JP2012130206A - 多重回転子形電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のモータユニットを一体的に組み合わせ単一の電源部で駆動することにより、高速回転化、小形化、低コスト化、およびメンテナンスフリーを実現した多重回転子形電動機を提供する。
【解決手段】固定子回転磁界を形成する固定子巻線31を有してケース2に固定された固定子3と、固定子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する回転界磁部41および固定子回転磁界との電磁誘導作用により誘導起電力を生起する誘導巻線44および誘導巻線44に電気接続されて固定子回転磁界と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成する回転子巻線47を有し回転自在に軸承された複合回転子4と、回転子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する出力界磁部51を有し複合回転子4よりも高速で回転可能な回転子5と、回転子5に結合され回転自在に軸承された出力軸6と、固定子巻線に周波数の異なる二つの交流電流を重累して通電する電源部7と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は電動機に関し、より詳細には、複数の回転子を有する多重回転子形電動機に関する。
ハイブリッド車両では、駆動源としてエンジンおよび電動機を搭載し、エンジンによる駆動を電動機でアシストしたり、電動機単独で駆動したりできるようになっている。電動機には三相交流電動機が用いられ、インバータ装置で通電制御することにより、走行速度を可変に制御するのが一般的である。この種の車載電動機として、複数の回転子を有する多重回転子形電動機が提案されている。
例えば、特許文献1に開示される車両用変速装置は、エンジンに連結され少なくとも発電機として機能する第1回転電機と、車輪軸に連結され少なくとも電動機として機能する第2回転電機と、第1および第2回転電機をそれぞれ駆動する第1および第2駆動手段と、制御手段とを備え、制御手段より車両発進時により大きなトルクを発生することを目的としている。そして、特許文献1の図1に示される第1実施形態には、第1および第2回転電機を別体で備え、それぞれ別のインバータが接続される態様が開示されている。また、図8に示される第3実施形態には、第1および第2回転電機部で構成される2重ロータ構造の態様が開示されている。第3実施形態では、エンジンに連結され三相巻線が巻回された第1回転子から電力を取り出すためにブラシが用いられている。特許文献1の各態様では、車両発進時において、大きなクリープトルクを発生することができる、とされている。
また、特許文献2の電気式無段変速装置は、2重回転子構造を有する主モータと、出力軸のトルクを加減する副モータと、主および副インバータとを備えている。主モータは、エンジンに直結して回転する第1回転子と、車軸を駆動する第2回転子とで構成されている。第1回転子には三相巻線が設けられてインバータから電流を供給する旨が記載されており、特許文献1のブラシに相当する部材を備えることが推定される。
特開2005−47396号公報 特開平10−42600号公報
ところで、特許文献1の第1実施形態では、2つの回転電機(モータユニット)を別体で備えるので、装置が大形化してコストも高くなる。このため、2つの回転電機を一体化して、小形化および低コスト化を図った2重回転子構造の電動機が特許文献1の第3実施形態および特許文献2に開示されているが、回転している巻線に電源供給するためにブラシなどの回転給電部を設けることになる。したがって、回転給電部のスペース分だけ小形化の効果が減少する。また、経年使用による回転給電部の摩耗や疲労に対してメンテナンスが必要になりランニングコストがかさむ。さらに、特許文献1および2では、2つの回転電機のそれぞれに電源用のインバータが設けられており、製造コストも増加している。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、複数のモータユニットを一体的に組み合わせ単一の電源部で駆動することにより、高速回転化、小形化、低コスト化、およびメンテナンスフリーを実現した多重回転子形電動機を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る多重回転子形電動機の発明は、固定子回転磁界を形成する固定子巻線を有してケースに固定された固定子と、前記固定子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する回転界磁部および、前記固定子回転磁界との電磁誘導作用により誘導起電力を生起する誘導巻線および、前記誘導巻線に電気接続されて前記固定子回転磁界と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成する回転子巻線を有し、前記ケースに回転自在に軸承された複合回転子と、前記回転子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する出力界磁部を有し、前記複合回転子と同じ方向にかつ前記複合回転子よりも高速で回転可能な回転子と、前記回転子に結合され、前記ケースまたは前記複合回転子に回転自在に軸承された出力軸と、前記固定子巻線に周波数の異なる二つの交流電流を重累して通電する電源部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記電源部が前記固定子巻線に通電する周波数f1の第1交流電流により形成される第1固定子回転磁界の磁束Φ1、回転数n1、および前記固定子巻線と前記回転界磁部との間のトルクT1とし、周波数f2の第2交流電流により形成される第2固定子回転磁界の磁束Φ2、回転数n2、および前記固定子巻線と前記回転界磁部との間のトルクT2とし、前記回転子巻線と前記出力界磁部との間のトルクToutとしたとき、前記磁束Φ1<前記磁束Φ2、かつ前記トルクT1<前記トルクT2、かつ(前記トルクT2−前記トルクT1)>前記トルクToutであり、さらに、前記回転数n1<前記回転数n2であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記第1固定子回転磁界と前記第2固定子回転磁界の回転方向が同じ場合は、前記回転数n1<前記回転数n2であり、前記第1固定子回転磁界と前記第2固定子回転磁界の回転方向が異なる場合は前記回転数n1を負値で表し、0<(前記回転数n1の絶対値)<(2×前記回転数n2)であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記複合回転子の前記回転界磁部および前記誘導巻線が有するコアと、前記回転子巻線が有するコアとの間を磁気的に分離する磁気分離部を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線および前記複合回転子の前記回転界磁部で構成される第1モータユニットと、前記複合回転子の前記回転子巻線および前記回転子の前記出力界磁部で構成される第2モータユニットとは、回転数とトルクとの関係を示す出力特性が互いにほぼ同一であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記第2モータユニットは、前記第1モータユニットの回転数の2倍まで出力可能であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は全て三相結線されており、かつ、前記誘導巻線と前記回転子巻線とは二相が入れ替えられて電気接続されていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は、すべて同じコイル構成とされかつ周方向の相の配列順も一致していることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項8において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は三相結線されており、周方向に関する前記複合回転子の前記誘導巻線の三相の位置と前記回転子巻線の三相の位置とは一致することを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項6〜9のいずれか一項において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線の中でそれぞれY結線またはΔ結線を行って各相端子を構成し、前記誘導巻線および前記回転子巻線の対応する各相端子のいずれか二相を入れ替えて電気接続することを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線に代えてトロイダルコイル群を用いることを特徴とする。
請求項1に係る多重回転子形電動機の発明では、固定子の固定子巻線および複合回転子の回転界磁部で第1モータユニットが構成され、複合回転子の回転子巻線および回転子の出力界磁部で第2モータユニットが構成される。第1モータユニットでは、固定子の固定子巻線と複合回転子の回転界磁部との電磁相互作用によりトルクが発生するので、周波数の異なる二つの交流電流によって形成される固定子回転磁界の一方に同期して複合回転子が回転する。すると、複合回転子上の誘導巻線では、同期している回転磁界は変化せず、他方の回転磁界のみが複合回転子の回転数を含んで変化する。これにより、誘導巻線で誘導起電力が生起し、回転子巻線との電気接続を適正化することで、回転子巻線は複合回転子の回転と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成することができる。つまり、第2モータユニットでは、回転している複合回転子上でさらに高速回転する回転子回転磁界を形成することができる。したがって、回転子回転磁界に同期して回転する回転子および出力軸を高速回転化でき、特に電源部の周波数に由来する回転数よりも大きな出力回転数を得ることができる。なお、電源部の周波数に由来する回転数とは、一般的な電動機で電源部の周波数により定まる同期周波数を意味し、本発明では、請求項2の回転数n1および回転数n2のうち大きい側とする。
また、複数のモータユニットを別々に設けるのではなく複合一体化しており、加えて誘導巻線により非接触で誘導起電力を発生できブラシなどの回転給電部が不要であることから、多重回転子形電動機を小形化でき、製造コストは低廉になる。さらに、電源部を単一のインバータ装置で実現できることから、製造コストは一層低廉になる。また、回転給電部が不要であることから、メンテナンスフリーを実現でき、ランニングコストも低廉になる。
請求項2に係る発明では、第1および第2交流電流のうち、大きな磁束Φ2で大きなトルクT2を発生する第2交流電流の回転磁界に同期して複合回転子が回転数n2で回転する。ここで、回転子巻線と出力界磁部との間のトルクToutが(トルクT2−トルクT1)よりも小さいので、複合回転子の回転子回転磁界に同期して回転子および出力軸が高速回転する際に複合回転子の回転がふらつかず、出力軸の出力回転数が安定する。
また、回転数n1が回転数n2よりも小さいので、複合回転子上の誘導巻線では、磁束Φ1の回転磁界が逆回転方向に作用する。これにより、誘導巻線では電源部とは逆相の誘導起電力が発生し、回転子巻線との電気接続を適正化することで、複合回転子の回転と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成することができる。したがって、回転子および出力軸の回転数を複合回転子の回転数n2よりも高速化でき、電源部の周波数に由来する回転数n1、n2よりも大きな出力回転数を得ることができる。
請求項3に係る発明では、第1固定子回転磁界と第2固定子回転磁界の回転方向が異なる場合に回転数n1を負値で表す。これは、周波数の異なる第1および第2交流電流の相順が相互に異なるように制御することで実現できる。この場合、0<(回転数n1の絶対値)<(2×回転数n2)であることが好ましく、電源部の周波数に由来する回転数n1、n2の2〜3倍の出力回転数を得ることができる。
例えば、回転数n1が負値で0に近づくと、回転数n2で回転している複合回転子上の誘導巻線からみて、磁束Φ1の回転磁界の回転数Naは、Na=n1−n2≒―n2となる。これによって誘導巻線に生じる誘導起電力の相順を反転して回転子巻線に加えると、回転数Naは反転して(符号を変えて)加算される。つまり、出力軸回転数Noutは、Nout=n2+(−Na)≒2×n2となる。この出力軸回転数Noutは、電源部の周波数に由来する回転数n2の約2倍になっている。また、例えば、回転数n1=―n2であると、複合回転子上の誘導巻線からみた磁束Φ1の回転磁界の回転数Na=n1−n2=―2×n2となる。したがって、出力軸回転数Nout=n2+(−Na)=3×n2となり、電源部の周波数に由来する回転数n2の3倍になる。さらに、例えば、回転数n1=―2×n2に近づくと、複合回転子上の誘導巻線からみた磁束Φ1の回転磁界の回転数Na=n1−n2≒―3×n2となる。したがって、出力軸回転数Nout=n2+(−Na)≒4×n2となり、電源部の周波数に由来する回転数n1(≒2×n2)の絶対値の約2倍になる。
請求項4に係る発明では、複合回転子の回転界磁部および誘導巻線が有するコアと、回転子巻線が有するコアとの間を磁気的に分離する磁気分離部を有している。したがって、複合回転子内における2つのコアの間の磁気的な干渉が抑制されて第1および第2モータユニットが互いに独立して動作し、多重回転子形電動機を高効率化および、動作安定化できる。
請求項5に係る発明では、固定子の固定子巻線および複合回転子の回転界磁部で構成される第1モータユニットと、複合回転子の回転子巻線および回転子の出力界磁部で構成される第2モータユニットとは、回転数とトルクとの関係を示す出力特性が互いにほぼ同一になっている。したがって、高速の出力回転数を得るために第1および第2モータユニットで合理的に回転数を分担でき、製造コストが低廉になる。
請求項6に係る発明では、第2モータユニットは、第1モータユニットの回転数の2倍まで出力可能とされている。したがって、本発明で上限となる電源部の周波数に由来する回転数の3倍の出力回転数を実現できる。
請求項7に係る発明では、固定子の固定子巻線、複合回転子の誘導巻線および回転子巻線はそれぞれ三相結線されており、かつ、誘導巻線と回転子巻線とは二相が入れ替えられて電気接続されている。本発明は、三相巻線を用いて構成することができ、従来の三相交流電動機や電源部としての三相インバータ装置の技術を応用できる。したがって、多重回転子形電動機の動作が安定し、経済性にも優れる。また、誘導巻線と回転子巻線とで二相を入れ替えることにより容易に電気接続を適正化できる。
請求項8に係る発明では、固定子の固定子巻線、複合回転子の誘導巻線および回転子巻線は、すべて同じコイル構成とされかつ周方向の相の配列順も一致している。さらに、請求項9に係る発明では、複合回転子の誘導巻線および回転子巻線は三相結線されており、周方向に関する複合回転子の誘導巻線の三相の位置と回転子巻線の三相の位置とは一致している。これにより、固定子巻線、誘導巻線、および回転子巻線のコイル構成やコイル間の接続方法が統一されて分かりやすくかつ製造作業も容易となり、製造コストを削減できる。
請求項10に係る発明では、複合回転子の誘導巻線および回転子巻線の中でそれぞれY結線またはΔ結線を行って各相端子を構成し、誘導巻線および回転子巻線の対応する各相端子のいずれか二相を入れ替えて電気接続している。これにより、容易に電気接続を適正化でき、高速の出力回転数を得ることができる。
請求項11に係る発明では、複合回転子の誘導巻線および回転子巻線に代えてトロイダルコイル群を用いるようにしている。トロイダルコイル群を構成する各トロイダルコイルは、固定子回転磁界と鎖交して電磁誘導作用により誘導起電力を生起するとともに、誘導起電力によって電流が流れ回転子回転磁界を形成することができる。つまり、各トロイダルコイルは誘導巻線および回転子巻線を兼ねることができ、請求項1〜6と同様の効果が生じる。さらに、コイルがコアに保持される保持強度が向上するので、コイルの耐遠心力強度の確保が容易となり、製造コストを低減できる。
第1実施形態の多重回転子形電動機の構成を概念的に説明する断面図である。 固定子、複合回転子、および回転子の電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。 固定子巻線、誘導巻線、および回転子巻線の結線方法ならびに電気接続を説明する図である。 回転子側から固定子側を見た場合の固定子巻線、誘導巻線、および回転子巻線の電気角360°分のコイル構成を例示説明する図である。 固定子巻線に第1および第2交流電流を重累して通電したときに得られる回転数増加率および出力特性を説明する一覧表の図である。 図5で得られた回転数増加率をグラフ化して示した図である。 固定子巻線と回転子巻線の極対数が異なる場合の回転数増加率を説明する一覧表の図である。 第2実施形態の多重回転子形電動機の固定子、複合回転子、および回転子の電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。 (1)は第1実施形態の誘導巻線および回転子巻線の機能を説明する図、(2)は第2実施形態のトロイダルコイル群の機能を説明する図である。 第2実施形態の多重回転子形電動機のバリエーションの電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。 第2実施形態での固定子巻線およびトロイダルコイル群の結線方法ならびに電気接続について説明する図である。 回転子側から固定子側を見た場合の固定子巻線およびトロイダルコイル群の電気角360°分のコイル構成を説明する図である。 回転子側から固定子側を見た場合のトロイダルコイル群中のU−V相トロイダルコイルのコイル構成を説明する図である。 回転子側から固定子側を見た場合のトロイダルコイル群中のV−U相トロイダルコイルのコイル構成を説明する図である。 回転子側から固定子側を見た場合のトロイダルコイル群中のW−W相トロイダルコイルのコイル構成を説明する図である。 第1実施形態の多重回転子形電動機の実態構成の同軸内外配置例を説明する断面図である。 第1実施形態とはモータユニットの配置が異なる多重回転子形電動機の実態構成のタンデム配置例を説明する断面図である。
本発明の第1実施形態の多重回転子形電動機について、図1〜図6を参考にして説明する。図1は、第1実施形態の多重回転子形電動機1の構成を概念的に説明する断面図である。第1実施形態の多重回転子形電動機1は、軸線AXを中心とする概ね軸対称形状であり、ケース2、固定子3、複合回転子4、回転子5、出力軸6、電源部7などで構成されている。また、複合回転子4は、回転界磁部41、誘導巻線44、回転子巻線47などで構成されている。図1で、固定子3および複合回転子4は、軸線AXの片側半分のみが示されている。固定子3の固定子巻線31および複合回転子4の回転界磁部41でアウターモータユニットが構成され、複合回転子4の回転子巻線47および回転子5の出力界磁部51でインナーモータユニットが構成されている。アウターモータユニットおよびインナーモータユニットは、回転数とトルクとの関係を示す出力特性が互いにほぼ同一になるように構成されている。
固定子3は、ケース2の内周面に固定されている。固定子3は、略円筒状で電磁鋼板を積層して構成したコア32を有し、コア32に形成された凸状のティースに固定子巻線31が巻回形成されている。固定子巻線31は、三相それぞれ複数個のコイルからなり、交流電流が通電されると固定子回転磁界を形成するように配置されている。
複合回転子4は、固定子3の内径側に配置され、図略の軸受け部によりケース2に回転自在に軸承されている。複合回転子4は、外径側に略円筒状で電磁鋼板を積層して構成した外側コア42を有し、外側コア42に形成された凸状のティースに誘導巻線44が巻回形成されている。誘導巻線44は、三相それぞれ複数個のコイルからなり、固定子巻線31が形成した固定子回転磁界との電磁誘導作用により誘導起電力を生起するようになっている。また、外側コア42には界磁磁石が埋め込まれ、N極とS極が周方向に交互に配置されて回転界磁部41が形成されている。回転界磁部41は、固定子巻線31が形成する固定子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起するようになっている。
一方、複合回転子4は、内径側に略円筒状で電磁鋼板を積層して構成した内側コア48を有し、内側コア48に形成された凸状のティースに回転子巻線47が巻回形成されている。内側コア48と外側コア42の間には、両コア48、42を磁気的に分離する磁気分離部45が設けられている。磁気分離部45は、例えば、非磁性材料を用いて構成することができる。あるいは、内側コア42および外側コア48のヨーク幅を十分広くして相互の磁気漏洩を抑制するようにしてもよい。磁気分離部45により、回転界磁部41および誘導巻線44と、回転子巻線47とが磁気的に干渉せず互いに独立して動作するようになっている。
回転子巻線47は、三相それぞれ複数個のコイルからなり、接続リード49により誘導巻線44に電気接続されている。誘導巻線44に生起した誘導起電力により回転子巻線47に電流が流れ、複合回転子4の回転と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成するように、接続リード49の結線が適正化されている。
回転子5は、複合回転子4の内径側に配置されている。回転子5は、略円筒状で電磁鋼板を積層して構成したコア52を有している。コア52内には界磁磁石が埋め込まれて、N極とS極が周方向に交互に配置されて出力界磁部51が形成されている。出力界磁部51は、回転子巻線47が形成した回転子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起するようになっている。このトルクにより、回転子5は、複合回転子4と同じ方向にかつ複合回転子4よりも高速で回転可能となっている。
出力軸6は、回転子5の軸線AXに貫設されて一体的に回転するように構成され、軸受け部21でケース2に回転自在に軸承されている。
電源部7は、直流電源装置71、インバータ装置72、インバータ制御部73などにより構成されている。直流電源装置71には、例えばバッテリを用い、その出力端子をインバータ装置72に接続して直流電圧を供給する。インバータ装置72は、直流を三相交流に変換し、固定子巻線31に周波数の異なる二つの三相交流電流を重累して通電することができる。また、インバータ装置72は、二つの三相交流電流の相順を独立して正相順および逆相順に切り替えることができるようになっている。二つの三相交流電流の周波数、電流値、位相、および相順は、インバータ制御部73で可変に制御される。
次に、固定子3、複合回転子4、および回転子5の構成についてさらに詳述する。図2は、固定子3、複合回転子4、および回転子5の電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。図2で、上側は外径側、下側は内径側であり、左右方向は周方向の電気角360°分の円弧状部分を直線状に展開表示したものである。本第1実施形態で、固定子巻線31と回転子巻線47の極対数は同一であり、したがってアウターモータユニットおよびインナーモータユニットの電気角360°は、同一の機械角になっている。
図2で、最も外径側に配置される固定子3は、電気角360°中に12個の内向き凸状のティース321をもつコア32、および分布巻きの固定子巻線31を有している。固定子巻線31は、内径側から順に、U相巻線(図中実線)、V相巻線(図中破線)、およびW相巻線(図中一点鎖線)から成っている。各相巻線は、電気角360°中に2個のコイルを有している。図2では、U相巻線の2個のU相コイル31U1、31U2がちょうど電気角360°中に収まっている。2個のU相コイル31U1、31U2はそれぞれティース321を5個分周回して、間に1個の空いたティース321Aが配されている。
2個のV相コイル31V1、31V2は、U相よりもティース321の4個分だけ図中の右方に配列され、U相コイル31U1、31U2と同様に巻回形成されている。さらに、2個のW相コイル31W1(2個目は図略)は、V相よりもティース321の4個分だけ図中の右方に配列され、U相コイル31U1、31U2と同様に巻回形成されている。つまり、コイルの構成は各相で同じであり、配列はU相、V相、W相の順番に周方向にティース321の4個分ずつシフトしている。
固定子3の内径側には、ギャップG1を介して複合回転子4が配置されている。複合回転子4は、電気角360°中に12個の外向き凸状のティース421をもつ外径側の外側コア42、12個の内向き凸状のティースをもつ内径側の内側コア48、および両コア42、48の間に配置された磁気分離部45の三層構造になっている。外側コア42に巻回形成された分布巻きの誘導巻線44は、固定子3の固定子巻線31に対して内外対称に配置されている。すなわち、外径側から順に、U相巻線(図中実線)を構成する2個のU相コイル44U1、44U2、V相巻線(図中破線)を構成する2個のV相コイル44V1、44V2、W相巻線(図中一点鎖線)を構成する2個のW相コイル44W1(2個目は図略)が配置されている。そして、固定子巻線31および誘導巻線44の各同相コイルが、ギャップG1を挟んで対称に配置されている。つまり、固定子巻線31と誘導巻線44とは、同じコイル構成とされかつ周方向の相の配列順も一致している。外側コア42には、さらに、一対の界磁磁石41N、41Sが埋め込まれて回転界磁部41が形成されている。
一方、内側コア48のティースに巻回形成された分布巻きの回転子巻線47は、複合回転子4の誘導巻線44に対して内外対称に配置されている。すなわち、内径側から順に、U相巻線(図中実線)を構成する2個のU相コイル47U1、47U2、V相巻線(図中破線)を構成する2個のV相コイル47V1、47V2、W相巻線(図中一点鎖線)を構成する2個のW相コイル47W1(2個目は図略)が配置されている。そして、誘導巻線44および回転子巻線47の各同相コイルが、磁気分離部45を挟んで対称に配置されている。つまり、周方向に関する複合回転子4の誘導巻線44の三相の位置と回転子巻線47の三相の位置とは一致している。
複合回転子4の内径側には、ギャップG2を介して回転子5が配置されている。回転子5のコア52内には、一対の界磁磁石51N、51Sが埋め込まれて出力界磁部51が形成されている。
次に、固定子巻線31、誘導巻線44、および回転子巻線47の結線方法ならびに電気接続について、図3を参考にして説明する。図示されるように、固定子巻線31、誘導巻線44、および回転子巻線47はそれぞれ、中性点31N、44N、47Nを有して三相Y結線されている。固定子巻線31のU相端子31UT、V相端子31VT、およびW相端子31WTは、電源部7のインバータ装置72に電気接続されている。また、固定子巻線31と誘導巻線44との間は、電磁誘導作用によって結合されている。誘導巻線44と回転子巻線47との間は、磁気分離部45が介在するため電磁誘導作用は発生せず、接続リード49によりいずれか二相を入れ替えて電気接続されている。図3の例では、誘導巻線44のU相端子44UTが回転子巻線47のV相端子47VTに電気接続され、誘導巻線44のV相端子44VTが回転子巻線47のU相端子47UTに電気接続され、W相端子44WT、47WT同士が電気接続されている。
図4は、固定子巻線31、誘導巻線44、および回転子巻線47の電気角360°分のコイル構成を例示説明する図である。図中の上段の固定子巻線31では、U相巻線が例示されている。すなわち、U相端子31UTから出た導体は、第1のU相コイル31U1でティース321を5個分所定回数だけ時計回りに周回したのち、第2のU相コイル31U2に渡ってティース321を5個分所定回数だけ反時計回りに周回して中性点31Nに達することを示している。図略の他相のV相巻線およびW相巻線も、周方向にティース321の4個分ずつ順番にシフトして同じコイル構成となっている。
また、図中の中段の誘導巻線44のコイル構成も固定子巻線31と同じコイル構成で、U相巻線の2個のU相コイル44U1、44U2が例示されている。さらに、下段の回転子巻線47のコイル構成も固定子巻線31と同じコイル構成で、2個のV相コイル47V1、47V2が例示されている。そして、誘導巻線44と回転子巻線47でU相とV相とを入れ替えて電気接続するために、接続リード49は誘導巻線44のU相端子44UTと回転子巻線47のV相端子47VTとを電気接続している。
次に、上述のように構成された第1実施形態の多重回転子形電動機1の動作について説明する。まず、電源部7のインバータ装置72から固定子巻線31に周波数の異なる二つの三相交流電流を重累して通電する条件について整理しておく。二つの三相交流電流の周波数、電流値、および位相は独立した別々の値をとり得るとともに、相順も変更できる。したがって、周波数f1の第1交流電流により形成される第1固定子回転磁界の磁束Φ1、回転数n1とし、周波数f2の第2交流電流により形成される第2固定子回転磁界の磁束Φ2、回転数n2としたとき、磁束Φ1<磁束Φ2としても一般性は失われない。つまり、電流値が大きく、より大きな磁束を発生する側を第2交流電流とする。また、固定子巻線31の極対数Pとしたとき、第2固定子回転磁界の回転数n2=f2/P(rps)を正値とする。すると、第1固定子回転磁界の回転数n1=f1/P(rps)は、相順の正逆に応じて正負いずれの値も取り得る。なお、磁束Φ1、Φ2の位相は、それぞれ複合回転子4および回転子5が所望のトルクを発生するよう適正化する。
図5は、固定子巻線31に第1および第2交流電流を重累して通電したときに得られる回転数増加率Kおよび出力特性を説明する一覧表の図である。一覧表中の回転数条件の欄は、回転数n1の正負および回転数n2との大小関係の条件を示している。一覧表中の電源部由来の回転数の欄は、一般的な電動機で電源部の周波数により定まる同期周波数を意味し、上述の回転数n1(負値の場合はその絶対値)および回転数n2のうち大きい側とする。一覧表中の回転数増加率Kの欄は、出力軸6で得られる出力回転数Noutが電源部由来の回転数の何倍になるかを示す率である。換言すれば、回転数増加率Kは、単一の固定子および回転子からなる一般的な電動機と比較してどれだけ高速回転化できたかを評価する指標である。一覧表中の出力特性の欄は、横軸を回転数、縦軸をトルクとして多重回転子形電動機1の総合的な出力特性を、アウターモータユニット単体およびインナーモータユニット単体の特性と比較図示したものである。
前述した磁束Φ1<磁束Φ2であり、かつ複合回転子4が磁束Φ2のもとで所望のトルクを発生するように磁束Φ2の位相が適正化されている条件で、固定子巻線31に第1および第2交流電流を重累して通電すると、固定子巻線31には第1および第2固定子回転磁界が重累して発生する。これに対して、複合回転子4の回転界磁部41は、大きな磁束Φ2で大きなトルクT2を発生する第2固定子回転磁界に同期する。つまり、複合回転子4が回転数n2で回転する。補足すると、磁束Φ1の位相は、回転子5に適正化されており、複合回転子4に対しては、ずれている。このため、トルクT1は小さくなる。加えて、同期回転数からずれた回転磁界となるため、トルクT1は時間的に平均するとほぼゼロになる。なお、当状況が実現するように、第1および第2交流電流の周波数および位相を意図的に調整することも可能である。
複合回転子4が回転数n2で回転するとき、複合回転子4上の誘導巻線44からみて、同期している第2固定子回転磁界は変化せず、第1固定子回転磁界(磁束Φ1、回転数n1)のみが複合回転子4の回転数n2を含んで回転数Naで変化する。すると、誘導巻線44には回転数Naに相当する周波数の誘導起電力が生起されて回転子巻線47に電流が流れ、回転子回転磁界が発生する。
ここでU相とV相とを入れ替えて電気接続しているので、複合回転子4上における回転子回転磁界の回転数は、回転数Naの符号を反転したものとなる。また、出力界磁部51からみた回転子回転磁界の回転数は、複合回転子4の回転数n2に回転数Naの符号を反転して加算した値となる。回転子5および出力軸6は、この回転子回転磁界に同期して回転する。したがって、出力軸6では、複合回転子4の回転数n2に回転数Naの符号を反転して加算した出力回転数Noutを得ることができる。ここで、回転数Naが負値のときに、大きな出力回転数Noutを得られる点に留意する。
出力回転数Noutおよび回転数増加率Kを求める際に、第1固定子回転磁界の回転数n1の大小および正負を考慮した4条件に場合分けして考える。図5の回転数条件ア)0<n2≦n1では、誘導巻線44からみた第1固定子回転磁界の回転数Na=n1−n2となり、出力軸回転数Nout=n2+(−Na)=2×n2−n1となる。また、回転数増加率K1=Nout/n1=(2×n2/n1)−1となる。回転数増加率K1は最大でも1(n1=n2のとき)であり、効果は生じない。仮に、U相とV相との電気接続の入れ替えを行わない場合には回転数Naの符号の反転はなくなるが、出力軸回転数Nout=n2+Na=n1となり、やはり効果は生じない。
回転数条件イ)0≦n1<n2では、出力軸回転数Nout=2×n2−n1となり、回転数増加率K2=Nout/n2=2−(n1/n2)となる。回転数増加率K2は最大で2(n1=0のとき)となり、顕著な効果が生じる。
回転数条件ウ)n1<0<n2(ただし、n2≧(n1の絶対値))では、出力軸回転数Nout=2×n2+(n1の絶対値)となり、回転数増加率K3=Nout/n2=2+(n1の絶対値/n2)となる。回転数増加率K3は最大で3(n1=―n2のとき)となり、顕著な効果が生じる。
回転数条件エ)n1<0<n2(ただし、n2<(n1の絶対値))では、出力軸回転数Nout=2×n2+(n1の絶対値)となり、回転数増加率K4=Nout/(n1の絶対値)=2×n2/(n1の絶対値)+1となる。回転数増加率K4は最大で3(n1=―n2のとき)となり、n1=―2×n2で回転数増加率K4=2となる範囲まで顕著な効果が生じる。
なお、回転数条件イ〜エ)では、図5の出力特性の欄に示されるように、多重回転子形電動機1の出力特性がアウターモータユニット単体およびインナーモータユニット単体よりも高速回転側に位置している。つまり、回転数増加率K2〜K4が1を超え、高速回転数を得られる効果が生じる。
図6は、図5で得られた回転数増加率K(K1〜K4)をグラフ化して示した図である。図中の横軸は回転数n1、縦軸は回転数増加率Kである。図6から明らかなように、回転数n1が回転数n2の逆回転方向(負値)で絶対値が等しいときに、回転数増加率Kは最大値3となる。ここで、前述したようにアウターモータユニットおよびインナーモータユニットは、回転数とトルクとの関係を示す出力特性が互いにほぼ同一になるように構成されている。したがって、インバータ装置72から周波数および電流値が概ね等しく相順を反転した第1および第2交流電流を重累して固定子巻線31に通電すれば、回転数増加率Kが3で電流値に応じたトルクを出力する多重回転子形電動機1を実現できる。
以上説明したように、第1実施形態の多重回転子形電動機1によれば、回転数増加率Kが最大3となるまで高速回転化が可能である。また、複数のモータユニットを別々に設けるのではなく複合一体化しており、加えて誘導巻線44により非接触で誘導起電力を生起できブラシなどの回転給電部が不要であることから、多重回転子形電動機1を小形化でき、製造コストは低廉になる。さらに、電源部7を単一のインバータ装置72で実現できることから、製造コストは一層低廉になる。また、回転給電部が不要であることから、メンテナンスフリーを実現でき、ランニングコストも低廉になる。
さらに、固定子3の固定子巻線31と複合回転子4の誘導巻線44とは、同じコイル構成とされかつ周方向の相の配列順も一致するように配置されている。また、周方向に関する複合回転子4の誘導巻線44の三相の位置と回転子巻線47の三相の位置とは一致している。これにより、各巻線31、44、47のコイル構成やコイル間の接続方法が統一されて分かりやすくかつ製造作業も容易となり、製造コストを削減できる。また、誘導巻線44および回転子巻線47の対応する各相端子のいずれか二相を入れ替えて電気接続しているので、容易に電気接続を適正化できる。
なお、第1実施形態では固定子巻線31と回転子巻線47の極対数は同一としているが、異なる値とすることも可能である。ただし、図2に示された各巻線の構成は変化する。この場合の一般的な回転数増加率Kは、図7により求めることができる。図7は、固定子巻線と回転子巻線の極対数が異なる場合の回転数増加率Kを説明する一覧表の図である。図中の計算式で、固定子巻線の極対数P2、回転子巻線の極対数P1である。極対数が同一である図5の場合と同様に、回転数条件オ)0<n2≦n1で効果は生じず、回転数条件カ)0≦n1<n2、キ)n1<0<n2(ただし、n2≧(n1の絶対値))、およびク)n1<0<n2(ただし、n2<(n1の絶対値))で効果が生じる。
次に、第2実施形態の多重回転子形電動機10について説明する。第2実施形態の多重回転子形電動機10は、第1実施形態の複合回転子4の誘導巻線44および回転子巻線47をトロイダルコイル群8に置き換えて構成され、他の部位は第1実施形態と同じである。図8は、第2実施形態の多重回転子形電動機10の固定子3、複合回転子40、および回転子5の電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。図8で、上側は外径側、下側は内径側であり、左右方向は周方向の電気角360°分の円弧状部分を直線状に展開表示したものである。トロイダルコイル群8は、電気角360°の範囲で12個のトロイダルコイルにより構成されており、以下に詳述する。
図8を図2と比較するとわかるように、第2実施形態では誘導巻線44を構成する2個のU相コイル44U1、44U2および回転子巻線47構成する2個のV相コイル47V1、47V2に代えて、4個のU−V相トロイダルコイル81〜84が設けられている。同様に、誘導巻線44を構成する2個のV相コイル44V1、44V2および回転子巻線47構成する2個のU相コイル47U1、47U2に代えて、4個のV−U相トロイダルコイル85〜87(4個目は図略)が設けられている。また、誘導巻線44を構成する2個のW相コイル44W1(2個目は図略)および回転子巻線47構成する2個のW相コイル47W1(2個目は図略)に代えて、4個のW−W相トロイダルコイル88、89(3個目および4個目は図略)が設けられている。
各トロイダルコイル81〜89は、複合回転子40の外側コア42および内側コア48の両方に鎖交するように磁気分離部45を超えて巻回形成されている。第1のU−V相トロイダルコイル81は、誘導巻線44の第1のU相コイル44U1が巻回されていた外側コア42の一方のティース間422と、回転子巻線47の第1のV相コイル47V1が巻回されていた内側コア48の一方のティース間482との間に巻回形成されている。第2のU−V相トロイダルコイル82は、誘導巻線44の第1のU相コイル44U1が巻回されていた外側コア42の他方のティース間423と、回転子巻線47の第1のV相コイル47V1が巻回されていた内側コア48の他方のティース間483との間に巻回形成されている。
第3および第4のU−V相トロイダルコイル83、84はそれぞれ、誘導巻線44の第2のU相コイル44U2が巻回されていた外側コア42の一方および他方のティース間424、425と、回転子巻線47の第2のV相コイル47V2が巻回されていた内側コア48の一方および他方のティース間484(2個目は図略)との間に巻回形成されている。結局、各U−V相トロイダルコイル81〜84は、外側コア42よりも内側コア48で周方向に4ティース分だけ図中の右方向にシフトするように巻回形成されている。
同様に、4個のV−U相トロイダルコイル85〜87(4個目は図略)はそれぞれ、外側コア42のティース間426、427,428(4個目は図略)と、内側コア48のティース間486、487、488(4個目は図略)との間に、外側コア42よりも内側コア48で4ティース分だけ図中の左方向にシフトするように巻回形成されている。また、4個のW−W相トロイダルコイル88、89(3個目および4個目は図略)はそれぞれ、外側コア42のティース間429、42A(3個目および4個目は図略)と、これらに内外対称な内側コア48のティース間489、48A(3個目および4個目は図略)との間に巻回形成されている。
次に、トロイダルコイル群8の機能について、第1および第2のU−V相トロイダルコイル81、82を例にして説明する。図9で、(1)は第1実施形態の誘導巻線44および回転子巻線47の機能を説明する図、(2)は第2実施形態のトロイダルコイル群8の機能を説明する図である。図9(1)の第1実施形態において、固定子巻線31のU相コイル31U1に交流電流が通電されて固定子3のコア32の各ティース321に磁束φが生起される場合を考える。磁束φは、ギャップG1を越えて複合回転子4の外側コア42の各ティース421に到達し、誘導巻線44のU相コイル44U1に鎖交し、ヨーク部で磁束φY11、φY12に分岐する。誘導巻線44のU相コイル44U1は、ティース421の5個分を周回しており、磁束φの5個分に鎖交して誘導起電力が発生する。この誘導起電力が回転子巻線47の第1のV相コイル47V1に供給されて電流が流れ、内側コア48の各ティース481に磁束φ2が形成され、回転子回転磁界が形成される。また、回転子回転磁界の大きさは、元の磁束φの5個分に比例する。
一方、図9(2)の第2実施形態において、固定子3側の各ティース321に磁束φが生起される場合、磁束φが外側コア42の各ティース421に到達し、ヨーク部で磁束φY11、φY12に分岐する(φY11+φY12=5φ)点は同じである。第1および第2のU−V相トロイダルコイル81、82は、分岐前または分岐後の磁束に鎖交し、それぞれに誘導起電力が発生する。これにより、第1および第2のU−V相トロイダルコイル81、82にそれぞれ電流が流れ、鎖交している内側コア48のヨーク部に磁束φY21、φY22が発生する。これにより、各ティース481に磁束φ2が形成され、回転子回転磁界が形成される。回転子回転磁界の大きさは、ヨーク部の磁束φY21、φY22の和に比例し、すなわち元の磁束φの5個分に比例する。
上記の機能は、トロイダルコイル群8を構成する他のトロイダルコイル83〜89でも略同様である。したがって、第2実施形態のトロイダルコイル群8は、内側コア48に回転子回転磁界を形成する点で、第1実施形態の誘導巻線44および回転子巻線47と同等の機能を有する。
次に、トロイダルコイル群8の配置を変形した第2実施形態のバリエーションについて説明する。図8に示される第2実施形態では、トロイダルコイル相互が交差して重なっているので、多重回転子形電動機10が軸方向に大形化してしまう。この対応策として、トロイダルコイル群8を巻回形成する引き回しルートを変更するバリエーションが考えられる。図10は、第2実施形態の多重回転子形電動機10のバリエーションの電気角360°分の構成を直線状に展開して示す軸線方向視図である。図示されるように、W−W相トロイダルコイル88、89(3個目および4個目は図略)を避けるように、U−V相トロイダルコイル81〜84およびV−U相トロイダルコイル85〜87(4個目は図略)を屈曲させて引き回すことができる。これにより、コイル相互の交差をなくして軸方向の大形化を避けることができる。
次に、第2実施形態およびそのバリエーションでの固定子巻線31およびトロイダルコイル群8の結線方法ならびに電気接続について、図11を参考にして説明する。図示されるように、固定子巻線31が三相Y結線され、インバータ装置72に電気接続される点は第1実施形態と同じである。一方、トロイダルコイル群8では、4個のU−V相トロイダルコイル81〜84が順次直列接続され、一端にU相端子8UT、他端にU相中性点8NUが設けられる。同様に、4個のV−U相トロイダルコイル85〜87(4個目は図略)が順次直列接続され、一端にV相端子8VT、他端にV相中性点8NVが設けられる。また、4個のW−W相トロイダルコイル88、89(3個目および4個目は図略)が順次直列接続され、一端にW相端子8WT、他端にW相中性点8NWが設けられる。そして、3相の各相端子8UT、8VT、8WTが接続され、各相中性点8NU、8NV、8NWが接続される。
図12は、回転子5側から固定子3側を見た場合の固定子巻線31およびトロイダルコイル群8の電気角360°分のコイル構成を説明する図である。図中の上段の固定子巻線31のコイル構成は、図4で説明した第1実施形態と同じである。トロイダルコイル群8のコイル構成は錯綜して見えにくいので、図13〜図15に分けて再掲する。
図13は、回転子5側から固定子3側を見た場合のトロイダルコイル群8中のU−V相トロイダルコイル81〜84のコイル構成を説明する図である。図示されるように、U相端子8UTから出た導体は、第1のU−V相トロイダルコイル81で所定回数だけ反時計回りに周回したのち、第2のU−V相トロイダルコイル82に渡って所定回数だけ時計回りに周回して第3のU−V相トロイダルコイル83に渡る。さらに、導体は、第3のU−V相トロイダルコイル83を所定回数だけ時計回りに周回したのち、第4のU−V相トロイダルコイル84に渡って所定回数だけ反時計回りに周回し、U相中性点8NUに達する。
図14は、回転子5側から固定子3側を見た場合のトロイダルコイル群8中のV−U相トロイダルコイル85〜87のコイル構成を説明する図である。図示されるように、V相端子8VTから出た導体は、第1のV−U相トロイダルコイル85で所定回数だけ反時計回りに周回したのち、第2のV−U相トロイダルコイル86に渡って所定回数だけ時計回りに周回して第3のV−U相トロイダルコイル87に渡る。さらに、導体は、第3のV−U相トロイダルコイル87を所定回数だけ時計回りに周回したのち、第4のV−U相トロイダルコイルに渡って所定回数だけ反時計回りに周回し、V相中性点8NVに達する。
図15は、回転子5側から固定子3側を見た場合のトロイダルコイル群8中のW−W相トロイダルコイル88、89のコイル構成を説明する図である。図示されるように、W相端子8WTから出た導体は、第1のW−W相トロイダルコイル88で所定回数だけ反時計回りに周回したのち、第2のW−W相トロイダルコイル89に渡って所定回数だけ時計回りに周回して第3のW−W相トロイダルコイルに渡る。さらに、導体は、第3のW−W相トロイダルコイルを所定回数だけ時計回りに周回したのち、第4のW−W相トロイダルコイルに渡って所定回数だけ反時計回りに周回し、W相中性点8NWに達する。なお、図11〜図15に示す第2実施形態では、同相コイル群に周回方向の異なるコイルが混在している場合が例示されており、コイルの周回方向を統一しコイル間の繋ぎ方を変更することにより対処してもよい。
上述のように構成された第2実施形態の多重回転子形電動機10の動作は、図5および図6で説明した第1実施形態と同じになる。また、第1実施形態と同等の効果に加えて、さらに、トロイダルコイル81〜89が外側コア42および内側コア48に跨って巻回されることにより保持強度が向上するので、耐遠心力強度の確保が容易となり、製造コストを低減できる。
次に、概念的に説明した第1実施形態の多重回転子形電動機1の実態構成を実施例で説明する。図16は、第1実施形態の多重回転子形電動機1の実態構成の同軸内外配置例11を説明する断面図である。同軸内外配置例11では、アウターモータユニットおよびインナーモータユニットが、軸線AXを共通として同軸外側と内側に配置される。また、図17は、第1実施形態とはモータユニットの配置が異なる多重回転子形電動機の実態構成のタンデム配置例12を説明する断面図である。タンデム配置例12では、アウターモータユニットおよびインナーモータユニットは、軸線AXを共通として軸線AX方向に並んで配置される。
図16に示される同軸内外配置例で、固定子3はケース2の内面に固定され、固定子3の内径側に複合回転子4が配置されている。複合回転子4は、軸線AX方向両側に延びる円筒状の中間軸4Mを有している。中間軸4Mは、軸線AX方向の両側で縮径され、縮径された両側の端部4M2、4M3の外周面とケース2との間に一対の軸受け部22,23が配設されている。軸受け部22、23により、中間軸4Mはケース2に回転自在に軸承されている。
また、複合回転子4の内径側に回転子5が配置されている。回転子5の中心には出力軸6が貫設されている。出力軸6は軸線AX方向両側に延在し、その両端部61、62はケース2の外部に突出している。出力軸6の各両端部61、62寄りの外周面と中間軸4Mの端部4M2、4M3の内周面との間に一対の軸受け部24、25が配設されている。軸受け部24,25により、出力軸6は中間軸4Mに回転自在に軸承されている。なお、電源部7は、図16では省略されている。
図16の同軸内外配置例では、軸受け部22,23にはアウターモータユニットの回転数が作用し、軸受け部24、25にはインナーモータユニットの相対回転数が作用する。つまり、軸受け部22〜25に作用する回転数は、出力軸6のケース2に対する出力回転数よりも小さくなり、受けるストレスが小さくなって信頼性が向上する。
図17に示されるタンデム配置例12で、固定子30はケース2の内面に固定され、固定子30の内径側に複合回転子400の回転界磁部41、外側コア42、および誘導巻線44が配置されている。外側コア42中心には中間軸4Nが貫設されている。中間軸4Nの軸線AX方向の一側(図中左側)は延在し、その一端部4N1がケース2の外部に突出している。中間軸4Nの一端部4N1寄りの外周面とケース2との間に軸受け部26が配設されている。また、中間軸4Nの軸線AX方向の他側は拡径されて有底円筒部4N2となっている。有底円筒部4N2の内周面に内側コア48および回転子巻線47が配置されている。本実施例では、複合回転子400の外側コア42と内側コア48との間は十分に離隔しており、磁気分離部は不要である。
複合回転子400の内側コア48の内径側に、回転子50が配置されている。回転子50の中心には出力軸60が貫設されている。出力軸60の軸線AX方向の一側(図中右側)は延在し、その一端部63がケース2の外部に突出している。出力軸60の一端部63寄りの外周面とケース2との間に軸受け部27が配設されている。出力軸60は軸線AX方向の他側(図中左側)にも延在しており、その他端部64と中間軸4Nの有底円筒部4N2との間に軸受け部28が配設されている。中間軸4Nおよび出力軸60は、軸受け部26〜28の協働により、ケース2に回転自在に軸承されている。なお、電源部7は、図17では省略されている。
図17のタンデム配置例12では、軸受け部26にはアウターモータユニットの回転数が作用し、軸受け部28にはインナーモータユニットの相対回転数が作用する。そして、軸受け部27にはケース2に対する出力軸60の出力回転数、すなわち、両モータユニットの回転数を加算した大きな回転数が作用する。したがって、特に出力回転数を大きくしたい場合には、潤滑用のオイルを直接噴射するなどの方策により、軸受け部27の性能向上、信頼性向上を図ることが好ましい。反面、アウターモータユニットとインナーモータユニットの製作寸法諸元が類似するので、両モータユニットの出力特性を揃えることは比較的容易である。
なお、各実施形態および実施例で、複合回転子4、40、400および出力軸6、60の回転位相を検出する回転角度センサを設け、インバータ制御部73で回転位相を参照しつつ制御を行うことが好ましい。また、各モータユニットの固定子および回転子を同軸内外に配置した例を示したが、これに限定されず、固定子および回転子を軸線方向に並べた構造のモータユニットであってもよい。
また、複合回転子4または回転子5に外部トルクを入力および遮断できる構成とすることができる。これにより、多重回転子形電動機1で発生したトルクを外部トルクに加えて出力軸7から出力できる。あるいは、複合回転子4をケースに対して着脱可能に固定する機構を設けることができる。これにより、負荷が軽い場合に、複合回転子4を固定してインナー(第2)モータユニットのみを用い、アウター(第1)モータユニットの損失を節約して効率を向上できる。
さらに、2つの複合回転子を備えることも可能である。つまり、固定子と第1複合回転子との間、第1および第2複合回転子の間、第2複合回転子と回転子との間にそれぞれモータユニットを構成し、電源部から固定子の巻線に周波数の異なる三つの交流電流を重累して通電し、2つの複合回転子で順次誘導起電力を生起するとともに回転数を加算し、回転子で大きな出力回転数を得ることができる。本発明は、その他様々な変形や応用が可能である。
1、10:多重回転子形電動機
11:同軸内外配置例 12:タンデム配置例
2:ケース 21〜28:軸受け部
3、30:固定子
31:固定子巻線 31U1、31U2:U相コイル
31V1、31V2:V相コイル 31W1:W相コイル
32:コア
4、40、400:複合回転子
41:回転界磁部 42:外側コア
44:誘導巻線 44U1、44U2:U相コイル
44V1、44V2:V相コイル 44W1:W相コイル
45:磁気分離部
47:回転子巻線 47U1、47U2:U相コイル
47V1、47V2:V相コイル 47W1:W相コイル
48:内側コア
49:接続リード
4M:中間軸 4N:中間軸
5、50:回転子 51:出力界磁部 52:コア
6、60:出力軸
7:電源部
71:直流電源装置 72:インバータ装置 73:インバータ制御部
8:トロイダルコイル群
81〜84:U−V相トロイダルコイル
85〜87:V−U相トロイダルコイル
88、89:W−W相トロイダルコイル

Claims (11)

  1. 固定子回転磁界を形成する固定子巻線を有してケースに固定された固定子と、
    前記固定子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する回転界磁部および、前記固定子回転磁界との電磁誘導作用により誘導起電力を生起する誘導巻線および、前記誘導巻線に電気接続されて前記固定子回転磁界と同じ回転方向の回転子回転磁界を形成する回転子巻線を有し、前記ケースに回転自在に軸承された複合回転子と、
    前記回転子回転磁界との電磁相互作用によりトルクを生起する出力界磁部を有し、前記複合回転子と同じ方向にかつ前記複合回転子よりも高速で回転可能な回転子と、
    前記回転子に結合され、前記ケースまたは前記複合回転子に回転自在に軸承された出力軸と、
    前記固定子巻線に周波数の異なる二つの交流電流を重累して通電する電源部と、
    を備えることを特徴とする多重回転子形電動機。
  2. 請求項1において、前記電源部が前記固定子巻線に通電する周波数f1の第1交流電流により形成される第1固定子回転磁界の磁束Φ1、回転数n1、および前記固定子巻線と前記回転界磁部との間のトルクT1とし、周波数f2の第2交流電流により形成される第2固定子回転磁界の磁束Φ2、回転数n2、および前記固定子巻線と前記回転界磁部との間のトルクT2とし、前記回転子巻線と前記出力界磁部との間のトルクToutとしたとき、
    前記磁束Φ1<前記磁束Φ2、かつ前記トルクT1<前記トルクT2、かつ(前記トルクT2−前記トルクT1)>前記トルクToutであり、
    さらに、前記回転数n1<前記回転数n2であることを特徴とする多重回転子形電動機。
  3. 請求項2において、前記第1固定子回転磁界と前記第2固定子回転磁界の回転方向が同じ場合は、前記回転数n1<前記回転数n2であり、
    前記第1固定子回転磁界と前記第2固定子回転磁界の回転方向が異なる場合は前記回転数n1を負値で表し、0<(前記回転数n1の絶対値)<(2×前記回転数n2)であることを特徴とする多重回転子形電動機。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、前記複合回転子の前記回転界磁部および前記誘導巻線が有するコアと、前記回転子巻線が有するコアとの間を磁気的に分離する磁気分離部を有することを特徴とする多重回転子形電動機。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線および前記複合回転子の前記回転界磁部で構成される第1モータユニットと、前記複合回転子の前記回転子巻線および前記回転子の前記出力界磁部で構成される第2モータユニットとは、回転数とトルクとの関係を示す出力特性が互いにほぼ同一であることを特徴とする多重回転子形電動機。
  6. 請求項5において、前記第2モータユニットは、前記第1モータユニットの回転数の2倍まで出力可能であることを特徴とする多重回転子形電動機。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は全て三相結線されており、かつ、前記誘導巻線と前記回転子巻線とは二相が入れ替えられて電気接続されていることを特徴とする多重回転子形電動機。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、前記固定子の前記固定子巻線、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は、すべて同じコイル構成とされかつ周方向の相の配列順も一致していることを特徴とする多重回転子形電動機。
  9. 請求項8において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線は三相結線されており、周方向に関する前記複合回転子の前記誘導巻線の三相の位置と前記回転子巻線の三相の位置とは一致することを特徴とする多重回転子形電動機。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線の中でそれぞれY結線またはΔ結線を行って各相端子を構成し、前記誘導巻線および前記回転子巻線の対応する各相端子のいずれか二相を入れ替えて電気接続することを特徴とする多重回転子形電動機。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項において、前記複合回転子の前記誘導巻線および前記回転子巻線に代えてトロイダルコイル群を用いることを特徴とする多重回転子形電動機。
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