JP2012140823A - 構造物の免震構造 - Google Patents

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純次 濱田
Tomohiro Tanigawa
友浩 谷川
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Abstract

【課題】免震装置及びダンパーを必要としない構造物の免震構造を提供する。
【解決手段】構造物の免震構造10は、構造物12を杭14と直接基礎が支持するパイルドラフト基礎とされている。構造物12の底面は、予め定めた接地圧で地盤16上に設置されている。杭14の頭部は構造物12の基礎部と接合され、下端部は地盤16の下の支持層18に根入れされている。即ち、杭14の鉛直方向の支持荷重P2と地盤16の鉛直方向の支持荷重P3の合計が構造物12の鉛直荷重P1となり、杭14の水平方向の支持荷重H2と地盤16の水平方向の支持荷重H3の合計が、地震時の構造物12の水平力H1となっている。地震時に滑動を開始させたい、構造物12の水平力H1の滑動開始水平力SHを予め定めておき、構造物12の接地圧を調整することで、水平力H1が滑動開始水平力SH以上のとき、地盤16上で滑動を開始させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の免震構造に関する。
従来、杭と地盤で支持された構造物を免震するには、構造物の下部に免震装置及びダンパーを設置して、免震装置で構造物に伝播される地震力を低減すると共に、ダンパーで構造物の振動を抑制している。しかし、この方法は、免震装置及びダンパーの設置を必要としコストがかかる。
そこで、免震装置を必要としない免震構造が提供されている(特許文献1)。
特許文献1の構造物の免震構造は、図10に示すように、構造物81は、杭83、ダンパー杭84及び地盤85で支持されている。杭83の頭部は構造物81の下部82に接合され、杭83の下端部は支持層86に根入れされている。杭83は、格子状に配置され、構造物81の鉛直荷重を支持層86に伝える。また、杭83は、水平剛性が小さくされ、水平力により変形を生じる。
ダンパー杭84は、構造物81の長手方向の両端部であり、杭83に囲まれた位置に設けられている。ダンパー杭84は長さがLの短尺とされ、頭部は構造物81の下部82に接合され、下端部は支持層86には達していない。ダンパー杭84の水平剛性は、杭83より大きく、入力された地震エネルギーを吸収するダンパーとして作用する。
上述したように、特許文献1の免震構造は、免震装置は必要としていないがダンパーを必要としている。
特開2000−120083号公報
本発明は、上記事実に鑑み、免震装置及びダンパーを必要としない構造物の免震構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る構造物の免震構造は、杭と直接基礎で支持される構造物の免震構造であって、前記杭が負担する地震時の水平力と、前記直接基礎が負担する地震時の水平力を合計した前記構造物が地震時に滑動を開始する水平力が、想定される規模の地震時に前記構造物に作用する水平力より小さく設定されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、杭が負担する構造物の水平力と、直接基礎が負担する構造物の水平力を合計した水平力が、予め想定した規模の地震時に構造物に作用する水平力より小さく設定されている。
これにより、構造物に、予め想定した地震力(水平力)が作用したとき、構造物が地盤上で滑動を開始する。構造物の地盤上での滑動により地震エネルギーが吸収されるため、滑動量を適切に設定することで、免震装置及びダンパーを必要とせずに構造物を免震できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造物の免震構造において、前記杭は、前記地盤に設けられた杭穴に建て込まれ、前記杭の上部の外周面と前記杭穴の内周面の間には隙間が設けられ、前記隙間には泥水、軟弱地盤土又は発泡成形材の少なくともいずれか1つが充填されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、杭の上部は横方向の移動を許容する泥水、軟弱地盤土又は発泡成形材の少なくともいずれか1つが充填されており、構造物に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭の上部は構造物と共に移動する。
これにより、構造物と杭が接合された状態で、構造物と杭の接合部を損傷させずに構造物を地盤上で滑動させることができる。また、構造物の振動周期を長周期化できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構造物の免震構造において、前記杭の頭部と前記構造物の接合部は、前記構造物が前記滑動を開始したとき、変形して前記接合部に発生する曲げモーメントを低減する半剛接合、又は回転して前記接合部に曲げモーメントを発生させないピン接合とされていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、杭の頭部と構造物の接合部が、接合部に発生する曲げモーメントが低減される半剛接合、又は接合部に曲げモーメントが加わらないピン接合とされている。
これにより、構造物を地盤上で滑動させても、杭と構造物の接合部に加えられる曲げモーメントが低減され、又は杭と構造物の接合部に曲げモーメントが加わらないため、杭と構造物の接合部を損傷させない。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の構造物の免震構造において、前記杭の頭部と前記構造物の接合部には、滑り材が設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、滑り材が杭の頭部と前記構造物の接合部に設けられており、構造物に水平力が作用したとき、杭の頭部と構造物の接合部に曲げモーメントが発生しない。
これにより、杭と構造物の接合部を損傷させずに構造物を地盤上で滑動させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の構造物の免震構造において、前記杭の頭部の径が、前記頭部以外の部分の径より細くされていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、構造物に水平力が加えられたとき、頭部以外の部分の杭径より細くされた杭頭部が、水平力を負担する。
これにより、杭頭部の回転剛性(杭の水平剛性)が小さくなり、その結果、地盤に水平力が流れやすく小さな水平力で滑動させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の免震構造において、前記構造物の底面には、前記地盤の地盤面よりも強度の小さな材料で形成された滑り層が設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、構造物の底面には、地盤面よりも強度の小さな材料で形成された滑り層が設けられている。
これにより、構造物の底面と地盤の地盤面の滑動が容易になり、小さな水平力で構造物を滑動させることができる。
本発明は、上記構成としてあるので、免震装置及びダンパーを必要としない構造物の免震構造を提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る構造物の免震構造の作用を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態に係る構造物の免震構造の作用を示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る構造物の免震構造の展開例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 本発明の第6の実施の形態に係る構造物の免震構造の基本構成を示す図である。 従来例の構造物の免震構造の基本構成を示す図である。
(第1の実施の形態)
図1の模式図に示すように、第1の実施の形態に係る構造物の免震構造10は、構造物12を、杭14と、地盤16上に設けられた直接基礎が支持するパイルドラフト基礎とされている。
構造物12の直接基礎の底面は、予め定めた接地圧で地盤16上に設置されている。杭14の頭部は、構造物12の基礎部と接合され、杭14の下端部は、地盤16の下の支持層18に根入れされている。
このような構成とすることにより、杭14の鉛直方向の支持荷重P2と地盤16の鉛直方向の支持荷重P3の合計が構造物12の鉛直荷重P1となり、杭14の水平方向の支持力H2と地盤16の水平方向の支持力H3の合計が、地震時の構造物12の水平力H1となっている。
このとき、構造物12の接地圧を調整し、エネルギー吸収のために地震時に滑動を開始させたい、構造物12の水平力H1の滑動開始水平力SHを予め定めておけば、水平力H1が滑動開始水平力SHに達したとき、地盤16上で構造物12が滑動を開始する。
具体的には、下式(1)の条件を満たしたとき構造物12が滑動を開始する。
αW=μWraft + Hpile ・・・(1)
ここに
W:構造物の荷重( kN )
α:構造物に作用する地震力の係数
Wraft:ラフト底面に作用する鉛直荷重( kN )
μ:ラフト底面と地盤面の摩擦係数
Hpile:基礎底面が滑動しない時の杭と基礎底面の水平剛性から決まる杭の水平抵抗力( kN )
なお、構造物12を支持する杭14と地盤16の鉛直荷重分担比を変更することで、接地圧を適正な値に調整することができる。
これにより、構造物12の底面と地盤16表面との間の摩擦抵抗を制御し、地震時に基礎底面と地盤を積極的に滑動させることができる。また、構造物12を滑動させることで、構造物12に伝達される地震エネルギーを減衰させることができる。
図1(B)は、地震時の水平力H1により、構造物12と地盤16が相対位置Dだけ変位した状態を示す。なお、杭14の頭部が構造物12と剛接合されている場合、滑動開始水平力SHより大きい水平力H1を受けて、杭14の頭部は変形して相対位置の変位Dに追従するため、杭14の頭部は、後述する半剛接合等で接合されているのが望ましい。
図2、3に構造物12と地盤16との間で吸収される地震エネルギーの概念図を示す。図2の横軸Xは、構造物12と地盤16の相対変位量を示し、縦軸Yは、地盤16のせん断抵抗力を表している。
破線で示す特性Aは、従来の基礎底面が滑動しない構造物における特性である。構造物12は、地盤16上での積極的な滑動が抑制されている。このため、相対変位量Xaは小さく、構造物12と地盤16の相対変位の増大に比例して、せん断抵抗力が直線的に増加する傾向を示している。また、せん断抵抗力の最大値は大きいな値Yaになっている。
実線で示す特性Bは、本実施の形態の特性であり、構造物12に、予め定めた地震力より大きな地震力が作用したとき、構造物12が地盤上で滑動を開始する。このため、相対変位量Xbは大きく、幅広い変化を示し、地盤16のせん断抵抗力の最大値Ybは小さな値となっている。
即ち、地震エネルギーの吸収量は、相対変位量Xと地盤16のせん断抵抗力Yの積(図2の特性A、Bの面積)となるため、特性Bで、より多くの地震エネルギーを吸収していることが分かる。この結果、特性Bの方が、構造物12に伝達される地震エネルギーを小さくできる。
図3は、同じく基礎部と地盤との間で吸収される地震エネルギーの概念図を示す。横軸は経過時間(s)であり、縦軸は振動の加速度(cm/s)である。
破線で示す特性Aは、従来の基礎底面が滑動しない構造物での特性であり、実線で示す特性Bは、本実施の形態の特性である。特性Aの地震開始直後の加速度の最大値αaは、特性Bの加速度の最大値αbより大きい。
即ち、特性Bの方が、加速度の最大値が小さく、構造物12に伝達される地震振動を減衰させることができる。この結果、構造物に与える被害を小さくできるといえる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、免震装置及びダンパーを必要としない構造物の免震構造を、安価に提供できる。
なお、杭14は、支持層18に達する支持杭のみでなく、支持層18に達しない摩擦杭でもよい。
(第2の実施の形態)
図4に示すように、第2の実施の形態に係る構造物の免震構造30は、構造物12が杭34で支持され、杭34は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭34は既製杭であり、杭穴32は、杭34の周囲に隙間dを有する大きさで形成されている。杭穴32の下部の隙間dにはコンクリート36が充填され、杭34が根固めされている。杭34の頭部は、構造物12の基礎部と接合されている。杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭34の上部は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭34が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と杭34の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
また、構造物12の振動周期を長周期化でき、構造物12に伝達される地震振動を減衰させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材のいずれか1つが充填されていてもよい。
次に、本実施の形態の展開例について説明する。なお、上述した構造物の免震構造30と構成が同じ部分については同一の番号を付し、相違する部分のみについて説明する。
図5(A)に記載の構造物の免震構造40は、構造物12が杭44で支持され、杭44は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭44は鋼棒製とされ、杭穴32に挿入されている。杭穴32の下方には、杭穴32の穴径と密着させて既製杭42が挿入されている。既製杭42の下部にはコンクリート36が充填され、杭44の下部はコンクリート36に根固めされている。杭44の頭部は、構造物12の基礎部20と接合されている。杭穴32の上部には、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭34の上部は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭44が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と杭34の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材の少なくともいずれか1つが充填されていてもよい。また、杭44は、H形鋼でもよい。
図5(B)に記載の構造物の免震構造46は、構造物12が杭48で支持され、杭48は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭48は鋼棒製とされ、杭穴32の上部に挿入されている。杭穴32には、杭穴32の穴径と隙間dを開けて既製杭50が挿入されている。既製杭50の外周部の下部にはコンクリート36が充填され、既製杭50の下部がコンクリート36で根固めされている。既製杭50の内部には、頭部までの高さにコンクリート36が充填され、杭48の下端部が根入れされている。杭48の頭部は、構造物12の基礎部20と接合されている。杭穴32の上部、及び既製杭50の周囲には、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭48は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭44が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と杭48の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材のいずれか1つが充填されていてもよい。また、杭48は、H形鋼でもよい。
図5(C)に記載の構造物の免震構造52は、構造物12が杭44で支持され、杭44は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭44は鋼棒製とされ、杭穴32の下方にはコンクリート54が充填されている。杭44の下部はコンクリート54に根固めされ、杭44の頭部は、構造物12の基礎部20と接合されている。杭穴32の上部には、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭44の上部は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭44が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と杭44の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材のいずれか1つが充填されていてもよい。また、杭44は、H形鋼でもよい。
図5(D)に記載の構造物の免震構造56は、構造物12が杭34で支持され、杭34は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭34は既製杭とされ、杭穴32の下部にはコンクリート54が充填され、杭34の下部がコンクリート54に根固めされている。杭34の頭部は、構造物12の基礎部20と接合されている。杭穴32の上部には、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭34の上部は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭34が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と既製杭34の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材のいずれか1つが充填されていてもよい。
図5(E)に記載の構造物の免震構造58は、構造物12が杭44で支持され、杭44は、地盤16に設けられた杭穴32に建て込まれた構成である。
杭44は鋼棒製とされ、杭穴32の下方にはコンクリート54が充填され、杭44の下部がコンクリート54に根固めされている。杭44の頭部は、構造物12の基礎部20と接合されている。杭穴32の上部には、泥水38が充填されている。
これにより、構造物12に、滑動開始水平力以上の水平力が加わったとき、杭44の上部は構造物12と共に移動する。このとき、杭穴32の上部の隙間dには、泥水38が充填されているため、構造物12と杭44が接合された状態で移動可能となる。このため、構造物12と杭44の接合部を損傷させずに、構造物12を地盤16上で滑動させることができる。
なお、泥水38の代わりに、軟弱地盤土又は発泡成形材のいずれか1つが充填されていてもよい。また、杭44は、H形鋼でもよい。
(第3の実施の形態)
図6に示すように、第3の実施の形態に係る構造物の免震構造60は、構造物12が杭14と地盤16で支持された構成である。このとき、杭14の頭部と構造物12の接合部は、半剛接合とされている。
即ち、構造物12の基礎部に杭14の頭部が呑み込まれているが、基礎部の鉄筋と杭14の鉄筋は連結されていない。これにより半剛接合とされ、地震時により構造物12が滑動を開始したとき、構造物12の基礎部と杭14の頭部の接合部が、破壊される前に変形する。これにより、接合部に発生する曲げモーメントが低減され、杭と構造物の接合部を損傷させない。
この結果、免震装置及びダンパーを必要としない構造物の免震構造を提供できる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
なお、杭14の頭部と構造物12の接合部をピン接合としてもよい。これにより、構造物12が滑動を開始したとき、構造物12の基礎部と杭14の頭部の接合部が回転して、接合部に曲げモーメントを発生させない。この結果、杭14と構造物12の接合部を損傷させない。
(第4の実施の形態)
図7に示すように、第4の実施の形態に係る構造物の免震構造62は、構造物12が杭14と地盤16で支持された構成である。このとき、杭14の頭部と構造物12の接合部に、滑り材64が設けられている。
滑り材64は、例えば材質が金属板や樹脂製板等とされ、構造物12の接合部に埋め込まれている。このとき、滑り材64の下面が接合部の下面から露出されており、杭14の頭部と当接される。このとき、杭14は、構造物12を支持しているが、連結はされていない。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
これにより、構造物12が地震で滑動を開始したとき、構造物12の基礎部と杭14の頭部が滑動を開始する。この結果、杭14と構造物12の接合部を損傷させずに構造物を地盤上で滑動させることができる。
(第5の実施の形態)
図8に示すように、第5の実施の形態に係る構造物の免震構造66は、構造物12が杭68と地盤16で支持された構成である。このとき、杭68は、杭68の頭部の径D1が、頭部以外の部分の径D2より細くされている。
これにより、杭68の頭部の剛性が小さくなり、小さな水平力で構造物12を滑動させることができる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
これにより、構造物12が滑動を開始したとき、構造物12の基礎部と杭14の頭部は滑動を開始する。この結果、杭14と構造物12の接合部を損傷させずに構造物を地盤上でさせることができる。
(第6の実施の形態)
図9に示すように、第6の実施の形態に係る構造物の免震構造70は、構造物12が杭14と地盤16で支持された構成である。このとき、構造物12の底面には、滑り層72が設けられている。滑り層72は、地盤16よりも強度の小さな材料(例えばゆるい砂、強度の弱い粘土など)で形成されている。
これにより、構造物12の底面と、地盤16の地盤面の滑動が容易になり、小さな水平力で構造物を滑動させることができる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
これにより、構造物12が滑動を開始したとき、構造物12の基礎部と杭14の頭部は滑動を開始する。この結果、杭14と構造物12の接合部を損傷させずに構造物を地盤上で滑動させることができる。
10 構造物の免震構造
12 構造物
14 杭
16 地盤
32 杭穴
38 泥水
64 滑り材
72 滑り層

Claims (6)

  1. 杭と直接基礎で支持される構造物の免震構造であって、
    前記杭が負担する地震時の水平力と、前記直接基礎が負担する地震時の水平力を合計した前記構造物が地震時に滑動を開始する水平力が、想定される規模の地震時に前記構造物に作用する水平力より小さく設定されている構造物の免震構造。
  2. 前記杭は、前記地盤に設けられた杭穴に建て込まれ、前記杭の上部の外周面と前記杭穴の内周面の間には隙間が設けられ、前記隙間には泥水、軟弱地盤土又は発泡成形材の少なくともいずれか1つが充填されている請求項1に記載の構造物の免震構造。
  3. 前記杭の頭部と前記構造物の接合部は、前記構造物が前記滑動を開始したとき、変形して前記接合部に発生する曲げモーメントを低減する半剛接合、又は回転して前記接合部に曲げモーメントを発生させないピン接合とされている請求項1に記載の構造物の免震構造。
  4. 前記杭の頭部と前記構造物の接合部には、滑り材が設けられている請求項1に記載の構造物の免震構造。
  5. 前記杭の頭部の径が、前記頭部以外の部分の前記杭の径より細くされている請求項1に記載の構造物の免震構造。
  6. 前記構造物の底面には、前記地盤の地盤面よりも強度の小さな材料で形成された滑り層が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の免震構造。
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