JP2012134602A - 色変換装置および印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3次元入力および4次元入力への対応が可能であり、メモリー容量の増大を抑制する色変換装置を提供する。
【解決手段】n次元(nは3以上の整数)の色空間における座標値を表す第1の色入力値を、第1の色出力値に変換する第1の変換機能と、m次元(mはnより大きい整数)の色空間における座標値を表す第2の色入力値を、第2の色出力値に変換する第2の変換機能と、を有する色変換装置であって、m次元の色空間における前記第2の色入力値のそれぞれに対応する第2の色出力値は、n次元の色空間における第1の色入力値のそれぞれに対応する第1の色出力値のいずれかと等しい。
【選択図】図3

Description

本発明は、色変換装置および印刷装置に関する。
プリンターでは、入力値と出力値との対応関係を記述したルックアップテーブル(Look Up Table:LUT)を用いて、入力した画像データの色空間からプリンターのインク量色空間に変換して印刷データを生成する技術が一般的に用いられる。通常のアプリケーションから印刷データを生成する場合はOS等によって入力色空間は規定され、一般的にsRGB(standard RGB color space)規格など、RGBデータが用いられる。このため、ルックアップテーブルもRGB入力、すなわち3次元入力に対応したテーブルであり、これを3D−LUTと呼ぶ。一般的なパーソナル用途で用いられるワードプロセッサーソフトや写真画像管理ソフト、レタッチソフトなどのアプリケーションでの印刷では3D−LUTのみを持てば問題ない。
しかしながら、業務用途で用いられるRIP(Raster Image Processor)アプリケーションでは例えばJapan−Color規格やSWOP(Specifications for Web Offset Publications)規格など、印刷業界で標準的なCMYK空間で画像データを取り扱う場合があり、CMYKデータからプリンターのインク量色空間へ変換するためルックアップテーブルをCMYK入力、すなわち4次元入力に対応したテーブルでもつ必要がある。これを4D−LUTと呼ぶ。業務用途のプリンターでは通常のアプリケーションとRIPアプリケーションの両方に対応するために、3D−LUTと4D−LUTの両方を有し、3次元入力と4次元入力の両方に対してプリンターのインク量色空間に変換して印刷データを生成する機能を備えるものがある。また、4次元入力を用いた印刷業界での使用では、K値でのみ階調を指定された文字や罫線はブラックインクだけで印刷する墨版保持と呼ばれる機能が要求され、これに対応した技術も提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−254513号公報
3D−LUTと4D−LUTの両方を持たせたプリンターはLUT数が多くなるため、必要なメモリー容量も増大してしまう。特に4D−LUTは格子点数が多いため、さらにメモリー容量が増大してしまう。
また、4D−LUTについて墨版保持を実現すると色彩の再現や階調性に劣るため、墨版保持と墨版非保持の2種類のテーブルを持つケースがあり、ますますメモリー容量が増大することになる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明は、外部から入力された、n次元(nは3以上の整数)の色空間における座標値を表す第1の色入力値を、第1の色出力値に変換する第1の変換機能と、外部から入力された、m次元(mはnより大きい整数)の色空間における座標値を表す第2の色入力値を、第2の色出力値に変換する第2の変換機能と、を有する色変換装置であって、前記m次元の色空間における前記第2の色入力値のそれぞれに対応する前記第2の色出力値は、前記n次元の色空間における前記第1の色入力値のそれぞれに対応する前記第1の色出力値のいずれかと等しいことを特徴とする色変換装置を提案する。
本発明によれば、m次元の入力時での出力値はより低次元であるn次元の入力時の出力値の一つに該当しているので、簡単な変換を用いることでm次元の入力に対する出力を設計でき、容易に色変換を行うことができ、また、メモリー容量を低減することができる。
また本発明は、前記第1の変換機能は、ルックアップテーブルを参照することで前記第1の色入力値を前記第1の色出力値に変換し、前記第2の変換機能は、前記第2の色入力値を前記n次元の色空間における座標値を表す色中間値に変換した後に、前記ルックアップテーブルを参照することで前記色中間値を前記第2の色出力値に変換することを特徴とする色変換装置を提案する。
本発明によれば、第2の変換機能を使用する際は一旦、n次元の中間値に変換し、その中間値を第1の変換機能と同じルックアップテーブルを参照することで色変換を実現する。第1の変換機能と第2の変換機能でルックアップテーブルを共有できるため、必要なメモリー容量を低減できる。
また本発明は、前記第2の色入力値を第3の色出力値に変換する第3の変換機能をさらに有し、前記mは4であり、前記第2の色入力値は、墨版を含む4色の色空間における各色量を表し、前記第3の変換機能は、前記墨版を除く各色量のいずれかが0でないときに、前記第2の色入力値を前記n次元の色空間における座標値を表す色中間値に変換した後に、前記ルックアップテーブルを参照することで前記色中間値を前記第3の色出力値に変換することを特徴とする色変換装置を提案する。
本発明によれば、より低次元な入力値の出力では代替できないような条件、特に4次元入力における墨版の保持が必要な場合にのみ例外的な処理を実施することでさらに柔軟な処理が可能となる。
また本発明は、これらの色変換装置を備えた印刷装置を提案する。
本発明によれば、より容易に、入力フォーマットに対して柔軟に対応できる印刷装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る印刷装置の概略構成図。 本発明の第1の実施形態に係る制御ユニットのブロック図。 制御ユニットの色変換装置としてのフローチャート。 線形補完を説明するための概念図。 本発明の第2の実施形態に係る制御ユニットおよびコンピューターのブロック図。 本発明の第3の実施形態に係る制御ユニットのブロック図。 制御ユニットの色変換装置としてのフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係る第2ルックアップテーブル群に含まれるルックアップテーブルを生成するフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係る第3ルックアップテーブル群に含まれるルックアップテーブルを生成するフローチャート。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本実施形態に係る印刷装置101の概略構成図である。紙送りモーター111により駆動される紙送りローラー112よって記録媒体120は搬送され、キャリッジモーター113によってキャリッジ114が記録媒体120の搬送方向と直交して左右に動く機構となっている。キャリッジ114は印刷ヘッド115とシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクカートリッジ116よりなり、キャリッジ114の移動と同期して記録媒体120にインクを吐出し、キャリッジ114が端まで移動すると紙送りモーター111によって紙送りローラー112が一定量回転し、記録媒体120が一定量送られる。以上の動作を繰り返すことで記録媒体120に印刷画像が形成される。
制御ユニット130Aは紙送りモーター111、キャリッジモーター113に接続されてこれらの制御を行っている。また、印刷ヘッド115も制御ユニット130Aに接続され、記録媒体120と印刷ヘッド115が重なっている部分に対して適切なインク量を吐出するように制御することで、記録媒体120上に外部から送信されてきた画像データに対応する画像を印刷するように構成される。より具体的には、後述する手段で画像の色入力情報から変換されたインク量(色出力情報)を、ディザマスク法などを用いて複数の二値データに変換し、二値データをもとにインク吐出もしくはインク不吐出の波形を印刷ヘッド115に対して複数回送信する。
図2は制御ユニット130Aのブロック図であり、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134がバスで相互に接続されて構成されており、CPU131がROM132上に記憶されたプログラムをRAM133のワークエリアを用いて実行することにより、色変換装置として機能する。EEPROM134上には、ルックアップテーブル群140、一つの座標変換テーブル141、一つの墨版テーブル142が格納されている。ここで、ルックアップテーブル群140は3次元入力(R,G,B入力)に対して、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量を出力する複数のルックアップテーブルであり、座標変換テーブル141は4次元入力値(C,M,Y,K)に対して3次元座標値(R,G,B)を出力するテーブルであり、墨版テーブル142は1次元入力値(K)に対してブラックのインク量を出力するテーブルである。
本実施形態では、制御ユニット130Aにおいて外部から画像データを受信する際、画像データの各画像点における色情報について、sRGB(standard RGB color space)規格に準拠したR,G,B値を、3次元の色空間における座標値を表す第1の色入力値として指定する。また、SWOP(Specifications for Web Offset Publications)規格に準拠したC,M,Y,K値を、4次元の色空間における座標値を表す第2の色入力値として指定する。これにより、制御ユニット130Aは、第1の色入力値と第2の色入力値との2種類の色入力座標系に対応した色変換装置として機能する。
ここで、sRGB規格はコンピューターやデジタル・カメラなどの情報機器間における色情報のやりとりでもよく使用されるものであり、一般的なアプリケーションから制御ユニット130Aへ画像データを送信されるときは、第1の色入力値(3次元のRGB情報)で受け渡される。一方、SWOPはオフセット4色印刷データ規格の一つであり、この規格のインク・プロセス条件を用いたオフセット印刷機で入力C,M,Y,K値の網点率スクリーンを用いて印刷したときの色を表している。そして、印刷用RIP(Raster Image Processor)アプリケーションで作成したオフセット印刷用データを本実施形態の印刷装置を用いて色校正(プルーフ)サンプルとして出力する場合に、制御ユニット130Aへ画像データが送信されるときは、第2の色入力値(4次元のCMYK情報)で受け渡される。
人間の視覚は網膜の錐体細胞に分光感度が異なる3種類が存在することから、色彩は3次元座標で一意に表すことができる。このため、4次元以上の色情報入力を用いる場合、マクロな色彩値(例えばCIE規格のL*,a*,b*値など)は複数の異なる色情報入力に対して同一の色彩値を示すことになる。例えばSWOP規格で(C,M,Y,K)=(0,0,0,50)と(C,M,Y,K)=(46,37,36,0)は略同じ色彩値(L*,a*,b*)=(62,0,−2)を示す。しかし、このような場合はミクロに拡大観察すると前者は黒インクのみで構成されるため輪郭に色にじみがないが粒状感は強く、後者はシアン、マゼンタ、イエローのインクで構成されるため輪郭に色にじみを生じるが粒状感は小さい。このような色彩値に現れない差異を生じさせないため、印刷用RIPアプリケーションではCMYKデータの画像をハンドリングする際、(C,M,Y,K)値のK値割合を保持する機能(墨版保持機能)が搭載される場合がある。この際、本実施形態の印刷装置101のような最終出力装置(オフセット印刷機)と異なる印刷装置でプルーフ出力を行う場合も、印刷用RIPアプリケーションから渡された(C,M,Y,K)入力値のK値割合をそのままブラックインク量の割合に変換したいという要望がある。特に入力されたC,M,Yの値が0、すなわちK値割合が100%の場合(文字や罫線などの場合が多い)はブラックインク(グレーインクを用いる印刷装置においてはブラック+グレーインク)のみで印刷したい要望がある。これが本実施形態で実施する墨版保持機能の意味である。しかしながら、オフセット印刷装置と本実施形態の印刷装置101のようなインクジェット方式のプリンターでは使用するインクが異なるため、同じブラックインク100%で印刷しても色彩値は一致しない。また、インクジェット方式のプリンターでブラックインクだけで明度の高い領域を印字すると一般的に粒状性が著しく悪化する。従って、墨版保持を行わない方が色精度(色彩値の一致)や粒状性は良好になる。従って、墨版保持機能をON/OFFできることも必要であり、本実施形態ではこのような墨版保持機能ON/OFF機能も搭載する。
なお、本実施形態では3次元及び4次元の色情報入力に対応したが、これには限られない。例えばCMYK以外に特色インクを用いた5色オフセット印刷用データを印刷装置へ出力する場合は、色情報入力は5次元で受け渡されるし、特色インクの数を増やしていけば6次元以上となることもありえる。
図3は色変換装置としての制御ユニット130Aのフローチャートである。ステップS−01で、外部から画像データ(印刷データ)を受信すると、ステップS−01Aで、画像データに含まれる色入力情報が3次元(RGB)か4次元(CMYK)かを判定する。色入力情報が3次元(RGB)であれば第1の変換機能に対応するモードが選択される。他方、色入力情報が4次元(CMYK)の場合、ステップS−01Bで、墨版保持機能が有効設定されているかどうかを判定し、墨版保持機能がOFF(無効)であれば第2の変換機能に対応するモードが選択され、墨版保持機能がON(有効)であれば第3の変換機能に対応するモードが選択される。
第1の変換機能に対応するモード(第1の色入力値(RGBデータ)のモード)が選択された場合、ステップS−11で、画像データの各画像点の3次元色情報(R,G,B値)を色入力値として取り出す。次に、ステップS−12で、ルックアップテーブル群140から記録媒体120の種類および記録解像度にもとづき選択された一つのルックアップテーブルの色入力値に近接した格子の格子点情報を四面体線形補完によってシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量に変換する。なお、四面体線形補完の詳細は後述する。次に、ステップS−14で、これらのインク量に対応する制御信号を制御ユニット130Aから印刷ヘッド115に送信して記録媒体の対応した位置に所望の色を形成し、これを画像データ内の全ての画像点で繰り返すことにより、記録媒体120上に送信されたデータに対応した画像が形成されていく。
第2の変換機能に対応するモード(第2の色入力値(CMYKデータ)のモード、墨版保持なし)が選択された場合、ステップS−21で、画像データの各画像点の4次元色情報(C,M,Y,K値)を色入力値として取り出す。次に、ステップS−22で、座標変換テーブル141および線形補完により、取り出した色入力値をまず3次元色情報(R,G,B値)である中間値に変換する。なお、線形補完の詳細は後述する。次に、ステップS−23で、変換された3次元色情報(R,G,B値)である中間値を色入力値として、ルックアップテーブル群140から記録媒体120および記録解像度にもとづき選択された一つのルックアップテーブル及び四面体線形補完によってシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量に変換する。次に、ステップS−24で、これらのインク量に対応する制御信号を制御ユニット130Aから印刷ヘッド115に送信することを繰り返すことにより、記録媒体120上に送信されたデータに対応した画像が形成されていく。
第3の変換機能に対応するモード(第2の色入力値(CMYKデータ)のモード、墨版保持有り)が選択された場合、ステップS−31で、画像データの各画像点の4次元色情報(C,M,Y,K値)を色入力値として取り出し、まず特定の条件に適合するかどうかを判定する。本実施形態での特定の条件とは(C>0 OR M>0 OR Y>0)であり、特定の条件を満たす、すなわちK以外のC,M,Y値のいずれかが0以外の場合は、第2の変換機能に対応するモードと同様の処理を行う。すなわち、ステップS−32Aで、座標変換テーブル141および線形補完によってまず3次元色情報(R,G,B値)である中間値に変換する。次に、ステップS−33Aで、中間値を色入力値として、ルックアップテーブル群140から記録媒体120および記録解像度などにもとづき選択された一つのルックアップテーブル及び四面体線形補完によってシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量に変換する。次に、ステップS−34で、これらのインク量に対応する制御信号を制御ユニット130Aから印刷ヘッド115に送信することにより、記録媒体120上に対応する画像点の画像が形成される。
一方、特定の条件に適合しなかった場合、すなわちC,M,Y値が全て0である場合は、ステップS−32Bで、K値を墨版テーブル142と線形補完によってブラックインク量に変換する。次に、ステップS−33Bで、シアン、マゼンタ、イエローの各インク量を0に固定する。次にステップS−34で、対応する制御信号を制御ユニット130Aから印刷ヘッド115に送信することにより、対応する画像点の画像が記録媒体120上に形成される。これを全画像点に繰り返すことで記録媒体120上に送信されたデータに対応した画像が形成される。このように、本実施形態では墨版保持設定がON、かつ入力されたC,M,Y,K値がC=0,M=0,Y=0(すなわち入力K値の割合が100%)の場合はブラックインクだけで印刷するようになっており、墨版保持機能を有した色変換装置となっている。
図3に基づく制御ユニット130Aの動作の例として、まず(R,G,B)形式の画像データが外部から送信されてきたときの動作について記述する。画像データ内の第1の画像点、すなわち最初に印刷される画素に対応する色入力情報が(R,G,B)=(140,140,140)であり、第2の画像点、すなわち第1の画像点に引き続いて印刷される画素に対応する色入力情報が(R,G,B)=(135,140,140)であるとする。図3のフローチャートに基づいて、ステップS−01で、制御ユニット130Aは画像データ(印刷データ)を受信し、中に含まれる色情報の入力次元数が3次元であることから第1の変換機能に対応するモードを選択する。本実施形態ではルックアップテーブル群140はR,G,B値がおのおの0,16,32,48,64,80,96,112,128,144,160,176,192,208,224,240,255で格子を持つ。つまり、ルックアップテーブル群140を構成する各ルックアップテーブルは17×17×17=4913個の格子点を持つテーブルであり、各格子点でシアン・マゼンタ・イエローのインク量を0〜255の1バイト整数として持つ。制御ユニット130Aは画像データに含まれる設定情報から記録媒体120の種類と記録解像度を判定し、対応するルックアップテーブルをルックアップテーブル群140より一つ選択する。
次に、ステップS−11で、最初の画像点の色情報として、(R,G,B)=(140,140,140)を取り出し、ステップS−12で、先ほど選択したルックアップテーブルから線形補完を行ってインク量に変換する。この線形補完の様子を図示したのが図4である。図4のaはルックアップテーブルの格子点を3次元的に示したものであり、各立方体の頂点がルックアップテーブルの格子点に相当し、各格子点にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量が0〜255の整数で格納されている。なお、本実施形態では格子点数は52×52×52であるが、図4のaでは視認性を優先して5×5×5で示している。ここで、まず(R,G,B)=(140,140,140)を内包するルックアップテーブルの格子点からなる立方体cを選択したとする。この場合、立方体cは(R,G,B)=(128,128,128),(128,128,144),(128,144,128),(128,144,144),(128,144,144),(144,128,144),(144,144,128),(144,144,144)からなる立方体である。次に、この立方体cの8つの頂点のうち、R,G,B値の最も小さい頂点を原点(0,0,0)として画像データの入力値(R,G,B)を相対座標系(R’,G’,B’)に変換する。この場合は(R,G,B)=(128,128,128)が最もR,G,B値の小さい頂点であるので、(R’,G’,B’)=(R−128,G−128,B−128)と変換され、最初の画像点入力値の相対座標(R’,G’,B’)=(12,12,12)である。次に、図4のbに示すように、R’,G’,B’の大小関係によって立方体cの頂点のうち4個を用いた6種類の四面体のうち画像データの入力値(R’,G’,B’)を内包する一つが選択される。ここでのケースではB’≧G’≧R’であるので(R,G,B)=(128,128,128),(128,128,144),(128,144,144),(144,144,144)の4個の頂点による四面体が該当するので、この4個のルックアップテーブル上の格子点に格納されるシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのインク量データが読み出される。この場合では(R,G,B)=(128,128,128)でのルックアップテーブル格子点上のインク量が(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(54,55,48,14)であり、(128,128,144)でインク量が(36,36,22,14)であり、(128,144,144)でのインク量が(33,25,20,12)であり、(144,144,144)でのインク量が(42,42,36,8)であった。これらの値をもとに、以下の数式1に示す各頂点に応じた重みを乗じた平均値faveを求めることで四面体線形補完が実施される。ここで、i=1〜4は四面体の4つの頂点を示すインデックスであり、fiは頂点iにおけるルックアップテーブル格子点に格納されるインク量であり、vは四面体の体積であり、viは頂点iを除いた四面体の残りの3つの頂点と画像データの入力値(R’,G’,B’)座標を頂点とした小四面体の体積である。
Figure 2012134602
ここまでの結果で数式1を計算すると、V=682.6667であり、(R,G,B)=(128,128,128)をi=1、(R,G,B)=(128,128,144)をi=2、(R,G,B)=(128,144,144)をi=3、(R,G,B)=(144,144,144)をi=3とすると、V1/V=0.25、V2/V =0.0、V3/V =0.0、V4/V =0.75である。これを数式1に代入して小数点以下を四捨五入することで(R,G,B)=(140,140,140)でのインク量を求めると(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(45,45,39,10)の各インク量を得るので、これに対応した駆動波形を印刷ヘッド115に送信することで記録媒体120上に(R,G,B)=(140,140,140)に対応する色が印刷される。
次に、ステップS−11に戻り、画像データに含まれる第2の画像点、すなわち第1の画像点に引き続き隣接して印字される画素に対応する色入力情報として(R,G,B)=(135,140,140)を取り出し、ステップS−12でインク量に変換を行う。この場合も第1の画像点と同じ立方体cが(R,G,B)=(135,140,140)を内包し、B’≧G’≧R’であるから第1の画像点と同じ四個の頂点(R,G,B)=(128,128,128),(128,128,144),(128,144,144),(144,144,144)が第2の画像点を包含する四面体である。従って4個のルックアップテーブル上の格子点に格納されるシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのインク量データも同じ値が読み出される。i=1からi=4に対応する頂点の定義も先ほどと同様とすると、数式1の重みはV1/V=0.25、V2/V =0.0、V3/V =0.3125、V4/V =0.4375である。これを数式1に代入して計算し、小数点以下を四捨五入すると(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(42,40,34,11)のインク量を得るので、同様に対応した駆動波形を印刷ヘッド115に送信することで記録媒体120上に(R,G,B)=(135,140,140)に対応する色が印刷される。このとき、第1の画像点で印字された色を測色すると、CIELAB値でL*=48.1、a*=0.4、b*=−0.8とほぼ無彩色であるが、第2の画像点で印字された色は第1の画像点で印字された色より明度が少し低く、シアン味を帯び、CIELAB値でL*=46.8、a*=−1.0,b*=−3.3であった。第1の画像点と第2の画像点の色差ΔE* ab(CIE 1976)=3.1と小さい。このような動作を画像データに含まれる各画像点に対して実施することで記録媒体120上に所望の画像が印刷される。
次に、(C,M,Y,K)形式の画像データが外部から送信されてきて、かつ墨版保持設定は”OFF”であったときの動作について記述する。なお、墨版保持の設定については外部から送信される画像データ内に設定情報があればそれに従い、それ以外の場合は印刷装置101上でオペレーターが設定した値を使用する。また、記録媒体120の種類と記録解像度の設定は第1の変換機能に対応するモードの説明に用いた事例と同一であるとする。このとき、第1の画像点、すなわち最初に印刷される画素に対応する色入力情報が(C,M,Y,K)=(0,0,0,115)であり、第2の画像点、すなわち第1の画像点に引き続いて印刷される画素に対応する色入力情報が(C,M,Y,K)=(5,0,0,115)であるとする。図3のフローチャートに基づいて制御ユニット130Aは第2の変換機能に対応するモードを選択する。
本実施形態では、座標変換テーブル141はC,M,Y,K値がおのおの0,16,32,48,64,80,96,112,128,144,160,176,192,208,224,240,255で格子を持っている。つまり、座標変換テーブル141は17×17×17×17=83521個の格子点を持つテーブルであり、各格子点でR,G,Bの各値を0〜255の1バイト整数として持つ。制御ユニット130AはステップS−21で最初の画像点の色情報として(C,M,Y,K)=(0,0,0,115)を取り出し、ステップS−22で色入力値(0,0,0,115)を内包する格子点である(C,M,Y,K)=(0,0,0,112),(16,0,0,112),(16,0,0,128),(16,16,0,128),(16,16,16,128)のR,G,B値を座標変換テーブル141から読み込む。具体的にはそれぞれ、(R,G,B)=(143,143,143),(127,143,143),(111,127,127)(111,111,127),(111,111,111)である。4次元空間における5点座標の線形補完は、数式1を4次元に拡張した以下の数式2で与えられる。
Figure 2012134602
ここで、i=1〜5は5点座標の各点を示すインデックスであり、fiは頂点iにおけるルックアップテーブル格子点に格納されるR,G,B値でありVは5点座標(Ci,Mi,Yi,Ki)が与えられたとき、以下の数式3で示すような4×4の行列式で計算される。
Figure 2012134602
また、viは同様に数式3のC1,M1,Y1,K1を画像点の(C,M,Y,K)座標で置き換え、C2〜C5をC1〜C5の中からCiを除いた残りの4点で置き換え、M2〜M5をM1〜M5の中からMiを除いた残りの4点で置き換え、Y2〜Y5をY1〜Y5の中からYiを除いた残りの4点で置き換え、K2〜K5をK1〜K5の中からKiを除いた残りの4点で置き換えたもので示される。例えば、画像点を(C0,M0,Y0,K0)としたとき、v2は以下の数式4で示される。
Figure 2012134602
前述した各格子点の数値から数式2の線形補完を行って(C,M,Y,K)=(0,0,0,115)に対応するR,G,B値(中間値)として(R,G,B)=(140,140,140)を得る。ステップS−23では第1の変換機能に対応するモードのステップS−12で説明したのと同じルックアップテーブル群140と数式1の線形補完による計算が実施され、(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(45,45,39,10)のインク量を得てステップS−24で対応する色が印刷される。
次に、ステップS−21に戻って、第2の画像点での色入力情報が(C,M,Y,K)=(5,0,0,115)であったとすると、同様にステップS−22で、座標変換テーブル141と数式2で示した線形補完でR,G,B値(中間値)として(R,G,B)=(135,140,140)に変換される。次に、ステップS−23では、同様にルックアップテーブル群140と数式1の線形補完による計算が実施されて(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(42,40,34,11)のインク量を得て対応する色が印刷され、第1の変換機能に対応するモードで説明したときと各種ばらつき範囲内で略同様の色彩値の画像点が印刷される。
このように、第2の変換機能に対応するモードでは、m次元の入力値(本実施形態ではm=4)をより低次元なn次元の入力値(本実施形態ではn=3)に変換し、第1の変換機能に対応するモードで使用する変換機能を流用している。すなわち、同一の記録媒体・解像度の場合、任意の(C,M,Y,K)の入力に際し第2の変換機能に対応するモードで出力されるインク量(第2の色出力値)は、第1の変換機能に対応するモードでいずれかの(R,G,B)入力値に対応する出力されるインク量(第1の色出力値)と必ず対応する。より高次元(m=4)の入力値を低次元(n=3)の入力値に対応させて出力するので、複数の色入力値(C,M,Y,K)が同じインク量(第2の色出力値)に変換されることになるが、人間の眼は三種類の波長分散に対応する錐体細胞を有しているので、色彩値も常に3次元(三刺激値)で表されるのであるから、このようにm次元の色入力値をより低い次元のn次元に変換してもn≧3である限り、色彩の表現に関して問題は生じ得ない。
最後に、先ほどの第2の変換機能に対応するモードを説明したときと同じ(C,M,Y,K)形式の画像データが外部から送信されてきて、かつ墨版保持設定は”ON”であったときの動作について記述する。図3のフローチャートに基づいて制御ユニット130Aは第3の変換機能に対応するモードを選択する。このとき、ステップS−31で取り出される第1の画像点の色入力情報は(C,M,Y,K)=(0,0,0,115)であるので、特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たさないので、ステップS−32Bが実行される。このとき、制御ユニット130Aは墨版テーブル142を用いてインク量に変換をおこなう。
本実施形態では墨版テーブル142はK値が0,16,32,48,64,80,96,112,128,144,160,176,192,208,224,240,255の17点でブラックのインク量に対応する0〜255の値を持っている。制御ユニット130AはK=115に近接する格子点であるK=112とK=128のインク量を墨版テーブル142から読み込み、それぞれ49と64を得る。これに線形補完を行ってK=115に対応するブラックインク量=(49×13÷16+64×3÷16)=51.8125を得るので、これを小数点以下四捨五入してブラックインク量=52を得る。次に、ステップS−33Bで、シアン、マゼンタ、イエローのインク量は0に設定され、ステップS−34で、(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(0,0,0,52)のインク量で第1の画像点の印刷を行う。このように、墨版テーブル142を参照するとき、すなわち特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たさない場合(K以外のC,M,Y値が0のとき)は、シアン、マゼンタ、イエローのインク量は0に固定され、ブラックインクのみで印字が行われる。
次に、ステップS−31に戻り、次に取り出される第2の画像点での色入力情報は(C,M,Y,K)=(5,0,0,115)であるので、特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たす。このとき、制御ユニット130AはステップS−32Aを実行する。ステップS−32Aならびに次に実施されるステップS−33Aは、第2の変換機能に対応するモードで説明したステップS−22とステップS−23と同様の動作を行い、(C,M,Y,K)=(5,0,0,115)は座標変換テーブル141と線形補完を用いて(R,G,B)=(135,140,140)に変換される。このR,G,B値(中間値)とルックアップテーブル群140および線形補完で、ステップS−12で説明したのと同様にシアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)=(42,40,34,11)のインク量を得て対応する色が印刷される。
このとき、第1の画像点で印字された色は無彩色ではなく、ややオレンジ味を帯びており、CIELAB値で言うとL*=49.1、a*=1.4、b*=4.5であった。これはブラックインクのみで印字されるためで、インクジェット型の印刷装置のブラックインクは記録媒体120の種類によって様々な色相を示す。このため、シアン・マゼンタ・イエローのインクを適量混ぜないと完全な無彩色にはならない。次に、第2の画像点で印字された色は第2の変換機能に対応するモードのときと同様であるので、無彩色よりややシアン味を帯びたL*=46.8、a*=−1.0,b*=−3.3になり、第1の画像点と第2の画像点の色差ΔE* ab(CIE 1976)=8.5と大きい。このように、第3の変換機能に対応するモードでは、特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たす場合は第2の変換機能に対応するモードと同様であって、出力されるインク量(第3の色出力値)は、第1の変換機能に対応するモードでいずれかの(R,G,B)入力値に対応する出力されるインク量(色出力値)と必ず対応する。一方、特定の条件を満たさない場合、第3の変換機能に対応するモードで出力されるインク量(色出力値)は、この限りではない。本実施形態では”特定の条件を満たさない”とは”墨版保持を必要とする”ことを意味する。墨版保持とはマクロに見たときに色彩空間上で一致することよりも、ルーペ等でミクロに観察したときのインク構成を一致させることを重視した機能であるから、たとえ変換後の色空間が3次元以上であってもより低次元に変換すると不具合が生じるため、例外的に別処理を行うのである。
墨版保持をOFFにしたとき(第2の変換機能のモード)では前述の通り、色入力値の差が小さければ出力される色の色差も小さい。一方、墨版保持をONにしたとき(第3の変換機能のモード)では特定の条件を満たしたときのみ色差が大きくなり、写真画像などを印刷すると特定の条件を満たす領域(C>0 OR M>0 OR Y>0)と満たさない領域(C=M=Y=0)で色に差ができてしまう上に、特定条件を満たさない領域ではブラックインクのみで印刷するから粒状感も悪化する。しかし、文字などではKのみで指定するとブラックインのみで印字するから、色にじみはない。従って、写真画像などを高画質で打ち出す場合は墨版保持をOFFにして第2の変換機能のモードを使用し、文字中心の画像であれば墨版保持をONにして第3の変換機能のモードを使用すればよい。
本実施形態でのEEPROM134上にはルックアップテーブル群140、一つの座標変換テーブル141、一つの墨版テーブル142を格納する必要がある。本実施形態ではルックアップテーブル群140は10種類の記録媒体120について各々3解像度をサポートしており、計30個のルックアップテーブルよりなる。前述の通り、各ルックアップテーブルは17×17×17=4913個の格子点をもち、各格子点でシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの各インクに対応した1×4バイトのインク量データを持つので、30×4913×4=589560バイトを占有する。座標変換テーブル141は17×17×17×17=83521個の格子点を持ち、各R,G,B1バイトずつの値を持つので83521×3=250563バイトを占有する。墨版テーブル142は17個の格子点を持ち、ブラックインクに対応した1バイトデータを各格子点に持つので17バイトを占有する。これらをあわせてEEPROM134は、840140バイト以上の容量を必要とする。ここで、従来技術のように座標変換テーブル141を持たず、4次元入力のルックアップテーブルを各記録媒体の種類および解像度に対して持つことを考えた場合、EEPROMは、30×17×17×17×17×4=10022520バイト以上の容量が必要となり、本実施形態に比べて13倍の容量を必要とする。この結果、本実施形態では、従来技術の方法と比べてメモリー容量を大きく削減することが可能になる。
また、本実施形態では30個の3次元入力のルックアップテーブルと一つの座標変換テーブルを設計すればよいが、4次元入力のルックアップテーブルを各記録媒体の種類および解像度に対して持つ従来の方法ではさらに30個のルックアップテーブルを設計しなくてはならず、約2倍の手間が生じる。すなわち、座標変換テーブル141を用いて4次元入力時に3次元入力のルックアップテーブルを参照することで、容易に対応することができるのである。
また、本実施形態では墨版保持機能の有無も容易に切り替えられる。このような機能を従来のようにルックアップテーブルで実現すると、墨版保持の有無によってさらに30個のルックアップテーブルを設計しなくてはならないが、本実施形態では一つの墨版テーブルを設計するだけでよいので、さらに容易に対応することができる。
〔第2の実施形態〕
図5は第2の実施形態における制御ユニット130Bおよび色変換装置としてのコンピューター150のブロック図である。印刷装置101の構成は制御ユニット130Aが制御ユニット130Bに置き換わるだけであるので、同じ番号を付与することで説明は省略する。コンピューター150は印刷装置101の外部に独立して配置された汎用コンピューターであり、印刷装置101および制御ユニット130Bに汎用の通信手段(例えばUSBケーブル)で接続されている。
本実施形態では、色変換装置の機能は制御ユニット130Bではなく、コンピューター150上のハードディスクユニット151内に格納されたアプリケーションプログラム152をコンピューター150上のCPU153がRAM154上にロードして実行することで実現される。なお、図示しないがコンピューター150はディスプレイ、キーボード、BIOS用のROM、各種汎用インターフェイスなどを備えたいわゆるパーソナルコンピューターもしくはワークステーションである。コンピューター150上のハードディスクユニット151にはさらにルックアップテーブル群140、一つの座標変換テーブル141、一つの墨版テーブル142が格納される。本実施形態ではコンピューター150上で色入力情報はインクに対応した色出力情報に変換され、さらにディザマスク法などで複数の二値データに変換された後、インターフェイスユニット155を介して汎用の通信プロトコル(例えばUSB規格)で制御ユニット130Bに送信される。制御ユニット130BはROM132に格納されたプログラムで紙送りモーター111、キャリッジモーター113を制御するとともに、コンピューター150上から送信されたインク量データをインターフェイスユニット135で受信し、この受信データをもとに印刷ヘッド115に対して適切なインク量を吐出するように制御することで、記録媒体120上に画像データに対応する画像を印刷するように構成される。
ルックアップテーブル群140、一つの座標変換テーブル141、一つの墨版テーブル142などの説明は第1の実施形態と同様であるので同じ番号を付与することで説明は省略する。また、アプリケーションプログラム152の色変換装置としてのフローチャートは第1の実施形態で説明した図3と同様であり、具体的な動作説明もまた同様である。
本実施形態によれば、制御ユニット上のコンピューター150上のハードディスクユニット151のデータを書き換えれば対応する記録媒体や解像度を追加することが可能であるので、新しい記録媒体などにも柔軟に対応できる。また、制御ユニット130BのCPU131は第1の実施形態に比べ、より少量の計算しか必要としないのでより低速なものでよく、EEPROM134は不要であるので印刷装置101を容易に製造することができる。一方で本実施形態では汎用のコンピューター150が必要であり、コンピューター150から制御ユニット130Bへ全インク量のデータを送信するために解像度によっては極めて膨大な情報量を送信しなくてはならないため、送信速度によって印刷速度が制限される懸念があるので、用途に応じて適切な形態を選択すればよい。
〔第3の実施形態〕
図6は第3の実施形態における制御ユニット130Cのブロック図である。本実施形態では第1の実施形態と同様に、制御ユニット130Cが色変換装置として機能するようにCPU131、ROM132、RAM133、EEPROM136がバスで相互に接続されて構成されている。CPU131、ROM132、RAM133の説明については第1の実施形態と同様であるので同じ番号を付与することで説明は省略する。また、印刷装置101の構成は制御ユニット130Aが制御ユニット130Cに置き換わるだけであるので、同じ番号を付与することで説明は省略する。
EEPROM136上には第1ルックアップテーブル群143、第2ルックアップテーブル群144、第3ルックアップテーブル群145が格納されている。ここで第1ルックアップテーブル群143は、3次元入力(R,G,B入力)に対してシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク量を出力する複数のルックアップテーブルであり、第1の実施形態におけるルックアップテーブル群140と同様のものである。次に、第2ルックアップテーブル群144及び第3ルックアップテーブル群145は、4次元入力(C,M,Y,K入力)に対してシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク量を0〜255の1バイト整数で出力する複数のルックアップテーブルである。第1ルックアップテーブル群143、第2ルックアップテーブル群144および第3ルックアップテーブル群145は、それぞれ10種類の記録媒体120について各々3解像度をサポートしており、計30個のルックアップテーブルよりなる。ここで、第2ルックアップテーブル群144に含まれた各ルックアップテーブルの各格子点でのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク量は、第1ルックアップテーブル群143の同一記録媒体と同一解像度に対応したルックアップテーブルにおけるいずれかの格子点のインク量と等しい。
また、第3ルックアップテーブル群145のあるルックアップテーブルは色入力値が特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たす限り、第1ルックアップテーブル群143の同一記録媒体・同一解像度に対応したルックアップテーブルにおけるいずれかの格子点のインク量と等しい。一方、特定の条件を満たさない場合(C=0 AND M=0 AND Y=0)はその限りではなく、ブラックインク以外のシアン・マゼンタ・イエローの各インク量が0になるように設定されている。
図7は色変換装置としての制御ユニット130Cのフローチャートである。ステップS−01で、外部から画像データ(印刷データ)を受信し、ステップS−01Aで、画像データの情報が3次元(RGB、第1の色入力値)であれば第1の変換機能に対応するモードが選択される。他方、色入力情報が4次元(CMYK、第2の色入力値)の場合、ステップS−01Bで、墨版保持設定に応じて第2の変換機能に対応するモードもしくは第3の変換機能に対応するモードが選択される。これらの動作は第1の実施形態の図3のステップS−01,S−01A,S−01Bと同様であるので説明を省略する。
また、第1の変換機能に対応するモード(RGBデータのモード)が選択された場合の動作もルックアップテーブル群140が第1ルックアップテーブル群143になる他は第1の実施形態の図3ステップS−11からステップS−14で説明したものと同様であるので説明は省略する。以下同様に、第1の実施形態の図3と同じ処理を行うステップには図3と番号を付与している。
第2の変換機能に対応するモード(CMYKデータのモード、墨版保持なし)が選択された場合、ステップS−21で、画像データの各画像点の4次元色情報(C,M,Y,K値)を色入力値として取り出すのは第1の実施形態と同様である。しかし、本実施形態では次のステップS−23Bで、第2ルックアップテーブル群144から記録媒体120の種類および記録解像度にもとづき選択された一つのルックアップテーブルの色入力値に近接する格子点のインク量を読み込み、数式2で示したような線形補完によってシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク量に変換する。ただし、第1の実施形態では数式2で出力される数値faveがR,G,B値であるが、本実施形態では出力される数値faveはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク量である。すなわち、中間値(R,G,B)に変換する中間ステップは持たず、第1の変換機能に対応するモードとは別のルックアップテーブルを用いてインク量の変換を直接行う。次に、ステップS−24でこのインク量に対応する制御信号を制御ユニット130Cから印刷ヘッド115に送信することを繰り返すことにより、記録媒体120上に送信されたデータに対応した画像が形成されるのは第1の実施形態と同様である。
第3の色変換機能に対応するモード(CMYKデータのモード、墨版保持有り)が選択された場合、ステップS−31で、画像データの各画像点の4次元色情報(C,M,Y,K値)を色入力値として取り出すのは第1の実施形態と同様である。次に、ステップS−33Cで、第3ルックアップテーブル群145から記録媒体120の種類および記録解像度にもとづき選択された一つのルックアップテーブルの入力値に近接する格子点のインク量を読み込み、数式2で示したような線形補完によってシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量に変換する。すなわち、第1の変換機能に対応するモード及び第2の変換機能に対応するモードとはさらに別のルックアップテーブルを用いてインク量に変換を行う。また、特定の条件による判断も行う必要はない。次に、ステップS−34で、このインク量に対応する制御信号を制御ユニット130Cから印刷ヘッド115に送信することを繰り返すことにより、記録媒体120上に送信されたデータに対応した画像が形成されるのは第1の実施形態と同様である。
本実施形態における色入力値とインク量(色出力値)の対応は第1の実施形態と変わらない。第1の実施形態が4次元入力値を3次元値(中間値)に変換して3次元のルックアップテーブルを参照するのに対し、本実施形態では4次元入力値から直接4次元のルックアップテーブルを参照している。しかし、任意の(C,M,Y,K)の入力に際し第2の変換機能に対応するモードで出力されるインク量(色出力値)は、第1の変換機能に対応するモードでいずれかの(R,G,B)入力値に対応する出力されるインク量(色出力値)と必ず一致するように第2ルックアップテーブル群144は構成される。また、特定の条件を満たす(C,M,Y,K)の入力に際し第3の変換機能に対応するモードで出力されるインク量(色出力値)もまた同様であり、特定の条件を満たさない(C,M,Y,K)の入力に際し、第3の変換機能に対応するモードで出力されるインク量(色出力値)はブラックインク以外が0になるように第3ルックアップテーブル群145が構成されている。
このような構成の第2ルックアップテーブル群144および第3ルックアップテーブル群145は容易に第1ルックアップテーブル群143から作成することができる。
図8は第2ルックアップテーブル群144に含まれるルックアップテーブルの一つを第1ルックアップテーブル群143の同じ記録媒体・解像度に対応するルックアップテーブルから生成するフローチャートである。S−0はS−5までの処理を各格子点(C,M,Y,K)で繰り返すためのループ端である。生成される第2ルックアップテーブル群144に含まれるルックアップテーブルの各格子点(C,M,Y,K)について、まずステップS−R1で、R=255−C−KでR値を計算する。ただし、Rが負の値となった場合はステップS−R2でR=0に補正する。同様にステップS−G1でG=255−M−KでG値を計算し、Gが負の値となった場合はステップS−G2でG=0に補正、ステップS−B1でB=255−Y−KでB値を計算し、Bが負の値となった場合はステップS−B2でB=0に補正する。こうやって得られた(R,G,B)値をステップS−3で、第1ルックアップテーブル群143の同じ記録媒体・解像度に対応するルックアップテーブルと数式1で示す四面体線形補完を用いてインク値に換算する。ステップS−3の詳細な計算は図3のステップS−12で説明した手順と全く同一であるので詳細は省略する。次に、ステップS−4で、計算されたインク量をルックアップテーブルの格子点に値として格納する。以上を全格子点で繰り返すことで第2ルックアップテーブル群144に含まれるルックアップテーブルの一つが完成し、これを全ての記録媒体・解像度に対応した各ルックアップテーブルについて繰り返すことで第2ルックアップテーブル群144が完成する。
図9は第3ルックアップテーブル群145に含まれるルックアップテーブルの一つを第1ルックアップテーブル群143の同じ記録媒体・解像度に対応するルックアップテーブルから生成するフローチャートである。S−0はS−5までの処理を各格子点(C,M,Y,K)で繰り返すためのループ端である。生成される第3ルックアップテーブル群145に含まれるルックアップテーブルの各格子点(C,M,Y,K)について、まず特定の条件(C>0 OR M>0 OR Y>0)を満たすかどうかの判断が行われる。ここで特定の条件を満たした場合はステップS−R1,S−R2,S−G1,S−G2,S−B1,S−B2,S−3,S−4が順次実施されるが、これらのステップの動作は図8で説明したものと全く同一であるので同じステップ番号を付与して詳細は省略する。特定の条件を満たしていない場合、ステップS−K1でブラックインク量が格子点のK値の二乗を255で割ることで求まる(小数点以下は四捨五入する)。次に、ステップS−K2で、ブラック以外のインク、すなわちシアン・マゼンタ・イエローのインク量が0にセットされる。次に、ステップS−4に進み、図8で説明したように各格子点にインク量が格納される。以上を全格子点で繰り返すことで第3ルックアップテーブル群145に含まれるルックアップテーブルの一つが完成し、これを全ての記録媒体・解像度に対応したルックアップテーブルについて繰り返すことで第3ルックアップテーブル群145が完成する。図8、図9に示した作業はコンピューターでプログラムにして自動実行可能であり、従来のルックアップテーブルの作成方法で必要な実印刷と測色が不要であるため、容易に作成することができる。
本実施形態の構成では、第1の実施形態に比べてEEPROM136の容量が大きくなるが、第2の変換機能に対応するモードや第3の変換機能に対応するモードでの計算量が少なくなるため、CPU131により低速なものを用いることができるというメリットを有している。また、本実施形態では第2ルックアップテーブル群144や第3ルックアップテーブル群145のうち、一部のルックアップテーブルのみに本発明の内容を適用することができるため、柔軟性に富む。すなわち、特定の記録媒体の種類や解像度で特殊な要望がある場合(例えば特定の条件が異なるなど)に対応することが容易である。
本発明は実施形態の形態に限定されるものではなく、印刷装置101として4色でなく、より多色のインクを使用する印刷装置としてもよいし、インクジェット型以外の印刷装置に適用しても差し支えない。
また、座標変換テーブル141を一つでなく、複数持たせることで記録媒体や解像度ごとの変換精度を向上させてもよい。また、墨版テーブル142も同様に複数持たせ記録媒体や解像度で切り替えることで階調の破綻やガンマ特性の精度を向上させることもできる。さらに変換テーブル141のかわりに変換関数を用い、プログラム上の計算によりC,M,Y,K座標をR,G,B座標に変換しても良い。また、ルックアップテーブル群140も同様にR,G,B座標からインク量に変換する関数群に置き換えてもよい。
本発明の実施形態は墨版保持する場合を特定の条件の例外としたが、これに限らず様々な条件を用いてもよい。例えば純色入力時を例外条件として、特定の条件を{(C>0 AND M>0 AND Y>0) OR (M>0 AND Y>0 AND K>0) OR (C>0 AND M>0 AND K>0) OR(C>0 AND Y>0 AND K>0)}とするなどである。
また、本実施形態では3次元入力と4次元入力に対応する色変換装置であったが、例えば3次元入力と5次元入力に応用してもよく、次元数は任意に変更可能である。
101…印刷装置、115…印刷ヘッド、130A,130B,130C…制御ユニット、133…RAM、134,136…EEPROM、140…ルックアップテーブル群、141…変換テーブル、142…墨版テーブル、143…第1ルックアップテーブル群、144…第2ルックアップテーブル群、145…第3ルックアップテーブル群、150…コンピューター、151…ハードディスクユニット、152…アプリケーションプログラム。

Claims (4)

  1. 外部から入力された、n次元(nは3以上の整数)の色空間における座標値を表す第1の色入力値を、第1の色出力値に変換する第1の変換機能と、
    外部から入力された、m次元(mはnより大きい整数)の色空間における座標値を表す第2の色入力値を、第2の色出力値に変換する第2の変換機能と、を有する色変換装置であって、
    前記m次元の色空間における前記第2の色入力値のそれぞれに対応する前記第2の色出力値は、前記n次元の色空間における前記第1の色入力値のそれぞれに対応する前記第1の色出力値のいずれかと等しいことを特徴とする色変換装置。
  2. 前記第1の変換機能は、ルックアップテーブルを参照することで前記第1の色入力値を前記第1の色出力値に変換し、
    前記第2の変換機能は、前記第2の色入力値を前記n次元の色空間における座標値を表す色中間値に変換した後に、前記ルックアップテーブルを参照することで前記色中間値を前記第2の色出力値に変換することを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  3. 前記第2の色入力値を第3の色出力値に変換する第3の変換機能をさらに有し、
    前記mは4であり、前記第2の色入力値は、墨版を含む4色の色空間における各色量を表し、
    前記第3の変換機能は、前記墨版を除く各色量のいずれかが0でないときに、
    前記第2の色入力値を前記n次元の色空間における座標値を表す色中間値に変換した後に、前記ルックアップテーブルを参照することで前記色中間値を前記第3の色出力値に変換することを特徴とする請求項2に記載の色変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の色変換装置を備えた印刷装置。
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