JP2012140483A - 医療器具の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄力に優れた医療器具の洗浄方法を提供する。
【解決手段】(A)モノエタノールアミン0.004〜1質量%、(B)キレート剤0.005〜2質量%、(C)界面活性剤0.002〜1質量%、(D)アルカリプロテアーゼ及び水を含有し、pHが9以上の処理液で、タンパク汚れが付着した医療器具を洗浄する。
【選択図】なし

Description

本発明は医療器具の洗浄方法に関する。
剪刀、鉗子、鑷子などの鋼製器具及び硬性ならびに軟性内視鏡などの医療器具は検査、治療、手術などに使用された後は、血液、体液などが付着する。これらの汚れには異常プリオンなどの病原性を有するタンパク質、細菌、ウイルスなどが混在している可能性があり、確実に洗浄し消毒・滅菌した後、再使用する必要がある。その際、洗浄が不十分で汚れが残存していた場合、消毒や滅菌が期待されるほどの効果をあげることができず、完全な消毒や滅菌が達成できないことがあると言われている。また、洗浄工程において残存したタンパク質は、次工程で用いられるグルタールアルデヒドや過酢酸などの消毒剤あるいは高圧蒸気やエチレンオキサイドなどでの滅菌処理によりタンパク変性が起こり非常に強固で除去しにくい汚れとなる。そこで、消毒あるいは滅菌工程前にタンパク質汚れの洗浄を確実に行うため、中性酵素洗浄剤の使用が推奨されている(特許文献1)。
また、無機アルカリやキレート剤と酵素を組み合わせることにより、洗浄力をより高めることができるとして、2剤型の洗浄システムが提案されている。(特許文献2,3)
医療現場でのこれらの洗浄剤を用いた洗浄性は、通常、目視で判定されており、目視で確認できる汚れが残存していれば再洗浄が行われている。しかしながら、最近の研究において、医療現場で使用された器具を市販の中性酵素洗浄剤やアルカリ洗浄剤を用いて洗浄した場合、ほとんどの器具は目視で残存汚れが無くなっているが、蛍光染色剤で染色後に蛍光顕微鏡を用いて詳細に観察すると固着したタンパク質汚れが残存していることが明らかになっている(非特許文献1)
特開2001−31999号公報 米国特許第4243543号明細書 米国特許第5064561号明細書
Journal of Hospital Infection (2008) 68, 52-58
基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れは、除去が非常に困難であり、しかもその量は概ね1平方センチメール当たり数マイクログラム程度であると思われる。こうした基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れは、例えば、特許文献1の実施例で採用されている目視による判定方法や市販の測定キットによる判定方法では検出(残存の確認)が不可能である。また、特許文献1の実施例では、血液の凝固に関わる因子が除外された血液成分である血清を用いており、凝固して固着するような血液汚れは発生していない。従って、特許文献1は、基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れを除去できるような、より高度の洗浄については教示していない。なお、特許文献1に記載されているような洗浄剤組成物では、基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れを落とすことはできない。また、特許文献2、3に記載された洗浄剤組成物でも、無機アルカリを使用することによって、基材表面においては血液中のタンパク質が変性して固着しやすくなり、基材表面のタンパク質汚れを落とすことはできない。
医療器具に起因した院内感染を防止するために、このような微量かつ強固なタンパク質汚れを十分に除去することが重要であるが、従来、これを達成できる洗浄方法は見出されていない。
本発明の課題は、洗浄力に優れた医療器具の洗浄方法を提供することである。
本発明は、(A)モノエタノールアミン〔以下、(A)成分という〕0.004〜1質量%、(B)キレート剤〔以下、(B)成分という〕0.005〜2質量%、(C)界面活性剤〔以下、(C)成分という〕0.002〜1質量%、(D)アルカリプロテアーゼ〔以下、(D)成分という〕及び水を含有し、pHが9以上の処理液で、タンパク汚れが付着した医療器具を洗浄する、医療器具の洗浄方法に関する。
本発明によれば、固着した凝固血液を目に見えないレベルのタンパク汚れまで洗浄可能な、洗浄力に優れた医療器具の洗浄方法が提供される。
<(A)成分>
本発明の(A)成分はモノエタノールアミンである。本発明で用いる処理液中、(A)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストや基材への影響性の観点から、0.004〜1質量%であり、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.008〜0.2質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。
<(B)成分>
本発明の(B)成分はキレート剤である。(B)成分を添加することにより、アルカリ土類金属イオンや、アルカリ土類金属塩により結合して固着した汚れを効率的に洗浄することができる。
(B)成分のキレート剤としては、アミノカルボン酸系、有機酸系、ホスホン酸系、リン酸系、ポリカルボン酸系、のいずれも用いることができる。例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸、グルタミン酸二酢酸、等の有機酸またはこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)などのホスホン酸またはその塩、トリポリリン酸などのリン酸またはその塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸、等のポリカルボン酸またはその塩などが挙げられる。これらの塩の対イオンとしては、アルカリ金属、4級アミン、アルカノールアミン等が挙げられるが、医療器具に対する防食性の点から、アルカノールアミン塩が好ましい。さらに、モノエタノールアミン塩が好ましい。キレート剤の塩としてモノエタノールアミン塩を用いる場合には、モノエタノールアミンに相当する量は(A)成分として取り扱うものとする。
本発明で用いる処理液中、(B)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストの観点から、0.005〜2質量%であり、0.005〜0.3質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がさらに好ましく、0.02〜0.1%質量%がより更に好ましい。
<(C)成分>
本発明の(C)成分は界面活性剤である。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。本発明の(C)成分としては洗浄性の観点から、(C1)群の界面活性剤として、非イオン界面活性剤が好ましい。
(C1)群の非イオン界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸サッカライドエステル、アルキルポリサッカライド、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。タンパク質汚れの除去効果の観点から、下記(1)〜(3)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。
(1)下記一般式(1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテル
RO−(AO)s−H (1−1)
(Rは炭素数6〜24の炭化水素基、Aは炭素数2〜4のアルカンジイル基を示す。sはアルカンジイルオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜40の数である。)
(2)下記一般式(2−1)〜(2−2)で表されるポリアルキレングリコール
HO−(EO)o−(PO)p−(EO)q−H (2−1)
HO−(PO)p−(EO)q−(PO)r−H (2−2)
(EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数を表し、それぞれ独立して3〜100の数である。)
(3)炭素数6〜12の炭化水素基を有するアルキルグリセリルエーテル
(1)のポリオキシアルキレンエーテルにおいて、一般式(1−1)のR基は直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、洗浄性、泡特性の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜24であり、6〜18が好ましく、8〜14がより好ましく、8〜10が更に好ましい。Aは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、洗浄性、泡特性の観点から、炭素数2又は3が好ましい。sはアルカンジイルオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜40の数であり、2〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。また、複数のアルカンジイル基が含まれる場合には、付加形態は、ブロック付加であってもランダム付加であっても両方が混在していてもよい。
(1)の好適なポリオキシアルキレンエーテルとして、下記一般式(1−1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−1)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
一般式(1−1−1)で表されるポリオキシアルキレンエーテルのR基は、直鎖でも分岐鎖でもよいが、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜18であり、6〜14が好ましく、更に7〜10がより好ましい。R基は特に分岐鎖を有する炭素鎖が8〜10のアルキル基が好ましい。また、l、mは独立して1〜20の数であり、2〜15の数が好ましく、3〜10の数がより好ましい。またlとmの比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。EO及びPOの付加形態は、ランダム付加であってもブロック付加であっても良い。
更に、特に好適な(1)のポリオキシアルキレンエーテルとして、下記一般式(1−1−2)、(1−1−3)で表されるポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
RO−(EO)la−(PO)m−(EO)lb−H (1−1−2)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、la、lb、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、la、lb、mは独立して1〜20の数であり、且つ、la+lbは2〜20である。EO及びPOの付加形態は、EO−PO−EOの順にブロック付加である。)
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−3)
(Rは、分岐鎖を有する炭素数7〜10のアルキル基、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して3〜10の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
一般式(1−1−2)で表されるポリオキシアルキレンエーテルのR基は、直鎖又は分岐鎖である、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、分岐鎖のアルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜18であり、6〜14が好ましく、更に7〜10がより好ましい。また、la、lb、mは独立して1〜20の数であり、2〜15の数が好ましく、3〜10の数がより好ましく、且つ、la+lbは、2〜20であり、2〜15がより好ましい。また(la+lb)とmの比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。
また、一般式(1−1−3)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、例えば、プルラファックという商品名でBASF社から入手可能である。
一般式(2−1)、(2−2)で表されるポリアルキレングリコールにおいて、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数であり、それぞれ独立して3〜100の数であり、5〜30の数がより好ましい。また(o+q)/pの比又はq/(p+r)の比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。一般式(2−1)、(2−2)で表されるポリアルキレングリコールは、例えば、プルロニック、プルロニックRという商品名でBASF社から入手可能である。
(3)のグリセリルエーテルは、炭素数6〜12の炭化水素基を有するものであり、炭化水素基は好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10である。炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは分岐アルキル基である。
一般に、医療器具洗浄機、特に内視鏡洗浄機に関しては、洗浄時の水温に温度管理がされていないものが多い。常温で洗浄した場合には、特に泡が問題にならない場合でも、水温が低くなると、泡が消えにくくなる。
一方、洗浄力を高めるために、洗浄機の中では常に高圧で噴出された水が循環しており、非常に泡立ちやすくなっている。泡がたつと、泡により超音波や水流の物理力が緩和され、医療器具表面に伝わりにくくなり洗浄力が低下する。それだけではなく、医療器具の洗浄機に備えられている洗浄水の供給や排出を感知するための水位センサーの誤感知を起こし、洗浄が停止してしまう。また、RO水や、イオン交換水など極端に硬度が低い水を使用したときにも同様の問題が見られる。そのため5℃の低硬度の水を使用した場合でも泡立ちが抑制されていることが好ましい。
このような観点から非イオン界面活性剤(C1)群としては、(1)〜(3)の非イオン界面活性剤の中では、タンパク質汚れの除去効果の観点から、(1)〜(2)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましく、(1)〜(3)を適宜併用して用いてもよい。また、(1)から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤がより好ましい。なかでも、(1)の非イオン界面活性剤のうち、一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤、更に一般式(1−1−1)中のRが炭素数6〜14の炭化水素基、好ましくは炭素数7〜10の分岐鎖アルキル基である非イオン界面活性剤、及び、一般式(1−1−3)の非イオン界面活性剤が好ましく、特に好ましくは一般式(1−1−3)の非イオン界面活性剤である。
本発明の(C)成分は洗浄性と配合安定性の点から(C1)群から選ばれる1種以上の界面活性剤、中でも一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤の1種以上の他に、(C2)群の界面活性剤として、アミンオキサイド、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる界面活性剤群から選ばれる1種以上を併用することが好ましい。
(C2)群のアミンオキサイドとしては、炭素鎖が6〜18のアルキル基を有する、アルキルジメチルアミンオキサイドが好ましく、炭素鎖が6〜14のものがより好ましく、更に6〜10のものが特に好ましい。具体的には、炭素数6〜8のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキサイド、更にオクチルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
(C2)群の陰イオン界面活性剤としては、炭素数6〜10のアルキル基を有する陰イオン界面活性剤が挙げられ、脂肪酸又はその塩、アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル又はその塩等が好ましく、洗浄性と配合安定性の観点から、脂肪酸又はその塩、アルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。より具体的には、洗浄性と配合安定性の観点から、デシル硫酸エステル又はその塩、オクチル硫酸エステル又はその塩、ヘキシル硫酸エステル又はその塩、デカン酸又はその塩、オクタン酸又はその塩、ヘキサン酸又はその塩が挙げられ、オクチル硫酸エステル又はその塩、オクタン酸又はその塩がより好ましい。(C2)群の陰イオン界面活性剤として、好ましくは、炭素数6〜10のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩、炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル又はその塩、及び炭素数6〜10のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル又はその塩の群から選ばれる1種以上が挙げられる。特に好ましくは、炭素数6〜8のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩であり、なかでも好ましくは、オクタン酸又はその塩、2エチルヘキサン酸又はその塩、オクチル硫酸エステル又はその塩である。陰イオン界面活性剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。
(C2)群の陽イオン界面活性剤としては、炭素数6〜10のアルキル基を有する陽イオン界面活性剤が好ましく、洗浄性と配合安定性の観点から、4級アンモニウム塩が好ましい。より具体的には、洗浄性と配合安定性の観点から、デシルトリメチルアンモニウム又はその塩、オクチルトリメチルアンモニウム又はその塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム又はその塩、デシルベンジルジメチルアンモニウム又はその塩、オクチルベンジルジメチルアンモニウム又はその塩、ヘキシルベンジルジメチルアンモニウム又はその塩が挙げられ、オクチルトリメチルアンモニウム又はその塩、オクチルベンジルジメチルアンモニウム又はその塩がより好ましい。
(C2)群の両性界面活性剤としては、炭素数6〜10のアルキル基を有する両性界面活性剤が好ましく、洗浄性と配合安定性観点から、アルキルベタイン、アルキルスルホベタイン、アミノ酢酸塩、アルキルイミダゾリウムベタインが好ましい。より具体的には、洗浄性と配合安定性の観点からデシルベタイン、オクチルベタイン、ヘキシルベタインが挙げられ、オクチルベタインがより好ましい。
(C2)群の界面活性剤としては、洗浄性と配合安定性の観点から、アミンオキサイド(中でも炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキサイド)、陰イオン界面活性剤が好ましく、より具体的には、アルキルジメチルアミンオキサイド(中でも炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキサイド)、アルキル硫酸エステル又はその塩(中でも炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキル硫酸エステルまたはその塩)、炭素数6〜10の脂肪酸又はその塩が好ましく、オクチルジメチルアミンオキサイド、オクチル硫酸エステル又はその塩、炭素数7〜9の脂肪酸又はその塩が特に好ましい。
本発明の(C)成分として、下記一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤の1種以上と、下記(C2’)群から選ばれる界面活性剤の1種以上との組み合わせが挙げられる。
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−1)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
(C2’)群:炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数6〜10のアルキル基を有する脂肪酸またはその塩、炭素数6〜10のアルキル基を有するアルキル硫酸エステルまたはその塩
本発明で用いる処理液中、(C)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストの観点から、0.002〜1質量%であり、0.005〜0.5質量%が好ましく、0.008〜0.3質量%がより好ましく、0.01〜0.1%質量%がさらに好ましい。
又、(C)成分として(C1)群と(C2)群の界面活性剤を併用する場合には、洗浄性と配合安定性の観点から、(C1)群と(C2)群の質量比が、(C1)群の質量/(C2)群の質量として、1/10〜10/1が好ましく、1/5〜5/1がより好ましく、1/3から3/1が特に好ましい。
<(D)成分>
本発明の(D)成分はアルカリプロテアーゼである。本発明の(D)成分であるアルカリプロテアーゼは、好ましくは中性からアルカリ側に至適pHが存在するものであれば如何なる酵素でもよく、またこの条件を満たす複数のアルカリプロテアーゼを組合せて使用することが可能である。本発明の(D)成分はBacillus SPに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましく、中でも、Bacillus Halodurans、Bacillus clausiiに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましい。市販されているアルカリプロテアーゼとしては、ノボザイムズジャパン社から入手できるアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、エスペラーゼ、カンナーゼ、オボザイム、ジェネンコア・インターナショナル社から入手できるプラフェクト、プロペラーゼなどがある。また特開2007−61101号公報に記載されたアルカリプロテアーゼも好適に使用できる。
また、本発明の処理液中、(D)成分の含有量(タンパク質分解活性)は、固着タンパク質除去効果及びコストの観点から、処理液1kgあたり、0.01〜200PUが好ましく、0.05〜100PUがより好ましく、0.1〜50PUがさらに好ましく、0.5〜20PUが特に好ましい。
なお、(D)成分のタンパク質分解活性(PU/g)は次の方法により測定される。
1w/v%の濃度でカゼイン(ハマーステイン:メルク社)を含む50mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.5)1mLを30℃で5分間保温した後、0.1gの酵素溶液と混合し、30℃で15分間反応を行う。反応停止液(0.11mol/Lトリクロロ酢酸−0.22mol/L酢酸ナトリウム−0.33mol/L酢酸)2mLを加え、室温で10分間放置する。次に酸変性タンパク質をろ過(No.2ろ紙;ワットマン社製)し、ろ液0.5mLにアルカリ性銅溶液[1w/v%酒石酸カリウム・ナトリウム水溶液:1w/v%硫酸銅水溶液:炭酸ナトリウムの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液溶解物(炭酸ナトリウム濃度2w/v%)=1:1:100(V/V)]2.5mLを添加し30℃、10分間保温する。さらに、希釈フェノール試薬[フェノール試薬(関東化学社製)をイオン交換水で2倍に希釈したもの]0.25mLを加え、30℃で30分間保温後、このサンプルの660nmにおける吸光度を測定する。また、上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えたものをブランクとして同様に吸光度を測定する。次にサンプルとブランクとの吸光度差により、遊離してきた酸可溶性のタンパク質分解物量(チロシン換算された量)が得られ、これを反応時間(本条件の場合:15分)及び酵素溶液量(本条件の場合:0.1g)で除して、タンパク質分解活性値を求めることができる。なお、1PUは、上記の反応条件において1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性タンパク質分解物を遊離する酵素量とする。
<医療器具の洗浄方法>
本発明では、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分が共存する所定pHの処理液を用いることで、血液等の汚れのうち、医療器具を使用されている金属を腐食させることなく、硬質表面等に固着した汚れの上を覆っている目視可能な部分はもとより、基材表面に直接接触し固着したタンパク質汚れを十分に除去することができる。
本発明に用いられる処理液のpHは、9以上である。アルカリ成分による処理液の汚れの洗浄性を高める以外にも、アルカリプロテアーゼの活性を高めるためにも極めて重要な因子である。医療器具の中でも、軟性内視鏡は、短時間で処理すること及び、高温ではダメージを受けることから、常温で10分程度の洗浄が行われている。pHが9未満であると、タンパク質を染色で確認できないレベルまで洗浄することは、通常の医療器具の洗浄条件ではなし得ない。一方でpHが高すぎると医療器具の金属部分に腐蝕を生じる。しかし、(A)成分を用いて所定pHとした本発明の処理液を用いることでこうした問題は解決される。したがって、本発明では、洗浄性と金属の防食の観点から、処理液のpHは9以上であり、9.5〜13が好ましく、特に10〜12がより好ましく、よりさらに10.2〜11が好ましい。
なお、本発明に用いられる処理液のpHは、洗浄時ものであるが、25℃で測定したものであってもよい。
本発明に用いられる処理液は、本発明の目的を損なわない範囲で、溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、抑泡剤、漂白剤、漂白活性化剤などを配合することができる。これらの成分は、高濃度品に配合してもよい。
また、本発明には(A)成分以外のアルカリ剤〔以下、(A’)成分という〕を併用することもできる。(A’)成分としては、アルキルアミン、4級アンモニウムなどの有機アルカリ化合物、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、(A)成分以外のアルカノールアミンから選ばれる一種以上を配合することが可能である。アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1号珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸カリウム、2号珪酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、オルト珪酸カリウムなどを挙げる事ができる。アルカノールアミンは、一般式 N(R1)(R2)(R3) で表されるものである。R1はOH基を1〜3含む炭素数1〜8の炭化水素基であり、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルカノール基であり、モノエタノールアミンとなる組み合わせは除かれる。なかでもR1は、炭素数3〜4のアルカノール基が好ましく、R2、R3としては、水素原子が好ましい。前記一般式のアルカノールアミンとしては、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリスヒドロキシアミノメタン等が挙げられ中でも、洗浄力の点からモノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシアミノメタンが好ましい。
(A’)成分を用いる場合、(A)成分と(A’)成分の合計中の(A)成分の比率は、タンパク質汚れの除去効果の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらにより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
また、(A’)成分を用いる場合は、本発明に用いられる処理液中、(A’)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果を更に高める観点から、0.05質量%以下が好ましく、0.02質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、0.001質量%以下がさらにより好ましい。
本発明に用いられる処理液は、使用時に各成分を別個に添加し濃度調整して得る方法以外に、予め(A)〜(D)成分を含有する高濃度品を調製しておき、希釈時に設定濃度範囲に入るよう希釈する方法で調製することができる。すなわち、本発明に用いられる処理液は、必要量の水に、2つ以上の濃厚液を個別に添加して調製することができる。この濃厚液は、(A)〜(D)成分のうちの少なくとも1つを処理液中の濃度よりも高濃度で含む。2つ以上の濃厚液は、例えば、(A)〜(C)成分のうちの少なくとも1つを含有する濃厚液と、(D)成分を含有する濃厚液とを含むことができる。高濃度品としては、(A)成分または(B)成分と(D)成分を同一組成物中で高濃度化すると、(D)成分の活性が著しく損なわれることから、(A)成分及び(B)成分を含む第1の濃厚組成物と、(D)成分を含む第2の濃厚組成物に分けることが好ましい。そして、第1、第2の濃厚組成物を別々に水で希釈したものを混合して処理液を調製することが好ましい。(C)成分に関しては、どちらの濃厚組成物中に添加してもよい。従って、(A)成分及び(B)及びを含む第1の濃厚組成物と、(C)成分及び(D)成分を含有する第2の濃厚組成物との組み合わせも可能である。(D)成分の安定性の観点では第1の濃厚組成物中に(C)成分を添加することが好ましい。よって、(A)、(B)及び(C)を含有する第1の濃厚組成物と、(D)を含有する第2の濃厚組成物の組み合わせが好ましく、更に、必要量の水に、(A)、(B)及び(C)を含有する第1の濃厚組成物と、(D)を含有する第2の濃厚組成物とを個別に添加して調製することが好ましい。
第1の濃厚組成物は、(A)成分を3〜20質量%、更に5〜15質量%含有することが好ましい。また、(B)成分を1〜20質量%、更に3〜15質量%含有することが好ましい。
第1の濃厚組成物は、(C)成分の全量を含有することが好ましい。また、上記の通り、本発明に用いられる処理液は、(C)成分として、(C1)群の界面活性剤、(C1)群の界面活性剤及び(C2)群の界面活性剤を含有することが好ましい。従って、第1の濃厚組成物は、(C)成分として(C1)群の界面活性剤と(C2)群の界面活性剤とを含有することが好ましい。(C2)群の界面活性剤は(C1)群の界面活性剤を可溶化して安定な組成物とするために好ましい。(C1)群の界面活性剤の含有量は、第1の濃厚組成物中、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは2〜15質量%、さらに好ましく3〜10質量%の範囲である(C2)群の界面活性剤の含有量は、第1の濃厚組成物中、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは2〜15質量%、さらに好ましく3〜10質量%の範囲である。第1の濃厚組成物中の(C1)群の界面活性剤と(C2)群の界面活性剤の質量比は、(C1)群/(C2)群で1/10〜10/1が好ましく、1/5〜5/1がより好ましく、1/3から3/1が特に好ましい。
第1の濃厚組成物は、(A)〜(C)成分以外にも溶剤、防食剤、着色剤等を必要に応じて含有することができる。また、残部の水を含有することができる。なお、第1の濃厚組成物中、(D)成分の含有量は1質量%以下であることが好ましく、(D)成分を含有しないことがより好ましい。
第2の濃厚組成物中の(D)成分の含有量は限定されない。また、一般に酵素製剤として市販されている(D)成分を含有する組成物、例えば酵素含有液状組成物などはそのまま第2の濃厚組成物として使用できる。
医療器具洗浄処理液を高濃度品から希釈して調製する場合、希釈された処理液は、高濃度品と比べて、(D)成分の安定性が著しく低いため、希釈は洗浄時または洗浄直前に行うことが好ましい。また、自動洗浄機を用いる場合、処理液をポンプで洗浄時に供給することができる。2つの濃厚液を組み合わせて洗浄に用いる場合、2つの濃厚液を混合すると(D)成分の活性が著しく低下するために、処理液に別々に供給し、混合することが好ましい。本発明では、水への濃厚液又は濃厚組成物の添加を、医療器具洗浄機により自動的に行うことができる。
医療器具洗浄装置は通常、濃厚液(例えば前記した第1、第2の濃厚組成物)を貯留するタンクおよび、濃厚液を洗浄槽に供給するポンプユニットが具備されている。このタンク及びポンプユニットが2系統具備されている場合、2つの濃厚液を別々に処理液に混合することが出来る。この場合、最も酵素安定性を高くすることができる。
本発明に用いられる処理液は、本発明の目的を損なわない範囲で、アルカリ緩衝剤、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、溶剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、漂白活性化剤などを配合することができる。これらの成分は、高濃度品に配合してもよい。
本発明の対象となる医療器具としては、剪刀、鉗子、鑷子などの鋼製器具類、カテーテル、チューブ、バイトブロックなどの樹脂製器具、硬性もしくは軟性内視鏡等が挙げられる。処理液の接触は、これら医療器具の血液等に由来するタンパク質汚れが付着した部位と接触するように行われ、塗布、浸漬、噴霧などの方法により前記部位に適用することができる。洗浄の際の処理液の温度は5〜50℃、更に10〜40℃が好ましい。また、洗浄液の接触時間は30秒〜30分、更に1分〜15分が好ましい。
本発明の洗浄方法の作用機構は明らかではないが、(A)成分と(C)成分、特に(C1)成分の作用により固着した汚れが(D)成分の作用を受けやすくさせるとともに、(B)成分がアルカリ土類金属イオン又は塩を除去することによりタンパク汚れをさらに分解し、分解除去されたタンパク質汚れが(C)成分により効果的に分散されたものと考えられる。
表1の濃厚組成物を水道水(硬度70ppm)で希釈することにより表2の処理液を作成した。(C2)群の界面活性剤を含まない処方の一部では、組成物の安定性を考慮して2剤型とした。2剤型の場合、各欄a、bの濃厚組成物を表1中の希釈倍率で希釈したものを混合して処理液を調製した。
表2の処理液を用いて、血液に由来するタンパク質汚れに対する洗浄効果を、目視判定法、タンパク質染色法、蛍光染色法の3つの方法で評価した。結果を表2に示す。pHの測定は、堀場製作所製 pHメータ F−21を用いて測定した。
〔I〕目視判定法及びタンパク質染色法
ヘパリン処理羊血液0.5mLに硫酸プロタミン溶液を7.5μL添加後、直ぐに攪拌した。これを10μL/cm2の割合で、ポリカーボネート板に均一に塗布し、室温で2時間乾燥してテストピースとした。
100mLのガラス製ビーカーに表1の処理液を100mL入れ、30℃とした。テストピースを20分間浸漬後、イオン交換水で静かに濯いだ。洗浄効果の効果は、目視で血液の残留があるかを判定(目視判定法)した後、Coomassie Protein Assay Reagent(タンパク質定量キット添付の試薬、Thermo Scientific社製)に3分間浸漬後、イオン交換水で充分濯いだ後の染色状態で下記の判定基準に従い判定(タンパク質染色法)した。タンパク質染色法は、5回試験を行い、その平均値を表1に示した。なお、処理液は必要に応じ、乳酸でpHを調整した。
*目視判定基準
A:血液の残留は認められない。
B:わずかに血液の残留が認められる
C:多くの血液の残留が認められる。
*染色後の判定基準
5:ほとんど染色されていない。
4:血液塗布面のほぼ半面以下が薄く染色される。
3:血液塗布面のほぼ半面以上が薄く染色される。
2:血液塗布面のほぼ半面以下が濃く染色される。
1:血液塗布面のほぼ半面以上が濃く染色される。
評価点3以上であれば、目視できないタンパク質量としても少量であり、再使用にあたっては問題ないレベルであり、良好に洗浄できたものと判断する。
〔II〕蛍光染色法
〔I〕と同様に洗浄したテストピースをSYPRO Ruby Protein Gel Stain(SIGMA社製)で10分間染色処理後、蒸留水でよく濯ぎ乾燥後、蛍光顕微鏡((株)キーエンス社製、Biozero)で20倍の対物レンズを用い、露光時間を変え470nmの励起光を照射し、510nm以上の反射光を検出することによりモニター上で観察し、下記の基準で判定した。短い露光時間で発色するほど、タンパク質量が多くなること意味する。
判定基準
5:露光時間3秒で、発色はほとんど認められない
4:露光時間3秒で、一部が発色する
3:露光時間0.3秒以下では発色していないか一部の発色しか認められないが、0.3秒超え3秒未満で、ほぼ全面が発色している
2:露光時間0.03秒以下では発色していないか一部の発色しか認められないが、0.03秒超え0.3秒で、ほぼ全面が発色している。
1:露光時間0.03秒で、ほぼ全面が発色している
評価点3以上であれば、目視できないタンパク質量としても少量であり、再使用にあたっては問題ないレベルであり、良好に洗浄できたものと判断する。
Figure 2012140483
Figure 2012140483
表中の成分は以下のものである。
・EDTA4Na:エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩
・NTA:ニトリロ3酢酸3ナトリウム塩
・GLDA:グルタミン酸二酢酸4ナトリウム塩
・ポリアクリル酸Na:ソカランPA25 BASF社
・非イオン界面活性剤A:一般式(1−1−1)において、Rが分岐鎖を有する炭素数9のアルキル基、l=9、m=5.2、EOとPOがランダムである非イオン界面活性剤(Plurafac LF901(BASFジャパン製))
・非イオン界面活性剤B:一般式(1−1−1)において、Rが分岐鎖を有する炭素数12〜14のアルキル基、l=7、m=7.5、EOとPOがEO、POの順のブロックである非イオン界面活性剤(ソフタノール7085(日本触媒(株)製))
・アルカリプロテアーゼ:エバラーゼ〔ノボザイム製、12(PU/g)〕

Claims (7)

  1. (A)モノエタノールアミン0.004〜1質量%、(B)キレート剤0.005〜2質量%、(C)界面活性剤0.002〜1質量%、(D)アルカリプロテアーゼ及び水を含有し、pHが9以上の処理液で、タンパク汚れが付着した医療器具を洗浄する、医療器具の洗浄方法。
  2. 処理液が、必要量の水に、2つ以上の濃厚液を個別に添加して調製されたものである、請求項1記載の医療器具の洗浄方法。
  3. 処理液が、必要量の水に、(A)、(B)及び(C)を含有する第1の濃厚組成物と、(D)を含有する第2の濃厚組成物とを個別に添加して調製されたものである、請求項1又は2記載の医療器具の洗浄方法。
  4. 水への濃厚液又は濃厚組成物の添加が医療器具洗浄機により自動的に行われる請求項2又は3記載の医療器具洗浄方法。
  5. 処理液を洗浄直前に調製する、請求項1〜4の何れか1項記載の医療器具の洗浄方法。
  6. (C)が、下記一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤の1種または2種以上である、請求項1〜5の何れか1項記載の医療器具の洗浄方法。
    RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−1)
    (Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
  7. (C)が、下記一般式(1−1−1)で表される非イオン界面活性剤の1種以上と、下記(C2)群から選ばれる界面活性剤の1種以上とである、請求項1〜6の何れか1項記載の医療器具の洗浄方法。
    RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−1−1)
    (Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
    (C2)群:アミンオキサイド、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤
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