JP2012139215A - 製茶プロセスまたは製茶加工プロセスにおける茶葉香気成分の回収方法、および前記方法により回収された茶葉香気成分を用いた茶飲料の製造方法 - Google Patents

製茶プロセスまたは製茶加工プロセスにおける茶葉香気成分の回収方法、および前記方法により回収された茶葉香気成分を用いた茶飲料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製茶プロセスの途中で排出される蒸気を廃棄することなく利用することによる、茶葉香気成分の回収方法を提供すること。
【解決手段】製茶プロセスに供される茶葉から茶葉香気成分を回収する方法であって、製茶プロセスの蒸熱工程、釜炒り工程、および乾燥工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集める第一の工程、および集められた水蒸気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る第二の工程を含むことを特徴とする方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、製茶プロセスまたは製茶加工プロセスにおける茶葉香気成分の回収方法、および前記方法により回収された茶葉香気成分を用いた茶飲料の製造方法に関する。
現在、緑茶製茶プロセスの蒸熱工程又は釜炒り工程、半発酵茶製茶プロセスの釜炒り工程、紅茶製茶プロセスの乾燥工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む蒸気は、排蒸気ダクトで吸引され荒茶工場の屋外に大量に廃棄、排出されている。また、製茶プロセスにより得られた荒茶の製茶加工プロセスの火入れ工程や焙じ工程で茶葉から発生する排気も、製茶加工工場の屋外に大量に廃棄、排出されている。
茶生葉の蒸熱工程や釜炒り工程の目的は、茶葉の酸化酵素を加熱により失活させることであり、紅茶の乾燥工程の目的は、保存を可能にすることであり、製茶プロセスのこれら工程で発生する蒸気から茶葉香気成分を回収するという視点はこれまで無かった。また、荒茶の火入れ工程や焙じ工程の目的は、茶の香りと味を引き出すことであり、製茶加工プロセスのこれら工程においても、排気から茶葉香気成分を回収するという視点はこれまで無かった。
近年、茶飲料の需要は、リーフ需要の縮小に対して大きくなってきており、茶飲料の香味も改良され、洗練されてきているが、飲料生産に欠かせない加熱殺菌時の加熱臭の発生による香味変化は避けられない。このため、緑茶では茶葉の焙煎度を強くして香ばしさを強調している飲料が多く見られたり、さわやかさを強調するために香料を使用している飲料が見られたりする。
しかしながら、焙煎が強くなるほど茶が本来持っているさわやかな香味が薄れることや、茶に人工香料を加えることは、消費者の自然な緑茶飲料への期待から反れることもあり、茶本来の爽快な清香味を持つ素材開発が求めらている。また、半発酵茶飲料や紅茶飲料でも、飲料生産時の加熱臭による香味変化は避けられず、半発酵茶では茶葉の焙煎を強めたり、紅茶では香料の使用も行われたりしている。
一方、茶飲料に添加される香料を製造するために、茶葉から香気成分を回収することが行われている。たとえば、特許文献1では、茶などの香気起源物質を水蒸気蒸留して得られたアロマガスを有機合成吸着に吸着させ、アルコールなどの水溶性溶媒で溶出する技術が開示されている。この手法は、アルコールの使用が、自然な緑茶飲料への期待に反し、微細な茶葉香気成分へのアルコールの影響が懸念される。
また、特許文献2では、茶葉などの嗜好飲料用原料を水蒸気蒸留して得られるフレーバーに、同原料を気ー液交流接触装置で得られるフレーバーを加えて作るフレーバーの回収方法が開示されている。
また、特許文献3では、茶生葉を凍結処理し、それを水蒸気蒸留して得られる留出液を、香味として緑茶飲料に添加することが開示されている。
また、特許文献4では、茶葉を蒸留してその蒸留液を濃縮する技術として、蒸留液及び抽出液の混合液から、逆浸透膜を用いて香気濃縮液を得る方法が開示されている。
特開2007−321017号公報 特開2003−33137号公報 特開2005−160416号公報 特開2010−13510号公報
本発明者は、特許文献1〜4のいずれにおいても、茶葉は、香気成分の回収のために使用され、香気成分を抜き取られた使用済みの茶葉は、茶飲料の製造に使用されず廃棄される点で無駄があると考え、製茶プロセスや製茶加工プロセスで荒茶工場や製茶加工工場から大量に廃棄、排出されている蒸気や排気から茶葉香気成分を回収することに新たに着目した。
本発明者が、製茶プロセスで廃棄されている蒸気から茶葉香気成分を回収したところ、緑茶では強く刺激的な新鮮で爽快な青香が有り、半発酵茶では萎凋し、軽く発酵した時に生じるクチナシ様の甘く強い花香が有り、紅茶では完全発酵したときに生じる刺激的な柑橘系の果実香があることを新たに見出した。また、本発明者は、緑茶の製茶加工プロセスの排気から茶葉香気成分を回収したところ、火入れ香や焙じ香があることを新たに見出した。
すなわち、本発明は、製茶プロセスや製茶加工プロセスの途中で排出される蒸気や排気を廃棄することなく利用することによる、茶葉香気成分の回収方法を提供することを目的とする。また、製茶プロセスや製茶加工プロセスでつくられる製茶と排出される蒸気や排気の両方を無駄なく利用することによる、効率的な茶飲料の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提供する。
[1] 製茶プロセスに供される茶葉から茶葉香気成分を回収する方法であって、
製茶プロセスの蒸熱工程、釜炒り工程、および乾燥工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集める第一の工程、および
集められた水蒸気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る第二の工程
を含むことを特徴とする方法。
[2] 前記第二の工程が、集められた水蒸気を、冷水を収容している水冷容器内に配置された冷却管へ流動させる工程であることを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[3] 前記第一の工程が、茶葉として茶生葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[4] 前記第一の工程が、茶葉として茶生葉に打圧や揉圧を加えて青臭を引き出した茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[5] 前記第一の工程が、茶葉として半発酵茶製造プロセスの半発酵まで行った茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[6] 前記第一の工程が、茶葉として紅茶製造プロセスの完全発酵まで行った茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または乾燥工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[7] (i)上記[3]に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
上記[3]に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
[8] (i)上記[4]に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
上記[4]に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
[9] (i)上記[5]に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に半発酵茶製造プロセスを行うことにより製造した半発酵茶の抽出液、または
(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の半発酵茶製造プロセスを行うことにより製造した半発酵茶の抽出液に、
上記[5]に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする半発酵茶飲料の製造方法。
[10] (i)上記[6]に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に紅茶製造プロセスを行うことにより製造した紅茶の抽出液、または
(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の紅茶製造プロセスを行うことにより製造した紅茶の抽出液に、
上記[6]に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする紅茶飲料の製造方法。
[11] 製茶加工プロセスに供される荒茶の茶葉から茶葉香気成分を回収する方法であって、
製茶加工プロセスの火入れ工程および焙じ工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を集める第一の工程、および
集められた排気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る第二の工程
を含むことを特徴とする方法。
[12] 前記第一の工程が、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を、外部から補充した水分に吸着させて回収する工程であることを特徴とする上記[11]に記載の方法。
[13] (i)上記[11]に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
上記[11]に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
本発明によれば、製茶時に大量に廃棄されている蒸気や排気から茶葉香気成分の回収を可能にし、それを茶飲料に添加することにより、加熱殺菌での香味劣化に耐え、茶本来が有しているさわやかな香味を強化することが可能となった。また、本発明の方法で得られる茶葉香気成分は、天然原料由来であるため、飲料に利用した際に安全である。
また、本発明の方法は、製茶プロセスや製茶加工プロセスで排出される蒸気や排気を再利用して茶葉香気成分を回収する方法であるため、製茶プロセスや製茶加工プロセスでつくられる製茶と回収される茶葉香気成分の両方を茶飲料に利用することができ、茶葉と香気成分の両方を無駄にすることがない点で優れている。
加えて、本発明の方法は、既存の製茶機械を利用して行うことができるため、省エネ、省コストで実用可能な簡易な方法である点でも優れている。
蒸し機の排蒸部に蒸気回収のための構成(蒸気回収システム)が接続された茶葉香気成分回収装置の一例を示す図。 火入機の排気部に排気回収のための構成(排気回収システム)が接続された茶葉香気成分回収装置の一例を示す図。
以下、本発明について詳細に説明する。以下の説明は、本発明を説明することを目的とし、本発明を限定することを意図するものではない。
1.茶葉香気成分の回収方法(第一の実施形態)
第一の実施形態において、本発明の茶葉香気成分の回収方法は、
製茶プロセスの蒸熱工程、釜炒り工程、および乾燥工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程、および
集められた水蒸気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る工程
を含む。
本実施形態の方法は、図1に示される茶葉香気成分回収装置を用いて行うことができる。
図1に示される茶葉香気成分回収装置は、既存の製茶プロセスで使用される蒸し機の排蒸部(蒸気排出部)に、蒸気を冷却回収するための構成(蒸気回収システム)が接続された構造を有する。この装置の使用により、“蒸熱工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を液体として回収することができる。
一方、“釜炒り工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を回収する場合には、図1に示される茶葉香気成分回収装置の蒸し機を炒り葉機に替え、炒り葉機の排蒸部に蒸気回収システムを接続した装置を使用する。
また、“乾燥工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を回収する場合には、図1に示される茶葉香気成分回収装置の蒸し機を乾燥機に替え、乾燥機の排蒸部に蒸気回収システムを接続した装置を使用する。
以下、図1に示される茶葉香気成分回収装置の一例を説明する。
図1の茶葉香気成分回収装置は、蒸し機(図1の符号1)の排蒸部に、蒸気回収システム(図1の符号2〜7)が接続された構造を有する。すなわち、図1の茶葉香気成分回収装置は、
茶生葉を蒸熱する蒸し機(1)と、
蒸し機(1)に加熱蒸気を供給するボイラー(9)と、
蒸し機(1)に連結され、蒸し機(1)から発生する水蒸気を、後続の蒸気回収システムに送る吸気管(2)と、
蒸し機(1)と吸気管(2)を気密に連結する蒸気回収板(3)と、
吸気管(2)に続く螺旋状の形態の冷却管(4)と、
冷却管(4)を収容し、冷却管(4)内の水蒸気を冷却するための冷却水を満たした水冷容器(5)であって、冷却水を循環させるための給水口と排出口を備えた水冷容器(5)と、
冷却管(5)の下方に配置され、冷却管(5)の開口下端部から排出される茶葉香気成分含有液を貯留する減圧貯留容器(6)と、
減圧貯留容器(6)内の気体空間と連通するように配置され、減圧貯留容器(6)内を減圧して、蒸し機(1)から発生する水蒸気を冷却管(4)内に誘導する吸引機(7)と
を備える。
図1の茶葉香気成分回収装置において、茶葉は、蒸し機(1)で蒸熱される。蒸し機(1)は、ボイラー(9)から高温の蒸気が供給される。蒸し機(1)で発生した水蒸気は、吸気管(2)を通って、水冷容器(5)内の冷却管(4)に送られる。一方、蒸熱工程を終えた茶葉は、図示されるとおり、その後の製茶工程に移されるため回収される。蒸し機(1)と吸気管(2)の間には、気密性を高くする目的で、開口部を有する蒸気回収板(3)が取り付けられている。冷却管(4)は、銅やアルミニウム等の熱伝導率が高く加工しやすい素材が適しており、冷却管の周囲に、熱伝導率の高い素材で作られた冷却板を付けて冷却性能を高めたり、螺旋状の構造を有する冷却管(好ましくは複数の冷却管)を採用して冷却表面積を大きくしたりすることが好ましい。
冷却管(4)内に送られた水蒸気は、水冷容器(5)内の冷却水により冷やされる。水冷容器(5)内の冷却水は、冷却管(4)全体を冷やすことができる量で満たされている。水冷容器(5)は、その下部に冷却水(たとえば0〜5℃)が導入されるように給水口が設けられ、その上部で排出されるように排水口が設けられている。装置の作動中、冷却水は、水冷容器(5)内の水が冷却されたまま保持されるように、給水口から排出口へと循環している。排出口から排出される温水は、図示されるとおり、ボイラー(9)に給水することにより、エネルギー効率の向上につながる(後述の実施例1の1−4の欄参照)。
冷却管(4)を通って冷却された水蒸気は、液体(香気成分回収液)になり、冷却管(4)の開口下端部から排出される。
冷却管(4)の開口下端部から排出された香気成分回収液は、冷却管(5)の下方に配置された減圧貯留容器(6)内に貯められる。減圧貯留容器(6)は、貯留している香気成分回収液(貯留液)が、冷却されたまま保持されるように、内部に冷却管を有し、冷却管内を冷却水が流動する構成を有する。減圧貯留容器(6)内の気体空間と連通するように吸引機(7)は配置され、吸引機(7)は、減圧貯留容器(6)内を減圧して、蒸し機(1)から発生する水蒸気を冷却管(4)内に誘導する役割を果たす。
減圧貯留容器(6)は、底部に開閉バルブが取り付けられ、貯留している香気成分回収液は、開閉バルブを開けて、予め殺菌した回収容器(8)に注入される。回収容器(8)は、冷凍および加温が可能な材質で、持ち運びし易いように小容量とすることが好ましい。
本実施形態において、茶葉香気成分を回収するための原料茶葉は、製茶プロセスに供される任意の茶葉を使用することができる。たとえば、茶生葉、半発酵工程を終えた茶葉、完全発酵工程を終えた茶葉などを使用することができる。
本発明において「製茶プロセス」といった場合、緑茶、半発酵茶、紅茶等の任意の茶を製造するプロセスを含む。
一般的な「緑茶製造プロセス」は、蒸熱→粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥→(蒸製緑茶)、または釜炒り→揉捻→再乾→乾燥→(釜炒製緑茶)であり、
一般的な「半発酵茶製造プロセス」は、半発酵(日干萎凋→室内萎凋)→釜炒り→揉捻→乾燥であり、
一般的な「紅茶製造プロセス」は、完全発酵(室内萎凋→揉捻→発酵)→乾燥である。
本実施形態に従って緑茶の茶葉香気成分を回収したい場合、原料として茶生葉を使用することができ、半発酵茶の茶葉香気成分を回収したい場合、原料として半発酵茶製造プロセスの半発酵工程を終えた茶葉を使用することができ、紅茶の茶葉香気成分を回収したい場合、原料として紅茶製造プロセスの完全発酵工程を終えた茶葉を使用することができる。
緑茶の茶葉香気成分を効率よく回収するために、前処理として、茶生葉に打圧や揉圧を加えて茶葉の青臭を引き出す処理を行ってもよい。具体的には、既存の製茶機械の葉打ち機や粗揉機を加熱送風しないで使用したり、あるいは回転攪拌式蒸し機やグリーンアップ等を蒸熱をしないで使用したりすることにより、茶生葉に打圧や揉圧を加えることができる。
半発酵茶の茶葉香気成分を回収するための前処理(半発酵工程)は、公知の方法に従って行うことができる。たとえば、茶生葉を日干萎凋を経てから、室内萎凋、回転撹拌を繰り返して茶葉表面に微細な傷を付け、そこから酸化発酵が進むようにする。これにより、萎凋香や花様香が発揚してくるので、それが頂点に達する頃までの処理とすることができる。
紅茶の茶葉香気成分を回収するための前処理(完全発酵工程)は、公知の方法に従って行うことができる。たとえば、茶生葉に対し、重量減35〜50%程度まで萎凋を行い水分を減少させ、酸化酵素とタンニン濃度を高めて酸化し易い状態にする。次に揉捻を行って茶葉組織や細胞を破砕し、酸化酵素によるタンニンの酸化反応を促進し、均一な発酵を行わせ、その後、玉解き、篩分けし、20〜25℃、湿度100%で1〜2時間発酵することにより行うことができる。このときツーンとしたメントール系の香りや柑橘系や果実のような甘い芳香が発揚する。
本実施形態では、緑茶の茶葉香気成分を回収する場合、原料の茶生葉に蒸熱工程または釜炒り工程を行い、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集めることが好ましい。また、半発酵茶の茶葉香気成分を回収する場合、半発酵工程を終えた原料茶葉に蒸熱工程または釜炒り工程を行い、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集めることが好ましい。また、紅茶の茶葉香気成分を回収する場合、完全発酵工程を終えた原料茶葉に蒸熱工程または乾燥工程を行い、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集めることが好ましい。
本実施形態において蒸熱工程は、一般に製茶プロセスで使用される蒸し機を使用して行うことができ、蒸し機の通過を、たとえば100℃で15〜150秒間として、蒸し機で茶葉を蒸すことにより行うことができる。
釜炒り工程は、一般に製茶プロセスで使用される炒り葉機を使用して行うことができ、たとえば、釜温を400〜150℃で1〜15分間、殺青機や炒り葉機で茶葉を炒ることにより行うことができる。
乾燥工程は、一般に製茶プロセスで使用される乾燥機を使用して行うことができ、たとえば、熱風温度120〜80℃で10〜60分間、乾燥機で茶葉を乾燥させることにより行うことができる。
本実施形態では、蒸熱工程、釜炒り工程、乾燥工程の少なくとも一つの工程で発生した水蒸気を、たとえば上述の茶葉香気成分回収装置を使用して、茶葉香気成分含有液として回収する。回収された茶葉香気成分含有液は、加熱殺菌(たとえば140〜110℃で5〜30分)して、そのまま香気成分として使用されてもよいし、香気成分として使用されるまで、殺菌済みの容器中で密栓して冷凍保存(−40〜−5℃)されてもよい。冷凍保存された茶葉香気成分は、使用したい時にこれを解凍して使用することができる。
本発明に従って回収された茶葉香気成分は、茶葉の香気を添加したい任意の製品(たとえば、茶飲料、清涼飲料、制汗剤、脱臭剤などの製品)に添加して使用することができ、とりわけ密封容器入り茶飲料に添加して使用することができる。茶葉香気成分含有液は、小容量ずつ密封容器に入れ冷凍保存することで、運送、長期保存が可能となり、限られた茶期毎の摘採、製茶時期に生産して冷凍保存し、飲料生産時に解凍をして原料茶抽出液に配合して使用することで、飲料原料として使用可能である。
2.茶葉香気成分の回収方法(第二の実施形態)
第二の実施形態において、本発明の茶葉香気成分の回収方法は、
製茶加工プロセスの火入れ工程および焙じ工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を集める工程、および
集められた排気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る工程
を含む。すなわち、第二の実施形態は、“製茶加工プロセス”で茶葉香気成分を回収する方法である点で、第一の実施形態とは異なる。よって、以下の第二の実施形態の説明は、第一の実施形態と異なる点についてのみ行う。
本発明において「製茶加工プロセス」は、「製茶プロセス」を終えた茶葉から仕上げ茶を製造するプロセスをいう。一般的な「製茶加工プロセス」は、篩分→木茎除去→乾燥・火入れである。
本実施形態に従って緑茶の茶葉香気成分を回収する場合、原料として、緑茶製造プロセスによりつくられた荒茶を使用することができる。荒茶は、茶葉水分量が5%以下と少ないため、“火入れ工程”および“焙じ工程”で茶葉から発生する蒸気量は少なく煙のようである。このため、“火入れ工程”および“焙じ工程”で茶葉から発生する気体を、製茶プロセス(蒸熱工程、釜炒り工程および乾燥工程)で茶葉から多量に発生する「水蒸気」と区別する意味で、本明細書において「排気」と称する。なお、「排気」も「水蒸気」も、茶葉香気成分を含む気体という意味では同じである。このため、“火入れ工程”および“焙じ工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を回収する場合には、火入機(または焙じ機)から発生する排気に外部から水分を補充して、かかる水分に茶葉香気成分を吸着させて回収すると、茶葉香気成分を効率よく回収できることが本発明で見出された。
よって、第二の実施形態に係る茶葉香気成分の回収方法は、好ましくは、
製茶加工プロセスの火入れ工程および焙じ工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を、外部から補充した水分と一緒に集める工程、および
集められた排気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る工程
を含む。
本実施形態に従って“火入れ工程”および“焙じ工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を回収する場合、図1に示される茶葉香気成分回収装置の蒸し機を火入機(焙じ機)に替え、火入機(焙じ機)の排気部に排気回収システムを接続した装置であって、火入機(焙じ機)から発生する排気に外部から水分(水蒸気または霧状の水)を補充するための構成を備えた装置を使用することにより行うことができる。かかる装置の一例、すなわち、火入機の排気部に排気回収システムが接続された茶葉香気成分回収装置の一例を図2に示す。なお、“焙じ工程”で茶葉から発生する茶葉香気成分を回収する場合には、図2に示される茶葉香気成分回収装置の火入機を焙じ機に替え、焙じ機の排気部に排気回収システムを接続した装置を使用する。
図2の茶葉香気成分回収装置は、
荒茶の火入れを行う火入機(11)と、
火入機(11)に連結され、火入機(11)から発生する排気を、後続の排気回収システムに送る吸気管(2)と、
火入機(11)から発生する排気を吸気管(2)に誘導するための排気回収板(3)と、
吸気管(2)に補充供給するための水蒸気を発生させるボイラー(9)と、
ボイラー(9)で発生させた水蒸気を吸気管(2)に送る蒸気供給管(10)と、
吸気管(2)に続く螺旋状の形態の冷却管(4)と、
冷却管(4)を収容し、冷却管(4)内の気体(排気と水蒸気の混合気体)を冷却するための冷却水を満たした水冷容器(5)であって、冷却水を循環させるための給水口と排出口を備えた水冷容器(5)と、
冷却管(5)の下方に配置され、冷却管(5)の開口下端部から排出される茶葉香気成分含有液を貯留する減圧貯留容器(6)と、
減圧貯留容器(6)内の気体空間と連通するように配置され、減圧貯留容器(6)内を減圧して、火入機(11)から発生する排気を冷却管(4)内に誘導する吸引機(7)と
を備える。
図2の茶葉香気回収装置において、荒茶は、火入機(11)で加熱火入れされる。火入機(11)は、公知の火入機、たとえば加熱された回転ドラム式のもの、遠赤外線照射式のものなどを使用することができる。火入機(11)で発生した排気は、排気回収板(3)により、吸気管(2)へと誘導される。
上述のとおり、火入れ工程で茶葉から発生する蒸気量は少ないため、本装置では、火入機(11)から発生する排気に外部から水分(水蒸気または霧状の水)を補充して、かかる水分に茶葉香気成分を吸着させて回収する。すなわち、本装置では、ボイラー(9)で水蒸気を発生させ、発生させた水蒸気は、蒸気供給管(10)を通って吸気管(2)へと送られ、吸気管(2)において、火入機(11)から発生した排気と一緒になる。外部からの水分の供給は、火入機(11)から発生する排気に水分を補充することができれば任意の方法で行うことができ、たとえば、吸気管(2)の入口に、噴霧器で霧状の水を噴霧したり、超音波振動式水分発生装置で霧状の水を発生させて噴霧したりすることにより行ってもよい。
火入機(11)から発生した排気とボイラー(9)から供給された水蒸気は、一緒に吸気管(2)を通って、水冷容器(5)内の冷却管(4)に送られる。その後、排気と水蒸気の混合気体が、冷却管(4)を通って茶葉香気成分含有液として回収されるまでの工程については、上述の第一の実施形態の説明を参照することができる。
本実施形態において火入れ工程は、一般に製茶加工プロセスで使用される火入機を使用して行うことができ、茶温をたとえば160〜100℃で5〜30分間にわたって加熱火入れすることにより行うことができる。
焙じ工程は、一般に製茶加工プロセスで使用される焙じ機を使用して行うことができ、茶温をたとえば250〜150℃で5〜20分間にわたって加熱焙煎することにより行うことができる。
このように、製茶加工プロセスの火入れ工程および焙じ工程で発生した排気についても、上述の茶葉香気成分回収装置を使用して、茶葉香気成分含有液として回収することができる。
3.茶飲料の製造方法
上記方法により回収された茶葉香気成分含有液を茶抽出液に添加することにより、茶葉が本来有している茶葉香気を増強した茶飲料(緑茶飲料、半発酵茶飲料、紅茶飲料など)を製造することができる。ここで、上記方法により回収された茶葉香気成分含有液は、公知の手法を用いて(たとえば蒸留により)濃縮し、得られた濃縮液や濃縮物を茶抽出液に添加してもよい。
回収された茶葉香気成分含有液(非濃縮液)は、製造される茶飲料の全重量に対して、一般には1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の量で、茶抽出液に添加され得る。
茶抽出液としては、茶葉香気成分を添加したい任意の茶抽出液を使用することができる。たとえば、茶葉香気成分を回収した後の茶葉に製茶プロセスを行い、得られた製茶の抽出液を使用することができる。あるいは、茶葉香気成分を回収することなく通常の製茶プロセスに従って得られた製茶の抽出液を使用することもできる。
茶葉香気を増強した緑茶飲料は、本発明の方法に従って回収された緑茶の茶葉香気成分を、(i)かかる茶葉香気成分回収済みの茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより得た緑茶の抽出液、または(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより得た緑茶の抽出液に添加することにより製造することができる。
茶葉香気を増強した半発酵茶飲料は、本発明の方法に従って回収された半発酵茶の茶葉香気成分を、(i)かかる茶葉香気成分回収済みの茶葉に半発酵茶製造プロセスを行うことにより得た半発酵茶の抽出液、または(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の半発酵茶製造プロセスを行うことにより得た半発酵茶の抽出液に添加することにより製造することができる。
茶葉香気を増強した紅茶飲料は、本発明の方法に従って回収された紅茶の茶葉香気成分を、(i)かかる茶葉香気成分回収済みの茶葉に紅茶製造プロセスを行うことにより得た紅茶の抽出液、または(ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の紅茶製造プロセスを行うことにより得た紅茶の抽出液に添加することにより製造することができる。
製造された茶飲料の加熱殺菌については、茶葉香気成分含有液および茶抽出液のそれぞれを茶飲料の製造前に加熱殺菌し、これらを無菌条件下で混合してもよいし、茶飲料の製造後に加熱殺菌を行ってもよい。
4.本発明の効果
本発明の茶葉香気成分の回収方法によれば、製茶プロセスの途中で排出される蒸気を廃棄することなく利用し、茶本来が有しているさわやかな香気成分を回収することが可能となった。すなわち、緑茶の香気成分としては、新鮮で爽快な青香を回収することができ、半発酵茶の香気成分としては、甘い花香と爽快な青香を回収することができ、紅茶の香気成分としては、メントール系の香りや柑橘系や果実様の甘い香りを回収することができた(後述の実施例2参照)。
また、本発明の方法により回収される茶葉香気成分含有液は、加熱殺菌してもレトルト臭の発生がなく、加熱殺菌前の回収液の香味を維持していた(後述の実施例2参照)。
したがって、本発明の方法により回収される茶葉香気成分含有液は、所望の製品に茶葉香気を付与することができ、とりわけ茶飲料に添加した際には、香味を向上させることができた。すなわち、緑茶飲料では、新鮮で爽快な青香を増強することができ、半発酵茶飲料では、甘い花香と爽快な青香を増強することができ、紅茶飲料では、メントール系の香りや柑橘系や果実様の甘い香りを増強することができた(後述の実施例4参照)。
また、本発明の茶葉香気成分の回収方法によれば、製茶加工プロセスの途中で排出される排気を廃棄することなく利用し、火入れ香や焙じ香を有する香気成分を回収することが可能となった(後述の実施例5参照)。
このように、本発明の方法により回収される茶葉香気成分含有液は、天然原料由来であるため、飲料に利用した際に安全である。
また、本発明の方法は、製茶プロセスまたは製茶加工プロセスの途中で排出される蒸気や排気を廃棄することなく利用して茶葉香気成分を回収するため、製茶プロセスまたは製茶加工プロセスでつくられる製茶と回収される茶葉香気成分の両方を、無駄なく茶飲料の製造に利用することができた(後述の実施例3および4参照)。この点、香気成分を回収した後の茶葉を廃棄していた従来の香気成分回収法(背景技術に記載)と比べて、無駄がなく優れている。
また、本発明の茶葉香気成分の回収方法は、上述の実施形態では、既存の製茶機械である蒸熱機、釜炒り機、乾燥機または火入機に、気密性を高くして蒸気回収板(図1の符号3)または排気回収板(図2の符号3)を取り付け、水冷式により茶葉香気成分を含む蒸気または排気を液体として回収する。これによると、今まで荒茶工場または製茶加工工場の外に廃棄していた茶葉香気成分を、効率良く回収することができた(後述の実施例1および5参照)。水冷式にしているため、装置コスト、冷却コスト共に低コストで荒茶工場に導入し易く、蒸熱方式では熱交換で生じた高温水をボイラーに誘導すると、ボイラーのエネルギー効率を高めることもできた。
[実施例1] 製茶プロセスにおける茶葉香気成分の回収
1−1.蒸熱工程での茶葉香気成分の回収
茶葉香気成分は、図1のように設計された装置を試作して回収した。以下の説明において括弧内の数字は、図1の参照符号を表す。
蒸熱工程では、カワサキ機工製、2kg送帯式蒸し機を使用した。蒸し機(1)の排蒸部に合うように、耐熱性のシリコン製吸気管(2)に連結された蒸気回収板(3)を気密に取り付けた。蒸気回収板(3)は、蒸し機(1)から発生する蒸気が外部に漏れないように蒸し機(1)と吸気管(2)を気密に連結する。蒸し機(1)から蒸気回収板の開口部を通って吸気管(2)へ送られた蒸気は、吸気管(2)を通って、水冷容器(5)内の冷却管(4)に送られる。
水冷容器(5)は、20Lの体積を有し、冷却水が収容され、内部の冷却管(4)を冷やす。水冷容器(5)は、その下部に冷却水が導入されるように給水口が設けられ、その上部で排出されるように排水口が設けられている。冷却水は、水冷容器(5)内の水が冷却されたまま保持されるように、給水口から排出口へと循環する。
水冷容器(5)内の冷却管(4)は、吸気管(2)に連結した内径24mmの熱伝導率の高い銅管に、内径7mmの銅管を直径120mmの螺旋状に2列に分岐溶接し、上から下へ香気成分回収液が流れる2本の冷却流路を作り、下部で24mm銅管で連結された構造を有する。蒸気は、冷却管(4)内を通って冷却され、液体(香気成分回収液)になる。
冷却管(4)の下端部は、水冷容器(5)の下方に設置された減圧貯留容器(6)内に連結し、開口している。減圧貯留容器(6)は、図1に示されるとおり吸引機(7)(アマノ製真空掃除機CLEANJOB)を上部に連結し、蒸し機からの蒸気を強力に吸引できるようにした。
冷却管(4)の下端部から減圧貯留容器(6)内に排出された香気成分回収液は、貯留液として貯められる。減圧貯留容器(6)は、収容される香気成分回収液が、冷却されたまま保持されるように、内部に冷却管を有し、冷却管内を冷却水が流動する構成を有する。本実施例では、収容される香気成分回収液が更に冷却されるように減圧貯留容器(6)に氷袋を入れて冷却した。
減圧貯留容器(6)は、底部に開閉バルブが取り付けられ、貯留している香気成分回収液は、開閉バルブを開けて2Lの殺菌したペットボトルに移し、密栓をして直ぐにマイナス25℃の冷凍庫に入れて冷凍貯蔵した。
1−2.釜炒り工程での茶葉香気成分の回収
釜炒り工程での茶葉香気成分の回収は、前述の蒸熱工程での茶葉香気成分の回収で用いたのと同様の装置を使用した。すなわち、図1に示される茶葉香気成分回収装置の蒸し機が、炒り葉機に変更されたものを使用した。
釜炒り工程では、モリ製茶機製 2kg森式炒り葉機を使用した。炒り葉機の排蒸部の奥側上部蓋を締め切り、蒸気回収板(3)を前側上部蓋に合うように加工して排蒸部の全面を覆って密閉可能に取り付けた。茶生葉は釜温が300℃に達した時、奥側上部蓋を開けて投入し、直ぐに密閉をした。取り出し時の釜温は130〜150℃になった(下記表2参照)。
1−3.乾燥工程での茶葉香気成分の回収
乾燥工程での茶葉香気成分の回収は、前述の蒸熱工程での茶葉香気成分の回収で用いたのと同様の装置を使用した。すなわち、図1に示される茶葉香気成分回収装置の蒸し機が、通風乾燥機に変更されたものを使用した。
乾燥工程では、クアナ技研製電気式通風乾燥機を使用した。通風乾燥機の上部排気口に蒸気回収板(3)を密閉できるように加工し取り付けた。乾燥温度は100℃に設定した。
1−4.水冷容器から排出される温水のボイラーへの給水
上述のとおり、本実施例では、冷水が下部から入り上部で排出されるように給排水口を設けた水冷容器(5)を使用するが、このとき熱交換された温水をボイラーに戻すことで省エネルギーとなりうる。本実施例では、表1のような熱交換が行われた。
Figure 2012139215
1−5.茶葉香気成分の回収実験
上述の回収方法に従って、秋番茶を3cmにカットした茶生葉を原料にして、蒸熱工程、釜炒り工程、乾燥工程で茶葉香気成分含有蒸気の回収実験を行った。回収実験は、下記表2に示される条件で行い、表2に示される回収率で蒸気を回収した。表2において蒸熱時間は、2kgの茶葉すべてが蒸し機を通過し終わるまでのトータル時間を示し、各茶葉の蒸し機の通過時間は30秒であった。
Figure 2012139215
表2の試験区1〜8は、以下のとおりである。
試験区1:前処理をしない秋番茶生葉を使って蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区2:前処理をしない秋番茶生葉を使って釜炒り工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区3:前処理として秋番茶生葉に打圧や揉圧を加えた茶生葉を使って蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区4:前処理として秋番茶生葉に打圧や揉圧を加えた茶生葉を使って釜炒り工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区5:前処理として、秋番茶生葉に半発酵茶製造プロセスの半発酵までを行った半発酵茶葉を使って、釜炒り工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区6:前処理として、秋番茶生葉に半発酵茶製造プロセスの半発酵までを行った半発酵茶葉を使って、蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区7:前処理として、秋番茶生葉に紅茶製造プロセスの完全発酵まで行った完全発酵茶葉を使って、乾燥工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
試験区8:前処理として、秋番茶生葉に紅茶製造プロセスの完全発酵まで行った完全発酵茶葉を使って、蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行い、回収液を得た。
1−6.回収率の結果
表2において「回収可能蒸気量(g)」は、蒸熱工程では蒸気使用量を指し、釜炒り工程および乾燥工程では茶葉水分蒸発量を指す。この値と、実際に回収された「回収蒸気量(g)」とから回収率を計算した。
表2の回収率の結果によると、蒸熱工程での蒸気の回収率は、80%程度で、釜炒り工程、乾燥工程での蒸気の回収率は、40%程度であった。
釜炒り工程、乾燥工程での回収率が低いのは、水蒸気の性質が乾燥蒸気となっているためで、更なる気密性と冷却性能が求められるが、現状の廃棄から回収するという目標は達成できた。
[実施例2] 茶葉香気成分回収液の香味評価
実施例1の試験区1〜8で得られた、各茶葉の香気成分回収液の香味評価を表3に示す。
Figure 2012139215
2−1.試験区1および2
表2の試験区1および2の回収液は、前処理をしない秋番茶生葉2kgを使って、それぞれ蒸熱工程と釜炒り工程で茶葉香気成分の回収を行うことにより得た。この回収液を密閉容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌を行った。
回収液(加熱殺菌前)の品質および加熱殺菌後の品質は、表3の試験区1および2の通りであった。すなわち、前処理をしない茶生葉を使って、蒸熱工程、又は釜炒り工程において茶葉香気成分の回収方法で作った回収液は、蒸熱工程では、新鮮で爽快な青香のある茶葉香味液が回収できた。釜炒り工程では、釜香と呼ばれる炒り葉特有の茶葉香味液が回収できた。
この茶葉香気成分回収液を密封容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌をして、未加熱殺菌の回収液と比べたところ、僅かに全体の香味が低下したが爽快な青香は十分に残っており、特有のレトルト臭の発生も無く、飲料原料として香味価値を付加できることが解った。
2−2.試験区3および4
表2の試験区3および4の回収液は、前処理として打圧や揉圧を加えた茶生葉を使って、それぞれ蒸熱工程と釜炒り工程で茶葉香気成分の回収を行うことにより得た。この回収液を密閉容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌を行った。
前処理として茶生葉に打圧や揉圧を加える方法として、実験ではカワサキ製2kg粗揉機に秋番茶生葉を2kg投入し、回転数60rpmで送風加熱を止めて15分間の粗揉を加えた。
回収液(加熱殺菌前)の品質および加熱殺菌後の品質は、表3の試験区3および4の通りであった。すなわち、前処理として、茶生葉に打圧や揉圧を加えて茶葉細胞液を溶出させて青臭を引き出した茶葉を原料にしているため、蒸熱工程、又は釜炒り工程において茶葉香気成分の回収方法で作った回収液は、茶葉が持っている新鮮で爽快な青香が、前処理をしない茶葉と比較して格段に強くなり、目的の香味を得ることができた。
この茶葉香気成分回収液を密封容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌をして、未加熱殺菌の回収液と比較したところ、僅かに全体の香味が低下したが爽快な青香は強く残っており、特有のレトルト臭の発生も無く、飲料原料として香味価値を付加できることが解った。
2−3.試験区5および6
表2の試験区5および6の回収液は、前処理として半発酵茶製造プロセスの半発酵までを行った半発酵茶葉を使って、それぞれ釜炒り工程と蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行うことにより得た。この回収液を密閉容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌を行った。
前処理として、茶生葉を通常の半発酵茶製造プロセスの半発酵までを行う方法として、実験では秋番茶生葉2kgを日干萎凋後に室内萎凋、回転撹拌を繰り返し行って軽発酵をし、強い花香を醸し出した。
回収液(加熱殺菌前)の品質および加熱殺菌後の品質は、表3の試験区5および6の通りであった。すなわち、前処理として、茶生葉を通常の半発酵茶製造工程の半発酵までを行った茶葉を原料にした、蒸熱工程、又は釜炒り工程において茶葉香気成分の回収方法で作った回収液は、萎凋と発酵時に発生する甘い花香と爽快な青香が有り、目的の香味を得ることができた。
この茶葉香気成分回収液を密封容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌をして、未加熱殺菌の回収液と比較したところ、僅かに全体の香味が低下したが、甘く強い花香と爽快な青香は十分に残っており、特有のレトルト臭の発生も無く、飲料原料として香味価値を付加できることが解った。
2−4.試験区7および8
表2の試験区7および8の回収液は、前処理として紅茶製造プロセスの完全発酵までを行った発酵茶葉を使って、それぞれ乾燥工程と蒸熱工程で茶葉香気成分の回収を行うことにより得た。この回収液を密閉容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌を行った。
前処理として、茶生葉を通常の紅茶製造工程の完全発酵までを行う方法として、実験では秋番茶生葉2kgを21時間室内萎凋を行い、およそ30%の重量減になった時にカワサキ製2kg揉捻機で重しを重軽20分毎に繰り返しながら2時間行い20℃の室内で2時間発酵して完全発酵茶葉を作った。
尚、蒸熱工程では、茶葉の粒度が細かくなっており、付属の送帯ネットから脱落するので、さらに細かいネットを取り付けて使用した。
回収液(加熱殺菌前)の品質および加熱殺菌後の品質は、表3の試験区7および8の通りであった。すなわち、前処理として、茶生葉を通常の紅茶製造工程の完全発酵までを行った茶葉を原料にした、蒸熱工程、又は乾燥工程において茶葉香気成分の回収方法で作った回収液は、ツーンとしたメントール系の香りや柑橘系や果実のような甘い芳香があり、目的の香味を得ることができた。
この茶葉香気成分回収液を密封容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌をして、未加熱殺菌の回収液と比較したところ、僅かに全体の香味が低下したが、ツーンとしたメントール系の香りや爽快な青香、柑橘系や果実のような甘い芳香は十分に残っており、特有のレトルト臭の発生も無く、飲料原料として香味価値を付加できることが解った。
2−5.試験区2、4および5の水色
表3の試験区2、4および5の釜炒り工程での回収液の水色は、僅かに赤みを帯びるが、これは釜炒り中に茶葉の粉が回収液に入ったためであり、蒸気回収板にフィルターを付ければ無色化できる。
[実施例3] 茶葉香気成分回収後の茶葉を製茶した荒茶の官能評価
3−1.荒茶の製造
実施例1の試験区1〜8で茶葉香気を回収した後の各茶葉を、表4の工程により製茶し荒茶を作った。この荒茶を、通常の製茶工程を経て製茶した荒茶を“標準”として、官能審査した結果を表5に示す。
Figure 2012139215
Figure 2012139215
3−2.荒茶の官能評価
表4の試験区1および2は通常の製茶工程であり、香気成分を蒸熱又は釜炒り工程で回収した後の荒茶は“標準品”として評価できるものである。すなわち、試験区1および2で香気回収した後に製造した緑茶は、通常の緑茶と品質差異は無く、緑茶飲料原料茶として使用できた。
表5の試験区3および4によると、生葉に打圧、揉圧を加えた影響は、試験区1および2(標準品1および2)と比較して、色沢、水色に赤み、赤水として現れるが、飲料の品質要因である滋味には現れていない。
これらより、試験区3および4のいずれの荒茶も緑茶飲料原料としての品質を備えていた。すなわち、前処理として打圧や揉圧を加えた茶生葉を使って茶葉香気成分を回収した後に、通常の煎茶、蒸し製玉緑茶、釜炒り茶の製茶工程を経て製造した緑茶(試験区3および4)と、前処理をしないで製造した緑茶の抽出液(試験区1および2)を比較すると、色沢、水色で赤みを帯びるが、滋味では渋味が軽減し軽快な香味があり、緑茶飲料原料としての品質を備えていた。
表5の試験区5および6によると、通常の半発酵茶の製法である釜炒り製法で作った試験区5と蒸熱製法で作った試験区6との品質差異はほとんど無く、いずれの荒茶も半発酵茶飲料原料としての品質を備えていた。すなわち、前処理として半発酵を行った半発酵茶葉を使って茶葉香気成分を回収した後に、蒸熱後の通常の蒸し製玉緑茶工程、釜炒り後の通常の釜炒り茶の製茶工程を経て製造した半発酵茶では、蒸し製(試験区6)は釜炒り製(試験区5)に比べて釜香が無く、強い花香があるが、滋味でやや香味が薄くなるという違いがみられた。しかし、どちらも飲用原料としての品質を備えていた。
表5の試験区7および8によると、蒸熱によって滋味がやや淡白になるが、飲料原料としての適性を欠く程度ではなく、いずれの荒茶も飲料原料としての品質を備えていた。すなわち、前処理として完全発酵を行った紅茶葉を使って茶葉香気成分を蒸熱工程で回収した茶葉を乾燥工程を経て製造した紅茶、又は乾燥工程で茶葉香気成分を回収した紅茶では、蒸し製紅茶(試験区8)は、乾燥紅茶(試験区7)に比べ、色沢と水色が浅く、香気と滋味は薄く感じたが、いずれも新鮮で刺激的で爽快な青香と、果実様の花香を有し、どちらも飲用原料としての品質を備えていた。
[実施例4] 茶抽出液に茶葉香気成分回収液を配合した茶飲料の官能評価
4−1.茶葉香気成分を添加した茶飲料の製造
茶葉香気成分を添加するための「茶抽出液」として、
a)実施例3で表4の工程により作った各荒茶(表4の試験区1〜8);
b)二番茶煎茶;
c)二番茶釜炒り茶;
d)鉄観音茶(半発酵茶);
e)アッサム紅茶
を使用した。
「茶葉香気成分回収液」として、実施例2で得られた加熱殺菌後の各茶葉香気成分回収液(表3の試験区1〜8の加熱殺菌後のもの)を使用した。
「茶抽出液」の調製として、各荒茶、及び一般の二番茶煎茶、二番茶釜炒り茶、鉄観音茶(半発酵茶)、アッサム紅茶を、100℃、5分で抽出した抽出液を、濃度0.30に調整して密閉容器に入れ、121℃、10分の加熱殺菌を行った。
これに、表3の試験区1〜8の加熱殺菌後の「茶葉香気成分回収液」を、該当各区に5%配合して茶飲料を製造した。配合前の茶抽出液を標準として、配合後の茶抽出液(すなわち茶飲料)の官能評価結果を表6に示す。
Figure 2012139215
表6において、
茶飲料1は、「二番茶煎茶の抽出液」に「表3の試験区1の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料2は、「表4の試験区1の荒茶の抽出液」に「表3の試験区1の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料3は、「二番茶釜炒り茶の抽出液」に「表3の試験区2の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料4は、「表4の試験区2の荒茶の抽出液」に「表3の試験区2の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料5は、「二番茶煎茶の抽出液」に「表3の試験区3の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料6は、「表4の試験区3の荒茶の抽出液」に「表3の試験区3の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料7は、「二番茶釜炒り茶の抽出液」に「表3の試験区4の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料8は、「表4の試験区4の荒茶の抽出液」に「表3の試験区4の茶葉香気成分回収液」を配合した緑茶飲料であり;
茶飲料9は、「鉄観音茶(半発酵茶)の抽出液」に「表3の試験区5の茶葉香気成分回収液」を配合した半発酵茶飲料であり;
茶飲料10は、「表4の試験区5の荒茶の抽出液」に「表3の試験区5の茶葉香気成分回収液」を配合した半発酵茶飲料であり;
茶飲料11は、「鉄観音茶(半発酵茶)の抽出液」に「表3の試験区6の茶葉香気成分回収液」を配合した半発酵茶飲料であり;
茶飲料12は、「表4の試験区6の荒茶の抽出液」に「表3の試験区6の茶葉香気成分回収液」を配合した半発酵茶飲料であり;
茶飲料13は、「アッサム紅茶」に「表3の試験区7の茶葉香気成分回収液」を配合した紅茶飲料であり;
茶飲料14は、「表4の試験区7の荒茶の抽出液」に「表3の試験区7の茶葉香気成分回収液」を配合した紅茶飲料であり;
茶飲料15は、「アッサム紅茶」に「表3の試験区8の茶葉香気成分回収液」を配合した紅茶飲料であり;
茶飲料16は、「表4の試験区8の荒茶の抽出液」に「表3の試験区8の茶葉香気成分回収液」を配合した紅茶飲料である。
4−2.茶飲料の官能評価
表6の茶飲料1、2、3および4では、前処理をしないで香気回収した「表3の試験区1および2の茶葉香気成分回収液」を緑茶抽出液に配合したが、いずれも僅かに爽快さ、青香味を増した。すなわち、表6の茶飲料1、2、3および4は、香気成分回収液を配合していない飲料と比較して、緑茶の新鮮で爽快な青香が増しており、嗜好性を高くすることができた。
表6の茶飲料5、6、7および8では、前処理として茶生葉に打圧揉圧を加えて香気回収した「表3の試験区3および4の茶葉香気成分回収液」を緑茶抽出液に配合したが、いずれも顕著に爽快さ、青香味を増し、香気回収液に前処理の効果が現れた。すなわち、茶飲料5、6、7および8は、香気成分回収液を配合していない飲料と比較して、緑茶の新鮮で爽快な青香が格段に増しており、嗜好性を高くすることができた。
表6の茶飲料9、10、11および12では、前処理として半発酵をして香気回収をした「表3の試験区5および6の茶葉香気成分回収液」を半発酵茶抽出液に配合したが、いずれも半発酵茶の特徴である花香、爽快さが増し、鉄観音茶では苦渋味の軽減にもなった。すなわち、茶飲料9、10、11および12は、香気成分回収液を配合していない飲料と比較して、甘く強い花香と爽快な青香が格段に増しており、嗜好性を高めることができた。
表6の茶飲料13、14、15および16では、前処理として完全発酵をして香気回収をした「表3の試験区7および8の茶葉香気成分回収液」を紅茶抽出液に配合したが、茶飲料15および16の蒸熱処理葉ではやや淡白となったが、青香味、果実香を増した。すなわち、茶飲料13、14、15および16は、香気成分回収液を配合していない飲料と比較して、ツーンとしたメントール系の香りや爽快な青香、柑橘系や果実のような甘い芳香が格段に増しており、嗜好性を高めることができた。
[実施例5] 製茶加工プロセスにおける茶葉香気成分の回収
5−1.火入れ工程での茶葉香気成分の回収
本実施例では、茶葉香気成分は、図2のように設計された装置を用いて、実施例1と同様の手法に従って回収した。以下の説明において括弧内の数字は、図2の参照符号を表す。
火入れ機(11)は、有限会社横山製作所製 品温自動排出式乾燥火入機4K型を用いた。火入れ用の原料茶葉には、2番茶の煎茶荒茶1kgを供試した。
荒茶の火入れの前処理として、荒茶を7号篩で篩別後、篩上に残った茶葉を7号篩でカットを施して形状を整えた。これをクアナ技研株式会社製 電気式熱風乾燥機で通風温度110℃、20分間の乾燥処理を施し、荒茶水分含有量を5.0%以下に調節した後に、火入れ工程を行った。
火入れ工程で火入れ機(11)から発生した排気は、ボイラー(9)から供給された蒸気とともに、吸気管(2)へ誘導され、さらに冷却管(4)へ送られ、実施例1と同様の手法に従って「香気成分回収液」として回収した。
回収は、下記の表7に示される条件で行った。
Figure 2012139215
表7において「排気温度」は、火入れ機から排出されるガス燃焼排気の温度を表し、「排出茶温」は、火入れ機から排出される茶葉の温度を表し、「原料茶葉量」は、火入れ機に投入された茶葉量を表し、「ドラム回転数」は、火入れ機の回転ドラムの回転数を表し、「焙煎時間」は火入れ工程の時間を表す。また、表7において「蒸気流量」は、冷却管に1時間あたりに流入する蒸気量を表し、「回収時間」は、冷却管内の蒸気を冷却水で冷却した時間を表し、「回収液量」は、冷却管の下端の開口部から回収された液量を表す。
5−2.官能評価
試験区1および2で回収された香気成分回収液の官能審査結果を表8に示す。
Figure 2012139215
試験区1では、弱い青香と火入れ香を発揚する香気成分回収液を捕集することができ、試験区2では、試験区1の青香と火入れ香に焙じ香が付加された品質の香気成分回収液を捕集することができた。また滋味は、試験区1の場合、火入れ味と弱い青味の特徴を有した爽快な品質であったのに対し、試験区2は、焙じ味を特徴とするライトで軽快な滋味であった。なお、水色は、香気回収時に茶葉由来の微粒子が混入したため、試験区1は薄い茶褐色であり、試験区2は茶褐色の色調であった。
以上の結果より、本実施例では、火入れ工程で発生する排気から茶葉香気成分の回収が可能であること、および火入れ温度などの回収条件によって香味品質の異なる香気成分回収液の製造が可能であることが確かめられた。
[実施例6] 香気成分回収液の濃縮分離
香気成分回収液の緑茶ドリンクへの利用を考慮した場合、少量の添加で香味品質の改善効果が必要とされる。そこで、本実施例では、実施例5で得た香気成分回収液について濃縮分離試験を実施し、分離液の品質評価を行った。
試験は、実施例5の試験区1および2の香気成分回収液(以下、原液ともいう)300mLを、東京理化機器株式会社製 エバポレーター(ROTARY VACUUM EVAPORATO)にセットし、東京理化機器株式会社製 WATER BATH(SB-35)にて60℃で保温し、胴体回転数を5rpmに設定した。これに東京理化機器株式会社製 ASPIRATOR(A-3S)にて系内を減圧状態にし、減圧蒸留を行った。エバポレーターの蒸留液回収容器に、あらかじめ溶液150mLを入れた液面ラインにマーカーし、蒸留液がこのラインに達した時点で蒸留を終了とした。
以上の方法に従って得た蒸留分離液(蒸留液と蒸留残液)の官能審査結果を表9に示す。
Figure 2012139215
官能評価の結果、蒸留分離液(蒸留液および蒸留残液)は、試験区1、2ともに原液と比較すると、水色、香味について明確な品質変化が確認された。例えば、試験区1、2の蒸留液は、いずれも、水色は無色透明で、青葉アルコールの青臭香気を有しており、薄い滋味を特徴とするものであった。また、蒸留残液は、原液よりも水色、香気、滋味が濃縮された香味品質を有し、特に火入れ由来の香味が強いものであった。
以上の結果より、香味成分回収液の蒸留分離により、原液とは品質の異なる水溶液を得ることができること、例えば蒸留液では青葉アルコール臭を特徴とするライトで軽快な香味水溶液を得ることができること、また、蒸留残液では濃厚な火入れ由来の香味特徴を有する水溶液を得ることができることが確かめられた。
[実施例7] 蒸留分離液の成分分析
実施例6で得られた蒸留分離液(蒸留液および蒸留残液)中の内容成分量を確認する為、液中のBrix(糖含有量)とカフェイン量の分析を行った。
Brixは、株式会社アタゴ社製 茶・低糖飲料濃度計(RX-DD7α-Tea)を用い、カフェインはHPLC法にて分析を行った。分析結果を表10に示す。表10において、Brixおよびカフェイン量の値は、試験区1の原液の値および試験区2の原液の値をそれぞれ100とした相対値で表記した。
Figure 2012139215
Brixについては、試験区1、2ともに、蒸留液では原液の約2割程度にまでBrix(糖含有量)が減少し、蒸留残液では原液のおよそ1.5倍ほどにBrix(糖含有量)が増加し、濃縮されていた。カフェインについても、Brixと同様、蒸留液では原液よりも含有量は大きく減少し、逆に蒸留残液では濃縮され、原液のおよそ1.5倍の濃度となっていた。よって、糖類、カフェイン類は、その多くが蒸留残液中に残留していることが分かった。
以上の分析結果と、官能審査評価より、火入れ工程由来の香気成分回収液から蒸留液を得ることで、青葉アルコールを主成分とする新鮮でライトな香味品質の回収液が製造可能であること、および火入れ工程由来の香気成分回収液から蒸留残液を得ることで、火入れ工程由来の香味を主体とする濃厚な味わいの回収液が製造可能であることが確かめられた。
[実施例8] 濃縮分離液(蒸留液および蒸留残液)を添加した緑茶飲料の官能評価
実施例5で得られた香気成分回収液(原液)を添加した緑茶飲料、および実施例6で得られた濃縮分離液(蒸留液および蒸留残液)を添加した緑茶飲料を試作し、香味品質の官能評価を行った。
香気成分回収液や濃縮分離液を添加するための「緑茶抽出液」としては、2番茶の仕上げ茶を用い、これを70℃のお湯に1重量%の量で添加し、1分間に5回攪拌を行いながら5分間抽出することにより調製した。抽出後、緑茶抽出液は、さらし濾過を行いBrixを0.33%に調整した。その後、香気成分回収液または濃縮分離液を所定濃度になるように添加し、121℃、10分間の殺菌処理を施し、「緑茶飲料」とした。
実施例5の試験区1、2で得られた香気成分回収液(原液)または実施例6の試験区1、2で得られた濃縮分離液(蒸留液および蒸留残液)を2.5重量%の量で添加した場合の、緑茶飲料の評価結果を表11に示す。表11は、上述のとおり調製された「緑茶飲料」の水色、香気、滋味を、何も添加されていない「緑茶抽出液」のものと比較した結果を示す。
Figure 2012139215
試験区1では、原液を添加した緑茶飲料の場合、香気、滋味ともに火入れ香味の特徴を呈し、蒸留液、蒸留残液を添加した緑茶飲料の場合、香気への影響は弱く、滋味については青臭やレトルト様の加熱味が軽減され、ライトで軽快な味わいに変化していた。
試験区2では、試験区1よりも強い香味改善効果が確認され、香気については焙じ香や火入れ特有の甘い香りを有していた。また、滋味においても、2番茶特有の苦渋味の軽減や、レトルト様の加熱味の軽減、焙じ味や甘味などの香味付加が確認された。
なお、5.0重量%の原液または濃縮分離液を添加した場合、試験区1、試験区2ともに原液または濃縮分離液の特徴が更に強まり、10重量%を超えると、香味特徴が強すぎる為、嗜好的に低評価な結果であった。
以上の結果より、本法に従って茶葉火入れ時の香気を回収液として捕集したり、捕集された回収液を濃縮分離したりして得た溶液を、緑茶飲料の品質コントロールを行うための原料(添加剤)として利活用可能であることが確かめられた。
1・・・蒸し機
2・・・吸気管
3・・・蒸気回収板、排気回収板
4・・・冷却管
5・・・水冷容器
6・・・減圧貯留容器
7・・・吸引機
8・・・回収容器
9・・・ボイラー
10・・・蒸気供給管
11・・・火入機

Claims (13)

  1. 製茶プロセスに供される茶葉から茶葉香気成分を回収する方法であって、
    製茶プロセスの蒸熱工程、釜炒り工程、および乾燥工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む水蒸気を集める第一の工程、および
    集められた水蒸気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る第二の工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第二の工程が、集められた水蒸気を、冷水を収容している水冷容器内に配置された冷却管へ流動させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一の工程が、茶葉として茶生葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記第一の工程が、茶葉として茶生葉に打圧や揉圧を加えて青臭を引き出した茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記第一の工程が、茶葉として半発酵茶製造プロセスの半発酵まで行った茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または釜炒り工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記第一の工程が、茶葉として紅茶製造プロセスの完全発酵まで行った茶葉を使用して、製茶プロセスの蒸熱工程または乾燥工程で、茶葉香気成分を含む水蒸気を集める工程であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. (i)請求項3に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
    (ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
    請求項3に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
  8. (i)請求項4に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
    (ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
    請求項4に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
  9. (i)請求項5に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に半発酵茶製造プロセスを行うことにより製造した半発酵茶の抽出液、または
    (ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の半発酵茶製造プロセスを行うことにより製造した半発酵茶の抽出液に、
    請求項5に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする半発酵茶飲料の製造方法。
  10. (i)請求項6に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に紅茶製造プロセスを行うことにより製造した紅茶の抽出液、または
    (ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の紅茶製造プロセスを行うことにより製造した紅茶の抽出液に、
    請求項6に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする紅茶飲料の製造方法。
  11. 製茶加工プロセスに供される荒茶の茶葉から茶葉香気成分を回収する方法であって、
    製茶加工プロセスの火入れ工程および焙じ工程の少なくとも一つの工程で、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を集める第一の工程、および
    集められた排気を冷却して茶葉香気成分含有液を得る第二の工程
    を含むことを特徴とする方法。
  12. 前記第一の工程が、茶葉から発生する茶葉香気成分を含む排気を、外部から補充した水分に吸着させて回収する工程であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. (i)請求項11に記載の方法の第一の工程を終えた後の茶葉に緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液、または
    (ii)茶生葉に茶葉香気成分を回収することなく通常の緑茶製造プロセスを行うことにより製造した緑茶の抽出液に、
    請求項11に記載の方法で得られた茶葉香気成分含有液を配合する工程を含むことを特徴とする緑茶飲料の製造方法。
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