JP2012138553A - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラミネートをする前に導電性の溝4に異物8が入ってしまうとリーク電流が発生し易く、光電変換効率を低下させる要因の一つとなる場合があった。また、半導体基板において、溝4を設けた部位については、レーザー処理の際にダングリングボンドが生じ易く、光電変換効率を低下させる要因の一つとなる場合があった。
【解決手段】半導体基板と、該半導体基板上に該半導体基板とpn接合したドーパント層と、を備える太陽電池素子であって、前記ドーパント層には、前記ドーパント層を貫通する溝が前記ドーパント層の周縁に沿って設けられており、前記ドーパント層の表面および前記溝の内面に連続して反射防止膜が形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】半導体基板と、該半導体基板上に該半導体基板とpn接合したドーパント層と、を備える太陽電池素子であって、前記ドーパント層には、前記ドーパント層を貫通する溝が前記ドーパント層の周縁に沿って設けられており、前記ドーパント層の表面および前記溝の内面に連続して反射防止膜が形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は太陽電池素子およびその製造方法に関する。
従来、半導体基板1とpn接合したドーパント層2を有する太陽電池素子10について、リーク電流の発生を抑制する観点から、ドーパント層2および半導体基板1の一部にレーザー処理による溝4を設ける場合がある(例えば特許文献1参照)。
一方、例えば、受光面側において、図5(a)〜(e)のようにドーパント層2に反射防止膜3を形成した後に溝4を設けた場合、図6のようにラミネートをする前に導電性の溝4に異物8が入ってしまうとリーク電流が発生し、光電変換効率を低下させる場合があった。
また、例えば半導体基板において、溝4を設けた部位については、レーザー処理の際にダングリングボンドが生じ易く、光電変換効率を低下させる要因の一つとなる場合があった。
上記に鑑みて本発明の太陽電池素子は、半導体基板と、該半導体基板上に該半導体基板とpn接合したドーパント層と、を備える太陽電池素子であって、前記ドーパント層には、前記ドーパント層を貫通する溝が前記ドーパント層の周縁に沿って設けられており、前記ドーパント層の表面および前記溝の内面に連続して反射防止膜が形成されている。
さらに本発明の太陽電池素子の製造方法は、前記半導体基板上にドーパントを拡散させてドーパント層を形成する第1工程と、第1のレーザー処理によって少なくとも前記ドーパント層を貫通する溝を形成する第2工程と、反射防止膜を前記ドーパント層の表面側に形成する第3工程と、を有する。
本発明の太陽電池素子によれば、特に溝の内面を反射防止膜で覆っているため異物が溝に入ることによるリーク電流の発生を抑制し、光電変換効率が良好な太陽電池素子を得ることができる。
また、溝を設けた部位におけるSiのダングリングボンドを水素を含有した反射防止膜からのパッシベーションで補償することによって、光電変換効率が良好な太陽電池素子を得ることができる。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法によれば、ドーパント層の表面から溝の内面に亘り反射防止膜を連続的に形成することができる。
<<太陽電池素子>>
太陽電池素子10は、一導電型を呈する半導体基板1と、半導体基板1と異なる導電型を有するドーパント層2を備えるものである。
太陽電池素子10は、一導電型を呈する半導体基板1と、半導体基板1と異なる導電型を有するドーパント層2を備えるものである。
半導体基板1としては、例えば、一導電型(例えば、p型)を呈する単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板等の結晶シリコン基板が用いられる。半導体基板1の厚みは、例えば、250μm以下であるのがより好ましく、150μm以下であるのがさらに好ましい。半導体基板1の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態のように四角形状であれば製法上の観点から好適である。本実施形態においては、半導体基板1として、p型の導電型を呈する多結晶シリコン基板を用いる例で説明する。
結晶シリコン基板からなる半導体基板1がp型を呈するようにする場合、ドーパント元素としては、例えば、ボロンあるいはガリウムを用いるのが好適である。
半導体基板1の受光面側には、入射光の反射を低減させて太陽光を半導体基板1内へより多く吸収させるべく、多数の微細な突起からなるテクスチャ構造(凹凸構造)が形成されている。なお、テクスチャ構造は、本実施形態において必須の構成ではなく、必要に応じて形成すればよい。
<ドーパント層>
ドーパント層2は、半導体基板1とは逆の導電型を呈する層である。ドーパント層2は、半導体基板1の受光面側と非受光面側とに形成されたものを含んでなる。半導体基板1としてp型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、ドーパント層2は、n型の導電型を呈するように形成される。一方で、半導体基板1としてn型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、ドーパント層2は、p型の導電型を呈するように形成される。
ドーパント層2は、半導体基板1とは逆の導電型を呈する層である。ドーパント層2は、半導体基板1の受光面側と非受光面側とに形成されたものを含んでなる。半導体基板1としてp型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、ドーパント層2は、n型の導電型を呈するように形成される。一方で、半導体基板1としてn型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、ドーパント層2は、p型の導電型を呈するように形成される。
ドーパント層2は、60〜300Ω/□程度のシート抵抗を有するn+型として形成されるのが好適である。この範囲とすることで、受光面での表面再結合の増大および表面抵抗の増大を抑えることができる。ドーパント層2は、半導体基板1の受光面に、0.2μm〜0.5μm程度の深さに形成されることが好ましい。
<選択エミッタ>
ここで選択エミッタについては、図示していないが以下に説明する。
ここで選択エミッタについては、図示していないが以下に説明する。
選択エミッタは、受光領域のドーパント層2の濃度を低濃度とし、電極下となる領域のドーパント層2の濃度を高濃度としたものである。
受光領域のドーパント層2の濃度を低濃度とすることによって、短波長側の分光感度を向上させ、また、電極下となる領域のドーパント層2の濃度を高濃度とすることによって、直列抵抗を小さくして、曲線因子を大きくすることができる。
このような選択エミッタは、p型である半導体基板1の表面にn型ドーパントを含有した絶縁層(例えば、PSG層)を設けて熱処理することにより、n型ドーパントを拡散させて低濃度のドーパント層2を形成した後、太陽電池素子10の受光面の電極に対応する位置の絶縁層にレーザを照射することにより、さらにn型ドーパントを拡散させて高濃度のドーパント層2を形成するものである。
<反射防止膜>
太陽電池素子10は、半導体基板1の受光面側に反射防止膜3を有する。反射防止膜3は、半導体基板1の表面において入射光の反射を低減する役割を有するものであり、ドーパント層2上および溝4の内面に形成されている。
太陽電池素子10は、半導体基板1の受光面側に反射防止膜3を有する。反射防止膜3は、半導体基板1の表面において入射光の反射を低減する役割を有するものであり、ドーパント層2上および溝4の内面に形成されている。
反射防止膜3は、窒化珪素膜あるいは酸化物材料膜などによって形成されるのが好適である。
反射防止膜3の厚みは、構成材料によって好適な値は異なるが、入射光に対して無反射条件が実現される値に設定される。例えば、半導体基板1としてシリコン基板を用いる場合であれば、屈折率が1.8〜2.3程度の材料によって500〜1200Å程度の厚みに反射防止膜3を形成すればよい。
本実施形態の太陽電池素子は、半導体基板と、半導体基板の受光面側に位置してpn接合を形成したドーパント層とを備える太陽電池素子であって、ドーパント層には、ドーパント層を貫通する溝がドーパント層の周縁に沿って設けられており、ドーパント層の表面および溝の内面に連続して反射防止膜が形成されている。
図1において、太陽電池素子10の受光面側を集電する第1電極5として、フィンガー電極5bと、このフィンガー電極5bから集電するバスバー電極5aとが半導体基板1の受光面上に形成されており、半導体基板1の受光面側の周縁近傍には、溝4が形成されている。
図2において、太陽電池素子10の非受光面側を集電する第2電極7として、裏面電極7bと、この裏面電極7bから集電する裏面取出電極7aとが半導体基板1の非受光面上に形成されている。
図3において、溝4は、ドーパント層2を貫通して半導体基板1に達しており、さらに反射防止膜3がドーパント層2の表面に形成されており、さらに連続して溝4の内面に亘って形成されている。
ここで溝4はさらに半導体基板1にまで達して形成されていることが、溝4内でのドーパント層2の再形成を低減できる点で好ましい。
これにより、溝4における異物8を反射防止膜3で絶縁することによって、光電変換効率が良好な太陽電池素子10を得ることができる。
また、溝4を設けた部位におけるSiのダングリングボンドを水素を含有した反射防止膜3からの水素のパッシベーションで補償することによって、光電変換効率が良好な太陽電池素子10を得ることができる。
さらに、本実施形態の太陽電池素子は、ドーパント層の厚さは0.1〜1μmである。
これにより、溝4を最低限のレーザー処理の出力密度で形成することができ、半導体基板1への損傷を低減することができる。
さらに、本実施形態の太陽電池素子は、溝の深さは5〜20μm、幅は20〜50μmである。
これにより、ドーパント層2を十分に分離でき、分離抵抗を高くすることができるので、リーク電流を低減することができる。
さらに、本実施形態の太陽電池素子は、反射防止膜の厚さは、50〜120nmである。
これにより、溝4における異物8を反射防止膜3で絶縁することによって、光電変換効率が良好な太陽電池素子10を得ることができる。
また、溝4を設けた部位におけるSiの結合子の欠陥を反射防止膜3からの水素のパッシベーションで補償することによって、光電変換効率が良好な太陽電池素子10を得ることができる。
なお、本実施形態の溝4は同様にCIGS等の薄膜を有する基板にも用いることができる。
<<太陽電池素子の製造方法>>
<半導体基板の準備工程>
まず、p型の導電型を呈する半導体基板1を準備する。
<半導体基板の準備工程>
まず、p型の導電型を呈する半導体基板1を準備する。
半導体基板1として単結晶シリコン基板を用いる場合であれば、FZやCZ法など公知の製法で作製された単結晶シリコンインゴットを所定の厚みに切り出すことで半導体基板1を得ることができる。
また、多結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合であれば、キャスト法や鋳型内凝固法などの公知の製法で作製された多結晶シリコンインゴットを所定の厚みに切り出すことで半導体基板1を得ることができる。
以下においては、ドーパント元素としてB(ボロン)あるいはGa(ガリウム)を1×1015〜1×1017atoms/cm3程度ドープして成ることでp型の導電型を呈する結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合を例にとって説明する。
なお、切り出し(スライス)に伴う半導体基板1の表層部の機械的ダメージ層や汚染層を除去するために、切り出した半導体基板1の表面側および裏面側の表層部をNaOHやKOH、あるいはフッ酸と硝酸の混合液などでそれぞれ10〜20μm程度エッチングし、その後、純水などで洗浄することで、有機成分や金属成分を除去しておくようにする。
<ドーパント層の形成工程>
次に、ドーパント層2を形成する。p型の導電型を呈する結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合、ドーパント層2を形成するためのn型化ドーピング元素としては、P(リン)を用いることが好ましい。
次に、ドーパント層2を形成する。p型の導電型を呈する結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合、ドーパント層2を形成するためのn型化ドーピング元素としては、P(リン)を用いることが好ましい。
ドーパント層2は、半導体基板1におけるその形成対象箇所にペースト状態にしたP2O5を塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたPOCl3(オキシ塩化リン)を拡散源として形成対象箇所に拡散させる気相熱拡散法、および形成予定箇所に対して直接に拡散させるイオン打ち込み法などによって形成する。気相拡散法を用いれば半導体基板1の両主面に逆導電型層2を形成できるので好ましい。
なお、形成対象箇所以外にも拡散領域が形成されるような条件下では、その部分にあらかじめ拡散防止層を形成したうえでドーパント層2を形成するようにすることにより、部分的に拡散を防止することができる。また、拡散防止層を形成せず、形成対象箇所以外に形成された拡散領域を後からエッチングして除去してもよい。
<溝および選択エミッタの形成工程>
ドーパント層2を形成した後に、半導体基板1の周縁について第1のレーザー処理で溝4を形成するとともに、フィンガー電極5b、バスバー電極5aについて第2のレーザー処理で選択エミッタを形成する。この工程の詳細については後述する。
ドーパント層2を形成した後に、半導体基板1の周縁について第1のレーザー処理で溝4を形成するとともに、フィンガー電極5b、バスバー電極5aについて第2のレーザー処理で選択エミッタを形成する。この工程の詳細については後述する。
<電極の形成方法>
半導体基板1の受光面に第1電極5を形成する。バスバー電極5aとフィンガー電極5bとは、例えば、塗布法を用いて形成される。具体的には、半導体基板1の受光面上に、例えば銀等からなる金属粉末100重量部に対して有機ビヒクルを10〜30重量部、ガラスフリットを0.1〜10重量部を添加してなる導電性ペーストを、特定の形成パターンにて塗布することで塗布膜を形成した後、該塗布膜を最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより、バスバー電極5aとフィンガー電極5bとを形成することができる。
半導体基板1の受光面に第1電極5を形成する。バスバー電極5aとフィンガー電極5bとは、例えば、塗布法を用いて形成される。具体的には、半導体基板1の受光面上に、例えば銀等からなる金属粉末100重量部に対して有機ビヒクルを10〜30重量部、ガラスフリットを0.1〜10重量部を添加してなる導電性ペーストを、特定の形成パターンにて塗布することで塗布膜を形成した後、該塗布膜を最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより、バスバー電極5aとフィンガー電極5bとを形成することができる。
また、導電性ペーストを塗布した後、焼成前に所定の温度で塗布膜中の溶剤を蒸散させて該塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
第1電極5の形成に先立って反射防止膜3を形成する場合は、パターニングされた領域に第1電極5を形成するか、あるいは、ファイヤースルー法によって第1電極5を形成することになる。
一方で、第1電極5を形成した後に、反射防止膜3を形成してもかまわない。この場合、反射防止膜3をパターニングする必要もなく、またファイヤースルー法を用いる必要もないため、第1電極5の形成条件が緩やかなものとなる。このような工程であれば、例えば、800℃程度の高温で焼成を行わずとも、第1電極5を形成することができる。
半導体基板1の非受光面には、第2電極7を形成する。裏面取出電極7aは、例えば、銀または銅等の導電性ペーストを塗布し、加熱処理する方法や、銀または銅等の金属をスパッタ法または蒸着法を用いて形成することができる。
また、裏面電極7bは、錫または銀を含む厚さ5〜30μmのめっき層を有することが好ましい。
<反射防止膜の形成工程>
次に、ドーパント層2の上に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の形成方法とし
ては、PECVD法、蒸着法やスパッタ法などを用いることができる。例えば、SiNx膜からなる反射防止膜3をPECVD法で形成する場合であれば、反応室内を500℃程度としてシラン(Si3H4)とアンモニア(NH3)との混合ガスを窒素で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させることで反射防止膜3が形成される。
次に、ドーパント層2の上に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の形成方法とし
ては、PECVD法、蒸着法やスパッタ法などを用いることができる。例えば、SiNx膜からなる反射防止膜3をPECVD法で形成する場合であれば、反応室内を500℃程度としてシラン(Si3H4)とアンモニア(NH3)との混合ガスを窒素で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させることで反射防止膜3が形成される。
本実施形態の太陽電池素子の製造方法は、半導体基板上にドーパントを拡散させてドーパント層を形成する第1工程と、第1のレーザー処理によって少なくともドーパント層を貫通する溝を形成する第2工程と、反射防止膜をドーパント層の表面側に形成する第3工程と、を有する。
図4において、(a)の半導体基板1に、(b)のようにn型ドーパントを熱拡散気相法などによって拡散してドーパント層2を形成する。
そして(c)のようにレーザー処理で溝4を形成して、(d)のように第2電極7を形成してから、(e)のように反射防止膜3をPECVD法などにより形成する。
これにより、ドーパント層の表面から溝4の内面に亘り反射防止膜3を連続的に有することができる。
ここで、レーザー処理により一部融解した細かなn相が、ところどころ存在していない
ことが、リーク電流を低減させる点で好ましい。
ことが、リーク電流を低減させる点で好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池素子の製造方法は、第2工程の前工程あるいは後工程であって、第2のレーザー処理によって溝の形成部分を除いてドーパント層中のドーパントを半導体基板の内部へとさらに拡散させる工程を有する。
これにより、溝4を形成するための工程と、選択エミッタを形成するための工程とを連続して行うことができ、工数を削減できる点で好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池素子の製造方法は、第2のレーザー処理の出力密度は、第1のレーザー処理の出力密度よりも大きい。
これにより、半導体基板1の表面にPSG(リン珪酸ガラス)が形成されていても、レーザー処理におけるパワーロスの影響を問題とすることなく、溝4を形成することが可能となる。レーザーの出力密度は0.04〜0.05mW/μm2程度であることが好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池素子の製造方法は、第2のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度は、第1のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度よりも長い。
これにより、レーザー処理による急激な温度上昇を避けることができるので、半導体基板1に損傷を与えずに溝4を形成することが可能となる。レーザーの処理速度は500〜2000mm/秒程度であることが好ましい。
ここで、レーザー装置の仕様、照射条件について詳細に説明する。
レーザーで溝4を形成する場合は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー(波長1064nm)やSHG(second harmonic generation)−YAGレーザー(波長532nm)、YVO4(イットリウム・バナデイト)レーザー(波長1064nm)、エキシマレーザー(波長193〜353nm)な
どが使用可能である。YAGレーザーを使用する場合、その条件は、TEM波、出力5〜30W程度、パルス出力であって出力されたビームパルスの周波数1Hz〜1MHz、ビームパルス幅100フェムト秒〜100マイクロ秒、ビームプロファイルはトップハット型とすることができる。
どが使用可能である。YAGレーザーを使用する場合、その条件は、TEM波、出力5〜30W程度、パルス出力であって出力されたビームパルスの周波数1Hz〜1MHz、ビームパルス幅100フェムト秒〜100マイクロ秒、ビームプロファイルはトップハット型とすることができる。
溝4を形成方法としては、半導体基板1表面の所定箇所へのレーザーの照射位置をガルバノミラーなどで走査させてレーザーを照射する方法や、半導体基板1を載置した作業テーブルをシーケンサーなどで制御されたサーボーモーターにより一定速度で移動させながら、レーザーをパルスで照射する方法などを用いることができる。さらに溝4の形成の際に、溝4の内周面を不活性化するガスを溝4の内面に吹き付けることができる。これによりレーザーによる溝4形成時の熱的ダメージ、機械的ダメージによる太陽電池素子1のリーク電流の発生を低減することができる。このような溝4の内周面を不活性化するガスとしては、窒素ガスや酸素ガス、二酸化炭素ガス、水蒸気などを用いることができる。なお、溝4の内周面を不活性化するガスとして窒素ガスを用いた場合、レーザー照射による溝4の形成時に発生する残渣の酸化を低減することができる。その結果、該残渣が溝4の内部に残り、導電性を持ちリーク電流を発生させることを低減することができる。
(試料作製)
シリコン半導体基板上に、ボロンをn型ドーパントとして熱拡散気相法によって拡散させてドーパント層2を形成し(第1工程)、第1のレーザー処理によってドーパント層2を貫通する溝4を各深さと幅で形成し(第2工程)、SiNx膜からなる反射防止膜3をドーパント層2の表面側にPECVD法で形成した(第3工程)。
シリコン半導体基板上に、ボロンをn型ドーパントとして熱拡散気相法によって拡散させてドーパント層2を形成し(第1工程)、第1のレーザー処理によってドーパント層2を貫通する溝4を各深さと幅で形成し(第2工程)、SiNx膜からなる反射防止膜3をドーパント層2の表面側にPECVD法で形成した(第3工程)。
第2工程の前工程で第2のレーザー処理によってドーパント層2中のボロンドーパントを半導体基板1内部へと、さらに拡散させて選択エミッタを形成した。
ここで第2のレーザー処理の出力密度は、第1のレーザー処理の出力密度よりも大きくし、レーザーの出力密度は0.04〜0.05mW/μm2で制御した。また第2のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度は、第1のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度よりも長くし、レーザーの処理速度は500〜2000mm/秒で制御した。
比較例としては、図5,6のように受光面側に形成され溝4内に反射防止膜3を有さないもの、および、第2電極7側に溝4を形成した特許文献1と同様のものを作製した。
本実施例において、溝4を形成するレーザーと、選択エミッタとを形成するレーザーは、ガルバノビームでプロファイルがガウシアン分布のものを用いた。
pn分離用レーザーの仕様および条件は、出力14.5W程度、周波数50kHz、パルス幅20ns、波長532nm、スポット径20〜50μm、移動速度1000mm/秒とした。また、エミッタ形成用レーザーの仕様および条件は、出力 0.5〜5W程度
、周波数80〜200kHz、パルス幅20ns程度、波長532nm、スポット径20μm、移動速度2000mm/秒とした。
、周波数80〜200kHz、パルス幅20ns程度、波長532nm、スポット径20μm、移動速度2000mm/秒とした。
(試料評価)
図1および図2のような太陽電池素子を用いて、光電変換効率を評価した。
図1および図2のような太陽電池素子を用いて、光電変換効率を評価した。
以下、結果を表1に示す。
試料1〜5においてドーパント層2の厚さが0.1〜1μmで好適な光電変換効率を得ることができた。
試料6〜10において溝4の深さが5〜20μmで好適な光電変換効率を得ることができた。なお、試料6〜10では、パワー密度と移動速度で深さを調節した。
試料11〜15において溝4の幅が20〜50μmで好適な光電変換効率を得ることができた。なお、試料11〜15では、パワー密度と移動速度の他に、スポット径を随時制御して溝幅を調節した。
試料15〜20において反射防止膜3の厚さが0.1〜1μmで好適な光電変換効率を得ることができた。
一方、比較例である図5,6のように受光面側に形成され溝4内に反射防止膜3を有さない試料21は、異物8の介在により光電変換効率が低下したものと考えられる。
また、比較例である第2電極7側に溝4を形成した特許文献1と同様の試料22も、本光電変換効率が低下するとともに、別工程で半導体基板1を反転させてからアライメントしてレーザー処理したため、工数が長くなってしまった。
1:半導体基板
2:ドーパント層
3:反射防止膜
4:溝
5:第1電極
5a:バスバー電極
5b:フィンガー電極
7:第2電極
7a:裏面取出電極
7b:裏面電極
8:異物
10:太陽電池素子
2:ドーパント層
3:反射防止膜
4:溝
5:第1電極
5a:バスバー電極
5b:フィンガー電極
7:第2電極
7a:裏面取出電極
7b:裏面電極
8:異物
10:太陽電池素子
Claims (9)
- 半導体基板と、
前記半導体基板の受光面側に位置してpn接合を形成したドーパント層と
を備える太陽電池素子であって、
前記ドーパント層には、前記ドーパント層を貫通する溝が前記ドーパント層の周縁に沿って設けられており、
前記ドーパント層の表面および前記溝の内面に連続して反射防止膜が形成されている太陽電池素子。 - 前記溝はさらに前記半導体基板にまで達して形成されている請求項1に記載の太陽電池素子。
- 前記ドーパント層の厚さは0.1〜1μmである請求項1または2に記載の太陽電池素子。
- 前記溝の深さは5〜20μm、幅は20〜50μmである請求項2または3に記載の太陽電池素子。
- 前記反射防止膜の厚さは、50〜120nmである請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池素子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法であって、
半導体基板の受光面側にドーパントを拡散させてドーパント層を形成する第1工程と、
第1のレーザー処理によって少なくとも前記ドーパント層を貫通する溝を形成する第2工程と、
反射防止膜を前記ドーパント層の表面および前記溝の内面に連続して形成する第3工程とを有する太陽電池素子の製造方法。 - 前記第2工程の前工程あるいは後工程であって、
第2のレーザー処理によって前記溝の形成部分を除いて前記ドーパント層中のドーパントを前記半導体基板の内部へとさらに拡散させる工程を有する請求項6に記載の太陽電池素子の製造方法。 - 前記第2のレーザー処理の出力密度は、前記第1のレーザー処理の出力密度よりも大きい請求項6または7に記載の太陽電池素子の製造方法。
- 前記第2のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度は、前記第1のレーザー処理の単位面積当たりの処理速度よりも長い請求項7または8のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
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Cited By (1)
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CN110034205A (zh) * | 2019-04-19 | 2019-07-19 | 协鑫集成科技股份有限公司 | 一种光伏电池及从多层晶片中分离出光伏电池的方法 |
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CN110034205A (zh) * | 2019-04-19 | 2019-07-19 | 协鑫集成科技股份有限公司 | 一种光伏电池及从多层晶片中分离出光伏电池的方法 |
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