JP2012137112A - 断熱材、断熱材の製造方法、および建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性能を低下させることなく芯材が外被材によって確実に密封されることが可能な断熱材を提供する。
【解決手段】対向配置された外被材10および外被材20の間に複数の芯材30が減圧密封された断熱材101は、ガスバリア性を有する外被材10と、ガスバリア性を有する外被材20と、外被材10および外被材20の間に位置し且つ複数の凹部43および複数の凸部44が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材40と、複数の凹部43内にそれぞれ嵌め込まれた複数の芯材30とを備える。外被材10および外被材20は、熱溶着によって仕切材40の凸部44にそれぞれ接合される。複数の芯材30は、外被材10および外被材20が仕切材40の凸部44にそれぞれ接合されることによって、複数の凹部43内に減圧密封されている。
【選択図】図3
【解決手段】対向配置された外被材10および外被材20の間に複数の芯材30が減圧密封された断熱材101は、ガスバリア性を有する外被材10と、ガスバリア性を有する外被材20と、外被材10および外被材20の間に位置し且つ複数の凹部43および複数の凸部44が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材40と、複数の凹部43内にそれぞれ嵌め込まれた複数の芯材30とを備える。外被材10および外被材20は、熱溶着によって仕切材40の凸部44にそれぞれ接合される。複数の芯材30は、外被材10および外被材20が仕切材40の凸部44にそれぞれ接合されることによって、複数の凹部43内に減圧密封されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、断熱材、断熱材の製造方法、および建物に関し、特に、芯材を外被材で密封した断熱材、その断熱材の製造方法、およびその断熱材を備えた建物に関する。
図47を参照して、住宅などの一般的な建物1には、室内および屋外を隔離する壁2が設けられる。壁2の内部には、略平板状の断熱材300が設けられる。断熱材300は、外被材310と、外被材320と、外被材310および外被材320によって減圧密封された芯材330とを備えている。断熱材300は、体積の大きな芯材330を1つの真空空間内に保持している。断熱材300は、真空が保持されている領域R30において高い断熱機能を発揮することができる。
断熱材300には、その施工中またはその施工後に、釘9などが打たれることがある。断熱材300は、芯材330の真空が破壊された領域R31において、断熱機能を失う。断熱材300は、領域R30の体積が大きく確保されているため高い断熱性能を有しているが、釘9が打たれることによってそのすべての真空が破壊される。この場合、断熱材300の断熱性能は著しく低下する。
図48を参照して、断熱材301は、外被材310と、外被材320と、外被材310および外被材320によってそれぞれ減圧密封された3つの芯材330とを備えている。3つの芯材330は、相互に独立した真空空間内にそれぞれ密閉されている。断熱材301は、芯材330の真空が保持されている領域R30において高い断熱機能を発揮することができる。隣り合う芯材330同士(隣り合う真空空間同士)の間の領域R32において、断熱材301は断熱機能を有していない。
図49を参照して、建物1Aは、壁2の内部に断熱材301が設けられている。断熱材301に釘9が打たれる。断熱材301は、釘9が打たれることによって真空が破壊された領域R31においてのみ断熱機能を失う。断熱材301は、上述の断熱材300(図47参照)に比べて、領域R32の分だけ芯材330が減圧密封されている領域の体積は小さく断熱性能も低い。しかしながら断熱材301は、釘9を打たれた場合であっても、芯材330の真空が保持されているその他の領域R30において、断熱機能を引続き発揮することができる。
図50は、特開2009−41648号公報(特許文献1)に開示された断熱材302を示す平面図である。図51は、図50中におけるLI−LI線に沿った矢視断面図である。図50および図51を参照して、断熱材302は、外被材310と、外被材320(図51参照)と、隔離用フィルム311と、9個の芯材330とを備えている。
外被材310および外被材320にそれぞれ設けられた熱溶着層312と、隔離用フィルム311の両面にそれぞれ設けられた熱溶着層313とは、相互に熱溶着される。当該熱溶着によって、外被材310,320と隔離用フィルム311とは接合される。断熱材302においては、隣り合う芯材330同士が隔離用フィルム311によって隔離される。
隣り合う芯材330同士の間隔は、隔離用フィルム311の厚さと略同等である。断熱材302は、断熱機能を発揮しない芯材330同士の間隔が狭いため、高い断熱性能を有している。断熱材302は複数の真空空間内に芯材330をそれぞれ密封している。断熱材302は、釘(図示せず)が打たれた場合であっても、真空が破壊されていない領域において引続き断熱性能を発揮することができる。
図52を参照して、断熱材303の製造方法について説明する。断熱材303の製造方法は、上記の断熱材302の製造方法と略同様である(特許文献1の段落0043参照)。まず、一枚の外被材320の熱溶着層312を上に向け、その上に複数の芯材330を配置する。これらの複数の芯材330を覆うように、隔離用フィルム311を載せる(矢印AR320参照)。
次に、隔離用フィルム311の上に、複数の他の芯材330を配置する。複数の他の芯材330を覆うように、外被材310を載置する(矢印AR310参照)。減圧下で、外被材310,320における熱溶着層312と隔離用フィルム311における熱溶着層313とをそれぞれ溶着する。図53を参照して、以上のようにして断熱材303が得られる。
上記の断熱材303の製造方法においては、図52に示すような2次元形状(平面形状)の隔離用フィルム311が、複数の芯材330に対して押し付けられる。図54を参照して、当該押し付けによって、隔離用フィルム311に複数の凹部343および複数の凸部344が碁盤目状(市松模様状)に形成される。図54においては、凹部343および凸部344が、鉛直方向および水平方向に高い精度を持って形成された様子が図示されている。
しかしながら実際には、隔離用フィルム311は芯材330に対する押し付けによって変形するため、隔離用フィルム311には、複数の凸部344付近の領域R300(図53参照)において微細な皺(図示せず)が発生する。特に芯材330の加工精度が低く芯材330の寸法にバラツキが存在する場合、微細な皺は顕著に発生する。
これは、図50および図51に示している上記の特開2009−41648号公報(特許文献1)に開示された断熱材302においても同様である。当該微細な皺の発生が原因となって、隔離用フィルム311と外被材310,320とは、領域R300において十分に溶着されることが困難となる。隣り合う真空空間同士は、当該微細な皺によって形成された隙間を通じて連通しやすくなる。一方の真空空間の真空が釘等によって破壊された場合、これに伴って他方の真空空間の真空も破壊されやすくなり、断熱性能の低下に繋がる。
微細な皺の発生を抑制するためには、断熱材303の厚さL303(図53参照)を薄くすることが考えられる。しかしながら、厚さL303を薄くすると断熱性能が低下する。図55を参照して、隣り合う真空空間同士が皺の発生に起因して連通することを抑制するためには、断熱材304のように、隣り合う芯材330同士の間隔を大きくし、熱溶着可能な領域を拡大することが考えられる。しかしながら、隣り合う芯材330同士の間隔を大きくすると断熱性能が低下する。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、断熱性能を低下させることなく芯材が外被材によって確実に密封されることが可能な断熱材、その断熱材の製造方法、およびその断熱材を備えた建物を提供することを目的とする。
本発明に基づく断熱材は、対向配置された第1外被材および第2外被材の間に複数の芯材が減圧密封された断熱材であって、ガスバリア性を有する上記第1外被材と、ガスバリア性を有する上記第2外被材と、上記第1外被材と上記第2外被材との間に位置し、複数の凹部および複数の凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材と、複数の上記凹部内にそれぞれ嵌め込まれた複数の上記芯材と、を備え、上記第1外被材および上記第2外被材は、熱溶着によって上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合され、複数の上記芯材は、上記第1外被材および上記第2外被材が上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合されることによって、複数の上記凹部内に減圧密封されている。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材においては、複数の上記芯材の各々は、底面部と、上記芯材が上記凹部内に嵌め込まれる方向において上記底面部よりも前方に位置する上面部とを有し、複数の上記芯材の各々は、上記底面部から上記上面部に向かって徐々に外周長さが小さくなるテーパー状に形成されている。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材は、複数の上記凹部は、複数の上記芯材の形状に対応するように、上記芯材が嵌め込まれる方向において徐々に内周長さが小さくなるテーパー状に形成されている。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材は、上記仕切材の厚さは100μm以上1mm以下である。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材は、上記仕切材は、熱溶着によって上記第1外被材に接合される第1仕切材と、熱溶着によって上記第2外被材に接合される第2仕切材とを含み、複数のうち一部の上記芯材は、上記第1外被材と上記第1仕切材との間における複数の上記凹部内に密封され、複数のうち残りの上記芯材は、上記第2外被材と上記第2仕切材との間における複数の上記凹部内に密封され、上記第1仕切材と上記第2仕切材とは、相互に接合されている。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材は、上記第1仕切材と上記第2仕切材とは、相互に嵌合している。
好ましくは、本発明に基づく上記の断熱材は、上記第1仕切材と上記第2仕切材とは、熱溶着によって相互に接合されている。
本発明に基づく建物は、本発明に基づく上記の断熱材を備える。
本発明のある局面に基づく断熱材の製造方法は、対向配置された第1外被材および第2外被材の間に複数の芯材が減圧密封された断熱材の製造方法であって、ガスバリア性を有する上記第1外被材と、ガスバリア性を有する上記第2外被材と、複数の上記芯材と、複数の凹部および複数の凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材とを準備する工程と、複数の上記凹部内に複数の上記芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、上記第1外被材と上記第2外被材との間に上記仕切材を配置する工程と、上記第1外被材および上記第2外被材を上記仕切材に形成された複数の上記凸部にそれぞれ熱溶着させる工程と、を備え、上記第1外被材および上記第2外被材は、熱溶着によって上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合され、複数の上記芯材は、上記第1外被材および上記第2外被材が上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合されることによって、複数の上記凹部内に密封される。
本発明のある局面に基づく断熱材の製造方法は、対向配置された第1外被材および第2外被材の間に複数の芯材が減圧密封された断熱材の製造方法であって、ガスバリア性を有する上記第1外被材と、ガスバリア性を有する上記第2外被材と、複数の上記芯材と、複数の凹部および複数の凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材とを準備する工程と、複数の上記凹部内に複数の上記芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、上記第1外被材と上記第2外被材との間に上記仕切材を配置する工程と、上記第1外被材および上記第2外被材を上記仕切材に形成された複数の上記凸部にそれぞれ熱溶着させる工程と、を備え、上記第1外被材および上記第2外被材は、熱溶着によって上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合され、複数の上記芯材は、上記第1外被材および上記第2外被材が上記仕切材の上記凸部にそれぞれ接合されることによって、複数の上記凹部内に密封される。
本発明の他の局面に基づく断熱材の製造方法は、第1断熱材および第2断熱材が相互に接合された断熱材の製造方法であって、上記第1断熱材および上記第2断熱材を準備する工程を備え、上記第1断熱材を準備する工程は、ガスバリア性を有する第1外被材と、複数の芯材と、複数の第1凹部および複数の第1凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する第1仕切材とを準備する工程と、複数の上記第1凹部内に複数の上記芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、複数の上記第1凸部における熱溶着によって、上記第1外被材を上記第1仕切材に接合することによって、複数の上記第1凹部内に複数の上記芯材をそれぞれ密封する工程と、を含み、上記第2断熱材を準備する工程は、ガスバリア性を有する第2外被材と、複数の他の芯材と、複数の第2凹部および複数の第2凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する第2仕切材とを準備する工程と、複数の上記第2凹部内に複数の上記他の芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、複数の上記第2凸部における熱溶着によって、上記第2外被材を上記第2仕切材に接合することによって、複数の上記第2凹部内に複数の上記他の芯材をそれぞれ密封する工程と、を含み、さらに、上記第1仕切材における上記第1凹部および上記第1凸部と上記第2仕切材における上記第2凸部および上記第2凹部とを、それぞれ嵌め合わせた状態で相互に接合する工程と、を備える。
本発明によれば、断熱性能を低下させることなく芯材が外被材によって確実に密封されることが可能な断熱材、その断熱材の製造方法、およびその断熱材を備えた建物を得ることができる。
本発明に基づいた各実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成および各実施例に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
[実施の形態1]
図1〜図3を参照して、本実施の形態における断熱材101について説明する。図1は、断熱材101を示す斜視図である。図2は、図1中におけるII−II線に沿った矢視断面図である。図3は、断熱材101の分解斜視図である。
図1〜図3を参照して、本実施の形態における断熱材101について説明する。図1は、断熱材101を示す斜視図である。図2は、図1中におけるII−II線に沿った矢視断面図である。図3は、断熱材101の分解斜視図である。
図1および図2に示すように、断熱材101は、外被材10(第1外被材)と、外被材20(第2外被材)と、複数の芯材30と、仕切材40とを備えている。外被材10および外被材20は相互に対向している。断熱材101においては、外被材10および外被材20の間に複数の芯材30が減圧密封されている。
外被材10および外被材20は略同様に構成される。外被材10,20は、ガスバリア性を有している。外被材10,20の表面には、熱溶着層(図示せず)とバリア層(図示せず)とが層状に形成されている。
熱溶着層の材質は、たとえば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ無延伸ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂、またはポリ塩化ビニルである。
バリア層の材質は、たとえば、金属箔、蒸着フィルムコーティングフィルム、またはプラスチックフィルムである。金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、鉄、またはこれらの混合物が使用され得る。蒸着およびコーティングの基材となるプラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアミド、またはポリイミドが使用され得る。
蒸着の材料としては、アルミニウム、コバルト、ニッケル、鉛、亜鉛、錫、銅、銀、酸化ケイ素(シリカ)、アルミナ、ダイヤモンドライクカーボン、またはこれらの混合物が使用され得る。コーティングの材料としては、PVA(polyvinyl alcohol)、ポリアクリル酸系樹脂、またはこれらの混合物が使用され得る。
外被材10,20の表面には、耐ピンホール性の向上、耐摩耗性の向上、難燃性の向上、およびガスバリア性のさらなる向上などを目的として、外層または中間層として他のフィルムがさらに設けられてもよい。外層または中間層に設けるフィルムとしては、たとえば、ナイロン、エチレン・4フッ化エチレン共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、または、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂などである。
外被材10,20の厚さは、それぞれたとえば100μmである。外被材10の外周部12と外被材20の外周部22とは、真空下における熱溶着によって相互に接合されている。外周部12と外周部22との接合によって、外被材10および外被材20の間に真空空間が形成されている。
図3を参照して、仕切材40および複数の芯材30は、外被材10および外被材20の間に位置し、上記の真空空間内に密封されている。
芯材30は、繊維、粉体、発泡樹脂、多孔質体、または薄膜積層体などから構成され、高い空隙率を有している。芯材30の材質は、繊維系としては、たとえばグラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、または炭化ケイ素繊維である。芯材30の材質は、粉体系としては、たとえばシリカ、パーライト、またはカーボンブラックである。芯材30の材質は、発泡樹脂としては、たとえばウレタンフォーム、フェノールフォーム、エチレンフォーム、またはスチレンフォームである。芯材30の材質としては、これらの混合体または成形体が使用されてもよい。
仕切材40の材質としては、外被材10,20の熱溶着層と溶着可能なガスバリア性を有する部材として、たとえば外被材10,20と同様なものが使用され得る。仕切材40は、単一の層から構成されてもよく、複数の層から構成されてもよい。仕切材40が複数の層から構成される場合、たとえば、厚さが50μmのポリアクリルニトリル、厚さが7μmのアルミニウム、および、厚さが50μmのポリアクリルニトリルが順に積層された3層構造が採用されるとよい。
仕切材40は、第1主表面41およびその裏側の第2主表面42を有している。仕切材40には、第1主表面41および第2主表面42のそれぞれに、成型によって複数の凹部43および複数の凸部44が形成されている。本実施の形態における複数の凹部43および複数の凸部44は、平面視において碁盤目状(市松模様状)に配列されている。
複数の凹部43および複数の凸部44を形成するための成型方法としては、真空成型、射出成型、またはプレス成型などの各種の成型方法が使用されることができる。仕切材40の厚さを100μmより小さくすると、仕切材40に対して複数の凹部43および複数の凸部44を形成することが著しく困難となる。仕切材40の厚さを1mmより大きくすると、外被材10および外被材20によって形成された真空空間内において芯材30の占有可能な面積が低下し、断熱材101は高い断熱性能を発揮することができなくなる。したがって、仕切材40の厚さは100μm以上1mm以下であることが好ましい。
複数の凹部43および複数の凸部44が真空成型によって形成される場合、加熱軟化された仕切材40(仕切材40の材料となるシート状の部材)が、複数の凹部43および複数の凸部44に対応した成型面を有する金型上に載置される。金型と仕切材40との隙間が減圧されることによって、仕切材40が金型の成型面に沿うように変形する。仕切材40の冷却後に真空が解除される。立体形状の成型品として、図3に示すような複数の凹部43および複数の凸部44を有する仕切材40が得られる。真空成型によって複数の凹部43および複数の凸部44を形成する場合についての詳細は、実施の形態5において後述する。
複数の凹部43および複数の凸部44が射出成型によって形成される場合、複数の凹部43および複数の凸部44に対応した成型面を有する空隙部(キャビティ)を有する金型が用いられる。当該キャビティ内に、仕切材40の材料となる溶融した樹脂等が射出注入される。注入された溶融樹脂が冷却固化した後に、金型が分離される。立体形状の成型品として、図3に示すような複数の凹部43および複数の凸部44を有する仕切材40が得られる。
複数の凹部43および複数の凸部44がプレス成型によって形成される場合、加熱軟化されたシート状の仕切材40(仕切材40の材料となる部材)が、複数の凹部43および複数の凸部44に対応した成型面を有する金型上に載置される。仕切材40の上から、空気もしくは液体などによる圧力、またはプレス部材などによる圧力が加えられることによって、仕切材40が金型の成型面に沿うように変形する(加圧に空気などの流体が用いられる場合、ブロー成型とも称される)。仕切材40の冷却後に加圧が解除される。立体形状の成型品として、図3に示すような複数の凹部43および複数の凸部44を有する仕切材40が得られる。
複数の凹部43および複数の凸部44を形成するための成型方法としては、上記の成型方法の他にも、複数の芯材30を用いて仕切材40を変形させる方法以外のものであれば、任意の方法が使用されることができる。
図3中の矢印AR31に示すように、仕切材40の第1主表面41側に形成された複数の凹部43内に、複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。矢印AR32に示すように、仕切材40の第2主表面42側に形成された複数の凹部43内に、他の複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。
断熱材101においては、冒頭に説明した断熱材303(図53参照)、および特開2009−41648号公報(特許文献1)に記載の断熱材302(図51参照)とは異なり、予め成型によって形成された仕切材40の複数の凹部43内に、複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。複数の凹部43内に複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれた状態で、複数の凸部44と外被材10,20とが熱溶着によって接合されている。
具体的には、矢印AR10に示すように、第1主表面41側に形成された複数の凸部44に外被材10が当接された状態で、仕切材40の第1主表面41側に形成された複数の凸部44と外被材10とが熱溶着によって接合されている(図2参照)。同様に、第2主表面42側に形成された複数の凸部44に外被材20が当接された状態で、仕切材40の第2主表面42側に形成された複数の凸部44と外被材20とが熱溶着によって接合されている(図2参照)。
外被材10および外被材20が複数の凸部44にそれぞれ接合されることによって、複数の芯材30は複数の凹部43内にそれぞれ減圧密封されている。複数の芯材30は、相互に独立した真空空間内にそれぞれ密閉されている。断熱材101は、以上のように構成される。
(作用・効果)
図4は、釘90が打たれた断熱材101を模式的に示す斜視図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った矢視断面図である。図4においては断熱材101の内部が透視されている。図示上の便宜のため、仕切材40は、図4には記載されおらず、図5にのみ記載されている。
図4は、釘90が打たれた断熱材101を模式的に示す斜視図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った矢視断面図である。図4においては断熱材101の内部が透視されている。図示上の便宜のため、仕切材40は、図4には記載されおらず、図5にのみ記載されている。
図4および図5に示すように、断熱材101に釘90が打たれたとする。複数の芯材30のうち、釘90が打たれた芯材31を含む真空空間の真空が破壊される。断熱材101は、釘90が打たれることによって真空が破壊された領域R31(図5参照)においてのみ断熱機能を失う。断熱材101は、釘90を打たれた場合であっても、芯材30の真空が保持されているその他の領域R30において断熱機能を発揮することができる。
図6は、断熱材101が壁2内に設けられた建物1Bを模式的に示す断面図である。建物1Bは、壁2内に設けられた断熱材101に釘90が打たれた場合であっても、芯材30の真空が保持されている領域R30において高い断熱性を維持することができる。
断熱材101においては、隣り合う芯材30同士の間隔は、仕切材40の厚さ(たとえば100μm)と略同等である。断熱材101は、隣り合う芯材30同士の間においては十分な断熱機能を発揮しないが、当該間隔が狭いため高い断熱性能を有している。
断熱材101においては、予め設計された成型手段(金型など)によって複数の凹部43および複数の凸部44が高い成型精度を持って形成されている。複数の凹部43および複数の凸部44は、仕切材40の複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。複数の芯材30が複数の凹部43内にそれぞれ嵌め込まれた後、仕切材40に形成された複数の凸部44付近において皺が発生することがない。
皺が発生しないことに加えて、複数の凸部44が高い成型精度を持って形成されているため、複数の凸部44は略同一平面上に位置している。各主表面41,42に形成された複数の凸部44に対して、外被材10,20は熱溶着によって十分な接合力を持ってそれぞれ接合されることができる。
隣り合う真空空間同士は、連通することがない。一方の真空空間の真空が釘等によって破壊された場合であっても、これに伴って他方の真空空間の真空が破壊されることはない。断熱材101によれば、釘等が打たれた場合であっても、断熱性能の低下を抑制することが可能となる。
複数の凹部43および複数の凸部44の形成時において皺の発生が抑制されているため、断熱材101の厚さL101(図5参照)を厚くすることが可能となる。厚さL101を厚くすることによって、断熱材101の断熱性能が向上する。隣り合う真空空間同士は連通することがないため、芯材30同士の間隔を小さくすることが可能となる。隣り合う芯材30同士の間隔を小さくすることによって、断熱材101の断熱性能が向上する。
[実施の形態2]
図7を参照して、本実施の形態における断熱材102について説明する。ここでは、上述の実施の形態1における断熱材101(図1,図4参照)との相違点について説明する。図7は、断熱材102を模式的に示す斜視図である。図7においては、断熱材102の内部が透視されている。図示上の便宜のため、仕切材40は記載されていない。
図7を参照して、本実施の形態における断熱材102について説明する。ここでは、上述の実施の形態1における断熱材101(図1,図4参照)との相違点について説明する。図7は、断熱材102を模式的に示す斜視図である。図7においては、断熱材102の内部が透視されている。図示上の便宜のため、仕切材40は記載されていない。
所定の形状の切り欠き加工が施された断熱材102は、2つの切欠部92を有している。複数の芯材30のうち、切欠部92が設けられた芯材31の真空は破壊されている。その他の芯材30の真空は維持されている。各芯材30が独立した真空空間内に密閉されており、かつ、これらの真空空間同士が連通していない。所定の形状に加工された場合であっても、断熱材102によれば高い断熱性能を維持することが可能となる。
[実施の形態3]
図8〜図10を参照して、本実施の形態における断熱材103について説明する。ここでは、上述の実施の形態1における断熱材101との相違点について説明する。図8は、断熱材103に用いられる芯材30Aを示す斜視図である。図9は、断熱材103を示す分解断面図である。図10は、断熱材103の組立後の断面図である。
図8〜図10を参照して、本実施の形態における断熱材103について説明する。ここでは、上述の実施の形態1における断熱材101との相違点について説明する。図8は、断熱材103に用いられる芯材30Aを示す斜視図である。図9は、断熱材103を示す分解断面図である。図10は、断熱材103の組立後の断面図である。
図8を参照して、断熱材103における芯材30Aは、四角錐台状に形成されている。四角錐台状とは、四角錐の頭頂部を底面部と平行な方向に切断した形状である。断熱材103は、側壁33が傾斜しており、底面部32から上面部34に向かって徐々に外周長さが小さくなるテーパー状に形成されている。
図9に示すように、芯材30Aの上面部34は、芯材30Aが凹部43内に嵌め込まれる方向(矢印AR31および矢印AR32参照)において、底面部32よりも前方に位置している。芯材30Aの上面部34の外周は、図示するようにわずかにR面取り加工が施されているとよい。
図10を参照して、テーパー状に形成された側壁33を活用して、芯材30Aは凹部43内に容易に嵌め込まれることが可能となっている。芯材30Aが凹部43内に嵌め込まれた後、仕切材40が外被材10,20に対して熱溶着される。芯材30Aは凹部43内に固着される。芯材30Aは、凹部43内から脱離しにくくなっている。
上述の実施の形態2において説明した断熱材102(図7参照)のように、断熱材103が所定の形状に加工され、芯材30Aが露出した場合であっても、芯材30Aは凹部43内に保持されることが可能となっている。
[実施の形態4]
図11および図12を参照して、本実施の形態における断熱材104について説明する。ここでは、上述の実施の形態3における断熱材103(図10参照)との相違点について説明する。図11は、断熱材104の分解断面図である。図12は、断熱材104の組立後の断面図である。
図11および図12を参照して、本実施の形態における断熱材104について説明する。ここでは、上述の実施の形態3における断熱材103(図10参照)との相違点について説明する。図11は、断熱材104の分解断面図である。図12は、断熱材104の組立後の断面図である。
図11を参照して、断熱材104における仕切材40Aは、複数の凹部43の内壁45Aが傾斜している。仕切材40Aの凹部43は、芯材30Aの形状に対応するようにテーパー状に形成されている。
図12を参照して、断熱材104においては、上述の実施の形態3における断熱材103に比べて、芯材30Aは凹部43内にさらに容易に嵌め込まれることが可能となっている。
[実施の形態5]
図13〜図19を参照して、実施の形態5における断熱材の製造方法の各工程(ステップST101〜ステップST107)について説明する。当該製造方法によって、上述の実施の形態1における断熱材101(図2参照)が得られる。
図13〜図19を参照して、実施の形態5における断熱材の製造方法の各工程(ステップST101〜ステップST107)について説明する。当該製造方法によって、上述の実施の形態1における断熱材101(図2参照)が得られる。
図13(ステップST101)に示すように、まず、金型50が準備される。金型50は、成型面として碁盤目状(市松模様状)に配列された複数の凸部53および複数の凹部54を備えている。複数の凸部53および複数の凹部54の形状は、後の工程(ステップST103)で準備される複数の芯材30の形状に対応している。
次に、シート状部材46が準備される。シート状部材46は、仕切材40(図14参照)の材料である。シート状部材46は、第1主表面41および第2主表面42を有している。シート状部材46は、加熱軟化された状態で、第2主表面42を下にして複数の凸部53上に橋渡し状に載置される(図13に示す状態)。シート状部材46と凹部54との間に形成された隙間が、真空ポンプ51によって減圧される。
図14(ステップST102)に示すように、全ての上記隙間が減圧される(矢印AR50参照)。シート状部材46(図13参照)は、複数の凸部53および複数の凹部54に沿うように変形する。当該変形によって、複数の凹部43および複数の凸部44を有する仕切材40が得られる(図14に示す状態)。複数の凹部43および複数の凸部44を形成するための成型方法としては、真空成型の他にも、射出成型、またはプレス成型などの各種の成型方法が使用されることができる。
図15(ステップST103)に示すように、外被材10、外被材20、および複数の芯材30が準備される。外被材10および外被材20は対向配置される。相互に対向する外被材10の表面および外被材20の表面には、熱溶着層(図示せず)が形成されている。
外被材10および外被材20の間に、仕切材40が配置される(図15に示す状態)。第1主表面41側に形成された複数の凹部43内に、複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれる(矢印AR31参照)。第1主表面41側に形成された複数の凹部43を塞ぐように、外被材10が仕切材40上に配置される(矢印AR10参照、図16参照)。
図16(ステップST104)に示すように、外被材10,20、複数の芯材30、および仕切材40は減圧室56内に搬入される。真空ポンプ52によって、減圧室56内が真空にまで減圧される。外被材10と仕切材40の外周部48とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図16に示す状態)。当該接合によって、外周部48よりも内側に位置する仕切材40と外被材10との間において、1つの真空空間が形成される。
図17(ステップST105)に示すように、外周部48よりも内側に位置する凸部44と外被材10とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図17に示す状態)。当該接合によって、外被材10と仕切材40との間に独立した複数の真空空間が形成される。当該真空空間内に、複数の芯材30がそれぞれ密閉される。
次に、矢印AR32に示すように、外被材20の表面に、他の複数の芯材30が位置決めされた状態で載置される。矢印AR20に示すように、外被材20が上昇移動する。第2主表面42側に形成された複数の凹部43内に、他の複数の芯材30が嵌め込まれる。第2主表面42側の複数の凹部43は、外被材20によって塞がれる(図18参照)。
複数の芯材30を第2主表面42側の複数の凹部43内に嵌め込む際、外被材10および外被材20の位置関係を上下反対(天地反対)に変更してもよい。この場合、第2主表面42の複数の凹部43内に向かって他の複数の芯材30を落とし込むように、他の複数の芯材30が第2主表面42の複数の凹部43内に嵌め込まれる。その後、第2主表面42側の複数の凹部43は、下降移動する外被材20によって塞がれる。
図18(ステップST106)に示すように、外被材20と第2主表面42側に形成された複数の凸部44とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図18に示す状態)。当該接合によって、外被材20と仕切材40との間に独立した複数の真空空間が形成される。当該真空空間内に、他の複数の芯材30がそれぞれ密閉される。
図19(ステップST107)に示すように、最後に、外被材10の外周部12と外被材20の外周部22とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図19に示す状態)。当該接合によって、断熱材101が得られる。対向配置された外被材10および外被材20の間に、複数の芯材30が減圧密封されている。
(作用・効果)
本実施の形態における断熱材の製造方法においては、金型50によって複数の凹部43および複数の凸部44が高い成型精度を持って形成される。複数の凸部44は、略同一平面上に位置している。複数の凹部43および複数の凸部44は、仕切材40の複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。仕切材40の複数の凸部44付近に、皺が発生することはない。各主表面41,42に形成された複数の凸部44のそれぞれに対して、外被材10,20は熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。
本実施の形態における断熱材の製造方法においては、金型50によって複数の凹部43および複数の凸部44が高い成型精度を持って形成される。複数の凸部44は、略同一平面上に位置している。複数の凹部43および複数の凸部44は、仕切材40の複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。仕切材40の複数の凸部44付近に、皺が発生することはない。各主表面41,42に形成された複数の凸部44のそれぞれに対して、外被材10,20は熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。
本実施の形態における断熱材の製造方法によって得られた断熱材101によれば、隣り合う真空空間同士は連通することがない。一方の真空空間の真空が釘等によって破壊された場合であっても、これに伴って他方の真空空間の真空が破壊されることはない。当該断熱材101によれば、釘等が打たれた場合であっても、断熱性能の低下を抑制することが可能となる。
複数の凹部43および複数の凸部44の形成時において皺の発生が抑制されている。本実施の形態における断熱材の製造方法によって得られる断熱材101の厚さL101(図5参照)を厚くすることが可能となる。厚さL101を厚くすることによって、当該断熱材101の断熱性能を向上させることができる。隣り合う真空空間同士が連通することもないため、芯材30同士の間隔を小さくすることが可能となる。隣り合う芯材30同士の間隔を小さくすることによって、当該断熱材101の断熱性能が向上する。
[実施の形態6]
図20〜図22を参照して、本実施の形態における断熱材の製造方法について説明する。当該製造方法によって、断熱材101Aが得られる。ここでは、上述の実施の形態5における断熱材の製造方法との相違点について説明する。
図20〜図22を参照して、本実施の形態における断熱材の製造方法について説明する。当該製造方法によって、断熱材101Aが得られる。ここでは、上述の実施の形態5における断熱材の製造方法との相違点について説明する。
図20に示すように、本実施の形態における断熱材の製造方法においては、3層構造を有するシート状部材46が金型50の上に配置される。シート状部材46は、第1シート状部材46A、第2シート状部材46B、および第3シート状部材46Cを含む。第1シート状部材46Aは、厚さが50μmのポリアクリルニトリルである。第2シート状部材46Bは、厚さが7μmのアルミニウムである。第3シート状部材46Cは、厚さが50μmのポリアクリルニトリルである。シート状部材46の全体としては、厚さが107μmである。
シート状部材46は、各シート状部材46A,46B,46Cが加熱軟化された状態で、第2主表面42を下にして複数の凸部53上に橋渡し状に載置される(図20に示す状態)。シート状部材46と凹部54との間に形成された隙間が、真空ポンプ51によって減圧される。
図21に示すように、全ての上記隙間が減圧される(矢印AR50参照)。シート状部材46(図20参照)は、複数の凸部53および複数の凹部54に沿うように変形する。当該変形によって、複数の凹部43および複数の凸部44を有する仕切材40Aが得られる(図21に示す状態)。
図22に示すように、仕切材40Aを用いて、上述の実施の形態5と同様の工程を経ることによって、断熱材101Aが得られる。断熱材101Aは、仕切材40Aが厚さが7μmのアルミニウムから構成される第2シート状部材46Bを含んでいるため、高い剛性を有している。
第2シート状部材46B(アルミニウム)と、第1シート状部材46Aおよび第3シート状部材46C(ポリアクリルニトリル)とは、金型50を用いた仕切材40Aの成型時における伸びが異なる。厚さが7μmのアルミニウムから構成される第2シート状部材46Bは、仕切材40Aの成型時において図21の紙面上下方向に破断しやすい。
第2シート状部材46Bが破断することによって、第2シート状部材46Bを媒体とする熱伝達が抑制される。熱伝達の抑制によって、断熱材101Aとしての断熱性能が向上している。一方、第1シート状部材46Aおよび第3シート状部材46Cによって、高い真空保持性を有する真空空間が形成される。本実施の形態における断熱材の製造方法によれば、アルミニウムからなる凹凸が略ハニカム構造体の骨格のように相互に高い拘束力を持って構成されることによって高い剛性および高い断熱性を備え、ポリアクリルニトリルによって高い真空保持性を備えた断熱材101Aを得ることができる。
[実施の形態7]
図23〜図26を参照して、本実施の形態における断熱材201について説明する。図23は、断熱材201を示す斜視図である。図24は、図23中におけるXXIV−XXIV線に沿った矢視断面図である。図25は、断熱材201を示す第1分解斜視図である。図26は、断熱材201を示す第2分解斜視図である。
図23〜図26を参照して、本実施の形態における断熱材201について説明する。図23は、断熱材201を示す斜視図である。図24は、図23中におけるXXIV−XXIV線に沿った矢視断面図である。図25は、断熱材201を示す第1分解斜視図である。図26は、断熱材201を示す第2分解斜視図である。
図23および図24に示すように、断熱材201は、外被材10(第1外被材)と、外被材20(第2外被材)と、複数の芯材30と、仕切材40Bとを備えている。外被材10および外被材20は相互に対向している。外被材10および外被材20の間に、複数の芯材30が減圧密封されている。外被材10および外被材20は略同様に構成され、上述の実施の形態1と同様の材質が使用され得る。複数の芯材30も、上述の実施の形態1と同様の材質が使用され得る。
仕切材40Bは、第1仕切材401と、接着層403と、第2仕切材402とを含んでいる。第1仕切材401および第2仕切材402の材質としては、外被材10,20の熱溶着層と溶着可能なガスバリア性を有する部材として、たとえば外被材10,20と同様なものがそれぞれ使用され得る。第1仕切材401および第2仕切材402は、単一の層からそれぞれ構成されてもよく、複数の層からそれぞれ構成されてもよい。図示上の便宜のため、次述する図25および図26には接着層403が記載されていない。
図25に示すように、第1仕切材401は、第1主表面41Aおよびその裏側の第2主表面42Aを有している。第1主表面41Aおよび第2主表面42Aのそれぞれには、成型によって複数の凹部43A(第1凹部)および複数の凸部44A(第1凸部)が形成されている。
本実施の形態における複数の凹部43Aおよび複数の凸部44Aは、平面視において碁盤目状(市松模様状)に配列されている。複数の凹部43Aおよび複数の凸部44Aを形成するための成型方法としては、上述の実施の形態1と同様に、真空成型(上述の実施の形態5参照)、射出成型、またはプレス成型などの各種の成型方法が使用されることができる。
第2仕切材402は、第1主表面41Bおよびその裏側の第2主表面42Bを有している。第1主表面41Bおよび第2主表面42Bのそれぞれには、成型によって複数の凹部43B(第2凹部)および複数の凸部44B(第2凸部)が形成されている。第2仕切材402における複数の凹部43Bの形状および複数の凸部44Bの形状は、第1仕切材401における複数の凸部44Aの形状および複数の凹部43Aの形状にそれぞれ対応している。
第2仕切材402における複数の凹部43Bおよび複数の凸部44Bを形成するための成型方法としては、上述の実施の形態1と同様に、真空成型(上述の実施の形態5参照)、射出成型、またはプレス成型などの各種の成型方法が使用されることができる。
図25中の矢印AR31に示すように、第1仕切材401の第1主表面41Aに形成された複数の凹部43A内に、複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。矢印AR32に示すように、第2仕切材402の第2主表面42Bに形成された複数の凹部43B内に、他の複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。予め成型によって形成された第1仕切材401の複数の凹部43A内に複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。予め成型によって形成された第2仕切材402の複数の凹部43B内に他の複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれている。
第1主表面41A側に形成された複数の凹部43A内に複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれた状態で、第1主表面41A側に形成された複数の凸部44Aと外被材10とが熱溶着によって接合されている。
具体的には、矢印AR10に示すように、第1主表面41A側に形成された複数の凸部44Aに外被材10が当接された状態で、第1仕切材401の第1主表面41A側に形成された複数の凸部44Aと外被材10とが熱溶着によって接合されている(図24参照)。当該接合によって、第1仕切材401、複数の芯材30および外被材10を含む第1断熱材210(図26参照)が得られる。外被材10が第1仕切材401に設けられた複数の凸部44Aにそれぞれ接合されることによって、複数の芯材30は複数の凹部43A内にそれぞれ減圧密封されている。
同様に、第2主表面42B側に形成された複数の凹部43B内に他の複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれた状態で、第2主表面42B側に形成された複数の凸部44Bと外被材20とが熱溶着によって接合されている。
具体的には、矢印AR20に示すように、第2主表面42B側に形成された複数の凸部44Bに外被材20が当接された状態で、第2仕切材402の第2主表面42B側に形成された複数の凸部44Bと外被材20とが熱溶着によって接合されている(図24参照)。当該接合によって、第2仕切材402、他の複数の芯材30および外被材20を含む第2断熱材220(図26参照)が得られる。外被材20が第2仕切材402に設けられた複数の凸部44Bにそれぞれ接合されることによって、複数の芯材30は複数の凹部43B内にそれぞれ減圧密封されている。
図26を参照して、矢印AR41および矢印AR42に示すように、第1断熱材210の第1仕切材401と第2断熱材220の第2仕切材402とが相互に嵌め合わされている。第1仕切材401の第2主表面42A側に形成された複数の凹部43A内に、第2仕切材402の第1主表面41B側に形成された複数の凸部44Bが嵌め込まれている。第2仕切材402の第1主表面41B側に形成された複数の凹部43B内に、第1仕切材401の第2主表面42A側に形成された複数の凸部44Aが嵌め込まれている。
複数の芯材30および他の複数の芯材30は、相互に独立した真空空間内に密閉されている。第1仕切材401および第2仕切材402の間には、図24に示すような接着層403が設けられているとよい。断熱材201は、以上のように構成される。
(作用・効果)
図27は、釘90が打たれた断熱材201を示す断面図である。図27に示すように、断熱材201に釘90が打たれたとする。複数の芯材30のうち、釘90が打たれた芯材31を含む真空空間の真空が破壊される。断熱材201は、真空が破壊された領域R31においてのみ断熱機能を失う。断熱材201は、釘90を打たれた場合であっても、その他の領域R30において断熱機能を発揮することができる。
図27は、釘90が打たれた断熱材201を示す断面図である。図27に示すように、断熱材201に釘90が打たれたとする。複数の芯材30のうち、釘90が打たれた芯材31を含む真空空間の真空が破壊される。断熱材201は、真空が破壊された領域R31においてのみ断熱機能を失う。断熱材201は、釘90を打たれた場合であっても、その他の領域R30において断熱機能を発揮することができる。
断熱材201においては、隣り合う芯材30同士の間隔は、第1仕切材401、接着層403、および第2仕切材402の厚さ(たとえば合計で100μm)と略同等である。断熱材201は、隣り合う芯材30同士の間においては十分な断熱機能を発揮しないが、当該間隔が狭いため高い断熱性能を有している。
断熱材201においては、予め設計された成型手段(金型など)によって複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bが高い成型精度を持って形成されている。複数の凸部44Aは、略同一平面上に位置している。複数の凸部44Bも、略同一平面上に位置している。複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bは、複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。
複数の芯材30が複数の凹部43A内にそれぞれ嵌め込まれた後、第1仕切材401に形成された複数の凸部44A付近において皺が発生することがない。他の複数の芯材30が複数の凹部43B内にそれぞれ嵌め込まれた後、第2仕切材402に形成された複数の凸部44B付近において皺が発生することがない。
皺が発生しないことに加えて、複数の凸部44A,44Bが高い成型精度を持って形成されているため、複数の凸部44Aおよび複数の凸部44Bはそれぞれ略同一平面上に位置している。複数の凸部44A,44Bに対して、外被材10,20は熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。
隣り合う真空空間同士は、連通することがない。一方の真空空間の真空が釘等によって破壊された場合であっても、これに伴って他方の真空空間の真空が破壊されることはない。断熱材201によれば、釘等が打たれた場合であっても、断熱性能の低下を抑制することが可能となる。
複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bの形成時において皺の発生が抑制されているため、断熱材201の厚さL201(図24参照)を厚くすることが可能となる。厚さL201を厚くすることによって、断熱材201の断熱性能が向上する。隣り合う真空空間同士は連通することがないため、芯材30同士の間隔を小さくすることが可能となる。隣り合う芯材30同士の間隔を小さくすることによって、断熱材201の断熱性能が向上する。
図26に示すように、本実施の形態における第1断熱材210および第2断熱材220はそれぞれ略同一の大きさ(同一の平面積)を有している。第1断熱材210および第2断熱材220は、相互に嵌合可能であれば、それぞれ異なる大きさ(異なる平面積)を有していてもよい。
[実施の形態8]
図28を参照して、本実施の形態における断熱材201Aについて説明する。図28は、断熱材201Aを示す分解断面図である。ここでは、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)との相違点について説明する。
図28を参照して、本実施の形態における断熱材201Aについて説明する。図28は、断熱材201Aを示す分解断面図である。ここでは、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)との相違点について説明する。
断熱材201Aは、第1断熱材210Aおよび第2断熱材220Aを備えている。第1断熱材210Aの第1仕切材401と第2断熱材220Aの第2仕切材402とによって、仕切材40Cが構成されている。
第1仕切材401の第2主表面42A側に形成された複数の凹部43Aおよび複数の凸部44Aは、第2仕切材402に嵌め込まれる方向に向かってテーパー状に形成されている。第2仕切材402の第1主表面41B側に形成された複数の凹部43Bおよび複数の凸部44Bは、第1仕切材401に嵌め込まれる方向に向かってテーパー状に形成されている。複数の凸部44Aの形状は、複数の凹部43Bの形状に対応している。複数の凸部44Bの形状は、複数の凹部43Aの形状に対応している。
断熱材201Aによれば、複数の凸部44Aは複数の凹部43Bに容易に嵌め込まれることが可能となっている。複数の凸部44Bは複数の凹部43Aに容易に嵌め込まれることが可能となっている。
[実施の形態9]
図29を参照して、本実施の形態における断熱材202について説明する。図29は、断熱材202を示す断面図である。ここでは、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)との相違点について説明する。
図29を参照して、本実施の形態における断熱材202について説明する。図29は、断熱材202を示す断面図である。ここでは、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)との相違点について説明する。
断熱材202においては、相互に接合された第1仕切材401および第2仕切材402によって、仕切材40Dが構成されている。上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)とは異なり、断熱材202における第1断熱材210と第2断熱材220とは、接着層(接着層403)を挟まずに接合されている。
複数の凹部43A,43Bの大きさ(幅)W43と、複数の凸部44A,44Bの大きさ(幅)W44とは、略同一に形成(成型)されている。第1断熱材210(第1仕切材401)および第2断熱材220(第2仕切材402)は、複数の凸部44A,44Bおよび複数の凹部43A,43Bを利用して相互に強固に嵌合している。
第1断熱材210の第1仕切材401および第2断熱材220の第2仕切材402は、相互に嵌合している状態で、(図24に示すような接着層403を挟まずに)さらに熱溶着によって接合されるとよい。第1断熱材210の第1仕切材401および第2断熱材220の第2仕切材402が当該接合によって一体となり、仕切材40Dが構成される。仕切材40Dの全体としての厚さは、第1仕切材401および第2仕切材402のそれぞれの厚さより厚くなる。
図30を参照して、ここで、一般的な樹脂製部材40Rを透過する気体の透過量Qについて説明する。樹脂製部材40Rの材質に基づく透過係数をK(cc・m/m2・hr・atm)とする。樹脂製部材40Rの面積をA(m2)とする。樹脂製部材40Rの厚さをL(m)とする。樹脂製部材40Rを挟んだ圧力差を(P1−P2)(atm)とする。樹脂製部材40Rを透過する気体の透過量Q(cc/hr)は、次の式によって表される。
透過量Q=透過係数K×面積A/厚さL×圧力差(P1−P2)
透過量Q=透過係数K×面積A/厚さL×圧力差(P1−P2)
上記の式に示すように、樹脂製部材40Rを透過する気体の透過量Qは、樹脂製部材40Rの厚さLに反比例する。本実施の形態における断熱材202の仕切材40Dの厚さは、第1仕切材401および第2仕切材402が熱溶着によって一体となっているため、第1仕切材401および第2仕切材402のそれぞれの厚さより厚い。
上述の実施の形態7における仕切材40B(図24参照)は、第1仕切材401および第2仕切材402が独立して構成されている。本実施の形態における仕切材40Dは、上述の実施の形態7における仕切材40Bに比べて気体の透過を防ぐことが可能となっており、より高い断熱性能を備えている。
第1仕切材401および第2仕切材402が熱溶着によって一体となっているため、断熱材202は長手方向(矢印AR202方向(図29参照))における引張および圧縮に対して強い剛性を有している。
[実施の形態10]
図31〜図35を参照して、実施の形態10における断熱材の製造方法の各工程(ステップST201〜ステップST205)について説明する。当該製造方法によって、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)が得られる。
図31〜図35を参照して、実施の形態10における断熱材の製造方法の各工程(ステップST201〜ステップST205)について説明する。当該製造方法によって、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)が得られる。
本実施の形態における断熱材の製造方法においては、まず、以下の各工程(ステップST201〜ステップST204)を経ることによって第1断熱材210(図34参照)が作製される。
図31(ステップST201)に示すように、金型50が準備される。金型50は、成型面として碁盤目状(市松模様状)に配列された複数の凸部53および複数の凹部54を備えている。複数の凸部53の形状は、後の工程(ステップST202)で準備される複数の芯材30の形状に対応している。複数の凹部54の形状は、後の工程(ステップST204)を経ることによって作製された第1断熱材210および第2断熱材220が、凹部43A,43B(図35参照)および凸部44A,44B(図35参照)を利用して相互に嵌合可能な大きさに設定されている。
次に、シート状部材47が準備される。シート状部材47は、第1仕切材401(図32参照)の材料である。シート状部材47は、第1主表面41Aおよび第2主表面42Aを有している。シート状部材47は、加熱軟化された状態で、第2主表面42Aを下にして複数の凸部53上に橋渡し状に載置される(図31に示す状態)。シート状部材47と凹部54との間に形成された隙間が、真空ポンプ51によって減圧される。全ての上記隙間が減圧されることによって、シート状部材47は、上述の実施の形態5と同様に(図14参照)、複数の凸部53および複数の凹部54に沿うように変形する。
図32(ステップST202)に示すように、シート状部材47(図30参照)の変形によって、複数の凹部43Aおよび複数の凸部44Aを有する第1仕切材401が得られる。複数の凹部43Aおよび複数の凸部44Aを形成するための成型方法としては、真空成型の他にも、射出成型、またはプレス成型などの各種の成型方法が使用されることができる。
得られた第1仕切材401に加えて、外被材10および複数の芯材30が準備される。第1仕切材401および外被材10は対向配置される。相互に対向する第1仕切材401の表面および外被材10の表面には、熱溶着層(図示せず)が形成されている。
第1仕切材401および外被材10の間に、複数の芯材30が配置される(図32に示す状態)。第1仕切材401の第1主表面41A側に形成された複数の凹部43A内に、複数の芯材30がそれぞれ嵌め込まれる(矢印AR31参照)。外被材10の表面に複数の芯材30が位置決めされた状態で載置され、外被材10が上昇移動してもよい。その後、第1仕切材401の第1主表面41A側に形成された複数の凹部43Aを塞ぐように、外被材10が第1仕切材401下に配置される(矢印AR10参照)。
図33(ステップST203)に示すように、外被材10、複数の芯材30、および第1仕切材401は減圧室56内に搬入される。真空ポンプ52によって減圧室56内が真空にまで減圧される。外被材10と第1仕切材401の外周部49とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図33に示す状態)。当該接合によって、外周部49よりも内側に位置する第1仕切材401と外被材10との間において、1つの真空空間が形成される。
図34(ステップST204)に示すように、外周部49よりも内側に位置する凸部44Aと外被材10とが、加熱器58を用いた熱溶着によって相互に接合される(図34に示す状態)。当該接合によって、外被材10と第1仕切材401との間に独立した複数の真空空間が形成される。該真空空間内に、複数の芯材30がそれぞれ密閉される。以上のようにして、第1断熱材210が得られる。第2断熱材220(図35参照)は、上述の各工程(ステップST201〜ステップST204)と同様な各工程を経ることによって得られる。
図35(ステップST205)に示すように、上記の各工程によって得られた第1断熱材210および第2断熱材220が対向配置される。第2断熱材220の第2仕切材402上に接着剤が塗布されることによって、接着層403が形成される。矢印AR41および矢印AR42に示すように、第1断熱材210および第2断熱材220は相互に嵌め合わされる。
接着層403を挟んで、第1仕切材401の第2主表面42A側に形成された複数の凹部43A内に、第2仕切材402の第1主表面41B側に形成された複数の凸部44Bがそれぞれ嵌め込まれる。接着層403を挟んで、第2仕切材402の第1主表面41B側に形成された複数の凹部43B内に、第1仕切材401の第2主表面42A側に形成された複数の凸部44Aがそれぞれ嵌め込まれる。接着層403が硬化することによって、第1断熱材210および第2断熱材220は強固に接合される。以上の各工程を経ることによって、図24に示すような断熱材201が得られる。
(作用・効果)
本実施の形態における断熱材(断熱材201)の製造方法においては、金型50によって複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bが高い成型精度を持って形成される。複数の凸部44Aは、略同一平面上に位置している。複数の凸部44Bも、略同一平面上に位置している。複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bは、複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。第1仕切材401に形成された複数の凸部44A付近および第2仕切材402に形成された複数の凸部44B付近において皺が発生することがない。
本実施の形態における断熱材(断熱材201)の製造方法においては、金型50によって複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bが高い成型精度を持って形成される。複数の凸部44Aは、略同一平面上に位置している。複数の凸部44Bも、略同一平面上に位置している。複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bは、複数の芯材30に対する押し付けよっては形成されていない。第1仕切材401に形成された複数の凸部44A付近および第2仕切材402に形成された複数の凸部44B付近において皺が発生することがない。
第1主表面41A側に形成された複数の凸部44Aのそれぞれに対して、外被材10は熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。第2主表面42B側に形成された複数の凸部44Bのそれぞれに対して、外被材20は熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。
本実施の形態における断熱材の製造方法によって得られた断熱材201によれば、隣り合う真空空間同士は連通することがない。一方の真空空間の真空が釘等によって破壊された場合であっても、これに伴って他方の真空空間の真空が破壊されることはない。当該断熱材201によれば、釘等が打たれた場合であっても、断熱性能の低下を抑制することが可能となる。
複数の凹部43A,43Bおよび複数の凸部44A,44Bの形成時において皺の発生が抑制されている。本実施の形態における断熱材の製造方法によって得られる断熱材201の厚さL201(図24参照)を厚くすることが可能となる。厚さL201を厚くすることによって、当該断熱材201の断熱性能を向上させることができる。隣り合う真空空間同士が連通することもないため、芯材30同士の間隔を小さくすることが可能となる。隣り合う芯材30同士の間隔を小さくすることによって、当該断熱材201の断熱性能が向上する。
図35を参照して、第1断熱材210における第1仕切材401と外被材10とは、凸部44Aに含まれる領域R401において熱溶着されている、第2断熱材220における第2仕切材402と外被材20とは、凸部44Bに含まれる領域R402において熱溶着されている。第1断熱材210は、領域R401において剛性が弱い。第2断熱材220は、領域R402において剛性が弱い。
領域R401を含む凹部43Aに第2断熱材220の凸部44Bが嵌め込まれる。領域R402を含む凹部43Bに第1断熱材210の凸部44Aが嵌め込まれる。当該構成によって領域R401,R402の剛性が補強されている。
上述の実施の形態5における断熱材101(図19参照)の製造方法に対して、本実施の形態における断熱材の製造方法は第1仕切材401および第2仕切材402の2つが製造される工程を含む。工程数は、実施の形態5における断熱材101の製造方法に比べて本実施の形態における断熱材の製造方法の方が多い。しかしながら、本実施の形態における断熱材の製造方法によって得られる断熱材(断熱材201)は、実施の形態5における断熱材の製造方法によって得られる断熱材101に比べて強い剛性を有している。特に、断熱材201は、長手方向(矢印AR201(図35参照))方向における引張および圧縮に対して強い剛性を有している。
[実施例および比較例]
図36〜図46を参照して、上述の各実施の形態に基づく各実施例および各比較例について説明する。
図36〜図46を参照して、上述の各実施の形態に基づく各実施例および各比較例について説明する。
[実施例1]
図36および図37を参照して、本実施例おける断熱材203について説明する。断熱材203は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)に基づき設計されている。図36は、断熱材203の第1断熱材210を示す底面図である。図37は、図36中のXXXVII−XXXVII線に沿った矢視断面図である。
図36および図37を参照して、本実施例おける断熱材203について説明する。断熱材203は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)に基づき設計されている。図36は、断熱材203の第1断熱材210を示す底面図である。図37は、図36中のXXXVII−XXXVII線に沿った矢視断面図である。
図36および図37に示すように、断熱材203は第1断熱材210を備える。断熱材203は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)と同様に、第1断熱材210に嵌合する(重ね合わされる)第2断熱材(図示せず)をさらに備える。第2断熱材は、第1断熱材210と同様に構成されるため、ここではその説明およびその図示を繰り返さないものとする。
第1断熱材210においては、第1仕切材401が平面視正方形状に形成される。第1仕切材401の各辺の長さL1,L1は42cmである。第1仕切材401には、32個の凸部44Aが成型によって形成されている。32個の凸部44Aの形成に対応して、32個の凹部43Aが形成されている。32個の凹部43A内に含まれるように、点線で囲まれた領域としてヒートシール部70(シールバーともいう)が格子状に形成されている。ヒートシール部70において、外被材10と第1仕切材401とが熱溶着によって相互に接合されている。
各凸部44Aの形状は八角形である。各凸部44Aの図36紙面上下方向および同左右方向の寸法L2は4.75cmである。各凸部44Aは、第1仕切材401の各辺に平行または垂直な方向に沿って等間隔に配列されている。図36紙面斜め方向に隣り合う凸部44A同士の間隔L3は2cmである。最外周に位置する各凸部44Aと第1仕切材401の各辺との間隔L3も2cmである。
平面視において、第1断熱材210(第1仕切材401)の面積は、L1×L1=42×42=1764(cm2)である。八角形状に形成された1つの凸部44Aの面積は、4.75×4.75−4×(√2×√2÷2)=18.5625(cm2)である。32個の凸部44Aの面積は、18.5625×32=594(cm2)である。したがって、第1断熱材210(第1仕切材401)のうち、32個の凸部44Aが占める割合は、594÷1764×100=約33.7(%)である。
断熱材203は、上述のとおり、第1断熱材210に嵌合される第2断熱材をさらに備えている。第1断熱材210と略同一に構成される第2断熱材も、32個の凸部44Aを有する。第1断熱材210と第2断熱材とを合わせて、断熱材203の全体としては、平面視において凸部44Aが占める割合は、約33.7×2=約67.4(%)である。
[比較例1]
図38を参照して、上述の実施例1に対する本比較例について説明する。図38は、本比較例における断熱材203Aを示す底面図である。断熱材203Aは、冒頭に説明した断熱材301(図48参照)に基づき設計されており、複数の凸部44A(芯材)が間隔を空けて配置されている。断熱材203Aは、上述の実施例1における断熱材203とは異なり、第1断熱材210および第2断熱材が相互に嵌合する(重ね合わされる)ようには構成されていない。
図38を参照して、上述の実施例1に対する本比較例について説明する。図38は、本比較例における断熱材203Aを示す底面図である。断熱材203Aは、冒頭に説明した断熱材301(図48参照)に基づき設計されており、複数の凸部44A(芯材)が間隔を空けて配置されている。断熱材203Aは、上述の実施例1における断熱材203とは異なり、第1断熱材210および第2断熱材が相互に嵌合する(重ね合わされる)ようには構成されていない。
断熱材203Aにおいては、仕切材401Aが正方形状に形成される。仕切材401Aは、上述の実施例1における第1仕切材401に対応している。仕切材401Aの各辺の長さL1,L1は42cmである。仕切材401Aには、64個の凸部44Aが形成されている。各凸部44Aの形成に対応して、複数の凹部43Aが形成されている。複数の凹部43A内に含まれるように、点線で囲まれたヒートシール部70が格子状に形成されている。ヒートシール部70において、外被材(図示せず)と仕切材401Aとが熱溶着によって接合されている。
各凸部44Aの形状は正方形である。各凸部44Aの図38紙面上下方向および同左右方向の寸法L4は3cmである。各凸部44Aは、仕切材401Aの各辺に平行または垂直な方向に沿って等間隔に配列されている。隣り合う凸部44A同士の間隔L3は2cmである。最外周に位置する各凸部44Aと仕切材401Aの各辺との間隔L3も2cmである。
平面視において、仕切材401Aの面積は、L1×L1=42×42=1764(cm2)である。正方形状に形成された1つの凸部44Aの面積は、3×3=9(cm2)である。64個の凸部44Aの面積は、9×64=576(cm2)である。したがって、仕切材401Aのうち、平面視において64個の凸部44Aが占める割合は、576÷1764×100=約32.7(%)である。
[実施例1と比較例1との対比]
実施例1に基づく断熱材203においては、凸部44Aが占める割合は約67.4(%)である。比較例1に基づく断熱材203Aにおいては、凸部44Aが占める割合は約32.7(%)である。実施例1および比較例1においては、ヒートシール部70として利用できる領域の幅(図36および図38における間隔L3)として2cmが確保されている。
実施例1に基づく断熱材203においては、凸部44Aが占める割合は約67.4(%)である。比較例1に基づく断熱材203Aにおいては、凸部44Aが占める割合は約32.7(%)である。実施例1および比較例1においては、ヒートシール部70として利用できる領域の幅(図36および図38における間隔L3)として2cmが確保されている。
ヒートシール部70を設けるために同一の幅がそれぞれ確保された断熱材203および断熱材203Aにおいて、断熱に寄与することが可能な凸部44が占める割合は、断熱材203の方が断熱材203Aよりも大きい。断熱材203(実施例1)の方が断熱材203A(比較例1)よりも高い断熱性能を有していることがわかる。
断熱材203(図36参照)において紙面上下左右方向に隣り合う各凸部44A同士の間隔(寸法L2)は、断熱材203A(図38参照)において紙面上下左右方向に隣り合う凸部44A同士の間隔L3よりも大きい。紙面上下左右方向に隣り合う各凸部44A同士の間において、断熱材203(実施例1)の方が断熱材203A(比較例1)よりも高いシール性を有していることがわかる。
[実施例2]
図39〜図41を参照して、本実施例における断熱材204について説明する。断熱材204は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)に基づき設計されている。図39は、断熱材204の第1断熱材210を示す底面図である。図40は、図39中のXL−XL線に沿った矢視断面図である。図41は、図39中のXLI線に囲まれた領域を示す拡大図である。
図39〜図41を参照して、本実施例における断熱材204について説明する。断熱材204は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)に基づき設計されている。図39は、断熱材204の第1断熱材210を示す底面図である。図40は、図39中のXL−XL線に沿った矢視断面図である。図41は、図39中のXLI線に囲まれた領域を示す拡大図である。
図39および図40に示すように、断熱材204は第1断熱材210を備える。断熱材204は、上述の実施の形態7における断熱材201(図24参照)と同様に、第1断熱材210に嵌合する(重ね合わされる)第2断熱材(図示せず)をさらに備える。第2断熱材は、第1断熱材210と同様に構成されるため、ここではその説明およびその図示を繰り返さないものとする。
第1断熱材210においては、第1仕切材401が正方形状に形成される。第1仕切材401の各辺の長さL1,L1は42cmである。第1仕切材401には、32個の凸部44Aが成型によって碁盤目状(市松模様状)に形成されている。32個の凸部44Aの形成に対応して、32個の凹部43Aも同様に碁盤目状(市松模様状)形成されている。
図39および図41に示すように、32個の凹部43A内に含まれるように、点線で囲まれた領域としてヒートシール部71が形成されている。隣り合うヒートシール部71同士は、一部が重なっている。
図39を再び参照して、最外周に位置する凹部43Aおよび凸部44Aの外側を囲うように、点線で囲まれた領域としてヒートシール部70が環状に形成されている。ヒートシール部70,71において、外被材10(図40参照)と第1仕切材401とが熱溶着によって相互に接合されている。
各凸部44Aの形状は正方形である。最外周に位置する各凸部44Aと第1仕切材401の各辺との間隔L5は2.35cmである。各凸部44Aの図39紙面上下方向および同左右方向の寸法L6は4.4cmである。各凸部44Aは、第1仕切材401の各辺に平行または垂直な方向に沿って等間隔に配列されている。図39紙面上下方向および同左右方向に隣り合う各凸部44A同士の間隔L7は5cmである。
図41を再び参照して、図41紙面斜め方向に隣り合う各凸部44A同士の、同上下方向および同左右方向における間隔L8は0.3cmである。
図39を再び参照して、第1断熱材210(第1仕切材401)の面積は、L1×L1=42×42=1764(cm2)である。正方形状に形成された1つの凸部44Aの面積は、4.4×4.4=19.36(cm2)である。32個の凸部44Aの面積は、19.36×32=619.52(cm2)である。したがって、第1断熱材210(第1仕切材401)のうち、32個の凸部44Aが占める割合は、619.52÷1764×100=約35.1(%)である。
断熱材204は、上述のとおり、第1断熱材210に嵌合される第2断熱材をさらに備えている。第1断熱材210と略同一に構成される第2断熱材も、32個の凸部44Aを有する。第1断熱材210と第2断熱材とを合わせて、断熱材204の全体としては、平面視において凸部44Aが占める割合は、約35.1(%)×2=約70.2(%)である。
[比較例2]
図42および図43を参照して、上述の実施例2に対する本比較例について説明する。図42は、本比較例における断熱材204Aを示す底面図である。図43は、図42中におけるXLIII−XLIII線に沿った矢視断面図である。断熱材204Aは、上述の比較例1と同様に、冒頭に説明した断熱材301(図48参照)に基づき設計されており、複数の芯材30が間隔を空けて配置されている。断熱材204Aは、上述の実施例2における断熱材204とは異なり、第1断熱材210および第2断熱材が相互に嵌合する(重ね合わされる)ようには構成されていない。
図42および図43を参照して、上述の実施例2に対する本比較例について説明する。図42は、本比較例における断熱材204Aを示す底面図である。図43は、図42中におけるXLIII−XLIII線に沿った矢視断面図である。断熱材204Aは、上述の比較例1と同様に、冒頭に説明した断熱材301(図48参照)に基づき設計されており、複数の芯材30が間隔を空けて配置されている。断熱材204Aは、上述の実施例2における断熱材204とは異なり、第1断熱材210および第2断熱材が相互に嵌合する(重ね合わされる)ようには構成されていない。
断熱材204Aにおいては、仕切材401Aが正方形状に形成される。仕切材401Aは、上述の実施例2における第1仕切材401に対応している。仕切材401Aの各辺の長さL1,L1は42cmである。仕切材401Aには、64個の凸部44Aが形成されている。各凸部44Aの形成に対応して、複数の凹部43Aが形成されている。
最外周に位置する凹部43Aおよび凸部44Aの外側を囲うように、点線で囲まれた領域としてヒートシール部70が環状に形成されている。また、複数の凹部43A内に含まれるように、ヒートシール部70(図示せず)が格子状に形成されている。ヒートシール部70において、外被材(図43参照)と仕切材401Aとが熱溶着によって接合されている。詳細は後述されるが、格子状に形成されたヒートシール部70における熱溶着力は極めて小さい。
各凸部44Aの形状は正方形である。各凸部44Aの図42紙面上下方向および同左右方向の寸法L9は4.4cmである。各凸部44Aは、仕切材401Aの各辺に平行または垂直な方向に沿って等間隔に配列されている。最外周に位置する各凸部44Aと仕切材401Aの各辺との間隔L10は2cmである。隣り合う凸部44A同士の間隔L11は0.3cmである。
平面視において、仕切材401Aの面積は、L1×L1=42×42=1764(cm2)である。正方形状に形成された1つの凸部44Aの面積は、4.4×4.4=19.36(cm2)である。64個の凸部44Aの面積は、19.36×64=1239.04(cm2)である。したがって、仕切材401Aのうち、平面視において64個の凸部44Aが占める割合は、1239.04÷1764×100=約70.2(%)である。
[実施例2と比較例2との対比]
実施例2に基づく断熱材204においては、凸部44Aが占める割合は70.2(%)である。比較例2に基づく断熱材204Aにおいても、凸部44Aが占める割合は70.2(%)である。断熱材204Aにおいては、断熱材204と同等の凸部44Aが占める割合が確保されている。
実施例2に基づく断熱材204においては、凸部44Aが占める割合は70.2(%)である。比較例2に基づく断熱材204Aにおいても、凸部44Aが占める割合は70.2(%)である。断熱材204Aにおいては、断熱材204と同等の凸部44Aが占める割合が確保されている。
図42を再び参照して、しかしながら、断熱材204Aにおいては、断熱材204と同等の凸部44Aが占める割合を確保するために、隣り合う凸部44A同士の間隔L11は0.3cmとなっている。0.3cmの幅の領域を約42cmにわたって確実に熱溶着することは極めて困難であり、格子状に形成されたヒートシール部70における熱溶着力は極めて小さい。格子状に形成されたヒートシール部70における熱溶着は安定しておらず、隣り合う凸部44Aの内部に形成されている真空空間同士は連通しやすい。
冒頭に説明した断熱材301(図48参照)に基づいて、上述の実施例2における断熱材204と同様に凸部44Aが占める割合として70.2(%)を確保したとしても、隣り合う凸部44A同士が連通しやすい。
これに対して上述の実施例2における断熱材204によれば、上述の実施の形態7で説明したように、第1断熱材210の第1仕切材401と外被材10とは熱溶着によって十分な接合力を持って接合されることができる。これは、第1断熱材210と略同一に構成される第2断熱材においても同様である。
上述の実施例2の変形例として、上述の実施例2(図39参照)において、最外周に位置する各凸部44Aと第1仕切材401の各辺との間隔L5を2.3cmとし、各凸部44Aの図39紙面上下方向および同左右方向の寸法L6を4.5cmとし、図39紙面上下方向および同左右方向に隣り合う各凸部44A同士の間隔L7を4.9cmとしてもよい。
当該構成によれば、正方形状に形成された1つの凸部44Aの面積は、4.5×4.5=20.25(cm2)である。32個の凸部44Aの面積は、20.25×32=648(cm2)である。第1断熱材210(第1仕切材401)のうち、32個の凸部44Aが占める割合は、648÷1764×100=約36.7(%)である。断熱材204の全体としては、平面視において凸部44Aが占める割合は、約36.7(%)×2=約73.5(%)である。当該構成によれば、断熱に寄与することが可能な凸部44の占める割合はさらに向上する。
この場合、第1仕切材401の厚さを1mm(0.1cm)とすると、正方形状に形成された1つの凸部44A内において芯材30が占有可能な面積は、(4.5−0.1−0.1)×(4.5−0.1−0.1)=18.49(cm2)である。断熱材204の全体としては、64個の芯材30が占有可能な面積は、18.49×64=1183.36(cm2)である。断熱材204の全体として、平面視において64個の芯材30が占める割合は、1183.36÷1764×100=67.1(%)である。第1仕切材401の厚さを1mm(0.1cm)としたとしても、67.1(%)の有効断熱面積を確保することができる。
第1仕切材401の厚さを100μmより小さくすると、第1仕切材401に対して凹部43Aおよび凸部44Aを形成することが著しく困難となる。したがって、第1仕切材401の厚さとしては、100μm以上1mm以下であることが好ましい。
[実施例3および比較例3]
図44〜図46を参照して、断熱性能に関する試験として行なった実施例3および比較例3について説明する。図44は、実施例3における試験態様を模式的に示す断面図である。図45は、比較例3における試験態様を模式的に示す断面図である。図46は、実施例3および比較例3の試験結果を示す図である。
図44〜図46を参照して、断熱性能に関する試験として行なった実施例3および比較例3について説明する。図44は、実施例3における試験態様を模式的に示す断面図である。図45は、比較例3における試験態様を模式的に示す断面図である。図46は、実施例3および比較例3の試験結果を示す図である。
図44を参照して、実施例3においては、断熱性を有する箱体80と、箱体80内に設けられた白金抵抗体からなる温度センサ81と、温度センサ81に接続された温度制御器82と、箱体80内に設けられたヒーター83と、ヒーター83に接続された消費電力計84とが準備された。箱体80の開口部を塞ぐように、上述の実施の形態7に基づく断熱材201が設けられた。
箱体80外部の温度T1は10℃に設定された。温度センサ81を使用して箱体80内部の温度T2を測定しながら、箱体80内部の温度T2が25℃を維持するように、温度制御器82によってヒーター83が駆動された。消費電力計84を使用して、ヒーター83を駆動するために消費される電力の経時的な変化を測定した。
図45を参照して、比較例3においては、上述の実施例3と同様に、箱体80と、温度センサ81と、温度制御器82と、ヒーター83と、消費電力計84とが準備された。箱体80の開口部を塞ぐように、冒頭に説明した断熱材301(図48参照)が設けられた。上述の実施例3と同様に、消費電力計84を使用して、ヒーター83を駆動するために消費される電力の経時的な変化を測定した。
図46を参照して、実施例3に基づく試験結果としては、実線で描かれるラインLL201に示すデータが得られた。比較例3に基づく試験結果としては、点線で描かれるラインLL301に示すデータが得られた。ラインLL201は、ラインLL301に比べてヒーター83における消費電力が低いことを示している。実施例3および比較例3の試験結果より、断熱材201の方が断熱材301よりも断熱性能に優れていることがわかる。
以上、本発明に基づいた各実施の形態および各実施例について説明したが、今回開示された各実施の形態および各実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 建物、2 壁、9,90 釘、10,20,310,320 外被材、12,22,48,49 外周部、30,30A,31,330 芯材、32 底面部、33 側壁、34 上面部、40,40A,40B,40C,40D,401A 仕切材、40R 樹脂製部材、41,41A,41B 第1主表面、42,42A,42B 第2主表面、43,43A,43B,54,343 凹部、44,44A,44B,53,344 凸部、45A 内壁、46,47 シート状部材、46A 第1シート状部材、46B 第2シート状部材、46C 第3シート状部材、50 金型、51,52 真空ポンプ、56 減圧室、58 加熱器、70,71 ヒートシール部、80 箱体、81 温度センサ、82 温度制御器、83 ヒーター、84 消費電力計、92 切欠部、101,101A,102,103,104,201,201A,202,203,203A,204,204A,300,301,302,303,304 断熱材、210,210A 第1断熱材、220,220A 第2断熱材、311 隔離用フィルム、312,313 熱溶着層、401 第1仕切材、402 第2仕切材、403 接着層、AR10,AR20,AR31,AR32,AR41,AR42,AR50,AR201,AR202,AR310,AR320 矢印、L,L101,L201,L303 厚さ、L1 長さ、L2,L4,L6,L9 寸法、L3,L5,L7,L8,L10,L11 間隔、LL201,LL301 ライン、R30,R31,R32,R300,R401,R402,R401,R402 領域、T1,T2 温度。
Claims (10)
- 対向配置された第1外被材および第2外被材の間に複数の芯材が減圧密封された断熱材であって、
ガスバリア性を有する前記第1外被材と、
ガスバリア性を有する前記第2外被材と、
前記第1外被材と前記第2外被材との間に位置し、複数の凹部および複数の凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材と、
複数の前記凹部内にそれぞれ嵌め込まれた複数の前記芯材と、を備え、
前記第1外被材および前記第2外被材は、熱溶着によって前記仕切材の前記凸部にそれぞれ接合され、
複数の前記芯材は、前記第1外被材および前記第2外被材が前記仕切材の前記凸部にそれぞれ接合されることによって、複数の前記凹部内に減圧密封されている、
断熱材。 - 複数の前記芯材の各々は、底面部と、前記芯材が前記凹部内に嵌め込まれる方向において前記底面部よりも前方に位置する上面部とを有し、
複数の前記芯材の各々は、前記底面部から前記上面部に向かって徐々に外周長さが小さくなるテーパー状に形成されている、
請求項1に記載の断熱材。 - 複数の前記凹部は、複数の前記芯材の形状に対応するように、前記芯材が嵌め込まれる方向において徐々に内周長さが小さくなるテーパー状に形成されている、
請求項2に記載の断熱材。 - 前記仕切材の厚さは100μm以上1mm以下である、
請求項1から3のいずれかに記載の断熱材。 - 前記仕切材は、熱溶着によって前記第1外被材に接合される第1仕切材と、熱溶着によって前記第2外被材に接合される第2仕切材とを含み、
複数のうち一部の前記芯材は、前記第1外被材と前記第1仕切材との間における複数の前記凹部内に密封され、
複数のうち残りの前記芯材は、前記第2外被材と前記第2仕切材との間における複数の前記凹部内に密封され、
前記第1仕切材と前記第2仕切材とは、相互に接合されている、
請求項1から4のいずれかに記載の断熱材。 - 前記第1仕切材と前記第2仕切材とは、相互に嵌合している、
請求項5に記載の断熱材。 - 前記第1仕切材と前記第2仕切材とは、熱溶着によって相互に接合されている、
請求項5または6に記載の断熱材。 - 請求項1から7のいずれかに記載の断熱材を備える、
建物。 - 対向配置された第1外被材および第2外被材の間に複数の芯材が減圧密封された断熱材の製造方法であって、
ガスバリア性を有する前記第1外被材と、ガスバリア性を有する前記第2外被材と、複数の前記芯材と、複数の凹部および複数の凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する仕切材とを準備する工程と、
複数の前記凹部内に複数の前記芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、
前記第1外被材と前記第2外被材との間に前記仕切材を配置する工程と、
前記第1外被材および前記第2外被材を前記仕切材に形成された複数の前記凸部にそれぞれ熱溶着させる工程と、を備え、
前記第1外被材および前記第2外被材は、熱溶着によって前記仕切材の前記凸部にそれぞれ接合され、
複数の前記芯材は、前記第1外被材および前記第2外被材が前記仕切材の前記凸部にそれぞれ接合されることによって、複数の前記凹部内に密封される、
断熱材の製造方法。 - 第1断熱材および第2断熱材が相互に接合された断熱材の製造方法であって、
前記第1断熱材および前記第2断熱材を準備する工程を備え、
前記第1断熱材を準備する工程は、
ガスバリア性を有する第1外被材と、複数の芯材と、複数の第1凹部および複数の第1凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する第1仕切材とを準備する工程と、
複数の前記第1凹部内に複数の前記芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、
複数の前記第1凸部における熱溶着によって、前記第1外被材を前記第1仕切材に接合することによって、複数の前記第1凹部内に複数の前記芯材をそれぞれ密封する工程と、を含み、
前記第2断熱材を準備する工程は、
ガスバリア性を有する第2外被材と、複数の他の芯材と、複数の第2凹部および複数の第2凸部が成型によって形成されたガスバリア性を有する第2仕切材とを準備する工程と、
複数の前記第2凹部内に複数の前記他の芯材をそれぞれ嵌め込む工程と、
複数の前記第2凸部における熱溶着によって、前記第2外被材を前記第2仕切材に接合することによって、複数の前記第2凹部内に複数の前記他の芯材をそれぞれ密封する工程と、を含み、
さらに、前記第1仕切材における前記第1凹部および前記第1凸部と前記第2仕切材における前記第2凸部および前記第2凹部とを、それぞれ嵌め合わせた状態で相互に接合する工程と、を備える、
断熱材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010287876A JP2012137112A (ja) | 2010-12-24 | 2010-12-24 | 断熱材、断熱材の製造方法、および建物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013245775A (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-09 | Mitsubishi Electric Corp | 真空断熱材及びその真空断熱材を用いた真空断熱装置 |
-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010287876A patent/JP2012137112A/ja not_active Withdrawn
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