JP2012128024A - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の工程(1)〜(3)を含む静電潜像現像用トナーの製造方法、及びそれにより得られる静電潜像現像用トナー。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂を含有する樹脂粒子(A)、ワックスと軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)とを重量比(ワックス/ポリエステル樹脂(b))95/5〜55/45で含有する離型剤粒子、及び凝集剤を、水性媒体中で混合して凝集粒子(1)を得る工程
工程(2):凝集粒子(1)に、シェルとなるポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合して、凝集粒子(2)を得る工程
工程(3):凝集粒子(2)を構成する粒子を融着して、コアシェル粒子を得る工程
【選択図】なし
Description
高画質化及び高速化に対応するために、トナーにも様々な性能が要求され、その要求を満たすために、着色剤や樹脂の乳化粒子を凝集させて、粒径や表面性を任意に調整できる方法として、乳化凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。
本発明の課題は、低温定着性及び耐熱保存性に優れる静電潜像現像用トナー並びにその製造方法を提供することにある。
〔1〕下記の工程(1)〜(3)を含む静電潜像現像用トナーの製造方法。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂を含有する樹脂粒子(A)、ワックスと軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)とを重量比(ワックス/ポリエステル樹脂(b))95/5〜55/45で含有する離型剤粒子、及び凝集剤を、水性媒体中で混合して凝集粒子(1)を得る工程
工程(2):凝集粒子(1)に、シェルとなるポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合して、凝集粒子(2)を得る工程
工程(3):凝集粒子(2)を構成する粒子を融着して、コアシェル粒子を得る工程
〔2〕前記〔1〕に記載の製造方法で得られる静電潜像現像用トナー。
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、下記の工程(1)〜(3)を含む。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂を含有する樹脂粒子(A)、ワックスと軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)とを重量比(ワックス/ポリエステル樹脂(b))95/5〜55/45で含有する離型剤粒子、及び凝集剤を、水性媒体中で混合して凝集粒子(1)を得る工程
工程(2):凝集粒子(1)に、シェルとなるポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合して、凝集粒子(2)を得る工程
工程(3):凝集粒子(2)を構成する粒子を融着して、コアシェル粒子を得る工程
まず、本発明の方法における工程(1)において、実質的にポリエステル樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)、及びワックスとポリエステル樹脂(b)とを一定の比率で含有する離型剤粒子を、凝集剤を用いて水性媒体中で凝集する。そして、工程(2)において、ポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合し、工程(3)において、融着して、ポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂をシェルとするコアシェル構造を有するトナーとなる融着粒子を得る。
本発明において、ワックスとポリエステル樹脂(b)とを特定の比率で含有する離型剤粒子を用いることで、離型剤の離型性を保ち低温定着性を向上させながら、実質的にポリエステル樹脂(a)からなる樹脂粒子(A)と離型剤との親和性が高まり、融着工程で粒子が加熱されてワックスや樹脂が一部溶融した状態となっても、ワックスがこれら樹脂から分離することもなく、内包された状態を保つものと考えられる。更に本発明においては、シェル部分に、コア部分を形成した樹脂粒子や離型剤粒子と同様にポリエステル樹脂を含む樹脂を用いるため、コアとシェルとの密着性にも優れ、離型剤粒子とシェルを構成する樹脂粒子(B)との親和性も高いため、コアのワックス部分にもシェル構造が形成され、ワックスの表面への露出が抑制されるものと考えられる。また更に離型剤粒子自体がワックスをコア、樹脂をシェルとしたコアシェル構造となっており、上記の効果を更に高めていることも考えられる。このように、本発明のトナーは、耐熱保存性を維持しつつ、低温定着性を発揮するために十分なワックスをトナー内部に導入することができるものと考えられる。
以下、本発明で用いられる各成分について説明する。
本発明に用いられる樹脂粒子(A)を構成する樹脂は、トナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させ、両立させる観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂中、ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含有するものであり、好ましくは90〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%、更に好ましくは実質的に100重量%である。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)は、非晶質ポリエステルあるいは結晶性ポリエステルのいずれでもよく、混合物でもよいが、トナーの低温定着性、耐熱保存性、帯電性を向上させ、ホットオフセットを防ぐ観点から、ポリエステル樹脂(a)中の非晶質ポリエステルの量は、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、更に好ましくは実質的に100重量%である。
なお、『非晶質』ポリエステルとは、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される結晶性指数が、1.4を超える、あるいは0.6未満のポリエステルであり、『結晶性』ポリエステルとは、該結晶性指数が0.6〜1.4のものである。
ポリエステル樹脂(a)としては、分子末端に酸基を有するポリエステルが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルの乳化を促進する観点から、カルボキシル基が好ましい。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもテレフタル酸が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(a)は、トナーの耐オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有する酸成分を用いて得られたポリエステル樹脂を少なくとも1種使用することが好ましい。
好ましい芳香族ジオールとしては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)が挙げられる。
炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、α,ω−直鎖アルカンジオールが挙げられ、その具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
その他の炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられる。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(a)の軟化点は、同様の観点から、好ましくは70〜165℃、より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜140℃、更に好ましくは100〜130℃である。
なお、ポリエステル樹脂(a)を2種以上混合して使用する場合、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上のポリエステル樹脂(a)の混合物として実施例記載の方法によって得られた値である。
ポリエステル樹脂(a)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性の観点から、好ましくは6〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜35mgKOH/gである。
樹脂粒子(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、帯電制御剤を含有させてもよく、必要に応じて、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤等を含有させてもよい。
該樹脂粒子が、樹脂のみからなる粒子である場合には、後に詳細に述べる工程(2)において、着色剤に対して、表面処理を施すか、分散剤を使用することによって得られる着色剤粒子、又は着色剤を樹脂粒子に含有させて得られる着色剤含有樹脂粒子を更に用いることが好ましい。
樹脂粒子(A)が着色剤含有樹脂粒子である場合、着色剤の含有量は、トナーの画像濃度の観点から、着色剤含有樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部である。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、顔料及び染料が用いられ、トナーの画像濃度の観点から、顔料が好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン等が挙げられ、銅フタロシアニンが好ましい。
染料の具体例としては、アクリジン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系等が挙げられる。
着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂粒子(A)は、ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂及び前記の任意成分を水性媒体中に分散させ、樹脂粒子(A)を含有する分散液として得る方法によって製造することが好ましい。
分散液を得る方法としては、樹脂等を水性媒体に添加し、分散機等によって分散処理を行う方法、樹脂等に水性媒体を徐々に添加して転相乳化させる方法等が挙げられ、得られるトナーの低温定着性の観点から、転相乳化による方法が好ましい。以下、転相乳化による方法について述べる。
樹脂粒子(A)が、着色剤含有樹脂粒子である場合には、着色剤も混合し、着色樹脂混合物を得ることが好ましい。
ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂が、複数の樹脂からなる場合には、予め、ポリエステル樹脂(a)とその他の樹脂を混合したものを用いてもよいが、前記アルカリ水溶液及び任意成分を添加する際に同時に添加し、溶融して混合することによって得てもよい。例えば、複数のポリエステル樹脂(a)を含有する場合、トナーの低温定着性の観点から、複数のポリエステル樹脂(a)、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分、好ましくは着色剤を溶融して混合し、樹脂混合物を得る方法が好ましい。
また、混合の際には、樹脂の乳化安定性の観点から、界面活性剤を添加することが好ましい。
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用する場合、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比(非イオン性界面活性剤/アニオン性界面活性剤)は、樹脂を十分に乳化させる観点から、好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5である。
アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも樹脂の乳化安定性の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
樹脂を溶融し混合する際の温度は、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点以上が好ましい。
水性媒体としては水を主成分とするものが好ましく、耐熱保存性及び環境性の観点から、水性媒体中の水の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上、更に好ましくは実質100重量%である。用いる水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。
水以外の成分としては、炭素数1〜5のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキル(炭素数1〜3)ケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。これらの中でも、トナーへの混入を防止する観点から、ポリエステルを溶解しない炭素数1〜5のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールがより好ましい。
水性媒体を添加する際の温度は、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点以上が好ましい。
また、樹脂粒子の粒度分布の変動係数(CV値)(%)は、高画像のトナーを得る観点から、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、更に好ましくは28%以下である。なお、CV値は、下記式で表される値であり、具体的には実施例記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
本発明の離型剤粒子は、ワックスと、軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)を含有し、ワックスとポリエステル樹脂(b)との重量比が95/5〜55/45である。
ワックスとポリエステル樹脂(b)との重量比は、離型性の維持による低温定着性を向上させる観点並びに乳化性及びポリエステル樹脂粒子の凝集性の観点から、95/5〜55/45であり、好ましくは95/5〜60/40、より好ましくは95/5〜70/30、更に好ましくは95/5〜80/20である。
本発明に用いられるワックスとしては、鉱物・石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、合成系ワックス等を用いることができる。なかでも、トナーの低温定着性を向上させる観点から、鉱物・石油系ワックス、植物系ワックスが好ましく、鉱物・石油系ワックスがより好ましい。
植物系ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。
動物系ワックスとしては、ミツロウ等が挙げられる。
合成系ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。ポリオレフィンワックスの具体例としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。シリコーンワックスの具体例としては、軟化点を有し、加熱により軟化するシリコーン類が挙げられる。脂肪酸アミド類の具体例としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
これらの離型剤は、単独で又は2種以上を併用することができる。
また、ワックスの融点は、小粒径で粒度分布のシャープな離型剤粒子を得る観点及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点からポリエステル樹脂(b)の軟化点との差の絶対値が8〜24℃であり、更に好ましくは16〜24℃である。定着温度領域を広げ、定着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂(b)の軟化点より低いことが好ましい。
ワックスの融点は、実施例記載の方法によって求められる。ワックスを2種以上併用する場合、得られるトナーに含有されるワックス中、最も含有量の大きいワックスの融点を、本発明におけるワックスの融点とし、全てが同一の含有量の場合は、それらワックスの融点の平均値を本発明におけるワックスの融点とする。
ワックスの使用量は、トナーの離型性及び帯電性の観点から、トナー中の樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部である。
ポリエステル樹脂(b)の軟化点は、微細な離型剤粒子を得、ひいてはトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、75〜105℃であり、好ましくは78〜102℃、より好ましくは82〜100℃、更に好ましくは90〜99℃である。
本発明において、ポリエステル樹脂(b)は、非晶質、つまり前述の結晶性指数が1.4を超えるあるいは0.6未満のポリエステルであることが好ましく、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.6未満又は1.4を超え4以下、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
ポリエステル樹脂(b)としては、分子末端に酸基を有する非晶質ポリエステルが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルの乳化を促進する観点から、カルボキシル基が好ましい。
酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもフマル酸及びアジピン酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
これらの酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(b)は、トナーの耐オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有する酸成分を用いて得られた非晶質ポリエステルを少なくとも1種使用することが好ましい。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ポリエステル樹脂(b)を2種以上混合して使用する場合、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上のポリエステル樹脂(b)の混合物として、実施例記載の方法によって得られた値である。
ポリエステル樹脂(b)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、好ましくは10〜40mgKOH/g、より好ましくは15〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜19mgKOH/gである。
本発明に用いられる離型剤粒子は、ワックスとポリエステル樹脂(b)とを溶融混合して得られた混合物を水系媒体へ分散して得ることが好ましい。
本工程で用いる水性媒体は、樹脂粒子(A)を得る際に用いられるものとして例示されたものが好ましく、水を主成分とするものが好ましく、安定な粒子を得る観点から、水性媒体中の水の含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、更に好ましくは実質100重量%である。用いる水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリカルボン酸塩、アルケニルコハク酸ジカリウム等が挙げられ、凝集制御の観点から、ポリカルボン酸塩、アルケニルコハク酸ジカリウムが好ましい。
ポリカルボン酸としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム、それらの共重合体が好ましく、なかでもアクリル酸ナトリウム−マレイン酸ナトリウム共重合体が好ましい。
界面活性剤を使用する場合の使用量は、トナー作製時の凝集性及び得られるトナーの帯電性の観点から、離型剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
得られる離型剤粒子のCV値は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは15〜50%、より好ましくは15〜40%、更に好ましくは15〜35%である。
なお、CV値は、下記式で表される値であり、具体的には実施例に記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
本発明では、凝集粒子を効率的に得るために凝集剤を使用する。
凝集剤としては、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。
無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、硫酸アンモニウムがより好ましい。
本発明に用いられる樹脂粒子(B)は、トナーの保存安定性及び帯電性の観点から、ポリエステル樹脂(c)を含有する。
樹脂粒子(B)のガラス転移点は、樹脂粒子(B)を構成するポリエステル樹脂(c)等の樹脂のガラス転移点、添加剤等の種類や量によって適宜決定されるが、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは55℃以上、より好ましくは55〜75℃、更に好ましくは55〜70℃、更に好ましくは55〜65℃である。
本発明において、ポリエステル樹脂(c)は、非晶質、つまり前述の結晶性指数が1.4を超えるあるいは0.6未満のポリエステルであることが好ましく、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.6未満又は1.4を超え4以下、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
ポリエステル樹脂(c)としては、分子末端に酸基を有する非晶質ポリエステルが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルの乳化を促進する観点から、カルボキシル基が好ましい。
酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもテレフタル酸が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
これらの酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(c)は、トナーの耐オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有する酸成分を用いて得られた非晶質ポリエステルを少なくとも1種使用することが好ましい。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(c)の軟化点は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは75〜105℃であり、より好ましくは78〜100℃であり、より好ましくは80〜99℃であり、更に好ましくは82〜98℃である。
なお、ポリエステル樹脂(c)を2種以上混合して使用する場合、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上のポリエステル樹脂(c)の混合物として、実施例記載の方法によって得られた値である。
ポリエステル樹脂(c)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性の観点から、好ましくは6〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜35mgKOH/gである。
樹脂粒子(B)は、ポリエステル樹脂(c)の他に、通常トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂を含有してもよい。
樹脂粒子(B)は、前述の樹脂粒子(A)の製造方法と同様の方法により得られ、用いるアルカリ水溶液、界面活性剤、水性媒体も同様のものを好適に用いることができる。
[工程(1)]
工程(1)は、ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂を含有する樹脂粒子(A)、ワックスと軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)とを重量比(ワックス/ポリエステル樹脂(b))95/5〜55/45で含有する離型剤粒子、及び凝集剤を、水性媒体中で混合して凝集粒子(1)を得る工程である。
なお、混合時の混合分散液の温度は、凝集制御の観点から、0〜40℃が好ましい。
また、樹脂粒子(A)が着色剤を含有する場合、樹脂粒子(A)中の着色剤の含有量は、画像濃度の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部である。
凝集剤の使用量は、トナーの帯電性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下であり、また、樹脂粒子の凝集性の観点から、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上である。以上の点を考慮して、1価の塩の使用量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜40重量部、更に好ましくは5〜30重量部である。
工程(2)は、凝集粒子(1)に、シェルとなるポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合して、凝集粒子(2)を得る工程である。
凝集粒子(2)は、凝集粒子(1)の周囲に樹脂粒子(B)が付着した構造であることが好ましい。
また、凝集粒子に樹脂粒子(B)をより均一に付着させる観点から、樹脂粒子(B)分散液を添加する前に、凝集粒子(1)分散液に水性媒体を添加して希釈することが好ましい。
樹脂粒子(B)分散液を添加する際、凝集粒子(1)に樹脂粒子(B)を効率的に付着させるために、更に前記凝集剤を添加してもよい。
樹脂粒子(B)分散液の添加方法としては、凝集粒子(1)分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加する方法、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを同時に添加する方法、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを交互に添加する方法等が好ましい。このような方法によれば、凝集粒子(1)及び樹脂粒子(B)の凝集性の低下を防ぐことができる。これらの中でも、トナーの生産性及び製造簡便性の観点から、凝集粒子(1)分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加する方法が好ましい。
樹脂粒子(B)添加時の温度を、離型剤の融点未満とすることで、得られるトナーの低温定着性や保存安定性を良好にし、トナーの帯電性を良好にすることができる。その理由は定かではないが、凝集粒子(2)同士の融着が生じにくいために、粗大粒子の発生が抑制されることと、離型剤の結晶性が維持できるためであるとも考えられる。
また、樹脂粒子(B)の融着を促進させたい場合、添加時の温度を、ポリエステル樹脂(c)のガラス転移点より10℃低い温度以上の温度に保持することで、融着を促進させることができる。
凝集を停止させる粒径としては、体積中位粒径が、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
凝集を停止させる方法としては、分散液を冷却する方法、凝集停止剤を添加する方法等が挙げられるが、不必要な凝集を確実に防止する観点から、凝集停止剤を添加して凝集を停止させる方法が好ましい。
凝集停止剤としては、界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。凝集停止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
凝集停止剤の添加量は、凝集停止性及びトナーへの凝集停止剤の残留を低減する観点から、系中の樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜8重量部である。凝集停止剤は、いかなる形態で添加してもよいが、生産性の観点から、水溶液で添加することが好ましい。
工程(3)は、凝集粒子(2)を構成する粒子を融着して、コアシェル粒子を得る工程である。
融着させるために保持する温度としては、好ましくは、トナーの耐熱保存性の観点及びプリンタ等の印刷機内でのトナー飛散量の抑制の観点から、離型剤の融点未満、かつ、ポリエステル樹脂(c)のガラス転移点より10℃低い温度以上に保持する。
なお、樹脂粒子(B)を添加する際に、該温度範囲に調整した場合には、添加後に該温度範囲に保持する必要はない。ただし、粒径と形状の制御が必要な場合は、ポリエステル樹脂(c)のガラス転移点より10℃低い温度未満で添加を行い、添加終了後に、ガラス転移点より10℃低い温度以上の温度にして、保持することが好ましい。
また、添加終了後の保持温度を、ポリエステル樹脂(c)のガラス転移点より10℃低い温度以上、好ましくは当該ガラス転移点より5℃低い温度以上、より好ましくは当該ガラス転移点より2℃低い温度以上とすることで、融着性、トナーの保存安定性、帯電性及びトナー生産性を向上させることができる。
これらの条件を満たすことで、低温での高い定着性を発現する離型剤の結晶状態を保ち、トナーの保存安定性や帯電性の低下の原因となる離型剤のトナー表面への露出を抑制し、シェル部分を構成する粒子を均一に融着させることができ、その結果、良好な低温定着性、帯電性及び保存安定性を両立したトナーを得ることができると考えられる。
更に、融着性、トナーの保存安定性、帯電性及びトナーの生産性の観点から、本工程においては、樹脂粒子(B)のガラス転移点より5℃低い温度以上で保持することが好ましく、樹脂粒子(B)のガラス転移点より2℃高い温度以上の温度で保持することがより好ましい。
上記の点を鑑みると、工程(3)における保持温度は、好ましくは58〜69℃、より好ましくは59〜67℃、更に好ましくは60〜64℃である。
本工程における保持時間は、粒子融着性、保存安定性、帯電性及びトナー生産性の観点から、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜12時間、更に好ましくは2〜6時間である。
本発明においては、工程(3)の後に後処理工程を行ってもよく、コアシェル粒子を単離することによってトナー粒子を得ることが好ましい。
工程(3)で得られたコアシェル粒子は、水性媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。固液分離には、吸引濾過法等が好ましく用いられる。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も除去することが好ましいため、非イオン性界面活性剤の曇点以下で水性溶液により洗浄することが好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
次に乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法としては、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等が好ましい。乾燥後の水分含量は、トナーの飛散量の低減及び帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下に調整される。
(トナー)
乾燥等を行うことによって得られたトナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述のようにトナー粒子の表面を処理したものを本発明の静電潜像現像用トナーとして用いることが好ましい。
得られたトナーの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは60〜140℃、より好ましくは60〜130℃、更に好ましくは60〜120℃である。また、ガラス転移点は、低温定着性、耐久性及び保存安定性の観点から、好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
トナーの円形度は、トナーの保存安定性、帯電性及びクリーニング性の観点から、好ましくは0.950〜0.980、より好ましくは0.955〜0.970、更に好ましくは0.955〜0.965である。
本発明の方法により得られたトナーはコアシェル構造であり、シェル部分に、ポリエステル樹脂(c)を、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは90〜100重量%含有する。
トナーの体積中位粒径は、トナーの高画質化と生産性の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
トナーのCV値は、高画質化と生産性の観点から、好ましくは30%以下、より好ましくは27%以下、更に好ましくは25%以下、更に好ましくは22%以下である。
本発明の静電潜像現像用トナーは、前記トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
外添剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、任意の微粒子が挙げられ、これらの中でも、疎水性シリカが好ましい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは1〜5重量部、より好ましくは1〜3.5重量部、更に好ましくは1〜3重量部である。
本発明により得られる静電潜像現像用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
[ポリエステルの酸価]
JIS K0070に従って測定した。ただし、測定溶媒をアセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
(1)ポリエステルの軟化点
フローテスター((株)島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)ポリエステルのガラス転移点、離型剤の融点
示差走査熱量計(ParkinElmer社製、商品名:Pyris 6 DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度50℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。離型剤では該ピーク温度を融点とした。また、非晶質ポリエステルの場合に吸熱ピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移点とした。
赤外線水分計((株)ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、樹脂粒子分散液5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、水分%を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(重量%)=100−M
M:水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
(1)測定装置:レーザー散乱型粒径測定機((株)堀場製作所製、商品名:LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)を測定する。粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)(%)で示す。
凝集粒子、コアシェル粒子の体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(商品名、ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(商品名、ベックマンコールター社製)
・測定条件:凝集粒子、コアシェル粒子を含有する試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、粒度分布としてCV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
トナー(粒子)の体積中位粒径は以下の通り測定した。
測定機、アパチャー径、解析ソフト、電解液は、凝集粒子の体積中位粒径と同様のものを用いた。
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、商品名、エマルゲン109P、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5重量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLにトナー測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、CV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
上質紙(富士ゼロックス(株)製、J紙A4サイズ)に市販のプリンタ((株)沖データ製、商品名:ML5400)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.42〜0.48mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで定着させずに出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を100℃にし、A4縦方向に1枚あたり1.5秒の速度で定着し、印刷物を得た。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、定着し、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分に、メンディングテープ(3M社製、商品名:Scotchメンディングテープ810、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gのおもりを載せ、速さ10mm/秒で1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180度、速さ10mm/秒で剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙((株)沖データ製、エクセレントホワイト紙A4サイズ)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計(GretagMacbeth社製、商品名:SpectroEye、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、これから下記の式で定着率を算出した。
定着率(%)=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率が90%以上となる温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れる。
内容積20mlの円筒形ポリプロピレン製ボトル((株)ニッコー製)にトナー10gを入れ、温度50℃、相対湿度40RH%の環境下に開放状態で12時間放置した。放置後、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)の振動台に、3つのフルイを上段目開き250μm、中段目開き150μm、下段目開き75μmの順でセットし、その上にトナー2gを乗せ60秒間振動を行い、各フルイ上に残ったトナー重量を測定した。測定したトナー重量を次式に当てはめて計算し、凝集度[%]を求めた。
凝集度[%]=a+b+c
a=(上段フルイ残トナー重量)/2[g]×100
b=(中段フルイ残トナー重量)/2[g]×100×(3/5)
c=(下段フルイ残トナー重量)/2[g]×100×(1/5)
凝集度が小さいほど、トナーが耐熱保存性に優れることを表す。以下の基準に従ってトナーの保存安定性を評価した。
A:凝集度が2%未満
B:凝集度が2%以上10%未満
C:凝集度が10%以上20%未満
D:凝集度が20%以上
製造例1
(ポリエステル樹脂(A)(非晶質ポリエステル)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド32gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)、230℃で5時間撹拌し、更に減圧(8.3kPa)し、2時間撹拌を続けた。反応混合物を常圧に戻し、210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間撹拌した後に、更に減圧下で撹拌を続けて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達したところで冷却し、ポリエステル樹脂(A)を得た。
ポリエステル樹脂(A)の結晶性指数は1.5、軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂(B)(非晶質ポリエステル)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4176g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3881g、テレフタル酸2253g、ドデセニルコハク酸無水物322g、トリメリット酸無水物945g及びジブチル錫オキサイド15gを、四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で撹拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達したところで冷却し、ポリエステル樹脂(B)を得た。
ポリエステル樹脂(B)の結晶性指数は1.6、軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は21.0mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂(C)(非晶質ポリエステル)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3802g、フマル酸1197g及びtert−ブチルカテコール2.5gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、1時間維持した後に4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、27.0kPaにて1時間維持させてポリエステル樹脂(C)を得た。
ポリエステル樹脂(C)の結晶性指数は1.6、軟化点は85℃、ガラス転移点は47℃、酸価は27mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂(D)(非晶質ポリエステル)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4435g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1765g、フマル酸1492g、無水トリメリット酸542g及びtert−ブチルカテコール2.5gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、1時間維持した後に3時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、27.0kPaにて1時間維持させてポリエステル樹脂(D)を得た。
ポリエステル樹脂(D)の結晶性指数は1.5、軟化点は98℃、ガラス転移点は57℃、酸価は19mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂(E)(非晶質ポリエステル)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3250g、フマル酸1114g、アジピン酸282g、無水トリメリット酸576g及びtert−ブチルカテコール2.5gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、1時間維持した後に4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、27.0kPaにて1時間維持させてポリエステル樹脂(E)を得た。
ポリエステル樹脂(E)の結晶性指数は1.6、軟化点は84℃、ガラス転移点は47℃、酸価は20mgKOH/gであった。
製造例6
(樹脂粒子(A)の分散液(A1)の製造)
2リットル容のステンレスフラスコに、ポリエステル樹脂(A)390.0g、ポリエステル樹脂(B)210.0g、銅フタロシアニン顔料(大日精化工業(株)製、商品名:ECB−301)45.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液(花王(株)製、商品名:ネオペレックスG−15、アニオン性界面活性剤)40.0g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王(株)製、商品名:エマルゲン430、非イオン性界面活性剤)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、系の温度を95℃に保持し、撹拌しながら、1222gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。得られた乳化物を冷却し、25℃で撹拌しながら、オキサゾリン基含有ポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700、不揮発分25重量%、アクリル主鎖)28gを添加し、その後95℃に温度を上げ95℃で1時間保持した。次に、25℃に冷却し、得られた乳化物を200メッシュ(目開き105μm)の金網を通して、樹脂粒子(A)の分散液(A1)を得た。
分散液(A1)の固形分濃度は31%であり、分散液(A1)中の樹脂粒子(A)の体積中位粒径(D50)は180nm、CV値は28%であった。
(樹脂粒子(B)の分散液(B1)の製造)
2リットル容のステンレスフラスコに、ポリエステル樹脂(A)390.0g、ポリエステル樹脂(B)210.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液(前記ネオペレックスG−15)20.0g、ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(前記エマルゲン430)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、系の温度を95℃に保持し、撹拌しながら、1222gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、25℃に冷却し、得られた乳化物を200メッシュの金網を通して、樹脂粒子(B)の分散液(B1)を得た。
分散液(B1)の固形分濃度は30%であり、分散液(B1)中の樹脂粒子(B)の体積中位粒径(D50)は141nm、CV値は24%であった。
製造例8
(離型剤粒子分散液(A)の製造)
1リットル容のビーカーで、脱イオン水200gにアクリル酸ナトリウム−マレイン酸ナトリウム共重合体水溶液(花王(株)製、商品名:ポイズ521、有効濃度40重量%)3.8gを溶解させた後、これにポリエステル樹脂(C)5g及びパラフィンワックスHNP−9(商品名、日本精蝋(株)製、融点75℃)45gを添加し、90〜95℃に温度を保持して溶融させて撹拌し、ポリエステル樹脂とパラフィンワックスとが一体となって溶融した溶融混合物を得た。
得られた溶融混合物を含んだ水溶液を更に90〜95℃に温度を保持しながら、超音波ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名:US−600T)で30分間分散処理を行った後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20重量%に調整し、離型剤粒子分散液(A)を得た。
離型剤粒子分散液(A)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は430nm、CV値は26%であった。
(離型剤粒子分散液(B)の製造)
製造例8において、ポリエステル樹脂(C)に代えて、ポリエステル樹脂(D)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、離型剤粒子分散液(B)を得た。
離型剤粒子分散液(B)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は650nm、CV値は40%であった。
(離型剤粒子分散液(C)の製造)
製造例8において、パラフィンワックスHNP−9に代えて、パラフィンワックスHNP−11(商品名、日本精蝋(株)製、融点68℃)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、離型剤粒子分散液(C)を得た。
離型剤粒子分散液(C)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は540nm、CV値は35%であった。
(離型剤粒子分散液(D)の製造)
製造例8において、ポリエステル樹脂(C)に代えて、ポリエステル樹脂(E)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、離型剤粒子分散液(D)を得た。
離型剤粒子分散液(D)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は580nm、CV値は38%であった。
(離型剤粒子分散液(E)の製造)
製造例8において、パラフィンワックスHNP−9 45g及びポリエステル樹脂(C)5gに代えてパラフィンワックスHNP−9 50gを用い、アクリル酸ナトリウム−マレイン酸ナトリウム共重合体水溶液に代えてアルケニルコハク酸ジカリウム水溶液(花王(株)製、商品名:ラテムルASK、有効濃度28%)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、離型剤粒子分散液(E)を得た。
離型剤粒子分散液(E)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は330nm、CV値は22%であった。
(離型剤粒子分散液(F)の製造)
ポリエステル(A)4550g、ポリエステル(B)2450g、パラフィンワックスHNP−9 350g、及び銅フタロシアニン顔料(大日精化工業(株)製、商品名:ECB−301)350gからなる原料を、20Lヘンシェルミキサーを用いて1500r/mの撹拌回転数で3分間混合した後、オープンロール型連続混練機(日本コークス工業(株)製、商品名:ニーデックス)を用いて溶融混練し、得られた混練物を冷却ベルトにて冷却の後、2mmのスクリーンを有するミルにて粗砕して混練物を得た。軟化点は110℃、ガラス転移点は62℃、酸価21mgKOH/gであった。
次に、2リットル容のステンレスフラスコに、混練物660.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液(花王(株)製、商品名:ネオペレックスG−15、アニオン性界面活性剤)40.0g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王(株)製、商品名:エマルゲン430、非イオン性界面活性剤)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、系の温度を95℃に保持し、撹拌しながら、1222gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。得られた乳化物を冷却し、25℃で撹拌しながら、オキサゾリン基含有ポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700、不揮発分25重量%、アクリル主鎖)28gを添加し、その後95℃に温度を上げ95℃で1時間保持した。次に、25℃に冷却し、得られた乳化物を200メッシュ(目開き105μm)の金網を通して、離型剤粒子分散液(F)を得た。
離型剤粒子分散液(F)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は163nm、CV値は28%であった。
(離型剤粒子分散液(G)の製造)
製造例8において、ポリエステル樹脂(C)及びパラフィンワックスHNP−9の使用量をそれぞれ25g及び25gに変更したこと以外は製造例8と同様にして、離型剤粒子分散液(G)を作製したが十分に分散できず一部沈殿物が発生し、微細な乳化粒子が得られなかった。
離型剤粒子分散液(G)中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は1.2μm、CV値は85%であった。
樹脂粒子(A)の分散液(A1)250g、脱イオン水66g及び離型剤粒子分散液(A)42gを、脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し、体積中位粒径が4.0μmの凝集粒子(1)を含む分散液を得た(工程(1))。
続いて、得られた凝集粒子(1)を含む分散液に、樹脂粒子(B)の分散液(B1)72gと脱イオン水22.5gとを混合した混合液を調製し、3分割して、それらを各々60分かけて滴下した。次に、樹脂粒子(A)の分散液(A1)28gと脱イオン水9.0gとを混合した混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを脱イオン水15gに溶解させた水溶液とを、同時に60分かけて滴下した。その後、同じ混合液及び水溶液を調製し、同時に60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が5.0μmの凝集粒子(2)を含む分散液を得た(工程(2))。
得られた凝集粒子(2)を含む分散液に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:エマールE27C、固形分:28重量%)11.6gと脱イオン水450gとを混合した水溶液を添加した後、2時間かけて70℃まで昇温し、2時間保持し、体積中位粒径が5.0μmのコアシェル粒子を得た(工程(3))。
得られたコアシェル粒子の分散液を25℃まで冷却し、濾過し、乾燥し、洗浄して、トナー粒子を得た。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:RY50、個数平均粒径;0.04μm)2.5重量部、疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:キャボシールTS720、個数平均粒径:0.012μm)1.0重量部、及びポリマー微粒子(日本ペイント(株)製、商品名:ファインスフェアP2000、個数平均粒径:0.5μm)0.8重量部をヘンシェルミキサーで外添処理し、150メッシュの篩いを通過させて、静電潜像現像用トナーを得た。
実施例1において、それぞれ表に示すように樹脂粒子(A)の分散液(A1)及び/又は離型剤粒子分散液の種類を変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。
なお、比較例3のトナーは、工程(3)において、離型剤粒子として大粒径のものが得られたため、樹脂粒子と凝集できず、トナーが得られなかった。
Claims (10)
- 下記の工程(1)〜(3)を含む静電潜像現像用トナーの製造方法。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を90重量%以上含む樹脂を含有する樹脂粒子(A)、ワックスと軟化点が75〜105℃であるポリエステル樹脂(b)とを重量比(ワックス/ポリエステル樹脂(b))95/5〜55/45で含有する離型剤粒子、及び凝集剤を、水性媒体中で混合して凝集粒子(1)を得る工程
工程(2):凝集粒子(1)に、シェルとなるポリエステル樹脂(c)を含有する樹脂粒子(B)を混合して、凝集粒子(2)を得る工程
工程(3):凝集粒子(2)を構成する粒子を融着して、コアシェル粒子を得る工程 - ワックスとポリエステル樹脂(b)とを溶融混合して得られた混合物を、水系媒体へ分散して離型剤粒子を得る工程を含む、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記ワックスがパラフィンワックスである、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(b)の酸価が10〜40mgKOH/gである、請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記ワックスの融点が60〜100℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(a)が非晶質ポリエステルである、請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(b)が非晶質ポリエステルである、請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂粒子(A)が着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子である、請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記ワックスの融点とポリエステル樹脂(b)の軟化点との差の絶対値が20℃以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法で得られる静電潜像現像用トナー。
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