JP2012127082A - ソイルセメント鋼管複合杭およびその施工方法 - Google Patents

ソイルセメント鋼管複合杭およびその施工方法 Download PDF

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【課題】掘削地盤における杭体の支持性能を向上させる。
【解決手段】複合杭1の施工対象地盤を掘削ロッド3で掘削し、該掘削孔4にセメントミルク等の地盤改良材を注入してソイルセメントコラム30を築造し、掘削孔4から掘削ロッド3を引き抜き、地盤からの抵抗力を増大させる受圧部5bを少なくとも杭先端に有し、杭軸部には周囲との摩擦抵抗力を増大させるための付着力増強部5aを有する鋼管杭5をソイルセメントコラム30中に回転させながら埋設し、杭先端の受圧部5bをソイルセメントコラム30の底部から突き抜けさせ、掘削孔4が掘削された地層G1よりも深く堅固な地層G2に少なくとも受圧部5bを埋設させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ソイルセメント鋼管複合杭の施工方法およびその施工方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、掘削孔に築造したソイルセメントコラムに杭を埋設することによって複合杭を施工する技術の改良に関する。
従来、地盤改良によって築造された地盤中のコラム(柱体)に補強部材として鋼管等を埋設し、杭体(複合杭)とする工法が利用されている。この工法に関しては、例えば地盤とセメントミルク等の固化材を攪拌して掘削孔内を所定深度までソイルセメント化し、ソイルセメントが固化する前に螺旋状羽根(張り出し翼)が設けられた杭を回転させながら埋設することによってソイルセメント複合杭(合成杭)を施工する技術などが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2001−317050号公報 特開2001−140251号公報
しかしながら、上述のごとき従来工法においては、地盤とセメントミルク等の固化材を攪拌するため、掘削地盤の性状によっては掘進性が著しく低下することから、大きい支持力を発現させるために必要な良質な支持層への根入れを十分に行なうことができず、杭体の支持性能を十分に発現させることができるとは限らない。
そこで、本発明は、掘削地盤における杭体の支持性能を向上させることのできるソイルセメント鋼管複合杭およびその施工方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。従来のソイルセメント工法において、周辺地盤が比較的固い地層(堅固な地層)を掘削して地盤改良することができれば、杭体の支持性能の向上が見込まれる。しかし、従来の地盤改良は、共回り防止翼がついた施工冶具で掘削し撹拌して行うというものが一般的であり、周辺地盤が固い地層では十分な攪拌ができないおそれがある。
また、従来、地盤掘削時における抵抗は、掘削冶具の形状的な特徴(例えば、地盤とセメントミルク等の固化材を十分攪拌するために必要な攪拌翼が複数個取り付けてあったりするという特徴)からして一般に大きいものである。このため、従来工法によって比較的固い地層を掘削するとしても、回転トルクと地盤の強度との相関が低くバラツキが大きくなるため、施工管理指標として取り扱うことができないという問題がある。つまり、地盤の固さがある程度を超えると層の判別が困難となり、先端支持層の管理指標としては活用できなくなってしまうので、固い地盤に到達する以前に掘削を止めてしまうことや、逆に所定の強度を発揮している地盤に到達していてもそのことが把握できずにそのまま掘削し続けてしまう場合がある。
さらに、堅固な地層に羽根付き鋼管杭を埋設する際には、鋼管杭の回転数と貫入速度(埋設速度)の関係が変化することがあり、しかも、回転が過剰になると、羽根によりソイルセメントコラムが乱され、周辺地盤を巻き込む、空間ができるなど、鉛直性、摩擦抵抗の面で影響がでやすいという問題もある。
これらの点をふまえつつ、従来工法の問題に着目してさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくもので、複合杭の施工対象地盤を掘削ロッドで掘削し、該掘削孔にセメントミルクを注入してソイルセメントコラムを築造し、掘削孔から掘削ロッドを引き抜き、先端地盤の抵抗力を増大させる受圧部を少なくとも杭先端に有し、杭軸部には周囲との摩擦抵抗力を増大させるための付着力増強部を有する鋼管杭をソイルセメントコラム中に回転させながら埋設し、杭先端の受圧部をソイルセメントコラムの底部から突き抜けさせ、掘削孔が掘削された地層よりも深く堅固な地層に少なくとも受圧部を埋設させる。
かかる施工方法においては、掘削対象である地層よりも深く堅固な地層を、受圧部を介して鋼管杭の先端を支持する支持層として機能させることができる。また、従来工法と同様、ソイルセメントと鋼管杭とを一体化させて大きな摩擦力を実現することができる。したがって、掘削地盤における杭体(ソイルセメント鋼管複合杭)の支持性能を向上させることができる。
しかも、この施工方法においては堅固な地層を地盤改良することはしない。このため、堅固な地層においては十分な撹拌ができないといった問題と無縁であるし、このように堅固な地層を改良しないで済むので施工がしやすく効率的である。
また、この施工方法においては、堅固な地層にソイルセメントコラムの施工を行わず、したがって堅固な地層に形成された掘削孔に鋼管杭を埋設することもないので、埋設時の回転トルクと地盤の強度との高い相関を施工管理指標として取り扱うことが可能である。つまり、堅固な地層よりも上層の地層においてのみソイルセメントコラムを築造し、固い地盤(堅固な地層)のみに鋼管杭を埋設するので、埋設時における回転トルクと地盤(掘削孔を含む)の強度との相関を高く保つことが可能であるため、固い地盤の判別を埋設(貫入)時のトルク変化を利用して行うことができる。これによれば、貫入される鋼管杭の先端が支持層となる固い地盤(堅固な地層)に到達したことをいち早く把握することができる。
このような施工方法においては、掘削ロッドとして、セメントミルク等の地盤改良材を吐出させる吐出口が最下端の撹拌翼よりも下側にあり、少なくとも最下端の撹拌翼よりも下側に鋼管杭の筒径以上の部分を有するものを用いることが好ましい。かかる掘削ロッドは、掘削孔から引き抜かれる際、鋼管杭よりも大径のセメント柱状部を形成し、当該セメント柱状部に鋼管杭を回転埋設することを可能とする。
また、かかる施工方法においては、掘削孔から掘削ロッドを引き抜く際、掘削ロッドからセメントミルクを吐出しながら引き抜くことが好ましい。鋼管杭よりも大径のセメント柱状部を掘削孔内に形成し、該セメント柱状部に鋼管杭を埋設することにより、ソイル部分と混じり合っていないセメントを鋼管杭の表面に接触させて固化させ、より強固に一体化したソイルセメント鋼管複合杭を施工することが可能である。
さらには、鋼管杭を、回転速度と貫入速度を一定に保ちながら埋設することが好ましい。鋼管杭を回転埋設する際、回転速度と貫入速度が一定でないと、螺旋状羽根等の付着力増強部によってソイルセメントが撹拌され、巻き上げられてしまうおそれがあるが、このように回転速度と貫入速度が一定になるように管理しながら施工する本発明によればソイルセメントが撹拌され巻き上げられるのを回避することができる。
また、本発明にかかるソイルセメント鋼管複合杭は、複合杭の施工対象地盤に掘削された掘削孔に注入されて築造されたソイルセメントと、該ソイルセメントに埋設されるとともに、杭先端の抵抗力を増大させる受圧部がソイルセメントから突き抜け、ソイルセメント中には該ソイルセメントとの付着力を増強させる杭軸周辺の付着力増強部が位置し、掘削孔が掘削された地層よりも深く堅固な地層に少なくとも受圧部が埋設した状態となっている鋼管杭と、で構成されるというものである。
本発明によれば、掘削地盤における杭体の支持性能を向上させることができる。
複合杭の施工方法の手順を示すもので、(A)杭打機による杭芯合わせ、(B)セメントミルクと地盤を撹拌混合してのソイルセメントコラム築造、(C)ソイルセメントコラムの築造完了、(D)鋼管杭の建て込み、(E)鋼管杭の杭芯合わせ、鉛直性の確認、(F)鋼管杭のソイルセメントコラム中への回転埋設、(G)鋼管杭の杭頭レベルの確認 の各工程を表す図である。 本発明の一実施形態を示すもので、(A)掘削ロッドによる掘削、(B)セメントミルクを吐出しながらの掘削ロッドの引き抜き、(C)鋼管杭の建て込み、(D)堅固な地層への鋼管杭先端の埋設 の各工程を、深層に堅固な地層を含む地盤の一例とともに表す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に本発明にかかるソイルセメント鋼管複合杭およびその施工方法の実施形態を示す。以下では、まずソイルセメント鋼管複合杭(SC杭(鋼管コンクリート複合杭))の一般的な施工方法について説明し(図1参照)、その後、本発明の特徴的部分について説明する(図2参照)。
杭打機10は、リーダー12、オーガー13、振れ止め装置14などを有し、地盤Gを掘削し、当該掘削孔4に杭(例えば鋼管杭5)を立設させながら回転させて埋設する機械である(図1参照)。
オーガー(杭回転装置)13は、鉛直方向に立設するリーダー12に沿って杭打時に移動可能に設けられており、当該リーダー12の長手方向に沿って昇降する(図1参照)。オーガー13には、鋼管杭5が直接またはヤットコ(図示省略)を介して連結されており、該オーガー13が回転駆動することによって当該鋼管杭5も回転させ、地盤Gに貫入させる。本実施形態では、少なくとも先端に貫入用の螺旋状羽根5bが設けられた鋼管杭5を用いており、このように鋼管杭5を回転させることにより、螺旋状羽根5bが生じさせる地中への推進力を利用して当該鋼管杭5を掘削孔4内に貫入させる。鋼管杭10が地盤Gに貫入する際、オーガー3もリーダー2に沿って降下する。
また、図1において、符号3はオーガー13により回転駆動され、鋼管杭5が埋設される掘削孔4を掘削するための掘削ロッドである。掘削ロッド3は内部が中空の構造であり、液体等を通じるための配管を兼ねている。また、掘削ロッド3の先端部3aには、この掘削ロッド3が先行掘削する際にセメントミルク(地盤改良材の一例)を噴出するノズル(図示省略)が設けられている。さらに、この掘削ロッド3の先端部3aよりも基端側には、地盤Gを掘削し、セメントミルクと地盤とを撹拌・混合する掘削ビット3bが設けられている。後に詳述するが、本実施形態では、少なくとも先端部3aが鋼管杭5の筒径よりも大径である掘削ロッド3を用いている。
ここで、上述の掘削ロッド3を用いて地盤Gを掘削し、掘削孔4に鋼管杭5を埋設するまでの一連の動作について順に説明する(図1参照)。
まず、施工対象の地盤Gの所定位置に杭打機10の杭芯位置を合わせたら(図1(A)参照)、掘削ロッド3により地盤Gを掘削し、セメントミルクと地盤Gのソイル(土壌)とを撹拌混合して地盤改良し、ソイルセメントコラム30を築造する(図1(B)参照)。築造が完了したら掘削孔4から掘削ロッド3を引き抜き(図1(C)参照)、鋼管杭5の建て込みを行う。
鋼管杭5を建て込むには、まず杭打機10により鋼管杭5の基端(杭頭)を吊り上げ(図1(D)参照)、鋼管杭5の杭芯合わせをするとともに鉛直性を確認する(図1(E)参照)。その後、鋼管杭5を回転させてソイルセメントコラム30中に埋設し(図1(F)参照)、埋設したら鋼管杭5の杭頭レベル(杭頭の鉛直方向位置)を確認する(図1(G)参照)。
以上は掘削孔4にソイルセメントコラム30を築造して鋼管杭5を埋設するまでの一般的な施工方法の一例であるが、本実施形態では、以下のごとき方法を実施してソイルセメント鋼管複合杭(図2において符号1で示す)を施工する。すなわち、本実施形態では、掘削対象地層(図2において符号G1で示す)の深層にさらに堅固な地層(図2において符号G2で示す)が存在する場合に、当該堅固な地層G2の直上において堅固な地層G2に至らないよう掘削し、ソイルセメントコラム30を築造した後、該ソイルセメントコラム30から先端が突き抜けて深層の堅固な地層G2に埋設されるように鋼管杭5を埋設する。詳細は以下のとおりである(図2参照)。
まず、掘削ロッド3を回転させながら掘進させて地盤Gを掘削する(図2(A)参照)。掘削の際は、例えば地上に設置されたプラント(図示省略)等から掘削ロッド3の内部に設けられた配管にセメントミルクを供給し、その配管の先端に位置するノズルから吐出させる。吐出されたセメントミルクは、掘削ビット3bにより撹拌され、地盤Gと混合されてスラリー化し、ソイルセメントコラム30を築造する。なお、掘削ロッド3により掘削する際、堅固な地層G2まで掘削することはせず、掘り進めても堅固な地層G2の直上部分(手前部分)を掘削孔4の最深部とする(図2(B)参照)。
次に、掘削孔4から掘削ロッド3を引き抜く。ここで、上述したように、本実施形態では少なくとも先端部3aが鋼管杭5の筒径よりも大径である掘削ロッド3を用いているので、セメントミルクを吐出しながら掘削ロッド3を引き抜くこととすれば、掘削孔4内に鋼管杭5よりも大径のセメント柱状部(図2において符号31で示す)を形成することができる(図2(B)等参照)。
続いて、掘削孔4内に鋼管杭5を建て込む。本実施形態では、当該鋼管杭5のソイルセメント30との付着力を増強させる螺旋状羽根5aをその周囲に有する鋼管杭5を回転させながら掘削孔4内のソイルセメントコラム30中に埋設する(図2(C)参照)。このとき、鋼管杭5の本体部(螺旋状羽根5aを除く軸部)および螺旋状羽根5aの一部は、周辺のソイルセメントよりもセメント含有量が多いセメント柱状部31を通過し、外周面にセメントミルクが接触した状態となる。これによれば、セメントミルクがこれら外周面に接触した状態で固化する結果、ソイルセメントコラム30と鋼管杭5とをより強固に一体化させることができる。また、ソイルセメントと鋼管杭5とを一体化させて大きな摩擦力を実現することができるのは従来と同様である。以上から、本実施形態によれば掘削地盤におけるソイルセメント鋼管複合杭1の支持性能を向上させることができる。同時に、当該施工法によれば、ソイルセメントコラム30と鋼管杭5は強固に一体化するため、ソイルセメントコラム30と鋼管杭5との付着力を増強させるための螺旋状羽根5aの面積を小さくすることや、設置枚数を少なくすることが可能となる。
ところで、堅固な地層G2に羽根付き鋼管杭5を埋設する際には、鋼管杭5の回転数と貫入速度(埋設速度)の関係が変化することがあり、しかも、回転が過剰になると、螺旋状羽根5aによりソイルセメントコラム30が乱され、周辺地盤を巻き込むなど、鉛直性(鋼管杭5がどの程度鉛直に施工されるか)、摩擦抵抗といった点で影響が生じることもある。特に、埋設時、鋼管杭5の先端がより堅固な地盤に当接した場合には、このようなことが起こりやすい。この点、本実施形態においては、上述のように引き抜き工程においてもセメントミルクを吐出してセメント柱状部31を形成しているので、鋼管杭5を回転埋設する際、螺旋状羽根5aの周辺のソイルセメントコラム30が施工時の乱れにより強度低下することを抑止することができる。
さらに、本実施形態では、鋼管杭5の先端の螺旋状羽根5bをソイルセメントコラム30の底部から突き抜けさせ、掘削孔4が掘削された地層G1よりも深層の堅固な地層G2に、少なくとも杭先端の螺旋状羽根5bを埋設させる(図2(D)参照)。一般に、鋼管杭5が一部でも掘削孔4から突き出てしまうと底面が一様でなくなり、複合杭の支持強度が劣化してしまうと考えられているため、たとえ僅かでも掘削孔4から鋼管杭5の一部が突き出ないように調整して施工するのが通常である。これに対し、本実施形態では、鋼管杭5の先端をあえて掘削孔4(のソイルセメントコラム30)から突き抜けさせ、さらに堅固な地層G2に埋設させることによって、堅固な地層G2を鋼管杭5の先端を支持する支持層として機能させ、杭体(ソイルセメント鋼管複合杭1)の地盤Gにおける支持性能を向上さえている。しかも、本実施形態の施工方法においては堅固な地層G2を地盤改良することはないので、堅固な地層G2においては十分な撹拌が難しいといった問題とはそもそも無縁であるし、このような堅固な地層G2を改良しないで済むので施工がしやすく効率的である。
また、本実施形態の施工方法においては堅固な地層G2を掘削しないため、回転トルクと地盤Gの強度との高い相関を施工管理指標として取り扱うことができる。つまり、本実施形態においては堅固な地層G2よりも上層の地層G1のみを掘削対象としており、掘削時における掘削ロッド3の回転トルクと地盤強度との相関を高く保つことができるので、掘削時のトルク変化を利用して固い地盤G2の判別を行うことが可能である。これによれば、掘削ロッド3が堅固な地層G2に到達したことをいち早く把握することができる。
また、鋼管杭5の埋設時においても同様のことがいえる。つまり、本実施形態の施工方法においてはセメント柱状部31を形成してから鋼管杭5を回転埋設させるので、当該鋼管杭5の回転トルクに関してソイルセメントコラム30やセメント柱状部31の強度との高い相関を施工管理指標として取り扱うことができる。したがって、回転埋設時のトルク変化を利用して、鋼管杭5の先端がソイルセメントコラム30の底部を突き抜けたことや支持層の対象となる固い地盤G2に到達したことを把握し、必要な杭の根入れ長を判断できるというトルク管理を行うことが可能である。
また、上述のようにトルク管理を行うことが可能な施工方法においては、鋼管杭5の回転速度と貫入速度を一定に保ちながら該鋼管杭5を埋設することも可能である。鋼管杭5を回転埋設する際、回転速度と貫入速度が一定でないと、螺旋状羽根5aによってソイルセメントが撹拌され、巻き上げられてしまうおそれがあるが、このように回転速度と貫入速度が一定になるように管理しながら施工することとすればソイルセメントが撹拌され巻き上げられるのを回避することができる。回転速度と貫入速度を一定に保つための具体例としては、トルクの変化に応じてオーガー13による鋼管杭5の回転速度を調整すること等が挙げられる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、周囲に連続する螺旋状羽根5aが設けられた鋼管杭5を示したが(図2参照)、これは一例にすぎず、この他、螺旋状羽根5aが不連続に設けられた鋼管杭5を用いてソイルセメント鋼管複合杭1を施工することもできる。あるいは、凹部やリブ状の凸部といったような螺旋状羽根以外のものが設けられた鋼管杭5を用いてソイルセメント鋼管複合杭1を施工することもできる。要は、少なくとも杭先端部分をソイルセメントコラム30から突き抜けさせて堅固な地層G2に埋設させ、当該埋設させた先端部分によって杭先端地盤の抵抗力を増大させ、同時に杭周囲との付着力を増強させうるものである限り、鋼管杭5における、先端地盤の抵抗力を増大させる受圧部やソイルセメントコラム30と鋼管杭5の付着力を増強させうる付着力増強部の形状や形態は特に限定されることはない。詳細な説明はしないが、螺旋状羽根5b以外の付着力増強部の好適例を挙げれば、上述の凹部やリブ状の凸部のように地層G2との接触面積を増加させるもの、地層G2中において楔(くさび)のように機能する鋭い突起やこれらの連続部のようなもの、地層G2との摩擦力を向上させる材質からなる突起や被覆物などがある。また、上述の実施形態では、鋼管杭5の周囲に設けられた螺旋状羽根のうち地層G2に埋設される部分を受圧部の一例として符号5bで示し、残りの部分をソイルセメントコラム30との付着力を増強させる付着力増強部の一例として符号5aで示したが、両者は当初から明確に区別されている必要はなく、要は地層G2に埋設されて抵抗力増大させる部分が受圧部として機能することができ、ソイルセメントコラム30との付着力を増強させる部分が付着力増強部として機能することができるのであって、当該受圧部や付着力増強部の範囲が個々のソイルセメント鋼管複合杭1において異なっていても構わない。
また、上述した実施形態においては、ある掘削対象地層G1の深層にさらに堅固な地層G2が存在する地盤Gを示しながら説明としたが、ここでいう「堅固」というのは掘削対象地盤G1を基準とした相対的なものであって、掘削対象地層G1と堅固な地層G2とを厳密に分ける数値(N値)が存在するわけではない。要は、ある地層(途中で地盤強度が変化している場合を含む)に掘削孔4(およびソイルセメントコラム30)を設けて単に鋼管杭5を埋設するのではなく、その深層により堅固な地層G2が存在するならば鋼管杭5の先端を掘削孔4からあえて突き抜けさせ、従来ならば杭体支持力と関連性のなかった当該堅固な地層G2に埋設させることによってソイルセメント鋼管複合杭1の支持力向上を図るのが本願の趣旨であり、両者の区分けは実情に応じて適宜行われればよい。なお、図2に示した地盤固さの指標は、所定重さのハンマーを自由落下させて標準貫入用サンプラーを所定深さ打ち込むに要する打撃回数(つまりはN値)に基づくが、上述したように、具体的数値までを表すものではない。
本発明は、掘削孔に築造したソイルセメントコラムに杭を埋設することによって複合杭を施工する場合に適用して好適なものである。
1…ソイルセメント鋼管複合杭、3…掘削ロッド、3a…先端部、4…掘削孔、5…鋼管杭、5a…螺旋状羽根(付着力増強部)、5b…螺旋状羽根(受圧部)、30…ソイルセメントコラム、G1…掘削孔が掘削される地層(掘削対象地層)、G2…堅固な地層

Claims (5)

  1. 複合杭の施工対象地盤を掘削ロッドで掘削し、
    該掘削孔にセメントミルク等の地盤改良材を注入してソイルセメントコラムを築造し、
    前記掘削孔から前記掘削ロッドを引き抜き、
    地盤からの抵抗力を増大させる受圧部を少なくとも杭先端に有し、杭軸部には周囲との摩擦抵抗力を増大させるための付着力増強部を有する鋼管杭を前記ソイルセメントコラム中に回転させながら埋設し、
    前記杭先端の受圧部を前記ソイルセメントコラムの底部から突き抜けさせ、前記掘削孔が掘削された地層よりも深く堅固な地層に少なくとも前記受圧部を埋設させる、ソイルセメント鋼管複合杭の施工方法。
  2. 前記掘削ロッドとして、セメントミルク等の地盤改良材を吐出する吐出口が最下端の撹拌翼よりも下側にあり、少なくとも最下端の撹拌翼よりも下側に前記鋼管杭の筒径以上の部分を有するものを用いる、請求項1に記載のソイルセメント鋼管複合杭の施工方法。
  3. 前記掘削孔から前記掘削ロッドを引き抜く際、前記掘削ロッドから前記セメントミルクを吐出しながら引き抜く、請求項2に記載のソイルセメント鋼管複合杭の施工方法。
  4. 前記鋼管杭を、回転速度と貫入速度を一定に保ちながら埋設する、請求項1から3のいずれか一項に記載のソイルセメント鋼管複合杭の施工方法。
  5. 複合杭の施工対象地盤に掘削された掘削孔に注入されて築造されたソイルセメントと、
    該ソイルセメントに埋設されるとともに、杭先端の抵抗力を増大させる受圧部が前記ソイルセメントから突き抜け、前記ソイルセメント中には該ソイルセメントとの付着力を増強させる杭軸周辺の付着力増強部が位置し、前記掘削孔が掘削された地層よりも深く堅固な地層に少なくとも前記受圧部が埋設した状態となっている鋼管杭と、
    で構成されるソイルセメント鋼管複合杭。
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