JP4760985B2 - 高炉操業方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、RAR(Reduction
Agent Ratio:銑鉄1t製造当たりの、吹き込み燃料と炉頂から装入されるコークスの合計量)が低下すると原理的に送風量が低下し、この結果、シャフト上部においては装入物の昇温が遅れ、順調な還元が達成されなくなる。加えて、亜鉛化合物などの壁付きが助長され、風圧変動や荷下がり異常などの炉況不調を招くことが懸念される。また、炉頂温度が低下して100℃を割り込むような場合には、排ガス中の水分が配管内に凝縮する問題が生じる。
(a)酸素富化率を下げ、ガス量を増加させる(熱流比を下げ、ガス温度を上昇させる)。
(b)微粉炭などの燃料吹き込み量を増加させる(熱流比を下げ、ガス温度を上昇させる)。
(c)還元効率(シャフト効率)を下げ、還元材比を高くする。
このように、普通高炉において低RAR操業を行なう場合、通常の操業範囲内での操業条件の変更により各種炉況不調、特に炉上部の昇温不良を回避することは困難である。
しかし、純酸素送風を行う所謂酸素高炉プロセス(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)とは異なり、普通高炉プロセスで発生する高炉ガスは低発熱量であるため、燃焼炉で所望の温度まで昇温させるのが難しい場合があり、例えば、高発熱量の補助燃料を使用するなどの対策が必要になる場合がある。また、高炉ガスは低発熱量であるため、通常の燃焼炉では燃焼温度のバラツキが生じやすく、またこのため、燃焼ガス中に酸素が残り、炉内に吹き込まれた際に還元中の鉄酸化物(Fe2O3、FeO)を再酸化させてしまう問題がある。また、所定の炉内圧を有する高炉内に安定して予熱ガスを吹き込むことも難しい。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
予熱ガスをシャフト部に設けられたガス吹込部(A)から高炉内に吹き込むに当たり、ガス吹込部(A)を、先端が開放された管状の燃焼室の内壁面に、燃焼室内でガス旋回流が生じるように燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための開口を形成し、前記燃焼室の先端を高炉内部と連通させたガス燃焼・吹込装置(a)で構成し、該ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼ガスを予熱ガスとして高炉内に吹き込み、
ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室内に、CO、H 2 の1種以上を含むガスであって、燃焼ガスを希釈してガス組成またはガス組成とガス温度を調整する希釈ガスを供給することを特徴とする高炉操業方法。
予熱ガスをシャフト部に設けられたガス吹込部(A)から高炉内に吹き込むに当たり、ガス吹込部(A)を、先端が開放された管状の燃焼室の内壁面に、燃焼室内でガス旋回流が生じるように該内壁面のほぼ接線方向に燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための開口を形成し、前記燃焼室の先端を高炉内部と連通させたガス燃焼・吹込装置(a)で構成し、該ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼ガスを予熱ガスとして高炉内に吹き込み、
ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室内に、CO、H 2 の1種以上を含むガスであって、燃焼ガスを希釈してガス組成またはガス組成とガス温度を調整する希釈ガスを供給することを特徴とする高炉操業方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに高炉操業方法において、燃焼室の内壁面に形成された開口を通じて燃焼室内に燃料ガスと支燃ガスを各々供給するためのガスノズル若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを供給するためのガスノズルが、装置の軸線方向で並列した複数のノズル管で構成されたガス燃焼・吹込装置(a)を用いることを特徴とする高炉操業方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの高炉操業方法において、ガス燃焼・吹込装置(a)において、燃焼室内のガス流のスワール数Swを3〜10とすることを特徴とする高炉操業方法。
[7]上記[6]の高炉操業方法において、ガス導管がヘッダー管であり、該ヘッダー管には、炉体に形成された複数のガス吹込口が連絡管を介して接続されるとともに、ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室の先端が接続されることを特徴とする高炉操業方法。
高炉1の炉頂部から排出された高炉ガス(炉頂ガス)は、ガス清浄装置であるダストキャッチャー3でダストを除去され、同じくミストセパレータ4で水分を除去された後、炉頂ガス発電装置5に導かれ、炉頂ガスの圧力が電気として回収された後、系外に導かれる。
このようにガス吹込部Aから予熱ガスを高炉内に吹き込むに当たり、本発明では、ガス吹込部Aを、先端が開放された管状の燃焼室の内壁面に、燃焼室内でガス旋回流が生じるように燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための開口を形成し、前記燃焼室の先端を高炉内部と連通させたガス燃焼・吹込装置aで構成し、このガス燃焼・吹込装置aの燃焼ガスを予熱ガスとして高炉内に吹き込むものである。
また、ガス燃焼・吹込装置aには、酸素や酸素含有ガス(空気、酸素富化空気など)である支燃ガスが供給されるが、この支燃ガスも昇圧機6bで昇圧した後、ガス燃焼・吹込装置aに導入する。なお、ガス燃焼・吹込装置aで燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを用いる場合には、事前に昇圧機6a,6bで燃料ガスと支燃ガスを別々に昇圧してもよいし、予混合ガスを単一の昇圧機6で昇圧してもよい。
図において、10は先端が開放された管状(円筒状)の燃焼室、12aは燃料ガス用のガスノズル、12bは支燃ガス用のガスノズルである。
前記燃焼室10は、その先端が炉体に設けられたガス吹込口16に接続されることで高炉内部と連通している。この燃焼室10の内方(後端側)の内壁面100には、燃焼室内でガス旋回流(内壁面100の周方向に沿ったガス旋回流)が生じるように燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための開口11a,11b(ノズル口)が形成され、これら開口11a,11bに、それぞれ前記ガスノズル12a,12bが接続されている。前記開口11a,11b(ノズル口)は、燃焼室10内に吹き込んだガスが旋回流となるよう、燃焼室10の軸芯を外した方向(偏芯方向)にガスを吹き込むように形成される。本実施形態の開口11a,11bは、内壁面100のほぼ接線方向に燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むように形成されている。
なお、この実施形態では、燃焼室10の先端をガス吹込口16に直接接続することで高炉内部と連通させているが、燃焼室10の先端を適当なガス導管(例えば、図13、図14に示すようなヘッダー管)を介して高炉内部と連通させてもよい。この場合には、燃焼室10の先端から排出された燃焼ガスはガス導管を経て高炉内に吹き込まれる。
Vf1=Vf×cosθ
Va1=Va×cosθ
そして、このVf1、Va1を開口11a,11bでのガス速度として算出されるスワール数Swが所定の好ましい範囲になるように、ガス吹込み角度θを決めることが好ましい。スワール数Swの求め方は、後述のとおりである。
なお、このガス燃焼・吹込装置aは、燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを用いてもよく、この場合には、燃焼室10の内壁面100に、燃焼室10内でガス旋回流(内壁面100の周方向に沿ったガス旋回流)が生じるように燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための1つ以上の開口11(ノズル口)が形成され、この開口11に予混合ガス供給用のガスノズル12が接続される。前記開口11は、図2および図3の開口11a,11bと同様、燃焼室10内に吹き込んだガスが旋回流となるよう、燃焼室10の軸芯を外した方向(偏芯方向)にガスを吹き込むように形成されるが、特に、内壁面100のほぼ接線方向にガス(予混合ガス)を吹き込むように形成されることが好ましい。なお、この開口11からも燃焼室10内でガス旋回流(内壁面100の周方向に沿ったガス旋回流)が生じるようにガスを吹き込めばよいが、ガスの吹込み方向の好ましい設定方法や、バーナ構造として好ましいガス吹込み角度θは、さきに図10に基づいて説明した開口11a,11bと同様である。
燃料ガスと支燃ガスのノズル(開口)からの噴出速度に特に制限はないが、両者は同程度の速度であることが好ましい。
図4〜図7の実施形態では、燃料ガス用のガスノズル12aと支燃ガス用のガスノズル12bが、それぞれバーナ軸方向で並列した複数のノズル管120a,120bで構成されている。このようにガスノズル12a,12bを複数のノズル管120a,120bで構成するのは、後述するように、ガスノズル12a,12bによって燃焼室10内で適切な旋回流が形成されるようにしつつ、スワール数Swを所定の好ましい範囲にするためである。
また、前記開口110a,110bからも燃焼室10内でガス旋回流(内壁面100の周方向に沿ったガス旋回流)が生じるようにガスを吹き込めばよいが、ガスの吹込み方向の好ましい設定方法や、バーナ構造として好ましいガス吹込み角度θは、さきに図10に基づいて説明した開口11a,11bと同様である。
なお、この実施形態でも、燃焼室10の先端をガス吹込口16に直接接続することで高炉内部と連通させているが、燃焼室10の先端を適当なガス導管(例えば、図13、図14に示すようなヘッダー管)を介して高炉内部と連通させてもよい。この場合には、燃焼室10の先端から排出された燃焼ガスはガス導管を経て高炉内に吹き込まれる。
また、後述するように高炉内に吹き込む予熱ガスの温度は500℃以上、好ましくは800℃以上、1000℃以下が望ましいので、このような予熱ガス温度になるように希釈ガスの温度と供給量が選択されることが好ましい。
なお、燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むためのガスノズルを有するガス燃焼・吹込装置aについても、そのガスノズルをバーナ軸方向で並列した複数のノズル管で構成することができる。また、このガス燃焼・吹込装置aにおいても、上記のような希釈ガス用のガスノズル14と開口15を設けることができる。
従来、工業的に用いられているガスバーナは、燃料ガスと支燃ガスの混合方式によって、拡散燃焼方式(外部混合)のバーナと、予混合燃焼方式(内部混合)のバーナとに大別されるが、これらのガスバーナは、いずれもバーナ先端よりも前方に火炎が形成される構造になっている。したがって、このようなガスバーナをガス燃焼・吹込装置aとして用いた場合、火炎が高炉上部から降下する装入物(鉄鉱石、コークス)に直接あたり、コークスのソリューションロス反応を生じさせ、コークスが無用に消費されるなどの問題を生じる。
また、通常の高炉は4〜5kg/cm2の加圧下で操業されるとともに、高炉上部から装入物が降下するため常時圧力変動がある。また、高炉炉壁への付着物の生成に起因する吹抜け等も発生する。上記のような従来の一般的なガスバーナでは、これらの要因によっても火炎の安定性が阻害され、吹き消え等も起こるおそれがある。
(a)燃焼室10内でガスが燃焼し、燃焼室10の外側には火炎が存在しないので、高炉上部から降下する装入物(鉄鉱石、コークス)に直接火炎があたらず、装入物に与える影響が少ない。また、同じく燃焼室10の外側に火炎が存在しないので、高炉の炉内圧やその変動、吹抜けなどに影響されることなく、安定した火炎が形成され、所望の温度の燃焼ガスを炉内に安定的に吹き込むことができる。
(d)ガス吹込部Aから吹き込む予熱ガスは、酸素(O2としての酸素ガス。以下同様)を含まない或いは酸素濃度が低いことが好ましい。予熱ガスに酸素があると炉内で還元中の鉄酸化物(Fe2O3、FeO)を再酸化させるためである。この点、ガス燃焼・吹込装置aは、燃焼室10内で安定な火炎が形成されることにより酸素利用効率が高く、特に燃焼室10が加圧状態になることにより、酸素利用効率をより高めることが可能となり、理論酸素量より少ない酸素量で安定した燃焼が可能となる。したがって、酸素を含まない若しくは酸素濃度が非常に低い予熱ガスを炉内に吹き込むことができる。
(e)燃焼室10内で安定な火炎が形成されることによって、炉内に吹き込まれる予熱ガス(燃焼ガス)の温度のバラツキが小さく、炉下部からの高炉ガスと炉上部から降下する装入物の温度をばらつきなく上昇させることができる。
ガス吹込部Aからの予熱ガスの吹き込みは、常時行ってもよいし、炉頂ガス温度が低下した場合にのみ行ってもよい。後者の場合には、例えば、炉頂ガス温度をセンサーで測定し、炉頂ガス温度が所定温度以下(例えば、110℃以下)となった場合に、ガス吹込部Aから予熱ガスの吹き込みを行う。
C(コークス)+CO2→2CO
C(コークス)+H2O→CO+H2
予熱ガス温度を調整するには、例えば、使用する燃料ガスの組成を変えてガス熱量を調整する、所定の範囲内で空気比を調整するなどのほか、図4〜図7のように燃焼ガスに希釈ガスを添加する場合には、希釈ガスの温度と供給量を調整してもよい。
炉高方向でのガス吹込部Aの設置位置(予熱ガスの吹き込み位置)はシャフト中部〜上部が好ましく、特に、炉口半径をR0とし、ストックラインからの深さがR0の位置をp1、シャフト部下端からの高さがシャフト部全高の1/3の位置をp2としたとき、炉高方向において位置p1と位置p2との間にガス吹込部Aを設置し、このガス吹込部Aから予熱ガスを吹き込むことが好ましい。予熱ガスの吹き込み位置が浅すぎる(上方位置すぎる)と、原料充填層の荷重が小さいため、原料の流動化や撹拌が生じて、原料降下の安定性が低下するおそれがある。一方、予熱ガスの吹き込み位置が深すぎる(下方位置すぎる)と炉内の軟化融着帯にかかってしまうおそれがあるので好ましくない。
図12〜図14は、ガス吹込部Aの種々の設置形態を、炉体を水平断面した状態の模式図で示したものである。このうち図12の実施形態は、ガス吹込部Aを1つのガス吹込口16とこれに接続される1つのガス燃焼・吹込装置aで構成し、このガス吹込部Aを炉周方向において間隔をおいて複数設けたものである。このような実施形態では、ガス吹込口16毎に予熱ガスの吹き込み条件(予熱ガス温度、吹込量など)を調整することができる。なお、図12では、一部(2つ)のガス吹込部Aについてのみガス燃焼・吹込装置aを図示してある。
図13の実施形態は、ガス吹込口16を炉周方向において間隔をおいて複数設けるとともに、これらガス吹込口16を複数のガス吹込口群17a〜17dに分け、これら各ガス吹込口群17a〜17dにそれぞれヘッダー管18を配してある。そして、これらのヘッダー管に、各ガス吹込口群17a〜17dを構成する複数のガス吹込口16を連絡管19を介して接続するとともに、ガス燃焼・吹込装置aの燃焼室10の先端を接続してある。このような実施形態では、ガス吹込口群17a〜17d毎に予熱ガスの吹き込み条件(予熱ガス温度、吹込量など)を調整することができる。
なお、この実施形態では、1つのヘッダー管18に対して1つのガス燃焼・吹込装置aを接続しているが、2つ以上のガス燃焼・吹込装置aを接続してもよい。
なお、この実施形態では、ヘッダー管18に1つのガス燃焼・吹込装置aを接続しているが、2つ以上のガス燃焼・吹込装置aを接続してもよい。
燃料ガスとして用いた低発熱量ガスは、ガス組成がCO:22vol%、CO2:21vol%、H2:5vol%、N2:52vol%であり、発熱量が792kcal/Nm3である。この燃料ガス30Nm3/hに対して、理論酸素量が1となるように空気19.5Nm3/hを供給した。
有効熱利用率={(E×F)/(C×G)}×100
E:燃焼ガスの保有しているエンタルピー(kcal/Nm3)
F:燃焼ガス流量(Nm3/h)
C:燃料ガス発熱量(kcal/Nm3)
G:燃料ガス流量(Nm3/h)
図9によれば、燃焼室内圧力が高くなると、有効熱利用率は向上し、燃料ガスが有効に熱に変換されたことが示されている。
各ガス燃焼・吹込装置aの燃焼室は、内径:50mm、全長:700mmであり、燃料ガス用のガスノズルと支燃ガス用のガスノズルをそれぞれ構成するノズル管の本数は、試験例1:5本、試験例2:4本、試験例3:2本、試験例4:1本、試験例5:4本、試験例6:2本である。
試験例6では、燃料ガス・支燃ガスの吹き込み位置中心からバーナ軸方向で500mm離れた位置に希釈ガス用のガスノズル(内径20mm)を設けたガス燃焼・吹込装置aを用い、燃焼室から排出される燃焼排ガス温度が800℃になるように、希釈ガス(高炉ガス)を24.5Nm3/h供給した。この希釈ガスの添加により、燃焼ガス組成はCO(還元ガス)を8.4vol%含むものとなった。
×:燃焼状況に脈動がみられ、相当量の未燃のCOが測定された。
○:安定した燃焼が継続し、未燃のCOも殆ど測定されなかった(但し、試験例6のCO濃度は希釈ガス混合によるもの)
炉内容積5000m3の高炉において、図2および図3に示すようなガス燃焼・吹込装置aを用い、図1に示すような実施形態で本発明を実施した。炉頂ガス発電装置5の下流側から抜き出した高炉ガスを昇圧機6aで炉内圧より0.2atm高い圧力に昇圧し、ガス吹込部Aを構成するガス燃焼・吹込装置aに燃料ガスとして導入した。また、同様に酸素を昇圧機6bで昇圧し、ガス燃焼・吹込装置aに支燃ガスとして導入した。ガス燃焼・吹込装置aに対する高炉ガス供給量は100Nm3/tとし、これを酸素5.6Nm3/tで燃焼させ、800℃の燃焼ガスを生成させ、これを予熱ガスとして炉内に吹き込んだ。ガス燃焼・吹込装置aでの酸素比は0.335である(理論酸素量に対して)。予熱ガスの組成は、CO:17.6vol%、CO2:30.3vol%、H2:4.6vol%、H2O:2.7vol%、N2:44.8vol%である。このような予熱ガスの吹き込みにより、炉頂ガス温度は134℃となり、高炉操業での配管内への水分の凝縮も完全に回避され、安定した操業が可能となった。
炉内容積5000m3の高炉において、図4〜図7に示すようなガス燃焼・吹込装置aを用い、図1に示すような実施形態で本発明を実施した。炉頂ガス発電装置5の下流側から抜き出した高炉ガスを昇圧機6aで炉内圧より0.2atm高い圧力に昇圧し、ガス吹込部Aを構成するガス燃焼・吹込装置aに燃料ガスとして導入した。また、同様に酸素を昇圧機6bで昇圧し、ガス燃焼・吹込装置aに支燃ガスとして導入した。
2 羽口
3 ダストキャッチャー
4 ミストセパレータ
5 炉頂ガス発電装置
6a,6b 昇圧機
7A,7B センサー
8,9 流路
10 燃焼室
11a,11b 開口
12a,12b ガスノズル
14 ガスノズル
15 開口
16 ガス吹込口
17a〜17d ガス吹込口群
18 ヘッダー管
19 連絡管
100 内壁面
140 ノズル管
150 開口
110a,110b 開口
120a,120b ノズル管
A ガス吹込部
a ガス燃焼・吹込装置
Claims (7)
- 空気または酸素富化空気を羽口送風する高炉操業において、
予熱ガスをシャフト部に設けられたガス吹込部(A)から高炉内に吹き込むに当たり、ガス吹込部(A)を、先端が開放された管状の燃焼室の内壁面に、燃焼室内でガス旋回流が生じるように燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための開口を形成し、前記燃焼室の先端を高炉内部と連通させたガス燃焼・吹込装置(a)で構成し、該ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼ガスを予熱ガスとして高炉内に吹き込み、
ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室内に、CO、H 2 の1種以上を含むガスであって、燃焼ガスを希釈してガス組成またはガス組成とガス温度を調整する希釈ガスを供給することを特徴とする高炉操業方法。 - 空気または酸素富化空気を羽口送風する高炉操業において、
予熱ガスをシャフト部に設けられたガス吹込部(A)から高炉内に吹き込むに当たり、ガス吹込部(A)を、先端が開放された管状の燃焼室の内壁面に、燃焼室内でガス旋回流が生じるように該内壁面のほぼ接線方向に燃料ガスと支燃ガスを各々吹き込むための若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを吹き込むための開口を形成し、前記燃焼室の先端を高炉内部と連通させたガス燃焼・吹込装置(a)で構成し、該ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼ガスを予熱ガスとして高炉内に吹き込み、
ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室内に、CO、H 2 の1種以上を含むガスであって、燃焼ガスを希釈してガス組成またはガス組成とガス温度を調整する希釈ガスを供給することを特徴とする高炉操業方法。 - ガス燃焼・吹込装置(a)に供給される燃料ガスが高炉ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉操業方法。
- 燃焼室の内壁面に形成された開口を通じて燃焼室内に燃料ガスと支燃ガスを各々供給するためのガスノズル若しくは燃料ガスと支燃ガスの予混合ガスを供給するためのガスノズルが、装置の軸線方向で並列した複数のノズル管で構成されたガス燃焼・吹込装置(a)を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉操業方法。
- ガス燃焼・吹込装置(a)において、燃焼室内のガス流のスワール数Swを3〜10とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高炉操業方法。
- ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室の先端を、ガス導管を介して高炉内部と連通させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高炉操業方法。
- ガス導管がヘッダー管であり、該ヘッダー管には、炉体に形成された複数のガス吹込口が連絡管を介して接続されるとともに、ガス燃焼・吹込装置(a)の燃焼室の先端が接続されることを特徴とする請求項6に記載の高炉操業方法。
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