JP2012140562A - ポリアミドアミック酸、ポリアミドイミド及び感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミドアミック酸、ポリアミドイミド及び感光性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアミドイミドが有する物性を保ちつつ、構造中にカルボン酸を有する、フォトレジスト用のバインダー樹脂として使用可能なポリアミドイミド前駆体を開発する
【解決手段】
トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートおよび/またはトリジンジイソシアネートから選ばれるジイソシアネートと無水トリメリット酸の縮合物(A)と、ジアミン(B)を反応させることで得られるポリアミドアミック酸。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なポリアミドアミック酸、それから誘導されるポリアミドイミド、およびそれを用いた感光性樹脂組成物に関する。
芳香族ジイソシアネートと無水トリメリット酸から製造される芳香族ポリアミドイミド樹脂は、製造時にハロゲンなどの有害な不純物が発生しない簡易なプロセスで合成でき、かつ耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れたプラスチックとして知られている(特許文献1〜特許文献6参照)。芳香族ポリアミドイミドの原料として特定のテトラカルボン酸二無水物が知られており、この無水物は無水トリメリット酸クロライドを用いジアミンと反応させる方法により得られている。(特許文献7参照)
しかし、前記方法では製造時に不純物として塩素が発生してしまうため、不純物を取り除くこと無しには電気電子材料としては使用できない。電気電子材料用途に使用できるほど純度を上げようとすると、水やアルカリを用いる精製工程が必須であるが、その際に前記テトラカルボン酸二無水物が分解してしまうため、当該精製工程を行うことができない。すなわち電気電子材料用途に使用可能な、芳香族ポリアミドイミドの原料である前記テトラカルボン酸二無水物を製造する手法は知られていなかった。
また、レジスト組成物として使用可能な芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体は知られていない。
特開平3−157429号公報 特開平5−59174号公報 特開平6−322060号公報 特許2844744号公報 特許3097704号公報 特許3183305号公報 特開2000−26445号公報
本発明が解決しようとする課題は、レジスト組成物として使用可能な芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体の開発および製造時にハロゲンなどの有害な不純物が発生しないレジスト組成物として使用可能な芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体の製造方法の開発である。
前記課題を解決する本発明の要旨は以下の通りである。
[1]トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートおよび/またはオルト−トリジンジイソシアネートから選ばれるジイソシアネートと無水トリメリット酸の縮合物(A)と、ジアミン(B)を反応させることで得られるポリアミドアミック酸。
[2]ジイソシアネートと無水トリメリット酸のモル比率が1.02:2〜1.5:2である[1]に記載のポリアミドアミック酸。
[3][1] または[2]に記載のポリアミドアミック酸において、固形分酸価が50〜240mg・KOH/gであるポリアミドアミック酸。
[4] [1] 〜[3]に記載のポリアミド酸において、重量平均分子量が5000〜150000のポリアミドアミック酸。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミドアミック酸から誘導されるポリアミドイミド。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミドアミック酸と、光反応性基を有する化合物と、光開始剤を含有する感光性樹脂組成物。
本発明によれば、これまでのポリアミドイミドの特徴である耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性を有しつつ、カルボン酸を骨格中に含むため、フォトレジストのバインダーや、エポキシ樹脂の硬化剤などの用途に好適な芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体であるポリアミドアミック酸を得ることができる。
以下、本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
本発明におけるポリアミドアミック酸とは、骨格中にイミド基になる可能性のない(隣接部位にカルボキシル基が存在しない)アミド基を有し、かつ加熱によりイミド基になり得る(隣接部位にカルボキシル基が存在する)アミド基も有する高分子有機化合物であると定義する。したがって、ポリアミドアミック酸を加熱することでポリアミドイミドが得られる。
本発明のポリアミドアミック酸は、トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートおよび/またはオルト−トリジンジイソシアネートから選ばれるジイソシアネートと無水トリメリット酸を反応させて得られる縮合物(A)と、ジアミン(B)を反応させることで得られる。
本発明の縮合物(A)は、ジイソシアネートと無水トリメリット酸を溶剤に溶解し、加熱することによって得られる。
ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートおよび/またはオルト−トリジンジイソシアネートから選ばれる。上記の中から2種以上のジイソシアネートを混合して使用しても良い。トリレンジイソシアネートには2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートがあり、本発明においては2,4−置換体と2,6−置換体のどちらでも単一成分として使用することもできるし、あるいは2,4−置換体と2,6−置換体の混合物としても使用することもできる。混合物として使用した場合は、混合比率は任意である。
ジイソシアネートと反応させる、1分子中にカルボン酸と酸無水物を有する化合物としては無水トリメリット酸を使用する。
ジイソシアネートと無水トリメリット酸のモル比率は、1.02:2〜1.5:2であることが好ましい。ジイソシアネートと無水トリメリット酸のモル比率が1.1:2〜1.5:2であることがより好ましい。この比率よりジイソシアネートが少ない場合は、生成した縮合物(A)とジアミンを反応させたとき高分子量の化合物が得られない。またこの比率よりジイソシアネートが多い場合は、生成した縮合物(A)とジアミンを反応させて得られるポリアミドアミック酸中のカルボン酸含有量が小さすぎて本発明の効果をなさない。
縮合物(A)を合成するときに用いる溶剤としては、ジイソシアネートと無水トリメリット酸に対して不活性で、かつ溶解能を有していれば良い。原料に対する溶解能や沸点が適度であることから、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミドなどが好適に用いられるが、その他の溶剤を用いても良い。具体的に例示すれば、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
また、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のモノ、若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等が挙げられる。
また、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
また、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
縮合物(A)を合成するときの反応条件としては、80〜150℃の反応温度で1〜8時間攪拌し反応させるのが良い。100〜130℃の温度で2〜4時間がより好ましい。
縮合物(A)の合成反応においては、無水トリメリット酸のカルボン酸がイソシアネート基と優先的に反応し、反応終了後において無水物基が残存する。したがってIRスペクトルにて2275cm−1の消失及び1860cm−1の残存を確認することによって、反応が適切に進行したと判断する。
ジイソシアネートと無水トリメリット酸を本発明の規定するモル比率で反応させたとき、末端基がすべて酸無水物である縮合物(A)の溶剤溶解物が得られる。縮合物(A)とジアミン(B)を反応させることによって、本発明のポリアミドアミック酸が得られる。
ジアミン(B)としては芳香族ジアミンまたは脂肪族ジアミンのなかから、目的に応じて適切なものを選ぶことができる。公知の芳香族ポリアミドイミドと同程度の高ガラス転移点かつ低線膨張係数のポリアミドアミック酸を得たい場合は、パラ−フェニレンジアミン、メタ−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニライド、2,2’−ジメチルベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリンなど、剛直な骨格を有するジアミンを用いれば良い。また伸度や柔軟性を得たい場合には1,8−オクタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いれば良い。その他、目的に応じて4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチリデン)]ビスアニリン等のビスアニリン類;2,4’−ジアミノジフェニルメタン;4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等のジアミノジフェニルスルフィド類;4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン等のジアミノジフェニルスルフォン類;1,5−ジアミノナフタレン等のジアミノナフタレン類;2,4−ビス(β−アミノ−t− ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル等、種々なジアミンを使用することができる。2種類以上のジアミンを併用しても構わない。
本発明の効果を損なわない範囲で、縮合物(A)以外のその他の四塩基酸二無水物をポリアミドアミック酸の原料として併用することができる。その他の四塩基酸二無水物としては、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2’3,3’−オキシジフタル酸二無水物等のオキシジフタル酸二無水物、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができ、これらの四塩基酸二無水物は本発明の効果を損なわない範囲で1種または2種以上を併用することができる。
縮合物(A)の合成反応終了後、反応液に所定量のジアミン(B)および必要に応じその他の四塩基酸二無水物を添加し反応させることで、本発明のポリアミドアミック酸を得ることができる。粘度調整などのため必要に応じ溶剤を追加しても良い。
ジアミン(B)を添加後、0〜100℃の温度で0.5〜15時間反応させる。30〜90℃で1〜10時間がより好ましい。反応終了後、本発明のポリアミドアミック酸を溶剤溶解物としてそのまま用いるのが、本発明の好ましい様体である。
ジアミン(B)の量としては、ジイソシアネートの量をxモル、無水トリメリット酸の量をyモル、その他の四塩基酸二無水物の量をzモルとしたとき、0.8×(z+y−x)〜1.2×(z+y−x)であることが好ましい。
本発明のポリアミドアミック酸の重量平均分子量は5000〜150000である。10000〜120000がより好ましく、30000〜100000がさらに好ましい。重量平均分子量を本発明の範囲に収めることで、フォトレジスト用のバインダー用途などに好適な物性を有する化合物となる。本発明のポリアミドアミック酸の重量平均分子量は、ジイソシアネートの量をxモル、無水トリメリット酸の量をyモル、その他の四塩基酸二無水物の量をzモル、ジアミン(B)の量をaモルとしたとき、(x+a):(y+z)の比率を調節することによって、制御することができる。
本発明のアミドアミック酸は固形分酸価(JIS K5601−2−1:1999に準拠)が50〜240mg・KOH/gである。より好ましくは100〜240mg・KOH/g、さらに好ましくは120〜240mg・KOH/gである。このときの固形分酸価がこの範囲である場合、本発明のポリアミドアミック酸は、アルカリに対して溶解性を示すので、フォトレジスト用途にもちいるのに好適である。ジイソシアネートと無水トリメリット酸のモル比率を調節することやその他の四塩基酸二無水物を使用することで、本発明のポリアミドアミック酸の酸価を上述の範囲内で目的に応じて制御することができる。
上述の方法で得られたポリアミドアミック酸の溶剤溶解物を、フィルム、ガラス基板や銅箔などの基材に塗布し、加熱することによって本発明のポリアミドイミドが得られる。加熱条件としては、80〜400℃で5分〜8時間加熱することが望ましい。200〜375℃で30分〜5時間加熱することがより好ましい。溶剤の蒸発に伴う発泡を防ぐため、低温から高温へ徐々に加熱温度を高めていく加熱様式は、本発明の好ましい様体の一つである。
加熱した後、耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れた硬化膜が得られる。硬化膜の物性としては、線膨張係数が10〜60[10−6/℃]であることが望ましい。より好ましくは15〜45[10−6/℃]である。線膨張係数が以上の範囲である本発明のポリアミドアミック酸から得られる硬化膜は、金属やガラス、半導体用のシリコンなどの各種基板と積層したとき、反りや内部応力が少ないので電気電子材料として好ましい。
また、硬化膜のガラス転移温度は200〜400℃が好ましく、より好ましくは250〜350℃である。ガラス転移温度が以上の範囲であるとき、耐熱性、特に半田耐熱性などに優れた電気電子材料用途向け樹脂として適している。
本発明の好ましい一様体として、本発明のポリアミドアミック酸に、光反応性基を有する化合物と光開始剤を所定量混合することによって得られる、本発明の感光性樹脂組成物が挙げられる。
本発明において使用しうる光反応性基を有する化合物の具体例としては、ラジカル反応型のアクリレート類、カチオン反応型のその他エポキシ化合物類、その双方に感応するビニル化合物類等のいわゆる反応性オリゴマー類が挙げられる。
使用しうるアクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 多官能(メタ)アクリレート類としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
使用しうるビニル化合物類としてはビニルエーテル類、スチレン類、その他ビニル化合物が挙げられる。ビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソイシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
さらに、いわゆる反応性オリゴマー類としては、活性エネルギー線に官能可能な官能基とウレタン結合を同一分子内に併せ持つウレタンアクリレート、同様に活性エネルギー線に官能可能な官能基とエステル結合を同一分子内に併せ持つポリエステルアクリレート、その他エポキシ樹脂から誘導され、活性エネルギー線に官能可能な官能基を同一分子内に併せ持つエポキシアクリレート、これらの結合が複合的に用いられている反応性オリゴマー等が挙げられる。
また、カチオン反応型単量体としては、一般的にエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリジジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリジジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4,−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6110」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社製「ELR−4206」等)、リモネンジオキシド(ダイセル化学工業社製「セロキサイド3000」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4,−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6128」等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、光反応性基を有する化合物としては、ラジカル硬化型であるアクリレート類が最も好ましい。カチオン型の場合、ポリアミドアミック酸のカルボン酸とエポキシが反応してしまうため2液混合型にする必要が生じる。
光開始剤としては、ラジカル型光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤などが挙げられる。
ラジカル型光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等の公知一般のラジカル型光反応開始剤が挙げられる。
また、カチオン系光重合開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボーレート系開始剤、及びその他の光酸発生剤等が挙げられる。
ルイス酸のジアゾニウム塩としては、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート( 三新化学工業社製サンエイドSI−60L / SI−80L / SI−100L など) 等が挙げられ、ルイス酸のヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられ、ルイス酸のスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(Union Carbide社製 Cyracure UVI−6990など) 、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(Union Carbide社製 Cyracure UVI−6974など) 等が挙げられ、ルイス酸のホスホニウム塩としては、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられる。
また、ハロゲンを有するトリアジン系開始剤として、支障の無い範囲で、2,4,6−トリス( トリクロロメチル)−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’− メトキシフェニル)−6−トリアジン(Panchim社製 Triazine A など) 、2,4−トリクロロメチル−(4’− メトキシスチリル)−6−トリアジン(Panchim社製 Triazine PMS など) 、2,4−トリクロロメチル−(ピプロニル)−6−トリアジン(Panchim社製 Triazine PPなど) 、2,4−トリクロロメチル−(4’− メトキシナフチル)−6−トリアジン(Panchim社製 Triazine B など) 、2[2’(5’’−メチルフリル) エチリデン]−4,6−ビス( トリクロロメチル)−s−トリアジン( 三和ケミカル社製など) 、2(2’− フリルエチリデン)−4,6−ビス( トリクロロメチル)−s−トリアジン( 三和ケミカル社製) 等も使用できる。 その他、2,2,2−トリクロロ−[1−4’−(ジメチルエチル)フェニル] エタノン(AKZO 社製 Trigonal PIなど) 、2.2−ジクロロ−1−4−(フェノキシフェニル) エタノン(Sandoz 社製 Sandray 1000 など) 、α, α, α− トリブロモメチルフェニルスルホン( 製鉄化学社製 BMPS など)等のハロゲン化物も支障の無い範囲で使用できる。
ボーレート系開始剤としては、日本感光色素製NK−3876 及びNK−3881 等が挙げられ、その他の光酸発生剤等としては、9−フェニルアクリジン、2,2’− ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2− ビイミダゾール( 黒金化成社製ビイミダゾールなど) 、2,2−アゾビス(2− アミノ− プロパン) ジヒドロクロリド( 和光純薬社製 V50など) 、2,2−アゾビス[2−(イミダソリン−2イル) プロパン] ジヒドロクロリド( 和光純薬社製 VA044など) 、[ イータ−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,イータ)−( メチルエチル)−ベンゼン] 鉄(II)ヘキサフロロホスホネート(Ciba Geigy 社製 Irgacure 261 など) 、ビス(y5−シクロペンタジエニル) ビス[2,6− ジフルオロ−3−(1H− ピリ−1− イル) フェニル] チタニウム(Ciba Geigy 社製 CGI−784など) 等が挙げられる。
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の熱に感応する過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いても良い。また、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いても良い。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、組成物中のポリアミドアミック酸100重量%に対して、光反応性基を有する化合物5〜60重量%、光開始剤0.5〜7重量%含んでいるのが好ましい。必要に応じてその他の成分を100重量%程度を上限に含んでいて良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、消泡剤、レオロジーコントロール剤、難燃剤、フィラーなど、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を含有することができる。
このようにして、感光性樹脂組成物を得ることができるが、これら感光性樹脂組成物を使用して、金属や金属積層板の表面にソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を形成する方法は、既に公知のアプリケーター、ロールコーターやスクリーン塗布、バーコーターなどを用いて容易に塗布することができる。塗布した感光性樹脂組成物は、有機溶剤を揮発させることで感光性皮膜となるが、乾燥も公知の方法でよく、例えば熱風乾燥機や遠赤外線、近赤外線などの乾燥機を用いて50〜150℃で3〜120分乾燥することで、感光性皮膜を得ることができる。感光性皮膜の膜厚は5〜200μmが適当で、好ましくは15〜100μmである。膜厚が5μmに満たないと、絶縁信頼性が乏しく、200μmを超えると露光感度の低下を招き、現像時間がかかるので好ましくない。
また本発明の感光性樹脂組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの無色透明なフィルムに塗布乾燥し、感光性フィルムを得たのちに、金属や金属積層板の表面に熱圧着することで感光性皮膜とすることもできる。上記感光性フィルムは、上述した膜厚10〜100μmのフィルム上に、リバースロールコーターやグラビアロールコーター、コンマコーター、カーテンコーターなど、公知の方法で塗布、続き乾燥することで得られる。乾燥は、熱風乾燥や遠赤外線、近赤外線を用いた乾燥機で温度50〜120℃、より好ましくは60〜100℃で3〜120分行うのが良い。膜厚が5μmに満たないと、絶縁信頼性が乏しく、200μmを超えると露光感度の低下を招き、現像時間がかかるので好ましくない。
なお、上記感光性フィルムを用いて、感光性皮膜を得るには、平板プレスやロールプレスなどの公知の方法により、40〜150℃に加熱しながら、1〜5kgf/cmの圧力で熱圧着するのが良い。
このようにして得られた感光性皮膜は、通常のフォトマスクを用いて露光される。この際に使用される活性光線としては、例えば紫外線、電子線、X線などが挙げられるが、これらの中でより好ましくは紫外線であり、その光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが挙げられる。
露光後、現像液を使用して現像を行う際には、浸漬法やスプレー法を用いることができる。現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、テトラヒドロアンモニウムヒドロキシド水溶液等のアルカリ水溶液が使用される。現像後は、水、あるいは希塩酸、希硫酸などの酸性水溶液でリンスすることが望ましい。現像によって得られたパターンは、その後、加熱処理することによって、ポリアミドイミドのパターンに変換される。加熱処理は、80〜400℃で5分〜8時間加熱することが望ましい。200〜375℃で30分〜5時間加熱することがより好ましい。溶剤の蒸発に伴う発泡を防ぐため、低温から高温へ徐々に加熱温度を高めていく加熱様式は好ましい様体の一つである。
以下、代表的な実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例、比較例においていった測定及び評価は、以下の方法で実施した。
・酸価の測定
JIS K 0070:1992に準じた方法で測定した。

・分子量測定
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて、下記の条件で測定を行った。機種:TOSOH HLC−8220GPCカラム:TSKGEL Super AWM−H溶離液:NMP(N−メチル−2−ピロリドン)に30mmol/L リチウムブロマイド及び1wt% 酢酸を溶解した溶液流出速度:0.6ml毎分温度:40℃検出器:示差屈折計
分子量標準:ポリスチレン
・ガラス転移点、熱膨張係数の測定
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製TMA/SS6100にて、加重3g、昇温速度10℃/分の条件で4mm(幅)×30μm(厚さ)のサンプルを測定した。線膨張係数は、100℃から200℃の間の値を用いた。
・実施例7(表2)における、テストサンプルの評価
評価1(鉛筆硬度試験):JIS− K−5405に記載の方法で行った。
評価2(クロスカット後密着性):JIS− K−5405に記載の方法で行った。
評価3(耐溶剤試験):JIS− K−5405に記載のクロスカットを室温のアセトンに12時間浸漬し、碁盤目の残量を数えた。
評価4(耐酸試験):JIS− K−5405に記載のクロスカットを60℃の10wt%の塩酸水溶液に12時間浸漬し、碁盤目の残量を数えた。
評価5(耐アルカリ試験):JIS− K−5405に記載のクロスカットを60℃の10wt%の水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬し、碁盤目の残量を数えた。
評価6(Peel強度):1オンス圧延銅箔光沢上に形成したテストサンプルにおいて、その後、銅箔を2mm幅にエッチングし、皮膜と2mm幅銅箔とを、角度90°で引き剥がした時の強度をPeel強度(Kg/cm)とした。
評価7(はんだ耐熱性):260±5℃に保持された溶融はんだに、1オンス圧延銅箔光沢上に形成したテストサンプルを感光性皮膜面を上にして、5秒フロートし、皮膜の膨れやクラックなどの有無を確認した。(JPCA−BM02に準じた。)
実施例1
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、オルト−トリジンジイソシアネート(日本曹達社製)41.44g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製)50.21gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)210.0gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製)12.15gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例2
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製)32.40g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 59.56gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)210.0gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製) 14.42gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例3
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製) 40.22g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 51.47gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)210.0gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製) 12.46gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例4
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、1,5−ナフタレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製) 36.39g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 55.43gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)210.0gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製) 13.42gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例5
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、オルト−トリジンジイソシアネート(日本曹達社製) 41.64g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 50.45gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)210.0gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製) 11.78gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例6
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、オルト−トリジンジイソシアネート(日本曹達社製) 14.50g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 17.57gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)234.27gに溶解した。120℃で3時間反応させた後、反応液のIRスペクトルを測定し2275cm−1のピーク消失、及び1860cm−1のピーク残存を確認した。
その後、パラ−フェニレンジアミン(大新化成社製) 23.17gおよび3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸(三菱化学社製) 49.98gを添加し、80℃で6時間反応させ、本発明のポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドアミック酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、本発明のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた本発明のポリアミドアミック酸及びポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
実施例7
実施例1で合成したポリアミドアミック酸の30wt%NMP溶液を用い、下記に従って配合を行い、本発明の感光性樹脂組成物を得た。

配合量(重量部)
実施例1のポリアミドアミック酸30wt%NMP溶液 333
KAYARAD PEG400DA 30
(日本化薬社製)
IRGACURE907 2
(チバガイギー社製)
KAYACURE DETX 2
(日本化薬社製)

上記の感光性樹脂組成物を調整した後、パターン形成されたフレキシブルプリント配線板上、および1オンス圧延銅箔の光沢面上にスクリーンを用いて均一に塗布した。その後、80℃で60分間乾燥した。乾燥した塗布膜厚は、導体回路上および銅箔光沢面上で20〜25μmの感光性皮膜が得られるよう調整した。
次に、所望のフォトマスクを用いて、3kwの超高圧水銀灯にて、感光性皮膜に500mj/cmの光量が照射できるように露光した。露光した感光性皮膜を3.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液で30℃に調節した現像液に120秒間浸漬して現像を行った。未露光部は溶解し、所望の画像が得られた。100℃で5分、150℃で30分乾燥したのち、300℃で60分加熱することでテストサンプルを作製した。テストサンプルの評価結果を表2に示す。
比較例1
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、オルト−トリジンジイソシアネート(日本曹達社製) 35.60g、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製)5.87g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 33.35gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)240.0gに溶解した。120℃で6時間反応させ、ポリアミドイミドの20wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドイミド溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、比較用のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた比較用のポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
比較例2
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製)36.77g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 41.82gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)240.0gに溶解した。120℃で6時間反応させ、ポリアミドイミドの20wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドイミド溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、比較用のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた比較用のポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
比較例3
500mlセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を設置し、窒素雰囲気下、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製) 41.67g及び無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製) 32.98gをN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP,BASFジャパン社製)240.0gに溶解した。120℃で6時間反応させ、ポリアミドイミドの20wt%NMP溶液300gを得た。
上記のポリアミドイミド溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるよう流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分乾燥し、該離型フィルムからはく離した。得られたポリアミドアミック酸のフィルムを金枠に固定し、300℃で60分加熱することで、比較用のポリアミドイミドからなるフィルムを得た。
この様にして得られた比較用のポリアミドイミドについて、評価及び測定した結果を表1に示す。
比較例4
比較例1で合成したポリアミドイミドの20wt%NMP溶液を用い、下記に従って配合を行い、比較用の樹脂組成物を得た。

配合量(重量部)
比較例1のポリアミドイミドの20wt%NMP溶液 500
KAYARAD PEG400DA 30
(日本化薬社製)
IRGACURE907 2
(チバガイギー社製)
KAYACURE DETX 2
(日本化薬社製)

上記の樹脂組成物を調整した後、パターン形成されたフレキシブルプリント配線板上、および1オンス圧延銅箔の光沢面上にスクリーンを用いて均一に塗布した。その後、80℃で60分間乾燥した。乾燥した塗布膜厚は、導体回路上および銅箔光沢面上で20〜25μmの皮膜が得られるよう調整した。
次に、所望のフォトマスクを用いて、3kwの超高圧水銀灯にて、上記皮膜に500mj/cmの光量が照射できるように露光した。露光した皮膜を3.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液で30℃に調節した現像液に120秒間浸漬して現像を行った。未露光部が現像液に溶解せず、所望の画像を得ることができなかった。
Figure 2012140562
Figure 2012140562
Figure 2012140562
表1の結果から明らかなように、本発明のアミドアミック酸を加熱して得られるフィルムは、公知のアミドイミドを加熱して得られるフィルムと同程度の物性を有する。また、表2から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物は良好なアルカリ現像性を有し、また加熱硬化後の諸々の膜特性も良好で、本発明のアミドアミック酸はレジスト用の芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体として機能していることがわかる。
本発明のポリアミドアミック酸は、レジスト組成物として使用可能な芳香族ポリアミドイミド樹脂前駆体として有用であり、このポリアミドアミック酸を用いることで、フレキシブルプリント配線板のカバーレイ材料用や、半導体のパッシベーション膜用の感光性樹脂組成物、相関絶縁材料、ハードディスクサスペンション基板の保護膜材料として好適な感光性樹脂組成物を製造することができる。当該感光性樹脂組成物より得られた塗布膜は現像可能であり、かつ現像後熱処理して得られた皮膜が耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性などにおいてポリアミドイミド同等の物性を発現するという特徴を有する。
また本発明のポリアミドアミック酸は、エポキシ樹脂の硬化剤として使用した場合、硬化物がポリアミドイミドの優れた物性を有するという特徴がある。

Claims (6)

  1. トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートおよび/またはオルト−トリジンジイソシアネートから選ばれるジイソシアネートと無水トリメリット酸の縮合物(A)と、ジアミン(B)を反応させることで得られるポリアミドアミック酸。
  2. ジイソシアネートと無水トリメリット酸のモル比率が1.02:2〜1.5:2である請求項1に記載のポリアミドアミック酸。
  3. 固形分酸価が50〜240mg・KOH/gである請求項1または2に記載のポリアミドアミック酸
  4. 重量平均分子量が5000〜150000である請求項1〜3いずれかに記載のポリアミドアミック酸。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のポリアミドアミック酸から誘導されるポリアミドイミド。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載のポリアミドアミック酸と、光反応性基を有する化合物と、光開始剤を含有する感光性樹脂組成物。
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