JPH11118126A - 廃棄物熱分解溶融炉 - Google Patents

廃棄物熱分解溶融炉

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JPH11118126A
JPH11118126A JP28000297A JP28000297A JPH11118126A JP H11118126 A JPH11118126 A JP H11118126A JP 28000297 A JP28000297 A JP 28000297A JP 28000297 A JP28000297 A JP 28000297A JP H11118126 A JPH11118126 A JP H11118126A
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JP
Japan
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combustion
waste
furnace
zone
melting
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Application number
JP28000297A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Yamagata
昌継 山縣
Nobuhiko Tanaka
暢彦 田中
Michihiko Kamata
充彦 鎌田
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Kubota Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Kubota Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラグの凝固や廃棄物の燃焼不良を抑制し、
安定した廃棄物熱分解溶融炉の炉操業を可能とするこ
と。 【解決手段】 投入された廃棄物を乾燥する乾燥帯A
と、前記乾燥帯Aで乾燥された廃棄物を熱分解する熱分
解帯Bと、前記熱分解帯Bで熱分解された廃棄物を燃焼
溶融する燃焼溶融帯Cを順次上下方向に形成し、炉壁の
周囲に亘って前記燃焼溶融帯Cに、燃焼用流体を吹き込
む複数の燃焼用流体供給口2を設けてガス供給機構を形
成してある炉本体1を備え、前記燃焼用流体の供給幅
が、鉛直方向よりも水平方向に大きくなるように、前記
燃焼用流体供給口2を形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物熱分解溶融
炉に関し、詳しくは、投入された廃棄物を乾燥する乾燥
帯と、前記乾燥帯で乾燥された廃棄物を熱分解する熱分
解帯と、前記熱分解帯で熱分解された廃棄物を燃焼溶融
する燃焼溶融帯を順次上下方向に配し、炉壁の周囲に亘
って前記燃焼溶融帯に酸素、酸素含有ガス等の燃焼用ガ
スを吹き込む複数の羽口を配置してある炉本体を備えて
なる廃棄物熱分解溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の廃棄物熱分解溶融炉の一例として
ゴミ熱分解溶融炉を適用した廃棄物熱分解溶融処理設備
を以下に示す。ゴミ熱分解溶融炉Fの炉本体1は、その
炉壁1aを鉛直に形成してあり、その炉本体1の上部に
廃棄物装入部1bを備えており、前記炉本体1に、前記
廃棄物装入部1bから投入された廃棄物Wを乾燥する乾
燥帯Aと、前記乾燥帯Aで乾燥された廃棄物を熱分解す
る熱分解帯Bと、前記熱分解帯Bで熱分解された廃棄物
を燃焼溶融する燃焼溶融帯Cを順次上下方向に形成して
あり、さらに、前記炉本体1の下部に、前記燃焼溶融帯
Cに燃焼用ガスを吹き込むための、前記炉本体1の炉壁
1aの周囲に亘って前記燃焼溶融帯Cの炉床表面の中心
部に向けて配置された複数の羽口2を備えたものが用い
られている。さらに、炉本体1の上部には、前記乾燥帯
Aの上方に排気口7aを設けて、炉内での発生ガスを導
出するための煙道7が連結されている。また、炉本体1
内の底部には、前記燃焼溶融帯Cに降下した熱分解後の
廃棄物の熱分解残渣が溶融して溶融スラグが生成したス
ラグ溶融部Pが形成されており、そのスラグ溶融部Pか
ら溶融スラグを排出するためのスラグ排出部4が、前記
炉本体1の下部に前記炉壁1aにスラグ取出口4aを形
成して設けられている。前記廃棄物装入部1bには、廃
棄物投入手段22が設けられており、前記廃棄物投入手
段22は、ゴミホッパ22bと、そのゴミホッパ22b
から投入された廃棄物Wを炉内に投入する、前記ゴミホ
ッパ22bの下部に設けられたプッシャ22aとで構成
されている。
【0003】廃棄物収集車の収集した廃棄物Wとしての
都市ゴミは、一旦ゴミピット20に貯留された後、ゴミ
クレーン21によって掴み上げて、廃棄物投入手段22
のゴミホッパ22bから投入され、プッシャ22aに押
し出されて前記廃棄物装入部1bを経て炉内の前記乾燥
帯Aの上部表面上に投入される。投入されたゴミは、下
方の前記熱分解帯Bから上昇する約400℃〜500℃
の熱分解生成ガスに接触して乾燥する。前記熱分解帯B
での熱分解が進むにつれて、下部での燃焼溶融に伴う減
容効果とあいまって前記熱分解帯B以下のゴミの容積が
減少するので、前記乾燥帯A内のゴミは次第に下降し、
前記熱分解帯Bに至る。前記熱分解帯Bに降下した乾燥
後のゴミは、下方の前記燃焼溶融帯Cから上昇する約5
00℃〜1100℃の燃焼排ガスに接して加熱され、熱
分解する。前記燃焼溶融帯Cでの前記熱分解帯Bから下
降した熱分解残渣の燃焼と、その燃焼残渣の溶融によ
る、前記燃焼溶融帯C内の前記熱分解残渣の減容に伴っ
て、前記熱分解帯B内の熱分解残渣は次第に下降し、前
記燃焼溶融帯Cに至る。前記熱分解残渣が前記燃焼溶融
帯Cに降下すると、図7に示すように羽口2から供給さ
れる予熱された燃焼用ガスに接し、燃焼を開始する。さ
らに、その時の高温の燃焼熱によって、燃焼残渣である
灰が溶融し、前記炉本体1の底部に形成したスラグ溶融
部Pに流下する。前記スラグ溶融部Pの下部に流下した
溶融スラグは、前記スラグ取出口4aからスラグ排出部
4に排出される。
【0004】しかしながら、ゴミ質が変動し、含水率の
多い難燃性の廃棄物Wが投入された場合には、前記乾燥
帯Aに於ける乾燥が不十分なまま前記熱分解帯Bに下降
し、残存水分の影響で熱分解が不十分なまま前記燃焼溶
融帯Cに下降し、前記燃焼溶融帯Pに於ける燃焼発熱量
に不足を来す事がある。このような場合、炉の処理能力
を低下させないために、炉内における前記燃焼溶融帯C
の羽口2に燃料を供給する燃料供給口をともに設けて、
その燃焼発熱量の不足を補うための補助燃料を供給する
ことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の廃棄物熱分
解溶融炉においては、補助燃料を供給し、燃焼発熱量を
補給する場合にも、前記羽口同士の間の炉壁に面する廃
棄物は、前記補助燃料の供給による燃焼発熱量の供給を
受けにくい。そのため、前記スラグ溶融部では、前記燃
焼溶融帯では、廃棄物の燃焼不良が発生してしまうこと
がある。すると、スラグの取り出しが困難になるばかり
でなく、廃棄物が燃焼不良を起こすことがあり、溶融が
不充分なスラグや、燃焼不良によって炉内に蓄積されて
しまう廃棄物が、炉内で滞留するという問題点が生じや
すかった。廃棄物が滞留すると、前記熱分解帯や燃焼溶
融帯で廃棄物がブリッジを形成して、次第に上部から下
方に供給されるべき廃棄物をせき止める事になりかね
ず、前記燃焼溶融帯に、溶融に必要な熱源としての廃棄
物が無くなり、廃棄物を処理する炉作業が円滑に行われ
なくなる虞があった。
【0006】さらには、前記燃焼溶融帯においては、前
記羽口同士の間の炉壁に面する廃棄物にあっては、酸素
不足による燃焼不良も懸念されるところであり、同様に
上記問題点が発生する虞があった。
【0007】そこで、本発明の廃棄物熱分解溶融炉は、
スラグの凝固や廃棄物の燃焼不良を抑制し、安定した廃
棄物熱分解溶融炉の円滑な炉操業を可能とすることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の廃棄物熱分解溶融炉の特徴構成は、投入され
た廃棄物を乾燥する乾燥帯と、前記乾燥帯で乾燥された
廃棄物を熱分解する熱分解帯と、前記熱分解帯で熱分解
された廃棄物を燃焼溶融する燃焼溶融帯を順次上下方向
に形成し、炉壁の周囲に亘って前記燃焼溶融帯に、燃焼
用流体を吹き込む複数の燃焼用流体供給口を設けてガス
供給機構を形成してある炉本体を備え、前記燃焼用流体
の供給幅が、鉛直方向よりも水平方向に大きくなるよう
に、前記燃焼用流体供給口を形成してある点にあり、前
記燃焼用流体供給口が、燃料ガスを吐出する燃料ガス供
給管を覆って酸素含有ガスを吐出する酸素含有ガス供給
管を設けて形成した二重構造であり、前記燃料ガスを吐
出する範囲を、垂直方向よりも水平方向に大に形成して
ある事が好ましく、さらに、上述の場合、前記燃料ガス
供給管のガス吐出端側が、縦断面視で垂直方向よりも水
平方向に幅広に形成してあることが望ましい。
【0009】尚、本発明にいう燃焼用流体とは、酸素含
有ガス、酸素含有ガスに種々の燃料を混入した燃料流
体、あるいは、燃料流体を指し、炉内の廃棄物が燃焼す
るのを補助することのできる流体一般を意味する。ま
た、ここでいう燃料とは、可燃性ガス、液体燃料等の流
体燃料及び微粉炭等の固体燃料を含み、燃料流体という
場合には、前記流体燃料に加えて、燃料を流体に分散さ
せ、流動化させたもの(例えば、前記酸素含有ガスに燃
料を分散させ噴霧可能に流動化したもの)を含むものと
する。
【0010】〔作用効果〕つまり、前記炉本体に廃棄物
を投入すると、投入された廃棄物は、炉内を降下しつ
つ、乾燥帯で乾燥され、熱分解帯で熱分解され、燃焼溶
融帯に至る。そして、燃焼溶融帯に達した廃棄物は、炉
壁に設けた燃焼用流体供給口から供給される燃焼用流体
を受けて、更に燃焼して下方に降下しようとする。この
とき、前記廃棄物は、廃棄物自体の燃焼熱や、燃焼用流
体の供給熱を受けて溶融しようとする。ここで、従来
は、前記燃焼用流体供給口同士の間の炉壁に面する廃棄
物は、通常、燃焼用流体の供給を受けにくいのである
が、前記燃焼用流体の供給幅が、鉛直方向よりも水平方
向に大きくなるように、前記燃焼用流体供給口を形成し
てあれば、前記炉本体の横断面視で、燃焼用流体供給口
1つあたりの燃焼用流体供給範囲が広くできるため、同
じ燃焼用流体吐出量で比較すると、前記炉本体の前記燃
焼溶融帯の周囲の炉壁に過剰に前記燃焼用流体供給口を
設けるのに比べ、燃焼溶融帯の広い範囲にわたって、燃
焼用流体を供給することができる。そのため、燃焼用流
体を吐出させる構造を変更させるだけで、安価かつ確実
に炉内に燃焼用流体を広範囲にわたって供給させること
が可能となる。その結果、前記燃焼溶融帯に降下した廃
棄物は、前記燃焼用流体により燃焼の補助を受けやすく
なるため、良好に燃焼しやすくなり、燃焼熱量の不足
や、酸素の不足に基づく燃焼不良を解消でき、その結
果、炉内での廃棄物の滞留を防止してブリッジの形成を
抑制するなど、廃棄物を処理する炉作業を円滑に行うこ
とが出来るようになった。
【0011】また、上述の構成において、前記燃焼用流
体供給口が、燃料ガスを吐出する燃料ガス供給管を覆っ
て酸素含有ガスを吐出する酸素含有ガス供給管を設けて
形成した二重構造であれば、燃料ガスと酸素との混合を
行いやすくなるため、前記燃料ガスの燃焼熱によって、
燃焼しにくい廃棄物であっても、その燃焼を促進するこ
とができる。しかも、前記燃料ガスを吐出する範囲を、
垂直方向よりも水平方向に大に形成してあれば、前記炉
本体の横断面視で、前記燃料ガスの燃焼による炎が、溶
融すべき廃棄物の広い範囲に供給されるから、前記廃棄
物のうち燃焼溶融帯の炉壁近くにある廃棄物が、特に燃
焼しにくいものであったとしても、効率よく燃焼させる
ことが可能となる。
【0012】さらに、上述の場合、前記燃料ガス供給管
のガス吐出端側が、縦断面視で垂直方向よりも水平方向
に幅広に形成してあると、前記燃料ガスがガス吐出端で
水平方向に広がって吐出されるとともに、水平方向に幅
広い炎が形成されるので容易に燃料ガスを吐出する範囲
を、垂直方向よりも水平方向に大に形成できるので、既
存の構造に対して簡単な構造的改良を加えるだけで、廃
棄物を溶融処理する作業を円滑に行うことが出来るよう
になって、新規な廃棄物熱分解溶融炉を設ける場合のみ
ならず、既存の廃棄物熱分解溶融炉を改良する場合であ
っても、効率よく廃棄物の処理を行えるものを安価に提
供することができるようになった。なお、新規な廃棄物
熱分解溶融炉を設ける場合には、燃焼用流体供給口を、
従来設けられるべき羽口よりも少ない数としても、廃棄
物が上下方向に十分円滑に流れるため効率よい炉作業が
行えるようになって、燃焼用流体供給口にかかる設備費
等の節約にもつながる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記本発明の廃棄物熱分解溶融炉
及びその操業方法の実施の形態の一例について、以下
に、図面を参照しながら説明する。本発明の廃棄物熱分
解溶融炉を適用する一実施形態としての廃棄物溶融処理
装置には、図1に示すように、ゴミピット20と、前記
ゴミピット20からのゴミの供給を受ける廃棄物熱分解
溶融炉Fと、前記廃棄物熱分解溶融炉Fにおける発生ガ
スを導出する煙道7と、前記煙道7に備られた、前記発
生ガスを燃焼させるボイラ付燃焼室23と、前記ボイラ
付燃焼室23からの廃ガスを除塵するバグフィルタ24
と、前記ボイラ付燃焼室23により生成された蒸気によ
り発電する発電装置25等を設けて構成してある。
【0014】前記廃棄物熱分解溶融炉Fには、廃棄物W
として収集された生ゴミを受け入れるための廃棄物投入
手段22を備え、各家庭等で発生し、ゴミ収集車により
収集された生ゴミWは、一旦ゴミピット20に投入さ
れ、前記ゴミピット20に貯留された後、前記廃棄物投
入手段22から前記炉本体1内に投入される。
【0015】前記廃棄物投入手段22は、前記生ゴミW
を受け入れるゴミホッパ22bと、前記ゴミホッパ22
bの下部に設けられた、前記ゴミホッパ22bに投入さ
れた生ゴミWを炉内に投入するプッシャ22aとで構成
されている。
【0016】本発明の廃棄物熱分解溶融炉Fには、前記
炉本体1に備える廃棄物装入部1bから投入された廃棄
物Wを乾燥、熱分解、燃焼・溶融すべく、乾燥帯Aと、
熱分解帯Bと、燃焼溶融帯Cとを順次上下方向に炉内に
形成されており、前記燃焼溶融帯Cの下方には、燃焼溶
融帯Cでの燃焼残渣を溶融処理するスラグ溶融部Pを形
成してあるとともに、溶融されたスラグを取出し、処理
するためのスラグ取出口4aを設けてある。尚、前記燃
焼溶融帯Cには、炉壁1aの周囲に亘って、燃焼用流体
(具体的には燃料ガス及び空気)を吹き込む複数の燃焼
用流体供給口2を設けて燃焼用流体供給機構Dを形成し
てある。
【0017】前記炉本体1は、前記乾燥帯Aの下方を、
下方に向かって炉内断面積が拡大するように、つまり、
炉壁1aが裾広がりになるように、円錐状に形成してあ
る。前記炉本体1の前記熱分解帯B付近の炉壁1aに、
周方向に複数設けられた排気口7aを取り巻く環状ダク
ト7bに連結されている。さらに、前記環状ダクト7b
に煙道7が連結されている。
【0018】ところで、前記炉本体1は、上述のように
円錐状に形成してあるために、溶融炉内の廃棄物は下方
に落下しやすく、ブリッジが形成されにくくなってい
る。
【0019】また、前記煙道7は、前記乾燥帯Aと前記
熱分解帯Bとの境界の上側、つまり、投入された廃棄物
Wの上面より低い位置の前記廃棄物熱分解溶融炉Fの炉
本体1の炉壁1aに、周方向に複数設けられた排気口7
aを取り巻く環状ダクト7bに連結されている。前記排
気口7aが前記廃棄物Wの上面より低い位置に開口させ
ることによって、前記排気口7aの上方の廃棄物Wが通
気抵抗になって、前記廃棄物Wの上方の空間からの煙道
7へのガスの吸引が抑制されるので、前記排気口7aで
は、下方から上昇する熱分解ガスを効率よく吸引するこ
とができる。そのため、廃棄物投入側からのガスによっ
て、排気ガスが希釈、冷却されることを防ぎ、前記ガス
のカロリーの低下もしくは爆発等のトラブルが生ずると
いう従来の問題点を抑制することもできる。
【0020】また、前記排気口7aの上方の廃棄物W
は、前記廃棄物Wの上方の空間に浮遊する生ゴミが前記
煙道7に吸入されるのを防止するフィルタの作用を果た
す。そのため、前記煙道7内へのゴミの飛散や、堆積等
を防止でき、従来問題とされていた、排気の障害の発生
なども防止出来る。
【0021】図2に示すように、前記炉本体1の炉壁1
aに、周方向に亘って、前記燃焼溶融帯Cに空気及び燃
料ガスからなる燃焼用流体を吹き込むべく燃焼用流体供
給口2を複数設けてある。前記燃焼用流体供給口2は、
前記炉本体1の底部に形成されるスラグ溶融部Pの溶融
スラグの表面中心部Qに向けて配置してあり、やや下方
に向けて夫々配置してある。
【0022】前記燃焼用流体供給口2は、図2〜4に示
すように、夫々前記炉本体1の周囲を巻く第1の風箱5
から炉内に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管2a、及
び、第二の風箱6から炉内に空気を供給する酸素含有ガ
ス供給管2bとからなり、前記燃料ガス供給管2aを覆
って前記酸素含有ガス供給管2bを設けて形成した二重
構造にしてあり、これら両供給管2a,2bにより前記
燃焼用流体を供給可能にして前記燃焼用流体供給機構D
を構成してある。前記燃焼用流体の供給量は、前記風箱
に供給するガス圧を可変にすることによって、前記燃焼
溶融帯Cにおける燃焼状態に応じて、或いは廃棄物熱分
解残渣の質に応じて可変にしてあり、前記スラグ溶融部
Pの温度が異常に降下した場合には供給する燃焼用流体
量を増加させ、燃焼溶融を促進させられるように構成し
てある。
【0023】また、前記燃料ガスを吐出する範囲は、垂
直方向よりも水平方向に大に形成してある。すなわち図
3に示す構成によれば、前記燃料ガス供給管のガス吐出
端側が、縦断面視で垂直方向よりも水平方向に幅広に形
成してある(a1>a2)。これにより、前記燃焼用流
体の供給幅は、鉛直方向よりも水平方向に大きくなる
(b1>b2)ように、前記燃焼用流体供給口2が形成
される。すなわち炉壁近傍の廃棄物に対しても十分な燃
焼用流体の供給が行えることになる。
【0024】尚、上述のように前記スラグ溶融部Pの表
面積を大きく確保することにより、放熱量が増加するが
溶融炉内を降下する廃棄物の流れが円滑化するため、前
記炉内で廃棄物がブリッジを生ずる等のトラブルが低減
するため、安定した熱分解残渣の燃焼・溶融を維持する
ことを可能としているのである。
【0025】前記ボイラ付燃焼室23は、燃焼器23a
を備えた燃焼室23bに水管23cを配して構成してあ
り、前記廃棄物熱分解溶融炉Fにおいて発生した可燃性
ガスが、前記廃棄物熱分解溶融炉Fと前記燃焼器23a
の間に形成された煙道7を介して供給され、前記燃焼器
23aから前記燃焼室23bに供給され、前記燃焼器2
3aで燃焼して発生した高温の燃焼ガスは、前記水管2
3cと接触し、熱交換された後に誘引送風機により誘引
されてエコノマイザ27を経てバグフィルタ24等の排
ガス処理装置を介して煙突26から排気される。前記ボ
イラ付燃焼室23で生成された蒸気は、発電機を駆動す
る蒸気タービンを備えた発電装置25に安定的に供給さ
れ、前記発電装置25で発電された電力が廃棄物溶融処
理装置の稼働用の電力として使用され、余剰電力は外部
に供給される。
【0026】この廃棄物熱分解溶融炉によれば、前記廃
棄物装入部1bから投入された廃棄物Wは、前記乾燥帯
Aに於いて下方の熱分解帯Bからの熱分解ガス等によっ
て乾燥される。乾燥後の廃棄物はさらに下降するととも
に、前記熱分解帯Bに達し、前記乾燥後の廃棄物に含ま
れる有機物は、下方の燃焼溶融帯Cからの燃焼排ガスの
熱によって分解されるとともに熱分解ガスが発生する。
発生した熱分解ガスは、前記乾燥帯Aを経て前記廃棄物
Wを乾燥させつつ前記煙道7に流出する。前記熱分解帯
Bで熱分解した後の廃棄物の熱分解残渣は、さらに降下
して前記燃焼溶融帯Cに達する。前記燃焼溶融帯Cで
は、前記熱分解残渣が前記燃焼用流体供給口2から吹き
込まれた燃焼用流体と接触して燃焼する。その燃焼によ
って、前記熱分解残渣は主として灰及び無機物からなる
燃焼残渣となり、前記スラグ溶融部Pで溶融処理される
一方、燃焼により発生した熱は前記熱分解帯Bでの熱分
解の促進に利用されることになる。
【0027】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。 〈1〉上記実施の形態においては、炉本体1が、その炉
壁1aを裾広がりに形成してある例を示したが、前記炉
本体1の形状はこれに限られるものではなく、前記炉壁
1aを鉛直に形成してあってもよく、一例として円筒状
の炉形状であってもよい。尚、本発明の燃焼用流体供給
口2の構成は、下方の窄まった形状の炉に対しても有効
に作用効果を奏するものである。
【0028】〈2〉上記実施の形態においては、前記燃
焼用流体供給口2を、スラグ溶融部Pの内部への酸素吹
込み燃焼を行なうために、やや下方に向けて夫々配置さ
れている例を示したが、前記燃焼用流体供給口2からの
酸素富化空気を前記燃焼溶融帯C内の前記スラグ取出口
4a上方の燃焼領域に吹き込むようにしてあってもよ
い。前記燃焼領域に於ける燃焼を促進することによっ
て、前記スラグ取出口4a付近のスラグ溶融部Pの温度
を維持するように溶湯中への酸素吹込み燃焼するように
してあってもよい。
【0029】〈3〉また、前記燃焼用流体供給口2から
前記スラグ取出口4a寄りにに偏向させて、偏向位置R
に向けて燃焼用ガスを吹き込んでもよく、このようにす
ると、前記スラグ取出口4a付近の燃焼を促進して、煙
道7への吸引によって前記スラグ排出部4から吸引され
る外気によって冷却され易い前記スラグ取出口4a付近
の溶融スラグの温度を高温に維持し、前記スラグ排出部
4へのスラグの流出を円滑化するのことができる。
【0030】〈4〉前記燃焼用流体供給口2に燃焼用ガ
スを供給するのに、前記第1の風箱5を、前記炉本体1
の周囲を巻くように設けた例を示したが、前記第1の風
箱5は、燃焼用ガス供給源に直接前記燃焼用流体供給口
2を構成する管を連結することで省略されたものでもよ
い。
【0031】〈5〉上記実施の形態においては、煙道7
が前記乾燥帯Aと前記熱分解帯1bとの境界の上側の炉
壁に、周方向に複数設けられた排気口7aを取り巻く環
状ダクト7bに連結されている例を示したが、要する
に、前記炉本体1からの廃ガスが前記廃棄物Wの上面よ
り低い位置から円周に均一に導出されるように構成され
てあればよい。つまり、前記排気口7aは、前記乾燥帯
Aの領域内に設けられてあればよく、前記排気口7aか
ら直接前記廃棄物Wの上面上の空間から廃棄物Wの層内
を経ずに直接ガスが吸引されなければよい。尚、前記排
気口7aを前記熱分解帯1bに設けないのは、前記排気
口7aより上には排ガスが通過し難くなって、前記乾燥
帯A内の廃棄物Wの乾燥が不十分になり易いからであ
る。
【0032】〈6〉前記燃焼用流体供給口2の形状は、
先述のものに限らず、図5〜6に示すように構成してあ
っても良い。つまり、図5のように、燃料ガス供給管2
a及び酸素含有ガス供給管2bをともに流体吐出端側の
みでなく全体的に扁平に形成してあってもよく、前記さ
らには、燃料ガス供給管2aのみを扁平な構造としてあ
っても良い。外観形状についても、楕円あるいは長円に
替えて長方形状であっても良い。また、図6に示すよう
に、一つの酸素含有ガス供給管を、そのガス吐出端側が
扁平になるように形成するとともに、その酸素含有ガス
供給管に対して、複数の燃料ガス供給管を、前記ガス吐
出端側の長手方向に複数並設した形状であっても良い。
また、複数のガス供給管を並設する場合にその先端部同
士を離間させておき、ガス供給間の先端部においてガス
吐出範囲をより偏平に形成することも可能である。ここ
で、各図においてa1,a2が「燃料ガスを吐出する範
囲」、b1,b2が「燃料供給幅」に相当するものであ
り、本発明の目的とするところが、b1>b2となるよ
うにa1,a2を設定することにより、スラグの溶融温
度を炉本体の断面視で均一に設定しやすくすることにあ
り、同様にb1>b2となるa1,a2の設定を採用す
ることができるのはいうまでもない。 〈7〉さらにいえば、燃料ガスと、酸素含有ガスとを炉
内への吐出端側で混合する構成に替え、あらかじめ混合
しておき、炉内に吐出する構成のガス供給機構であって
も良い。このような場合、燃焼用流体とは、燃料ガスと
酸素含有ガスとの混合ガスを指すものとし、先述の場合
には、燃料ガス、酸素含有ガスのそれぞれを燃焼用流体
と称する。尚、燃焼用流体としては、燃料ガス、酸素含
有ガスの一方のみである場合も許容し、廃棄物の燃焼を
補助するものであればよいものとする。また、燃焼用ガ
スを吐出する構成に替えて燃料に液体燃料を噴霧自在に
構成しても良く、微粉状の燃料を燃焼させつつ吐出する
構成でも良く、燃料の選択についても種々の変更が可能
である。
【0033】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物熱分解溶融炉を適用した廃棄物
処理装置の一例の説明図
【図2】廃棄物熱分解溶融炉の燃焼溶融帯における横断
平面図
【図3】燃焼用流体供給口の斜視図
【図4】燃焼用流体供給口の縦断側面図
【図5】別の実施の形態に示した燃焼用流体供給口の斜
視図
【図6】別の実施の形態に示した燃焼用流体供給口の斜
視図
【図7】従来の廃棄物熱分解溶融炉の燃焼溶融帯におけ
る横断平面図
【符号の説明】
1 炉本体 1a 炉壁 2 燃焼用流体供給口 4a スラグ取出口 A 乾燥帯 B 熱分解帯 C 燃焼溶融帯 P スラグ溶融部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 充彦 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入された廃棄物を乾燥する乾燥帯
    (A)と、 前記乾燥帯(A)で乾燥された廃棄物を熱分解する熱分
    解帯(B)と、 前記熱分解帯(B)で熱分解された廃棄物を燃焼溶融す
    る燃焼溶融帯(C)を順次上下方向に形成し、 炉壁(1a)の周囲に亘って前記燃焼溶融帯(C)に、
    燃焼用流体を吹き込む複数の燃焼用流体供給口(2)を
    設けて燃料用流体供給機構を形成してある炉本体(1)
    を備えてなる廃棄物熱分解溶融炉であって、 前記燃焼用流体の供給幅が、鉛直方向よりも水平方向に
    大きくなるように、前記燃焼用流体供給口を形成してあ
    る廃棄物熱分解溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記燃焼用流体供給口(2)が、燃料ガ
    スを吐出する燃料ガス供給管(2a)を覆って酸素含有
    ガスを吐出する酸素含有ガス供給管(2b)を設けて形
    成した二重構造であり、前記燃料ガスを吐出する範囲
    を、垂直方向よりも水平方向に大に形成してある請求項
    1に記載の廃棄物熱分解溶融炉。
  3. 【請求項3】 前記燃料ガス供給管(2a)のガス吐出
    端側が、縦断面視で垂直方向よりも水平方向に幅広に形
    成してある請求項2に記載の廃棄物熱分解溶融炉。
JP28000297A 1997-10-14 1997-10-14 廃棄物熱分解溶融炉 Pending JPH11118126A (ja)

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