JPH1038233A - 廃棄物熱分解溶融炉 - Google Patents

廃棄物熱分解溶融炉

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JPH1038233A
JPH1038233A JP19040596A JP19040596A JPH1038233A JP H1038233 A JPH1038233 A JP H1038233A JP 19040596 A JP19040596 A JP 19040596A JP 19040596 A JP19040596 A JP 19040596A JP H1038233 A JPH1038233 A JP H1038233A
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JP
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waste
zone
combustion
melting
furnace
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JP19040596A
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Masatsugu Yamagata
昌継 山縣
Nobuhiko Tanaka
暢彦 田中
Michihiko Kamata
充彦 鎌田
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Kubota Corp
Original Assignee
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Kubota Corp
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入された廃棄物Wを乾燥する乾燥帯Aと、
乾燥廃棄物を熱分解する熱分解帯Bと、廃棄物の熱分解
残渣を燃焼溶融する燃焼溶融帯Cを順次上下方向に形成
し、前記燃焼溶融帯Cに燃焼用ガスを吹き込む羽口2を
設けた炉本体1を備えてなる廃棄物熱分解溶融炉に於い
て、炉本体内に於ける棚吊りの発生を防止しながら、確
実に廃棄物を熱分解溶融処理を可能とし、且つ、スラグ
排出部4近傍に於けるスラグの凝固を防止し、安定した
炉操業を可能とする。 【解決手段】 乾燥帯Aの下方の炉本体1を、下方に向
かって炉内断面積が減少しない形状に形成し、羽口2
を、燃焼溶融帯Cのスラグ溶融部Pに向けて配置すると
ともに、前記燃焼溶融帯Cの上方に、前記熱分解帯Bの
内部に向けて局部燃焼用ガスを吹き込む第2の羽口3を
備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物熱分解溶融
炉に関し、詳しくは、投入された廃棄物を乾燥する乾燥
帯と、前記乾燥帯で乾燥された廃棄物を熱分解する熱分
解帯と、前記熱分解帯で熱分解された廃棄物を燃焼溶融
する燃焼溶融帯を順次上下方向に配し、炉壁の周囲に亘
って前記燃焼溶融帯に酸素、酸素含有ガス等の燃焼用ガ
スを吹き込む複数の羽口を配置してある炉本体を備えて
なる廃棄物熱分解溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の廃棄物熱分解溶融炉の一例として
ゴミ熱分解溶融炉を適用した廃棄物熱分解溶融処理設備
を示すと、図5に示すように、ゴミ熱分解溶融炉Fの炉
本体1は、その炉壁1aを鉛直に形成してあり、その炉
本体1の上部に廃棄物装入部1bを備えており、前記炉
本体1に、前記廃棄物装入部1bから投入された廃棄物
Wを乾燥する乾燥帯Aと、前記乾燥帯Aで乾燥された廃
棄物を熱分解する熱分解帯Bと、前記熱分解帯Bで熱分
解された廃棄物を燃焼溶融する燃焼溶融帯Cを順次上下
方向に形成してあり、さらに、前記炉本体1の下部に、
前記燃焼溶融帯Cに燃焼用ガスを吹き込むための、前記
炉本体1の炉壁1aの周囲に亘って前記燃焼溶融帯Cの
炉床表面の中心部に向けて配置された複数の羽口2を備
えたものが用いられている。さらに、炉本体1の上部に
は、前記乾燥帯Aの上方に排気口7aを設けて、炉内で
の発生ガスを導出するための煙道7が連結されている。
また、炉本体1内の底部には、前記燃焼溶融帯Cに降下
した熱分解後の廃棄物の熱分解残渣が溶融して溶融スラ
グが生成したスラグ溶融部Pが形成されており、そのス
ラグ溶融部Pから溶融スラグを排出するためのスラグ排
出部4が、前記炉本体1の下部に前記炉壁1aにスラグ
取出口4aを形成して設けられている。前記廃棄物装入
部1bには、廃棄物投入手段22が設けられており、前
記廃棄物投入手段22は、ゴミホッパ22bと、そのゴ
ミホッパ22bから投入された廃棄物Wを炉内に投入す
る、前記ゴミホッパ22bの下部に設けられたプッシャ
22aとで構成されている。
【0003】廃棄物収集車の収集した廃棄物Wとしての
都市ゴミは、一旦ゴミピット20に貯留された後、ゴミ
クレーン21によって掴み上げて、廃棄物投入手段22
のゴミホッパ22bから投入され、プッシャ22aに押
し出されて前記廃棄物装入部1bを経て炉内の前記乾燥
帯Aの上部表面上に投入される。投入されたゴミは、下
方の前記熱分解帯Bから上昇する約400℃〜500℃
の熱分解生成ガスに接触して乾燥する。前記熱分解帯B
での熱分解が進むにつれて、下部での燃焼溶融に伴う減
容効果とあいまって前記熱分解帯B以下のゴミの容積が
減少するので、前記乾燥帯A内のゴミは次第に下降し、
前記熱分解帯Bに至る。前記熱分解帯Bに降下した乾燥
後のゴミは、下方の前記燃焼溶融帯Cから上昇する約5
00℃〜800℃の燃焼排ガスに接して加熱され、熱分
解する。前記燃焼溶融帯Cでの前記熱分解帯Bから下降
した熱分解残渣の燃焼と、その燃焼残渣の溶融による、
前記燃焼溶融帯C内の前記熱分解残渣の減容に伴って、
前記熱分解帯B内の熱分解残渣は次第に下降し、前記燃
焼溶融帯Cに至る。前記熱分解残渣が前記燃焼溶融帯C
に降下すると、羽口2から供給される予熱された燃焼用
ガスに接し、燃焼を開始する。さらに、その時の高温の
燃焼熱によって、燃焼残渣である灰が溶融し、前記炉本
体1の底部に形成したスラグ溶融部Pに流下する。前記
スラグ溶融部Pの下部に流下した溶融スラグは、前記ス
ラグ取出口4aからスラグ排出部4に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の廃棄物熱分
解溶融炉においては、ゴミ質が変動し、含水量の多い難
燃性の廃棄物Wが投入された場合には、前記乾燥帯に於
ける乾燥が不十分なまま前記熱分解帯に下降し、残存水
分の影響で熱分解が不十分なまま前記燃焼溶融帯に下降
し、前記燃焼溶融帯に於ける燃焼発熱量に不足を来す結
果、炉の処理能力に低下をもたらし、また、場合によっ
ては、その燃焼発熱量の不足を補うために、補助燃料の
供給を必要とし、経済性を低下させるという問題があっ
た。さらに、前記スラグ排出部4から炉内に吸引される
ガスによってスラグ溶融部が冷却されることも重なり、
前記スラグ取出口付近でのスラグの温度低下を招く場合
がある。このような温度低下を来した場合には、場所に
よってはスラグが凝固し、スラグの取り出しが困難にな
るという問題を有していた。前記問題に対処するため
に、前記乾燥帯の下方部を下窄まりに形成して、炉下部
に形成される燃焼領域の広がりを無くし、炉底部に形成
されるスラグ溜まりの表面積を小さくすることが行われ
ているが、熱分解、燃焼の不十分な場合には、前記燃焼
溶融帯に於ける燃焼発熱量に不足を来し、前記スラグ溶
融部の高温維持を妨げる結果、前記スラグ溶融部に於け
るスラグの固化を招くおそれがあり、これを回避するた
めに補助燃料の補給により溶融温度を維持する等の対応
に迫られ、場合によっては炉の操業停止を余儀無くされ
るという問題もあった。そこで、本発明の廃棄物熱分解
溶融炉は、上記の問題点を解決して、炉本体内に於ける
棚吊りの発生を防止しながら、確実に廃棄物を熱分解溶
融処理を可能とし、且つ、スラグ排出部近傍に於けるス
ラグの凝固を防止し、安定した廃棄物熱分解溶融炉の炉
操業を可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔第1特徴構成〕上記の目的のための本発明の廃棄物熱
分解溶融炉の第1特徴構成は、投入された廃棄物を乾燥
する乾燥帯と、前記乾燥帯で乾燥された廃棄物を熱分解
する熱分解帯と、前記熱分解帯で熱分解された廃棄物を
燃焼溶融する燃焼溶融帯を順次上下方向に形成してなる
廃棄物熱分解溶融炉において、前記乾燥帯の下方の炉本
体の炉壁を、裾拡がり又は鉛直に形成するとともに、前
記燃焼溶融帯の上方の位置に、前記燃焼溶融帯上方の内
部に向けて局部燃焼用ガスを吹き込む第2の羽口を備え
て、前記燃焼溶融帯より上部の廃棄物の熱分解・乾燥の
効果を発揮せしめるように構成した(請求項1に対応)
点にある。 〔第1特徴構成の作用効果〕上記第1特徴構成によれ
ば、炉本体の炉壁を裾拡がり又は鉛直に形成してあるの
で、装入廃棄物の棚吊りを抑制しながらも、炉底部の平
面積が大きいことによって生ずる熱拡散の結果として起
こりやすくなる、燃焼排ガスの温度低下に伴う乾燥帯に
於ける乾燥不十分を、第2の羽口から吹き込む空気・酸
素富化空気・酸素等の局部燃焼用ガスと接触する熱分解
ガス及び廃棄物の局部燃焼によって乾燥帯及び熱分解帯
の温度を高く維持することにより回避可能とするもので
ある。さらに、前記乾燥帯及び熱分解帯の温度を高く維
持することによって、装入廃棄物の乾燥及び熱分解を充
分効果的に図ることが可能になり、その下方に位置する
燃焼溶融帯に於ける廃棄物の熱分解残渣の燃焼並びに燃
焼残渣の溶融を確実ならしめることが可能となる。ま
た、局部燃焼に伴う前記燃焼溶融帯上方に於ける廃棄物
の減容とあいまって、前記乾燥帯下方の廃棄物の減容を
促進する。その結果、炉本体内に於ける棚吊りの発生を
防止しながら、確実に廃棄物を熱分解溶融処理を可能と
し、安定した炉操業を可能とする廃棄物熱分解溶融炉を
提供することが出来るようになった。 〔第2特徴構成及び作用効果〕尚、本発明の廃棄物熱分
解溶融炉の第2特徴構成は、前記第1特徴構成における
羽口を、前記燃焼溶融帯のスラグ溶融部の流下部表面に
向けて配置するとともに、少なくとも前記羽口の一部
を、前記炉本体の下部の炉壁に備えるスラグ取出口寄り
に偏向させて配置してある(請求項2に対応)ことによ
り、スラグ排出部から吸引されるガスによる冷却の防止
と、凝固し易い前記スラグ取出口付近のスラグ中の可燃
物及び前記スラグ取出口近傍の熱分解残渣の燃焼を助長
して高温を維持し、スラグ排出部近傍のスラグ溶融部に
於ける溶融スラグの凝固を防止することが可能になる。
その結果、上記第1特徴構成の作用効果に加えて、スラ
グ排出部近傍に於けるスラグの凝固を防止し、さらに安
定した炉操業が可能となる廃棄物熱分解溶融炉を提供す
ることが可能になった。
【0006】
【発明の実施の形態】上記本発明の廃棄物熱分解溶融炉
及びその操業方法の実施の形態の一例について、以下
に、図面を参照しながら説明する。本発明の廃棄物熱分
解溶融炉を適用する一実施形態としての廃棄物溶融処理
装置には、図1に示すように、廃棄物熱分解溶融炉Fの
炉本体1と、前記廃棄物熱分解溶融炉Fにおける発生ガ
スを導出する煙道7と、前記煙道7に備られた、前記発
生ガスを燃焼させるボイラ23と、前記ボイラ23から
の廃ガスを除塵するバグフィルタ24と、前記ボイラ2
3により生成された蒸気により発電する発電装置25等
を設けて構成してある。前記廃棄物熱分解溶融炉Fに
は、廃棄物Wとして収集された生ゴミを受け入れるため
の廃棄物投入手段22を備え、各家庭等で発生し、ゴミ
収集車により収集された生ゴミWは、一旦ゴミピット2
0に投入され、前記ゴミピット20に貯留された後、前
記廃棄物投入手段22から前記炉本体1内に投入され
る。前記廃棄物投入手段22は、前記生ゴミWを受け入
れるゴミホッパ22bと、前記ゴミホッパ22bの下部
に設けられた、前記ゴミホッパ22bに投入された生ゴ
ミWを炉内に投入するプッシャ22aとで構成されてい
る。前記ボイラ23は、燃焼器23aを備えた燃焼室2
3bに水管23cを配して構成してあり、前記廃棄物熱
分解溶融炉Fにおいて発生した可燃性ガスが、前記廃棄
物熱分解溶融炉Fと前記燃焼器23aの間に形成された
煙道7を介して供給され、前記燃焼器23aから前記燃
焼室23bに供給され、前記燃焼器23aで燃焼して発
生した高温の燃焼ガスは、前記水管23cと接触し、熱
交換された後に誘引送風機により誘引されてエコノマイ
ザ27を経てバグフィルタ24等の排ガス処理装置を介
して煙突26から排気される。前記ボイラ23で生成さ
れた蒸気は、発電機を駆動する蒸気タービンを備えた発
電装置25に安定的に供給され、前記発電装置25で発
電された電力が廃棄物溶融処理装置の稼働用の電力とし
て使用され、余剰電力は外部に供給される。
【0007】本発明の廃棄物熱分解溶融炉Fには、前記
炉本体1に備える廃棄物装入部1bから投入された廃棄
物Wを乾燥、熱分解、燃焼・溶融すべく、乾燥帯Aと、
熱分解帯Bと、燃焼溶融帯Cとを順次上下方向に炉内に
形成されており、前記燃焼溶融帯Cに酸素、酸素含有ガ
ス、空気等の燃焼用ガスを吹き込む羽口2を備え、さら
に、前記熱分解帯Bに向けて熱分解促進のために局部燃
焼用ガスを吹き込む第2の羽口3を備えている。前記炉
本体1は、前記乾燥帯Aの下方を、下方に向かって炉内
断面積が拡大するように、逆円錐状に形成してある。前
記炉本体1の前記熱分解帯B付近の炉壁1aに、周方向
に複数設けられた排気口7aを取り巻く環状ダクト7b
に連結されている。さらに、前記環状ダクト7bに煙道
7が連結されている。前記羽口2は、図2に示すよう
に、前記炉本体1の炉壁1aに、周方向に亘って、前記
燃焼溶融帯Cに酸素又は酸素含有ガス等からなる燃焼用
ガスを吹き込むべく複数設けてある。その内の一部の羽
口2を除く他の羽口2は、中心部向けの羽口2Bとし
て、前記炉本体1の底部に形成されるスラグ溶融部Pの
溶融スラグの表面中心部Qに向けて配置してあり、前記
一部の羽口2は、偏向した羽口2Aとして、前記炉本体
1に設けたスラグ取出口4aに偏向させるように、前記
表面中心部Qから前記スラグ取出口4a寄りの偏向位置
Rに向けて、やや下方に向けて夫々配置してある。前記
羽口2は、夫々前記炉本体1の周囲を巻く第1の風箱5
から燃焼用ガスを供給されるように前記第1の風箱5に
接続されており、前記第1の風箱5には、前記燃焼用ガ
スを供給するようにしてある。前記燃焼用ガスは、前記
燃焼溶融帯Cにおける燃焼状態に応じて、或いは廃棄物
熱分解残渣の質に応じて、酸素又は酸素富化空気或いは
空気等が吹き込まれ、前記スラグ溶融部Pの温度が異常
に降下した場合には燃料ガスを添加して吹き込まれる。
前記第2の羽口3は、前記炉本体1の周方向に複数、前
記乾燥帯Aの下端部の下方に、夫々前記熱分解帯Bの内
部に向けて備えられており、前記羽口2と同様に、前記
炉本体1の周囲を巻く第2の風箱6から空気、酸素富化
空気、酸素等の局部燃焼用ガスを吹き込むようにしてあ
る。これら第2の羽口3は、やや下に向けて前記炉本体
1に配置してあり、供給される前記局部燃焼用ガスを前
記熱分解帯Bの中央部付近に吹き込んで、前記廃棄物装
入部1bから投入された廃棄物Wの乾燥・熱分解を促進
する。前記廃棄物装入部1bから投入された廃棄物W
は、前記乾燥帯Aに於いて下方の熱分解帯Bからの熱分
解ガスによって乾燥される。さらに乾燥後の廃棄物は下
降して、前記熱分解帯Bに於いて前記乾燥後の廃棄物に
含まれる有機物が下方の燃焼溶融帯Cからの燃焼排ガス
によって熱分解され、発生した熱分解ガスは、前記乾燥
帯Aを経て前記煙道7に流出する。前記熱分解帯Bで
は、供給された局部燃焼用ガスにより、前記熱分解帯B
に於いて廃棄物中の有機物等の可燃物を局部燃焼させる
ため、前記乾燥帯Aを通過するがガスの温度が上昇して
廃棄物Wの乾燥・熱分解を促進する。前記熱分解帯Bで
熱分解した後の廃棄物の熱分解残渣は、さらに降下して
前記燃焼溶融帯Cに於いて前記羽口2から吹き込まれた
燃焼用ガスと接触して燃焼し、その燃焼熱によって、前
記熱分解残渣の燃焼後の主として灰及び無機物からなる
燃焼残渣が前記スラグ溶融部Pで溶融処理される。前記
熱分解ガスと局部燃焼による乾燥・熱分解の促進によっ
て、前記炉本体1の底部の広がりにより、前記燃焼溶融
帯Cに於ける熱拡散に伴っての温度低下が生じても、前
記燃焼溶融帯Cへの廃棄物の供給が維持され、且つ、局
部燃焼の結果燃焼が容易になり、前記燃焼溶融帯Cに於
ける温度を高く維持し、熱分解残渣の燃焼を満足に維持
出来るようになった。上記局部燃焼を維持するために、
前記第2の羽口3から吹き込む局部燃焼用ガスの供給量
は、前記廃棄物装入部1bから投入された廃棄物Wに対
する理論酸素量の30%〜35%に相当する量に制御さ
れる。これは、前記理論酸素量の30%未満に相当する
局部燃焼用ガス量の場合には、前記炉本体1からの出口
ガス温度が低く、且つ、前記乾燥帯Aに於ける廃棄物の
乾燥促進が不十分になり易いからである。また、前記羽
口2からは、燃焼用ガスとして酸素又は酸素富化空気
が、前記廃棄物装入部1bから投入された廃棄物Wに対
する理論酸素量の約40%に相当する量に制御しつつ、
前記燃焼溶融帯Cのスラグ溶融部Pの表面に向けて、且
つ、スラグ排出部4の前記スラグ取出口4aに向けて吹
き込まれる。つまり、乾燥・熱分解後の廃棄物の燃焼溶
融は、装入廃棄物量に対する理論酸素量の約40%の空
気消費で行われる。廃棄物Wを完全に燃焼するに必要な
残りの酸素消費量相当分は可燃性ガスとして煙道7から
排出される。また、前記羽口2から前記スラグ取出口4
a寄りにに偏向させて、偏向位置Rに向けて燃焼用ガス
を吹き込むのは、前記スラグ取出口4a付近の燃焼を促
進して、煙道7への吸引によって前記スラグ排出部4か
ら吸引される外気によって冷却され易い前記スラグ取出
口4a付近の溶融スラグの温度を高温に維持し、前記ス
ラグ排出部4へのスラグの流出を円滑化するのが目的で
ある。上記のように前記羽口2を配置したことによっ
て、前記炉本体1を、棚吊りを防止する目的から、炉壁
1aが裾広がりになるように、逆円錐状に形成してある
ために、スラグ溶融部Pの表面積が大きくなって、放熱
量が増加するにも拘わらず、前記燃焼溶融帯Cの温度低
下を抑制することが可能になり、補助燃料を供給しない
でも安定した熱分解残渣の燃焼・溶融を維持することを
可能としているのである。前記煙道7は、前記乾燥帯A
と前記熱分解帯Bとの境界の上側、つまり、投入された
廃棄物Wの上面より低い位置の前記廃棄物熱分解溶融炉
Fの炉本体1の炉壁1aに、周方向に複数設けられた排
気口7aを取り巻く環状ダクト7bに連結されている。
前記排気口7aを前記上面より低い位置に開口させるこ
とによって、前記排気口7aの上方の廃棄物Wの通気抵
抗によって、前記廃棄物Wの上面上の空間からの煙道7
へのガスの吸引を防止するようにしてある。従って、前
記炉本体1内の前記廃棄物Wの上面上方空間からの前記
廃棄物装入部1bから吸引されたガスの前記煙道7への
導入に対する抵抗がさらに生じ、従来の廃棄物熱分解溶
融炉の有する問題点となっていた、前記上面上方空間か
らのガスによって排気ガスが希釈されたり冷却されるこ
とを防止出来る。また、前記乾燥帯Aの廃棄物W層がフ
ィルタの作用を果たし、前記廃棄物Wの上面上の空間に
浮遊する生ゴミが前記煙道7に吸入されて、従来の廃棄
物熱分解溶融炉に於ける問題点である、前記煙道7内へ
のゴミの飛散や、堆積等の障害の発生をも防止出来るの
である。
【0008】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。 〈1〉上記実施の形態においては、炉本体1が、その炉
壁1aを裾広がりに形成してある例を示したが、前記炉
本体1の形状はこれに限られるものではなく、前記炉壁
1aを鉛直に形成してあってもよく、一例として円筒状
の炉形状であってもよい。尚、本発明の両羽口2,3の
構成は、下方の窄まった形状の炉に対しても有効に作用
効果を奏するものである。 〈2〉上記実施の形態においては、前記羽口2を、スラ
グ溶融部Pの内部での液中燃焼を促進するために、やや
下方に向けて夫々配置されている例を示したが、前記羽
口2からの酸素富化空気を前記燃焼溶融帯C内の前記ス
ラグ取出口4a上方の燃焼領域に吹き込むようにしてあ
ってもよい。前記燃焼領域に於ける燃焼を促進すること
によって、前記スラグ取出口4a付近のスラグ溶融部P
の温度を維持するように液中燃焼するようにしてあって
もよい。 〈3〉上記実施の形態においては、前記羽口2の一部
を、前記スラグ取出口4aに偏向させて、前記偏向位置
Rに向けて配置する例を示したが、図3に示すように、
前記羽口2を全て前記偏向位置Rに向けて配置するよう
にしてもよい。 〈4〉上記実施の形態及び、上記〈2〉〈3〉以外に、
図4に示すように、前記羽口2の一部を前記表面中心部
Qから前記スラグ取出口4aに至る線上に向けて吹き込
み方向を分散して配置してあってもよい。 〈5〉前記羽口2に燃焼用ガスを供給するのに、前記第
1の風箱5を、前記炉本体1の周囲を巻くように設けた
例を示したが、前記第1の風箱5は、燃焼用ガス供給源
に直接前記羽口2を連結することで省略されたものでも
よい。 〈6〉前記第2の羽口3に局部燃焼用ガスを供給するの
に、前記第2の風箱6を、前記炉本体1の周囲を巻くよ
うに設けた例を示したが、前記第2の風箱6は、局部燃
焼用ガス供給源に直接前記第2の羽口3を連結すること
で省略されたものでもよい。また、前記第2の羽口3
は、前記乾燥帯Aの側方の炉壁1aに配置してあっても
よく、前記熱分解帯Bの内部に向けてあってもよく、前
記乾燥帯Aの内部に向けてあってもよい。 〈7〉上記実施の形態においては、煙道7が前記乾燥帯
Aと前記熱分解帯1bとの境界の上側の炉壁に、周方向
に複数設けられた排気口7aを取り巻く環状ダクト7b
に連結されている例を示したが、前記排気口7aは一箇
所に設けられた単一のものであってもよく、また、前記
環状ダクト7bが設けられてなくてもよい。要するに、
前記炉本体1からの廃ガスが前記廃棄物Wの上面より低
い位置から導出されるように構成されてあればよい。つ
まり、前記排気口7aは、前記乾燥帯Aの領域内に設け
られてあればよく、前記排気口7aから直接前記廃棄物
Wの上面上の空間から廃棄物Wの層内を経ずに直接ガス
が吸引されなければよい。尚、前記排気口7aを前記熱
分解帯1bに設けないのは、前記排気口7aより上には
排ガスが通過し難くなって、前記乾燥帯A内の廃棄物W
の乾燥が不十分になり易いからである。
【0009】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物熱分解溶融炉を適用した廃棄物
処理装置の一例の説明図
【図2】本発明に於ける燃焼用羽口の配置方向の一例を
示す要部平断面図
【図3】本発明に於ける燃焼用羽口の配置方向の他の例
を示す要部平断面図
【図4】本発明に於ける燃焼用羽口の配置方向の他の例
を示す要部縦断面図
【図5】従来の廃棄物熱分解溶融炉を適用した廃棄物処
理装置の一例の説明図
【符号の説明】
1 廃棄物熱分解溶融炉の炉本体 1a 廃棄物熱分解溶融炉の炉壁 2 羽口 3 第2の羽口 4a スラグ取出口 A 乾燥帯 B 熱分解帯 C 燃焼溶融帯 P スラグ溶融部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 充彦 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入された廃棄物を乾燥する乾燥帯
    (A)と、前記乾燥帯(A)で乾燥された廃棄物を熱分
    解する熱分解帯(B)と、前記熱分解帯(B)で熱分解
    された廃棄物を燃焼溶融する燃焼溶融帯(C)を順次上
    下方向に形成し、炉壁(1a)の周囲に亘って前記燃焼
    溶融帯(C)に燃焼用ガスを吹き込む複数の羽口(2)
    を配置してある炉本体(1)を備えてなる廃棄物熱分解
    溶融炉であって、 前記乾燥帯(A)の下方の前記炉壁(1a)を、裾拡が
    り又は鉛直に形成するとともに、前記燃焼溶融帯(C)
    の上方の位置に、第2の羽口(3)を備えて、前記燃焼
    溶融帯(C)より上部の廃棄物の熱分解・乾燥の効果を
    発揮させるために、局部燃焼用ガスを吹き込み可能に構
    成してある廃棄物熱分解溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記羽口(2)を、前記燃焼溶融帯
    (C)のスラグ溶融部(P)の流下部表面に向けて配置
    するとともに、少なくとも前記羽口(2)の一部を、前
    記炉本体(1)の下部の炉壁(1a)に備えるスラグ取
    出口(4a)寄りに偏向させて配置してある請求項1記
    載の廃棄物熱分解溶融炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136762A (ja) * 2010-12-28 2012-07-19 Kubota Corp シャフト炉およびこれを用いた銑鉄溶湯の製造方法

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