JP2012142573A - 金属ナノペーストを用いた配線及び電極の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、金属ナノペーストを用いた配線及び電極の形成方法に関する。
【解決手段】本発明は、金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で220〜240℃に昇温させる段階と、炉の温度を前記範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で前記基板を加熱する段階と、カルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる段階と、窒素雰囲気下で炉の温度を常温まで下降させる段階と、を含む焼結工程を含むことにより、低温焼結工程を経ても高温焼結工程を経た場合と同様に、金属膜の密度が高く、残留金属粒子量を最小化することができる金属配線及び電極の形成方法に関する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で220〜240℃に昇温させる段階と、炉の温度を前記範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で前記基板を加熱する段階と、カルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる段階と、窒素雰囲気下で炉の温度を常温まで下降させる段階と、を含む焼結工程を含むことにより、低温焼結工程を経ても高温焼結工程を経た場合と同様に、金属膜の密度が高く、残留金属粒子量を最小化することができる金属配線及び電極の形成方法に関する。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属ナノペーストで印刷した配線または電極を特定方法により焼結することを含む金属配線または電極の形成方法に関する。
プリント回路基板(Printed Circuit Board)は、配線が集積され、様々な素子が実装されたり、素子間の電気的連結が可能になるように構成される電子部品であって、半導体、太陽電池、マルチメディア機器、通信機器、各種電子製品、自動車などに広く使用される。
このような回路基板に回路を形成する場合、通常、有機組成物をパターンが形成されたスクリーンメッシュに投入して配線を形成しようとする部分のみに印刷を行い、銀、銅などの金属を含むペーストをインクジェットプリンティング法、スクリーンプリンティング法などにより形成した後、焼結工程を行う。
焼結工程は、金属粒子を整合的に結合して原子的な次元で発生する物質移動により固相構造化するための熱処理過程に定義される。配線または電極形態の金属ナノペーストが焼結工程を経るとバインダーが除去され、金属粒子の融合及び成長が行われ、バルクに近接した電気的特性を有する金属膜が形成される。
近年、配線及び電極にナノ粒子を使用し、配線及び電極が形成される基板の薄膜化及び多様化が進められるにつれて焼結工程の低温化が要求されている。このような状況で金属ナノペーストの組成などを変化させて低温化を誘導する方法もあり得るが、各金属の特性を考慮しなければならないため、開発コストが高く、金属配線及び電極の他の物理、化学的特性にも悪影響を及ぼす可能性があるため、簡単な問題ではない。
従って、金属膜の密度を向上して金属配線及び電極に必要な電気的特性を達成するとともに、例えば、250℃以下の低温で焼結工程が行える方法に対する開発が至急な状況である。
本発明は、250℃未満の低温焼結工程を経てもバルク金属に類似したレベルの優れた電気的特性を示すことができる金属配線及び電極の形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、焼結工程の焼結雰囲気を適切に調節することにより、簡単な方法で優れた電気的特性を有する金属配線及び電極の形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で220〜240℃に昇温させる段階と、炉の温度を前記範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で前記基板を加熱する段階と、カルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる段階と、窒素雰囲気下で炉の温度を常温まで下降させる段階と、を含む焼結工程を含む金属配線または電極の形成方法を提供する。
また、本発明は、上記形成方法において、混合雰囲気が、カルボン酸40〜60体積%と空気60〜40体積%からなることを特徴とする金属配線または電極の形成方法を提供する。
また、本発明は、前記形成方法において、窒素雰囲気が10体積%未満の水素ガスと残りの窒素ガスとを含むフォーミングガス(forming gas)により形成されたことを特徴とする金属配線または電極の形成方法を提供する。
また、本発明は、前記形成方法における金属ナノペーストが、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Rd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ビズマス(Bi)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなる群から選択された1種以上の金属を含む金属配線または電極の形成方法を提供する。
また、本発明は、上記形成方法におけるカルボン酸が、ホルム酸、酢酸またはプロピオン酸である金属配線または電極の形成方法を提供する。
本発明の焼結工程を含む金属配線及び電極の形成方法によると、250℃未満の低温焼結工程を経ても高温の焼結工程を経た場合と同様な電気的特性を示すことができる金属配線または電極を形成することができる。
本発明の金属配線及び電極の形成方法は、高温の焼結処理が困難な基板材料を使用する場合や薄膜形態の基板を使用する場合に有用に活用されることができる。
本発明は、通常の金属ナノペーストを活用するとともに焼結条件のみを調整する簡単な方法により金属膜の密度を高め、残留金属粒子量を最小化することができるため、バルク金属の比抵抗値に近い優れた比抵抗値を示す金属配線または電極を形成することができる。
本発明は、金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で220〜240℃に上昇させる段階と、炉の温度を前記範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で前記基板を加熱する段階と、カルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる段階と、窒素雰囲気下で炉の温度を常温まで下降させる段階と、を含む焼結工程を含むことにより、低温焼結工程を経ても高温焼結工程を経た場合と同様に、金属膜の密度が高く、残留金属粒子量を最小化することができる金属ナノペーストを用いた金属配線及び電極の形成方法に関する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の焼結工程は4つの段階に大別される。
先ず、第1段階は、金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で温度を220〜240℃に徐々に上昇させる。窒素雰囲気下で昇温工程を行えば配線及び電極にクラックが発生されることを防止することができる。また、ペーストに含まれたバインダー、溶媒などの有機物が金属との意図しない反応をすることを防止するためにも温度を徐々に上昇する必要がある。
基板の種類は特に限定されず、シリコン基板、フレキシブル基板などが含まれる。例えば、太陽電池用基板としてエネルギー効率を向上できるようにテクスチャリング(texturing)されており、SiNx、SiO2、TiO2のような反射防止膜が形成されているシリコン基板が含まれる。また、半導体、ディスプレイ、携帯電話などの電子機器に使用されることができる全ての基板を含む。
金属ナノペーストは特定組成のペーストに限定されない。電極及び配線を形成するために通常使用される組成のものを使用することができ、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Rd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ビズマス(Bi)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなる群から選択された1種以上の金属と、溶媒と、バインダーと、その他添加物と、を含むことができる。金属ナノ粒子の平均粒子サイズは約3〜10μmであってもよい。
金属ナノペーストは基板に印刷されたものである。印刷方法は、インクジェットプリングティング法、スクリーンプリンティング法などを含む。
第1段階は、例えば、銀ナノペーストを使用する場合、常温から220〜240℃に上昇させるために約60分がかかり得る。昇温時間は、炉の大きさ及び圧力に応じて相違する可能性があり、金属の種類に応じて相違する可能性がある。
第1段階における窒素雰囲気は、窒素が100体積%含まれた場合だけでなく、窒素ガスがほとんどを占め、10体積%未満の水素ガスが含まれたフォーミングガス(forming gas)の場合も含まれることができる。
第2段階は、炉の温度を第1段階の範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で基板を加熱する。カルボン酸は、導電性ペースト内の有機物を除去するのに効果的であり、これにより金属膜の密度を効果的に向上できるため、配線及び電極の比抵抗値を低下することができる。
第2段階における炉の温度は220〜240℃、好ましくは225〜235℃の範囲内に維持される。本発明の焼結工程は、250℃以上の高温焼結過程を経る必要がないことが長所の一つである。220〜240℃の範囲内で焼結されてもバルク金属の比抵抗値に類似したレベルの比抵抗値を有する電極及び配線を形成することができる。
第2段階におけるカルボン酸と空気の混合気体は、カルボン酸40〜60体積%と空気60〜40体積%からなることができる。混合気体の含量比は、金属ナノペーストに含まれた有機物の種類により多少差があり得る。
カルボン酸は、カルボキシル基(−COOH)を含む化合物であって、例えば、ホルム酸、酢酸またはプロピオン酸などを含む。
第2段階の熱処理は、銀ナノペーストを使用する場合220〜240℃、好ましくは225〜235℃に上昇するために約60分がかかり得る。加熱時間は炉の大きさ及び圧力に応じて相違する可能性があり、金属の種類に応じて相違する可能性もある。例えば、加熱時間は1〜2時間であってもよい。
第3段階でカルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる。この段階により炉の温度を下降させるとともに焼結過程を維持させることができる。
第3段階で第2段階のカルボン酸と空気との混合雰囲気を維持する理由は、金属膜の密度向上に役に立つだけでなく、炉の温度を下降させる段階ですぐに第4段階の窒素ガスを投入する場合には金属膜に酸素が投入されて膜の酸化を起こす可能性があるためである。
第3段階の炉の温度範囲は100〜150℃である。この温度範囲以下に低下すると金属ナノペーストの焼結が十分に行われないか不要な焼結が進められる可能性がある。温度下降時間は炉の大きさ及び圧力に応じて相違する可能性があり、金属の種類により相違する可能性もある。
第4段階で炉の温度を窒素雰囲気下で常温まで下降させる。第4段階で窒素雰囲気を組成することは常温でカルボン酸と空気の混合ガス雰囲気を投入し続ける場合、不要な焼結が進められる可能性があるためである。窒素雰囲気下で配線及び電極を徐々に冷却させると金属膜の酸化が発生されない。
常温は25〜30℃を意味する。
第4段階の窒素雰囲気は、第1段階と同様に、窒素が100体積%含まれた場合だけでなく、窒素ガスがほとんどを占め10体積%未満の水素ガスが含まれたフォーミングガス(forming gas)の場合も含まれることができる。
前記のような4段階の焼結工程を経ると金属膜内の粒子サイズは大きくなり、空隙のサイズは小くなり、その結果、密度が向上して優れた電気的特性を有する配線及び電極を形成することができる。
以下、本発明の理解を容易にするために好ましい実施例を提示するが、これら実施例は本発明を例示するだけであり、添付の特許請求の範囲を制限するものではない。また、本発明の範疇及び技術思想範囲内で実施例に対する多様な変更及び修正が可能であることは当業者において明白なことであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
[実施例]
{実施例1}
反射防止膜が備えられた太陽電池用シリコン基板上に銀ナノペーストをスクリーンプリンティング法で配線に印刷した後、炉に入れて焼結工程を実施した。焼結雰囲気に使用されるカルボン酸としてはホルム酸を使用した。
{実施例1}
反射防止膜が備えられた太陽電池用シリコン基板上に銀ナノペーストをスクリーンプリンティング法で配線に印刷した後、炉に入れて焼結工程を実施した。焼結雰囲気に使用されるカルボン酸としてはホルム酸を使用した。
第2段階の加熱温度は230℃に設定し、等温区間で1時間焼結を実施した。炉の圧力は常圧を維持した。具体的な焼結内容は図1のとおりである。
{比較例1}
焼結工程を行う間に焼結雰囲気を空気で形成したことを除いて実施例1と同様に焼結工程行った。比較例1の焼結内容は図2のとおりである。
焼結工程を行う間に焼結雰囲気を空気で形成したことを除いて実施例1と同様に焼結工程行った。比較例1の焼結内容は図2のとおりである。
{比較例2}
焼結工程を行う間に焼結雰囲気を窒素で形成したことを除いて比較例1と同様に焼結工程を行った。比較例2の焼結内容は図3のとおりである。
焼結工程を行う間に焼結雰囲気を窒素で形成したことを除いて比較例1と同様に焼結工程を行った。比較例2の焼結内容は図3のとおりである。
{比較例3}
焼結雰囲気を第1段階で窒素、第2段階でホルム酸、第3段階でホルム酸及び第4段階で窒素に形成したことを除いて実施例1と同様な焼結工程を行った。比較例3の焼結内容は図4のとおりである。
焼結雰囲気を第1段階で窒素、第2段階でホルム酸、第3段階でホルム酸及び第4段階で窒素に形成したことを除いて実施例1と同様な焼結工程を行った。比較例3の焼結内容は図4のとおりである。
{試験例}
実施例1及び比較例1〜3の焼結工程を経た金属配線の特性を測定すると以下の表1のとおりであった。バルクAgの場合、比抵抗が1.59uohm−cmであることを考慮すると、実施例1の比抵抗値が非常に優れていることが分かった。比較例1〜3は全て実施例1に比べて顕著に大きかった。
実施例1及び比較例1〜3の焼結工程を経た金属配線の特性を測定すると以下の表1のとおりであった。バルクAgの場合、比抵抗が1.59uohm−cmであることを考慮すると、実施例1の比抵抗値が非常に優れていることが分かった。比較例1〜3は全て実施例1に比べて顕著に大きかった。
比較例1の焼結工程を経た場合には粒子成長が行われ、底面/断面の微細構造で焼結収縮による空隙が存在するが、残留金属粒子が見えず低い抵抗値を示した。
比較例2の焼結工程を経た場合には粒子の間のネッキング(necking)が行われ、より発達して融合(coalescence)が行われたが、テープテスト時に膜が容易に剥離されないことから、有機物除去がまともに行われず、断面微細構造を見た時、焼結が不十分であることが分かった。そのため、2−point抵抗測定時に4−5Mohmの相当大きい抵抗値を示すことが分かる。
比較例3の焼結工程を経た場合には粒子成長が行われたが、表面/底面に未焼結金属粒子が見え、断面構造を見ると、金属粒子がそのまま見えるため、焼結が充分に行われなかったことが分かった。
一方、実施例1の焼結工程を経た場合には、比較例1〜3に比べて粒子サイズが数μmに大きくなった優れた膜を得た。底面の場合、サンプリング時に膜が基板からきれいに分離されなかった点を考慮しても表面の微細構造と大きな差は見せず、未焼結金属粒子は見えなかった。粒子成長と共に密度の高い金属膜を得ることにより、比抵抗値も比較例1−3の場合に比べて最も低い3.47uohm−cm値を得ることができた。
Claims (6)
- 金属ナノペーストが印刷された基板を炉(furnace)に入れて窒素雰囲気下で220〜240℃の範囲に昇温させる段階と、
炉の温度を前記範囲に維持しながらカルボン酸と空気の混合雰囲気下で前記基板を加熱する段階と、
カルボン酸と空気の混合雰囲気下で炉の温度を100〜150℃に下降させる段階と、
窒素雰囲気下で炉の温度を常温まで下降させる段階と
を含む焼結工程を含む金属配線または電極の形成方法。 - 混合雰囲気は、カルボン酸40〜60体積%と空気60〜40体積%からなる請求項1に記載の金属配線または電極の形成方法。
- 窒素雰囲気は、10体積%未満の水素ガスと残りの窒素ガスとを含むフォーミングガス(forming gas)からなる請求項1または2に記載の金属配線または電極の形成方法。
- 金属ナノペーストは、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Rd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ビズマス(Bi)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)及び鉄(Fe)からなる群から選択される1種以上の金属を含む請求項1から3の何れか1項に記載の金属配線または電極の形成方法。
- カルボン酸は、ホルム酸、酢酸またはプロピオン酸から選択される何れか一つである請求項1から4の何れか1項に記載の金属配線または電極の形成方法。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の形成方法によって、基板上に金属配線または電極を形成する段階を含むプリント回線基板の製造方法。
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