JP2012136762A - シャフト炉およびこれを用いた銑鉄溶湯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉体内部において、高温域を安定させるとともに、空気の流速を上げることで、高品質の銑鉄溶湯を得ることができるシャフト炉およびこれを用いた銑鉄溶湯の製造方法を提供する。
【解決手段】内部でコークスを燃焼させて溶解した鉄を得る縦型の炉体11と、この炉体内部12に空気を吹き込む8基の羽口24とを備えたキュポラ1であって、上記羽口24が、平面視で、上記炉体内部12の中心(炉心12C)方向に対して傾斜角θ(例えば10°)だけ傾斜した方向に上記空気を吹き込む。
【選択図】図2
【解決手段】内部でコークスを燃焼させて溶解した鉄を得る縦型の炉体11と、この炉体内部12に空気を吹き込む8基の羽口24とを備えたキュポラ1であって、上記羽口24が、平面視で、上記炉体内部12の中心(炉心12C)方向に対して傾斜角θ(例えば10°)だけ傾斜した方向に上記空気を吹き込む。
【選択図】図2
Description
本発明は、シャフト炉およびこれを用いた銑鉄溶湯の製造方法に関するものである。
シャフト炉としては、鉄屑から溶湯を得るための炉であるキュポラや、鉄鉱石から銑鉄を取り出すための高炉などが知られている。キュポラは、溶湯を得るために、主原料である鉄屑を燃料であるコークスで溶解するものであり、一般的には、縦型の炉体を有し、鉄屑およびコークスなどの投入口がこの炉体の頂部に設けられている。また、炉体の上部には、排気口および冷却水の供給部が設けられており、炉体の下部には、炉体の内部に燃焼用の空気を風箱から供給するための羽口が設けられている。さらに炉体の底部には、出銑口(出湯樋ともいう)が設けられている。
このような構成のキュポラにおいては、原料鉄屑などの鉄源や、燃料および加炭剤としてのコークス、および造滓材としての石灰石などを、一定の比率で投入口から繰り返し投入する。そして、羽口から吹き込まれる空気によりコークスを燃焼させて高温ガスを発生させ、それによって鉄源を溶解させる。また、吹き込まれた空気中の酸素は、コークスとの反応で二酸化炭素になった後、コークスとのさらなる反応で一酸化炭素になる。この一酸化炭素は、還元剤として働き、鉄源に含まれる鉄やケイ素の酸化物から、鉄やケイ素に還元するものである。一方で、この溶解により発生した排ガスは、排気口から排出される。溶け落ちた鉄は、滴下中に周囲のコークスとの接触で炭素分を吸収し、鋳物用の材料として適した溶湯として出銑口から取り出される(例えば特許文献1)。
上記従来のキュポラでは、特許文献1の図5に示されるように、全ての羽口からの送風が炉体の中心(炉心)に向けられている。このため、これら送風が集中する炉心を中心に、高温域が安定して形成されるはずである。しかしながら、実際には、羽口の前の鉄源やコークスなどによる遮り具合によって、必ずしも炉心に送風が集中しない。また、炉体内部の鉄源やコークスなどの位置は、溶解が進むにつれて変動するので、送風が集中する点も時間に伴い変動する。したがって、高温域が安定しない状態で鉄源の溶解が行われ、結果として得られる溶湯の成分も安定しないという問題があった。
従来のキュポラを図4に基づいて説明すると、羽口44からの送風は、炉心42Cまたは炉心42C近くで互いに衝突するので、水平方向の流速が相殺されて弱まり、炉体内部42での空気の流速が不十分となる。このため、従来のキュポラ40では、この空気のレイノルズ数が上昇せず、鉄源や溶湯への熱伝達および反応の活性化が不十分となる。また、流速が不十分のため、羽口から吹き込まれた空気と鉄源との接触は不十分となり、還元が十分に行われず、鉄やケイ素の歩留まりが低下するという問題があった。
そこで本発明は、上記問題を解決するものとして、炉体内部において、高温域を安定させるとともに、空気の流速を上げることで、高品質の銑鉄溶湯を得ることができるシャフト炉を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るシャフト炉は、内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得る炉体と、この炉体の内部に空気を吹き込む複数の羽口とを備えたシャフト炉であって、
上記羽口が、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気を吹き込むものである。
上記羽口が、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気を吹き込むものである。
また、請求項2に係るシャフト炉は、内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得る炉体と、この炉体の内部に空気を吹き込む複数の羽口とを備えたシャフト炉であって、
上記羽口の内周部に、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気の流れを転向させる送風案内体が設けられたものである。
上記羽口の内周部に、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気の流れを転向させる送風案内体が設けられたものである。
さらに、請求項3に係るシャフト炉は、請求項1または2に記載のシャフト炉において、傾斜の角度が、1°以上15°以下であるものである。
また、請求項4に係る銑鉄溶湯の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャフト炉を用いて、炉体の内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得るものである。
また、請求項4に係る銑鉄溶湯の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャフト炉を用いて、炉体の内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得るものである。
上記シャフト炉およびこれを用いた銑鉄溶湯の製造方法によると、複数の羽口を平面視で炉体の中心に対して傾斜させており、これら羽口により吹き込まれる空気が互いに衝突せず渦流を形成するため、炉体の内部において、高温域が安定するとともに、空気の流速が上がることで、高品質の銑鉄溶湯を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るシャフト炉について、図1〜図4に基づき説明する。
本実施の形態では、シャフト炉の一例として、キュポラについて説明する。ここで、図1はキュポラの全体を示す一部切欠側面図であり、図2は図1におけるA−A断面図、図3は図1におけるB−B断面図、図4は従来の構成において図2に対応する図である。また、キュポラとは、鉄屑を原料とし、コークスを燃料および加炭剤として燃焼させ、鉄、炭素およびケイ素などを主成分とする溶湯を得るための炉である。
本実施の形態では、シャフト炉の一例として、キュポラについて説明する。ここで、図1はキュポラの全体を示す一部切欠側面図であり、図2は図1におけるA−A断面図、図3は図1におけるB−B断面図、図4は従来の構成において図2に対応する図である。また、キュポラとは、鉄屑を原料とし、コークスを燃料および加炭剤として燃焼させ、鉄、炭素およびケイ素などを主成分とする溶湯を得るための炉である。
まず、上記キュポラの基本構成を説明する。
図1に示すように、キュポラ1は、コークスKの燃焼により原料としての鉄屑(以下、鉄源Iという)を溶解させて溶湯を得る縦型の炉体11と、この炉体内部12に燃焼用の空気(400〜600℃程度である)を吹き込む送風装置21とを備えている。上記炉体11は、頂部に形成されて鉄源IおよびコークスKなどを投入するための投入口13と、この投入口13の下方に形成されて上記燃焼により発生するガスを排出するための排気口14と、上記燃焼により得られた溶湯を外部に導出する出湯樋15とを有する。また、上記送風装置21は、先端部が炉体内部12に突出して配置され上記空気を当該炉体内部12に吹き込む8基の羽口24と、上記空気を溜めるとともに上記羽口24に羽口導管23を介して吹き込む風箱22と、この風箱22に上記空気を吹き込む熱交換器(図示省略)とから構成される。また、上記風箱22は、中空の円環形状であり、羽口24の上方で炉体11の外周を囲むように配置される。
図1に示すように、キュポラ1は、コークスKの燃焼により原料としての鉄屑(以下、鉄源Iという)を溶解させて溶湯を得る縦型の炉体11と、この炉体内部12に燃焼用の空気(400〜600℃程度である)を吹き込む送風装置21とを備えている。上記炉体11は、頂部に形成されて鉄源IおよびコークスKなどを投入するための投入口13と、この投入口13の下方に形成されて上記燃焼により発生するガスを排出するための排気口14と、上記燃焼により得られた溶湯を外部に導出する出湯樋15とを有する。また、上記送風装置21は、先端部が炉体内部12に突出して配置され上記空気を当該炉体内部12に吹き込む8基の羽口24と、上記空気を溜めるとともに上記羽口24に羽口導管23を介して吹き込む風箱22と、この風箱22に上記空気を吹き込む熱交換器(図示省略)とから構成される。また、上記風箱22は、中空の円環形状であり、羽口24の上方で炉体11の外周を囲むように配置される。
次に、上記羽口24について図1および図2に基づき詳細に説明する。
これら8基の羽口24は、図2に示すように、いずれも炉体内部12の中心(以下、炉心12Cという)に向けて、円周方向に等間隔で同一水平面上に配置される。また、図1に示すように、全ての羽口24は、先端を下方に向けて傾斜させており、炉体内部12に吹き込まれた空気が炉体内部12の下部に達してから上部の排気口14で排出されるように配置される。
これら8基の羽口24は、図2に示すように、いずれも炉体内部12の中心(以下、炉心12Cという)に向けて、円周方向に等間隔で同一水平面上に配置される。また、図1に示すように、全ての羽口24は、先端を下方に向けて傾斜させており、炉体内部12に吹き込まれた空気が炉体内部12の下部に達してから上部の排気口14で排出されるように配置される。
また、図2に示すように、それぞれの羽口24は、炉体内部12側で絞られた円筒形状の羽口本体25と、この羽口本体25内に形成されて当該羽口本体25を冷却するための冷却水流路(図示しない)と、上記羽口本体25の内周側に配置された整流用耐火物(送風案内体の一例である)26とを有する。ここで、上記羽口本体25は、熱伝導率の高い金属である銅または銅合金が用いられており、その軸心の延長(図2では一点鎖線で示す)が炉心12Cに向けられるとともに、上記炉体11の外側で羽口導管23に接続されている。また、冷却水流路は、内部に冷却水を高速で流すことにより、燃焼用の空気で熱衝撃を受ける羽口本体25の損傷防止や延命を図るものである。さらに、整流用耐火物26は、羽口本体25が直接高温の空気に曝されること防ぐため、この羽口本体25の内周側を覆うものであり、外周面が羽口本体25の内周面に接するとともに、内部が円柱形状に貫通された形状である。また、整流用耐火物26は、この円柱形状内を通過させて炉体内部12に吹き込む空気により、平面視で、例えば、左回りの渦流を形成させるため、上記円柱形状の軸心の延長が羽口本体25から見て炉心12Cの右側に達する形状である。したがって、上記整流用耐火物26は、炉心12Cに向けられた羽口本体25により吹き込まれる空気の流れを、炉心12Cの右側に転向させるものである。以下では、平面視で、羽口本体25の軸心と上記円柱形状の軸心がなす角を、傾斜角θという。
以下に、図1〜図4に基づいて、上記キュポラ1における作用を説明する。
図1に示すように、予め炉体11には、投入口13から鉄屑、銑鉄、故銑、フェロシリコンなどの鉄源IとコークスKとが交互に投入される(厳密には、その他に造滓材としての石灰石の投入も必要であることは言うまでもない)ことで、鉄源I層とコークスK層が交互に積み上げられている。
図1に示すように、予め炉体11には、投入口13から鉄屑、銑鉄、故銑、フェロシリコンなどの鉄源IとコークスKとが交互に投入される(厳密には、その他に造滓材としての石灰石の投入も必要であることは言うまでもない)ことで、鉄源I層とコークスK層が交互に積み上げられている。
次に、熱交換器から風箱22に吹き込まれて溜められた燃焼用の空気が、羽口導管23を介して、8基の羽口24から炉体内部12に時速200〜300km程度で一斉に吹き込まれる。全ての羽口24からの空気は、図2に示すように、炉心12Cの右側に傾斜角θで吹き込まれるので、炉心12Cで互いに衝突することなく、炉心12Cを中心とした平面視で左回りの渦流を形成する(図3参照)。つまり、上記空気の水平方向の流れは、相殺されることなく、互いに渦流を形成するために働く。このため、図4の炉心42Cに向けて空気を吹き込む従来のキュポラ40に比べて、上記キュポラ1では炉体内部12の水平方向の流速が大きくなる。また、全ての羽口24からの空気は、渦流を形成するために働くので、いずれかの羽口24の先端を鉄源Iなどにより遮られても、渦の強さ(流速)が弱まるだけで、渦の形状(流向)が変わるわけではない。したがって、鉄源Iなどの配置に関係なく、炉体内部12では常に炉心12Cを中心に渦流が形成されるため、炉心12Cを中心とした高温域が安定して形成される。
また、炉体内部12の空気の鉛直方向の平均流速は、炉体内部12に吹き込む空気の流量を、炉体内部12の水平断面積で割ることにより得られる。このため、従来のキュポラ40と上記キュポラ1とでは、炉体11が同一であり、炉体内部12に吹き込む空気の流量も同一であるから、炉体内部12の空気の鉛直方向の平均流速も同一である。しかし、水平方向の平均流速は、上述のように上記キュポラ1の方が大きいので、結果として炉体内部12の空気の平均流速は、上記キュポラ1の方が大きくなる。
ところで、羽口24から炉体内部12に吹き込まれた空気は、羽口24の先端が下方に向けて傾斜しているため、炉体内部12の下部を経て上部に達し、その過程で鉄源IをコークスKの燃焼により溶解させる。一方で、この空気中の酸素は、燃焼によりコークスKと反応して二酸化炭素となり、コークスKとのさらなる反応で一酸化炭素となる。この一酸化炭素は還元剤として働き、鉄源Iに含まれる鉄やケイ素の酸化物から、鉄やケイ素に還元する。そして、燃焼により発生したガスは排気口14から排出されるとともに、溶解により得られた溶湯は、出湯樋15から流れ出る。
以下、上記実施の形態をより具体的に示した実施例1および2と、これら実施例と比較するための比較例について説明する。ここで、これら比較例および実施例において、炉体に投入される鉄屑、銑鉄、フェロシリコン、石灰石などの配合割合や、羽口から吹き込まれる燃焼用の空気の流量および温度などの各条件は、ほぼ同程度に設定した。
従来のキュポラ40に整流用耐火物を設けることで、整流用耐火物26が設けられる実施例1および2と羽口内径を同一にした。ただし、炉体内部に吹き込まれる空気の方向を従来の構成と同一にするため、傾斜角を0°にした。
この場合、得られた結果を後述する実施例1および2と比較するために、100(指数)として表1に示す。
傾斜角θを5°にし、それ以外の条件を比較例と同一にした。
この場合、表1に示すように、比較例を100として、得られた溶湯における炭素成分(出銑C値)の平均値は106、ケイ素成分(出銑Si値)の平均値は102、全コークス比平均値は94、Si歩留まり平均値は108、出銑C値の標準偏差は93、出銑Si値の標準偏差は86、出銑C値の変動係数は88、出銑Si値の変動係数は84であった。
この場合、表1に示すように、比較例を100として、得られた溶湯における炭素成分(出銑C値)の平均値は106、ケイ素成分(出銑Si値)の平均値は102、全コークス比平均値は94、Si歩留まり平均値は108、出銑C値の標準偏差は93、出銑Si値の標準偏差は86、出銑C値の変動係数は88、出銑Si値の変動係数は84であった。
傾斜角θを10°にし、それ以外の条件を比較例と同一にした。
この場合、表1に示すように、比較例を100として、得られた溶湯における炭素成分(出銑C値)の平均値は106、ケイ素成分(出銑Si値)の平均値は101、全コークス比平均値は94、Si歩留まり平均値は108、出銑C値の標準偏差は100、出銑Si値の標準偏差は76、出銑C値の変動係数は95、出銑Si値の変動係数は75であった。
この場合、表1に示すように、比較例を100として、得られた溶湯における炭素成分(出銑C値)の平均値は106、ケイ素成分(出銑Si値)の平均値は101、全コークス比平均値は94、Si歩留まり平均値は108、出銑C値の標準偏差は100、出銑Si値の標準偏差は76、出銑C値の変動係数は95、出銑Si値の変動係数は75であった。
上記の比較例と実施例1および2との結果を比較すると、比較例に対して、実施例1および2では、より多くの出銑C値を少ないコークス量(全コークス比平均値)で得ることができ、銑鉄やフェロシリコンなどからのケイ素の歩留まりを向上させることができた。また、出銑C値の安定度は、比較例よりも実施例で出銑C値の変動係数が若干減少していることから、傾斜角θの増加により若干改善された。さらに、出銑Si値の安定度は、比較例よりも実施例で出銑C値の変動係数が著しく減少していることから、傾斜角θの増加に伴って十分に改善された。
以下、本実施の形態に係るキュポラ1による効果について説明する。
上記キュポラ1は、炉体内部12の空気の平均流速が大きくなることで、この空気が反応してなる一酸化炭素がより多くの酸化物に触れることになり、還元性が向上し、良質の溶湯が得られるとともに、ケイ素の歩留まりを向上させることができる。
上記キュポラ1は、炉体内部12の空気の平均流速が大きくなることで、この空気が反応してなる一酸化炭素がより多くの酸化物に触れることになり、還元性が向上し、良質の溶湯が得られるとともに、ケイ素の歩留まりを向上させることができる。
また、炉体内部12における空気の平均流速が上がると、この空気のレイノルズ数が上昇することで、この空気と鉄源Iや溶湯との間の熱伝達率が上昇し、反応を活性化することができる。
さらに、炉心12Cを中心した高温域が安定して形成されるので、反応が安定し、得られる溶湯の成分が安定する。
また、本実施の形態に係るキュポラ1は、従来のキュポラ40と整流用耐火物26の有無において相違し、それ以外は全く同一である(図2および図4を参照)。したがって、上記キュポラ1は、従来のキュポラ40における羽口44の内周部に整流用耐火物26を設けるだけでよく、簡単な改良工事で建設することができる。
また、本実施の形態に係るキュポラ1は、従来のキュポラ40と整流用耐火物26の有無において相違し、それ以外は全く同一である(図2および図4を参照)。したがって、上記キュポラ1は、従来のキュポラ40における羽口44の内周部に整流用耐火物26を設けるだけでよく、簡単な改良工事で建設することができる。
ところで、上記実施の形態では、傾斜角θを得るために上述の整流用耐火物26を設けたものとして説明したが、図4に示す従来のキュポラ40において、羽口44の内部に整流用耐火物26を設けると、実質的な羽口内径が小さくなる。これによる影響を回避するには、整流用耐火物26を設けず、羽口24の向き(羽口本体25の軸心)を平面視で傾斜角θだけ傾けてもよい。あるいは、実質的な羽口内径が小さくなってもよければ、本実施の形態のように、整流用耐火物26を設けてもよい。
また、上記実施の形態において、整流用耐火物26は、炉心12Cに向けられた羽口本体25により吹き込まれる空気の流れを、炉心12Cの右側に転向させるものとして説明したが、左側に転向させるものであってもよい。具体的には、羽口本体25の内部に貫通された円柱形状における軸心の延長が、羽口本体25から見て炉心12Cの左側に達する形状である。
さらに、上記実施の形態では、羽口24の先端を下方に向けて傾斜させた例を示したが、下方に限定されるものではなく、下方以外の場合、例えば水平に向けても本発明の効果を奏する。
また、上記実施例1では傾斜角θを5°、上記実施例2では傾斜角θを10°とした場合について説明したが、これらは一例に過ぎず、傾斜角θは1°以上15°以下であればよい。
また、上記実施の形態では、羽口24の数は8基として説明したが、この数に限定されるものではなく、複数であればよい。
また、上記実施の形態では、シャフト炉の一例としてキュポラ1について説明したが、高炉など他のシャフト炉であってもよい。
また、上記実施の形態では、シャフト炉の一例としてキュポラ1について説明したが、高炉など他のシャフト炉であってもよい。
I 鉄源
K コークス
1 キュポラ
11 炉体
12 炉体内部
12C 炉心
13 投入口
14 排気口
15 出湯樋
21 送風装置
22 風箱
23 羽口導管
24 羽口
25 羽口本体
26 整流用耐火物
K コークス
1 キュポラ
11 炉体
12 炉体内部
12C 炉心
13 投入口
14 排気口
15 出湯樋
21 送風装置
22 風箱
23 羽口導管
24 羽口
25 羽口本体
26 整流用耐火物
Claims (4)
- 内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得る炉体と、この炉体の内部に空気を吹き込む複数の羽口とを備えたシャフト炉であって、
上記羽口が、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気を吹き込むものであることを特徴とするシャフト炉。 - 内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得る炉体と、この炉体の内部に空気を吹き込む複数の羽口とを備えたシャフト炉であって、
上記羽口の内周部に、平面視で、上記炉体の中心方向に対して傾斜した方向に上記空気の流れを転向させる送風案内体が設けられたことを特徴とするシャフト炉。 - 傾斜の角度が、1°以上15°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のシャフト炉。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャフト炉を用いて、炉体の内部で燃料を燃焼させて溶解した鉄を得ることを特徴とする銑鉄溶湯の製造方法。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130924 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140715 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150113 |