブがどのインラインフィニッシャを使用するかが確定していない段階ではジョブ実行を禁止せず、極力、システム1000の連続運転を確保し高生産性で複数のジョブを処理可能にする、本形態の効果を図る為の仕組みの1例である。しかも、この構成は、極力、オペレータに余計な作業を要求する事無しに高操作性を維持した状態で、この効果を、享受可能となるという、本形態の更なる効果を図る為の仕組みの1例である。
尚、図21Aと図21Bで例示の計15個の可動ユニットのうちの複数の可動ユニットがシステム1000にてオープン状態であるとする。この場合、図21A、21Bの各画面のステータスラインにて表示対象となる計15種類のメッセージのうちの、オープン状態に該当する複数の可動ユニットのステータス情報を、1個ずつ、順次、ステータスライン上に表示させるよう制御部205が制御する。又、この際、制御部205は、例えば、印刷装置100に近い位置に存在するインラインフィニッシャの方から優先的に可動ユニットのオープン状態を示すメッセージを表示させる。このように、複数箇所で可動ユニットがオープン状態の場合、予め決められた優先順位に従って、これらの可動ユニットのステータス情報を表示させるように構成しても良い。又、このように、複数の可動ユニットのステータス情報を表示させる場合、これらの情報を、一定間隔毎に自動的に切り替えてステータスライン上で表示させる。これにより、オープン状態の可動ユニットの各ステータス情報の全てのメッセージを自動表示させる。このような表示制御を制御部205により実行しても良い。
次に、ジョブが投入された場合の制御について説明する。まず、上述に例示のどの可動ユニットもシステム1000にてオープンされていない場合(上記全ての可動ユニットがクローズ状態期間中)にて、新規にジョブの実行要求を制御部205が受付けた際の制御例を、図22を用いて説明する。
尚、以後の説明にて記載の「カバーオープン無し」とは、上述例が如く、ジャム除去といったオペレータの手作業等に際しオペレータが手動操作可能な可動ユニットの全てがシステム1000にてクローズ状態である事を意味する。又、以後の説明にて記載の「スタンバイ状態」とは、印刷装置100による印刷中断要因等が発生していない状態であり、印刷装置100が印刷可能な状態である事を意味する。
まず、システム1000にてスタンバイ状態の場合、その旨をオペレータに通知可能にすべく、制御部205は、図22の画面2201を表示部401に表示させる。この画面2201を介して、制御部205は、、新規ジョブの投入を待機する。
このスタンバイ状態にて、操作部204を用いて、オペレータが、処理すべき新たなジョブの印刷処理条件の設定を行い、スタートキー503を押下したとする。このキー503の押下により、制御部205は、当該ジョブの印刷開始要求がオペレータ入力されたと判断する。且つ、これを契機に制御部205は、このジョブの印刷処理を印刷装置100により開始させる。
尚、このジョブがコピージョブであるとする。この場合、制御部205は、キー503からの印刷開始要求の入力に応じ、まずは、該ジョブの印刷データの原稿読取処理をスキャナ部201により実行させる。且つ、この読取処理がなされたジョブの印刷データをHD209により記憶させる。その後、HD209に記憶された該ジョブの印刷データの印刷をプリンタ部203により実行させる。このように印刷処理に先立ち該ジョブの読取処理と記憶処理を実行する。
一方、上記ジョブがボックスジョブならば、操作部204からの印刷開始要求の入力に先立ち事前にHD209に該ジョブの印刷データは記憶済みである。故に、該ジョブがボックスジョブならば、操作部204からの印刷開始要求の入力後に、該ジョブの読取処理や記憶処理の実行無しに、HD209から該ジョブの印刷データを読み出してプリンタ部203で印刷させる。
このように、本実施形態では、コピージョブやボックスジョブなど種々のジョブを印刷対象のジョブとして取り扱うが、本形態に開示の制御は、これら種々のジョブに共通して適用可能な制御である。
以上のような方法で、印刷開始要求がなされたジョブの処理を印刷装置100により実際に開始させた事に応じて制御部205は、そのジョブの進捗状況をオペレータに通知可能に構成した表示画面を、表示部401に表示させる。
例えば、該ジョブがシステム1000にて印刷処理中ならば、その進捗状況を示す表示として、図22の画面2202の表示を実行させる。本形態では、この画面2202の表示のように、ジョブ実行中であることを示すポップアップ画面の表示を、制御部205が表示部401に表示させる。尚、この画面2202で例示のポップアップ画面は、処理中のジョブの進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知可能に構成した画面であり、本形態では、ジョブ処理状況画面と呼ぶ。
以上のような一連の処理を経て、このジョブの処理がシステム1000にて完遂したとする。この場合、これを契機に制御部205は、上記ジョブ処理状況画面を画面上から消して(閉じて)、表示部401の表示内容がスタンバイ状態時の表示内容となるように、表示部401を制御する。例えば、画面2202のポップアップ画面にて表示対象のジョブの処理が終了した事に応じて、制御部205は、画面2201の表示内容と同じ画面2203を表示部401に表示させる。
以上が、カバーオープン無しの期間中に制御部205が実行するジョブ実行制御、及び表示部401に対する表示制御の1例である。
この制御は、オペレータ操作可能な可動ユニットの全てがシステム1000にてクローズ状態期間中に実行対象となる制御である。即ち、可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープン状態に変化しなかったケースにおける制御例である。これに対し、以下では、インラインフィニッシャの可動ユニットの何れかの可動ユニットがクローズ状態からオープン状態に変化したケースにて実行するガイダンス情報の報知制御や、その際のジョブ制御について例示する。まず、オペレータ操作に伴い、システム1000の大容量スタッカの前カバーのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化したケースにて制御部205が実行する制御を、図23を用いて説明する。
まず、印刷装置100がスタンバイ状態でありカバーオープン無し状態であることを確認した事を契機に、制御部205は図23の画面2301を表示部401に表示させる。この状態の場合、制御部205は、ジョブ投入を許可する。本形態で述べるジョブ投入とは、印刷処理を要するジョブの処理を実行させる要求(指示)を入力する事を意味する。この状態で大容量スタッカの前カバーがオペレータにより開けられると、その旨を示す情報を内部の信号線を介して大容量スタッカから制御部205へ通知する。この情報により、この前カバーのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化した事を制御部205が確認する。この確認を契機に制御部205は、表示部401の表示内容を、画面2301から画面2303の表示へ遷移させる。この画面2303の表示では、ステータスライン(画面の下部)に、該スタッカの前カバーが開いていることを示すメッセージを表示するよう制御する。且つ、このメッセージの表示は維持したまま、この画面2303を介して、制御部205は、新規ジョブの印刷処理条件の設定及び印刷実行要求をオペレータから受付可能にする。尚、このようにインラインフィニッシャの可動ユニットがオープン状態の場合は、制御部205は、図20の画面2012のような全画面のカバーオープン表示を操作部204により実行させることを禁止する。
この、全画面のカバーオープン表示は、オープン状態の可動ユニットの情報を通知する役目を果たすだけのものではない。この全画面のカバーオープン表示は、印刷処理を要するジョブの処理条件の設定や該ジョブの処理を実行させる為の要求をオペレータから受付ける事を禁止する(無効化する)役目も果たす。例えば、この全画面のカバーオープン表示は、印刷装置100の可動ユニットがオープンされた事を条件に制御部205が表示部401により表示させる。先の図20の画面2012もこの1例である。以下、図23の説明に戻る。
図23の画面2303を表示部401に表示した状態で、印刷物の排紙先として大容量スタッカの排紙先が指定された新規ジョブが操作部204を用いてオペレータにより投入されたとする。例えば、図7のキー709の入力により大容量スタッカが指定された新規ジョブの印刷実行要求がスタートキー503によりオペレータ入力されたケースが、この状況に該当する。
この場合、キー503の押下により該ジョブの印刷実行要求が入力された状況ではあるものの、制御部205は、このジョブの印刷処理を印刷装置100により開始実行させる事を、禁止する。又、このケースの場合、このジョブの印刷処理の実行を禁止するのみならず、制御部205は、表示部401の表示内容を画面2303から画面2304へと遷移させる。
この制御は、当該処理対象のジョブが、可動ユニットがオープン状態のインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブである事を条件に制御部205が実行する制御である。
例えば、この処理対象のジョブは大容量スタッカの排紙先を要するジョブである。このジョブの排紙先と、現在カバーオープン状態のインラインフィニッシャの排紙先は一致する。故に、制御部205は、この判断結果を基いて当該制御を実行する。又、このケースの場合、制御部205は、このジョブの実行中断用の画面として、画面2304に示すポップアップ画面を表示部401に表示させる。
本形態では、オープン状態の可動ユニットを有するインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブの印刷処理要求が入力され場合、制御部205は、そのジョブの処理に関係する該インラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにより閉めるように促すメッセージを含んだ表示画面を、表示部401に表示させる。
尚、この画面2304のポップアップ画面には、「スタッカの前カバーを閉めて下さい」なるガイダンス情報と共に、このジョブのジョブ種と識別番号を特定するジョブ情報として「コピージョブ、受付番号0001」が含まれている。。このように、制御部205は、オペレータに、現在オープン状態の可動ユニットを具備するインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブの処理を再開させるために必要なオペレータのとるべき行動に係るガイダンス情報をUI部により報知させる。
尚、本形態では、このように「ジョブ中断」や「ジョブ再開」という表現を用いている。何故なら、このジョブは、コピージョブであり、印刷処理の開始に先立ち原稿画像データの読取処理やHD209への記憶処理を要するジョブである。
故に、この例のように、該ジョブの印刷処理の実行自体は禁止するケースでも、制御部205は、印刷処理の開始に先立って実行すべき当該ジョブにて必要な原稿読取動作等は印刷装置100にて完了させる。そして、この印刷処理の開始までに必要な処理の全てを済ませた時点にて該ジョブの処理を停止(中断)するよう印刷装置100を制御する。
本実施形態では、このような制御を制御部205が印刷装置100に対して実行する構成であるが故に、上記記載の如く「ジョブ中断」や「ジョブ再開」という表現を利用している。以下、図23の説明に戻る。
画面2304の表示例のように、本形態では、表示部401によりポップアップ表示の対象となるポップアップ画面には、処理対象のジョブに直接影響のある該ジョブ固有の情報を通知するよう制御部205により制御する。
例えば、画面2304の表示例のように、このポップアップ画面には、上記印刷処理が禁止対象のジョブの処理に影響のある可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報は表示させる。しかし、当該印刷禁止対象のジョブの処理に影響の無い可動ユニットの情報は、その可動ユニットがたとえオープン状態であっても、このポップアップ画面には表示させないように、制御部205により表示部401を制御する。例えば、そのジョブの処理に影響を受けない可動ユニットがオープン状態でも、この可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を、当該ポップアップ画面にて表示させる事を、制御部205は禁止する。
尚、このポップアップ画面やステータスライン上に表示対象となる可動ユニットに係る情報は、操作部204にてオペレータが明示的に表示指示を入力する事無しに表示部401に自動的に表示させるように制御する。例えば、本形態では、システム1000に存在する可動ユニットのステータス情報やそのステータスの変化に基いて、制御部205は、通知すべき可動ユニットの情報を自動的に表示するよう表示部401を制御する。この点は、本実施形態に開示の構成の全てに共通して該当する事項である。以下、図23の説明に戻る。
本形態では、処理対象のジョブに影響のある可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を表示させている状態でも、この情報とは区別可能にした情報として、ステータスライン上に、オープン状態の可動ユニットのステータス情報を表示可能に制御する。
例えば、処理対象のジョブの処理に影響のある可動ユニットがオープン状態である場合、その処理対象のジョブに影響のある可動ユニットがオープン状態である旨を示すメッセージを、このステータスライン上に、ステータス情報として表示可能に制御する。
しかも本形態では、処理対象のジョブに影響のない可動ユニットがオープン状態の場合でも、この処理対象のジョブに影響のない可動ユニットがオープン状態である旨を示すメッセージを、このステータスライン上に、ステータス情報として表示可能に制御する。
例えば画面2304の例にて制御部205は、スタッカの前カバーをクローズさせるガイダンス情報をポップアップ画面で表示状態中でも、このカバーがオープン状態である事をオペレータに通知するステータス情報を同画面のステータスライン上にて表示させる。前者のガイダンス情報は、処理すべきジョブに係るジョブ情報としてオペレータにより識別可能にした情報であり、このステータス情報は、システム1000のステータス情報としてオペレータにより識別可能にした情報である。
このように、本形態にて制御部205は、処理すべきジョブの処理に影響のある可動ユニットでも、影響のない可動ユニットでも、そのステータスがオープン状態ならば、そのステータス情報をステータスラインにて表示させる。且つ、本形態にて制御部205は、このステータス情報の表示は維持した状態のままで、処理すべきジョブの処理に係る可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報を、同画面上にて、表示可能に、表示部401を制御する。
又、処理対象のジョブに影響のあるインラインフィニッシャの可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報をオペレータに通知可能に構成した本形態のポップアップ画面には、特定指示がオペレータ入力可能に構成された表示キーも有するように構成している。
例えば、画面2304のポップアップ画面の如く、大容量スタッカの前カバーをクローズさせるガイダンス情報と共に「他のファンクションへ」キーと「中止キー」の表示キーを具備する画面を制御部205が表示部401に表示させる。
このポップアップ画面が具備する「他のファンクションへ」キーがオペレータ入力されたとする。この場合、現在印刷開始禁止対象のジョブの処理は待機状態のまま(即ち、このジョブの印刷開始の禁止状態は維持したまま)、このジョブ以外の他ジョブの処理を実行可能に制御部205がシステム1000を制御する。
例えば、このキーの入力を契機に制御部205は、この画面2304のポップアップ表示は画面上から消去して、該ジョブ以外の印刷処理を要する他ジョブの為の処理条件の設定と印刷実行要求をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。
又、このポップアップ画面が具備する「中止」キーがオペレータ入力されたとする。この場合、現在印刷開始禁止対象のジョブの処理は中止(キャンセル)し、且つ、このジョブ以外の他ジョブの処理は実行できるように、制御部205はシステム1000を制御する。尚、この際、例えば、印刷禁止状態の該ジョブの印刷データがHD209に既に記憶済ならば、その印刷データはHD209から消去するよう制御部205は制御する。
尚、このポップアップ画面が具備する「他のファンクションへ」キー及び「中止」キーのどちらのキーが押下された場合でも、当該状況は、上記可動ユニットがオープン状態期間中である。故に、制御部205は、ステータスラインには当該可動ユニットがオープン状態である事をオペレータ通知可能にしたステータス情報の表示は維持させる。
例えば、画面2304にて「他のファンクションへ」キー又は「中止」キーがオペレータにより押下された事に応じて、制御部205は、このポップアップ画面は閉じ、且つ、表示部401の表示内容が画面2307の表示内容となるように制御する。
又、画面2304の表示状態にて、例えば、上記画面2304のポップアップ表示を確認したオペレータが、上記印刷開始禁止対象のジョブにて要する後処理を実行すべき上記大容量スタッカが具備する現在オープン状態の前ドアを閉じたとする。即ち、この前ドアのステータスがオープンの状態からクローズの状態に変化したとする。すると、これを契機に制御部205は、上記印刷禁止対象のジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させる事を許可する。即ち、上記印刷禁止対象のジョブの処理を、この時点をもって、再開させるよう制御部205はシステムを制御する。
尚、制御部205がこのような可動ユニットのステータスやその変化を確認するにあたり、関係のあるインラインフィニッシャから内部の信号線を介して、当該確認に必要なセンサ情報を取得し、これをもって、当該確認を行う。本形態では、このような方法で、インラインフィニッシャの可動ユニットのステータスの変化を制御部205により確認可能に構成している。
又、このように、印刷禁止状態のジョブの印刷禁止状態を解除する際、上述のポップアップ画面は閉じる。これにより、当該ジョブの処理に影響のある可動ユニットをクローズさせる上記ガイダンス情報を画面から消去する。且つ、このポップアップ画面にかわって、この印刷禁止が解除されたジョブの進捗状況をリアルタイムに通知可能に構成されたジョブ処理状況画面を表示部401にポップアップ表示させる。このような表示制御を制御部205が表示部401に対して実行する。
例えば、上記前ドアがクローズされた事を契機に、制御部205は、上記ジョブの印刷処理を印刷装置100に開始させると同時に、画面2304のポップアップ画面は閉じて画面2306のポップアップ画面を自動的に表示可能に表示部401を制御する。
その後、システム1000にて実行すべきこのジョブの処理が全て完了した事を受けて制御部205は、表示部401の表示内容を画面2306から画面2308へ遷移させる。即ち、画面2301の表示状態と同じスタンバイ状態とし、該ジョブ以外の他のジョブの処理の実行要求を受付可能にする。
以上、画面2303→画面2304→画面2306→画面2308の一連の表示制御を含む本形態では制御部205が実行する制御の1例を説明した。
この制御は、処理対象のジョブの印刷処理を開始する前に当該ジョブの後処理にて要するインラインフィニッシャの可動ユニットがオープン状態である事を制御部205が確認した場合に制御部205が実行する制御である。
しかし、この制御は、処理対象のジョブの印刷をプリンタ部203にて実行中に該ジョブの後処理にて要するインラインフィニッシャの可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化した場合に制御部205が実行する制御例でもある。この点は、後述の図24や図25で例示する制御においても共通する事項である。この点に関し、図23で例示する。
例えば、少なくとも印刷装置100が具備する可動ユニットと大容量スタッカが具備する可動ユニットの、これら2つの可動ユニットのステータスが、共に、クローズ状態であるとする。この状況下にて、大容量スタッカによる後処理を要する上記ジョブの印刷実行要求がキー503により入力されたとする。すると、これを契機に、制御部205は、該ジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。そして、現在、該ジョブの印刷実行中であるとする。この際、制御部205は、該ジョブの印刷処理の進捗状況を示すポップアップ画面(例えば、図22の画面2202のポップアップ画面)を表示部401に表示させる。
このジョブの印刷処理をプリンタ部203により実行させている最中に、該ジョブの後処理にて要するインラインフィニッシャに該当する大容量スタッカの可動ユニットがオペレータ操作によりオープンされたとする。これは、該ジョブの印刷処理をプリンタ部203により実行中に、印刷装置100が具備する可動ユニットのステータスはクローズ状態のままだが該大容量スタッカの可動ユニットのステータスはオープン状態からクローズ状態に変化した事を意味する。
この状況を確認した場合、制御部205は、プリンタ部203により印刷実行中の当該ジョブの印刷処理を直ちに中断するようプリンタ部203を制御する。且つ、制御部205は、当該印刷中断をもって該ジョブを印刷待機状態とする。又、表示制御もこれに連動するよう制御する。例えば、当該状況を確認した場合、該ジョブの印刷処理の進捗情報を示す画面2202のポップアップ画面の表示は直ちに終了するよう表示部401を制御部205が制御する。と同時に、該画面にかわって、該ジョブの処理に影響のある上記大容量スタッカの可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を通知可能に構成された画面2304のポップアップ画面を直ちに表示するように制御部205は表示部401を制御する。
この画面2304の表示以降の制御は、以下の点を除き、上述と同様なので詳細は省略する。
例えば、制御部205は、この印刷中断対象のジョブの印刷処理を、上記大容量スタッカの可動ユニットのステータスがオープン状態からクローズ状態に変化した事を契機に、プリンタ部203により再開させる。但し、このケースでは、当該ジョブの印刷中断直前まで印刷処理は進んでいる。故に、該ジョブの処理再開時には、該ジョブ中断直前の段階にて未処理の部分から印刷処理を再開させる。
このように、処理対象のジョブの後処理に要するインラインフィニッシャの可動ユニットのステータスがクローズ状態からオープンの状態へ変化した事を契機に制御部205が実行する制御は、該ジョブの印刷開始前でも該ジョブの印刷実行中でも適用される。この点も、後述の制御例においても共通する事項である。
以上の、画面2301→画面2303→画面2304→画面2306→画面2308の一連の表示制御を含む上述の制御は、以下に記載の構成要件(A)の制御を本実施形態では制御部205が実行する構成の1例に包含される制御である。
(A)処理すべきジョブが、オープン状態の可動ユニットを有するインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブである場合に、該可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報をUI部に報知させる事無しに該ジョブの印刷処理を実行する事を禁止する。
又、この(A)の制御では、このガイダンス情報の報知がなされ、且つ、この可動ユニットがクローズされた(該可動ユニットのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化した)事を条件に、このジョブの印刷処理を実行させる。
本形態にて制御部205は、この(A)の制御を実行するのみならず、以下に記載の構成要件(B)の制御も実行する。
(B)処理すべきジョブが、オープン状態の可動ユニットを有するインラインフィニッシャによる後処理は不要なジョブである場合に、該可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報をUI部に報知させる事無しに該ジョブの印刷処理を実行する事を許可する。
しかも、この(B)の制御では、たとえ、オープン状態中の可動ユニットがシステム1000にてオープン状態のままでも、このインラインフィニッシャによる後処理が不要な当該ジョブの印刷処理をシステム1000により開始実行する事を許可する。
尚、この(B)と(A)のどちらの制御を実行する場合でも、制御部205は、オープン状態の可動ユニットがオープン状態である事を示すステータス情報の報知は、UI部により実行可能にする。
又、この(B)の制御に包含される制御例の1例として、ここでは、制御部205が、画面2303から画面2304への遷移は禁止し、画面2303から画面2305へ遷移させるケースにおける制御例でもって説明する。
この画面2303を表示させている状態は、大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態ではあるが、制御部205は、新規ジョブの受付けを許可している状況である。但し、制御部205が、この画面2303を介してオペレータ入力される印刷実行要求を契機に印刷処理の実行を許可するジョブの種類は、大容量スタッカにより後処理が不要なジョブである。
例えば、表示部401に画面2303を表示させている状態から、印刷物の排紙先として中綴じ製本機の排紙先を要するジョブの印刷実行要求が操作部204を用いてオペレータに入力されたとする。例えば図7の画面700を介して処理対象のジョブの為に中綴じ製本機による後処理を設定し、キー503を押下したケースがこれに該当する。このように、大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態期間中に、印刷物の排紙先として中綴じ製本機(図23ではフィニッシャと記している)がオペレータ設定により指定された新規ジョブが投入されたとする。
このケースの場合、制御部205は、上記大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態であっても、この中綴じ製本機の排紙先を要するジョブの印刷処理を印刷装置100により実行する事を許可する。故に、このジョブの印刷実行要求が画面2303の表示を介して入力された事を契機に制御部205は、該ジョブの印刷処理をプリンタ部203により開始させる。且つ、これに連動して、制御部205は、表示部401の表示内容を画面2303から画面2305の表示内容へ遷移させる。
この画面2305の表示にて、制御部205は、この印刷実行を許可したジョブの処理状況をリアルタイムに通知可能に構成されたジョブ処理状況画面をポップアップ表示するよう表示部部を制御する。しかも、このジョブの処理状況を該ポップアップ画面でリアルタイムに通知する状態は維持したまま、同画面2305のステータスライン上に、大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態である旨を示すステータス情報を表示させる。
この画面2305の表示例では、該ジョブの処理状況をポップアップ画面にて表示した状態のままで、大容量スタッカの前カバーがオープン状態であるメッセージをステータスラインにて表示するように、制御部205は表示部401を制御している。
このジョブの処理がシステム1000にて全て終了すると、これを受け制御部205は、このジョブ処理状況画面のポップアップ表示は終了させ、表示部401の表示内容をスタンバイ状態時の表示に復帰するよう表示部401を制御する。但し、この例では、大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態のままである。故に、制御部205は、表示部401の表示内容は、画面2303と同じ状態に該当する画面2307の表示内容となるように制御する。且つ、この画面2307を介して、制御部205は、再度新たなジョブの印刷処理条件の設定や印刷実行要求の入力をオペレータから受付可能に操作部204を制御する。
尚、画面2307のステータスラインにて表示対象の情報は、システム1000にて大容量スタッカの当該可動ユニットがオペレータによりクローズされた事を条件に画面上から消去するよう制御部205は表示部401を制御する。
又、画面2303→画面2305→画面2307の一連の制御にて制御部205は、上記大容量スタッカの前カバーをオペレータにクローズさせるガイダンス情報の表示を表示部401に実行する事無しに上記ジョブの印刷処理を実行可能にシステム1000を制御する。
例えば、このケースにおいては、大容量スタッカの排紙先を要すジョブの制御では表示対象の画面2304のポップアップ画面を表示することは禁止するように、制御部205は表示部401を制御する。
このように、オペレータ自身は望んでいないも拘らず、スタッカのカバーを閉じる操作を促すガイダンス情報が不必要に報知されるといったトラブルも抑えた環境で、可能な限りシステム1000の動作を停止させずに連続運転可能にする。
しかも、このように、可動ユニットがオープン状態期間中でも、可能な限り、システム1000の連続運転を可能にするのみならず、ステータスラインにて当該可動ユニットのオープン状態を示すステータス情報の表示は維持可能に構成する。
これにより、高生産性で複数のジョブを処理可能にする点を優先したが為に操作性に影響を及ぼすといった新たなトラブルも発生する事無しに、システム1000にて高生産性と高操作性の両立が実現可能となる。
以上の、構成要件(B)の制御例に包含される制御例の応用例を、図24を用いて以下に説明する。
この図24では、システム1000に存在する複数のインラインフィニッシャの複数の可動ユニットがオープン状態であるケースにて制御部205が実行する制御例の1例である。
まず、システム1000にてドアオープン無し状態で且つスタンバイ状態の場合、これを条件に制御部205は、画面2401の表示を表示部401に実行させる。この画面2401を介して、制御部205は、スタンバイ状態を示す情報をオペレータに通知した状態で、新規ジョブの投入を許可する。
この画面2401を表示させている状態でシステム1000の大容量スタッカの前カバー、および中綴じ製本機の前カバーをオペレータにより開けられたとする。即ち、これら二つの可動ユニットのステータスが、両方とも、クローズ状態からオープン状態へ変化したとする。すると、これを契機に制御部205は、これらの可動ユニットがオープン状態である事をオペレータに通知可能にするステータス情報をステータスライン上にて表示するよう表示部401を制御する。但し、この例では、ステータスラインにて一度にこれらの情報は表示させない。ここでは、まず、画面2402の表示となるように制御部205により制御する。制御部205は、この画面2402のステータスラインには、大容量スタッカの前カバーが開いてることを示すメッセージを表示させている。これは、HD209に登録済のシステム1000のシステム構成情報に基いて決定される優先順位に基き、制御部205が、これらの可動ユニットのオープン状態を示す複数のステータス情報を表示部401に表示させる構成の1例である。
例えば、システム1000が図8Aのシステム構成であるとする。この構成は、中綴じ製本機(フィニッシャ)よりも大容量スタッカの方が印刷装置100に近い位置に存在するシステム構成である。、このシステム構成情報に基き制御部205は、中綴じ製本機の可動ユニットのステータス情報よりも、大容量スタッカのステータス情報を優先的に表示部401に表示させる。故に、画面2402を表示させる段階では、上記2つの可動ユニットが共にオープン状態であるが、制御部205は、表示部401の表示内容を画面2402の表示内容とする。即ち、ステータスライン上にて当該スタッカの前カバーのオープン状態を示すメッセージを表示させる。なお、これらオープン状態の2つの可動ユニットのオープン状態を示す2つのステータス情報のメッセージをトグル表示で、一定時間毎に切り替えて表示するよう制御部205により制御する構成にしても良い。
このように、システム1000にて大容量スタッカの可動ユニットと中綴じ製本機の可動ユニットの2つがオープン状態期間中であり、且つ、表示部401に画面2402を表示させている状況とする。この状況にて、制御部205は、この画面2402を介して、印刷処理すべき新規ジョブの投入(印刷実行要求の入力)を待機する。
ここで、この画面2402を介して印刷処理条件の設定がオペレータにより行われ且つスタートキー503の押下により印刷実行要求が入力されたジョブが、大容量スタッカの排紙先へ印刷物を排出する必要があるジョブであるとする。以下、このジョブをジョブ24Aと呼ぶ。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、このジョブ24Aの実行をシステム1000にて中断状態にし、該ジョブ24Aの印刷処理をプリンタ部203により実行する事も禁止する。と、同時に、該ケースの場合、制御部205は、該ジョブ24Aにて要するインラインフィニッシャの可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401に表示させる。この例では、表示部401の表示内容が画面2402から画面2404の表示内容へ遷移するように制御部205が表示部401を制御する。同画面2404には、ジョブ24Aの排紙先と、カバーオープン状態であるカバー位置が一致するため、ジョブ実行中断のポップアップ画面(「スタッカの前カバーを閉めて下さい」)が表示されている。
この画面2404を表示部401に表示させている状態で、システム1000にてオペレータにより上記中断状態(印刷禁止状態)のジョブ24Aにて要する当該大容量スタッカの前カバーを閉じる操作が行われた事を制御部205が確認したとする。但し、上記中綴じ製本機の可動ユニットはクローズされずにオープン状態のままであるとする。
この場合でも、上記ジョブ24Aにて要する大容量スタッカの可動ユニットのステータスはオープン状態からクローズ状態へ変化したケースに該当する。
故に、たとえ中綴じ製本機の可動ユニットはオープン状態のままであっても、これによらずに、制御部205は、このスタッカの可動ユニットのステータスの変化を確認した事を契機に、ジョブ24Aの印刷処理を印刷装置100により開始実行する事を許可する。そして、この時点から、制御部205は、このジョブ24Aをシステム1000により再開させ、且つ、このジョブ24Aの印刷処理をプリンタ部203により実行可能にする。且つ、これと同時に、制御部205は、上記大容量スタッカの可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報の表示は終了させ、かわりに、該ジョブ24Aの進捗状況を示した表示を表示部401により実行させる。この例では、表示部401の表示内容が画面2404から画面2406の表示内容へ遷移するように制御部205が制御する。
この画面2406の表示では、上記大容量スタッカの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が含まれたポップアップ画面(画面2404にて表示対象のポップアップ画面)は、閉じられている。そのかわりに、印刷禁止状態が制御部205により解除された上記ジョブ24Aのシステム1000における進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知可能に構成されたジョブ処理状況画面を、ポップアップ表示させている。
尚且つ、現段階では大容量スタッカの可動ユニットがクローズ済みである事を制御部205は確認済である。故に、この画面2406の表示では、この可動ユニットのステータス情報はステータスライン上から消去させている。
但し、現段階でも、上記ジョブ24Aの処理にて要さない中綴じ製本機の可動ユニットのステータスの変化は未確認である。即ち、中綴じ製本機の可動ユニットは現段階でもオープン状態である。
故に、この画面2406の表示では、ジョブ24Aの進捗状況をリアルタイムに通知する状態は維持したまま(ジョブ処理状況画面は有効表示状態のまま)、該ジョブにて要さない中綴じ製本機の可動ユニットのステータス情報をステータスラインに表示させる。この画面2406のステータスラインでは、中綴じ製本機(図中ではフィニッシャと記載)の前カバーが開いていることを示すメッセージを表示させている。
この画面2406を表示させた状態にて、上記ジョブ24Aの為に実行すべき処理がシステム1000にて全て終了すると、これを契機に制御部205は、スタンバイ状態に戻るようシステム1000を制御する。又、このジョブ24Aの終了を契機に制御部205は、表示部401の表示内容も画面2406から画面2408へ遷移させる。
尚、ジョブ24Aの処理が終了した時点のシステム1000の状況は、スタンバイ状態ではあるが、中綴じ製本機の可動ユニットはオープン状態のままである。故に、制御部205は、該画面2408の表示にて、ジョブ24A以外の新規ジョブの印刷処理条件の設定と印刷実行要求を受付可能にすると共に、中綴じ製本機の可動ユニットがオープン状態である事を示すステータス情報をステータスラインにて表示させる。画面2408のステータスラインの「フィニッシャの前カバーが開いています」というメッセージは、当該中綴じ製本機の可動ユニットがオープン状態である事を意味する。この画面2408のステータスライン上に表示している情報は、該中綴じ製本機の可動ユニットがクローズされた事を条件に、画面上から消去するよう制御部205は表示部401を制御する。
次に、画面2402が表示されている状態から、排紙先を中綴じ製本機(フィニッシャ)に指定してジョブ投入したケースにて制御部205が実行する制御例について説明する。
例えば、上記2つの可動ユニットが両方ともオープン状態の期間中に、画面2402を介してオペレータ操作により新規投入されたジョブが、上記ジョブ24Aとは異なるインラインフィニッシャを要するジョブであるとする。例えば、このジョブは、中綴じ製本機の排紙先へ印刷物の排出を要するジョブであるとする。以下、このジョブをジョブ24Bと呼ぶ。
このケースに該当する判断を下した場合も、制御部205は、このジョブ24Bの実行をシステム1000にて中断状態にし、該ジョブ24Bの印刷処理をプリンタ部203により実行する事も禁止する。と、同時に、該ケースの場合、制御部205は、該ジョブ24Bにて要するインラインフィニッシャの可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401に表示させる。
尚、このケースの場合でも、大容量スタッカの可動ユニットと中綴じ製本機の可動ユニットの両方が共にオープン状態である。即ち、このジョブ24Bの印刷実行要求を受付けた時点の状況と、先のジョブ24Aの印刷実行要求を受付けた時点の状況は同じである。しかし、このケースにて処理対象のジョブ24Bは、大容量スタッカの排紙先を利用しないジョブであり、中綴じ製本機の排紙先を利用するジョブである。
そこで、このケースに該当する判断を下した場合には、制御部205は、表示部401の表示内容を画面2402から画面2404へ遷移させる事を禁止し、画面2402から画面2403へ遷移させる。この画面2403の表示では、ジョブ24Bの後処理にて要する中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を、該ジョブ24Bのジョブ情報として、ポップアップ表示させる。
但し、同画面2403の表示におけるステータスライン上には、該ジョブ24Bの後処理にて利用しない大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態である事をオペレータ通知する為のステータス情報を、システム1000のステータス状況として、表示させる。即ち、中綴じ製本機の可動ユニットのオープン状態を示すステータス情報よりも、大容量スタッカの可動ユニットのオープン状態を示すステータス情報を優先して、ステータスラインにて表示させる。
これは、システム1000は図8Aに示すシステム構成であり、且つ、上記2台のインラインフィニッシャのうち印刷装置100により近い装置は中綴じ製本機ではなく大容量スタッカである事に基いて制御部205が実行する表示制御である。
このように、上記2つの可動ユニットがオープン状態期間中に受付けた処理対象のジョブがジョブ24Aではなくジョブ24Bに該当するケースの場合、以上のような表示制御でもって、制御部205は、上記画面2403の表示を表示部401に実行させる。
尚、画面2403の表示例にて、ステータスライン上では上記スタッカの前カバーオープンをメッセージ表示している。一方、同画面2403のジョブ24Bの中断を示すポップアップ画面上では該ジョブ24Bの排紙先である中綴じ製本機の前カバーを閉めるように促すメッセージ(図中では「フィニッシャの前カバーを閉めて下さい」)を表示している。このように、本形態にて制御部205は、システム1000のステータス情報としての可動ユニットの情報表示と、ジョブに関係するガイダンス情報としての可動ユニットの情報表示を独立に制御している。ジョブ24Bの制御例の説明に戻る。
画面2403の表示を表示部401に表示させている状態で、システム1000にてオペレータにより上記中断状態(印刷禁止状態)のジョブ24Bにて要する当該中綴じ製本機の前カバーを閉じる操作が行われた事を制御部205が確認したとする。但し、上記大容量スタッカの可動ユニットはクローズされずにオープン状態のままであるとする。
この場合でも、上記ジョブ24Bにて要する中綴じ製本機の可動ユニットのステータスはオープン状態からクローズ状態へ変化したケースに該当する。
故に、たとえ大容量スタッカの可動ユニットはオープン状態のままであっても、これによらずに、制御部205は、この中綴じ製本機の可動ユニットのステータスの変化を確認した事を契機に、ジョブ24Bの印刷処理を印刷装置100により開始実行する事を許可する。そして、この時点から、制御部205は、このジョブ24Bをシステム1000により再開させ、且つ、このジョブ24Bの印刷処理をプリンタ部203により実行可能にする。且つ、これと同時に、制御部205は、上記中綴じ製本機の可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報の表示は終了させ、かわりに、該ジョブ24Bの進捗状況を示した表示を表示部401により実行させる。この例では、表示部401の表示内容が画面2403から画面2405の表示内容へ遷移するように制御部205が制御する。
この画面2405の表示では、上記中綴じ製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が含まれたポップアップ画面(画面2403にて表示対象のポップアップ画面)は、閉じられている。そのかわりに、印刷禁止状態が制御部205により解除された上記ジョブ24Bのシステム1000における進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知可能に構成されたジョブ処理状況画面を、ポップアップ表示させている。
但し、現段階でも、上記ジョブ24Bの処理にて要さない大容量スタッカの可動ユニットのステータスの変化は未確認である。即ち、大容量スタッカの可動ユニットは現段階でもオープン状態である。
故に、この画面2405の表示では、ジョブ24Bの進捗状況をリアルタイムに通知する状態は維持したまま(ジョブ処理状況画面は有効表示状態のまま)、該ジョブにて要さない大容量スタッカの可動ユニットのステータス情報をステータスラインに表示させる。この画面2405のステータスラインでは、大容量スタッカの前カバーが開いていることを示すメッセージを表示させている。
この画面2405を表示させた状態にて、上記ジョブ24Bの為に実行すべき処理がシステム1000にて全て終了すると、これを契機に制御部205は、スタンバイ状態に戻るようシステム1000を制御する。又、このジョブ24Bの終了を契機に制御部205は、表示部401の表示内容も画面2405から画面2407へ遷移させる。
尚、ジョブ24Bの処理が終了した時点のシステム1000の状況は、スタンバイ状態ではあるが、大容量スタッカの可動ユニットはオープン状態のままである。故に、制御部205は、該画面2407の表示にて、ジョブ24B以外の新規ジョブの印刷処理条件の設定と印刷実行要求を受付可能にすると共に、大容量スタッカの可動ユニットがオープン状態である事を示すステータス情報をステータスラインにて表示させる。この画面2407のステータスライン上に表示している情報は、該大容量スタッカの可動ユニットがクローズされた事を条件に、画面上から消去するよう制御部205は表示部401を制御する。
以上、システム1000にて2つのシート処理装置でカバーオープンが発生している状態でのジョブ投入がされた場合の、制御部205が実行する、カバーオープン表示の制御と、ジョブ中断およびジョブ再開の制御について説明した。
次に、図25を用いて、大容量スタッカと糊付け製本機と中綴じ製本機(フィニッシャ)の3つのシート処理装置でそれぞれカバーが開いている場合に制御部205が実行する表示制御とジョブ制御の1例について説明する。尚、図25に記す「くるみ製本機」とは図8Aの糊付け製本機に相当する。又、図24に例示の制御例も、図25に例示の制御も、システム1000のシステム構成が図8A、図8Bに示すシステム構成である事を制御部205により確認した事を前提に実行される制御例である。図25の説明に戻る。
まず、システム1000がスタンバイ状態で且つカバーオープン無し状態である事を制御部205が確認した場合、制御部205は、表示部401に画面2501の表示を実行させる。この画面2501の表示にて、制御部205は、スタンバイ状態である旨を通知する情報として「コピーできます」なるメッセージを表示させ、且つ、新規ジョブの投入を待機する。
この画面2501の表示を実行させている状態で、システム1000の大容量スタッカの前カバー、中綴じ製本機(フィニッシャ)の前カバー、糊付け製本機の前カバーの合計3つの可動ユニットがオペレータ操作により開けられたとする。即ち、処理すべきジョブが存在しない状況下にて、これら3つの可動ユニットの全てのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化したとする。すると、これら可動ユニットのステータスの状態変化の発生を確認した事を契機に制御部205は、表示部401の表示内容を画面2501から画面2502へ遷移させる。
この画面2502の表示にて、制御部205は、ステータスライン上に大容量スタッカのカバーが開いてることを示すメッセージを、他の上記2つの可動ユニットのオープン状態を示すステータス情報に優先して、表示させる。これは、オープン状態の各可動ユニットの夫々の位置と印刷装置100の位置との配置関係に基いて決定される優先順位に基いた、上述の、可動ユニットのステータス情報の表示制御によるものである。故に、ここでは割愛する。
この画面2502の表示を表示部401にて実行させている状態にて操作部204を介してオペレータ操作により新規投入されたジョブが、糊付け製本機の排紙先を要するジョブであるとする。以下、このジョブをジョブ25Aと呼ぶ。この状況は、上記3つの可動ユニットが全てオープン状態である期間中に制御部205が印刷実行要求を受付けた当該ジョブ25Aが、図8Aの糊付け製本機による後処理を要するジョブである事を意味する。
このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、このジョブ25Aの実行をシステム1000にて中断状態にし、該ジョブ25Aの印刷処理をプリンタ部203により実行する事も禁止する。と、同時に、該ケースの場合、制御部205は、該ジョブ25Aにて要するインラインフィニッシャの可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を表示部401に表示させる。例えば、ここで、制御部205は、表示部401の表示内容を、画面2502から画面2503へと遷移させる。
尚、このケースの場合、システム1000にて、大容量スタッカの可動ユニットと糊付け製本機の可動ユニットと中綴じ製本機の可動ユニットの3つの可動ユニットが全てオープン状態である。且つ、大容量スタッカの可動ユニットのオープン状態である事を示すステータス情報を優先して表示させるケースに該当する。
故に、画面2503の表示にて、制御部205は、ジョブ25Aの排紙先に要する糊付け製本機の可動ユニットをクローズさせる為のガイダンス情報を含んだポップアップ画面を表示させた状態で、ステータスライン上にて大容量スタッカのステータス情報を表示させる。
尚、この画面2503を表示させている状態で、オペレータが該ジョブ25Aに関係の無い可動ユニットをクローズしたとする。例えば、画面2503の表示期間中に、該ジョブ25Aの後処理にて要さない上記大容量スタッカの前カバーがオペレータによりクローズされたケースが、これに該当する。
この場合、この大容量スタッカの可動ユニットのステータスはオープン状態からクローズ状態へ変化したが、該ジョブ25Aに関係のある上記糊付け製本機の可動ユニットのステータスは変化しておらずオープン状態のままである。
故に、この大容量スタッカのステータスが変化した場合でも、制御部205は、上記中断状態(印刷禁止状態)のジョブ25Aの当該中断状態はシステム1000にて維持させる。即ち、オープン状態の大容量スタッカの可動ユニットがクローズされても、当該ジョブ25Aの印刷処理を実行する事は禁止する。且つ、該ジョブ25Aにて要する糊付け製本機の可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報の表示も、そのまま維持するように、制御部205は表示部401を制御する。
但し、この大容量スタッカのステータスの変化を契機に、制御部205は、ステータスラインにて表示させるステータス情報は切り換るように表示部401を制御する。この例では、表示部401の表示内容を画面2503から画面2504へ遷移させる。
この制御は、画面2503の表示におけるステータスライン上にて表示対象のステータス情報は大容量スタッカのステータス情報であり、この大容量スタッカの可動ユニットはクローズされた事を制御部205が確認した事に基いて実行する制御である。
故に、この画面2504の表示にて、制御部205は、上記ジョブ25Aのポップアップ表示は維持した状態である一方で、同画面2504のステータスライン上では、糊付け製本機の可動ユニットがオープン状態である通知するステータス情報を表示させる。
尚、このステータス情報として現時点にて表示対象となる候補は、糊付け製本機の可動ユニットがオープン状態である事を通知するステータス情報と、中綴じ製本機の可動ユニットがオープン状態である事を通知するステータス情報である。しかし、大容量スタッカの可動ユニットのステータス情報の次に優先順位が高いステータス情報は、中綴じ製本機の可動ユニットのステータス情報では無く、糊付け製本機の可動ユニットのステータス情報である。これも上述の優先順位に基いた表示制御の説明のとおりである。
故に、制御部205は、画面2504の表示にて、この上から2番目の優先順位の糊付け製本機の可動ユニットのステータス情報をステータスラインにて表示させる。
このように、ジョブ25Aを再開する為のガイダンス情報の表示は維持させたままでも、ステータスラインにて表示対象のメッセージは、2番目に優先度の高い糊付け製本機(図中ではくるみ製本ユニットと表記)の前カバーの情報へ切り替わるように制御する。ジョブ25Aの説明に戻る。
画面2504を表示部401に表示させている状態にて、同画面2504のポップアップ画面のガイダンス情報に従い、オペレータにより糊付け製本機の可動ユニット(図中ではくるみ製本ユニットの前カバーと表記)が閉じられたとする。但し、上記中綴じ製本機の可動ユニットはクローズされずにオープン状態のままであるとする。
この場合でも、上記ジョブ25Aにて要する糊付け製本機の可動ユニットのステータスはオープン状態からクローズ状態へ変化したケースに該当する。
故に、たとえ中綴じ製本機の可動ユニットはオープン状態のままであっても、これによらずに、制御部205は、この糊付け製本機の可動ユニットのステータスの変化を確認した事を契機に、ジョブ25Aの印刷処理を印刷装置100により開始実行する事を許可する。そして、この時点から、制御部205は、このジョブ25Aをシステム1000により再開させ、且つ、このジョブ25Aの印刷処理をプリンタ部203により実行可能にする。且つ、これと同時に、制御部205は、上記糊付け製本機の可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報の表示は終了させ、かわりに、該ジョブ25Aの進捗状況を示した表示を表示部401により実行させる。この例では、表示部401の表示内容が画面2504から画面2505の表示内容へ遷移するように制御部205が制御する。
この画面2505の表示では、上記糊付け製本機の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が含まれたポップアップ画面(画面2503や2504にて表示対象のポップアップ画面)は、閉じられている。そのかわりに、印刷禁止状態が制御部205により解除された上記ジョブ25Aのシステム1000における進捗状況をリアルタイムにオペレータに通知可能に構成されたジョブ処理状況画面を、ポップアップ表示させている。
尚且つ、現段階では糊付け製本機の可動ユニットがクローズ済みである事を制御部205は確認済である。故に、この画面2505の表示では、この可動ユニットのステータス情報はステータスライン上から消去させている。
但し、現段階でも、上記ジョブ25Aの処理にて要さない中綴じ製本機の可動ユニットのステータスの変化は未確認である。即ち、中綴じ製本機の可動ユニットは現段階でもオープン状態である。
故に、この画面2505の表示では、ジョブ25Aの進捗状況をリアルタイムに通知する状態は維持したまま(ジョブ処理状況画面は有効表示状態のまま)、該ジョブにて要さない中綴じ製本機の可動ユニットのステータス情報をステータスラインに表示させる。この画面2505のステータスラインでは、中綴じ製本機(図中ではフィニッシャと記載)の前カバーが開いていることを示すメッセージを表示させている。
この画面2505を表示させた状態にて、上記ジョブ25Aの為に実行すべき処理がシステム1000にて全て終了すると、これを契機に制御部205は、スタンバイ状態に戻るようシステム1000を制御する。又、このジョブ25Aの終了を契機に制御部205は、表示部401の表示内容も画面2505から画面2506へ遷移させる。
尚、ジョブ25Aの処理が終了した時点のシステム1000の状況は、スタンバイ状態ではあるが、中綴じ製本機の可動ユニットはオープン状態のままである。故に、制御部205は、該画面2506の表示にて、ジョブ25A以外の新規ジョブの印刷処理条件の設定と印刷実行要求を受付可能にすると共に、中綴じ製本機の可動ユニットがオープン状態である事を示すステータス情報をステータスラインにて表示させる。画面2506のステータスラインの「フィニッシャの前カバーが開いています」というメッセージは、当該中綴じ製本機の可動ユニットがオープン状態である事を意味する。この画面2506のステータスライン上に表示している情報は、該中綴じ製本機の可動ユニットがクローズされた事を条件に、画面上から消去するよう制御部205は表示部401を制御する。
以上、3種類の可動ユニットの全てオープン状態になった場合にて制御部205が実行するシステム1000におけるジョブ制御と当該ジョブ制御に連動する操作部204に対する表示制御の1例を説明した。
最後に、図26のフローチャートを用いて制御の流れを説明する。図26の左側はジョブの状態表示、及び中断/再開を判断する処理のフローチャートであり、右側は印刷システム全体のデバイスの状態表示を制御する処理のフローチャートである。左側のフローチャートは、主にジョブの中断時や実行中の表示状態に係るものであり、右側のフローチャートは、主にステータスラインに表示するカバーオープン状態の制御に関するものである。
先ず、ジョブ状態表示制御処理はステップS2601からスタートし、ステップS2602では、ジョブ投入がなされたか否かをチェックする。これは換言すると例えばS2602にて制御部205は、印刷処理を要するジョブの実行要求が本形態のUI部を介してオペレータ入力されたか否かを判断する事を意味する。このチェックの結果、ジョブ投入がなされていない場合には処理をステップS2602に戻すのであるが、ジョブ投入がなされた場合には、処理をステップS2603に進める。
ステップS2603では、投入されたジョブの排紙先を指定する情報を解析する。そしてステップS2604では、この解析により特定された排紙先に関係するカバーがオープン状態であるか否かをチェックする。このチェックの結果、関係するカバーが開いていない場合には、処理をステップS2605に進め、ジョブを実行する。そして処理をステップS2607に進め、システム1000に存在するインラインフィニッシャのカバーの開閉状態が1つでも変化したかをチェックする。このS2607にて肯定判定を下した場合には処理をS2607からステップS2604に戻す。一方、このS2607にて否定判定を下した場合には処理をS2607からステップS2609に進める。ステップS2609では、ジョブが終了したか否かをチェックする。このチェックの結果、終了ではない場合には処理をステップS2605に戻し、終了である場合には、本フローチャートに従った処理を終了する。
一方、関係するカバーが開いている場合には、処理をステップS2606に進め、ジョブを中断し、ドア情報(上記例にてガイダンス情報に相当)の表示を表示部401に実行させる。この表示については上述の通りである。そしてステップS2608では、カバーの開閉状態が変化したかをチェックする。このチェックの結果、変化した場合には処理をステップS2604に戻す。一方、変化していない場合には処理をステップS2608に戻す。即ち、カバー状態に変化があるまで待つ。
以上がジョブ状態表示制御の説明である。
尚、上記図26のステップS2603〜S2610の処理は換言すると、例えば、制御部205が、以下の処理を行う構成を本実施形態にて開示している事を意味する。
まず、S2602にて新規ジョブの受付けを確認した事を受け、制御部205は以下の(確認1)を行う。
(確認1)S2602にてその存在を確認した、印刷実行要求がなされた処理対象のジョブが、システム1000にてオープン状態の可動ユニットのインラインフィニッシャによる後処理を要するジョブであるか否かを確認する。
この(確認1)にて肯定判定を下した場合、制御部205は、S2604からS2606へ処理を進める。
このS2606にて制御部205は、上記(確認1)にて判断対象のジョブをシステム1000にて中断状態にし、少なくとも、該ジョブの印刷処理を実行する事は禁止する。と同時に、当該ジョブの処理にて要するインラインフィニッシャの可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報を本形態のUI部により報知させる。尚、このS2606の制御は、「オープン状態の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が本形態のUI部に報知される事無しに、該ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行することは、禁止する」制御に包含される制御である。このS2606の処理が済んだら、S2608へ処理を進める。
一方、上記(確認1)にて否定判定を下した場合、制御部205は、S2604からS2605へ処理を進める。
このS2605にて制御部205は、たとえ上記(確認1)にて判断対象のジョブの処理に影響のない可動ユニットがシステム1000にてオープン状態であっても、当該ジョブの印刷処理を実行する事を許可する。しかも、このS2605にて制御部205は、該ジョブの処理に影響のない可動ユニットをクローズさせるガイダンス情報を本形態のUI部により報知させる事無しに該ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行可能にする。尚、このS2605の制御は「オープン状態の可動ユニットをオペレータにクローズさせる為のガイダンス情報が本形態のUI部に報知される事無しに該ジョブの印刷処理を印刷装置100により実行することを、許可する」制御に包含される制御である。このS2605の処理が済んだら、S2607へ処理を進める。
又、S2607の処理は換言すると、制御部205が以下の確認(2)を行う事を意味する。
(確認2)システム1000に存在する複数の可動ユニットのうちの、どれか1つでも、そのステータスがクローズ状態からオープン状態へ変化したか否かを確認する。
この(確認2)にて肯定判定を下した場合、制御部205は、S2607からS2604へ処理を戻す。この(確認2)にて否定判定を下した場合、制御部205は、S2607からS2609へ処理を進める。
このS2609の処理は換言すると、制御部205が以下の確認(3)を行う事を意味する。
(確認3)S2605にて印刷実行を許可したジョブの処理がシステム1000にて全て終了したか否かの確認。
この(確認3)にて肯定判定を下した場合、制御部205は、S2609からS2610へ処理を進めて、このジョブの処理は終了する。但し、実際には、S2602の処理へ戻り、新規ジョブの存在確認から再度処理を行う。この(確認3)にて否定判定を下した場合、制御部205は、S2609からS2605へ処理を戻す。即ち、S2605にて印刷を許可したジョブの処理の完遂目指して、引き続き、当該ジョブの処理をシステム1000にて続行させ続ける。
又、S2608の処理は換言すると、制御部205が以下の(確認4)を行う事を意味する。
(確認4)システム1000に存在する複数の可動ユニットのうちの、どれか1つでも、そのステータスがオープン状態からクローズ状態へ変化したか否かを確認する。
この(確認4)にて肯定判定を下した場合、制御部205は、S2608からS2604へ処理を戻す。
この(確認4)にて否定判定を下した場合、S2608からS2604への移行は禁止する。即ち、S2606の処理により中断状態(印刷禁止状態)にせしめた上記ジョブの中断状態(印刷禁止状態)をシステム1000にて維持させ、且つ、本形態のUI部による上記ガイダンス情報の報知も維持させる。
尚、図26の記載を換言して説明した上述の記載からも明らかなように、図26の記載及びその記載の説明は、本実施形態にて制御部205が実行する制御を、より具体的に下位概念化した制御例である。即ち、例えば、この図26のフローチャートの左側のフローチャート及び右側のフローチャートの両方とも、制御部205が実行する制御に包含される下位概念的な制御例である。この点は、例えば、これらに関しては、図26の説明に先立って説明した図20〜図25を用いて詳細且つ具体的に説明した本実施形態にて制御部205が実行する各種制御例の記載と比較しても明らかな事項である。以下、図26の説明に戻る。
次に、デバイス状態表示制御について、図26の右側に示したフローチャートを用いて説明する。ここでの説明は一例として、印刷システム全体のデバイス状態のステータスラインへの表示で、本体側に近いシート処理装置を優先的にメッセージ表示する実施例としてのフローチャートとして説明する。
先ず、本処理はステップS2620からスタートし、ステップS2621では、カバー状態が変化したか否かをチェックする。このチェックの結果、変化していない場合には処理をステップS2620に戻すのであるが、変化した場合には処理をステップS2622に進める。ステップS2622で先ず、大容量スタッカのカバー状態が変化したか否かをチェックする。このチェックの結果、変化していない場合には処理をステップS2626に進めるのであるが、変化した場合には処理をステップS2623に進める。
ステップS2623では、この変化が、大容量スタッカのカバーがオープンしたことによるものであるのかをチェックする。このチェックの結果、オープンしたことによる変化である場合には処理をステップS2624に進め、”スタッカのカバーが開いています”等のメッセージの表示を表示部401に実行させる。そして処理をステップS2621に戻す。
一方、ステップS2623におけるチェックの結果、クローズしたことによる変化である場合には処理をステップS2625に進め、”スタッカのカバーが開いています”等の表示を画面上から消去させ、処理をステップS2626に進める。
ステップS2626では、次のシート処理装置である、くるみ製本機のカバー状態に変化があったか否かをチェックする。このチェックの結果、くるみ製本機のカバーの状態に変化があった場合には処理をステップS2627に進め、この変化がカバーがオープンしたことによるものであるのか、クローズしたことによるものであるのかをチェックする。
このチェックの結果、オープンしたことによるものである場合には処理をステップS2628に進め、”くるみ製本ユニットのカバーが開いています”等の表示を表示部401に実行させる。そして処理をステップS2621に戻す。
一方、ステップS2627におけるチェックの結果、クローズしたことによるものである場合には処理をステップS2629に進め、”くるみ製本ユニットのカバーが開いています”等の表示を画面上から消去させ、処理をステップS2630に進める。
ステップS2630では、次のシート処理装置である、中綴じ製本機(フィニッシャ)のカバー状態に変化があったか否かをチェックする。このチェックの結果、フィニッシャのカバー状態に変化がある場合には、処理をステップS2631に進め、カバーがオープン状態に変化したのか、クローズ状態に変化したのかを判断する。このチェックの結果、オープン状態に変化したのであれば処理をステップS2632に進め、”フィニッシャのカバーが開いています”等の表示を表示部401に実行させる。一方、ステップS2631におけるチェックの結果、クローズ状態に変化したのであれば処理をステップS2633に進め、”フィニッシャのカバーが開いています”等の表示を画面上から消去させ、処理をステップS2621に戻す。
以上、本形態における具体的な説明によれば、複数のジョブのデータを記憶可能な記憶手段のデータの印刷処理を実行可能な印刷手段を具備する印刷装置の前記印刷手段から、前記印刷手段で印刷がなされたジョブのシートに対するシート処理を実行可能な複数のシート処理装置に対して、前記印刷手段による印刷処理がなされたジョブのシートを、選択的に、供給可能にした、印刷システムにおいて、印刷装置および複数のシート処理装置のカバー状態を検知するカバー状態検知手段と、カバー状態を表示する表示手段を有し、前記検知手段によりカバーオープン状態を検知した場合に、前記印刷装置および複数のシート処理装置を含む印刷システム全体の状態としてカバーオープン状態を前記表示手段に表示するように制御する第1のカバーオープン表示制御手段と、複数のシート処理装置のうち、前記ジョブが使用するシート処理装置のカバーオープン状態のみを前記表示手段に表示するように制御する第2のカバーオープン表示制御手段を有し、システム全体のカバーオープン状態と、ジョブ毎のカバーオープン状態を独立に表示するとともに、ジョブの実行は、第2のカバーオープン表示制御手段の判断のみで、実行可能かどうかを判断するように制御することにより、カバーオープン状態となった場合にオペレータに対して最適なメッセージ表示を行うことにより、オペレータに余計な作業をさせることなく、複数のジョブを効率良く実行することができるような仕組みが提供可能となる。
[その他のしくみ]
本実施形態における図に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータ(例えば、PC103やPC104)により遂行されていてもよい。例えば、本実施形態にて開示の図20〜図26を用いて説明した制御部205が実行する制御に相当する制御をコンピュータに実行させる為のコンピュータ読取可能なコンピュータプログラムを該ホストコンピュータにWEB等を介して外部からダウンロードする。このプログラムに基いて、本実施形態にて開示の図20〜図26を用いて説明した制御部205が実行する制御と同等のことをシステム1000を用いて実現可能にする。このような構成でも良い。但し、図20〜図25に記載の少なくとも本実施形態にて操作部204の表示部401により表示対象となる表示画面は、この構成の場合、全て、当該ホストコンピュータの表示部にて表示可能に構成する事が望ましい。これにより、本形態に開示する効果が更に向上可能となるといった効果が図れる。尚、この場合に、各操作画面を含む本形態で述べた操作画面と同様の操作画面を表示させる為のデータを外部からインストールし、該ホストコンピュータの表示部に上記各種のユーザインターフェース画面を提供可能に構成する。この一例として、本例では、図17A、17BのUI画面による構成でもって、これを説明している。このような構成の場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば、本形態では、印刷装置100内部の制御部205が上記各種制御の主体となっていたが、印刷装置100と別筐体の外付けコントローラ等によって、上記各種制御の1部又は全部を実行可能に構成しても良い。