JP2012139165A - 新規微生物及びそれを用いたリコペンの生産方法 - Google Patents

新規微生物及びそれを用いたリコペンの生産方法 Download PDF

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【課題】 工業的なリコペンの生産を考慮して、従来報告されている微生物よりも更に生産性が向上した微生物と、その微生物を用いたリコペンの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物により、前記課題を解決ずる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物及びそれを用いたリコペンの製造方法に関する。
リコペンはトマトやスイカに含まれる赤色色素であり、天然の食用色素として有用な化合物である。近年では、その優れた抗酸化活性による発癌抑制効果が着目され、サプリメントなど健康食品への応用もなされている。リコペンの主な供給はトマト等農作物からの抽出であるが、これらの天然物はリコペンの含量が少ないため大量の原料が必要となり、また生産コストがかかる。そこで、より効率的で安定供給可能な生産方法の確立が望まれている。
生産性の改良として藻類による生産(例えば特許文献1参照)やケカビによる生産(例えば特許文献2参照)が示されている。しかしながらこれらの微生物は通常の微生物と比べて発酵に時間がかかり、発酵法が複雑である。また細胞壁が硬いため抽出に複雑な工程を経る必要があるという問題がある。そのため、培養が容易で目的物の抽出がしやすい微生物での合成が望まれている。
これに対して、海洋性アグロバクテリウム属(後にパラコッカス属へ再分類された)微生物N−81106株(特開平7−184668号)を用いた変異育種により、培地1リットルあたりリコペン39.6mgを生産するTSTT003株(平成17年10月25日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターにFERM P−20696として受託されている)株の樹立が報告されている(特許文献3)。
特開平9−313167号公報 特開2003−304895号公報 特開2007−151474号公報
本発明は、工業的なリコペンの生産を考慮して、従来報告されている微生物よりも更に生産性が向上した微生物と、その微生物を用いたリコペンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題に関し鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物である。また本発明はかかる微生物を培養し、菌体又は培養液からリコペンを回収することを特徴とする、リコペンの生産方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の微生物は、乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物である。この微生物は、カロテノイドの生産性を有するパラコッカス属細菌を育種することにより得ることができる。育種に使用する好適なパラコッカス属細菌としては、具体的に、本出願人により見出された、既にあるレベルのカロテノイド生産性を有するTSTT052株(平成17年10月18日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−20690として寄託され、平成19年1月9日に原寄託についてFERM BP−10754として受託されている)を例示することができる。その他にも、カロテノイド生産性パラコッカス属細菌TSN18E7株を育種することも例示できる。また更には、海洋性アグロバクテリウム属微生物(後に、パラコッカス属に属する微生物として再分類された)N−81106株を例示することができる。前記したTSTT052株はTSN18E7株を育種して得られた株であり、TSN18E7株(特開2005−58216号)はN−81106株を育種して得られた株だからである。
N−81106株は細胞中にアスタキサンチン、β−カロテン、β−クリプトキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、カンタキサンチン、3’−ヒドロキシエキネノン、シス−アドニキサンチン、アドニルビン、アドニキサンチンなどの多様なカロテノイドを蓄積することが知られている。
リコペンは、中間代謝物として速やかに次の代謝物に変換される。従って、育種は、リコペンの生産性を向上するとともに、リコペンを代謝する経路を遮断するものであることが好ましい。育種の具体的な内容としては、自然突然変異により派生した優良微生物を選別していく方法などの他に、変異原物質や紫外線で細胞を処理することによって変異を加速させたのちにリコペンの生産性及び蓄積性が向上した微生物を選別する方法や、以上の様な方法で得られた性質の異なる微生物同士を細胞融合させる方法などを例示することができる。中でも、変異原物質を用いる方法は短期間に有用な微生物を得る方法として好ましく、具体的に変異原物質としてN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、メタンスルホン酸エチル等の化合物を使用する方法が例示できる。より具体的に、TSTT052株を用いる育種について一例を述べれば、予め培養して得られたTSTT052株の菌体を前記のような変異原物質の水溶液に懸濁して一定時間接触した後に、遠心分離などの方法で菌体を回収して変異原物質を除去する。その後平板培地上で培養し、優良微生物のコロニーを選択する。コロニーの選択はリコペン生産菌に特有の桃色が濃いコロニーを選択・分離し、液体培養を行い、次いで、菌体からカロテノイドを抽出してリコペン蓄積量や組成をHPLCなどで分析し、生産性の向上した微生物を絞り込むことが例示できる。
リコペンの生産性及び蓄積性は、乾燥菌体重量1gあたりから回収できるリコペン量によって評価することができる。一例を挙げると、固体培地を利用した場合には任意のコロニーをピックアップし、液体培養後、増殖能やカロテノイド生産量を定量することにより評価すればよい。本出願人がTSTT052株を用いる育種により見出したTSLGO3−2株(平成22年12月15日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−22035として受託されている)は、後述する実施例に示すように、乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物である。なお、参考までに述べれば、培地1L当たりの菌体量は、培養条件等によって異なるが、20g程度である。
本発明のリコペンの生産方法は、上述した育種により得られる微生物を培養することからなる。培養条件は、一般に公知の条件を用いることができる。本発明のリコペンの生産方法においては、培養は培養液中で行うことが好ましい。例えば培養温度を10から35℃に、培地のpHを6から9の範囲にそれぞれ設定し、20から200時間培養させることが例示できる。培養温度については培養初期、中期、後期に区別してそれぞれの段階で温度を変えてもよい。
培養に用いる栄養培地の培地成分としては、炭素源には廃糖蜜、グルコース、フルクトース、マルトース、ショ糖、デンプン、乳糖、グリセロール、酢酸等が、窒素源にはコーンスティープリカー、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、大豆粕等の天然成分や、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等やグルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン等のアミノ酸類が、無機塩にはリン酸1ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム等のリン酸塩や塩化ナトリウム等が、金属イオンには塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄、塩化第2鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸銅、塩化銅、硫酸マンガン、塩化マンガン等が、ビタミン類として酵母エキスやビオチン、ニコチン酸、チアミン、リボフラビン、イノシトール、ピリドキシン等が使用できる。
上記のような栄養培地を使用した好適な培養条件は、培養温度20から30℃、pHが約7.0から7.6、培養時間が60から180時間である。また培地中の糖濃度については、低濃度かつ枯渇しない条件に維持することが好ましく、グルコースなどの高濃度な糖溶液を用いて流加することが好ましい。 本発明の微生物を培養すると、リコペンを含むカロテノイドが生産され、かつ、その代謝が遮断されているためにリコペンが菌体内又は培養液に蓄積される。カロテノイドの抽出は、菌体又は培養液からカロテノイド(リコペン)を安定かつ効率良く回収されれば特に限定はなく、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、クロロフォルム、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド等の抽出溶媒による抽出を例示できるが、中でもアセトンが好ましい。抽出されたカロテノイドは、液体クロマトグラフィー等を利用して高純度に分離、精製することも可能である。液体クロマトグラフィーの分離原理としてはイオン交換、疎水性相互作用、分子ふるい等を挙げることができる。好ましくは、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィーである。また高速液体クロマトグラフィーによれば、抽出したカロテノイドの定量を行うこともできる。
菌体からの抽出に際しては、例えば、培養終了後、菌体を培地から遠心分離操作、デカンテーション又はろ過等の方法を用いて分離し、使用し易い粘度にまで水を加えてスラリーとしておくと良い。後に、調製スラリーを例えばガラスビーズ、ジルコニアビーズを用いた破砕機又は高圧ホモジナイザーを使用して均一化し、好ましくはスプレー乾燥法にて乾燥し、抽出に供するのである。またここで、リコペンの分解を防ぐために、スラリーにアスコルビン酸等の酸化防止剤を加えてもよい。
本発明の新規微生物により、健康食品や食用色素などとして有用なリコペンを効率よく製造することが可能になる。
2D038株のカロテノイド生産パターンを示すHPLCチャートである。 TSLGO3−2株を用いた発酵槽培養におけるリコペン生産量の経時変化を示した図である。 TSLGO3−2株のカロテノイド生産パターンを示すHPLCチャートである。
以下、本発明を更に詳細に説明するために実施例を記載するが、実施例は本発明の一実施形態であり、本発明を限定するものではない。
実施例1 変異導入及びリコペン生産株の作製
TSTT052株を表1に示す培地3mLに植菌し、試験管中、25℃、150rpmで1晩振とう培養を行った。この培養液のうち1mLを1.5mLエッペンドルフチューブに移し、15,000rpm、5分間の遠心分離により菌体を回収した。この菌体をpH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液(以下緩衝液Aとする)1mLに懸濁し、次いで3mg/mLのN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(以下NTGとする)水溶液10μLを加え、30〜60分間静置した。その後、遠心分離して上清を除去し、緩衝液Aに再懸濁する操作を2回繰り返してNTGを除去した。さらに、表1に示す培地1mLにこの菌体を懸濁し、試験管中、25℃、150rpmで4〜5時間振とう培養した。得られた培養液を適度に希釈し、表2に示す組成の平板培地に塗布して、25℃で1週間静置培養を行った。生育してきたコロニーのうちリコペン生産菌に特有の桃色を呈するコロニーを選別し、フラスコ培養による変異株の評価に供した。
Figure 2012139165
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実施例2 変異株の評価
実施例1で選別した変異株を、表1に示す培地3mLに植菌し、試験管中、25℃、150rpmで1晩振とう培養した。次いでこの培養液0.5mLを、100mL容バッフル付三角フラスコに入れた表1に示す培地60mLへ植菌し、25℃、120rpmで6日間振とう培養を行った。培養中は培養液を適宜抜き取り、濁度(OD660nm)、残存グルコース濃度、培地pH、及びカロテノイド生産量を経時的に分析した。カロテノイド生産量の定量は以下のように行った。まず培養液0.8mLを1.5mL容エッペンドルフチューブに移し、15,000rpm、5分間の遠心分離により菌体を回収した。この菌体を50μLの純水に懸濁し、次いで550μLのジメチルホルムアミド、及び1000μLのアセトンを順次加え振とうすることでカロテノイドを抽出した。抽出残渣を15,000rpm、20分間の遠心分離により除去した後、TSKgel−ODS80TMカラム(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCとする)で各種カロテノイドを定量した。なお、カロテノイドの分離はA液として純水とメタノールの5:95の混合溶媒、B液としてメタノールとテトラヒドロフランの7:3の混合溶媒を用い、1mL/minの流速で、A液を5分間カラムに通液させた後、同じ流速においてA液からB液へ5分間の直線濃度勾配溶出を行い、さらにB液を5分間通過させることにより行った。カロテノイド濃度は470nmの吸光度をモニターし、既知濃度のリコペン試薬(和光純薬社製)で作成した検量線より濃度を算出した。
上記の方法に従って変異株のリコペン生産性を評価し、リコペンを選択的に高生産する新規変異株2D038株を取得した。2D038株のカロテノイド生産パターンを図1に示す。
実施例3 2D038株への変異導入及び優良微生物の作製
実施例1と同様に、2D038株を表1に示す培地3mLに植菌し、試験管中、25℃、150rpmで1晩振とう培養を行った。この培養液のうち1mLを1.5mLエッペンドルフチューブに移し、15,000rpm、5分間の遠心分離により菌体を回収した。この菌体を1mLの緩衝液Aに懸濁し、次いで3mg/mLのNTG水溶液10μLを加え、30〜60分間静置した。その後、遠心分離して上清を除去し、緩衝液Aに再懸濁する操作を2回繰り返してNTGを除去した。さらに、表1に示す培地1mLにこの菌体を懸濁し、試験管中、25℃、150rpmで4〜5時間振とう培養した。得られた培養液を適度に希釈し、表2に示す組成の平板培地に塗布して、25℃で1週間静置培養を行った。生育してきたコロニーのうち桃色の強いものを選別し、フラスコ培養による変異株の評価に供した。
実施例2と同様に、選別した変異株を表1に示す培地3mLに植菌し、試験管中、25℃、150rpmで1晩振とう培養した。次いでこの培養液1mLを、100mL容バッフル付三角フラスコに入れた表3に示す培地20mLへ植菌し、25℃、120rpmで6日間振とう培養を行った。培養中は培養液を適宜抜き取り、濁度(OD660nm)、残存グルコース濃度、培地pH、及びカロテノイド生産量を経時的に分析した。カロテノイド生産量の定量は以下のように行った。まず培養液0.1mLを1.5mL容エッペンドルフチューブに移し、15,000rpm、5分間の遠心分離により菌体を回収した。この菌体を20μLの純水に懸濁し、次いで480μLのジメチルホルムアミド、及び500μLのアセトンを順次加え振とうすることでカロテノイドを抽出した。抽出残渣を15,000rpm、20分間の遠心分離により除去した後、実施例2に記載の方法に従ってHPLC分析によりカロテノイドを定量した。
上記の方法に従って変異株の増殖性やリコペン生産性を評価し、2D038株と同等のリコペン生産性を持ち、増殖性が向上した変異株TSLGO3−2株を取得した。表4に培養終了時の濁度及びリコペン生産量を示す。表4の通り、TSLGO3−2株は親株である2D038株より有意に菌体増殖性が向上した優良株である。
Figure 2012139165
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実施例4 発酵槽での新規微生物の培養及びカロテノイドの定量
表1に示す培地60mLにLGO3−2株を植菌し、100mLバッフル付三角フラスコ中、25℃、120rpmで1晩振とう培養を行い前々培養とした。次いでこの培養液3mLを、500mL容バッフル付三角フラスコに入れた表5に示す培地100mLへ植菌し、25℃、120rpmで1晩振とう培養を行い前培養とした。次いで、表6に示す培地1.8Lを全容3.0L発酵槽(サクラ精機社製、TFLC−3)に入れ、121℃、20分間で滅菌後、得られた前培養液を90mL植菌し、約140時間培養した。発酵槽の操作は次のようにした。まず、発酵槽の培養温度は28℃、pHは7.0〜7.6とし、pHの調整は10%のアンモニア水溶液を用いた。また発酵槽の攪拌速度は、培養開始時には516rpmとし、培養30時間において540rpmまで上昇させた。培養過程に発生する炭素源不足は、70%グルコースを適宜添加することにより補った。グルコース濃度は、10g/Lで培養を開始し、培養19時間においてグルコースの追加を開始して、0.01g/L〜2.5g/Lとなるように調節した。
Figure 2012139165
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図2にOD660nm及びリコペン生産量の経時変化を示す。図のように、培養時間の経過と共にリコペンの生産量が増加し、培養開始後約70時間でOD660の値は最高となる。この時の菌体乾燥重量は培地1リットルあたり約31gであり、カロテノイド生産量は培地1リットルあたり約365mg、うちリコペンの生産量は培地1リットルあたり約365mgであった。培養開始後約125時間でリコペンの生産量は最大となる。この時の菌体乾燥重量は培地1リットルあたり約23gであり、カロテノイド生産量は培地1リットルあたり約632mg、うちリコペンの生産量は培地1リットルあたり約615mg(菌体乾燥重量1gあたり約26mg)であった。そして培養開始後約170時間では菌体量は減少した。この時の菌体乾燥重量は培地1リットルあたり約22.5gであり、カロテノイド生産量は培地1リットルあたり約593mg、うちリコペンの生産量は培地1リットルあたり約576mg(菌体乾燥重量1gあたり約26mg)であった。
図3に、菌体培養後125時間経過した時点で取得した菌体を20μLの純水に懸濁し、次いで480μLのジメチルホルムアミド、及び500μLのアセトンを順次加え振とうすることでカロテノイドを抽出し、抽出残渣を15,000rpm、20分間の遠心分離により除去した後、実施例2に記載の方法に従ってHPLC分析したカロテノイド生産パターンを示す。また表7には、このパターンから算出されたカロテノイド等の生産量とその割合を示す。生産されたカロテノイドの97%がリコペンであり、本発明によりリコペンを効率的に製造できたことが分かる。
Figure 2012139165

Claims (5)

  1. 乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物。
  2. 前記微生物は、リコペン、β−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチン及びアスタキサンチンを含むカロテノイド類において、それらの合計量の95重量%以上をリコペンがしめるカロテノイド類を生産することを特徴とする請求項1の微生物。
  3. 前記微生物は、菌体乾燥重量で培地1リットルあたり20g以上増殖可能であることを特徴とする、請求項1又は請求項2の微生物。
  4. 前記微生物は、パラコッカス属微生物TSLGO3−2株(FERM AP−22035)であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の微生物。
  5. 乾燥菌体重量1gあたり25mg以上のリコペンを生産可能なカロテノイド類生産性パラコッカス属微生物を培養し、菌体からリコペンを回収することを特徴とする、リコペンの製造方法。
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