JP2012140511A - 変性ジエン系ゴムポリマーの製造方法 - Google Patents

変性ジエン系ゴムポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度の低下を抑えながら、シリカの分散性を向上させる。
【解決手段】共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーに、分子内にオレフィン結合を有するとともにカルボキシル基、アルコキシル基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する化合物と、メタセシス触媒を加え、前記メタセシス触媒により前記化合物を前記共役ジエン系ゴムポリマーに反応させることによって、変性ジエン系ゴムポリマーを得る。また、得られた変性ジエン系ゴムポリマーに、充填剤としてシリカを配合し、混合することでゴム組成物を調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性ジエン系ゴムポリマー及びその製造方法に関し、また、該変性ジエン系ゴムポリマーを用いたゴム組成物及びその製造方法に関するものである。
従来、スチレン−ブタジエンゴムなどのジエン系ゴムにおいて、ポリマー製造時に変性基を添加して、末端変性ポリマーを作成することが知られている。かかる変性ポリマーは、例えば、シリカ等の充填剤とともに混合しゴム組成物を調製したときに、充填剤との親和性がよくなることで、充填剤の分散を向上させることができ、そのため、未変性のジエン系ゴムポリマーを用いた場合に比べて、ゴム組成物のヒステリシスロスを低減すること、すなわち、損失係数(tanδ)を低く抑えることができる。従って、例えば、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減して、自動車の低燃費化に寄与することができる。しかしながら、上記従来の手法は、一般にアニオン重合下でしか実施することができないという問題がある。
下記特許文献1には、低発熱性と耐摩耗性に優れたゴム組成物を得るために、天然ゴムラテックスに極性基含有オレフィン及びメタセシス触媒を加え、該メタセシス触媒によって極性基含有オレフィンを反応させた変性天然ゴムが開示されている。天然ゴムはイソプレンの重合体であるが、そのほとんどがシス−1,4結合で構成されており、従って、メタセシス反応により、天然ゴム主鎖中の二重結合部に特定の官能基を有する化合物が導入される。つまり、天然ゴムは二重結合部が切断され、その切断された末端に極性基が導入される。特許文献1は、この反応機構を積極的に利用したものであり、切断された分子末端に極性基を導入することにより、充填剤との相互作用を高めることを特徴としている(特許文献1の[0019]参照)。
特開2007−204637号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、ゴムポリマーの主鎖中の二重結合部を切断することを利用するものであるため、ゴムポリマーの分子量が低下し、強度の低下が避けられないという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、側鎖にビニル基を有するゴムポリマーに対してメタセシス触媒を用いて官能基を有する化合物を反応させることで、強度の低下を抑えながら、充填剤の分散性を向上させることができる変性ジエン系ゴムポリマーを提供することを目的とする。
本発明に係る変性ジエン系ゴムポリマーの製造方法は、共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーに、分子内にオレフィン結合を有するとともにカルボキシル基、アルコキシル基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する化合物と、メタセシス触媒を加え、前記メタセシス触媒により前記化合物を前記共役ジエン系ゴムポリマーに反応させることを特徴とするものである。
本発明に係るゴム組成物の製造方法は、上記で得られた変性ジエン系ゴムポリマーに、充填剤としてシリカを配合し、混合することを特徴とするものである。
本発明に係る変性ジエン系ゴムポリマーは、共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーに対し、分子内にオレフィン結合を有するとともにカルボキシル基、アルコキシル基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する化合物を、メタセシス触媒により反応させてなるものである。また、本発明に係るゴム組成物は、該変性ジエン系ゴムポリマーを含むゴム成分100質量部に対して、シリカ10〜200質量部を配合してなるものである。
本発明によれば、側鎖に所定以上のビニル基を持つ共役ジエン系ゴムポリマーを用いて、シリカ表面の水酸基に対して反応性ないし親和性の高い官能基を、メタセシス反応により該ジエン系ゴムポリマーに導入することにより、強度の低下を抑えながら、ゴム組成物に配合したときにシリカの分散性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態において、処理対象となるゴムポリマーは、共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーである。このように側鎖に所定量以上のビニル基を持つ共役ジエン系ゴムポリマーを処理対象とすることにより、メタセシス反応を主として側鎖のビニル基で起こすことができ、そのため、強度の低下を抑えながら、ゴムポリマーを変性することができる。すなわち、共役ジエンユニット中のビニル結合量が20質量%未満では、主鎖中の二重結合に対してもメタセシス反応が起こり、ゴムポリマーが切断されることで分子量が低下して強度の低下が大きくなる。共役ジエンユニット中のビニル結合量は30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。共役ジエンユニット中のビニル結合量の上限は、特に限定されないが、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは80質量%以下である。
前記共役ジエン系ゴムポリマーとしては、共役ジエンモノマーの単独重合体、又は、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。共役ジエンモノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、これらはそれぞれ1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、共役ジエンモノマーとしては1,3−ブタジエンやイソプレンが好ましい。芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,2,6−トリメチルスチレンなどが挙げられ、これらはそれぞれ1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、芳香族ビニルモノマーとしては、スチレンが好ましい。共役ジエンモノマーの使用量、即ち、上記共役ジエン系ゴムポリマー中における共役ジエンユニットの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。また、芳香族ビニルモノマーの使用量、即ち、上記共役ジエン系ゴムポリマー中における芳香族ビニルユニットの含有量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下である。
上記共役ジエン系ゴムポリマーとして、より具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が好ましいものとして挙げられ、これらの中でも、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴムを用いることが好ましい。
なお、上記のようなビニル結合量の多い共役ジエン系ゴムポリマー自体は公知であり、そのような公知のポリマーの中から適宜選択して用いることができる。特に限定するものではないが、リチウム系触媒を用いて重合することにより、ビニル結合量の多い共役ジエン系ゴムポリマーを製造することができる。
上記共役ジエンユニットにおけるビニル結合量は、ゴムポリマー中に含まれる共役ジエンユニットの含有量を100質量%としたときの1,2−ビニル結合ユニットの含有量であり、HNMRスペクトルの積分比により算出される。より詳細には、ゴムポリマーが共役ジエンモノマーの単独重合体(例えば、ポリブタジエンゴム)である場合、ポリマー全体中に占める1,2−ビニル結合ユニットの含有量であり、ゴムポリマーが共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとの共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム)である場合、芳香族ビニルユニット(スチレンユニット)を除いた共役ジエンユニット(ブタジエンユニット)中に占める1,2−ビニル結合ユニットの含有量である。なお、共役ジエンユニットの含有量と芳香族ビニルユニットの含有量も、HNMRスペクトルの積分比により算出される。
本実施形態では、上記共役ジエン系ゴムポリマーに、変性剤としてオレフィン結合及び特定の官能基を持つ化合物と、メタセシス触媒を加えて、反応させる。このようにメタセシス触媒の存在下、上記共役ジエン系ゴムポリマーとオレフィン結合を持つ化合物とを反応させた場合、共役ジエン系ゴムポリマーの側鎖にあるビニル基の炭素−炭素二重結合と上記化合物のオレフィン結合とのアルケンメタセシス反応(クロスメタセシス反応)により、共役ジエン系ゴムポリマーの側鎖に上記化合物の官能基が導入される。その際、共役ジエン系ゴムポリマーの主鎖中の二重結合にもメタセシス反応が起こる可能性があるが、一般に主鎖中の二重結合よりも側鎖のビニル基の方が反応性が高く、また上記のように共役ジエンユニット中のビニル結合量が20質量%以上と高いので、ビニル基で優先的にメタセシス反応が起こる。そのため、主鎖の切断による強度の低下を抑えながら、ゴムポリマーに官能基を導入することができる。
変性剤としての前記化合物としては、クロスメタセシス反応に必要な炭素−炭素二重結合であるオレフィン結合(エチレン結合ともいう。)を有し、かつ、シリカ表面の水酸基と反応性ないし親和性を持つ官能基を有するものが用いられる(以下、オレフィン化合物ということがある。)。該官能基としては、カルボキシル基、アルコキシル基(より好ましくはアルコキシシリル基)、水酸基、エポキシ基が挙げられ、これらを分子中に少なくとも1つ有するものが用いられる。
該オレフィン化合物としては、上記オレフィン結合として、HC=CR−(但し、Rは水素原子又はメチル基)で表される不飽和基(例えば、ビニル基(HC=CH−)、イソプロペニル基(HC=C(CH)−)、アリル基(HC=CH−CH−))を有するものが好ましく用いられる。このような末端にメチリデン基を持つ化合物であると、側鎖のビニル基とのクロスメタセシス反応により、メチリデン基同士が結合した場合、生成されるエチレンは系中から除かれるので、低分子成分は少なくなり、変性効率を上げることができる。
該オレフィン化合物として、具体的には、次のものが好ましい例として挙げられる。なお、これらのオレフィン化合物は、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
カルボキシル基を有するオレフィン化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸の他、フタル酸やアジピン酸などの非重合性多価カルボン酸とアリルアルコールなどの水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルなどが挙げられる。これらの中でも不飽和カルボン酸が好ましく、より好ましくは下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2012140511
式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Aは、酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10の2価の有機基を表し、好ましくはエステル結合又はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基又はアリーレン基を表し、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。nは、0又は1を表す。具体的には、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、4−ビニル安息香酸、3−ブテン酸などが挙げられる。
アルコキシル基を有するオレフィン化合物としては、下記一般式(2)で表されるアルコキシシリル基含有オレフィン化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2012140511
式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Aは、酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10の2価の有機基を表し、好ましくはエステル結合又はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基又はアリーレン基を表し、特に好ましくはエステル結合を含んでもよい炭素数1〜4のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。nは、0又は1を表す。Rは、エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくはメチル基、エチル基を表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。pは1〜3の整数を表す。式(2)で表されるオレフィン化合物として、具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
水酸基を有するオレフィン化合物としては、下記一般式(3)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2012140511
式(3)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Aは、酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10の2価の有機基を表し、好ましくはエステル結合又はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基又はアリーレン基を表す。nは、0又は1を表す。式(3)で表されるオレフィン化合物として、具体的には、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−へプテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オールなどのアルケノール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エポキシ基を有するオレフィン化合物としては、下記一般式(4)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2012140511
式(4)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Aは、酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10の2価の有機基を表し、好ましくはエステル結合又はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表す。nは、0又は1を表す。式(4)で表されるオレフィン化合物として、具体的には、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどが挙げられる。
上記メタセシス触媒としては、共役ジエン系ゴムポリマーの側鎖のオレフィン結合と上記化合物のオレフィン結合との間でのメタセシス反応に対して触媒作用を有する限り特に限定されず、公知の種々のメタセシス触媒を用いることができる。メタセシス触媒として、具体的には、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド、(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、(ジクロロo−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、(1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウムなどが挙げられる。
本実施形態において、共役ジエン系ゴムポリマーに、変性剤としてのオレフィン化合物とメタセシス触媒を加えて反応させて、変性ジエン系ゴムポリマーを得るための具体的な手法としては、特に限定されない。例えば、不活性雰囲気下で、上記共役ジエン系ゴムポリマーの溶液に、上記オレフィン化合物を添加し、更にメタセシス触媒を添加した後、20〜80℃で10分〜24時間攪拌して反応させることにより、メタセシス反応が起こり、共役ジエン系ゴムポリマーに上記官能基が導入される。その後、得られた変性ジエン系ゴムポリマーの溶液から、変性ジエン系ゴムポリマーを凝固させ、乾燥機を用いて乾燥することにより変性ジエン系ゴムポリマーが得られる。
上記オレフィン化合物の添加量は、特に限定されないが、上記共役ジエン系ゴムポリマー(即ち、変性前の共役ジエン系ゴムポリマー)に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。上記オレフィン化合物の添加量を0.01質量%以上とすることで、ゴム組成物に配合したときのシリカの分散性向上効果を高めることができる。
また、上記メタセシス触媒の添加量は、特に限定されないが、上記オレフィン化合物に対して1〜500モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜100モル%である。
得られた変性ジエン系ゴムポリマーにおける変性率は、特に限定されないが、0.001〜5%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。ここで、変性率は、変性ジエン系ゴムポリマーの質量(変性ジエン系ゴムポリマーからポリマー分子内に導入されていないオレフィン化合物同士の反応物等を除去した後の質量)をM、変性前の共役ジエン系ゴムポリマーの質量をNとして、下記式により算出される値である。
変性率(%)=100×(M−N)/N
得られた変性ジエン系ゴムポリマーは、充填剤としてシリカを配合し、混合してゴム組成物を製造するために用いることができる。該変性ジエン系ゴムポリマーは、シリカ表面上の水酸基と反応性ないし親和性の高い官能基が導入されているので、ゴム組成物中でのシリカの分散を向上させることができ、従って、ゴム組成物のtanδを低く抑えて、低燃費性を向上することができる。
該ゴム組成物に配合するゴム成分としては、上記変性ジエン系ゴムポリマー単独使用でもよく、該変性ジエン系ゴムポリマーとともに未変性のゴムポリマーを配合してもよい。該未変性のゴムポリマーとしては、特に限定されるものではなく、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどの各種ゴムポリマーをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、ジエン系ゴムポリマーを用いることであり、特に好ましくは、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴムを用いることである。ゴム成分中に含まれる変性ジエン系ゴムポリマーの配合比率は、特に限定されないが、シリカの分散性向上効果をより有効に発揮させる上で、20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。
該ゴム組成物に配合するシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。シリカの配合量は、特に限定されないが、上記ゴム成分100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜150質量部であり、更に好ましくは50〜120質量部である。
該ゴム組成物には、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ100質量部に対して2〜25質量部にて用いることが好ましい。
シランカップリング剤としては、一般にシリカとともにゴム組成物中に配合される各種シランカップリング剤を用いることができ、下記一般式(5)で表されるように、シリカの水酸基と反応し得るアルコキシ基と、ジエン系ゴムと反応し得る硫黄原子を含む官能基Dとを有するものが好ましく用いられる。
(R(RSi−D …(5)
式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基であり、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基であり、s=1〜3、s+t=3であり、Dは硫黄原子を含む官能基である。Dは、より好ましくは下記一般式(6)〜(8)のいずれかである。
−R−S−R−Si(R(R …(6)
−R−SH …(7)
−R−S−CO−R …(8)
式中、R,Rはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、xは2〜8である。
上記一般式(5)において、Rは、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。また、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rについて、上記アルキルポリエーテル基とは、−O−(R−O)−R(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキル基、k=1〜20であることが好ましい。)で表される。なお、R,Rは、それぞれ1分子中に複数有する場合、それらは同一でも異なってもよい。
また、R,Rは、より好ましくは、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、より好ましくは炭素数5〜9のアルキル基である。xは2〜8であり、より好ましくは2〜4である。なお、xは通常分布を有しており、即ち、硫黄連鎖結合の数が異なるものの混合物として一般に市販されており、xはその平均値を表す。なお、上記式(6)中のR、R、s、tは、上記式(5)と同じである。
上記官能基Dが上記式(6)で表されるスルフィドシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどが好ましいものとして挙げられる。
上記官能基Dが上記式(7)で表されるメルカプトシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びエボニック・デグサ社製「VP Si363」(R:OC、R:O(CO)−C1327、R:−(CH−、s=平均1、t=平均2、k=平均5)などが好ましいものとして挙げられる。
上記官能基Dが上記式(8)で表される保護化メルカプトシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどが好ましいものとして挙げられる。
以上列挙したシランカップリング剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組合せて用いることができる。
該ゴム組成物には、その他に、カーボンブラック等のシリカ以外の充填剤、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を適宜配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製される。このようにして得られるゴム組成物の用途は、特に限定されず、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。
好ましくは、タイヤ用ゴム組成物として用いることであり、特にはトレッドゴムに好適に用いられ、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを形成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例]
(変性ゴムポリマー1の調製:実施例)
共役ジエン系ゴムポリマーとして、ランクセス(株)製スチレン−ブタジエンゴム「VSL5025−0HM」(スチレンユニット含有量=25質量%、ブタジエンユニット含有量=75質量%、ブタジエンユニット中のビニル結合量=67質量%)を用いた。溶媒としてジクロロメタンを用いて、上記共役ジエン系ゴムポリマーの5質量%溶液を調製した。不活性雰囲気下で、上記溶液に対し、上記共役ジエン系ゴムポリマーの0.5質量%に相当する化合物A(ビニルトリメトキシシラン:CH=CHSi(0CH)を添加し、磁気攪拌子を使用し、室温で30分間攪拌した。その後、メタセシス触媒(ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド)を、上記共役ジエン系ゴムポリマーに対して1.25質量%添加し、室温で6時間反応させた。その後、得られた溶液を、極微量のエチルビニルエーテルを含む大量のメタノール中に投入して、変性ジエン系ゴムポリマーを凝固させ取り出した。そして、真空乾燥機にて40℃で一昼夜乾燥させて、変性ゴムポリマー1を得た。
得られた変性ゴムポリマー1をアセトン抽出して、ゴムポリマー分子に導入されていない化合物A同士の反応物を除去し、その後、真空乾燥機にて40℃で一昼夜乾燥させてから質量を測定した。この質量が、ゴムポリマー分子に導入されていないオレフィン化合物同士の反応物を除去した後の変性ジエン系ゴムポリマーの質量Mであり、上記式に基づいて変性率を求めたところ、0.49%であった。
(変性ゴムポリマー2の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Bとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Bで変性した変性ゴムポリマー2を得た。該変性ゴムポリマー2につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.45%であった。
(変性ゴムポリマー3の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Cとしてメタクリル酸を用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Cで変性した変性ゴムポリマー3を得た。該変性ゴムポリマー3につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.38%であった。
(ゴム組成物の調製)
上記変性ゴムポリマー1〜3と未変性の共役ジエン系ゴムポリマー(ランクセス(株)製スチレン−ブタジエンゴム「VSL5025−0HM」)を用い、また、充填剤としてシリカ(エボニック社製「Ultrasil VN3」)を用いて、下記表1に示す配合に従って、バンバリーミキサーを使用して実施例1−1〜3及び比較例1−1のタイヤ用ゴム組成物を調製した。ゴム組成物の調製に際しては、常法に従い、まず、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して調製した。
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100質量部に対し、シランカップリング剤(エボニック社製「Si69」)6質量部、アロマオイル(昭和シェル石油(株)製「エキストラクト4号S」)37.5質量部、老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)2質量部、ステアリン酸(工業用ステアリン酸)2質量部、酸化亜鉛(1号亜鉛華)3質量部、ワックス(日本精蝋(株)製「パラフィンワックス」)2質量部、加硫促進剤(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)1.5質量部、硫黄(5%油処理粉末イオウ)2質量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、低燃費性の指標としてのtanδと、強度を測定した。測定方法は以下の通りである。
・tanδ:160℃×30分で加硫した試験片について、JIS K6394に準じて、東洋精機製粘弾性試験機を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1−1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低燃費性に優れることを示す。
・強度:160℃×30分で加硫した試験片について、JIS K6251に準じて(ダンベル状3号形)、破断時の引っ張り強さを測定し、比較例1−1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、引っ張り強さが大きく、強度が高いことを示す。
結果は表1に示す通りであり、シリカ表面の水酸基と反応性の高い官能基を導入した変性ゴムポリマーを用いた実施例1−1〜3であると、未変性ゴムポリマーを用いたコントロールの比較例1−1に対し、シリカの分散性向上によってtanδが低く、低燃費性に優れていた。また、変性による強度の低下はほとんど見られなかった。
Figure 2012140511
[第2実施例]
(変性ゴムポリマー4の調製:実施例)
共役ジエン系ゴムポリマーとして、ランクセス(株)製スチレン−ブタジエンゴム「VSL2525−0HM」(スチレンユニット含有量=25質量%、ブタジエンユニット含有量=75質量%、ブタジエンユニット中のビニル結合量=33質量%)を用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Aで変性した変性ゴムポリマー4を得た。該変性ゴムポリマー4につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.49%であった。
(変性ゴムポリマー5の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Bとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、その他は変性ゴムポリマー4と同様にして、化合物Bで変性した変性ゴムポリマー5を得た。該変性ゴムポリマー5につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.40%であった。
(変性ゴムポリマー6の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Cとしてメタクリル酸を用い、その他は変性ゴムポリマー4と同様にして、化合物Cで変性した変性ゴムポリマー6を得た。該変性ゴムポリマー6につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.31%であった。
(ゴム組成物の調製)
上記変性ゴムポリマー4〜6と未変性の共役ジエン系ゴムポリマー(ランクセス(株)製スチレン−ブタジエンゴム「VSL2525−0HM」)を用い、また、充填剤としてシリカ(エボニック社製「Ultrasil VN3」)を用いて、下記表2に示す配合に従って、バンバリーミキサーを使用して、第1実施例と同様の手法により、実施例2−1〜3及び比較例2−1のタイヤ用ゴム組成物を調製した。各ゴム組成物には、第1実施例と同様の共通配合を配合した。得られた各ゴム組成物について、tanδと強度を測定した(測定方法は、上記の通りであるが、比較例2−1の値を100とした指数で表示した。)。
結果は表2に示す通りであり、シリカ表面の水酸基と反応性の高い官能基を導入した変性ゴムポリマーを用いた実施例2−1〜3であると、未変性ゴムポリマーを用いたコントロールの比較例2−1に対し、シリカの分散性向上によってtanδが低く、低燃費性に優れていた。また、変性による強度の低下は小さいものであった。
Figure 2012140511
[第3実施例]
(変性ゴムポリマー7の調製:比較例)
共役ジエン系ゴムポリマーとして、JSR(株)製スチレン−ブタジエンゴム「SBR1502」(スチレンユニット含有量=23質量%、ブタジエンユニット含有量=77質量%、ブタジエンユニット中のビニル結合量=18質量%)を用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Aで変性した変性ゴムポリマー7を得た。該変性ゴムポリマー7につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.25%であった。
(変性ゴムポリマー8の調製:比較例)
上記化合物Aに変えて、化合物Bとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、その他は変性ゴムポリマー7と同様にして、化合物Bで変性した変性ゴムポリマー8を得た。該変性ゴムポリマー8につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.10%であった。
(ゴム組成物の調製)
上記変性ゴムポリマー7,8と未変性の共役ジエン系ゴムポリマー(JSR(株)製スチレン−ブタジエンゴム「SBR1502」)を用い、また、充填剤としてシリカ(エボニック社製「Ultrasil VN3」)を用いて、下記表3に示す配合に従って、バンバリーミキサーを使用して、第1実施例と同様の手法により、比較例3−1〜3のタイヤ用ゴム組成物を調製した。各ゴム組成物には、第1実施例と同様の共通配合を配合した。得られた各ゴム組成物について、tanδと強度を測定した(測定方法は、上記の通りであるが、比較例3−3の値を100とした指数で表示した。)。
結果は表3に示す通りであり、比較例3−1,2では、上記実施例1−1〜3及び2−1〜3と同様に、シリカ表面の水酸基と反応性の高い官能基を導入した変性ゴムポリマーを用いているにもかかわらず、未変性ゴムポリマーを用いたコントロールの比較例3−3に対し、シリカの分散性向上による低燃費性の改善効果が小さく、また特に強度が大きく低下していた。これは、比較例3−1,2では、共役ジエン系ゴムポリマーのビニル結合量が20質量%未満と小さく、そのため、ゴムポリマーの主鎖中の二重結合でもメタセシス反応が起こり、主鎖の切断による低分子化が起こったためと考えられる。第1〜3実施例を比較すると明らかなように、共役ジエン系ゴムポリマーのビニル結合量が多いほど、変性による強度低下を抑えながら、低燃費性の改善効果に優れていた。
Figure 2012140511
[第4実施例]
(変性ゴムポリマー9の調製:実施例)
共役ジエン系ゴムポリマーとして、日本ゼオン(株)製ポリブタジエンゴム「BR1240」(ブタジエンユニット中のビニル結合量=70質量%)を用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Aで変性した変性ゴムポリマー9を得た。該変性ゴムポリマー9につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.40%であった。
(変性ゴムポリマー10の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Bとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、その他は変性ゴムポリマー9と同様にして、化合物Bで変性した変性ゴムポリマー10を得た。該変性ゴムポリマー10につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.38%であった。
(変性ゴムポリマー11の調製:実施例)
上記化合物Aに変えて、化合物Cとしてメタクリル酸を用い、その他は変性ゴムポリマー9と同様にして、化合物Cで変性した変性ゴムポリマー11を得た。該変性ゴムポリマー11につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.30%であった。
(ゴム組成物の調製)
上記変性ゴムポリマー9〜11と未変性の共役ジエン系ゴムポリマー(日本ゼオン(株)製ポリブタジエンゴム「BR1240」)を用い、また、充填剤としてシリカ(エボニック社製「Ultrasil VN3」)を用いて、下記表4に示す配合に従って、バンバリーミキサーを使用して、第1実施例と同様の手法により、実施例4−1〜3及び比較例4−1のタイヤ用ゴム組成物を調製した。各ゴム組成物には、第1実施例と同様の共通配合を配合した。得られた各ゴム組成物について、tanδと強度を測定した(測定方法は、上記の通りであるが、比較例4−1の値を100とした指数で表示した。)。
結果は表4に示す通りであり、シリカ表面の水酸基と反応性の高い官能基を導入した変性ゴムポリマーを用いた実施例4−1〜3であると、未変性ゴムポリマーを用いたコントロールの比較例4−1に対し、シリカの分散性向上によってtanδが低く、低燃費性に優れていた。また、変性による強度の低下は小さいものであった。
Figure 2012140511
[第5実施例]
(変性ゴムポリマー12の調製:比較例)
共役ジエン系ゴムポリマーとして、JSR(株)製ポリイソプレンゴム「IR2200」(イソプレンユニット中のビニル結合量=1質量%)を用い、その他は変性ゴムポリマー1と同様にして、化合物Aで変性した変性ゴムポリマー12を得た。該変性ゴムポリマー12につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.20%であった。
(変性ゴムポリマー13の調製:比較例)
上記化合物Aに変えて、化合物Bとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用い、その他は変性ゴムポリマー12と同様にして、化合物Bで変性した変性ゴムポリマー13を得た。該変性ゴムポリマー13につき、変性ゴムポリマー1と同様に分析したところ、変性率は0.10%であった。
(ゴム組成物の調製)
上記変性ゴムポリマー12,13と未変性の共役ジエン系ゴムポリマー(JSR(株)製ポリイソプレンゴム「IR2200」)を用い、また、充填剤としてシリカ(エボニック社製「Ultrasil VN3」)を用いて、下記表5に示す配合に従って、バンバリーミキサーを使用して、第1実施例と同様の手法により、比較例5−1〜3のタイヤ用ゴム組成物を調製した。
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100質量部に対し、シランカップリング剤(エボニック社製「Si69」)4質量部、アロマオイル(昭和シェル石油(株)製「エキストラクト4号S」)10質量部、老化防止剤(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)2質量部、ステアリン酸(工業用ステアリン酸)2質量部、酸化亜鉛(1号亜鉛華)3質量部、ワックス(日本精蝋(株)製「パラフィンワックス」)2質量部、加硫促進剤(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)1.5質量部、硫黄(5%油処理粉末イオウ)2質量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、tanδと強度を測定した(測定方法は、上記の通りであるが、比較例5−3の値を100とした指数で表示した。)。
結果は表5に示す通りであり、比較例5−1,2では、共役ジエン系ゴムポリマーのビニル結合量が20質量%未満と小さいため、シリカ表面の水酸基と反応性の高い官能基を導入した変性ゴムポリマーを用いているにもかかわらず、未変性ゴムポリマーを用いたコントロールである比較例5−3に対し、シリカの分散性向上による低燃費性の改善効果が小さく、また特に強度が大きく低下していた。
Figure 2012140511

Claims (5)

  1. 共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーに、分子内にオレフィン結合を有するとともにカルボキシル基、アルコキシル基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する化合物と、メタセシス触媒を加え、前記メタセシス触媒により前記化合物を前記共役ジエン系ゴムポリマーに反応させることを特徴とする変性ジエン系ゴムポリマーの製造方法。
  2. 前記共役ジエン系ゴムポリマーに対する前記化合物の添加量が0.01〜5質量%であることを特徴とする請求項1記載の変性ジエン系ゴムポリマーの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で得られた変性ジエン系ゴムポリマーに、充填剤としてシリカを配合し、混合することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  4. 共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が20質量%以上である共役ジエン系ゴムポリマーに対し、分子内にオレフィン結合を有するとともにカルボキシル基、アルコキシル基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する化合物を、メタセシス触媒により反応させてなる変性ジエン系ゴムポリマー。
  5. 請求項4記載の変性ジエン系ゴムポリマーを含むゴム成分100質量部に対して、シリカ10〜200質量部を配合してなるゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014040514A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Ube Ind Ltd 変性ジエン系ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いた変性ジエン系ゴム組成物

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