JP2001203903A - 色変換装置 - Google Patents

色変換装置

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JP2001203903A
JP2001203903A JP2000135797A JP2000135797A JP2001203903A JP 2001203903 A JP2001203903 A JP 2001203903A JP 2000135797 A JP2000135797 A JP 2000135797A JP 2000135797 A JP2000135797 A JP 2000135797A JP 2001203903 A JP2001203903 A JP 2001203903A
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matrix
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signal
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JP2000135797A
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Chizuru Inoue
千鶴 井上
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色変換のための正確な演算を実現すると共
に、明度や彩度などの変換、大規模なメモリを必要とせ
ずに各メディアや各印字モードに対応できる低コストな
色変換装置を提供する。 【解決手段】 色変換装置は、それぞれ上記第1の色信
号を異なる空間に色変換を行うための、マトリックスの
係数が可変であるマトリックス計算部23、3次元ルッ
クアップテーブル計算部22、及び1次元ルックアップ
テーブル計算部24乃至26を備え、これら3種類の計
算部が上記第1の色信号を第2の色信号に色変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる色空間に色
信号を変換するための色変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の色変換装置は、コンピュータ上の
カラー画像をカラー印刷するカラー印刷システムやフル
カラーコピーなどに利用されている。コンピュータの内
部では、カラー画像は、画素ごと、赤・緑・青(R,
G,B)3色の蛍光体のそれぞれの発光輝度を変化させ
る加法混色で色を再現している。これに対して、カラー
印刷においては、シアン、マゼンタ、イエロー(C,
M,Y)の3色、もしくは、これにブラックを加えた4
色のインク濃度を変化させる減法混色で色を再現し、印
字している。
【0003】また、同様に、フルカラーコピーは、入力
が赤・緑・青(R,G,B)であり、出力においてはシ
アン、マゼンタ、イエロー(C,M,Y)の3色、もし
くは、これにブラックを加えた4色のインク濃度を変化
させる減法混色で色を再現し、印字している。
【0004】したがって、コンピュータ上のカラー画像
をカラー印刷あるいはフルカラーコピーするには、赤・
緑・青(R,G,B)からシアン、マゼンタ、イエロー
(C,M,Y)へというように、異なる色空間への変換
が必要である。この際、シアン、マゼンタ、イエロー
(C,M,Y)への変換を行う前に、L*a*bやLu
v等の均等色空間に一旦変換してから、シアン、マゼン
タ、イエロー(C,M,Y)へ変換することもある。
【0005】図11は、一般的な従来の色変換装置のシ
ステム構成ブロック図を示す。入力装置10から色信号
が入力され、色変換を行うために色変換部11にデータ
が送られる。色変換部11の内部では、入力された点が
参照番号12で示される3次元ルックアップテーブル計
算部又はマトリックス計算部によって変換され、さらに
それぞれの次元毎に設けられた1次元ルックアップテー
ブル計算部13乃至15において、出力にあった色信号
に変換された後、出力装置16に送られる。
【0006】上記従来の色変換装置によれば、格子点に
対応させたルックアップテーブルデータを有し、入力点
を含む複数個の格子点から線形補間を行い、出力信号を
求めている。さらに、ルックアップテーブルの正確さを
上げるために、1次元ルックアップテーブル計算部13
乃至15で補正が行われる。
【0007】ここで、図12を参照しながら、3次元ル
ックアップテーブルの概念について説明する。3次元ル
ックアップテーブルは、或る一定間隔で区切られた3次
元テーブルであり、各格子点上に変換後の値が存するよ
うになっている。例えば、入力信号をAn(Rn,G
n,Bn)、出力信号をA’n(R’n,G’n,B’
n)とすると、入力信号の格子点A1(R1,G1,B
1)〜AN(RN,GN,BN)において、(R’1,
G’1,B’1)〜(R’N,G’N,B’N)の値が
定義されている。
【0008】図13は、3次元ルックアップテーブルを
用いた補間方法の概念図であり、8点補間法を示してい
る。信号が入力されると、どの格子内にある点かを判断
し、最近傍の8点に基づいて、以下の式(1)〜(1
0)に基づいて補間の計算を行い、求める値を算出す
る。
【0009】 A=b0 +b1 ΔR+b2 ΔG+b3 ΔB+b4 ΔRΔG+b5 ΔRΔB +b6 ΔGΔB+b7 ΔRΔGΔG …(1) ΔR=R−R1,ΔG=G−G1,ΔB=B−B1 …(2) b0 =A1 …(3) b1 =(A2−A1)/(R2−R1) …(4) b2 =(A3−A1)/(G2−G1) …(5) b3 =(A5−A1)/(B2−B1) …(6) b4 =(A4−A3−A2+A1)/〔(R2−R1)(G2−G1)〕 …(7) b5 =(A6−A5−A2+A1)/〔(R2−R1)(B2−B1)〕 …(8) b6 =(A7−A5−A3+A1)/〔(G2−G1)(B2−B1)〕 …(9) b7 = (A8-A7-A6-A4+A2+A5+A3+A1)/[(R2-R1)(G2-G1)(B2-B1)] …(10) また、実測値から回帰分析を用いて、3×3、3×9等
の大きさの変換マトリックスを作成し、その変換マトリ
ックスを用いて所望の出力信号を求めることも可能であ
る。
【0010】以下の式(11)は、変換マトリックスM
が3×3の場合であり、回帰分析で変換マトリックスM
を求めて、式(11)を使用して色変換を行う。
【0011】
【数1】
【0012】さらに、入力信号と出力信号の関係は線形
でないことから、正確性を高めるために、上述の3次元
ルックアップテーブル(又はマトリックス)を使用した
後、一旦、入力信号にリニアな信号に変換し、さらに1
次元ルックアップテーブルを使用して入力信号にリニア
な信号から出力信号にリニアな信号に変換する。このよ
うな色変換装置は公知の技術である。図11に示すよう
に、マトリックス変換後に1次元ルックアップテーブル
変換を行うか、あるいは3次元ルックアップテーブル変
換後に1次元ルックアップテーブル変換を行うという形
態が一般的である。
【0013】また、3次元ルックアップテーブル(又は
マトリックス)、1次元ルックアップテーブルは、変換
する色を変えたり、明度、彩度などを微調整する場合は
内容を変更する必要がある。このような色変換装置に関
するものは、例えば、特開平7−274024号公報や
特開平7−237245号公報、及び特開平9−247
484号公報に開示されている。
【0014】特開平7−274024号公報によれば、
それぞれの特性を備えたマトリックスを用意し、それを
合成して新しく変換マトリックスが作成される。また、
特開平7−23245号公報によれば、操作部からの信
号に応じて、マトリックスの微調整量が決定される。ま
た、特開平9−247484号公報によれば、必要なマ
トリックスや3次元ルックアップテーブルを合成し、新
たな3次元ルックアップテーブルが作成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】色変換は、3次元ルッ
クアップテーブルと1次元ルックアップテーブルを用い
て行われたり、回帰分析で求めたマトリックスと1次元
ルックアップテーブルを用いて行われたりすることが主
流である。しかし、色変換の正確さを考慮した場合、3
次元ルックアップテーブルの方がマトリックスよりも精
度が高いので、3次元ルックアップテーブルが一般に用
いられる。
【0016】ところが、上記従来の技術は次のような問
題点を有している。すなわち、インクジェットプリンタ
のように、印字する際に、メディアや印字モードごとに
色を変える必要がある出力機が存在し、このような出力
機の場合、メディアや印字モードごとに目的の色変換に
合わせた3次元ルックアップテーブルと1次元ルックア
ップテーブルのペア、並びに、マトリックスと1次元ル
ックアップテーブルのペアをそれぞれ備えておく必要が
ある。
【0017】このように、3次元ルックアップテーブル
を何種類も備えておくことは、非常に大規模なメモリを
必要とし、甚大なコスト高を招来する。また、1次元ル
ックアップテーブルで対応した場合には、CMY系で考
えた場合、明度、彩度などを変更する際、一つの色成分
のみで決まるわけではないので、正確な色の変換ができ
ないことが多い。
【0018】マトリックスを使用する際は、メモリは少
なくてよいが、色変換の正確さにおいて、3次元ルック
アップテーブルより劣ってしまう。また、高性能のDS
P等の登場により、乗算などの複雑な計算が、それほど
コストの増大を招来せずに行えるようになってきてい
る。
【0019】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的は、色変換のための正確な演算を実現す
ると共に、大規模なメモリを必要とせずに、明度や彩度
などの変換、各メディアや各印字モード等に対応できる
低コストな色変換装置を提供することにある。
【0020】また、本発明の他の目的は、明るさや彩
度、色度などを実験的に調整するのではなくて、理論的
に調整し、これにより、色変換の調整及び微調整という
煩雑で時間の要する作業を不要とし、上記調整及び微調
整のための開発時間及び開発コストが確実に削減できる
色変換装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る色変換装置
は、上記課題を解決するために、第1の色信号から第2
の色信号に変換して出力する色変換装置において、以下
の措置を講じたことを特徴としている。
【0022】即ち、上記色変換装置は、それぞれ上記第
1の色信号を異なる空間に色変換を行うための、マトリ
ックスの係数が可変であるマトリックス変換部、多次元
ルックアップテーブル変換部、及び1次元ルックアップ
テーブル変換部を備え、これら3つの変換部が上記第1
の色信号から第2の色信号への色変換に関与することを
特徴としている。
【0023】上記の発明によれば、3つの変換部が関与
して第1の色信号が第2の色信号に変換された後、出力
される。
【0024】インクジェットプリンタのように、印字す
る際に、メディアや印字モードごとに色を変える必要が
ある出力機の場合、多次元ルックアップテーブル変換部
と1次元ルックアップテーブル変換部とからなる構成に
おいては多次元ルックアップテーブルを何種類も備えて
おくことは、非常に大規模なメモリを必要とし、甚大な
コスト高を招来する。また、マトリックス変換部と1次
元ルックアップテーブル変換部とからなる構成において
は1次元ルックアップテーブル変換部で対応すると、C
MY系で考えた場合、明度、彩度などを変更する際、一
つの色成分のみで決まるわけではないので、正確な色の
変換ができないことが多い。
【0025】これに対して、上記の発明によれば、マト
リックス変換部のマトリックスの係数は可変であり、該
マトリックスの係数を変えることによって、印字の濃
度、メディアに適した色変換、印字モードに適した色変
換、明度変換、彩度変換、色相変換などに対して対応可
能となる。このようにマトリックスの係数を変えること
によって、様々な色変換を行うことが可能となるので、
多次元ルックアップテーブル変換部内のルックアップテ
ーブル及び1次元ルックアップテーブル変換部内のルッ
クアップテーブルは基本的なものでよい。それゆえ、従
来のように多次元ルックアップテーブルを何種類も備え
ることが不要となり、その分、メモリの大規模化や高コ
スト化を確実に回避できる。
【0026】マトリックス変換部、多次元ルックアップ
テーブル変換部、及び1次元ルックアップテーブル変換
部という3つの変換部を介して第1の色信号から第2の
色信号に色変換されるので、3次元ルックアップテーブ
ル変換部と1次元ルックアップテーブル変換部という2
つの変換部によって色変換を行う場合や、マトリックス
変換部と1次元ルックアップテーブル変換部という2つ
の変換部によって色変換を行う場合と比較すると、多く
の多次元ルックアップテーブルを用意することなく付加
的な変換も含んださらに精度の高い色変換が可能とな
る。
【0027】特に、3次元ルックアップテーブル変換部
と1次元ルックアップテーブル変換部という2つの変換
部によって色変換を行う場合と比較すると、濃度変化、
印字モード、メディアモード、彩度や明度が異なる各種
変換、及びこれらの変換を組み合わせたもの等が、同じ
構成(ハードウェア上の構成)で対応できると共に、更
なる精度の向上が図れる。
【0028】上記の色変換装置において、上記多次元ル
ックアップテーブル変換部、上記マトリックス変換部、
及び上記1次元ルックアップテーブル変換部は、この順
に接続され、上記第1の色信号は上記多次元ルックアッ
プテーブル変換部に送られ、上記1次元ルックアップテ
ーブル変換部から第2の色信号が出力されることが好ま
しい。
【0029】この場合、第1の色信号は、まず、多次元
ルックアップテーブル変換部に送られ、ここで色変換が
行われる。この多次元ルックアップテーブル変換部の出
力は、マトリックス変換部に送られ、ここで、付加的な
(濃度、モード、メディア等の)色変換が行われる。こ
のように色変換が行われた後、1次元ルックアップテー
ブル変換部で更に色変換されて第2の色信号として出力
される。これにより、多くの多次元ルックアップテーブ
ルを用意することなく付加的な変換も含んださらに精度
の高い色変換が可能となる。
【0030】上記の色変換装置において、上記第1の色
信号は均等色空間の色信号であり、上記マトリックス変
換部、上記多次元ルックアップテーブル変換部、及び上
記1次元ルックアップテーブル変換部は、この順に接続
され、上記第1の色信号は上記マトリックス変換部に送
られ、上記1次元ルックアップテーブル変換部から第2
の色信号が出力されることが好ましい。
【0031】CMY色空間では、3つの色が相互に作用
するため、マトリックス係数(色変換式)は、理論的に
決定しにくく、実験的に求められる。これに対して、均
等色空間では、明度成分と彩度成分が分離しているた
め、一般的な回転や移動の式でマトリックス係数(色変
換式)が理論的に決定できる。
【0032】つまり、均等色空間で最初にマトリックス
変換を行うことによって、明るさや彩度、色度などが、
実験的にではなく、理論的に調整される。その結果、C
MY色空間等において必要であった実験的に行う色調整
が不要となり、開発コスト及び開発時間を大幅に削減で
きる。
【0033】上記の構成の場合、均等色空間で、第1の
色信号は、まず、マトリックス変換部に送られ、ここ
で、マトリックス変換が行われ、明るさや彩度、色相な
どが、理論的に調整される。このように理論的に調整さ
れて色変換が行われたマトリックス変換部の出力は、多
次元ルックアップテーブル変換部に送られ、ここで、多
次元ルックアップテーブルに基づいて更なる色変換が行
われた後、1次元ルックアップテーブル変換部で更に色
変換されて第2の色信号として出力される。これによ
り、多くのルックアップテーブルを持つことなく付加的
な変換まで含んださらに精度の高い色変換が可能とな
る。
【0034】上記の色変換装置は、画質を決定する制御
信号を入力する入力手段と、各種色変換に応じた複数の
マトリックスの係数を格納するメモリ手段と、上記制御
信号に基づいて上記メモリ手段からマトリックスの係数
を選択して上記マトリックス変換部に送る選択手段とを
更に備え、上記マトリックス変換部は、選択されたマト
リックスの係数に基づいて色変換を行うことが好まし
い。
【0035】この場合、入力手段を介して制御信号が入
力されると、該制御信号に基づいて、選択手段は、メモ
リ手段からマトリックスの係数を上記マトリックス変換
部に送る。該マトリックス変換部は、上記メモリ手段か
ら送られてきたマトリックスの係数に基づいて色変換を
行うようになっている。メモリ手段には、各種色変換に
応じた所定数のマトリックスの係数が格納されている。
【0036】また、ルックアップテーブル等を使用して
いた場合には、変換に応じたルックアップテーブルを予
め用意しなければならないが、マトリックスの場合は乗
算することによって変換を組み合わせることが可能とな
るため、基本的なマトリックス係数を保持するだけでよ
い。
【0037】このように、マトリックスの係数を変える
ことによって、マトリックス変換部におけるマトリック
スの数を増加させることなく且つ多次元ルックアップテ
ーブルおよび1次元ルックアップテーブルのための余分
なメモリを設けることなく、各種さまざまな色変換に対
して同じハードウェア上の構成で対応可能となる。
【0038】上記の色変換装置は、画質を決定する制御
信号を入力する入力手段と、それぞれ異なる色変換に対
応する複数のマトリックスの係数を格納するメモリ手段
と、上記制御信号に基づいて上記メモリ手段から複数の
マトリックスに対応する係数を選択する選択手段と、上
記選択手段によって選択された複数のマトリックスの係
数を乗算して上記マトリックス変換部に送る乗算手段と
を更に備え、上記マトリックス変換部は、乗算されたマ
トリックスの係数に基づいて複合的な色変換を行うこと
が好ましい。
【0039】この場合、入力手段を介して制御信号が入
力されると、選択手段は、該制御信号に基づいてメモリ
手段から複数のマトリックスに対応する係数を選択して
乗算手段に送る。乗算手段では、選択された複数のマト
リックスに対応する係数の乗算が行われ、該複数の色変
換に係る情報が含まれた別の一つの合成マトリックス係
数が生成され、これがマトリックス変換部に送られる。
該マトリックス変換部は、上記乗算手段から送られてき
た合成マトリックス係数に基づいて色変換を行うように
なっている。メモリ手段には、各種の色変換に応じた所
定数のマトリックスに対応する係数が格納されており、
このように、複数のマトリックスの係数を合成し、一つ
のマトリックスの係数とし、それを色変換に用いること
で、一度の色変換で複合的な変換が行える。
【0040】また、マトリックス変換部のマトリックス
の数を増加させることなく且つ多次元ルックアップテー
ブル変換部内の多次元ルックアップテーブルおよび1次
元ルックアップテーブル変換部内のルックアップテーブ
ルのための余分なメモリを設けることなく、各種さまざ
まな色変換に対して同じハードウェア上の構成で対応可
能となる。
【0041】しかも、ルックアップテーブル等を使用し
ていた場合には、変換に応じたルックアップテーブルを
予め用意しなければならないが、マトリックスの場合は
乗算することによって変換を組み合わせることが可能と
なるため、基本的なマトリックス係数を保持するだけで
よい。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1乃至図10に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0043】図1は、本実施の形態に係る色変換装置の
システム構成ブロック図を示す。コンピュータ等の入力
装置20から第1の色信号(例えば、赤・緑・青(R,
G,B)3色で表され、コンピュータ上のカラー画像に
対応する。)が入力されると、色変換部21(色変換装
置)において、所望の色変換が行われた後、第2の色信
号(シアン、マゼンタ、イエロー(C,M,Y)の3
色、もしくは、これにブラックを加えた4色)としてフ
ルカラー複写機やインクジェットプリンタ等の出力装置
27に出力される。
【0044】上記色変換部21は、図1に示すように、
上記第1の色信号を異なる空間の第2の色信号に色変換
を行うための、3次元ルックアップテーブルを有する3
次元ルックアップテーブル計算部22(多次元ルックア
ップテーブル変換部)、係数が可変であるマトリックス
を有するマトリックス計算部23(マトリックス変換
部)、および各次元に対応して設けられ、それぞれルッ
クアップテーブルを有する1次元ルックアップテーブル
計算部24乃至26から主として構成されている。上記
3次元ルックアップテーブル計算部22は、3次元ルッ
クアップテーブルを有するものに限定されるものではな
く、2次元以上の多次元ルックアップテーブルを有する
多次元ルックアップテーブル計算部であればよい。
【0045】上記色変換部21において、3次元ルック
アップテーブル計算部22、上記マトリックス計算部2
3、及び上記1次元ルックアップテーブル変換部24乃
至26は、この順に接続(図1に示す接続)されること
が好ましい。
【0046】このように接続すれば、第1の色信号は、
まず、3次元ルックアップテーブル計算部22に送ら
れ、ここで3次元ルックアップテーブルに基づいて色変
換が行われる。この3次元ルックアップテーブル計算部
22の出力は、マトリックス計算部23に送られ、ここ
で、付加的な色変換がマトリックスに基づいて行われ
る。このように微妙な色調整が行われた後、1次元ルッ
クアップテーブル計算部24乃至26で更に色変換され
て1次元ルックアップテーブルに基づいて第2の色信号
として出力される。このように、3種類の計算部が色変
換に関与することによって、より精度の高い色変換を行
うことが可能となる。
【0047】なお、上記マトリックス計算部23は、マ
トリックスの係数が可変なように構成されている。ま
た、3次元ルックアップテーブル計算部22内の3次元
ルックアップテーブルと、1次元ルックアップテーブル
計算部24乃至26内の1次元ルックアップテーブルと
は、基本的なもの(全てのメディア・モードに共通で使
用できるものであり、全ての付加的な変換(例えば、メ
ディアやモード等のための変換)の根本となる変換をす
るもの)でよい。
【0048】上記色変換部21は、以上のように、3次
元ルックアップテーブル計算部22、マトリックスの係
数が可変であるマトリックス計算部23、及び1次元ル
ックアップテーブル計算部24乃至26を備え、これら
の計算部の全てが関与して、上記第1の色信号が第2の
色信号に色変換されるようになっている。
【0049】ところで、上記出力装置27が、インクジ
ェットプリンタのように、印字する際に、メディアや印
字モードごとに色を変える必要がある場合、3次元ルッ
クアップテーブル計算部と1次元ルックアップテーブル
計算部とからなる構成においては、3次元ルックアップ
テーブルを必要に応じて何種類も備えておくことは、非
常に大規模なメモリを必要とし、甚大なコスト高を招来
する。
【0050】それを回避するために1次元ルックアップ
テーブルで対応しようとすると、色変換の正確性を欠
く。例えば、1次元ルックアップテーブルがCMYとす
るならば、明度、彩度を変更する場合には、一つの色成
分のみでは調整ができないので、正確な色変換を行うこ
とができない。
【0051】これに対して、上記色変換部21によれ
ば、マトリックス計算部23のマトリックスの係数は可
変であり、このようにマトリックスの係数を変えること
によって、印字濃度を変化させることが可能となる。こ
の場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元ル
ックアップテーブルを印字濃度の変化に応じて変える必
要はない。
【0052】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、メディアに適した(メディアにそった)色
の印字を行うことが可能となる。この場合、3次元ルッ
クアップテーブル、および1次元ルックアップテーブル
をメディアに応じて変える必要はない。
【0053】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、印字モードに適した(印字モードにそっ
た)色の印字を行うことが可能となる。この場合、3次
元ルックアップテーブル、および1次元ルックアップテ
ーブルを印字モードに応じて変える必要はない。
【0054】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の明度に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを明度変換に応じて変える必要は
ない。
【0055】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の彩度に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを彩度変換に応じて変える必要は
ない。
【0056】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の色相に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを色相変換に応じて変える必要は
ない。
【0057】以上のように、上記マトリックス計算部2
3のマトリックスの係数を変化させることによって、印
字の濃度、メディアに適した色変換、印字モードに適し
た色変換、明度変換、彩度変換、色相変換などに対して
同じハードウェア上の構成で対応可能となる。このよう
に、さまざまな色変換を行うことが可能となるので、3
次元ルックアップテーブル及び1次元ルックアップテー
ブルは基本的なもの(全てのメディア・モードに共通で
使用できるものであり、全ての付加的な変換(例えば、
メディアやモード等のための変換)の根本となる変換を
するもの)でよい。これにより、従来のように3次元ル
ックアップテーブルを何種類も備えることが不要とな
り、その分、メモリの大規模化や高コスト化を確実に回
避でき、大幅なコスト低減が可能となる。明度、彩度な
どを変更する際、1次元ルックアップテーブルで対応す
るより正確な色の変換が行える。
【0058】3次元ルックアップテーブル計算部22、
マトリックスの係数が可変であるマトリックス計算部2
3、及び1次元ルックアップテーブル計算部24乃至2
6の全てが関与して、上記第1の色信号が第2の色信号
に色変換されるので、従来のように3次元ルックアップ
テーブル計算部と1次元ルックアップテーブル計算部と
いう2つの計算部によって色変換を行う場合やマトリッ
クス計算部と1次元ルックアップテーブル計算部という
2つの計算部によって色変換を行う場合と比較すると、
遙に正確な色変換が可能となる。
【0059】特に、3次元ルックアップテーブル計算部
と1次元ルックアップテーブル計算部という2つの計算
部によって色変換を行う場合と比較すると、濃度変化、
印字モード、メディアモード、彩度、明度や色相が異な
る各種変換が、同じ構成(ハードウェア上の構成)で対
応できると共に、更なる精度の向上が図れる。
【0060】ここで、図2を参照しながら、上記色変換
部21を備えた色変換装置による色信号の変換のフロー
を簡単にまとめると、次のようになる。すなわち、入力
装置20を介して第1の色信号が3次元ルックアップテ
ーブル計算部22に入力されると、ここで色変換が行わ
れた(S501及びS502)後、マトリックス計算部
23に送られる。マトリックス計算部23では、付加的
な色調整が行われた(S503)後、その出力は1次元
ルックアップテーブル計算部24乃至26に送られ、こ
こで、出力にあった第2の色信号に変換されて(S50
4)、出力装置27に出力される(S505)。
【0061】以上は、図1において、色変換部21は、
3次元ルックアップテーブル計算部22、上記マトリッ
クス計算部23、及び上記1次元ルックアップテーブル
変換部24乃至26が、この順に接続された場合につい
て説明しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、色変換部21は、第1の色信号を均等色空間の色
信号とし、上記マトリックス計算部23、3次元ルック
アップテーブル計算部22、及び上記1次元ルックアッ
プテーブル変換部24乃至26が、この順に接続されて
いてもよい(図3参照)。以下に、図3の構成の場合に
ついて説明する。なお、図3においては、図1と同じ機
能を有する部材には同じ参照符号を付記し、詳細な説明
を省略する。
【0062】図3の構成によれば、均等色空間の第1の
色信号は、まず、マトリックス計算部23に送られ、こ
こで、可変であるマトリックスの係数に基づいて色変換
が行われる。この際、均等色空間で最初にマトリックス
計算部23で第1の色信号の色変換を行うことによっ
て、明るさや彩度、色度などは、実験的に調整されるの
ではなくて、理論的に調整されることになる。これによ
り、色変換の調整及び微調整という煩雑で時間の要する
作業が不要となり、上記調整及び微調整のための開発時
間及び開発コストを確実に削減できる。
【0063】上記マトリックス計算部23の出力は、3
次元ルックアップテーブル計算部22に送られ、ここで
3次元ルックアップテーブルに基づいて更なる色変換が
行われる。この3次元ルックアップテーブル計算部22
の出力は、1次元ルックアップテーブル計算部24乃至
26に送られ、ここで1次元ルックアップテーブルに基
づいて更なる色変換が行われ、第2の色信号として出力
される。
【0064】図3の構成の場合にも、上記色変換部21
は、以上のように、マトリックス計算部23、3次元ル
ックアップテーブル計算部22、及び1次元ルックアッ
プテーブル計算部24乃至26を備え、これら3種類の
計算部の全てが関与して、均等色空間の上記第1の色信
号が他の色空間の第2の色信号に色変換されるようにな
っている。このように、3種類の計算部が色変換に関与
することによって、より精度の高い色変換を行うことが
可能となる。
【0065】また、図1の構成の場合と同様に、メディ
アや印字モードごとに色を変える必要がある場合でも、
上記色変換部21によれば、マトリックス計算部23の
マトリックスの係数は可変であり、このようにマトリッ
クスの係数を変えることによって、印字濃度を変化させ
ることが可能となる。この場合、3次元ルックアップテ
ーブル、および1次元ルックアップテーブルを印字濃度
の変化に応じて変える必要はない。しかも、均等色空間
でマトリックスの計算を最初に行うため、マトリックス
の係数を理論的に設定することができ、従来のようにC
MY色空間で色を実験的に調整する必要がなく、画質調
整に要するコスト及び時間を大幅に削減できる。
【0066】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、メディアに適した(メディアにそった)色
の印字を行うことが可能となる。この場合、3次元ルッ
クアップテーブル、および1次元ルックアップテーブル
をメディアに応じて変える必要はない。しかも、均等色
空間でマトリックスの計算を最初に行うため、マトリッ
クスの係数を理論的に設定することができ、従来のよう
にCMY色空間で色を実験的に調整する必要がなく、画
質調整に要するコスト及び時間を大幅に削減できる。
【0067】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、印字モードに適した(印字モードにそっ
た)色の印字を行うことが可能となる。この場合、3次
元ルックアップテーブル、および1次元ルックアップテ
ーブルを印字モードに応じて変える必要はない。しか
も、均等色空間でマトリックスの計算を最初に行うた
め、マトリックスの係数を理論的に設定することがで
き、従来のようにCMY色空間で色を実験的に調整する
必要がなく、画質調整に要するコスト及び時間を大幅に
削減できる。
【0068】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の明度に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを明度変換に応じて変える必要は
ない。しかも、均等色空間でマトリックスの計算を最初
に行うため、マトリックスの係数を理論的に設定するこ
とができ、従来のようにCMY色空間で色を実験的に調
整する必要がなく、画質調整に要するコスト及び時間を
大幅に削減できる。
【0069】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の彩度に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを彩度変換に応じて変える必要は
ない。しかも、均等色空間でマトリックスの計算を最初
に行うため、マトリックスの係数を理論的に設定するこ
とができ、従来のようにCMY色空間で色を実験的に調
整する必要がなく、画質調整に要するコスト及び時間を
大幅に削減できる。
【0070】また、上記マトリックスの係数を変えるこ
とによって、多種の色相に変換することが可能となる。
この場合、3次元ルックアップテーブル、および1次元
ルックアップテーブルを色相変換に応じて変える必要は
ない。しかも、均等色空間でマトリックスの計算を最初
に行うため、マトリックスの係数を理論的に設定するこ
とができ、従来のようにCMY色空間で色を実験的に調
整する必要がなく、画質調整に要するコスト及び時間を
大幅に削減できる。
【0071】以上のように、上記マトリックス計算部2
3のマトリックスの係数を変化させることによって、印
字の濃度、メディアに適した色変換、印字モードに適し
た色変換、明度変換、彩度変換、色相変換などに対して
同じハードウェア上の構成で対応可能となる。このよう
に、さまざまな色変換を行うことが可能となるので、3
次元ルックアップテーブル及び1次元ルックアップテー
ブルは基本的なもの(全てのメディア・モードに共通で
使用できるものであり、全ての付加的な変換(例えば、
メディアやモード等のための変換)の根本となる変換を
するもの)でよい。これにより、従来のように3次元ル
ックアップテーブルを何種類も備えることが不要とな
り、その分、メモリの大規模化や高コスト化を確実に回
避でき、大幅なコスト低減が可能となる。また、CMY
系で考えた場合、明度、彩度などを変更する際、正確な
色の変換が確実に行える。
【0072】マトリックスの係数が可変であるマトリッ
クス計算部23、3次元ルックアップテーブル計算部2
2、及び1次元ルックアップテーブル計算部24乃至2
6の全てが関与して、上記第1の色信号が第2の色信号
に色変換されるので、従来のように3次元ルックアップ
テーブル計算部と1次元ルックアップテーブル計算部と
いう2つの計算部によって色変換を行う場合やマトリッ
クス計算部と1次元ルックアップテーブル計算部という
2つの計算部によって色変換を行う場合と比較すると、
遙に正確な色変換が可能となる。
【0073】特に、3次元ルックアップテーブル計算部
と1次元ルックアップテーブル計算部という2つの計算
部によって色変換を行う場合と比較すると、濃度変化、
印字モード、メディアモード、彩度、明度や色相が異な
る各種変換が、同じ構成(ハードウェア上の構成)で対
応できると共に、更なる精度の向上が図れる。
【0074】ここで、図4を参照しながら、図3の上記
色変換部21を備えた色変換装置による色信号の変換の
フローを簡単にまとめると、次のようになる。すなわ
ち、入力装置20を介して均等色空間の信号である第1
の色信号がマトリックス計算部23に送られる。マトリ
ックス計算部23では、マトリックスの係数を理論的に
設定し、このマトリックスの係数に基づいて色変換が行
われる。それから、マトリックス計算部23の出力は3
次元ルックアップテーブル計算部22に入力され、ここ
で3次元ルックアップテーブルに基づいて更なる色変換
が行われた(S301及びS302)後、1次元ルック
アップテーブル計算部24乃至26に送られ、ここで、
出力にあった第2の色信号に変換されて(S304)、
出力装置27に出力される(S305)。
【0075】ここで、図5を参照しながら、上記マトリ
ックス計算部23のマトリックスの係数がどのようにし
て変えられるかについて説明する。なお、図1の構成と
同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細
な説明を省略する。
【0076】本実施の形態に係る色変換装置は、図1の
構成に加えて、画質を決定する制御信号を入力する制御
信号入力部30(入力手段)と、各種の色変換に応じた
複数のマトリックスに対応する係数を格納するマトリッ
クス係数格納メモリ32(メモリ手段)と、上記制御信
号に基づいてマトリックスの係数を上記マトリックス係
数格納メモリ32から選択して上記マトリックス計算部
23に送るマトリックス係数選択部31(選択手段)と
を更に備えており、上記マトリックス計算部23は、選
択されたマトリックスの係数に基づいて色変換を行うよ
うになっている。
【0077】ここで、図6を参照しながら、マトリック
スの係数を変化させることについて説明する。すなわ
ち、上記色変換装置によれば、制御信号入力部30を介
して制御信号が入力される(S701)と、マトリック
ス係数選択部31は、該制御信号に基づいてマトリック
ス係数格納メモリ32からマトリックスの係数を選択し
(S702)てマトリックス計算部23に送る。このよ
うに選択されたマトリックスの係数がマトリックス計算
部23に代入される(S703)。
【0078】マトリックス計算部23は、上記マトリッ
クス係数格納メモリ32から送られてきたマトリックス
の係数に基づいて色変換を行うようになっている。マト
リックス係数格納メモリ32には、各種色変換に応じた
所定数のマトリックスの係数が格納されている。また、
ルックアップテーブル等を使用していた場合には、変換
に応じたルックアップテーブルを予め用意しなければな
らないが、マトリックスの場合は乗算することによって
変換を組み合わせることが可能となるため、基本的なマ
トリックス係数を保持するだけでよい。
【0079】このように、マトリックスの係数を変える
ことによって、マトリックス計算部23のマトリックス
の数を増加させることなく且つ3次元ルックアップテー
ブル計算部22内の3次元ルックアップテーブル、及び
1次元ルックアップテーブル計算部24乃至26内の1
次元ルックアップテーブルのための余分なメモリを設け
ることなく、各種さまざまな色変換に対して同じハード
ウェア上の構成で対応可能となる。
【0080】ここで、本実施の形態におけるマトリック
ス計算部23によるマトリックス演算の一例を説明す
る。
【0081】次式(12)は、1次の関係式になってい
るが、色変換装置を組み込む機器の精度やコストに合わ
せて2次元、3次元に拡張することができる。式(1
2)の係数は、実際に望む変換を施した画像を印字し、
入力前のCMYと変換後のC’M’Y’を測色して、回
帰分析を用いて求めることができる。
【0082】式(12)のような形でマトリックス変換
を定義することによって、線形変換にも非線形変換にも
対応可能となり、一つのマトリックスを用意し、その係
数を変えることによって、多種多様の色変換に対応する
ことが可能となる。
【0083】
【数2】
【0084】つまり、上式(12)のマトリックスの係
数を変えることによって、印字(インク)の濃度、メデ
ィアに適した色変換、印字モードに適した色変換、明度
変換、彩度変換、及び色相変換等が可能となる。
【0085】上述のように、マトリックスの係数を色変
換に組み入れることによって、3次元ルックアップテー
ブル計算部23内の3次元ルックアップテーブルと1次
元ルックアップテーブル計算部24乃至26内の1次元
ルックアップテーブルとは基本的なもの(全てのメディ
ア・モードに共通で使用できるものであり、全ての付加
的な変換(例えば、メディアやモード等のための変換)
の根本となる変換をするもの)でよい。マトリックスの
係数を変えることによって様々な色変換を行うことがで
きるので、従来のように3次元ルックアップテーブルと
1次元ルックアップテーブルとをそれぞれ何種類も備え
る必要がない。
【0086】図5の色変換部21において、第1の色信
号を均等色空間の色信号とし、3次元ルックアップテー
ブル計算部22とマトリックス計算部23の接続順序を
逆にしてもよい(図7参照)。この場合について以下に
簡単に説明する。なお、図7において、図5の構成と同
じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細な
説明を省略する。
【0087】この場合も、マトリックスの係数を変える
ことによって、マトリックス計算部23のマトリックス
の数を増加させることなく且つ3次元ルックアップテー
ブル計算部22内の3次元ルックアップテーブル、及び
1次元ルックアップテーブル計算部24乃至26内の1
次元ルックアップテーブルのための余分なメモリを設け
ることなく、各種さまざまな色変換に対して同じハード
ウェア上の構成で対応可能となる。
【0088】しかも、均等色空間で最初にマトリックス
計算部23で色変換を行うことによって、明るさや彩
度、色度などが、実験的に調整されるのではなくて、理
論的に調整されることになるので、色変換の調整及び微
調整という煩雑で時間の要する作業が不要となり、上記
調整及び微調整のための開発時間及び開発コストを確実
に削減できる。
【0089】ここで、図7のマトリックス計算部23に
よるマトリックス演算の一例を説明する。
【0090】次式(13)は、1次の関係式になってい
るが、色変換装置を組み込む機器の精度やコストに合わ
せて2次元、3次元に拡張することができる。式(1
3)の係数は、実際に望む変換を理論式により決定する
ことができる。
【0091】式(13)のような形でマトリックス変換
を定義することによって、線形変換にも非線形変換にも
対応可能となり、一つのマトリックスを用意し、その係
数を変えることによって、多種多様の色変換に対応する
ことが可能となる。
【0092】
【数3】
【0093】つまり、上式(13)のマトリックスの係
数を変えることによって、印字(インク)の濃度、メデ
ィアに適した色変換、印字モードに適した色変換、明度
変換、彩度変換、及び色相変換等が可能となる。
【0094】また、均等色空間内で上記の変換を行うこ
とから、理論的にその変換式を求めることができる。例
えば、CMY色空間で上記のような変換を考えた場合、
3つの色が相互に作用するため、理論的には決定しにく
く、実験的に求めることが多い。ところが、均等色空間
であるL*a*b空間においては、明度成分と彩度成分
が分離しているため、一般的な回転や移動の式でそれら
の変換式が理論的に記述できる。
【0095】上述のように、マトリックスの係数を色変
換に組み入れることによって、3次元ルックアップテー
ブル計算部23内の3次元ルックアップテーブルと1次
元ルックアップテーブル計算部24乃至26内の1次元
ルックアップテーブルとは基本的なもの(全てのメディ
ア・モードに共通で使用できるものであり、全ての付加
的な変換(例えば、メディアやモード等のための変換)
の根本となる変換をするもの)でよい。マトリックスの
係数を変えることによって様々な色変換を行うことがで
きるので、従来のように3次元ルックアップテーブルと
1次元ルックアップテーブルとをそれぞれ何種類も備え
る必要がない。
【0096】ここで、図8を参照しながら、マトリック
ス計算部23において、それぞれ異なる色変換に使う複
数のマトリックスを事前に乗算し、乗算後の合成マトリ
ックスを使用してマトリックス演算を行うことによっ
て、一度の色変換で複合的な色変換が行える例について
説明する。
【0097】図8の構成は、マトリックス係数乗算部3
3が更に設けられている点で図5の構成と異なってい
る。なお、図5の構成と同じ機能を有する部材には同じ
参照番号を付記し、詳細な説明を省略する。
【0098】図8の構成を有する色変換装置において
は、画質を決定する制御信号を入力する制御入力部30
と、それぞれ異なる色変換に対応する複数のマトリック
スの係数を格納するマトリックス係数格納メモリ32
と、上記制御信号に基づいて上記マトリックス係数格納
メモリ32から複数のマトリックスの係数を選択するマ
トリックス係数選択部31と、このマトリックス係数選
択部31によって選択された複数のマトリックスを乗算
して上記マトリックス計算部23に送るマトリックス係
数乗算部33とを備えている。これにより、上記マトリ
ックス計算部23は、乗算されたマトリックスの係数に
基づいて複合的な色変換を一度に行うことが可能とな
る。
【0099】具体的には、入力装置20を介して第1の
色信号が色変換部21に入力される。色変換部21で
は、前述のように、入力された点が3次元ルックアップ
テーブル計算部22によって変換された後、マトリック
ス計算部23に送られ、ここで、付加的な色調整が行わ
れる。このように付加的な色調整が行われた後、1次元
ルックアップテーブル計算部24乃至26で更に色変換
されて第2の色信号として出力装置27に出力される。
【0100】この際、上記マトリックス計算部23へ送
られるマトリックスの係数は、上記制御信号入力部30
を介して入力される制御信号に基づいて、マトリックス
係数格納メモリ32から所望の色変換処理に対応する少
なくとも2つのマトリックスの係数が選択され、マトリ
ックス係数乗算部33に送られて乗算されたものであ
る。
【0101】ここで、図9を参照しながら、図8の構成
を有する色変換装置の動作について以下に説明する。な
お、ここでは、説明の便宜上、2つのマトリックスの係
数を乗算する例について説明するが、本発明はこれに限
定されるものではなく、3つ以上のマトリックスの係数
を乗算する場合にも適用可能である。
【0102】制御信号入力部30を介して制御信号が入
力される(S1101)と、マトリックス係数選択部3
1は、該制御信号に基づいてマトリックス係数格納メモ
リ32から所望の色変換に対応する異なる2つのマトリ
ックスの係数(図9における第1の変換マトリックス係
数および第2の変換マトリックス係数)をそれぞれ選択
する(S1102及びS1103)。これら選択された
2つのマトリックスの係数に対して、マトリックス係数
乗算部33は乗算(マトリックス演算)を行った(S1
104)後、乗算結果をマトリックス計算部23に送
る。この乗算結果は、上記2つの色変換に係る情報を含
み、別の一つの合成マトリックス係数としてマトリック
ス計算部23に送られる。このようにして、乗算された
マトリックスの係数がマトリックス計算部23に代入さ
れる(S1105)。
【0103】マトリックス計算部23は、以上のよう
に、上記マトリックス係数乗算部33から送られてきた
複数のマトリックスの係数に基づいて複数の色変換を一
度に行えるようになっている。マトリックス係数格納メ
モリ32には、各種の色変換に応じた所定数のマトリッ
クスに対応する係数が格納されている。
【0104】このように、複数のマトリックスの係数を
マトリックスの乗算により1つにまとめることによっ
て、マトリックス計算部23内のマトリックスの数を増
加させることなく且つ3次元ルックアップテーブル計算
部22内の3次元ルックアップテーブル、及び1次元ル
ックアップテーブル計算部24乃至26内の1次元ルッ
クアップテーブルのための余分なメモリを設けることな
く、各種さまざまな色変換に対して同じハードウェア上
の構成で対応可能となる。
【0105】図8に示す色変換部21において、第1の
色信号を均等色空間の色信号とし、3次元ルックアップ
テーブル計算部22とマトリックス計算部23の接続順
序を逆にしてもよい(図10参照)。この場合について
以下に説明する。なお、図10において、図8の構成と
同じ機能を有する部材には同じ参照番号を付記し、詳細
な説明を省略する。
【0106】この場合も、図8の場合と同様に、上記マ
トリックス計算部23は、乗算されたマトリックスの係
数に基づいて複合的な色変換を一度に行うことが可能と
なる。しかも、第1の色信号が均等色空間で最初にマト
リックス計算部23で色変換が行われるので、明るさや
彩度、色度などが、実験的に調整されるのではなくて、
理論的に調整されることになる。これにより、色変換の
調整及び微調整という煩雑で時間の要する作業が不要と
なり、上記調整及び微調整のための開発時間及び開発コ
ストを確実に削減できる。
【0107】具体的には、入力装置20を介して均等色
空間の第1の色信号が色変換部21に入力される。色変
換部21では、前述のように、入力された点がマトリッ
クス計算部23に送られ、明るさや彩度、色度などが、
理論的に調整されて色変換が行われた後、3次元ルック
アップテーブル計算部22に送られ、ここで、3次元ル
ックアップテーブルに基づいて更なる色変換が行われた
後、1次元ルックアップテーブル計算部24乃至26で
更に色変換されて第2の色信号として出力装置27に出
力される。
【0108】この際、上記マトリックス計算部23へ送
られるマトリックスの係数は、上記制御信号入力部30
を介して入力される制御信号に基づいて、マトリックス
係数格納メモリ32から所望の色変換処理に対応する少
なくとも2つのマトリックスの係数が選択され、マトリ
ックス係数乗算部33に送られて乗算されたものであ
る。詳細な動作は、図9に示す手順と同じ手順であり、
すでに説明済であるので、ここでは省略する。
【0109】マトリックス計算部23は、以上のよう
に、上記マトリックス係数乗算部33から送られてきた
複数のマトリックスの係数に基づいて複数の色変換を一
度に行えるようになっている。マトリックス係数格納メ
モリ32には、各種の色変換に応じた所定数のマトリッ
クスに対応する係数が格納されている。
【0110】また、ルックアップテーブル等を使用して
いた場合には、変換を組み合わせた結果のルックアップ
テーブルを予め用意しなければならないが、マトリック
スの場合は乗算することによって変換を組み合わせるこ
とが可能となるため、基本的なマトリックス係数を保持
するだけでよい。
【0111】このように、複数のマトリックスの係数を
マトリックスの乗算により1つにまとめることによっ
て、マトリックス計算部23内のマトリックスの数を増
加させることなく且つ3次元ルックアップテーブル計算
部22内の3次元ルックアップテーブル、及び1次元ル
ックアップテーブル計算部24乃至26内の1次元ルッ
クアップテーブルのための余分なメモリを設けることな
く、各種さまざまな色変換に対して同じハードウェア上
の構成で対応可能となる。
【0112】本発明に係る第1色変換装置は、以上のよ
うに、第1の色信号から第2の色信号へ変換する色変換
装置において、任意の大きさのマトリックスの計算部
と、入力信号の表色空間内の任意の数の点に、出力信号
のデータを対応させた3次元のルックアップテーブルデ
ータの計算部と、入力信号にただ一つの出力信号を対応
させた1次元のルックアップテーブルデータの計算部と
を備え、これらの計算部を全て使用して色変換を行うこ
とを特徴としている。
【0113】これにより、3次元ルックアップテーブル
テーブルとマトリックスと1次元のルックアップテーブ
ルを使って色変換することにより、マトリックスと1次
元ルックアップテーブルを用いて変換する従来の場合と
比較して、より精度の高い色変換が行える。また、3次
元ルックアップテーブルと1次元ルックアップテーブル
で変換する場合と比較して、濃度変化、印字モード、メ
ディアモード、彩度や明度が異なる各種変換が、同じハ
ードウェア上の構成で対応でき、さらに精度も高くな
る。
【0114】本発明に係る第2色変換装置は、上記第1
色変換装置において、上記第1の色信号を3次元のルッ
クアップテーブルで変換した後、マトリックスで変換
し、1次元のルックアップテーブルで変換して第2の色
信号を得ることができることを特徴としている。この場
合、3次元ルックアップテーブルで第1の信号を変換し
た後、さらにマトリックスで付加的な色補正をかけるこ
とにより、多くの多次元ルックアップテーブルを用意す
ることなく付加的な変換も含んださらに精度の高い色変
換が可能となる。
【0115】上記の第2色変換装置において、上記第1
の色信号を均等色空間の色信号とし、変換の順序を入れ
換えて、第1の色信号をマトリックスで変換した後、3
次元ルックアップテーブルで変換し、1次元ルックアッ
プテーブルで変換して第2の色信号を得ることができる
構成を採用してもよい。この場合、均等色空間において
明度、彩度、色相の変換や、メディア、印字モードに対
応した変換を行うので、理論的に色変換を行うことがで
き、またその間隔なども調整しやすい。従来のCMY色
空間においては、実験的に調整されていたので、その調
整に多大な時間とコストが費やされていたが、上記構成
によれば、これらの不具合を確実に解消できる。
【0116】本発明に係る第3色変換装置は、画質を決
定する制御信号の入力手段を有し、その入力手段によっ
て3次元ルックアップテーブル、1次元ルックアップテ
ーブル、マトリックスの係数を選択する選択手段を備
え、該選択手段によって選択されるために、数種のマト
リックス係数を保持しておくマトリックス係数保持手段
を備えたことを特徴としている。これにより、マトリッ
クスの係数を入れ替えることができる構造を有するの
で、各種変換が同じハードウェア上の構成で対応でき
る。
【0117】上記第3色変換装置において、上記第1の
色信号を均等色空間の色信号とし、第1の色信号をマト
リックスで変換した後、3次元ルックアップテーブルで
変換し、1次元ルックアップテーブルで変換して第2の
色信号を得ることができる構成の場合、均等色空間で最
初にマトリックスで色変換を行うことによって、明るさ
や彩度、色度などが、実験的に調整されるのではなく
て、理論的に調整されることになるので、色変換の調整
及び微調整という煩雑で時間の要する作業が不要とな
り、上記調整及び微調整のための開発時間及び開発コス
トを確実に削減できる。
【0118】本発明に係る第4色変換装置は、上記第2
色変換装置において、3次元ルックアップテーブルと1
次元ルックアップテーブルは固定であり、マトリックス
の係数のみ入れ替えることを特徴としている。これによ
り、3次元ルックアップテーブルと1次元ルックアップ
テーブルのための余分なメモリを必要とせず、メモリの
削減を図りながら、各種さまざまな変換に同じハードウ
ェア上の構成で対応できる。
【0119】本発明に係る第5色変換装置は、上記第4
色変換装置において、マトリックスを、印字濃度を変化
させるため、メディアにそった色の印字をするため、印
字モードにそった色の印字をするため、彩度変換をする
ため、明度変換をするため、または色相変換をするため
に、それぞれ使用することを特徴としている。これによ
り、3次元ルックアップテーブルや1次元ルックアップ
テーブルを、濃度変化ごと、メディアごと、印字モード
ごと、彩度変換ごと、明度変換ごと、または色相変換ご
とにそれぞれ変える変えることは不要となり、マトリッ
クスの係数を変えるだけで、多種の濃度、多種のメディ
ア、多種の印字モード、多種の彩度、多種の明度、また
は多種の色相ばかりか、その他の種類の変換にも同じハ
ードウェア上の構成で対応できるため、コスト低減が可
能となり、さらに大規模な3次元ルックアップテーブル
を何種類も備えることがないので、メモリの削減を図る
ことが可能となる。
【0120】本発明に係る第6色変換装置は、上記第2
色変換装置において、数種の変換に使われるマトリック
スの係数を一つのマトリックスにまとめるための演算機
構と、そのマトリックスを数種保存しておくメモリと、
制御信号によって変換に使用するマトリックスを数種選
択する機構を備えたことを特徴としている。これによ
り、数種の変換に使われるマトリックスの係数を事前に
乗算し、一つのマトリックスの係数とし、それを変換に
用いることで、一度の色変換で、複合的な変換を行うこ
とが可能となる。
【0121】上記の第4、第5、又は第6色変換装置に
おいて、上記第1の色信号を均等色空間の色信号とし、
第1の色信号をマトリックスで変換した後、3次元ルッ
クアップテーブルで変換し、1次元ルックアップテーブ
ルで変換して第2の色信号を得ることができる構成の場
合、均等色空間で最初にマトリックスで色変換を行うこ
とによって、明るさや彩度、色度などが、実験的に調整
されるのではなくて、理論的に調整されることになるの
で、色変換の調整及び微調整という煩雑で時間の要する
作業が不要となり、上記調整及び微調整のための開発時
間及び開発コストを確実に削減できる。
【0122】
【発明の効果】本発明に係る色変換装置は、以上のよう
に、それぞれ上記第1の色信号を異なる空間に色変換を
行うための、マトリックスの係数が可変であるマトリッ
クス変換部、多次元ルックアップテーブル変換部、及び
1次元ルックアップテーブル変換部を備え、これら3種
類の変換部が上記第1の色信号から第2の色信号への色
変換に関与することを特徴としている。
【0123】それゆえ、上記色変換装置は次のような効
果を併せて奏する。即ち、マトリックス変換部のマトリ
ックスの係数は可変であり、該マトリックスの係数を変
えることによって、印字の濃度、メディアに適した色変
換、印字モードに適した色変換、明度変換、彩度変換、
色相変換などに対して対応可能となる。
【0124】このようにマトリックスの係数を変えるこ
とによって、様々な色変換を行うことが可能となるの
で、多次元ルックアップテーブル変換部内のルックアッ
プテーブル及び1次元ルックアップテーブル変換部内の
ルックアップテーブルは基本的なものでよい。
【0125】従って、従来のように多次元ルックアップ
テーブルを何種類も備えることが不要となり、その分、
メモリの大規模化や高コスト化を確実に回避できる。明
度、彩度などを変更する際、正確な色の変換が確実に行
える。
【0126】マトリックス変換部、多次元ルックアップ
テーブル変換部、及び1次元ルックアップテーブル変換
部という3種類の変換部によって第1の色信号から第2
の色信号に色変換されるので、3次元ルックアップテー
ブル変換部と1次元ルックアップテーブル変換部という
2つの変換部によって色変換を行う場合や、マトリック
ス変換部と1次元ルックアップテーブル変換部という2
つの変換部によって色変換を行う場合と比較すると、多
くの多次元ルックアップテーブルを用意することなく付
加的な変換も含んださらに精度の高い色変換が可能とな
る。
【0127】特に、3次元ルックアップテーブル変換部
と1次元ルックアップテーブル変換部という2つの変換
部によって色変換を行う場合と比較すると、濃度変化、
印字モード、メディアモード、彩度や明度が異なる各種
変換、及びこれらの変換を組み合わせたもの等が、同じ
構成(ハードウェア上の構成)で対応できると共に、更
なる精度の向上が図れる。
【0128】上記多次元ルックアップテーブル変換部、
上記マトリックス変換部、及び上記1次元ルックアップ
テーブル変換部は、この順に接続され、上記第1の色信
号は上記多次元ルックアップテーブル変換部に送られ、
上記1次元ルックアップテーブル変換部から第2の色信
号が出力されることが好ましい。
【0129】この場合、第1の色信号は、まず、多次元
ルックアップテーブル変換部に送られ、ここで色変換が
行われる。この多次元ルックアップテーブル変換部の出
力は、マトリックス変換部に送られ、ここで、多次元ル
ックアップテーブル変換部で補正しきれなかった微妙な
色調整が行われる。このように微妙に色調整が行われた
後、1次元ルックアップテーブル変換部で更に色変換さ
れて第2の色信号として出力される。それゆえ、精度の
高い色変換が行えるという効果を奏する。
【0130】上記の色変換装置において、上記第1の色
信号は均等色空間の色信号であり、上記マトリックス変
換部、上記多次元ルックアップテーブル変換部、及び上
記1次元ルックアップテーブル変換部は、この順に接続
され、上記第1の色信号は上記マトリックス変換部に送
られ、上記1次元ルックアップテーブル変換部から第2
の色信号が出力されることが好ましい。
【0131】CMY色空間では、3つの色が相互に作用
するため、マトリックス係数(色変換式)は、理論的に
決定しにくく、実験的に求められる。これに対して、均
等色空間では、明度成分と彩度成分が分離しているた
め、一般的な回転や移動の式でマトリックス係数(色変
換式)が理論的に決定できる。
【0132】つまり、均等色空間で最初にマトリックス
変換を行うことによって、明るさや彩度、色度などが、
実験的にではなく、理論的に調整される。その結果、C
MY色空間等で必要であった実験的に行う色調整が不要
となり、これに伴う開発コスト及び開発時間を確実に削
減できる。
【0133】上記の構成の場合、均等色空間で、第1の
色信号は、まず、マトリックス変換部に送られ、ここ
で、マトリックス変換が行われ、明るさや彩度、色度な
どが、理論的に調整される。このように調整されたマト
リックス変換部の出力は、多次元ルックアップテーブル
変換部に送られ、ここで、多次元ルックアップテーブル
に基づいて更なる色変換が行われた後、1次元ルックア
ップテーブル変換部で更に色変換されて第2の色信号と
して出力される。これにより、精度の高い色変換が行え
るという効果を併せて奏する。
【0134】画質を決定する制御信号を入力する入力手
段と、各種色変換に応じた複数のマトリックスの係数を
格納するメモリ手段と、上記制御信号に基づいて上記メ
モリ手段からマトリックスの係数を選択して上記マトリ
ックス変換部に送る選択手段とを更に備え、上記マトリ
ックス変換部は、選択されたマトリックスの係数に基づ
いて色変換を行うことが好ましい。
【0135】この場合、マトリックスの係数を変えるこ
とによって、マトリックスの数を増加させることなく且
つ多次元ルックアップテーブルおよび1次元ルックアッ
プテーブルのための余分なメモリを設けることなく、各
種さまざまな色変換に対して同じハードウェア上の構成
で対応可能となるという効果を奏する。
【0136】また、画質を決定する制御信号を入力する
入力手段と、それぞれ異なる色変換に対応する複数のマ
トリックスの係数を格納するメモリ手段と、上記制御信
号に基づいて上記メモリ手段から複数のマトリックスに
対応する係数を選択する選択手段と、上記選択手段によ
って選択された複数のマトリックスの係数を乗算して上
記マトリックス変換部に送る乗算手段とを更に備え、上
記マトリックス変換部は、乗算されたマトリックスの係
数に基づいて複合的な色変換を行うことが好ましい。
【0137】この場合、乗算手段では、選択された複数
のマトリックスに対応する係数の乗算が行われ、該複数
の色変換に係る情報が含まれた別の一つの合成マトリッ
クス係数が生成され、これがマトリックス変換部に送ら
れる。該マトリックス変換部は、上記乗算手段から送ら
れてきた合成マトリックス係数に基づいて色変換を行う
ようになっている。このように、複数のマトリックスの
係数を合成することによって、一つのマトリックスの係
数とし、それを色変換に用いることで、一度の色変換で
複合的な変換が行える。
【0138】しかも、マトリックス変換部のマトリック
スの数を増加させることなく且つ多次元ルックアップテ
ーブル変換部内の多次元ルックアップテーブルおよび1
次元ルックアップテーブル変換部内のルックアップテー
ブルのための余分なメモリを設けることなく、各種さま
ざまな色変換に対して同じハードウェア上の構成で対応
可能となるという効果を併せて奏する。
【0139】また、ルックアップテーブル等を使用して
いた場合には、変換に応じたルックアップテーブルを予
め用意しなければならないが、マトリックスの場合は乗
算することによって変換を組み合わせることが可能とな
るため、基本的なマトリックス係数を保持するだけでよ
いという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色変換装置のシステム構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の色変換装置による色信号の変換を示すフ
ローチャートである。
【図3】本発明に係る他の色変換装置のシステム構成を
示すブロック図である。
【図4】図3の色変換装置による色信号の変換を示すフ
ローチャートである。
【図5】マトリックス計算部のマトリックスの係数を変
えるための構成例を示すブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するフローチャートである。
【図7】マトリックス計算部のマトリックスの係数を変
えるための他の構成例を示すブロック図である。
【図8】一度の色変換で複合的な色変換を行う色変換装
置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の構成を有する色変換装置の動作を説明す
るフローチャートである。
【図10】一度の色変換で複合的な色変換を行う色変換
装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】従来の色変換装置のシステムの構成を示すブ
ロック図である。
【図12】3次元ルックアップテーブルの概念を示す説
明図である。
【図13】3次元ルックアップテーブルを用いた補間方
法の概念図である。
【符号の説明】
20 入力装置 21 色変換部(色変換装置) 22 3次元ルックアップテーブル計算部(多次元ルッ
クアップテーブル変換部) 23 マトリックス計算部(マトリックス変換部) 24 1次元ルックアップテーブル計算部(1次元ルッ
クアップテーブル変換部) 27 出力装置 30 制御信号入力部(入力手段) 31 マトリックス係数選択部(選択手段) 32 マトリックス係数格納メモリ(メモリ手段) 33 マトリックス係数乗算部(乗算手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の色信号から第2の色信号に変換して
    出力する色変換装置において、 それぞれ上記第1の色信号を異なる空間に色変換を行う
    ための、マトリックスの係数が可変であるマトリックス
    変換部、多次元ルックアップテーブル変換部、及び1次
    元ルックアップテーブル変換部を備え、 これら3つの変換部が上記第1の色信号から第2の色信
    号への色変換に関与することを特徴とする色変換装置。
  2. 【請求項2】上記多次元ルックアップテーブル変換部、
    上記マトリックス変換部、及び上記1次元ルックアップ
    テーブル変換部は、この順に接続され、上記第1の色信
    号は上記多次元ルックアップテーブル変換部に送られ、
    上記1次元ルックアップテーブル変換部から第2の色信
    号が出力されることを特徴とする請求項1に記載の色変
    換装置。
  3. 【請求項3】上記第1の色信号は均等色空間の色信号で
    あり、上記マトリックス変換部、上記多次元ルックアッ
    プテーブル変換部、及び上記1次元ルックアップテーブ
    ル変換部は、この順に接続され、上記第1の色信号は上
    記マトリックス変換部に送られ、上記1次元ルックアッ
    プテーブル変換部から第2の色信号が出力されることを
    特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  4. 【請求項4】画質を決定する制御信号を入力する入力手
    段と、各種色変換に応じた複数のマトリックスの係数を
    格納するメモリ手段と、上記制御信号に基づいて上記メ
    モリ手段からマトリックスの係数を選択して上記マトリ
    ックス変換部に送る選択手段とを更に備え、上記マトリ
    ックス変換部は、選択されたマトリックスの係数に基づ
    いて色変換を行うことを特徴とする請求項2又は3に記
    載の色変換装置。
  5. 【請求項5】画質を決定する制御信号を入力する入力手
    段と、それぞれ異なる色変換に対応する複数のマトリッ
    クスの係数を格納するメモリ手段と、上記制御信号に基
    づいて上記メモリ手段から複数のマトリックスに対応す
    る係数を選択する選択手段と、上記選択手段によって選
    択された複数のマトリックスの係数を乗算して上記マト
    リックス変換部に送る乗算手段とを更に備え、上記マト
    リックス変換部は、乗算されたマトリックスの係数に基
    づいて複合的な色変換を行うことを特徴とする請求項2
    又は3に記載の色変換装置。
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