JP2012126802A - 仮固定剤および基材の加工方法 - Google Patents

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Etsu Takeuchi
江津 竹内
Toshihiro Sato
敏寛 佐藤
Toshiharu Kuboyama
俊治 久保山
Junya Kusuki
淳也 楠木
Hiromichi Sugiyama
広道 杉山
Masakazu Kawada
政和 川田
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Abstract

【課題】支持基材上に基材を仮固定して基材を加工する際に、これら支持基材と基材との間に位置する仮固定剤の膜厚の均一化を図るとともに、仮固定剤にボイドを発生させることなく加工して精度に優れた基材の加工を行い得る仮固定剤、およびかかる仮固定剤を用いた基材の加工方法を提供すること。
【解決手段】本発明の仮固定剤は、半導体ウエハ(基材)3を加工するために、この半導体ウエハ3を支持基材1に仮固定し、半導体ウエハ3の加工後に、加熱することで半導体ウエハ3を支持基材1から脱離させるために用いられ、加熱により熱分解する樹脂成分と、この樹脂成分を溶解または分散し得る溶剤とを含有するものであり、前記溶剤は、第1の溶剤と、該第1の溶剤より沸点(常圧)の高い第2の溶剤とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、仮固定剤および基材の加工方法、特に、基材を加工する際にこの基材を支持基材に仮固定するのに用いられる仮固定剤、およびこの仮固定剤を用いた基材の加工方法に関する。
半導体ウエハに研磨やエッチング等の加工を行うためには、半導体ウエハを支持するための基材上に半導体ウエハを一時的に仮固定する必要があり、そのための様々な方法が提案されている。例えば、現在では基材としてのPETフィルムに接着層を設けた固定用のフィルム上に半導体ウエハを固定する方法が多く用いられている。
この方法では、研削に用いられる一般的なバックグラインドマシンの研削精度(約1μm)と、半導体ウエハを固定するための一般的なバックグラインド(BG)テープの厚み精度(約5μm)とを合わせると、要求される厚み精度を超えてしまい、研削されたウエハの厚みにバラツキが生じると言う問題がある。
また、スルー・シリコン・ビア(Through Silicon Via)に用いる半導体ウエハを加工する場合、BGテープが付いた状態でビアホールや膜の形成を行うが、そのときの温度は低くとも180℃程度に達し、BGテープの粘着力を上げてしまう。また、膜形成のためのメッキの薬液によってBGテープの接着層が侵され、剥がれが生じたりする。
また、化合物半導体に代表される脆弱な半導体ウエハは、機械的研削によってダメージを受ける場合があるので、エッチングによって薄化を行う。このエッチングにおいては、ストレス除去を目的とする程度のエッチング量であれば特に問題はないが、数μmエッチングする場合には、エッチングの薬液によってBGテープが変質してしまうことがある。
一方で、近年、表面が平滑な支持基材に固定材料を介して半導体ウエハを固定する方法が採用されるようになっている。
例えば、ストレス除去の目的でエッチングを行うには、高い温度まで加熱する必要があるが、PETフィルムではこのような高温に耐えることができないため、このような場合には支持基材を用いた方法が好ましく適用される。
基材の支持基材への固定材料には、高温で軟化して半導体ウエハの脱離が容易になるような固定材料(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
しかしながら、このような固定材料では、半導体ウエハに研磨やエッチング等の加工を施す際に、固定材料が熱履歴を経ることに起因して、半導体ウエハと基材との間においてボイドが発生する。そのため、固定材料で構成される固定部材の厚さ方向に凹凸が発生することから、例えば、半導体ウエハを研磨する際に、半導体ウエハの厚さにバラツキが生じるという問題がある。
なお、かかる問題は、半導体ウエハの加工に限らず、固定部材を介して支持基材に固定した状態で加工を施す各種基材についても同様に生じている。
特表2010−531385号公報
本発明の目的は、支持基材上に基材を仮固定して基材を加工する際に、これら支持基材と基材との間に位置する仮固定剤の膜厚の均一化を図るとともに、仮固定剤にボイドを発生させることなく加工して精度に優れた基材の加工を行い得る仮固定剤、およびかかる仮固定剤を用いた基材の加工方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(15)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材を加工するために該基材を支持基材に仮固定し、前記基材の加工後に、加熱することで前記基材を前記支持基材から脱離させるために用いられ、前記加熱により熱分解する樹脂成分と、該樹脂成分を溶解または分散し得る溶剤とを含有する樹脂組成物からなる仮固定剤であって、
前記溶剤は、第1の溶剤と、該第1の溶剤より沸点(常圧)の高い第2の溶剤とを含むことを特徴とする仮固定剤。
(2) 前記第1の溶剤の沸点(常圧)をXa[℃]とし、前記第2の溶剤の沸点(常圧)をXb[℃]としたとき、Xb−Xaが30〜170である上記(1)に記載の仮固定剤。
(3) 前記第1の溶剤の沸点(常圧)は、50〜160℃である上記(1)または(2)に記載の仮固定剤。
(4) 前記第1の溶剤は、エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化物類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の溶剤である上記(3)に記載の仮固定剤。
(5) 前記第2の溶剤の沸点(常圧)は、160〜280℃である上記(1)または(2)に記載の仮固定剤。
(6) 前記第2の溶剤は、アルカン類、アルケン類、アルデヒド類、環状ラクタム類、環状ラクトン類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の溶剤である上記(5)に記載の仮固定剤。
(7) 前記第1の溶剤と前記第2の溶剤との比率は、重量比で、1:9〜7:3である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の仮固定剤。
(8) 前記樹脂成分は、当該仮固定剤の前記加熱による前記熱分解により、低分子化して溶融または気化する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の仮固定剤。
(9) 前記樹脂成分は、当該仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の仮固定剤。
(10) 前記樹脂成分は、酸または塩基の存在下において前記熱分解する温度が低下するものであり、前記樹脂組成物は、さらに前記活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を含有する上記(9)に記載の仮固定剤。
(11) 前記樹脂成分は、ポリカーボネート系樹脂である上記(9)または(10)に記載の仮固定剤。
(12) 前記樹脂成分は、当該仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下しない上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の仮固定剤。
(13) 前記樹脂成分は、ノルボルネン系樹脂である上記(12)に記載の仮固定剤。
(14) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の仮固定剤を、前記基材および前記支持基材のうちの少なくとも一方に供給したのち、加熱することで、前記樹脂組成物から前記溶剤を除去して薄膜を形成する第1の工程と、
前記薄膜を介して、前記基材と前記支持基材とを貼り合わせる第2の工程と、
前記基材の前記支持基材と反対側の面を加工する第3の工程と、
前記薄膜を、前記第1の工程における前記加熱の最高温度より高い温度で加熱して、前記樹脂成分を熱分解させることで、前記基材を前記支持基材から脱離させる第4の工程とを有することを特徴とする基材の加工方法。
(15) 前記第1の工程は、前記加熱を、前記第1の溶剤の沸点(常圧)と前記第2の溶剤の沸点(常圧)との間の温度で行う前段階と、前記第2の溶剤の沸点(常圧)より高い温度で行う後段階とを有する上記(14)に記載の基材の加工方法。
本発明の仮固定剤は、沸点の異なる2種の溶剤を含有し、それらが順に揮発するように調製してある。そのため、かかる仮固定剤を用いて支持基材上に基材を固定して、この基材の加工を行う際に、仮固定剤の膜厚の均一化(平坦化)や、仮固定剤中におけるボイドの発生を的確に抑制または防止することができる。その結果、基材に対して精度の高い加工が可能となるという効果を奏する。
本発明の仮固定剤を用いて、半導体ウエハを加工する加工工程を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の仮固定剤および基材の加工方法を、添付図面に示す好適実施形態に基いて詳細に説明する。
まず、本発明の仮固定剤について説明する。
<仮固定剤>
本発明の仮固定剤は、基材を加工するために該基材を支持基材に仮固定し、前記基材の加工後に、加熱することで前記基材を前記支持基材から脱離させるために用いられ、前記加熱により熱分解する樹脂成分と、該樹脂成分を溶解または分散し得る溶剤とを含有する樹脂組成物からなるものであり、前記溶剤は、第1の溶剤と、該第1の溶剤より沸点(常圧)の高い第2の溶剤とを含むことを特徴とする。
このような本発明の仮固定剤は、上記のような樹脂成分と溶剤とを含有する樹脂組成物からなるものである。
以下、この樹脂組成物を構成する各成分について、順次、説明する。
樹脂成分は、仮固定時(基材の加工時)には、基材を支持基材に固定する機能を有し、一方で、加熱により熱分解して、支持基材からの基材の脱離を許容する機能を有するものである。
ここで、樹脂成分は、加熱による熱分解により低分子化することで、単に、仮固定時の接合強度(密着性)が低下または消失するものであってもよいが、低分子化することで、溶融または気化するものであるのが好ましい。
かかる樹脂成分であれば、支持基材から剥離した後に、基材の表面に、樹脂成分の低分子化物が残存することを防止または抑制することができる。また、仮に、基材の表面に、樹脂成分の低分子化物が残存した場合でも、再度、基材を加熱することにより、低分子化物が溶融または気化するので、この除去を容易かつ確実に行うことができる。
このような樹脂成分としては、前記機能をするものであればよく、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂であるのが好ましく、特に、ノルボルネン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂であるのが好ましい。これらのものは、前記機能をより顕著に発揮するものであるため、樹脂成分としてより好適に選択される。
ポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されないが、ポリプロピレンカーボネート樹脂、ポリエチレンカーボネート樹脂、1,2−ポリブチレンカーボネート樹脂、1,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、1,4−ポリブチレンカーボネート樹脂、cis−2,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、trans−2,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、α,β−ポリイソブチレンカーボネート樹脂、α,γ−ポリイソブチレンカーボネート樹脂、cis−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、trans−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、cis−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、trans−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、ポリヘキセンカーボネート樹脂、ポリシクロプロペンカーボネート樹脂、ポリシクロヘキセンカーボネート樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂、ポリ(メチルシクロヘキセンカーボネート)樹脂、ポリ(ビニルシクロヘキセンカーボネート)樹脂、ポリジヒドロナフタレンカーボネート樹脂、ポリヘキサヒドロスチレンカーボネート樹脂、ポリシクロヘキサンプロピレンカーボネート樹脂、ポリスチレンカーボネート樹脂、ポリ(3−フェニルプロピレンカーボネート)樹脂、ポリ(3−トリメチルシリロキシプロピレンカーボネート)樹脂、ポリ(3−メタクリロイロキシプロピレンカーボネート)樹脂、ポリパーフルオロプロピレンカーボネート樹脂、ポリノルボルネンカーボネート樹脂、ポリノルボルナンカーボネート樹脂、exo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、endo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、trans−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、cis−ポリノルボルネンカーボネート樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキセンカーボネート共重合体、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート/ポリノルボルネンカーボネート共重合体、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]樹脂、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]樹脂、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]樹脂、およびポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂/exo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂/endo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂等の共重合体を用いることもできる。
さらに、ポリカーボネート系樹脂としては、上記の他、カーボネート構成単位において、少なくとも2つの環状体を有するポリカーボネート樹脂を用いることもできる。
環状体の数は、カーボネート構成単位において、2つ以上であればよいが、2〜5であるのが好ましく、2または3であるのがより好ましく、2であるのがさらに好ましい。カーボネート構成単位としてこのような数の環状体が含まれることにより、支持基材と基材との密着性が優れたものとなる。また、仮固定剤の加熱により、かかるポリカーボネート樹脂が熱分解して低分子化することにより、溶融するものとなる。
また、複数の環状体は、それぞれの頂点同士が互いに連結している連結多環系構造をなしていてもよいが、それぞれが有する一辺同士が互いに連結している縮合多環系構造をなしているのが好ましい。これにより、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。
さらに、複数の環状体は、それぞれ、5員環または6員環であるあるのが好ましい。これにより、カーボネート構成単位の平面性が保たれることから、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このような複数の環状体は、脂環式化合物であるのが好ましい。各環状体が脂環式化合物である場合に、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
これらのことを考慮すると、ポリカーボネート系樹脂において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1X)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 2012126802
なお、上記化学式(1X)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート系樹脂は、デカリンジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
また、上記化学式(1X)で表わされるカーボネート構成単位において、デカリンジオールが有する水酸基に連結する炭素原子に由来するものは、それぞれ、デカリン(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら水酸基に連結する炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。これにより、ポリカーボネート系樹脂の分解性を制御でき、その結果、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。さらに、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1A)、(1B)で表わされるものが挙げられる。
Figure 2012126802
さらに、複数の環状体は、脂環式化合物である他、複素脂環式化合物であってもよい。各環状体が複素脂環式化合物である場合であっても、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
この場合、ポリカーボネート系樹脂において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2X)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 2012126802
なお、上記化学式(2X)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート系樹脂は、下記化学式(2a)で表わされるエーテルジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
Figure 2012126802
また、上記化学式(2X)で表わされるカーボネート構成単位において、上記化学式(2a)で表わされる環状エーテルジオールが有する水酸基由来の炭素原子は、それぞれ、上記環状エーテル(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。これにより、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。さらに、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2A)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(イソソルビド)型のものや、下記化学式(2B)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(イソマンニド)型ものが挙げられる。
Figure 2012126802
ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000であることが好ましく、5,000〜800,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量を上記下限以上とすることにより、支持基材に対する濡れ性が向上すること、さらに、成膜性を向上するという効果を得ることができる。また、上記上限値以下とすることで、各種溶剤に対する溶解性、さらには、仮固定剤の加熱による溶融粘度の低下がより顕著に認められるという効果を得ることができる。
なお、ポリカーボネート系樹脂の重合方法は、特に限定されるわけではないが、例えば、ホスゲン法(溶剤法)または、エステル交換法(溶融法)等の公知の重合方法を用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1Y)で示される構造単位を含むものを挙げることができる。
Figure 2012126802
式(1Y)において、R〜Rは、それぞれ、水素、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基、下記置換基(2Y)のいずれかである。また、mは0〜4の整数である。
Figure 2012126802
式(2Y)において、Rは、それぞれ、水素、メチル基またはエチル基であり、R、RおよびRは、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、置換もしくは未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかである。また、nは0〜5の整数である。
前記線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、仮固定剤(樹脂組成物)を構成する各種成分との相溶性や各種溶剤に対する溶解性、さらに、基材と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れるブチル基、デシル基が好ましい。
前記芳香族基としては、特に限定されるものではないが、フェニル基、フェネチル基、ナフチル基等が挙げられるが、これらの中でも、基材と支持基材を仮固定した際の機械物性に優れるフェネチル基、ナフチル基が好ましい。
前記脂環族としては、特に限定されるものではないが、シクロヘキシル基、ノルボルネニル基、ジヒドロジシクロペンタジエチル基、テトラシクロドデシル基、メチルテトラシクロドデシル基、テトラシクロドデカジエチル基、ジメチルテトラシクロドデシル基、エチルテトラシクロドデシル基、エチリデニルテトラシクロドデシル基、フエニルテトラシクロドデシル基、シクロペンタジエチル基の三量体等の脂環族基等が挙げられる。
これらの中でも、基材と支持基材を仮固定した際の機械物性、さらには、仮固定剤の加熱時における熱分解性に優れるシクロヘキシル基、ノルボルネニル基が好ましい。
前記置換基(2Y)中のRは、水素、メチル基またはエチル基であれば、特に限定されるものではないが、仮固定剤の加熱時における熱分解性に優れる水素原子が好ましい。
前記置換基(2Y)中のR、RおよびRは、それぞれ、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、置換もしくは未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかであれば、特に限定されるわけではない。
そのような置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、アセトキシ基、プロピオキシ基、ブチロキシ基、メチルペルオキシ基、イソプロピルペルオキシ基、t−ブチルペルオキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基等が挙げられ、これらの中でも、仮固定の際の支持基材に対する密着性、基材加工時の機械特性に優れるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。
前記一般式(1Y)中のmは、0〜4の整数であり、特に限定されるわけではないが、0または1が好ましい。mが0または1である場合、前記一般式(1Y)で示される構造単位は、下記一般式(3Y)または(4Y)で示すことができる。
Figure 2012126802
Figure 2012126802
前記式(3Y)および(4Y)において、R〜Rは、それぞれ、水素、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基、置換基(2Y)のいずれかである。
前記置換基(2Y)中のnは、0〜5の整数であり、特に限定されるわけではないが、nは0であることが好ましい。nが0である時、シリル基はケイ素−炭素結合を介して多環式環に直接結合しており、仮固定剤の熱分解性および基材加工時の機械特性を両立することができる。
前記一般式(1Y)で示される構造単位は、特に限定されるわけではないが、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ペンチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−へプチルノルボルネン、5−オクチルノルボルネン、5−ノニルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−トリメチルシリルノルボルネン、5−トリメトキシシリルノルボルネン、5−メチルジメトキシシシリルノルボルネン、5−ジメチルメトキシノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネン等のノルボルネン系モノマーを重合することにより得ることができる。
前記ノルボルネン系モノマーを重合する際は、単一のノルボルネン系モノマーで重合しても、複数のノルボルネン系モノマーを共重合しても良い。これらノルボルネン系モノマーの中でも、基材と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れる5−ブチルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネンが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではなく、前記一般式(1Y)で示される単一の構造単位で形成されていてもよく、また、複数の構造単位で形成されていても良い。
前記ノルボルネン系樹脂は、より具体的には、ポリノルボルネン、ポリメチルノルボルネン、ポリエチルノルボルネン、ポリプロピルノルボルネン、ポリブチルノルボルネン、ポリペンチルノルボルネン、ポリヘキシルノルボルネン、ポリへプチルノルボルネン、ポリオクチルノルボルネン、ポリノニルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリフェネチルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリトリメチルシリルノルボルネン、ポリトリメトキシシリルノルボルネン、ポリメチルジメトキシシシリルノルボルネン、ポリジメチルメトキシノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン等の単一重合体、ノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体等の共重合体が挙げられる。
これらの中でも、基材と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れるポリブチルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン−ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体が好ましい。
なお、前記一般式(1Y)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではないが、開環メタセシス重合(以下、ROMPとも記載する。)、ROMPと水素化反応の組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合により合成することができる。
より具体的には、前記一般式(1Y)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、例えば、パラジウムイオン源を含有する触媒、ニッケルと白金を含有する触媒、ラジカル開始剤等を用いることにより合成することができる。
また、樹脂成分は、樹脂組成物を構成する全量(溶剤を含む場合には、溶剤を除いた全量)の10wt%〜100wt%の割合で配合することが好ましい。さらに好ましくは、50wt%以上、特には、80wt%〜100wt%の割合で配合することが好ましい。10wt%以上、特に80wt%以上とすることで、仮固定剤を熱分解した後の残渣を低減できるという効果がある。また、樹脂組成物中の樹脂成分を多くすることで短時間で仮固定剤を熱分解できるという効果がある。
(溶剤)
溶剤は、樹脂組成物中に含まれる樹脂成分や、後述する樹脂成分以外の各種成分を樹脂組成物中に溶解または分散させるために含まれるものである。
溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、メシチレン、デカリン、ミネラルスピリット類等の炭化水素類、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド/ラクタム類が挙げられ、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いることができる。仮固定剤が溶剤を含有する構成とすることで、仮固定剤の粘度を調整することが容易となり、支持基材に仮固定剤で構成される犠牲層(薄膜)の形成が容易となる。
なお、本発明では、溶剤には、第1の溶剤(以下、「低沸点溶剤」と言うこともある。)と、この低沸点溶剤より沸点(常圧)の高い第2の溶剤(以下、「高沸点溶剤」と言うこともある。)との組み合わせ(混合溶剤)が用いられる。この点については、後に説明する。
前記溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物(仮固定剤)の全量の5〜98重量%であることが好ましく、10〜95重量%であることがより好ましい。
ところで、上述した樹脂成分は、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するものと、熱分解する温度が低下しないものとに分類される。
具体的には、酸または塩基の存在下において熱分解する温度が低下する樹脂成分としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、熱分解する温度の低下がより顕著に認められるという観点から、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが好ましく、特に、ポリプロピレンカーボネート、1,4−ポリブチレンカーボネート、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート/ポリノルボルネンカーボネート共重合体であるのが好ましい。
なお、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下しない樹脂成分としては、例えば、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
そこで、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するものを選択した場合、樹脂組成物中に、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤が含まれる構成とすることで、樹脂成分を、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により熱分解する温度が低下するものとすることができる。
したがって、仮固定剤(樹脂組成物)を、熱分解する温度が低下する樹脂成分と、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤とを含有するものとすることで、活性エネルギー線照射により樹脂成分の熱分解する温度が低下するため、活性エネルギー線照射の後の仮固定剤の加熱により、基材の支持基材からの脱離をより容易に行え得るという効果が得られる。
なお、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下しないものを選択した場合には、樹脂組成物中に、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を添加したとしても、当然、樹脂成分の熱分解する温度は、仮固定剤への活性エネルギー線の照射によっても変化しない。
以下、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するもの選択した際に、樹脂組成物に含まれる活性剤について説明する。
(活性剤)
活性剤は、上述したように、活性エネルギー線の照射によってエネルギーを加えられることにより、酸または塩基のような活性種を発生させるものであり、この活性種の作用により、前記樹脂成分の熱分解する温度を低下させる機能を有するものである。
この活性剤としては、特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光酸発生剤や、活性エネルギー線の照射により塩基を発生する光塩基発生剤等が挙げられる。
光酸発生剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TTBPS−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(TTBPS−HFP)、トリフェニルスルホニウムトリフレート(TPS−Tf)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート(DTBPI−Tf)、トリアジン(TAZ−101)、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(TPS−103)、トリフェニルスルホニウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(TPS−N1)、ジ−(p−t−ブチル)フェニルヨードニウム、ビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(DTBPI−N1)、トリフェニルスルホニウム、トリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(TPS−C1)、ジ−(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(DTBPI−C1)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の溶融粘度を効率的に下げることができるという観点から、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)が好ましい。
また、光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えば、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナン、1−(2−ニトロベンゾイルカルバモイル)イミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の溶融粘度を効率的に下げることができるという観点から、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナンおよびこの誘導体が好ましい。
前記活性剤は、樹脂組成物(仮固定剤)の全量の0.01〜50重量%程度であるのが好ましく、0.1〜30重量%程度であるのがより好ましい。かかる範囲内とすることにより、樹脂成分の溶融粘度を安定的に目的とする範囲内に下げることが可能となる。
このような活性剤の添加により、活性エネルギー線を照射することで、酸または塩基のような活性種が発生し、この活性種の作用によって、樹脂成分の主鎖にその熱分解温度が低下する構造が形成され、その結果、樹脂成分の熱分解する温度が低下すると推察される。
ここで、樹脂成分としてポリカーボネート系樹脂であるポリプロピレンカーボネート樹脂を使用し、活性剤として光酸発生剤を使用した場合の熱分解温度が低下するメカニズムについて説明する。下記式(1Z)で示すように、先ず、前記光酸発生剤由来のHが、ポリプロピレンカーボネート樹脂のカルボニル酸素をプロトン化し、さらに極性遷移状態を転移させ不安定な互変異性中間体[A]および[B]を生じる。次に、中間体[A]は、アセトンおよびCOとして断片化する熱切断が起こるため、熱分解温度が低下する。また、中間体[B]は炭酸プロピレンを生成し、炭酸プロピレンはCOおよびプロピレンオキシドとして断片化する熱閉環構造を形成するため、熱分解温度が低下する。
Figure 2012126802
(増感剤)
また、仮固定剤は、活性剤を含む場合、この活性剤とともに、特定の波長の活性エネルギー線に対する活性剤の反応性を発現あるいは増大させる機能を有する成分である増感剤を含んでいても良い。
増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンツピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン−9−オン、2‐イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4‐プロポキシチオキサントン、およびこれらの混合物等が挙げられる。
このような増感剤の含有量は、前述した光酸発生剤等の活性剤および光ラジカル開始剤の総量100重量部に対して、100重量部以下であるのが好ましく、20重量部以下であるのがより好ましい。
以上のような樹脂組成物には、樹脂成分が、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するもの、および熱分解する温度が低下しないもののうちの何れであっても、以下に示すような他の成分が含まれていてもよい。
(酸化防止剤)
すなわち、樹脂組成物(仮固定剤)は、酸化防止剤を含んでいてもよい。
この酸化防止剤は、樹脂組成物(仮固定剤)中における酸の発生や、自然酸化を防止する機能を有している。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Ciba Fine Chemicals社製、「Ciba IRGANOX(登録商標) 1076」および「Ciba IRGAFOS(登録商標) 168」が好適に用いられる。
また、他の酸化防止剤としては、例えば、「Ciba Irganox 129」、「Ciba Irganox 1330」、「Ciba Irganox 1010」、「Ciba Cyanox(登録商標) 1790」、「Ciba Irganox 3114、Ciba Irganox 3125」等を用いることもできる。
酸化防止剤の含有量は、上述した樹脂成分100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、0.5〜5重量部であるのがより好ましい。
(添加剤)
また、樹脂組成物(仮固定剤)は、必要により酸捕捉剤、アクリル系、シリコーン系、フッ素系、ビニル系等のレベリング剤、シランカップリング剤、希釈剤等の添加剤等を含んでも良い。
シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物(仮固定剤)がシランカップリング剤を含むことにより、基材と支持基材との密着性の向上を図ることができる。
また、希釈剤としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキセンオキサイドやα−ピネンオキサイド等のシクロエーテル化合物、[メチレンビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビスオキシランなどの芳香族シクロエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのシクロアリファティックビニルエーテル化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物(仮固定剤)が希釈剤を含むことにより、仮固定剤の流動性を向上させることができ、後述する犠牲層形成工程において、仮固定剤の支持基材に対する濡れ性を向上させることが可能となる。
<半導体装置の製造方法>
上述したような本発明の仮固定剤が、例えば、半導体装置の製造方法に適用される。
すなわち、半導体装置の製造方法における、半導体ウエハの加工に、本発明の基材の加工方法が適用される。
以下、この本発明の基材の加工方法の実施形態の一例について説明する。
この半導体ウエハ(基材)の加工には、本発明の仮固定剤を、半導体ウエハおよび支持基材のうちの少なくとも一方に供給したのち、加熱することで、樹脂組成物から溶剤を除去して犠牲層(薄膜)を形成する第1の工程と、犠牲層を介して、支持基材と半導体ウエハとを貼り合わせる第2の工程と、半導体ウエハの支持基材と反対側の面を加工する第3の工程と、犠牲層を、第1の工程における加熱の最高温度より高い温度で加熱して、樹脂成分を熱分解させることで、半導体ウエハを支持基材から脱離させる第4の工程とを有する。
図1は、本発明の仮固定剤を用いて、半導体ウエハを加工する加工工程を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中、上側を「上」、下側を「下」とする。
以下、これら各工程について順次説明する。
(犠牲層形成工程)
まず、支持基材1を用意し、図1(a)に示すように、この支持基材(基材)1上に、本発明の仮固定剤を用いて、犠牲層2を形成する(第1の工程)。
この犠牲層2は、本発明の仮固定剤を支持基材1上に供給した後、加熱して、仮固定剤(樹脂組成物)から溶剤を除去して乾燥させることで容易に形成することができる。
また、本発明の仮固定剤を支持基材1上に供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フィルム転写法、スリットコート法、スキャン塗布法等の各種塗布法を用いることができる。これらの中でも、特に、スピンコート法が好ましく用いられる。スピンコート法によれば、より均一で平坦な犠牲層2を容易に形成することができる。
また、支持基材1としては、半導体ウエハ3を支持し得る程度の強度を有するものであれば、特に限定されないが、光透過性を有するものであるのが好ましい。これにより、樹脂成分として、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものを用いた際に、支持基材1側から活性エネルギー線を透過させて、犠牲層2に活性エネルギー線を確実に照射することができるようになる。
光透過性を有する支持基材1としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリカーボネートのような樹脂材料等を主材料として構成される基板が挙げられる。
さて、本発明では、溶剤として、低沸点溶剤(第1の溶剤)と、この低沸点溶剤より沸点(常圧)の高い高沸点溶剤(第2の溶剤)とを組み合わせたもの(混合溶剤)を用いる。
ここで、溶剤として、低沸点溶剤のみ、すなわち、沸点(常圧)が比較的低い溶剤のみを用いた場合、仮固定剤を支持基材1上へ供給すると、低沸点溶剤が仮固定剤(樹脂組成物)中から早期に揮発して、仮固定剤が均一な厚さとなる前に、犠牲層が形成されてしまう。その結果、得られた犠牲層の表面には、凹凸が形成されたり、表面全体が波打ったりする。また、この場合、犠牲層表面が早期に乾燥してしまうため、犠牲層内部に低沸点溶剤が残留し、ボイドが発生しやすいというデメリットもある。
このような犠牲層を介して、支持基材1に加工すべき半導体ウエハ(基材)3を支持し、半導体ウエハ3を研磨すると、半導体ウエハ3の厚さにバラツキが生じるという問題がある。
一方、溶剤として、高沸点溶剤のみ、すなわち、沸点(常圧)が比較的高い溶剤のみを用いた場合、仮固定剤中の樹脂成分を熱分解させない温度で揮発させることが困難であり、半導体ウエハ3を固定する工程やその後の半導体ウエハ加工工程でボイドが発生し、半導体ウエハ3の厚さにバラツキが生じるという問題がある。
これに対して、本発明では、溶剤として、低沸点溶剤と高沸点溶剤との混合溶剤を用いるので、前述したデメリットを回避することができる。すなわち、仮固定剤の膜厚均一性を向上しつつ、ボイドの発生の極めて少ない平坦な犠牲層2を形成することができる。かかる犠牲層2を介して、支持基材1に加工すべき半導体ウエハ(基材)3を支持し、半導体ウエハ3を研磨すれば、半導体ウエハ3の厚さにバラツキが生じるという問題を回避することができる。
また、低沸点溶剤の沸点(常圧)をXa[℃]とし、高沸点溶剤の沸点(常圧)をXb[℃]としたとき、Xb−Xaは、特に限定されないが、30〜170℃程度であるのが好ましく、50〜150℃程度であるのがより好ましい。XaとXbとが、かかる関係を満足すれるような低沸点溶剤と高沸点溶剤とを選択して用いることにより、上記効果をより向上させることができる。
具体的には、低沸点溶剤の沸点(常圧)は、50〜160℃程度であるのが好ましく、60〜140℃程度であるのがより好ましい。かかる沸点の低沸点溶剤を選択すれば、仮固定剤の粘度上昇をより確実に防止して、仮固定剤の塗布性の向上を図ることができる。
このような低沸点溶剤としては、例えば、エステル類としては酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル等が、ケトン類としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等が、アルコール類およびエーテル類としては、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール等が、芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等が、ハロゲン化物類としては、塩化メチレン、クロロベンゼン等が好適である。
一方、高沸点溶剤の沸点(常圧)は、160〜280℃程度であるのが好ましく、170〜220℃程度であるのがより好ましい。かかる沸点の高沸点溶剤を選択すれば、仮固定剤(樹脂組成物)中から早期に揮発することを防止することができる。その結果、均一な厚さを有し、ボイドの発生が極めて少ないか、あるいは、全く発生のない犠牲層2を得ることができる。
このような高沸点溶剤としては、例えば、アルカン類としてはn−デカン等が、アルケン類としてはジペンテン等が、アルデヒド類としてはベンズアルデヒド等が、環状ラクタムとしてはN−メチル−2−ピロリジノン等が、環状ラクトンとしてはγブチロラクトン等が好適である。
また、低沸点溶剤と高沸点溶剤との比率は、重量比で、1:9〜7:3程度であるのが好ましく、4:6〜7:3程度であるのがより好ましい。これにより、好適な性状の犠牲層2をより容易かつ確実に形成することができる。
なお、上記の効果を発揮し得る沸点の単一の溶剤を用いることも考え得るが、このような性質の溶剤は、極めて種類が少なく、溶剤の選択の幅を狭める結果となる。また、樹脂成分の種類によっては、かかる性質の溶剤が存在し得ない場合もある。
また、本発明の仮固定剤では、溶剤の沸点(常圧)をX[℃]とし、樹脂成分が熱分解する温度をY[℃]としたとき、下記式(1)および下記式(2)を満足するのが好ましい。
100<X ・・・ 式(1)
X+40≦Y ・・・ 式(2)
ここで、本発明においては、溶剤として、混合溶剤が用いられるため、その沸点(常圧)Xは、加重平均値(X=Σw、w(溶剤重量分率))として規定することができる。
上記式(1)を満足すれば、本工程における加熱により、仮固定剤から溶剤を除去して乾燥させるまでは、仮固定剤中に存在することから、仮固定剤の加熱により、均一な膜厚の犠牲層2を成膜することができる。なお、Xは、100℃を上回ればよいが、110℃超、350℃未満であるのがより好ましく、120℃超、250℃未満であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
また、かかる溶剤の樹脂成分に対する溶解パラメータ(SP値)は、7超、15未満であるのが好ましく、8.5超、13未満であるのがより好ましい。SP値がかかる範囲内の溶剤は、樹脂成分の溶解性が高いため、仮固定剤(樹脂組成物)中における溶剤の含有量を低く設定することが可能となる。その結果、仮固定剤からの溶剤の除去を比較的容易に行え得るとともに、比較的少量の仮固定剤から厚膜の犠牲層2を成膜することが可能となる。
さらに、好ましくは、上記式(2)を満足する溶剤および樹脂成分が選択されている。すなわち、樹脂成分が熱分解する温度と溶剤の沸点との差(Y−X)が40℃以上に設定されている。これにより、本工程における加熱の温度の設定の幅が広くなるため、樹脂成分を熱分解させることなく、確実に仮固定剤から溶剤を除去する(揮発させる)ことができる。その結果、後述する加工工程において、ボイドの発生が低減された犠牲層2が成膜される。
なお、樹脂成分が熱分解する温度と溶剤の沸点との差(Y−X)は、40℃以上であればよいが、50〜300℃程度であるのが好ましく、60〜250℃程度であるのがより好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
この溶剤(混合溶剤)のSP値[(cal/cm3)1/2]は、加重平均値(SP=ΣwSP、w(溶剤重量分率))として規定することができる。
さらに、樹脂成分が熱分解する温度は、樹脂成分が気化するものについてはTGA測定で重量減少が50%超となる温度として規定することができる。樹脂成分の溶融粘度が低下するものについては、以下の温度でダイシェア強度を測定した時のシェア強度が5N以下となる温度として規定することができる。ダイシェア強度は、透明ガラス上に仮固定剤を形成し、次いで、10.5x10.5mmのシリコンチップを仮固定剤を介して透明ガラスに固定し、次いで、所定の温度において簡易シェア測定機(形式2252、AIKOH Engineering)で600um/sでシリコンチップを側面から押して測定した値とする。
また、本工程による加熱を、低沸点溶剤の沸点(常圧)Xaと高沸点溶剤の沸点(常圧)Xbとの間の温度で行う前段階と、高沸点溶剤の沸点(常圧)Xbに近い温度もしくはXbより高い温度で行う後段階との少なくとも2段階で行うのが好ましい。
これにより、仮固定剤から溶剤を除去して乾燥させるまで、高沸点溶剤を、仮固定剤中により確実に存在させることができ、より均一な膜厚の犠牲層2を確実に成膜することができる。また、高沸点溶剤を仮固定剤(犠牲層2)中から確実に除去することもできる。
なお、前段階における加熱の温度は、Xa+10〜Xa+70程度であるのが好ましく、Xa+20〜Xa+50程度であるのがより好ましい。前段階における加熱の温度をかかる範囲に設定すれば、低沸点溶剤を仮固定剤中から徐々に除去することができるため、仮固定剤の更なる平坦化が期待できる。
また、前段階における加熱の温度は、Xb−70〜Xb−20程度であるのが好ましく、Xb−50〜Xb−30程度であるのがより好ましい。前段階における加熱の温度をかかる範囲に設定すれば、低沸点溶剤の揮発に伴って、高沸点溶剤も若干揮発(共沸)させることができ、後段階において、高沸点溶剤の仮固定剤中からの除去の迅速化を図ることができる。
一方、後段階における加熱の温度は、Xb−20〜Xb+70程度であるのが好ましく、Xb−10〜Xb+50程度であるのがより好ましい。後段階における加熱の温度をかかる範囲に設定すれば、仮固定剤中から高沸点溶剤が急速に除去されることを防止して、得られる犠牲層2に亀裂等が発生するのをより確実に防止することができる。また、犠牲層2中に、高沸点溶剤が残存するのを好適に防止することもでき、後述する加工工程において、犠牲層2中にボイドが発生するのを阻止することができる。
(貼り合わせ工程)
次に、図1(b)に示すように、支持基材1上の犠牲層2が設けられた面上に、半導体ウエハ(基材)3をその機能面31が犠牲層2側になるように載置し、これにより、支持基材1に犠牲層2を介して半導体ウエハ3を貼り合わせる(第2の工程)。
この貼り合わせは、例えば、真空プレス機、ウエハボンダー等の装置を用いて容易に行うことができる。
(加工工程)
次に、犠牲層2を介して支持基材1上に固定された半導体ウエハ3の機能面31と反対側の面(裏面)を加工する(第3の工程)。
この半導体ウエハ3の加工は、特に限定されず、例えば、図1(c)に示すような半導体ウエハ3の裏面の研削・研磨の他、半導体ウエハ3へのビアホールの形成、ストレスリリースのための半導体ウエハ3の裏面のエッチング、リソグラフィー、さらには半導体ウエハ3の裏面への薄膜のコート、蒸着等が挙げられる。
ここで、上記のように半導体ウエハ3に、機能面31と反対側の面に対する加工を施すと、半導体ウエハ3は、この加工に伴う熱履歴を経ることとなり、半導体ウエハ3ばかりでなく、犠牲層2までも加熱される。
本実施形態では、前記犠牲層形成工程で説明したように、仮固定剤に含まれる溶剤および樹脂成分として、前記式(1)および前記式(2)の双方を満足するものが選択されている。そのため、犠牲層2は、溶剤の残存率が極めて低く、かつ、耐熱温度が高い樹脂成分で構成されたものとなっている。
したがって、上述したような裏面加工による熱履歴を経たとしても、犠牲層2におけるボイドの発生を的確に防止または抑制することができ、その結果、半導体ウエハ3の裏面の研削・研磨を、その厚さにバラツキを生じることなく行うことができる。すなわち、半導体ウエハ3に対して精度の高い加工が可能となる。
なお、仮固定剤に含まれる樹脂成分は、当然、その熱分解する温度Yが本工程を施すことにより生じる熱履歴温度よりも高いものが選択される。
(脱離工程)
次いで、図1(d)に示すように、犠牲層2を、犠牲層形成工程における加熱の最高温度より高い温度で加熱して、樹脂成分を熱分解させて低分子化させることにより、例えば、犠牲層2を溶融状態または気化させた後、半導体ウエハ3を支持基材1から脱離させる(第4の工程)。
犠牲層2を加熱する温度は、樹脂成分が熱分解する温度で、かつ、半導体ウエハ3の変質・劣化が防止される温度に設定され、具体的には、好ましくは100℃〜500℃程度、より好ましくは120℃〜450℃程度に設定される。
ここで、本明細書中において、脱離とは、半導体ウエハ3を支持基材1から剥離する操作を意味し、犠牲層2が溶融状態となる場合や気化する場合に関わらず、例えば、この操作は、支持基材1の表面に対して垂直方向に半導体ウエハ3を脱離させる方法や、支持基材1の表面に対して水平方向にスライドさせて半導体ウエハ3を脱離させる方法や、図1(e)に示すように、半導体ウエハ3の一端側から半導体ウエハ3を支持基材1から浮かせることで脱離させる方法等が挙げられる。
なお、前記加熱工程を経ることで、犠牲層2が気化している場合には、半導体ウエハ3と支持基材1との間から犠牲層2が除去されているため、支持基材1からの半導体ウエハ3の脱離をより容易に行うことができる。
(洗浄工程)
次に、前記脱離工程において、犠牲層2を加熱することで犠牲層2が溶融状態となる場合や、気化した犠牲層2の一部が残存している場合には、必要に応じて、半導体ウエハ3の機能面31に残存する犠牲層2を洗浄する。
すなわち、機能面31に残留した犠牲層2の残留物を除去する。
この残留物の除去方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、プラズマ処理、薬液浸漬処理、研磨処理、加熱処理等が挙げられる。
なお、本実施形態では、犠牲層形成工程において、犠牲層2を支持基材1に形成する構成としたが、かかる場合に限定されず、支持基材1および半導体ウエハ3の双方に犠牲層2を形成する構成としてもよいし、支持基材1への犠牲層2の形成を省略して半導体ウエハ3に選択的に犠牲層2を形成する構成としてもよい。
以上のようにして、半導体ウエハ3の裏面が加工される。
なお、犠牲層(樹脂組成物)2に含まれる樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものである場合には、前記脱離工程における犠牲層2の加熱に先立って、下記の活性エネルギー線照射工程を施すようにしてもよい。
(活性エネルギー線照射工程)
本工程では、犠牲層2に活性エネルギー線を照射する。
ここで、樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものである場合には、樹脂組成物中には、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下する樹脂成分と、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤とが含まれる。そのため、仮固定剤(樹脂組成物)中に含まれる活性剤にエネルギーが付与されると、活性剤から酸または塩基のような活性種が発生するため、この活性種の作用により、樹脂成分の熱分解する温度が低下する。
したがって、犠牲層2の加熱に先立って、犠牲層2に活性エネルギー線を照射する構成とすることで、犠牲層2を加熱する際の加熱温度や加熱時間等を低くしたり短くすることができるため、この加熱をより緩和な条件で行うことができる。その結果、半導体ウエハ3が加熱されることによる変質・劣化をより的確に抑制または防止することができる。
また、活性エネルギー線としては、特に限定されないが、例えば、波長200〜800nm程度の光線であるのが好ましく、波長300〜500nm程度の光線であるのがより好ましい。
さらに、活性エネルギー線の照射量は、特に限定されないが、10mj/cm〜20000mj/cmであるのが好ましく、20mj/cm〜10000mj/cmであるのがより好ましい。
なお、樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものであっても、前記加工工程において犠牲層2が熱履歴を経るのは、犠牲層2に対して活性エネルギー線が照射される前である。そのため、活性エネルギー線の照射により熱分解する温度が低下する樹脂成分、すなわち酸または塩基の存在下において前記熱分解する温度が低下する樹脂成分については、前記樹脂成分が熱分解する温度Yを、前記活性エネルギー線を照射する前の樹脂成分が熱分解する温度とする。
また、本実施形態では、基材として半導体ウエハ3を用いた場合を一例に説明したが、かかる場合に限らず、例えば、配線基板および回路基板等を用いることもできる。
以上、本発明の仮固定剤および基材の加工方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、仮固定剤に含まれる各構成材料は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、本発明の基材の加工方法には、必要に応じて任意の工程が追加されてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.仮固定剤の調製
まず、以下に示すような実施例1A〜3A、実施例1B、2Bおよび比較例1A、比較例1Bの仮固定剤を調整した。
[実施例1A]
<1,4−ポリブチレンカーボネートの合成>
攪拌機、原料仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた三口フラスコに1,4−ブタンジオール(168g、1.864mol)と炭酸ジエチル(264.2g、2.236mol)を加え、窒素雰囲気下で90〜100℃で加熱し、混合物を溶解した。
次いで、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液(80ml、0.186mol)を加えた後、窒素雰囲気下、90〜100℃で1時間攪拌した。その後、反応容器内を30kPa程度減圧し、90〜100℃で1時間、120℃で1時間した。その後、更に、0.1kPaの真空下、150℃で1時間、180℃で2時間攪拌した。
上記で得られた反応物をテトラヒドロフラン(2L)に溶解させ、ろ過を行い、触媒残渣を除去した。その後、その濾液を蒸留水/メタノール=1/9の溶液(20L)に投入、沈殿物を回収し、さらに、蒸留水/メタノール=1/9の溶液(10L)で充分に洗浄し、減圧乾燥した後、125gの1,4−ポリブチレンカーボネート(収率48%)を得た。
合成した1,4−ポリブチレンカーボネートをGPCにより重量平均分子量を測定したところ、35,000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた1,4−ポリブチレンカーボネート100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gを、テトラヒドロフラン(低沸点溶剤)とγ−ブチロラクトン(高沸点溶剤)との混合溶剤(重量比=3:7)958.5gに溶解し、樹脂濃度10%の仮固定剤を作製した。
なお、テトラヒドロフランの沸点(常圧)Xaは66℃、γ−ブチロラクトンの沸点(常圧)Xbは204℃、混合溶剤の沸点(常圧)Xは163℃であり、SP値は11.7であり、1,4−ポリブチレンカーボネートが熱分解する温度Yは231℃である。
[実施例2A]
<1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体の合成>
攪拌機、原料仕込み口、及び窒素ガス導入口を備えた三口フラスコに1,3−シクロヘキサンジオール(191.8g、1.650mol)、cis−endo−ノルボルナンジメタノール(145.0g、0.930mol)、ジフェニルカーボネート(530.3g、2.48mol)、リチウムハイドライド(0.101g、0.013mol)を加え、窒素雰囲気下で、120℃で加熱し、混合物を溶解した。
次いで、反応混合物を、窒素雰囲気下、120℃で2時間撹拌した。その後、反応容器内を10kPa程度減圧し、120℃で1時間撹拌した。その後、反応容器内を0.5kPa以下に減圧し、120℃で1.5時間、さらに、180℃で1.5時間撹拌した。
上記で得られた反応物をテトラヒドロフランに溶解させ、ろ過を行った。その後、その濾液を水/メタノール=1/9の溶液に投入、沈殿物を回収し、更に、水/メタノール=1/9の溶液で充分に洗浄し、減圧乾燥した後、287.0gの1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体(収率76%)を得た。
合成した1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体をGPCにより重量平均分子量を測定したところ38,000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gを、テトラヒドロフラン(低沸点溶剤)とγ−ブチロラクトン(高沸点溶剤)との混合溶剤(重量比=3:7)958.5gに溶解し、樹脂濃度10%の仮固定剤を作製した。
なお、テトラヒドロフランの沸点(常圧)Xaは66℃、γ−ブチロラクトンの沸点(常圧)Xbは204℃、混合溶剤の沸点(常圧)Xは163℃であり、SP値は11.7であり、1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体が熱分解する温度Yは292℃である。
[実施例3A]
<ポリイソソルバイドカーボネートの合成>
イソソルバイド102.01g(0.698モル)、炭酸ジフェニル149.53g(0.698モル)、炭酸セシウム0.0023g(6.98×10−6モル)をそれぞれ秤量し、その後、これらを反応容器に入れた。反応の第1工程として、窒素雰囲気下で、120℃に加熱した加熱槽に反応容器を浸し、攪拌し、原料を溶解させ、2時間攪拌を続けた。次に、反応の第2工程として、反応容器内を10kPaに減圧し、120℃で1時間攪拌を続けた。次に、反応の第3工程として、反応容器内を0.5kPa以下に減圧し、120℃で1.5時間攪拌を続けた。次に、反応の第4工程として、反応容器内を0.5kPa以下に減圧したまま、約30分かけて加熱槽の温度を180℃に昇温した後、180℃で1.5時間攪拌を続けた。なお、前記反応の第2〜4工程で生じたフェノールは反応容器外へ留去した。そして、反応容器内の圧力を常圧に戻した後、γ−ブチロラクトン1200mLを加え、生成物を溶解させた。次に、イソプロパノール/水=9/1(v/v)の混合溶液12.0Lを攪拌させた状態で、生成物を溶解した溶液を滴下した。次に、析出した沈殿を吸引濾過で回収し、回収した沈殿をイソプロパノール/水=9/1(v/v)の混合溶液4.0Lで洗浄した後、吸引濾過で回収した。回収した沈殿を真空乾燥機で80℃/18時間乾燥することにより、ポリイソソルバイドカーボネートの粉末123.15gを得た。
<仮固定剤の作製>
得られたポリイソソルバイドカーボネート100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4‐プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gを、テトラヒドロフラン(低沸点溶剤)とγ−ブチロラクトン(高沸点溶剤)との混合溶剤(重量比=3:7)958.5gに溶解し、樹脂濃度10%の仮固定剤を作製した。
なお、テトラヒドロフランの沸点(常圧)Xaは66℃、γ−ブチロラクトンの沸点(常圧)Xbは204℃、混合溶剤の沸点(常圧)Xは163℃であり、SP値は11.7であり、ポリイソソルバイドカーボネートが熱分解する温度Yは375℃である。
[比較例1A]
溶剤として、テトラヒドロフラン(低沸点溶剤)を単独で用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、仮固定剤を作製した。
[実施例1B]
<5−デシルノルボルネン重合体の合成>
十分乾燥させた反応容器に酢酸エチル(600g)、シクロヘキサン(600g)、5−デシルノルボルネン(328.02g,1.40モル)を導入した。この系中に乾燥窒素を40℃で30分流し、溶存酸素を除去した。その後、ビス(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル5.65g(0.0117モル)を50.9gの酢酸エチルに溶解したものを反応系中に添加した。
上記の系を40℃から55℃に15分掛けて昇温し、その温度を保持しながら3時間系中を攪拌した。209.0gの30%過酸化水素水を添加した約342.6gの純水に氷酢酸110.7gを溶解させ、これを前記反応系中に添加した。反応系を50℃で5時間攪拌した後、150gのイソプロピルアルコールを系中に添加した。攪拌を止め、分離した水層を除去したのち、残った有機層を450gの純水と150gのイソプロピルアルコールを3回に分けて添加し、攪拌〜除去することで洗浄した。
洗浄後の有機層を400mLのシクロヘキサンで希釈し、6倍量のメタノール(7200mL)中に添加、析出したポリマーをろ過により回収した。得られた固形分を空気中で18時間風乾したのち、1mmHgの減圧下で24時間乾燥することで、313.3g(収率95.5%)の目的物を固形樹脂の形で得た。
合成した5−デシルノルボルネン重合体をGPCにより重量平均分子量を測定したところ、70,000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた5−デシルノルボルネン重合体100gを、トルエン(低沸点溶剤)とN−メチル−2−ピロリドン(高沸点溶剤)との混合溶剤(重量比=3:7)81.8gに溶解し、樹脂濃度55%の仮固定剤を作製した。
[実施例2B]
<仮固定剤の作製>
実施例1Bで得られた5−デシルノルボルネン重合体100gを、トルエン(低沸点溶剤)とn−デカン(高沸点溶剤)との混合溶剤(重量比=3:7)81.8gに溶解し、樹脂濃度55%の仮固定剤を作製した。
[比較例1B]
溶剤として、トルエン(低沸点溶剤)を単独で用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、仮固定剤を作製した。
2.半導体ウエハの裏面加工
次に、各実施例および各比較例の仮固定剤を用いて、半導体ウエハの裏面に加工を施した。
<1> まず、スピンコータを用いて、各実施例および各比較例の仮固定剤を8インチの透明ガラスに塗布し(回転数:1,200rpm、時間:30秒)、次いで、ホットプレート上で、所定の温度、時間によるプリベークを行い、厚さ5μmの仮固定剤からなる薄膜を形成した。
なお、実施例1A、比較例1Aでは、130℃、2分および190℃、3分の条件でプリベークを行い、それ以外においては、140℃、3分および220℃、2分の条件でプリベークを行った。
<2> 次に、サブストレート・ボンダー(型番SB−8e、ズース・マイクロテック社製)を用い、8インチシリコンウエハ(725μm厚)を仮固定剤からなる薄膜を介して8インチ透明ガラスに仮固定した(雰囲気:10−2mbar、温度:160℃、荷重:10kN、時間:1分)。
<3> 次に、透明ガラスに仮固定されたシリコンウエハについて、研削装置(DISCO社製、「DFG8540」)を用いて、半導体ウエハの下面(裏面)を研削して、半導体ウエハの厚さが50μmとなるように加工した。
<4> 次に、8インチ透明ガラスに8インチシリコンウエハを仮固定したサンプルをオーブンに投入し、所定の温度、時間による加熱処理を行い、仮固定剤の熱分解を行った。
なお、実施例1A〜3A、比較例1Aの仮固定剤については、前記加熱処理に先立って、波長365nmの紫外線(活性エネルギー線)を、2分間照射することにより、仮固定剤が熱分解する温度を低下させた。
また、実施例1A〜3A、比較例1Aの仮固定剤は、320℃、30分の加熱処理により熱分解を行った。さらに、実施例1Bおよび2B、比較例1Bの仮固定剤は、450℃、120分の加熱処理により熱分解を行った。
<5> 次に、熱分解を行ったサンプルをオーブンから取り出し、8インチ透明ガラスと8インチシリコンウエハの隙間にピンセットを入れ、8インチシリコンウエハの脱離を行った。
3.評価
3−1.ウエハ厚さの測定
上記<5>で得られた8インチシリコンウエハの外周部から対角線の外周部までを20mm間隔に10箇所、さらに、直交する外周部直線上を20mm間隔に10箇所の計20箇所のシリコンウエハの厚みを非接触膜厚計により測定し、以下の判定基準により判定した。
○:20箇所の測定点のばらつきが5μm未満
×:20箇所の測定点のばらつきが5μm以上
3−2.ボイドの有無の確認
上記<3>の工程後、仮固定剤のボイドを透明ガラス側から目視で観察し、以下の判定基準により判定した。
○:ボイド発生なし
△:一部にボイド発生
×:全面にボイド発生
以下に、実施例1A〜3A、実施例1B〜2B、比較例1A、比較例1Bの評価結果を表1に示す。
Figure 2012126802
表1に示したように、実施例1Aでは、比較例1Aに比較して、8インチシリコンウエハに対して精度の高い裏面に加工が可能であった。また、実施例1Bでも、比較例1Bに比較して、8インチシリコンウエハに対して精度の高い裏面に加工が可能であった。
これは、実施例では、低沸点溶剤と高沸点溶剤とを含む混合溶剤を用いることで、比較例と比べて、より好適な性状の薄膜が形成できたことに起因するものと考えられる。
1 支持基材
2 犠牲層
3 半導体ウエハ
31 機能面

Claims (15)

  1. 基材を加工するために該基材を支持基材に仮固定し、前記基材の加工後に、加熱することで前記基材を前記支持基材から脱離させるために用いられ、前記加熱により熱分解する樹脂成分と、該樹脂成分を溶解または分散し得る溶剤とを含有する樹脂組成物からなる仮固定剤であって、
    前記溶剤は、第1の溶剤と、該第1の溶剤より沸点(常圧)の高い第2の溶剤とを含むことを特徴とする仮固定剤。
  2. 前記第1の溶剤の沸点(常圧)をXa[℃]とし、前記第2の溶剤の沸点(常圧)をXb[℃]としたとき、Xb−Xaが30〜170である請求項1に記載の仮固定剤。
  3. 前記第1の溶剤の沸点(常圧)は、50〜160℃である請求項1または2に記載の仮固定剤。
  4. 前記第1の溶剤は、エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化物類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の溶剤である請求項3に記載の仮固定剤。
  5. 前記第2の溶剤の沸点(常圧)は、160〜280℃である請求項1または2に記載の仮固定剤。
  6. 前記第2の溶剤は、アルカン類、アルケン類、アルデヒド類、環状ラクタム類、環状ラクトン類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の溶剤である請求項5に記載の仮固定剤。
  7. 前記第1の溶剤と前記第2の溶剤との比率は、重量比で、1:9〜7:3である請求項1ないし6のいずれかに記載の仮固定剤。
  8. 前記樹脂成分は、当該仮固定剤の前記加熱による前記熱分解により、低分子化して溶融または気化する請求項1ないし7のいずれかに記載の仮固定剤。
  9. 前記樹脂成分は、当該仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下する請求項1ないし8のいずれかに記載の仮固定剤。
  10. 前記樹脂成分は、酸または塩基の存在下において前記熱分解する温度が低下するものであり、前記樹脂組成物は、さらに前記活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を含有する請求項9に記載の仮固定剤。
  11. 前記樹脂成分は、ポリカーボネート系樹脂である請求項9または10に記載の仮固定剤。
  12. 前記樹脂成分は、当該仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下しない請求項1ないし8のいずれかに記載の仮固定剤。
  13. 前記樹脂成分は、ノルボルネン系樹脂である請求項12に記載の仮固定剤。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の仮固定剤を、前記基材および前記支持基材のうちの少なくとも一方に供給したのち、加熱することで、前記樹脂組成物から前記溶剤を除去して薄膜を形成する第1の工程と、
    前記薄膜を介して、前記基材と前記支持基材とを貼り合わせる第2の工程と、
    前記基材の前記支持基材と反対側の面を加工する第3の工程と、
    前記薄膜を、前記第1の工程における前記加熱の最高温度より高い温度で加熱して、前記樹脂成分を熱分解させることで、前記基材を前記支持基材から脱離させる第4の工程とを有することを特徴とする基材の加工方法。
  15. 前記第1の工程は、前記加熱を、前記第1の溶剤の沸点(常圧)と前記第2の溶剤の沸点(常圧)との間の温度で行う前段階と、前記第2の溶剤の沸点(常圧)より高い温度で行う後段階とを有する請求項14に記載の基材の加工方法。
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