JP2012129274A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Etsu Takeuchi
江津 竹内
Junya Kusuki
淳也 楠木
Hiromichi Sugiyama
広道 杉山
Toshihiro Sato
敏寛 佐藤
Toshiharu Kuboyama
俊治 久保山
Masakazu Kawada
政和 川田
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Abstract

【解決課題】バックリンス操作のときに、バックリンス液で、支持基材の半導体ウェハ仮固定面側の仮固定樹脂組成物又は半導体ウェハの加工面とは反対側の面側の仮固定樹脂組成物が除去されることがない半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持基材を回転させながら、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該支持基材を回転させながら、該支持基材の裏面に、下記式(I):0.1≦Bsp−Asp≦1.5(I)(式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)を満たすバックリンス液を供給して、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、を特徴とする半導体装置の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウェハを加工する際に半導体ウェハを仮固定するための半導体ウェハの仮固定樹脂組成物塗膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
半導体ウェハに研磨やエッチング等の加工を行うためには、半導体ウェハを一時的に仮固定する必要があり、そのための様々な方法が提案されている。例えば、現在ではPETフィルムに接着層を設けた固定用のフィルム上に半導体ウェハを固定する方法が多く用いられている。この方法では、研削に用いられる一般的なバックグラインドマシンの研削精度(約1μm)とウェハを固定するための一般的なBG(バックグラインド)テープの厚み精度(約5μm)とを合わせると、要求される厚み精度を超えてしまい、研削されたウェハの厚みにバラツキが生じる虞がある。
また、スルー・シリコン・ビア(Through Silicon Via)を有するウェハを加工する場合、BGテープが付いた状態でViaホールや膜の形成を行うが、そのときの温度は150℃程度に達し、BGテープの粘着力を上げてしまう。また、膜形成のためのメッキの薬液によってBGテープの接着層が侵され、剥がれが生じたりする。
また、化合物半導体に代表される脆弱なウェハは、機械的研削によってダメージを受ける場合があるので、エッチングによって薄化を行う。このエッチングにおいては、ストレス除去を目的とする程度のエッチング量であれば特に問題はないが、数μmエッチングする場合には、エッチングの薬液によってBGテープが変質してしまうことがある。
一方で、表面が平滑で硬質の支持基材、例えば、ガラス基材、シリコン基材等に仮固定材料を介して固定する方法が採用されるようになっている。例えば、ストレス除去の目的でエッチングを行うには、高い温度まで加熱する必要があるが、PETフィルムではこのような高温に耐えることができないため、このような場合には支持基材を用いた方法が好ましく適用される。
支持基材に半導体ウェハを仮固定するための仮固定用の樹脂材料(以下、仮固定樹脂組成物とも記載する。)としては、高温で軟化してウェハの脱離が容易になるような仮固定樹脂組成物や、特定の薬液によって溶解するような仮固定樹脂組成物や、光吸収剤及び熱分解性樹脂を含む光熱変換型の仮固定樹脂組成物が提案されている(特許文献1、2、3)。また、他には、仮固定樹脂組成物としては、加熱することにより分解する熱分解性樹脂からなるものが考えられる。
図1〜図5を用いて、これらの仮固定樹脂組成物の塗膜を支持基材の半導体ウェハ仮固定面に形成させる方法について説明する。先ず、半導体ウェハを仮固定するための仮固定樹脂組成物を、溶剤に溶解又は分散させて仮固定樹脂組成物液1を調製し、次いで、図1に示すように、この仮固定樹脂組成物液1を、回転軸3に固定された支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4側に、支持基材2を回転させながら供給することにより、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4に塗布する(スピンコート操作)。そして、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4側に供給された仮固定樹脂組成物液1が、遠心力で、支持基材2の端部11に向かって広がり、更に、支持基材2の端部11まで移動してきた仮固定樹脂組成物液1は、その表面張力、基材との濡れ性の影響、飛散した仮固定剤樹脂組成物液の付着等により、支持基材2の側面12を経て、支持基材2の裏面13側まで回り込む。そのため、図2に示すように、塗布後の仮固定樹脂組成物液1の塗膜には、支持基材2の裏面13側に回り込んだ裏面這い上がり部5が形成される。
この裏面這い上がり部5は、仮固定樹脂組成物液1が塗布された支持基材2を搬送する時や、ボンディング工程で、装置等を汚染する原因となるので、裏面這い上がり部5を除去する必要がある。そこで、図3に示すように、支持基材2を回転させながら、支持基材2の裏面13側に、バックリンス液15を供給して、支持基材2の裏面13を洗浄して、裏面這い上がり部5を除去する(バックリンス操作)。
米国公開2009/0038750号(特許請求の範囲) 特開2006−135272号公報(特許請求の範囲) 特開2004−64040号公報(特許請求の範囲)
支持基材2の裏面13側に供給されたバックリンス液15は、遠心力で、支持基材2の裏面13側の端部まで移動し、裏面這い上がり5を除去した後、更に、表面張力や基材との濡れ性により、支持基材2の側面12に回り込み、図4のように、支持基材2の側面12に付着している仮固定樹脂組成物液1の塗膜を除去する。バックリンス液15の回り込みが、支持基材2の側面12で留まっていれば、すなわち、仮固定樹脂組成物液1の塗膜の除去が、図4に示す状態のように、支持基材2の側面で留まっていれば、問題はないが、バックリンス液15が、更に、半導体ウェハ仮固定面4まで回り込むと、図5に示す状態のように、支持基材2の端部11近傍の層状部8の仮固定樹脂組成物液1の塗膜が除去されてしまう。
図5に示す状態のように、半導体ウェハ仮固定面4上の層状部8の支持基材2の端部11近傍に、仮固定樹脂組成物液1の塗膜がないと、仮固定樹脂組成物液1の塗膜中の溶剤を蒸発除去させた後、仮固定樹脂組成物上に半導体ウェハを仮固定したときに(ボンディング工程)、半導体ウェハの端部が、仮固定樹脂組成物に固定されずに、不安定な状態になる。そのため、半導体ウェハの加工のときに、仮固定されていない半導体ウェハの端部を基点として、半導体ウェハの割れや欠けが生じてしまう。そして、このような半導体ウェハの割れや欠けが、個片化されるべき半導体素子の形成部分まで達すると、半導体素子の歩留まりを下げる要因となってしまう。
このように、従来の方法では、バックリンス操作のときに、バックリンス液で、支持基材の半導体ウェハ仮固定面側の仮固定樹脂組成物が除去されてしまうという問題があった。また、半導体ウェハの方に仮固定樹脂組成物液を塗布する場合も同様に、従来の方法では、バックリンス操作のときに、バックリンス液で、半導体ウェハの加工面とは反対側の面側の仮固定樹脂組成物が除去されてしまうという問題があった。
従って、本発明の目的は、バックリンス操作のときに、バックリンス液で、支持基材の半導体ウェハ仮固定面側の仮固定樹脂組成物又は半導体ウェハの加工面とは反対側の面側の仮固定樹脂組成物が除去されることがない半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明(1)は、支持基材を回転させながら、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該支持基材を回転させながら、該支持基材の裏面に、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
(式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
を満たすバックリンス液を供給して、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
を特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面に、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
(式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
を満たすバックリンス液を供給して、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
を特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、バックリンス操作のときに、バックリンス液で、支持基材の半導体ウェハ仮固定面側の仮固定樹脂組成物又は半導体ウェハの加工面とは反対側の面の仮固定樹脂組成物が除去されることがない半導体装置の製造方法を提供することができる。
仮固定樹脂組成物液を支持基材(半導体ウェハ)に塗布する様子を示す模式図である。 塗布後の仮固定樹脂組成物液の塗膜を示す模式的な断面図である。 バックリンス液を支持基材の裏面(半導体ウェハの加工面)に供給する様子を示す模式的な断面図である。 バックリンス後の仮固定樹脂組成物液の塗膜を示す模式的な断面図である。 従来のバックリンス後の仮固定樹脂組成物液の塗膜を示す模式的な断面図である。
本発明の第一の形態の半導体装置の製造方法(以下、本発明の半導体装置の製造方法(1)とも記載する。)は、支持基材を回転させながら、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該支持基材を回転させながら、該支持基材の裏面に、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
(式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
を満たすバックリンス液を供給して、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
を特徴とする半導体装置の製造方法である。なお、本発明において、SP値とは、溶解度パラメータのことであり、次式で定義される値である。
式中、Hは蒸発熱(cal/モル)、Tは温度(K)、Vは容積(cm/モル)、Rは気体定数である。
本発明の半導体装置の製造方法(1)について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、仮固定樹脂組成物液を支持基材に塗布する様子を示す模式図であり、図1(A)は斜め上側から見た図であり、図1(B)は真横から見た図である。図2は、塗布後の仮固定樹脂組成物液の塗膜を示す模式的な断面図である。図3は、バックリンス液を支持基材の裏面に供給する様子を示す模式的な断面図である。図4は、バックリンス後の仮固定樹脂組成物液の塗膜を示す模式的な断面図である。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程は、スピンコート操作と、バックリンス操作と、からなる。
先ず、半導体ウェハを仮固定するための仮固定樹脂組成物を、溶剤に溶解又は分散させて仮固定樹脂組成物液1を調製する。次いで、図1に示すように、この仮固定樹脂組成物液1を、回転軸3に固定された支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4側の中心又はその近傍に、支持基材2を回転させながら供給することにより、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4に、仮固定樹脂組成物液1を塗布する。このようにして、スピンコート操作を行う。
このとき、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4側に供給された仮固定樹脂組成物液1は、遠心力で、支持基材2の端部11に向かって広がっていくが、支持基材2の端部11まで移動してきた仮固定樹脂組成物液1は、その表面張力や濡れ性により、支持基材2の側面12を経て、支持基材2の裏面13側まで回り込む。そして、図2に示すように、塗布後(スピンコート操作後)の仮固定樹脂組成物液1の塗膜は、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4上に層状に形成されている層状部8と、半導体ウェハ仮固定面4の端部付近で盛り上がっている端部盛り上がり部7と、側面12に付着している側面部6と、裏面13側に回り込んだ裏面這い上がり部5と、を形成している。
塗布後(スピンコート操作後)の仮固定樹脂組成物液1の塗膜のうち、裏面這い上がり部5は、仮固定樹脂組成物液1が塗布された支持基材2を搬送する時や、ボンディング工程で、装置等を汚染する原因となる。
そこで、次いで、図3に示すように、支持基材2を回転させながら、支持基材2の裏面13側に、バックリンス液15を供給して、支持基材2の裏面13を洗浄して、裏面這い上がり部5を除去する。このようにして、バックリンス操作を行う。
また、本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程において、スピンコート操作及びバックリンス操作を以下のようにして行ってもよい。先ず、仮固定樹脂組成物液1を、回転軸3に固定された支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4側の中心又はその近傍に、支持基材2を回転させながら供給し、次いで、支持基材2を回転させながら、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4への仮固定樹脂組成物液1の供給を行っている最中に、支持基材2の裏面13側に、バックリンス液15を供給することにより、又は支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4へ、必要量の仮固定樹脂組成物液1を供給した後、仮固定樹脂組成物液1の供給を止め、支持基材2を回転させながら、仮固定樹脂組成物液1を支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4に塗り広がらせている最中に、支持基材2の裏面13側に、バックリンス液15を供給することにより、支持基材2の裏面13に仮固定樹脂組成物液1が回り込む前に、仮固定樹脂組成物液1を除去すること、又は支持基材2の裏面13に仮固定樹脂組成物液1が回り込んできた後、直ちに、仮固定樹脂組成物液1を除去することもできる。
そして、本発明の半導体装置の製造方法(1)では、仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤(仮固定樹脂組成物液中の溶剤)及びバックリンス液15として、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
(式(I)中、Aspは、仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspは、バックリンス液のSP値である。)
を満たす溶剤及びバックリンス液の組み合わせを用いる。仮固定樹脂組成物液中の溶剤及びバックリンス液15として、前記式(I)を満たす溶剤及びバックリンス液の組み合わせを用いることにより、バックリンス操作のときに、バックリンス液15が、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4上に層状に形成されている層状部8までも除去してしまうことを、防止することができる。
そして、本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行うことにより、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4及び側面12には、仮固定樹脂組成物液1は存在するが、支持基材2の裏面13には、仮固定樹脂組成物液1が存在しない仮固定樹脂組成物液1の塗膜を形成させることができる。本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行うことにより得られる仮固定樹脂組成物液1の塗膜は、支持基材2の半導体ウェハ仮固定面4の全体を覆うように層状に形成されている仮固定樹脂組成物液1の層状部8と、半導体ウェハ仮固定面4の端部付近で盛り上がっている端部盛り上がり部7と、側面12に付着している側面部6と、からなる。なお、図4では、バックリンス操作で側面部6の一部が除去されて、一部の側面部6が残っている形態例を示しているが、本発明はこれに限定されず、バックリンス操作では、側面部6の全てが除去されて、側面部6が無くなっていてもよい。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行い支持基材上に仮固定樹脂組成物液の塗膜を形成させた後は、塗膜を乾燥して、塗膜中の溶剤を除去した後、支持基材に仮固定樹脂組成物塗膜を介して半導体ウェハを仮固定するボンディング工程を行い、次いで、半導体ウェハの仮固定面とは反対側の面、すなわち、加工面の加工を行う。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程では、先ず、支持基材を回転させながら、支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、仮固定樹脂組成物液を塗布するスピンコート操作を行う。
仮固定樹脂組成物液は、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と、溶剤と、を含有しており、仮固定樹脂組成物が、溶剤に溶解又は分散されている液である。
仮固定樹脂組成物液に溶解又は分散されている仮固定樹脂組成物は、半導体ウェハを仮固定するための樹脂成分と、必要に応じて含有されるその他の成分により構成されている。仮固定樹脂組成物は、ボンディング工程で、半導体ウェハが加熱及び加圧により圧着されることにより、半導体ウェハの仮固定面とは反対側の面の加工の際に、半導体ウェハが位置ずれしないように、半導体ウェハを支持基材に仮固定する機能と、半導体ウェハを加工した後に、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となるようにする機能とを有する。そして、仮固定樹脂組成物としては、これらの機能を有するものであれば、特に制限されない。また、仮固定樹脂組成物は、溶剤に溶解又は分散され、スピンコート操作により、支持基材上に塗布されるような仮固定樹脂組成物であれば、特に制限されない。
仮固定樹脂組成物としては、以下に示す第1〜第4の形態例が挙げられる。ただし、以下の仮固定樹脂組成物は、例示であって、本発明では、これらに限定されるものではない。
第1の仮固定樹脂組成物の形態例(仮固定樹脂組成物(A))は、仮固定樹脂組成物(A)を構成している熱分解性樹脂が熱分解する温度以上の温度で加熱されて、熱分解性樹脂が熱分解することにより、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となる熱分解性の仮固定樹脂組成物であり、熱分解性樹脂からなる。仮固定樹脂組成物(A)には、活性エネルギー線の照射により熱分解温度が低下する仮固定樹脂組成物もある。
第2の仮固定樹脂組成物の形態例(仮固定樹脂組成物(B))は、仮固定樹脂組成物(B)を構成している熱軟化性樹脂の軟化温度以上の温度で加熱されると溶融粘度が低下し、熱軟化性樹脂が軟化することにより、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となる熱軟化性の仮固定樹脂組成物であり、熱軟化性樹脂からなる。仮固定樹脂組成物(B)には、活性エネルギー線の照射により軟化温度が低下する仮固定樹脂組成物もある。
第3の仮固定樹脂組成物の形態例(仮固定樹脂組成物(C))は、活性エネルギー線照射により、仮固定樹脂組成物(C)中に含まれている光吸収材が熱エネルギーを発生し、発生した熱エネルギーにより、仮固定樹脂組成物(C)に含まれている熱分解性樹脂が熱分解されて、仮固定樹脂組成物(C)中にボイドが生じることにより、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となる光熱変換型の仮固定樹脂組成物であり、熱分解性樹脂及びカーボンブラック等の光吸収材からなる。なお、仮固定樹脂組成物(C)を用いる場合、仮固定樹脂組成物(C)の塗膜を支持基材上に形成させた後、仮固定樹脂組成物(C)の塗膜の上に、接合層を形成させてもよい。
第4の仮固定樹脂組成物の形態例(仮固定樹脂組成物(D))は、仮固定樹脂組成物(D)に仮固定樹脂組成物溶解用溶剤が供給されて、仮固定樹脂組成物(D)が溶解することにより、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となる溶剤溶解型の仮固定樹脂組成物であり、溶剤溶解性樹脂からなる。
仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤は、仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤であり、特に制限されないが、例えば、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン系の溶剤;テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系の溶剤;酢酸ブチル、γ−ブチルラクトン等のエステル系の溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系の溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系の溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の複数種の官能基を有する溶剤などが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、メシチレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。これらの溶剤は、1種単独又は2種以上の組み合わせであってもよい。
仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤のSP値(Asp)は、好ましくは7〜14、特に好ましくは8〜13である。仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤のSP値が上記範囲より大きくなると、溶剤の極性が高くなるため、仮固定樹脂組成物中の樹脂の溶解性が低くなり易く、また、仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤のSP値が上記範囲より小さくなると、溶剤の極性が低くなるため、仮固定樹脂組成物中の樹脂の溶解性が低くなり易い。なお、仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤のSP値(Asp)とは、溶剤だけのときのSP値である。また、仮固定樹脂組成物液に含有される溶剤が、2種以上の溶剤の組み合わせの場合、溶剤のSP値(Asp)とは、それらの2種以上の溶剤が仮固定樹脂組成物液中の割合と同じ割合で混合された混合溶剤のSP値である。
仮固定樹脂組成物液中の溶剤の含有量は、好ましくは5〜98質量%、特に好ましくは10〜95質量%、更に好ましくは15〜90質量%である。仮固定樹脂組成物液中の溶剤の含有量が上記範囲にあることにより、均一且つ良質な仮固定樹脂組成物液の塗膜を得るという効果が高まる。
仮固定樹脂組成物液の粘度は、好ましくは1〜100,000mPa・s、好ましくは10〜50,000mPa・sである。仮固定剤樹脂組成物液の粘度が上記範囲にあることにより、仮固定樹脂組成物液の均一な塗膜が得られる。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程において、スピンコート操作を行う方法としては、特に制限されず、適宜、支持基材を回転させながら、支持基材の中心又はその近傍より支持基材の半導体ウェハ仮固定面上に、仮固定樹脂組成物液を供給すればよい。
スピンコート操作を行うときの支持基材の周速度は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1〜50m/s、特に好ましくは5〜35m/sである。また、スピンコート操作では、開始してから終了まで支持基材の周速度を一定にしてスピンコート操作を行ってもよいし、途中で支持基材の周速度を変化させてスピンコート操作を行ってもよい。例えば、半導体ウェハ仮固定面への仮固定樹脂組成物液の供給開始時は、支持基材の周速度を遅くしておき、その後、支持基材の周速度を速くしてもよい。
スピンコート操作を行うときの支持基材への仮固定樹脂組成物液の供給量は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは0.1〜20mL/s、特に好ましくは1〜10mL/sである。
スピンコート操作において、仮固定樹脂組成物液が供給される支持基材としては、特に制限されないが、ガラス基板、シリコン基板、金属基板である。なお、半導体ウェハから支持基材を剥離するときに、仮固定樹脂組成物塗膜に活性エネルギー線を照射する場合は、支持基材の材質としては、活性エネルギー線を透過するガラス基板が挙げられる。また、支持基材としては、半導体ウェハが仮固定される面及び裏面が平滑な支持基材が好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程では、次いで、支持基材を回転させながら、支持基材の裏面に、バックリンス液を供給するバックリンス操作を行う。なお、支持基材の裏面とは、支持基材の半導体ウェハ仮固定面とは反対側の支持基材の面を指す。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程において、支持基材の裏面へのバックリンス液の供給を開始する時期は、半導体ウェハ仮固定面への仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中であっても、あるいは、半導体ウェハ仮固定面への仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後であってもよい。例えば、(i)支持基材を回転させながら、仮固定樹脂組成物液の供給を開始し、必要量の仮固定樹脂組成物液の供給を行った後、仮固定樹脂組成物液の供給を止め、次いで、支持基材を回転させながら、バックリンス液の供給を開始する方法や、(ii)支持基材を回転させながら、仮固定樹脂組成物液の供給を開始し、必要量の仮固定樹脂組成物液の供給を行った後、仮固定樹脂組成物液の供給を止め、支持基材の回転を続けて、仮固定樹脂組成物液を支持基材の半導体ウェハ仮固定面に塗り広がらせ、次いで、バックリンス液の供給を開始する方法や、(iii)支持基材を回転させながら、仮固定樹脂組成物液の供給を開始し、必要量の仮固定樹脂組成物液の供給を行った後、仮固定樹脂組成物液の供給を止め、支持基材の回転を続けて、仮固定樹脂組成物液を支持基材の半導体ウェハ仮固定面に塗り広がらせながら、仮固定樹脂組成物液を支持基材の半導体ウェハ仮固定面に塗り広がらせている最中に、バックリンス液の供給を開始する方法や、(iv)支持基材を回転させながら、仮固定樹脂組成物液の供給を開始し、仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に、バックリンス液の供給を開始する方法が挙げられる。なお、後述する本発明の半導体装置の製造方法(2)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程においても、仮固定樹脂組成物液及びバックリンス液を供給する対象が異なるものの、バックリンス液の供給を開始する時期は、本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程と同様である。
そして、本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程のバックリンス操作では、バックリンス液として、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
を満たすバックリンス液、好ましくは下記式(Ia):
0.1≦Bsp−Asp≦1.0 (Ia)
を満たすバックリンス液を用いる。Bsp−Aspが上記範囲にあることにより、バックリンス液により支持基材の半導体ウェハ仮固定面側の仮固定樹脂組成物が除去されるのを防止することができる。
バックリンス液としては、特に制限されず、仮固定樹脂組成物液に含有されている溶剤との関係で、Bsp−Aspの値が上記範囲となるように適宜選択されるが、例えば、炭酸プロピレン、トルエン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。
バックリンス液のSP値(Bsp)は、好ましくは8.5〜14.5、特に好ましくは9.0〜14.0である。バックリンス液のSP値が上記範囲にあることにより、支持基材の裏面に回り込んだ仮固定樹脂組成物液や、飛散して支持基材裏面に付着した仮固定樹脂組成物液の除去効果が高くなり、且つ、バックリンス液自身が支持基材の半導体ウェハ仮固定面に回り込んで、支持基材の端部近傍の層状部の仮固定樹脂組成物液の塗膜が除去されるのを防ぐことができる。なお、バックリンス液のSP値とは、支持基材の裏面に供給される液のSP値であり、バックリンス液が2種以上の物質の組み合わせの場合、それらの2種以上の物質を混合して得られた液のSP値である。
本発明の半導体装置の製造方法(1)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程において、バックリンス操作を行う方法としては、特に制限されず、適宜、支持基材を回転させながら、支持基材の裏面に、バックリンス液を供給すればよい。
バックリンス操作を行うときの支持基材の周速度は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1〜50m/s、特に好ましくは5〜50m/s、更に好ましくは10〜35m/sである。
本発明において、以下で述べる樹脂の5%重量減少温度、50%重量減少温度及び95%重量減少温度とは、それぞれTG/DTA(熱重量/示差熱分析)で樹脂を測定した時の5%、50%、95%の重量が失われる温度を意味する。ここで、TG/DTA測定は、樹脂成分を約10mg精秤し、TG/DTA装置(セイコーインスツルメンツ社製)により測定(雰囲気:窒素、昇温速度:5℃/分)される。また、熱分解性樹脂の熱分解温度とは、5%重量減少温度を指す。
第1の仮固定樹脂組成物の形態例(仮固定樹脂組成物(A))について、更に詳細に説明する。
仮固定樹脂組成物(A)は、仮固定樹脂組成物(A)を構成する樹脂成分が、熱分解性樹脂である仮固定樹脂組成物である。つまり、仮固定樹脂組成物(A)は、熱分解性樹脂及び必要に応じて用いられるその他の成分からなる。そして、仮固定樹脂組成物(A)が、熱分解性樹脂の熱分解温度以上の温度で加熱されることにより、仮固定樹脂組成物(A)中の熱分解性樹脂が熱分解し、仮固定樹脂組成物(A)が熱分解して、半導体ウェハからの支持基材の剥離が可能となる。
仮固定樹脂組成物(A)は、仮固定樹脂組成物(A)を構成する樹脂成分として、95%重量減少温度と5%重量減少温度との差が、下記式(II)
1℃≦(95%重量減少温度)−(5%重量減少温度)≦300℃ (II)
である熱分解性樹脂を含有する仮固定樹脂組成物(以下、仮固定樹脂組成物(A1)とも記載する。)が好ましい。
仮固定樹脂組成物(A1)は、95%重量減少温度と5%重量減少温度との差が、1〜300℃という範囲に規定されている熱分解性樹脂を樹脂成分として含有する。そのため、仮固定樹脂組成物が仮固定樹脂組成物(A1)であることにより、仮固定樹脂組成物(A1)の熱分解に要する温度範囲が狭く、熱分解に要する時間を短縮でき、半導体ウェハへのダメージを抑制することができるという効果を奏する。また、仮固定樹脂組成物が仮固定樹脂組成物(A1)であることにより、加工後の半導体ウェハからの支持基材の剥離が容易で、且つ半導体ウェハに仮固定樹脂組成物が残留し難いという効果を奏する。また、仮固定樹脂組成物が仮固定樹脂組成物(A1)であることにより、安定に使用可能な温度領域が広く確保できるため、支持基材に仮固定をしたまま、種々の加工工程に供することが可能となる。また、仮固定樹脂組成物が仮固定樹脂組成物(A1)であることにより、表面が平滑で十分な精度を有する支持基材上に薄膜として形成できるため、研磨等の加工の精度が高いという効果を奏する。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂が、95%重量減少温度と5%重量減少温度との差が、下記式(IIa):
5℃≦(95%重量減少温度)−(5%重量減少温度)≦80℃ (IIa)
である熱分解性樹脂であることが、熱分解に要する時間を短縮できる点で、特に好ましい。
ここで、安定に使用可能な温度領域とは、仮固定樹脂組成物が分解せずに、半導体ウェハを安定して保持できる種々の加工工程での温度領域のことである。仮固定樹脂組成物(A1)は、この温度領域が広く確保できるため、半導体ウェハを支持基材に仮固定をしたままで、加温が必要である加工工程にも供することが可能となる。そのため、異なる工程を連続的に行うことができるという利点を有する。
また、仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂の5%重量減少温度が、50℃以上であることが、後述する、薄膜形成工程、貼り合せ工程、加工工程等の半導体装置の製造プロセス中で仮固定樹脂組成物が熱分解しないという効果を得ることができる点で、好ましい。
また、仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂の50%重量減少温度が500℃以下であることが、後述する、熱分解工程で半導体装置が熱履歴により損傷するのを防止することができるという効果が得られる点で、好ましい。
95%重量減少温度と5%重量減少温度との差が、1〜300℃である熱分解性樹脂は、特に限定されず、主鎖の結合強度が低い樹脂の分子量等を調整することにより得られる。
95%重量減少温度と5%重量減少温度との差が、1〜300℃である熱分解性樹脂としては、例えば、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ、これらのうち、半導体装置の製造プロセス中の仮固定樹脂組成物の熱分解を効果的に防止することができ、さらに、加熱により仮固定樹脂組成物を熱分解するときの加熱時間を効果的に短縮することができる点で、ノルボルネン系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましい。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂がノルボルネン系樹脂である場合、5%重量減少温度における分解時間が、1〜120分であることが、仮固定樹脂組成物の急激な熱分解を抑制することができ、熱分解したガスを排気装置で排気することが可能となるため、半導体装置や半導体装置を作製する設備の汚染を防止することができ、熱分解に要する時間を短縮することができるため、半導体装置の生産性を向上することができる。
本発明において、5%重量減少温度における熱分解時間とは、以下の方法により測定される。前述の方法により5%重量減少温度を算出する。次いで、TG/DTA装置を用い、熱分解性樹脂を約10mg精秤し、次に、25℃から5%重量減少温度までを30分で昇温し、さらに、測定温度を5%重量減少温度で保持し、重量減少を測定する。得られた測定値より、5%重量減少温度に到達したところを始点(0分)とし、95%重量減少に至るまでの時間を5%重量減少温度における分解時間とする。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂がポリカーボネート系樹脂である場合、5%重量減少温度における分解時間が、1〜60分であることが、仮固定樹脂組成物の急激な熱分解を抑制することができ、熱分解したガスを排気装置で排気することが可能となるため、半導体装置や半導体装置を作製する設備の汚染を防止することができ、また、熱分解に要する時間を短縮することができるため、半導体装置の生産性を向上することができ点で、好ましい。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るノルボルネン系樹脂としては、樹脂中にノルボルネン由来の骨格を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂が挙げられる。
式(1)において、R〜Rは、それぞれ、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基又は下記置換基(2)のいずれかである。また、mは0〜4の整数である。
式(2)において、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、R、R及びRは、それぞれ、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、又は置換又は未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかである。また、nは0〜5の整数である。
〜Rに係る直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらのうち、仮固定樹脂組成物を構成する各種成分との相溶性や各種溶剤に対する溶解性、さらに、半導体ウェハと支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れる点で、ブチル基、デシル基が好ましい。
〜Rに係る芳香族基としては、特に限定されるものではないが、フェニル基、フェネチル基、ナフチル基等が挙げられ、これらのうち、半導体ウェハと支持基材を仮固定した際の機械物性に優れる点で、フェネチル基、ナフチル基が好ましい。
〜Rに係る脂環族基としては、特に限定されるものではないが、シクロヘキシル基、ノルボルネニル基、ジヒドロジシクロペンタジエチル基、テトラシクロドデシル基、メチルテトラシクロドデシル基、テトラシクロドデカジエチル基、ジメチルテトラシクロドデシル基、エチルテトラシクロドデシル基、エチリデニルテトラシクロドデシル基、フエニルテトラシクロドデシル基、シクロペンタジエチル基の三量体等の脂環族基等が挙げられ、これらのうち、半導体ウェハと支持基材を仮固定した際の機械物性、さらには、加熱により熱分解するときの熱分解性に優れる点で、シクロヘキシル基、ノルボルネニル基が好ましい。
前記置換基(2)中のRは、水素原子、メチル基又はエチル基であれば、特に限定されるものではないが、加熱により熱分解するときの熱分解性に優れる点で、水素原子が好ましい。
前記置換基(2)中のR、R及びRは、それぞれ、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、又は置換又は未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかであれば、特に限定されるわけではない。R、R及びRとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、アセトキシ基、プロピオキシ基、ブチロキシ基、メチルペルオキシ基、イソプロピルペルオキシ基、t−ブチルペルオキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基等が挙げられ、これらのうち、支持基材に対する密着性、半導体ウェハ加工時の機械特性に優れる点で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。
前記一般式(1)中のmは、0〜4の整数であり、特に限定されるわけではないが、0又は1が好ましい。mが0又は1である場合、前記一般式(1)で示される構造単位は、下記一般式(3)又は(4)で示される。
前記式(3)及び(4)において、R〜Rは、それぞれ、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基、又は前記置換基(2)のいずれかである。
前記置換基(2)中のnは、0〜5の整数であり、特に限定されるわけではないが、nは0であることが好ましい。nが0の場合、シリル基はケイ素−炭素結合を介して多環式環に直接結合しており、nが0であることにより、仮固定樹脂組成物の熱分解性及び半導体ウェハ加工時の機械特性を両立することができる。
前記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではないが、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ペンチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−へプチルノルボルネン、5−オクチルノルボルネン、5−ノニルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−トリメチルシリルノルボルネン、5−トリメトキシシリルノルボルネン、5−メチルジメトキシシシリルノルボルネン、5−ジメチルメトキシノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネン等のノルボルネン系モノマーを重合することにより得られる。前記ノルボルネン系モノマーを重合する際は、単一のノルボルネン系モノマーで重合しても、複数のノルボルネン系モノマーを共重合しても良い。これらノルボルネン系モノマーのうち、半導体ウェハと支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れる点で、5−ブチルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネンが好ましい。
前記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、全てが前記一般式(1)で示される構造単位で形成されていてもよく、あるいは、ノルボルネン系樹脂の一部が前記一般式(1)で示される構造単位で形成されていてもよいが、モノマー換算で、前記一般式(1)で示される構造単位が、50モル%以上であることが好ましく、100モル%であることが特に好ましい。また、前記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂中の前記一般式(1)で示される構造単位は、1種の構造単位であって、2種以上の構造単位の組み合わせであってもよい。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るノルボルネン系樹脂としては、より具体的には、ポリノルボルネン、ポリメチルノルボルネン、ポリエチルノルボルネン、ポリプロピルノルボルネン、ポリブチルノルボルネン、ポリペンチルノルボルネン、ポリヘキシルノルボルネン、ポリへプチルノルボルネン、ポリオクチルノルボルネン、ポリノニルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリフェネチルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリトリメチルシリルノルボルネン、ポリトリメトキシシリルノルボルネン、ポリメチルジメトキシシシリルノルボルネン、ポリジメチルメトキシノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン等の単一重合体、ノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体等の共重合体が挙げられる。これらのうち、半導体ウェハと支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れる点で、ポリブチルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン−ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体が好ましい。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るノルボルネン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000、特に好ましくは30,000〜800,000である。重量平均分子量が上記範囲であることにより、仮固定樹脂組成物の熱分解性及び半導体ウェハ加工時の仮固定樹脂組成物の耐熱性を両立が可能となる。本発明において、重量平均分子量は、THFを溶媒としてGPC(ゲル浸透クロマトグラム)により、ポリスチレン換算値として算出される。
前記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではないが、開環メタセシス重合(以下、ROMPとも記載する。)、ROMPと水素化反応の組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合により合成される。
前記一般式(1)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂の合成方法としては、例えば、パラジウムイオン源を含有する触媒、ニッケルと白金を含有する触媒、ラジカル開始剤等を用いることにより合成する方法が挙げられる。
前記触媒を用いる反応は、触媒と作用せず、また、ノルボルネン系モノマーを溶解することができる有機溶媒中で実施することができる。前記有機溶媒としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルクロライド、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロペンタンの如きハロゲン化(極性)炭化水素である。単成分触媒系では、シクロヘキサノン、エチルアセテートが同様に採用される。反応溶媒の選択は、触媒の選択および重合をスラリーまたは溶液法として行うことが望ましいか否か、を含む数多くの要因に基づいてなされる。本発明で記述される大部分の触媒のために好ましい溶媒は、メチレンクロライドや1,2−ジクロロエタン等の塩素化炭化水素、クロロベンゼンやニトロベンゼンの等の芳香族炭化水素が挙げられる。
前記ノルボルネン系モノマー対するパラジウムを含有する触媒のモル比は、20:1〜100,000:1が好ましく、200:1〜20,000:1が特に好ましく、1,000:1〜10,000:1がさらに好ましい。
前記ノルボルネン系モノマーをパラジウム触媒で重合する場合、その重合温度は、−100℃〜120℃が好ましく、−60℃〜90℃が特に好ましく、−10℃〜80℃であることがさらに好ましい。
前記ニッケルと白金を含有する触媒としては、特に限定されるわけではないが、WO1997/033198号公報やWO2000/020472号公報に記載されているものが用いられる。
前記ノルボルネン系モノマーに対するニッケルと白金を含有する触媒のモル比は、20:1〜100,000:1が好ましく、200:1〜20,000:1が特に好ましく、1,000:1〜10,000:1がさらに好ましい。
前記ノルボルネン系モノマーをニッケルと白金を含有する触媒で重合する場合、その重合温度は、0℃〜70℃が好ましく、10℃〜50℃が特に好ましく、20℃〜40℃であることがさらに好ましい。
前記ラジカル開始剤としては、特に限定されるわけではないが、Encyclopedia of Polymer Science,John Wiley&Sons,13708(1988)に記載されているものが用いられる。
前記ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素等が挙げられる。
前記ノルボルネン系モノマーをラジカル開始剤で重合する場合、その重合温度は、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜140℃が特に好ましく、70℃〜130℃であることがさらに好ましい。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート、1,2−ポリブチレンカーボネート、1,3−ポリブチレンカーボネート、1,4−ポリブチレンカーボネート、cis−2,3−ポリブチレンカーボネート、trans−2,3−ポリブチレンカーボネート、α,β−ポリイソブチレンカーボネート、α,γ−ポリイソブチレンカーボネート、cis−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート、trans−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート、cis−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート、trans−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート、ポリヘキセンカーボネート、ポリシクロプロペンカーボネート、ポリシクロヘキセンカーボネート、ポリ(メチルシクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ビニルシクロヘキセンカーボネート)、ポリジヒドロナフタレンカーボネート、ポリヘキサヒドロスチレンカーボネート、ポリシクロヘキサンプロピレンカーボネート、ポリスチレンカーボネート、ポリ(3−フェニルプロピレンカーボネート)、ポリ(3−トリメチルシリロキシプロピレンカーボネート)、ポリ(3−メタクリロイロキシプロピレンカーボネート)、ポリパーフルオロプロピレンカーボネート、ポリノルボルネンカーボネート、並びにこれらの組合せが挙げられる。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るポリカーボネート系樹脂としては、より具体的には、例えば、ポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキセンカーボネート共重合体、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]、及びポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]等が挙げられる。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂に係るポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜1,000,000、特に好ましくは5,000〜800,000である。前記重量平均分子量を上記下限以上とすることにより、薄膜形成工程において、仮固定樹脂組成物の半導体ウェハまたは支持体に対する濡れ性が向上すること、さらに、成膜性を向上するという効果を得ることができる。また、上記上限値以下とすることで、仮固定樹脂組成物を構成する各種成分との相溶性や各種溶剤に対する溶解性、さらには、加熱による熱分解するときの仮固定樹脂組成物の熱分解性を向上するという効果を得ることができる。
前記ポリカーボネート系樹脂の重合方法は、特に限定されるわけではないが、例えば、ホスゲン法(溶剤法)または、エステル交換法(溶融法)等の公知の重合方法が挙げられる。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂の含有量は、仮固定樹脂組成物(A1)の全量に対して、好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは30%〜100%である。仮固定樹脂組成物(A1)中の熱分解性樹脂の含有量が、上記範囲にあることにより、熱分解後に、仮固定樹脂組成物が半導体ウェハまたは支持体に残留することを防止できる。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂としては、特に好ましくは、ポリプロピレンカーボネート、1,4−ポリブチレンカーボネート、ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体又はデシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体である。
仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等のように、酸の存在により、熱分解温度が低下する樹脂の場合、仮固定樹脂組成物(A1)は、光酸発生剤を含有することができる。仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂が、酸の存在により、熱分解温度が低下する樹脂であり、且つ仮固定樹脂組成物(A1)が、光酸発生剤を含有することにより、半導体ウェハから支持基材を剥離するときに、仮固定樹脂組成物を加熱する前に、仮固定樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して、仮固定樹脂組成物(A1)を構成する熱分解性樹脂の熱分解温度を低下させることができるので、半導体ウェハから支持基材を剥離するための加熱温度を低くすることができるという効果を奏する。
光酸発生剤とは、g線、i線、エキシマレーザ等の近紫外線、遠赤外線などの活性エネルギー線を照射することにより酸を発生する化合物であり、特に限定されるものではなく、例えば、求核ハロゲン化物、錯金属ハライド陰イオン等が挙げられる。光酸発生剤としては、より具体的には、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TTBPS−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(TTBPS−HFP)、トリフェニルスルホニウムトリフレート(TPS−Tf)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート(DTBPI−Tf)、トリアジン(TAZ−101)、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(TPS−103)、トリフェニルスルホニウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(TPS−N1)、ジ−(p−t−ブチル)フェニルヨードニウム、ビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(DTBPI−N1)、トリフェニルスルホニウム、トリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(TPS−C1)、ジ−(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(DTBPI−C1)等が挙げられる。
仮固定樹脂組成物(A1)中の光酸発生剤の含有量は、熱分解性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部である。
仮固定樹脂組成物(A1)は、光酸発生剤とともに、特定のタイプまたは波長の光に対する光開始剤の反応性を発現あるいは増大させる機能を有する成分である増感剤を含有することができる。
増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンツピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン−9−オン、2‐イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4‐プロポキシチオキサントン、およびこれらの混合物等が挙げられる。このような増感剤の含有量は、光酸発生剤100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、20重量部以下が特に好ましい。
また、仮固定樹脂組成物(A1)は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、望ましくない酸の発生や、樹脂組成物の自然酸化を防止する機能を有している。
酸化防止剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ニューヨーク州タリータウンのCiba Fine Chemicals社から入手可能なCiba IRGANOX(登録商標) 1076又はCiba IRGAFOS(登録商標) 168が好適に用いられる。
また、他の酸化防止剤としては、例えば、Ciba Irganox(登録商標) 129、Ciba Irganox 1330、Ciba Irganox 1010、Ciba Cyanox(登録商標) 1790、Ciba Irganox 3114、Ciba Irganox 3125等が用いられる。
酸化防止剤の含有量は、熱分解性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。
また、仮固定樹脂組成物(A1)は、必要によりアクリル系、シリコーン系、フッ素系、ビニル系等のレベリング剤、シランカップリング剤、希釈剤等の添加剤等を含有することができる。
前記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらは、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。仮固定樹脂組成物(A1)がシランカップリング剤を含有することにより、半導体ウェハまたは支持基材との密着性が向上する。
前記希釈剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、シクロヘキセンオキサイドやα−ピネンオキサイド等のシクロエーテル化合物、[メチレンビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビスオキシランなどの芳香族シクロエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのシクロアリファティックビニルエーテル化合物等が挙げられる。仮固定樹脂組成物が希釈剤を含むことにより、仮固定樹脂組成物の流動性を向上することができ、薄膜形成工程において、仮固定樹脂組成物の半導体ウェハまたは支持基材に対する濡れ性を向上することが可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法において、仮固定樹脂組成物塗膜形成工程後の工程の一実施形態を説明する。
(貼り合わせ工程(ボンディング工程))
仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行った後、貼り合わせ工程を行う。貼り合わせ工程では、支持基材に形成された仮固定樹脂組成物塗膜上に、半導体ウェハを載置し、真空プレス機、ウェハーボンダー等の装置を用いて、加熱及び加圧することにより、支持基材に半導体ウェハを貼り合わせる。
(加工工程)
次に、仮固定樹脂組成物によって支持基材上に固定された半導体ウェハを加工する工程を行う。半導体ウェハの加工は、半導体ウェハの裏面の研磨、ストレスリリースのためのエッチング、Viaホールの形成、リソグラフィー、コート、蒸着等である。
(剥離工程)
次に、半導体ウェハから支持基材を剥離する剥離工程を行う。剥離工程では、仮固定樹脂組成物の種類により、それに応じた剥離方法が行われる。例えば、仮固定樹脂組成物(A)の場合、仮固定樹脂組成物(A)を構成する熱分解性樹脂の熱分解温度以上の温度で加熱することにより、剥離工程を行う。また、仮固定樹脂組成物(A)のうち、仮固定樹脂組成物を構成する熱分解性樹脂が、酸の存在下で熱分解温度が低下する熱分解性樹脂であり、且つ光酸発生剤を含有する仮固定樹脂組成物の場合、仮固定樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、活性エネルギー線照射後の仮固定樹脂組成物の熱分解温度以上の温度で加熱することにより、剥離工程を行う。また、仮固定樹脂組成物(B)の場合、仮固定樹脂組成物(B)を構成する熱軟化性樹脂の熱軟化温度以上の温度で加熱することにより、剥離工程を行う。また、仮固定樹脂組成物(B)のうち、仮固定樹脂組成物を構成する熱軟化性樹脂が、酸の存在下で軟化温度が低下する熱軟化性樹脂であり、且つ光酸発生剤を含有する仮固定樹脂組成物の場合、仮固定樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、活性エネルギー線照射後の仮固定樹脂組成物の軟化温度以上の温度で加熱することにより、剥離工程を行う。また、仮固定樹脂組成物(C)の場合、仮固定樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより、剥離工程を行う。また、仮固定樹脂組成物(D)の場合、仮固定樹脂組成物に溶剤を供給することにより、剥離工程を行う。
また、剥離工程を行った後、必要に応じて、半導体ウェハに残留した仮固定樹脂組成物を除去することができる。残留した仮固定樹脂組成物の除去方法としては、特に限定されるものではないが、プラズマ処理、薬液浸漬処理、研磨処理、加熱処理などが挙げられる。
本発明の第二の形態の半導体装置の製造方法(以下、本発明の半導体装置の製造方法(2)とも記載する。)は、半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面に、下記式(I):
0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
(式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
を満たすバックリンス液を供給して、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
を特徴とする半導体装置の製造方法である。
つまり、本発明の半導体装置の製造方法(2)は、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる対象を、支持基材に代えて半導体ウェハとすること以外は、本発明の半導体装置の製造方法(1)と同様である。よって、本発明の半導体装置の製造方法(2)は、半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、仮固定樹脂組成物液を供給して塗布する点、及び半導体ウェハの加工面に、バックリンス液を供給する点が、本発明の半導体装置の製造方法(1)とは異なるものの、それ以外は、本発明の半導体装置の製造方法(1)と同様である。
例えば、図1に示すように、仮固定樹脂組成物液1を、回転軸3に固定された半導体ウェハ22の加工面とは反対側の面24側の中心又はその近傍に、半導体ウェハ22を回転させながら供給することにより、半導体ウェハ22の加工面とは反対側の面24に、仮固定樹脂組成物液1を塗布する(スピンコート操作)。
そして、スピンコート操作を行うことにより、図2に示すように、塗布後の仮固定樹脂組成物液1の塗膜は、半導体ウェハ22の加工面とは反対側の面24上に層状に形成されている層状部28と、半導体ウェハの加工面24の端部31付近で盛り上がっている端部盛り上がり部27と、半導体ウェハの側面32に付着している側面部26と、半導体ウェハの加工面33側に回り込んだ這い上がり部25と、を形成している。
塗布後の仮固定樹脂組成物液1の塗膜のうち、這い上がり部25は、仮固定樹脂組成物液1が塗布された半導体ウェハ22を搬送する時や、ボンディング工程で、装置等を汚染する原因となる。
そこで、次いで、図3に示すように、半導体ウェハ22を回転させながら、半導体ウェハ22の加工面33側に、バックリンス液15を供給して、半導体ウェハ22の加工面33を洗浄して、這い上がり部25を除去する(バックリンス操作)。
本発明の半導体装置の製造方法(2)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程において、半導体ウェハの加工面へのバックリンス液の供給を開始する時期は、半導体ウェハの加工面とは反対側の面への仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中であっても、あるいは、半導体ウェハの加工面とは反対側の面への仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後であってもよい。
そして、本発明の半導体装置の製造方法(2)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行うことにより、図4に示すように、半導体ウェハ22の加工面とは反対側の面24及び側面32には、仮固定樹脂組成物液1は存在するが、半導体ウェハ22の加工面33には、仮固定樹脂組成物液1が存在しない仮固定樹脂組成物液1の塗膜を形成させることができる。本発明の半導体装置の製造方法(2)に係る仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を行うことにより得られる仮固定樹脂組成物液1の塗膜は、半導体ウェハ22の加工面とは反対側の面24の全体を覆うように層状に形成されている仮固定樹脂組成物液1の層状部28と、半導体ウェハの加工面とは反対側の面24の端部付近で盛り上がっている端部盛り上がり部27と、側面32に付着している側面部26と、からなる。なお、図4では、バックリンス操作で側面部26の一部が除去されて、一部の側面部26が残っている形態例を示しているが、本発明はこれに限定されず、バックリンス操作では、側面部26の全てが除去されて、側面部26が無くなっていてもよい。
以上、本発明に係る半導体ウェハの仮固定樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置の製造方法の具体例を、実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明に係る半導体ウェハの仮固定樹脂組成物及び半導体装置の製造方法の詳細な内容について、実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<熱分解性樹脂の合成>
(合成例1)5−デシルノルボルネン付加重合体の合成
十分乾燥させた反応容器に、酢酸エチル(430g)、シクロヘキサン(890g)、5−デシルノルボルネン(223g、0.95モル)を導入し、この系中に乾燥窒素を40℃で30分間流し、溶存酸素を除去した。ビス(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル1.33g(0.275mモル)を12gの酢酸エチルに溶解したものを系中に添加し、上記の系を20℃から35℃に15分掛けて昇温し、35℃を保持しながら3時間系中を攪拌した。
系を室温まで冷却後、49gの30%過酸化水素水を添加した約1500gの純水に氷酢酸26gを溶解させ、これを前記系中に添加し、系を50℃で5時間攪拌した後、攪拌を止め、分離した水層を除去した。残った有機層に、220gのメタノールと220gのイソプロピルアルコールを混合したものを、添加し、攪拌し、アルコール層を除去することで、有機層を洗浄した。さらに、510gのシクロヘキサンと290gの酢酸エチルを系に添加し、均一に溶解した後、156gのメタノールと167gのイソプロピルアルコールを混合したものを、添加し、攪拌し、アルコール層を除去して、有機層を洗浄することを、2回繰り返した。
洗浄後の有機層に180mLのシクロヘキサンを添加して系を均一に溶解し、さらに670gのメシチレンを添加した。そして、ロータリーエバポレーターで減圧下でシクロヘキサンを蒸発除去することにより、5−デシルノルボルネン付加重合体543gがメシチレンに溶解したメシチレン溶液(5−デシルノルボルネンの濃度:35質量%)を得た。得られた溶液をワニスBとする。
合成した5−デシルノルボルネン付加重合体を、GPCにより重量平均分子量を測定したところ、177000であった。また、ワニスBの粘度は6000mPa・sであった。なお、ワニスB中の溶剤であるメシチレンのSP値は、8.8である。
(合成例2)5−デシルノルボルネン/5−グリシジルオキシメチルノルボルネン=70mol%/30mol%付加共重合体の合成
十分乾燥させた反応容器に、酢酸エチル(600g)、シクロヘキサン(600g)、5−デシルノルボルネン(265.25g、1.131モル)及び5−グリシジルオキシメチルノルボルネン(87.36g、0.485モル)を導入した。この系中に乾燥窒素を40℃で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、ビス(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル6.58g(0.0136モル)を66.51gのアセトンに溶解したものを系中に添加した。
上記の系を40℃から60℃に10分掛けて昇温し、その温度を保持しながら3時間系中を攪拌した。462.0gの30%過酸化水素水を添加した約705.0gの純水に氷酢酸245.0gを溶解させ、これを前記系中に添加した。系を50℃で5時間攪拌した後、150gのイソプロピルアルコールを系中に添加した。攪拌を止め、分離した水層を除去した後、残った有機層を450gの純水と150gのイソプロピルアルコールで3回に分けて洗浄した。
洗浄後の有機層を400mLのシクロヘキサンで希釈し、6倍量のメタノール(7200mL)中に添加し、析出したポリマーをろ過により回収した。得られた固形分を空気中で18時間風乾したのち、1mmHgの減圧下で24時間乾燥することで、284.7g(収率95.8%)の目的物を固形樹脂の形で得た。
合成した5−デシルノルボルネン/5−グリシジルオキシメチルノルボルネン=70mol%/30mol%の重量平均分子量を、GPCによりを測定したところ、72,000であった。
(実施例1)
<仮固定樹脂組成物液の作製>
ポリプロピレンカーボネート(EMPOWER MATERIALS社製QPAC40)100gをγ−ブチロラクトン(溶剤、SP値:12.6)310gに溶解した。このポリプロピレンカーボネート溶液に、光酸発生剤のRhodosilPhotoinitiator2074(ローディアジャパン社製Rhodorsil Phoinitiator2074)5g、増感剤の1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(英Lambson社製SPEEDCURE CPTX)1.5gをγ−ブチロラクトン(溶剤)30gに溶解させた溶液を加えて、攪拌し、樹脂濃度24質量%のワニスA(仮固定樹脂組成物液)を作製した。また、ワニスAの粘度は3000mPa・sであった。
<仮固定樹脂組成物塗膜形成>
8インチシリコンウエハの上に、上記ワニスA10gを、スピンコータ(ミカサ社製、型番:1H360S)を用いて、500rpm(回転数)、10mL/s(供給速度)の条件で塗布し、そのまま5秒間回転させた。
次いで、8インチシリコンウエハを1500rpmの条件で回転させ、ワニスAを塗れ広がらせながら、バックリンス液である炭酸プロピレン(SP値:13.3)を50mL/s(供給速度)の条件で30秒間供給しバックリンスを行い、8インチシリコンウエハの中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
(実施例2)
<仮固定樹脂組成物塗膜形成>
8インチシリコンウエハの上に、上記合成例1で得られたワニスB10gを、スピンコータ(ミカサ社製、型番:1H360S)により、300rpm(回転数)、10mL/s(供給速度)の条件で塗布し、そのまま5秒間回転させた。
次いで、8インチシリコンウエハを3000rpmの条件で回転させ、ワニスBを塗れ広がらせながら、バックリンス液であるトルエン(SP値:8.9)を50mL/s(供給速度)の条件で30秒間供給しバックリンスを行い、8インチシリコンウエハの中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
(実施例3)
<仮固定樹脂組成物液の作製>
上記合成例2で得られた5−デシルノルボルネン/5−グリシジルオキシメチルノルボルネン=70mol%/30mol%付加重合体100gを2−ヘプタノン(溶剤、SP値:8.5)150gに溶解させ、樹脂濃度40重量%のワニスCを作製した。また、ワニスCの粘度は2500mPa・sであった。
<仮固定樹脂組成物塗膜形成>
8インチシリコンウエハの上に、上記ワニスC10gを、スピンコータ(ミカサ社製、型番:1H360S)により、500rpm(回転数)、10mL/s(供給速度)の条件で塗布し、そのまま5秒間回転させた。
次いで、8インチシリコンウエハを1500rpmの条件で回転させ、ワニスCを塗れ広がらせながら、バックリンス液であるシクロヘキサノン(SP値:9.9)を50mL/s(供給速度)の条件で30秒間供給しバックリンスを行い、8インチシリコンウエハの中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
(実施例4)
仮固定樹脂組成物塗膜形成において、8インチシリコンウエハにワニスAを塗布することに代えて、8インチガラス基板にワニスAを塗布すること以外は、実施例1と同様の方法で行い、8インチガラス基板の中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
(比較例1)
<仮固定樹脂組成物塗膜形成>
8インチシリコンウエハの上に、上記ワニスA10gをスピンコータ(ミカサ社製、型番:1H360S)により、500rpm(回転数)、10mL/s(供給速度)の条件で塗布し、そのまま5秒間回転させた。
次いで、8インチシリコンウエハを1500rpmの条件で回転させながら、バックリンス液であるγ―ブチロラクトン(SP値:12.6)を50mL/s(供給速度)の条件で30秒間供給しバックリンスを行い、8インチシリコンウエハの中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
(比較例2)
<仮固定樹脂組成物塗膜形成>
8インチシリコンウエハの上に、上記ワニスC10gを、スピンコータ(ミカサ社製、型番:1H360S)により、500rpm(回転数)、10mL/s(供給速度)の条件で塗布し、そのまま5秒間回転させた。
次いで、8インチシリコンウエハを1500rpmの条件で回転させた状態で、バックリンス液であるN−メチルピロリドン(SP値:11.3)を50mL/s(供給速度)の条件で30秒間供給しバックリンスを行い、8インチシリコンウエハの中心部の膜厚が20μmの塗膜を得た。
<バックリンス後の8インチシリコンウエハ又はガラス基板上の塗膜評価>
バックリンスした後の8インチシリコンウエハ又はガラス基板の裏面を肉眼で観察し、以下の条件で判定を行った。
(裏面観察)
○:8インチシリコンウエハ又はガラス基板裏面にワニスが全く存在しない。
△:8インチシリコンウエハ又はガラス基板裏面にワニスが若干付着している。
×:8インチシリコンウエハ又はガラス基板裏面にワニスが相当量付着している。
また、バックリンスした後の8インチシリコンウエハ又はガラス基板の端部の塗膜の残存状態及び表面形状を顕微鏡で観察し、以下の条件で判定を行った。
(残存状態)
○:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部に塗膜が残存しており、8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の全周に亘って消失している箇所はなかった。
△:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部の塗膜が溶解消失しており、消失している塗膜の幅が1mm未満である。
×:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部の塗膜が溶解消失しており、消失している塗膜の幅が1mm以上である。
(表面形状)
○:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部の塗膜の表面形状は良好である。
△:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部の塗膜の表面が不均一化しており、不均一化している幅が1mm未満である。
×:8インチシリコンウエハ又はガラス基板表面の端部の塗膜の表面が不均一化しており、不均一化している幅が1mm以上である。
本発明によれば、バックリンス操作のときに、バックリンス液で、半導体ウェハを支持基材に仮固定する面側の仮固定樹脂組成物が除去されないので、半導体ウェハの加工のときに、仮固定されていない半導体ウェハの端部を基点として、半導体ウェハの割れや欠けが生じてしまうのを防ぐことができる。そのため、半導体素子の歩留まりが下がるのを防ぐことができる。
1 仮固定樹脂組成物液
2 支持基材
3 回転軸
4 半導体ウェハ仮固定面
5 裏面這い上がり部
6、26 側面部
7、27 端部盛り上がり部
8、28 層状部
11 支持基材の端部
12 支持基材の側面
13 支持基材の裏面
15 バックリンス液
22 半導体ウェハ
24 半導体ウェハの加工面とは反対側の面
25 這い上がり部
31 半導体ウェハの端部
32 半導体ウェハの側面
33 半導体ウェハの加工面

Claims (7)

  1. 支持基材を回転させながら、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該支持基材を回転させながら、該支持基材の裏面に、下記式(I):
    0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
    (式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
    を満たすバックリンス液を供給して、該支持基材の半導体ウェハ仮固定面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、半導体ウェハを支持基材に仮固定するための仮固定樹脂組成物と該仮固定樹脂組成物を溶解又は分散させるための溶剤とを含有する仮固定樹脂組成物液を供給し、次いで、該仮固定樹脂組成物液の供給を行っている最中に又は該仮固定樹脂組成物液の供給を終了した後、該半導体ウェハを回転させながら、該半導体ウェハの加工面に、下記式(I):
    0.1≦Bsp−Asp≦1.5 (I)
    (式(I)中、Aspは仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値であり、Bspはバックリンス液のSP値である。)
    を満たすバックリンス液を供給して、該半導体ウェハの加工面とは反対側の面に、仮固定樹脂組成物塗膜を形成させる仮固定樹脂組成物塗膜形成工程を有すること、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記仮固定樹脂組成物液中の溶剤の含有量が、5〜98質量%であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記仮固定樹脂組成物液中の溶剤のSP値(Asp)が、7〜14であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記バックリンス液のSP値(Bsp)が、8.5〜14.5であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記バックリンス液を前記支持基材又は前記半導体ウェハに供給するときの前記支持基材又は前記半導体ウェハの周速度が、1〜50m/sであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記仮固定樹脂組成物の樹脂成分が、加熱することにより熱分解する熱分解性樹脂であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014017455A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 積層体形成方法および積層体形成システム
JP2016027085A (ja) * 2014-06-26 2016-02-18 デクセリアルズ株式会社 ポリイミド、ポリアミド酸、及びそれらの製造方法、並びに感光性樹脂組成物

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