JP2012126742A - 化膿性レンサ球菌のための免疫激性組成物および治療用組成物 - Google Patents

化膿性レンサ球菌のための免疫激性組成物および治療用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】化膿性感染に対する免疫を得るのに有用なA群レンサ球菌(GAS)抗原を提供すること。
【解決手段】本発明は、a)化膿性レンサ球菌(GAS)タンパク質よりも少なくとも1アミノ酸短く、前記GASタンパク質の表面露出ドメインを含む表面露出GAS抗原であって、前記GASタンパク質が、本明細書中に記載されるGASタンパク質、Mタンパク質、SagA、Sfb1、およびShpからなる群から選択される、表面露出GAS抗原と、b)GAS抗原をコードする核酸分子と、c)GAS抗原に特異的に結合する抗体と、からなる群から選択される少なくとも1つの活性因子を含む、組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本出願は、2004年10月8日出願の同時係属仮出願番号60/616,854号、2005年2月15日出願の同60/652,736号、2005年7月21日出願の同60/701,121号、および2005年8月4日出願の同60/705,209号の利益を主張し、参考として援用される。
本出願は、4つの各CD−ROMの内容が参考として援用され、それぞれ、「sequence listing.txt」とラベリングした本出願の配列表を含む同一の1.75KBのファイルを含む。CD−ROMを、2005年10月11日に作製した。
発明の分野
本発明は、免疫学分野およびワクチン学分野に属する。詳細には、本発明は、化膿性レンサ球菌由来の抗原および免疫化におけるその使用に関する。
発明の背景
A群連鎖球菌(「GAS」、化膿性レンサ球菌)は、ヒト常在病原体であり、5〜15%の正常個体に疾患の徴候を示さずに存在すると予測されている。しかし、宿主が易感染性である場合、生物がその病原性を発揮することができる場合、または生物が脆弱組織もしくは宿主に移入された場合に急性感染が起こる。関連疾患には、産褥熱、猩紅熱、丹毒、咽頭炎、膿痂疹、壊死性筋膜炎、筋炎、およびレンサ球菌毒素ショック症候群が含まれる。
GAS細菌は、グラム陽性非胞子形成球状細菌であり、鎖状または細胞対として存在する。GAS細菌は、Mタンパク質と呼ばれる巨大で非常に変化する細胞表面抗原に基づいた血清型別にしたがってさらに分類される。非特許文献1;非特許文献2。Mタンパク質をコードする遺伝子のDNA配列決定は、GASM型(emm配列型)の最も一般的な決定方法となっている。今日まで、124の異なるM型が同定されており、これらの型のうちの22種は、1995年と1998年との間に同定された(非特許文献3)。Ml、M28、M12、M3、M11、およびM6は、そのうちで世界的に最も一般的なGAS型である。非特許文献4;非特許文献5。
抗体を使用して化膿性レンサ球菌を処置することができるにもかかわらず、疾患の発症を防止するための予防ワクチンおよび化膿性レンサ球菌感染の治療のためのさらなる治療薬が当該分野で必要とされている。
Lancefield,J.Exp.Med.47,9−10,1928 Lancefield,J.Immunol.1962年、第89巻,pp.307−13 Facklamら,Clin.Infect.2002年、Dis.34巻,pp.28−38 Liら,Infect.Dis.2003年、188巻,pp.1587−92 O’Brienら,Clin.Infect.Dis.2002年、35巻,pp.268−76
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
a)化膿性レンサ球菌(GAS)タンパク質よりも少なくとも1アミノ酸短く、前記GASタンパク質の表面露出ドメインを含む表面露出GAS抗原であって、前記GASタンパク質が、
(1)表2に列挙したGASタンパク質、
(2)表3に列挙したGASタンパク質、
(3)表4A〜4Rからなる群から選択される表に列挙したGASタンパク質、
(4)表5に列挙したGASタンパク質、
(5)表6に列挙したGASタンパク質、
(6)表7に列挙したGASタンパク質、
(7)表8に列挙したGASタンパク質、
(8)表9に列挙したGASタンパク質、
(9)表11に列挙したGASタンパク質、
(10)表12に列挙したGASタンパク質、
(11)表13に列挙したGASタンパク質、
(12)表14に列挙したGASタンパク質、
(13)表15に列挙したGASタンパク質、
(14)表16に列挙したGASタンパク質、
(15)
Figure 2012126742

(16)
Figure 2012126742

(17)
Figure 2012126742

(18)
Figure 2012126742

(19)
Figure 2012126742

(20)
Figure 2012126742

(21)
Figure 2012126742

および
(22)
Figure 2012126742

、Mタンパク質、SagA、Sfb1、およびShpからなる群から選択される、表面露出GAS抗原、
b)GAS抗原をコードする核酸分子、および
c)GAS抗原に特異的に結合する抗体
からなる群から選択される少なくとも1つの活性因子を含む、組成物。
(項目2)
(a)少なくとも2つの表面露出化膿性レンサ球菌(GAS)抗原であって、第1のGAS抗原が第1のGAS細菌の表面上に発現し、第2のGAS抗原が第2のGAS細菌の表面上に発現し、前記第1および第2のGAS細菌が異なるM型である、少なくとも2つの表面露出GAS抗原、
(b)前記少なくとも2つの表面露出GAS抗原をコードする少なくとも1つの核酸分子、および
(c)少なくとも2つの抗体であって、第1の抗体が前記第1のGAS抗原に特異的に結合し、第2の抗体が前記第2のGAS抗原に特異的に結合する、少なくとも2つの抗体からなる群から選択される少なくとも2つの活性因子を含む、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記第1および第2のGAS細菌のうちの1つが、M1、M3、M6、M11、M12、およびM23からなる群から選択されるM型である、項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの1つが、少なくとも10の異なるGAS株の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目5)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目4に記載の組成物。
(項目6)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、少なくとも7つの異なるM型細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目7)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目6に記載の組成物。
(項目8)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M1型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目9)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目8に記載の組成物。
(項目10)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M3型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目11)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M6型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目13)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目12に記載の組成物。
(項目14)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M11型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目15)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目14に記載の組成物。
(項目16)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M12型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目17)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目16に記載の組成物。
(項目18)
前記第1および第2のGAS抗原のうちの少なくとも1つが、M23型GAS細菌の表面上に発現する、項目2に記載の組成物。
(項目19)
前記少なくとも1つのGAS抗原が、
Figure 2012126742

からなる群から選択される、項目18に記載の組成物。
(項目20)
前記GAS抗原が、前記GASタンパク質の少なくとも1つの膜貫通ドメインを欠く、項目1〜項目19のいずれか1項に記載の組成物。
(項目21)
前記第1のGASタンパク質が、前記第1のGASタンパク質の膜貫通ドメインまたは細胞質ドメインを含まない、項目1〜項目20のいずれか1項に記載の組成物。
(項目22)
(1)表2に列挙したGASタンパク質、
(2)表3に列挙したGASタンパク質、
(3)表4A〜4Rからなる群から選択される表に列挙したGASタンパク質、
(4)表5に列挙したGASタンパク質、
(5)表6に列挙したGASタンパク質、
(6)表7に列挙したGASタンパク質、
(7)表8に列挙したGASタンパク質、
(8)表9に列挙したGASタンパク質、
(9)表11に列挙したGASタンパク質、
(10)表12に列挙したGASタンパク質、
(11)表13に列挙したGASタンパク質、
(12)表14に列挙したGASタンパク質、
(13)表15に列挙したGASタンパク質、
(14)表16に列挙したGASタンパク質、
(15)
Figure 2012126742

(16)
Figure 2012126742

(17)
Figure 2012126742

(18)
Figure 2012126742

(19)
Figure 2012126742

(20)
Figure 2012126742

(21)
Figure 2012126742

および
(22)
Figure 2012126742

、Mタンパク質、SagA、Sfb1、およびShp、
b)GAS抗原をコードする核酸分子、ならびに
c)GAS抗原に特異的に結合する抗体からなる群から選択される第2の活性因子をさらに含む、項目1〜項目21のいずれか1項に記載の組成物。
(項目23)
前記少なくとも1つのGAS抗原が融合タンパク質成分である、項目1〜項目22のいずれか1項に記載の組成物。
(項目24)
前記GASタンパク質が、表1に示すアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、項目1〜項目22のいずれか1項に記載の組成物。
(項目25)
前記GASタンパク質が、表1に示すアミノ酸配列を含む、項目1〜項目22のいずれか1項に記載の組成物。
(項目26)
小児ワクチンで有用な抗原を含む、項目1〜項目25のいずれか1項に記載の組成物。
(項目27)
高齢または免疫不全状態の個体のためのワクチンで有用な抗原を含む、項目1〜項目26のいずれか1項に記載の組成物。
(項目28)
アジュバントをさらに含む、項目1〜項目27のいずれか1項に記載の組成物。
(項目29)
前記GAS抗原がポリペプチドであり、前記ポリペプチドがキャリアタンパク質にカップリングしている、項目1〜項目28のいずれか1項に記載の組成物。
(項目30)
前記キャリアタンパク質が、細菌毒素、細菌類毒素、髄膜炎菌外膜タンパク質、熱ショックタンパク質、百日咳タンパク質、インフルエンザ菌タンパク質D、サイトカイン、リンホカイン、ホルモン、成長因子、クロストリジウム・ディフィシル毒素A、クロストリジウム・ディフィシル毒素B、および鉄取り込みタンパク質からなる群から選択される、項目29に記載の組成物。
(項目31)
化膿性レンサ球菌に対する免疫の誘導のためのワクチンの作製方法であって、項目1〜項目30のいずれか1項に記載の活性因子と薬学的に許容可能なキャリアとを組み合わせる工程を含む、方法。
(項目32)
前記活性因子がポリペプチドであり、前記ポリペプチドが、
(a)前記ポリペプチドをコードする発現ベクターを含む宿主細胞を培養する工程と、
(b)前記ポリペプチドを回収する工程と
を含む方法によって作製される、項目31に記載の方法。
(項目33)
化膿性レンサ球菌感染に対する免疫を誘導するための薬物の製造における少なくとも2つの表面露出化膿性レンサ球菌(GAS)抗原の使用であって、第1のGAS抗原が第1のGAS細菌の表面上に発現し、第2のGAS抗原が第2のGAS細菌の表面上に発現し、前記第1および第2のGAS細菌が異なるM型である、使用。
(項目34)
化膿性レンサ球菌感染に対する免疫を誘導するための薬物の製造における少なくとも2つの表面露出化膿性レンサ球菌(GAS)抗原をコードする少なくとも1つの核酸分子の使用であって、第1のGAS抗原が第1のGAS細菌の表面上に発現し、第2のGAS抗原が第2のGAS細菌の表面上に発現し、前記第1および第2のGAS細菌が異なるM型である、使用。
(項目35)
化膿性レンサ球菌感染の治療のための薬物の製造における少なくとも2つの抗体の使用であって、第1の抗体が第1のGAS細菌の表面上に発現した第1の化膿性レンサ球菌(GAS)抗原に特異的に結合し、第2の抗体が第2のGAS細菌の表面上に発現した第2のGAS抗原に特異的に結合し、前記第1および第2のGAS細菌が異なるM型である、使用。
(項目36)
化膿性レンサ球菌感染の治療のための薬物の製造における抗体の使用であって、前記抗体が第1のGASタンパク質よりも少なくとも1アミノ酸短く、前記第1のGASタンパク質の表面露出ドメインを含む表面露出GAS抗原に特異的に結合し、前記第1のGASタンパク質がGASタンパク質からなる群から選択され、前記第1のGASタンパク質が、
(1)表2に列挙したGASタンパク質、
(2)表3に列挙したGASタンパク質、
(3)表4A〜4Rからなる群から選択される表に列挙したGASタンパク質、
(4)表5に列挙したGASタンパク質、
(5)表6に列挙したGASタンパク質、
(6)表7に列挙したGASタンパク質、
(7)表8に列挙したGASタンパク質、
(8)表9に列挙したGASタンパク質、
(9)表11に列挙したGASタンパク質、
(10)表12に列挙したGASタンパク質、
(11)表13に列挙したGASタンパク質、
(12)表14に列挙したGASタンパク質、
(13)表15に列挙したGASタンパク質、
(14)表16に列挙したGASタンパク質、
(15)
Figure 2012126742

(16)
Figure 2012126742

(17)
Figure 2012126742

(18)
Figure 2012126742

(19)
Figure 2012126742

(20)
Figure 2012126742

(21)
Figure 2012126742

および
(22)
Figure 2012126742

、Mタンパク質、SagA、Sfb1、およびShp、ならびに
(x)表1に列挙したGAS抗原
からなる群から選択される、使用。
(項目37)
化膿性レンサ球菌に対する免疫を誘導する方法であって、個体に治療有効量の項目1〜30のいずれか1項に記載の組成物のいずれかを投与する工程を包含し、ここで前記活性因子がポリペプチド分子または核酸分子である、方法。
(項目38)
化膿性レンサ球菌感染の治療方法であって、個体に治療有効量の項目1〜30のいずれか1項に記載の組成物のいずれかを投与する工程を包含し、ここで前記活性因子が抗体である、方法。
(項目39)
キットであって、
項目1〜30のいずれか1項に記載の組成物を含む容器と、
項目37に記載の方法の説明書と
を含む、キット。
(項目40)
キットであって、
項目1〜30のいずれか1項に記載の組成物を含む容器と、
項目38に記載の方法の説明書と
を含む、キット。
図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1A(アミノ酸1〜50)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1B(アミノ酸51〜100)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1C(アミノ酸101〜150)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1C(アミノ酸101〜150)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1D(アミノ酸151〜200)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1E(アミノ酸201〜250)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1F(アミノ酸251〜300)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1G(アミノ酸301〜350)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1H(アミノ酸351〜400)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1I(アミノ酸401〜450)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1J(アミノ酸451〜500)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1K(アミノ酸501〜550)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1L(アミノ酸551〜600)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1M(アミノ酸601〜650)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1N(アミノ酸651〜700)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1O(アミノ酸701〜750)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1P(アミノ酸751〜800)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1Q(アミノ酸801〜850)。 図1。GASM株であるSF370、2580、3280、3348、3789、および2913(配列番号:17)2634(配列番号:18)、2726(配列番号:19)、2721(配列番号:20)、3040、および3135(配列番号:21)、2722(配列番号:22)、2728(配列番号:23)、4883(配列番号:24)、2724(配列番号:25)、2894、3650、5529、および3776(配列番号:26)、2720(配列番号:27)、2725(配列番号:28)、4538(配列番号:29)、5531(配列番号:30)、5481(配列番号:31)、4959(配列番号:32)、D2071(配列番号:33)、4436(配列番号:34)、2727(配列番号:35)、2719(配列番号:36)、5455(配列番号:37)、5476(配列番号:38)、4088(配列番号:39)、MANFR10394(配列番号:40)、M8232(配列番号:41)、M315(配列番号:42)、ならびにSS1(配列番号:43)由来のGAS40タンパク質のアミノ酸配列のアラインメント。図1R(アミノ酸851〜873)。 図2。GAS40タンパク質が異なるM型株の細胞表面上に曝露されることを証明するFACS分析の結果。 図3。天然のGAS40タンパク質に指向する抗血清によって異なるM型株(DSM2071株、2634株、DSM2071株の低莢膜化(hypocapsulated)変異体、2727株、SF370株、2720株、3789株、2725株、2580株、2894株、2728株、2913株、2726株、3348株、および3280株)の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。 図4A〜B。「GST−GAS40」抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図4A。3789株、4883株、DSM2071株の低莢膜化変異体、5476株、SF370株、DMS2071株、2720株、2723株、2728株、2724株、2580株、2725株、2719株、2726株、3776株。 図4A〜B。「GST−GAS40」抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図4B。4436株、2721株、4959株、2727株、5468株、3650株、2634株、4088株、4538株、2722株。 図5A〜B。GAS40a抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図5A。DSM2071株、SF370株、2721株、3280株、2728株、3789、DSM2071株の低莢膜化変異体、4883株、5476株、2725株、2720株、2726株、2723株、2728株、2724株および2580株。 図5A〜B。GAS40a抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図5B。2719株、5468株、3776株、2634株、4436株、2721株、4959株、2727株、3650株、4088株、4538株および2722株。 図6A〜B。GAS40aCH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図6A。DMS2071株、3280株、2721株、3789株、2728株、4883株、DSM2071株の低莢膜化変異体、5476株、SF370株、2720株、2723株、2580株、2724株、2719株、2725株、3776株、2726株、4436株、2728株および4959株。 図6A〜B。GAS40aCH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図6B。5468株、4088株、2634株、4538株、2721株、2722株、2727株および3650株。 図7。GAS40/GAS117ハイブリッド抗原に指向する抗血清によって異なるM型株(2720株、2726株、2725株、3280株、2580株、2728株)の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。 図8。GAS117/GAS40ハイブリッド抗原に指向する抗血清によって異なるM型株(DSM2071株、2634株、DSM2071株の低莢膜化変異体、2727株、3789株、2720株、SF370株、2725株、2580株、2894株、2728株、2913株、2726株、3348株、3280株)の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。 図9A〜B。GAS40aRR抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図9A。DMS2071株、3280株、2721株、4789株、2728株、4883株、DSM2071株の低莢膜化変異体、5476株、SF370株、2720株、2723株、2580株、2724株、2719株、2725株、3776株、2726株、4436株、2728株、4959株。 図9A〜B。GAS40aRR抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図9B。5468株、4088株、2634株、4538株、2721株、2722株、2727株、3650株。 図10A〜B。GAS40aNH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図10A。DMS2071株、3280株、2721株、3789株、2728株、4883株、DSM2071株の低莢膜化変異体、5476株、SF370株、2720株、2723株、2580株、2724株、2719株、2725株、3776株、2726株、4436株、2728株、4959株。 図10A〜B。GAS40aNH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図10B。5468株、4088株、2634株、4538株、2721株、2722株、2727株、3650株。 図11A〜B。GAS40aRRNH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図11A。DMS2071株、3280株、2721株、3789株、2728株、4883株、DSM2071株の低莢膜化変異体、5476株、SF370株、2720株、2723株、2580株、2724株、2719株、2725株、3776株、2726株、4436株、2728株、4959株。 図11A〜B。GAS40aRRNH抗原に指向する抗血清によって異なるM型株の細胞表面上のGAS40タンパク質が検出されることを証明するFACS分析の結果。図11B。5468株、4088株、2634株、4538株、2721株、2722株、2727株、3650株。 図12A〜B。発現ベクターおよび組換えGAS抗原の図。図12A。発現ベクターpET−21+およびpGEX。 図12A〜B。発現ベクターおよび組換えGAS抗原の図。図12B。コードされた組換えタンパク質。 図13。マウスモデルの概略図。 図14。マウスモデルの結果。 図15。GAS40構造の概略図。 図16。異なるGAS血清型のGAS40の発現を示すウェスタンブロット。 図17。GAS40の表面発現を示すFACSピクトグラム。 図18。細菌細胞表面上のGAS40の分布を示す顕微鏡写真。 図19。抗GAS40抗体の殺菌性を示すグラフ。 図20。抗GAS40抗体のオプソニン化性を示すグラフ。 図21。GAS40ドメインの概略図。 図22。GAS40N(配列番号930)で免疫化されたマウスの経時生存率の結果を示すグラフ。 図23。GAS40が異なるM株にわたって表面露出されていることを証明するFACSデータ。 図24。試験した4つのモノクローナル抗体がGAS40Nエピトープに結合しないことを証明するウェスタンブロットおよびFACSグラフ。 図25A〜B。GAS190(配列番号117)の全長アミノ酸配列とアラインメントしたGAS190のプロテイナーゼK消化由来のペプチド。図25A。各ペプチド(配列番号932〜949)。 図25A〜B。GAS190(配列番号117)の全長アミノ酸配列とアラインメントしたGAS190のプロテイナーゼK消化由来のペプチド。図25B。概略図。 図26A〜B。GAS190(配列番号117)の全長アミノ酸配列とアラインメントしたGAS190のトリプシン消化由来のペプチド。図26A。各ペプチド(配列番号950〜961)。 図26A〜B。GAS190(配列番号117)の全長アミノ酸配列とアラインメントしたGAS190のトリプシン消化由来のペプチド。図26B。概略図。 予測LPXTG(配列番号931)タンパク質のまとめ。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図28〜104。同定膜結合タンパク質のトポロジーの表示。プロテアーゼ切断部位を赤色で示す。LPXTG、配列番号931。 図105A〜B。同定された全ての予測膜タンパク質のバイオインフォマティクスベースのトポロジー予測および同定ペプチドとのその適合。タンパク質を、予測膜貫通ドメイン(TMD)数順に並べ、さらに、そのTIGRアクセッション番号順に並べている。図105Aは、そのペプチドがPSORTによって予測されたプロテオミクス適合細胞外ドメインによって同定されたタンパク質を示す。 図105A〜B。同定された全ての予測膜タンパク質のバイオインフォマティクスベースのトポロジー予測および同定ペプチドとのその適合。タンパク質を、予測膜貫通ドメイン(TMD)数順に並べ、さらに、そのTIGRアクセッション番号順に並べている。図105Bは、そのペプチドがPSORTによって予測されたプロテオミクス適合細胞質ドメインによって同定された膜タンパク質を示す。 図106。化膿性レンサ球菌における4つの各表面結合タンパク質型について見出されたタンパク質と予測タンパク質との比較および同定されたタンパク質のFACS応答。LPXTGタンパク質:細胞壁へのLPXTG(配列番号931)繋留モチーフを含む17タンパク質がゲノム中に存在すると予測された。12タンパク質(71%)が認められ、5タンパク質(29%)は認められなかった。同定されたタンパク質のうち、11タンパク質を試験し、これらの全てが陽性であった。膜タンパク質:489の膜タンパク質をin silico分析によって同定した。452タンパク質(92%)が見出されなかったのに対して、見出されたタンパク質数は37(8%)であり、15タンパク質をFACSで試験しなかった。試験したタンパク質のうち、17タンパク質(77%)が、陽性応答を示し、5タンパク質(23%)が陰性であった。リポタンパク質:in silico分析によって予想された28リポタンパク質のうち11リポタンパク質(39%)が見出され、17リポタンパク質(61%)が見出されなかった。見出されたタンパク質の全てをFACS試験し、9リポタンパク質(81%)が陽性であり、2リポタンパク質(19%)が負の応答を示した。分泌タンパク質:67の分泌タンパク質が予測され、59分泌タンパク質(88%)が見出されず、8分泌タンパク質(12%)が見出された。これらのうち、1分泌タンパク質をFACSで試験しなかった。試験したタンパク質のうち、6分泌タンパク質(86%)が陽性であり、陰性は1分泌タンパク質(14%)のみであった。 図107。GAS細菌のペニシリン処置の際に産生された膜脱制限(membrane−delimited)構造の電子顕微鏡写真。 図108。M1、M3、M6、およびM23GAS細菌のヒアルロン酸含有量(fg/CFU)を示すグラフ。 図109A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図109A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図109A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図110A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図110A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図110A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図111A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図111A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図111A〜C。表面露出GAS抗原のFACSピクトグラム。 図112。6人の健常なドナーの血清サンプルから同定された一般的な免疫反応性抗原を示すグラフ。
発明の詳細な説明
本発明は、化膿性レンサ球菌感染の防止および/または治療のための組成物を提供する。これらの組成物は、GAS細菌の表面上で発現するGAS抗原であり得る1つまたは複数の活性因子(active agent)、GAS抗原をコードする核酸分子、および/またはGAS抗原に選択的に結合する抗体を含む。
GAS抗原
本発明の「GAS抗原」には、(1)天然に存在するGAS細菌の免疫原性タンパク質、(2)このようなタンパク質の免疫原性部分、および(3)免疫原性を保持し、天然に存在するGAS免疫原性タンパク質またはその一部(ホモログ、オルソログ、対立遺伝子変異形、および変異体など)のアミノ酸配列と少なくとも50%同一なアミノ酸配列を有する操作タンパク質またはタンパク質の一部が含まれる。特定の配列にしたがって、配列同一度は、好ましくは、50%を超える(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)。典型的には、2ポリペプチド配列間の50%またはそれを超える同一性は、機能的等価物の指標と見なされる。ポリペプチド間の同一性は、好ましくは、ギャップペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=1のパラメーターを使用したアフィンギャップ検索を使用したMPSRCHプログラム(Oxford Molecular)で実行されるSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定される。
例えば、GASタンパク質のアミノ酸配列ならびにこのタンパク質をコードするヌクレオチド配列を、表1で同定する。
好ましくは、GAS抗原は、GASタンパク質より少なくとも1アミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、76、80、85、90、95、100またはこれらを超えるアミノ酸)短い。より好ましくは、GAS抗原は、膜貫通ドメインを欠く。さらにより好ましくは、GAS抗原は、表面露出ドメインを含む。
本発明はまた、同定されたGASタンパク質の種々のポリペプチドフラグメント(免疫原性部分が含まれる)を含む。フラグメントの長さは、特定のGAS抗原のアミノ酸配列に依存して変化し得る。典型的には、GASタンパク質のフラグメントは、少なくとも7つの連続するアミノ酸(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、29、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、178、200、203、250またはこれらを超える連続アミノ酸)を含む。
好ましくは、フラグメントは、1つまたは複数のエピトープを含む。フラグメントは、少なくとも1つの配列のT細胞、好ましくは、B細胞エピトープを含み得る。T細胞およびB細胞エピトープを、(例えば、PEPSCAN(Geysen et al.(1984)PNAS USA 81:3998−4002;Carter(1994)Methods Mol.Biol.36:207−223または類似の方法を使用して)経験的に同定するか、(例えば、Jameson−Wolf antigenicインデックス(Jameson,BA et al.1988,CABIOS 4(1):1818−186)、行列ベースのアプローチ(Raddrizzani and Hammer(2000)Brief Bioinform.1(2):179−189)、TEPITOPE(De Lalla et al.(199)J.Immunol.163:1725−1729)、神経回路網(Brusic et al.(1998)Bioinformatics 14(2):121−130)、OptiMer & EpiMe
r(Meister et al.(1995)Vaccine 13(6):581−591;Roberts et al.(1996)AIDS Res.Hum.Retroviruses 12(7):593−610)、ADEPT(Maksyutov
& Zagrebelnaya(1993)Comput.Appl.Biosci.9(3):291−297)、Tsites(Feller & de la Cruz(1991)Nature 349(6311):720−721)、親水性(Hopp(1993)Peptide Research 6:183−190)、抗原性指数(antigenic index)(Welling et al.(1985)FEBS Lett.188:215−218)、またはDavenport et al.(1995)Immunogenetics 42:392−297に開示の方法などを使用して)予想することができる。
他の好ましいフラグメントには、(1)それぞれ同定されたGASタンパク質のN末端シグナルペプチド、(2)そのN末端シグナルペプチドを含まない同定されたGASタンパク質、(3)10個までのアミノ酸残基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25またはこれらを超える)がN末端またはC末端から欠失したそれぞれ同定されたGAS、および(4)そのN末端アミノ酸残基を含まないGASポリペプチドが含まれる。いくつかのフラグメントは、1つまたは複数のタンパク質ドメインが省略されている(例えば、シグナルペプチド、細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、および/または細胞外ドメイン)。
いくつかのGAS抗原は、本明細書中に開示の表面露出ドメインであり得るGASの免疫原性部分からなる。他のGAS抗原は、「ハイブリッドGAS抗原」であり、全長GASタンパク質の1つまたは複数の免疫原性部分を含む。ハイブリッドGAS抗原(全長GAS抗原も含まれ得る)を、以下に詳述する。他の融合単タンパク質は、例えば、1つまたは複数のさらなる抗原および/またはタグタンパク質(ポリヒスチジン(HIS)またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)など)を含み得る。
好ましくは、GAS抗原は、GAS細菌の表面上、最も好ましくは、1つを超えるM型(例えば、2、3、4、5、6、7、8、または9を超えるM型)、詳細には、M1、M3、M6、M11、M12、および/またはM23GAS型の表面上に発現する。GAS抗原はまた、好ましくは、少なくとも2つの異なる株(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14またはこれらを超える株)の表面上で見出される。好ましいGAS抗原は、複数のM型および/またはM型内の複数の株の間で高度に保存されている。全長GASタンパク質およびこのタンパク質が発現されるM型を列挙した表2を参照のこと。表2のカラム3〜13は、M型(例えば、M1、M2など)を列挙している。実施例1に説明するように、GASタンパク質の存在は、これらのM型の種々の株の表面上に検出された。各型内で試験した株数を、カラム3〜13の括弧内に示す。最後のカラムは、これらの各GAS抗原を発現する全部で20の試験株からの株数を列挙している。
表2に示すように、いくつかのGAS抗原は、多数の異なるM型の表面上およびこれらのいくつかのM型内の複数の株の表面上に発現する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、M1、M3、M6、M11、M12、および/またはM23型の表面上に発現する1つまたは複数のGAS抗原を含む。このGAS型の好ましいGAS抗原:
Figure 2012126742
。さらにより好ましくは、GAS抗原は、少なくとも10のM型(例えば、GAS5、22、40、56、67、76、77、96、99、103、142、166、188、および190)上に曝露されている。
本発明のGAS抗原には、以下のGASタンパク質:
Figure 2012126742
の表面露出ドメインも含まれる(表7を参照のこと)。
他のGAS抗原には、以下のGASタンパク質:
Figure 2012126742
の表面露出ドメインが含まれる(表8を参照のこと)。
さらに他には、以下のGASタンパク質:
Figure 2012126742
の表面露出ドメインが含まれる(表9を参照のこと)。
いくつかの表面露出ドメインを、配列番号591〜649に示す。他の表面露出GAS抗原は、配列番号1〜128からなる群から選択される少なくとも7つの連続するアミノ酸(すなわち、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、50、75または100あるいはこれらを超える)を含む。
GAS抗原には、以下のGASタンパク質:
Figure 2012126742
の表面露出ドメインも含まれる。より好ましいGAS抗原は、
Figure 2012126742
の表面露出ドメインを含む。さらにより好ましい表面露出GAS抗原は、GAS472、GAS473、またはGAS553の表面露出ドメインを含む。
他の有用なGAS抗原には、
Figure 2012126742
、ならびにMタンパク質、GASフィブロネクチン結合タンパク質、GASレンサ球菌ヘム結合タンパク質、およびストレプトリジンS抗原が含まれる。
本発明のワクチンで使用する好ましいGAS抗原群には、
Figure 2012126742
が含まれる(表16を参照のこと)。
GAS680は、推定CoA結合タンパク質と注釈がつけられ、GenBankアクセッション番号GI:13621481およびGI:71909974、M49 GenBankアクセッション番号GI:56808534、Ml8 GenBankアクセッション番号 GI:19747454、M3 GenBankアクセッション番号 GI:28895062に対応し、
Figure 2012126742
ともいう。
本発明のGASワクチンには、好ましくは、GAS57および/またはGAS40の全部または表面部分が含まれる。
GAS40抗原
GAS40タンパク質が多くのM型およびこれらのM型の複数の株で高度に保存されているので、GAS40抗原は本発明の組成物で特に有用である(図1を参照のこと)。GAS40タンパク質は、WO05/032582号に詳述されている。図15も参照のこと。GAS40は、常に、動物モデルを全身免疫化および攻撃誘発ならびに細菌抗体の誘導から防御する(以下の特定の実施例を参照のこと)。GAS40は、極めて高度に保存されたタンパク質であり、ほとんどのM血清型の表面上に曝露されているようである(これまで認められている唯一の例外はM3血清型である)。
種々のM株由来の多数のGAS40タンパク質のアミノ酸配列を、配列番号17〜43に示す。いくつかのGASタンパク質のアミノ酸配列は、GenBankにも含まれ、アクセッション番号GI:13621545およびGI15674449(Ml);アクセッション番号GI:21909733(M3)、およびアクセッション番号GI:19745402(Ml8)を有する。GAS40タンパク質は、「SpyO269」(Ml)、「SpyM3_0197」(M3)、「SpyM18_0256」(Ml8)、および「prgA」としても公知である。
GAS40タンパク質は、典型的には、リーダーペプチド配列(例えば、配列番号17のアミノ酸1〜26)、第1のコイルドコイル領域(例えば、配列番号17のアミノ酸58〜261)、第2のコイルドコイル領域(例えば、配列番号17のアミノ酸556〜733)、ロイシンジッパー領域(例えば、配列番号17のアミノ酸673〜701)、および膜貫通領域(例えば、配列番号17のアミノ酸855〜866)を含む。
GAS40タンパク質の好ましいフラグメントは、C末端由来の1つまたは複数のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25またはこれらを超える)および/またはGAS40タンパク質のN末端由来の1つまたは複数のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25またはこれらを超える)を欠く。1つの実施形態では、リーダー配列が除去されている。別の実施形態では、膜貫通領域が除去されている。他のフラグメントは、GAS40タンパク質の1つまたは複数の他のドメインを省くことができる。
GAS40のコイルドコイル領域は、二量体または三量体などのオリゴマーの形成に関与する可能性が高い。このようなオリゴマーは、ホモマー(相互にオリゴマー化した2つまたはこれを超えるGAS40タンパク質を含む)またはヘテロマー(GAS40とオリゴマー化した1つまたは複数のさらなるGASタンパク質を含む)であり得る。あるいは、2つのコイルドコイル領域は、GAS40タンパク質内で相互作用して、第1および第2のコイルドコイル領域の間にオリゴマー反応物を形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、GAS40抗原は、オリゴマーの形態である。いくつかのオリゴマーは、2つを超えるGAS40抗原を含む。他のオリゴマーは、第2のGAS抗原とオリゴマー化したGAS40抗原を含む。
他の有用なGAS抗原には、GAS40およびGAS117を含む融合タンパク質が含まれる。「40/117」は、GAS40タンパク質がGAS117タンパク質のN末端に存在し、且つHISタグがGAS117タンパク質のC末端に付加されたGASハイブリッド抗原である(配列番号234)。「117/40」は、リンカー排列YASGGGS(配列番号278)によってGAS117がGAS40に融合したGASハイブリッド抗原である。そのアミノ酸配列を、配列番号233に示す。
「GAS40a−HIS」は、HISタグを有するが、リーダー配列および疎水性配列を含まないGAS40抗原である(配列番号235)。GAS40aをコードするヌクレオチド配列を、配列番号892に示す(コドン824(野生型配列中のAGA)をCGTに変異誘発した)。「GAS40aRR」は、コード配列中の2つのさらなるAGAコドン(334および335)がCGTに変異していること以外はGAS40aに類似している。
ハイブリッドGAS抗原
GAS抗原は、それぞれ個別のポリペプチドとして本発明の組成物中に存在することができる。あるいは、上記のGAS抗原のいずれかの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)を、1つのポリペプチド鎖(すなわち、「ハイブリッドGAS抗原」)として発現することができる。ハイブリッドGAS抗原は、2つの主な利点を付与する。第1に、そのままでは不安定であり得るかあまり発現することができないポリペプチドを、適切なハイブリッドパートナーの付加によって補助し、問題を克服することができる。第2に、たった1つの発現および精製手順によって2つのポリペプチドが産生され、その両方が抗原的に有用であるので、市販の製品が簡素化される。
ハイブリッドGAS抗原は、GAS抗原の1つまたは複数のアミノ酸配列および/または1つまたは複数の本発明の他のGAS抗原を含み得る。ハイブリッドは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個またはこれらを超えるGAS抗原由来のアミノ酸配列を含み得る。本発明の組成物では、GAS抗原は、1つを超えるハイブリッドGAS抗原中に存在することができ、そして/または非ハイブリッドGAS抗原として存在することができる。
ハイブリッドGAS抗原は、1つのポリペプチド鎖として発現した少なくとも2つのGAS抗原(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)を含む。好ましいハイブリッドGAS抗原は、少なくとも1つの表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原を含む。ハイブリッドGAS抗原は、2つの主な利点を付与する。第1に、そのままでは不安定であり得るかあまり発現することができないポリペプチドを、適切なハイブリッドパートナーの付加によって補助し、問題を克服することができる。第2に、たった1つの発現および精製手順によって2つのポリペプチドが産生され、その両方が抗原的に有用であるので、市販の製品が簡素化される。
ハイブリッドGAS抗原を、以下の式によって示すことができる:
NH−A−(−X−L−)n−B−COOH
(式中、Xは表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原または二次GAS抗原のアミノ酸配列であり、Lは任意選択的なリンカーアミノ酸配列であり、Aは任意選択的なN末端アミノ酸配列であり、Bは任意選択的なC末端アミノ酸配列であり、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である)。
−X−部分がその野生型形態のリーダーペプチド配列を有する場合、これを、ハイブリッド抗原中に含めても省いてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドタンパク質のN末端に存在するX部分のリーダーペプチド以外のリーダーペプチドを欠失する(すなわち、Xのリーダーペプチドを保持するが、X...Xのリーダーペプチドが省かれる)。これは、全リーダーペプチドの欠失および部分−A−としてのXのリーダーペプチドの使用と等価である。
(−X−L−)の各nの例について、リンカーアミノ酸配列−L−は、存在していても存在しなくても良い。例えば、n=2の場合、ハイブリッドは、NH−X−L−X−L−COOH、NH−X−X−COOH、NH−X−L−X−COOH、NH−L−X−L−COOHなどであり得る。リンカーアミノ酸配列−L−は、典型的には、短い(例えば、20またはそれ未満のアミノ酸(すなわち、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1))。例には、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリグリシンリンカー(Gly(式中、n=2、3、4、5、6、7、8、9、20またはこれらを超える)、およびヒスチジンタグ(His(式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10またはこれらを超える)が含まれる。他の適切なリンカーアミノ酸配列は、当業者に明らかである。有用なリンカーは、Gly−SerジペプチドがBamHI制限部位から形成されており、これがクローニングおよび操作を補助するGSGGGG(配列番号280)であり、(Gly)テトラペプチドは典型的なポリグリシンリンカーである。
−A−は、任意選択的なN末端アミノ酸配列である。これは、典型的には、短い(例えば、40またはそれ未満のアミノ酸(すなわち、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1))。例には、タンパク質輸送を指示するためのリーダー配列またはクローニングまたは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグHis(式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはこれらを超える)が含まれる。他の適切なN末端アミノ酸配列は、当業者に明らかである。Xがそれ自体のN末端メチオニンを欠く場合、−A−は、好ましくは、N末端メチオニンを提供するオリゴペプチド(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8のアミノ酸を含む)である。
−B−は、任意選択的なC末端アミノ酸配列である。これは、典型的には、短い(例えば、40またはそれ未満のアミノ酸(すなわち、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1))。例には、タンパク質輸送を指示するための配列またはクローニングまたは精製を容易にする短いペプチド配列(例えば、His(式中、n=3、4、5、6、7、8、9、10、またはこれらを超える)、またはタンパク質安定性を増強する配列が含まれる。他の適切なC末端アミノ酸配列は、当業者に明らかである。
ハイブリッド内の各GAS抗原(各−X−部分)は、1つまたは複数の株または1つまたは複数のM型に由来し得る。n=2の場合、例えば、XはXと同一の株もしくは型または異なる株または型に由来し得る。n=3の場合、株は、
Figure 2012126742
であり得る。
表面露出GAS抗原の同定
表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原(GAS「サーフォーム(surfome)」)を、以下に概説のいくつかのプロテオミクスアプローチの任意の1つまたは組み合わせを使用して同定することができる。これらのプロテオミクスストラテジーは、逆ワクチン学(reverse vaccinology)などの他のストラテジーと比較した場合にワクチン発見に必要な時間が短縮される可能性が非常に高い。これらの方法によって同定された表面結合GAS抗原および/または表面結合GAS抗原を、化膿性レンサ球菌感染の防止および治療のための組成物中の活性因子として使用することができる。
1つの実施形態を、実施例13に記載する。簡潔に述べれば、全GAS細菌細胞の表面を、生理学的条件下でタンパク質を切断する試薬を使用してin vivoで消化する。典型的には、試薬はプロテアーゼ(例えば、トリプシン、プロテアーゼK、パパイン)であるが、任意のタンパク質切断試薬を使用することができる。これらの試薬には、例えば、ギ酸、ヒドロキシルアミン、BNPS−スカトール(Trp残基で切断する3−ブロモ−3−メチル−2−(o−ニトロフェニル−スルフェニル)−インドレニン)、臭化シアン(目地温残基のカルボキシル側のポリペプチドを切断する)、金属キレート試薬(Fe−EDTAなど)などが含まれる。プロテアーゼは、遊離であっても繋留されていても良く、この後者の状態は、表面突出領域の同定に好ましい。1つを超えるタンパク質切断試薬の組み合わせを使用することができる。次いで、回収されたペプチドを、液体クロマトグラフィによって分離し、タンデム質量分析によって同定する。同定されたタンパク質の免疫系への実際の接近可能性を、蛍光標識細胞分取(FACS)分析によって評価することができる。このプロテオミクスアプローチにより、ソフトウェアベースのトポロジー予測を検証するかその逆が可能である。
別の実施形態を、実施例14に記載する。このアプローチは、抗生物質処置後のGAS細菌からの膜脱制限構造の過剰産生を含む。Hakenbeck et al.,J.Bacteriol.155,1372−81,1983(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。野生型GAS細菌または変異GAS細菌のいずれか(例えば、「漏出性」または脱安定化ペプチドグリカン細胞壁を有する細菌)を、本方法で使用することができる。GAS細菌は、膜脱制限構造を天然に産生し、成長培地に放出する。細菌を細胞壁の合成を妨害する抗生物質(ペニシリン、セファロスポリン、グリコペプチド、およびシクロセリンなど)で処置した場合、これらの膜脱制限構造の産生が増加する。バンコマイシン(細胞壁合成およびソルターゼ(sortase)を阻害するグリコペプチド)は、ソルターゼによって触媒される表面タンパク質繋留を妨害し、これを使用して、膜脱制限構造の過剰産生をさらに増加させることができる。膜脱制限構造は、潜在的なワクチン候補であるGASタンパク質を含む。GASタンパク質を、電気泳動によって分離し、質量分析(例えば、MALDI−TOF)を使用して同定することができる。あるいは、GASタンパク質をプロテアーゼで消化し、得られたフラグメントを、液体クロマトグラフィによって分離し、タンデム質量分析を使用して同定することができる。
第3の実施形態を、実施例15に記載する。この方法では、細胞壁および/または膜画分を、例えば、6Mグアニジウム、尿素、またはSDSを使用した細菌細胞の化学的細胞分画によって生成する。細胞壁は、これらの試薬中で不溶性を示す。この特性により、細胞壁を単離し、繋留細胞壁タンパク質を同定することが可能である。これらの画分中のGASタンパク質を、上記のように分離し、同定することができる。
第4の実施形態は、細胞表面GASタンパク質の標識(例えば、ビオチン化による)、細胞の溶解、およびアフィニティクロマトグラフィを使用した標識タンパク質の単離を含む。単離タンパク質を、電気泳動によって分離し、質量分析を使用して同定することができる。あるいは、単離タンパク質を、溶液中で消化し、その後に標識ペプチドをアフィニティクロマトグラフィによって単離し、標識ペプチドを液体クロマトグラフィによって分離し、標識ペプチドをタンデム質量分析を使用して同定することができる。これらの方法により、標識ペプチドが選択的に単離され、それにより、真に曝露されたドメインを同定可能である。この場合、2つのアフィニティクロマトグラフィ工程の使用により、クロマトグラフィカラムにロードされるサンプルの複雑さが軽減される。
全ての上記実施形態について、より豊富な公知の表面露出抗原(Mタンパク質およびC5aペプチダーゼなど)の1つの遺伝子が欠失した変異体を使用することができる。これらの変異体により、以前に同定されていないあまり豊富でない表面タンパク質の確率が増加する。
細菌サーフォームの分析により、化膿性レンサ球菌に対するワクチンで有用な抗原の強力な同定方法が得られる。例えば、これらの技術を使用して、上記のように、本発明者らは、マウスにおいて高病原性M3(MGAS315)株に対する顕著な防御を付与するタンパク質Spy0416(GAS57)を同定した。Spy0416は、1647個のアミノ酸タンパク質であり、C末端LPXTG様モチーフを保有し、C5aペプチダーゼ前駆体と48%類似している。配列番号118を参照のこと。このタンパク質は、タンパク質の最初の600アミノ酸内にマッピングされるCa依存性セリンプロテアーゼ活性を有する(Fernandez−Espla,App.Env.Microbiol.,2000)。SpyO416はB群レンサ球菌(GBS)(cspA)中にホモログを有し、このホモログは、オプソニン化食作用(opsonophagocytic)による死滅から細菌を潜在的に防御することによってGBS病原性に関与すると提案されていた(Harris et at ,J.Clin.Invest.Ill,61−70,2003)。Lei and co−workersは、最近、Spy0416の31kDaN末端フラグメントがGAS培養物上清中に放出され、GAS感染患者由来の血清によってタンパク質が十分に認識されることを見出した(Lei et at,Inf.Immunol.68,6807−18,2000)。5つの利用可能な化膿性レンサ球菌ゲノム配列に基づいて、タンパク質は高度に保存されているようであり(98%超)、20の異なるGAS株パネル上の表面発現についての予備データは、Spy0416が70%を超える循環株の主成分であることを示す。したがって、Spy0416は、単独または1つまたは複数の他のGAS抗原と組み合わせた免疫原性組成物での使用に好ましい抗原である。
核酸分子
配列表は、本明細書中に開示の表面露出ドメインおよび/または表面結合ドメインおよび全長タンパク質ならびにさらなる開示された二次GAS抗原のコード配列を示す。しかし、下記のように、特定の抗原をコードする任意のヌクレオチド配列を、例えば、DNAワクチンとして本発明の組成物中で使用することができるか、組換えによってGAS抗原を産生するために使用することができる。少なくとも3つのGAS株の全ゲノム配列が光的に利用可能であり、これらを使用してGAS抗原のコード配列を得ることができる。M1 GAS株のゲノム配列は、Ferretti et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98,4658−63,2002で報告されている。M3 GAS株のゲノム配列は、Beres et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99,10078−83,2002で報告されている。M18
GAS株のゲノム配列は、Smooet et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99,4668−73,2002で報告されている。
本発明は、同定されたGASタンパク質およびタンパク質フラグメントをコードする核酸分子を含む。本発明はまた、このような分子と少なくとも50%の配列が同一なヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。特定の配列に依存して、配列同一度は、好ましくは、50%を超える(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれらを超える)。ヌクレオチド配列間の同一性を、好ましくは、パラメーター(ギャップオープンペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=1)を使用したアフィンギャップ検索を使用してMPSRCHプログラム(Oxfor Molecular)で実行されるSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定する。
本発明はまた、これらの分子とハイブリッド形成することができる核酸分子を提供する。ハイブリッド形成反応を、異なる「ストリンジェンシー」条件下で行うことができる。ハイブリッド形成反応のストリンジェンシーを増加させる条件は、当該分野で広く知られており、公開されている。例えば、page 7.52 of Sambrook et
al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,1989を参照のこと。関連条件の例には、以下が含まれる(ストリンジェンシーが増大する順序で):25℃、37℃、50℃、55℃および68℃のインキュベーション温度、10×SSC、6×SSC、1×SSC、および0.1×SSC(SSCは、0.15M NaClおよび15mMクエン酸緩衝液である)の緩衝液濃度、ならびに他の緩衝液系を使用したその等価物、0%、25%、50%、および75%のホルムアルデヒド濃度、5分〜24時間のインキュベーション時間、1回、2回、またはこれらを超える洗浄工程数、1、2、または15分間の洗浄インキュベーション時間、6×SSC、1×SSC、0.1×SSC、または脱イオン水の洗浄液。ハイブリッド形成技術およびその至適化は、当該分野で周知である。例えば、Sambrook,1989;Ausubel et al.,eds.,Short Protocols in Molecular Biology,4th ed.,1999;米国特許第5,707,829号;Ausubel et a!.,eds.,Current Protocols in
Molecular Biology,Supplement 30,1987を参照のこと。
いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子は低ストリンジェンシー条件下で標的とハイブリッド形成し、他の実施形態では、本発明の核酸分子は中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成し、好ましい実施形態では、本発明の核酸分子は高ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成する。低ストリンジェンシーハイブリッド形成条件の例は、50℃および10×SSCである。中程度のストリンジェンシーハイブリッド形成条件の例は、55℃および1×SSCである。高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件の例は、68℃および0.1×SSCである。
これらの配列のフラグメントを含む核酸分子も本発明に含まれる。これらは、これらの配列のn個の連続するヌクレオチドを含み、特定の配列に依存して、nは10またはこれを超える(例えば、12、14、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200またはこれらを超える)。
本発明の核酸(およびポリペプチド)には、以下の配列が含まれ得る:
(a)配列表に開示された配列と同一の配列(すなわち、100%同一)、
(b)配列表に開示された配列と配列同一性を共有する配列、
(c)(a)または(b)の配列と比較して離れた位置に存在し得るか連続し得る、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の単一のヌクレオチドまたはアミノ酸が変化している配列、および
(d)ペアワイズアラインメントアルゴリズムを使用して配列表由来の特定の配列とアラインメントした場合、p−x+1個のこのような窓が存在するpモノマー(p>xの場合)まで伸長するアラインメントについて、各窓が少なくともx・y個の同一のアラインメントしたモノマーを有し(ここで、xは、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200から選択され、yは0.50、0.60、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99から選択される)、x・yが整数ではない場合、最も近い整数まで切り上げられるような開始(N末端または5’)から終止(C末端または3’)まで移動するxモノマー(アミノ酸またはヌクレオチド)の窓の移動。好ましいペアワイズアラインメントアルゴリズムは、デフォルトパラメータ(例えば、EBLOSUM62スコアリング行列を使用したギャップオープンペナルティ=10.0およびギャップ伸長ペナルティ=0.5)を使用したNeedleman−Wunsch全域アラインメントアルゴリズム(Needleman & Wunsch(1970)J.MoI.Biol.48,443−453)である。このアルゴリズムは、EMBOSSパッケージ中のニードルツールで都合良く実行される(Rice
et al.(2000)Trends Genet.16:276−277]。
本発明の核酸およびポリペプチドは、さらに、これらの配列(a)〜(d)のN末端/5’および/またはC末端/3’に対する配列をさらに有することができる。
抗体
本明細書中に開示の表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原または二次GASまたは非GASポリペプチド抗原に特異的に結合する抗体を生成することができる。用語「抗体」には、インタクトな免疫グロブリン分子ならびに抗原結合することができるそのフラグメントが含まれる。これらには、ハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えば、Winter et al.,Nature 349,293−99,1991;米国特許第4,816,567号)、F(ab’)2およびF(ab)フラグメントならびにFv分子、非共有結合性ヘテロ二量体(例えば、Inbar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.69,2659−62,1972;Ehrlich et al.,Biochem 19,4091−96,1980)、単鎖Fv分子(sFv)(例えば、Huston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85,5897−83,1988)、二量体および三量体の抗体フラグメント構築物、ミニボディ(minibodies)(例えば、Pack et al.,Biochem 31,1579−84,1992;Cumber et al.,J.Immunology 149B,120−26,1992)、ヒト化抗体分子(例えば、Riechmann et al.,Nature 332,323−27,1988;Verhoeyan et al.,Science 239,1534−36,1988;および1994年9月21日公開の英国特許公開番号GB 2,276,169号、このような分子から得た任意の機能的フラグメント、ならびにファージディスプレイなどの非従来的プロセスによって得た抗体が含まれる。好ましくは、抗体はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体を得る方法は、当該分野で周知である。
典型的には、エピトープの形成には、少なくとも6、7、8、10、または12個の連続したアミノ酸が必要である。しかし、非連続アミノ酸を含むエピトープは、より多くの(例えば、少なくとも15、25、または50個の)アミノ酸を必要とし得る。種々の免疫アッセイ(例えば、ウェスタンブロット、ELISA、放射免疫アッセイ、免疫組織化学アッセイ、免疫沈降、または当該分野で公知の他の免疫化学アッセイ)を使用して、所望の特異性を有する抗体を同定することができる。競合性結合または免疫放射定量アッセイのための多数のプロトコールが当該分野で周知である。このような免疫アッセイは、典型的には、免疫原と免疫原に特異的に結合する抗体との間の複合他形成の測定を含む。特定の抗原に特異的に結合する抗体の調製物により、免疫化学アッセイで使用した場合、他のタンパク質を使用して得た検出シグナルの少なくとも5、10、または20倍の検出シグナルが得られる。好ましくは、抗体は、免疫化学アッセイで他のタンパク質を検出せず、溶液から特定の抗原を免疫沈降することができる。
抗体の生成
GAS抗原または非GASポリペプチド抗原(下記)を使用して、哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、またはヒトなど)を免疫化してポリクローナル抗体を産生することができる。必要に応じて、抗原を、キャリアタンパク質(ウシ血清アルブミン、サイログロブリン、およびキーホールリンペットヘモシアニンなど)に抱合することができる。宿主の種に依存して、種々のアジュバントを使用して、免疫応答を増大指せることができる。このようなアジュバントには、フロイントアジュバント、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、および界面活性剤(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノール)が含まれるが、これらに限定されない。ヒトで使用されるアジュバントのうち、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)およびコリネバクテリウム・パルバムが特に有用である。
抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を、連続継代細胞株によって抗体分子を産生する任意の技術を使用して調製することができる。これらの技術には、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBVハイブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されない(Kohler et al.,Nature 256,495 497,1985;Kozbor et al.,J.Immunol.Methods
81,31 42,1985;Cote et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.80,2026 2030,1983;Cole et al.,Mol.Cell Biol.62,109 120,1984)。
さらに、「キメラ抗体」の産生のために開発された技術(適切な抗原特異性および生物活性を有する分子を得るためのヒト抗体遺伝子に対するマウス抗体遺伝子のスプライシング)を使用することができる(Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.81,6851 6855,1984;Neuberger et al.,Nature 312,604 608,1984;Takeda et al.,Nature 314,452 454,1985)。モノクローナル抗体および他の抗体を「ヒト化」して、治療で使用した場合に患者が抗体に対する免疫応答を生じるのを防止することができる。このような抗体は、治療で直接使用されるヒト抗体と配列が十分に類似し得るか、いくつかの重要残基の変化を必要とし得る。各残基の部位特異的範囲誘発または全相補性決定領域のグラフティングによるヒト配列と配列が異なる残基の置換によって、げっ歯類抗体とヒト配列との間の配列の相違を最小にすることができる。
あるいは、下記の組換え法を使用して、ヒト化抗体を産生することができる。米国特許第5,565,332号に開示のように、特定の抗原に特異的に結合する抗体は、部分的または完全にヒト化された抗原結合部位を含み得る。
あるいは、単鎖抗体の産生について記載した技術を当該分野で公知の方法を使用して、特定の抗原に特異的に結合する単鎖抗体を産生するように適合させることができる。関連する特異性を有するがイディオタイプ組成が異なる抗体を、鎖シャフリングによって無作為な組み合わせ免疫グロブリンライブラリーから生成することができる(Burton,Proc.Natl.Acac.Sci.88,11120 23,1991)。
テンプレートとしてハイブリドーマcDNAを使用したPCRなどのDNA増幅法を使用して、単鎖抗体を構築することもできる(Thirion et al.,1996,Eur.J.Cancer Prev.5,507−11)。単鎖抗体は、単一特異性または二重特異性を示し、2価または3価であり得る。4価の二重特異性単鎖抗体の構築は、例えば、Coloma & Morrison,1997,Nat.Biotechnol.15,159−63に教示されている。2価の二重特異性単鎖抗体の構築は、Mallender & Voss,1994,J.Biol.Chem.269,199−206に教示されている。
下記のように、単鎖抗体をコードするヌクレオチド配列を、手作業または自動化されたヌクレオチド合成を使用して構築し、標準的な組換えDNA法を使用して発現構築物にクローン化し、コード配列を発現鎖させるための細胞に移入することができる。あるいは、単鎖抗体を、例えば、線状ファージテクノロジーを使用して直接産生することができる(Verhaar et al.,1995,Int.J.Cancer 61,497−501;Nicholls et al.,1993,J.Immunol.Meth.165,81−91)。
文献に開示のように、特定の抗原に特異的に結合する抗体を、リンパ球集団のin vivo産生の誘導または特異性の高い結合試薬の免疫グロブリンのライブラリーもしくはパネルのスクリーニングによって産生することもできる(Orlandi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.86,3833 3837,1989;Winter et al.,Nature 349,293 299,1991)。
WO93/03151号に開示のように、キメラ抗体を構築することができる。免疫グロブリンに由来し、且つ多価および多重特異性を示す結合タンパク質(WO94/13804号に記載の「ダイアボディ」など)を調製することもできる。
当該分野で周知の方法によって抗体を精製することができる。例えば、関連抗原が結合したカラムの通過によって、抗体を親和性精製することができる。次いで、結合した抗体を、高塩濃度の緩衝液を使用してカラムから溶離することができる。
ポリペプチド抗原の産生
ポリペプチドの組換え産生
特定の抗原をコードする任意のヌクレオチド配列を使用して、抗原を組換えによって産生することができる。必要に応じて、一旦そのアミノ酸配列がわかると、抗体を組換えによって産生することができる。
本発明のGAS抗原を産生するために使用することができる配列の例を、表1に分類する。表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原または二次GAS抗原をコードする核酸分子を、標準的な核酸精製技術を使用して適切な化膿性レンサ球菌から単離するか、増幅技術(ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)など)を使用するか、自動化合成機の使用によって合成することができる。核酸の単離方法は日常的であり、当該分野で公知である。任意のこのような核酸分子を得るための技術を使用して、特定の抗原をコードする核酸分子を得ることができる。特定の抗原または抗体をコードする配列の全体または一部を、当該分野で周知の化学的方法を使用して合成することができる(Caruthers
et al.,Nucl.Acids Res.Symp.Ser.215 223,1980;Horn et al.Nucl.Acids Res.Symp.Ser.225 232,1980を参照のこと)。
テンプレートとしてmRNAを使用した標準的分子生物学技術を使用して、cDNA配列を作製することができる。その後、cDNA分子を、当該分野で周知の分子生物学技術を使用して複製することができる。テンプレートとしてゲノムDNAまたはcDNAのいずれかを使用したPCRなどの増幅技術を使用して、本発明のポリヌクレオチドのさらなるコピーを得ることができる。
必要に応じて、当該分野で一般的に公知の方法を使用してヌクレオチド配列を操作し、種々の理由のために抗原コード配列を変化させることができる(ポリペプチドまたはmRNA産物のクローニング、プロセシング、および/または発現を修飾する変化が含まれるが、これらに限定されない)。ランダム断片化によるDNAシャフリングおよび遺伝子フラグメントのPCR再アセンブリ、および合成オリゴヌクレオチドを使用して、ヌクレオチド配列を操作することができる。例えば、部位特異的変異誘発を使用して、新規の制限部位を挿入し、グリコシル化パターンを変化させ、コドン使用頻度を変化させ、スプライスバリアントを産生し、変異を移入するなどを行うことができる。
配列修飾(精製タグ配列の付加またはコドン至適化など)を使用して、発現を容易にすることができる。例えば、N末端リーダー配列を、ポリヒスチジン(「HIS」)またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ(「GST」)などのタグタンパク質をコードする配列と置換することができる。このようなタグタンパク質を使用して、精製、検出、および発現タンパク質の安定性を促進することができる。特定の原核生物宿主または真核生物宿主によって好まれるコドンを選択して、タンパク質発現率を増加させるか望ましい性質(天然に存在する配列から生成した転写物よりも長い半減期など)を有するRNA転写物を産生することができる。これらの方法は、当該分野で周知であり、WO05/032582号に記載されている。
発現ベクター
抗原または抗体をコードする核酸分子を、挿入されたコード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含む発現ベクターに挿入することができる。当業者に周知の方法を使用して、コード配列ならびに適切な転写および翻訳調節エレメントを含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、in vitro組換えDNA技術、合成技術、およびin vivo遺伝子組換えが含まれる。
宿主細胞
異種宿主は、原核生物宿主または真核生物宿主であり得る。大腸菌は、好ましい宿主細胞であるが、他の適切な宿主には、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトコッカス・クレモリス、枯草菌、コレラ菌、チフス菌、ネズミチフス菌、ナイセリア・ラクタミカ、ナイセリア・シネレア、マイコバクテリア(例えば、結核菌)、酵母などが含まれる。
宿主細胞株を、挿入配列の発現を調整するか所望の様式で発現ポリペプチドをプロセシングする能力について選択することができる。ポリペプチドのこのような修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、およびアセチル化が含まれるが、これらに限定されない。ポリペプチドの「プレプロ」形態を切断する翻訳後プロセシングを使用して、正確な挿入、折り畳み、および/または機能を促進することもできる。翻訳後活性に特異的な細胞機構および特徴的な機構を有する異なる宿主細胞は、American Type Culture Collection(ATCC;10801
University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209)から利用可能であり、外来タンパク質の正確な修飾およびプロセシングを確実にするために選択することができる。WO01/98340号を参照のこと。
発現構築物を、十分に確立されている技術(トランスフェリン−ポリカチオン媒介DNA導入、裸の核酸または莢膜化された核酸でのトランスフェクション、リポソーム媒介細胞融合、DNAコーティングラテックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレクトロポレーション、「遺伝子銃」法、およびDEAEまたはリン酸カルシウム媒トランスフェクションが含まれるが、これらに限定されない)を使用して、宿主に移入することができる。
発現ベクターで形質転換した宿主細胞を、発現および細胞培養物からのタンパク質の回収に適切な条件下で培養することができる。使用したヌクレオチド配列および/または発現ベクターに依存して、形質転換細胞によって産生されたタンパク質を分泌するか、細胞内に含めることができる。当業者は、原核細胞膜または真核細胞膜を介した可溶性抗原の分泌を指示するシグナル配列を含むように発現ベクターをデザインすることができると理解する。
精製
本発明で使用される抗原を、適切な化膿性レンサ球菌またはGAS抗原もしくは非GAS抗原を産生するように操作された宿主細胞から単離することができる。当該分野で周知の方法を使用して、精製ポリペプチド抗原を、細胞中の他の成分(タンパク質、炭水化物、または脂質など)から分離する。このような方法には、サイズ排除クロマトグラフィ、硫酸アンモニウム分画、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ、および分離ゲル電気泳動が含まれるが、これらに限定されない。精製ポリペプチド抗原の調製物の純度は、少なくとも80%であり、好ましくは、調製物の純度は、90%、95%、または99%である。調製物の純度は、既知のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法のような手法によって評価できる。必要に応じて、ポリペプチド抗原を、例えば、尿素を使用して可溶化することができる。
化学合成
本発明の組成物中で使用されるGAS抗原および他の抗原を、例えば、固相技術を使用して合成することができる。例えば、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85,2149 54,1963;Roberge et al.,Science
269,202 04,1995を参照のこと。手作業の技術または自動化を使用してタンパク質合成を行うことができる。Applied Biosystems 431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)を使用して、自動化合成を行うことができる。任意選択的に、表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原のフラグメントを個別に合成し、化学的方法を使用して組み合わせて全長分子を産生することができる。
抗体またポリペプチド抗原をコードする核酸分子を、従来の方法(リン酸トリエステル法(Hunkapiller,M.et al.(1984),Nature 310:105−111)など)または核酸の化学合成(Grantham,R.et al.(1981),Nucleic Acids Res.9:r43−r74)によって合成することができる。
免疫原性組成物、診断組成物、および治療組成物
本発明はまた、薬物(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)または宿主被験体中のGAS感染の検出のための診断試薬として使用するための組成物を提供する。本発明はまた、(i)GAS細菌による感染の治療または防止のための薬物、(ii)GAS細菌もしくはGAS細菌に対して惹起される抗体の存在の検出のための診断試薬、および/または(iii)GAS細菌に対する抗体を惹起することができる試薬の製造のための組成物の使用を提供する。
例えば、GAS抗原またはこの抗原をコードする核酸を、GAS感染の存在の検出もしくはGAS細菌に対して惹起される抗体の検出のための診断試薬の製造またはGAS細菌に対する抗体を惹起することができる試薬の製造で使用することができる。当該分野で公知のように、二重鎖を形成するハイブリッド形成条件下で核酸プローブと生体サンプルとを接触させ、二重鎖を検出することによって、GAS抗原をコードする核酸を検出することができる。GAS抗原に特異的に結合する抗体を使用して、GAS抗原を検出することができる。同様に、GAS抗原に対する抗体を使用して、抗体−抗原複合体の形成に適切な条件下で抗体サンプルを接触させ、形成された任意の複合体を検出することによってGAS抗原を検出することができる。本発明はまた、これらの方法の使用に適切な試薬を含むキットを提供する。
治療組成物
本発明の組成物は、化膿性レンサ球菌感染の防止および/または治療に有用である。GAS抗原を含む組成物は、好ましくは、免疫原性組成物であり、より好ましくは、ワクチン組成物である。このような組成物のpHは、好ましくは、pH6とpH8との間であり、好ましくは約pH7である。緩衝液の使用によってpHを維持することができる。組成物は、無菌および/または無発熱物質であり得る。組成物は、ヒトに関して等張であり得る。
本発明のワクチンを、予防または治療で使用することができるが、典型的には、予防的に使用される。したがって、本発明は、化膿性レンサ球菌感染の治療的処置方法または予防的処置方法を含む。動物は、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくはヒトである。本方法は、動物に治療または予防量の本発明の免疫原性組成物を投与する工程を含む。
本発明のいくつかの組成物は、少なくとも2つの上記の表面露出GAS抗原を含む。本発明の他の組成物は、2つの表面露出GAS抗原をコードする少なくとも1つの核酸分子を含む。本発明のさらに他の組成物は、少なくとも2つの抗体を含み、それぞれが2つの表面露出GAS抗原のうちの1つを特異的に結合する。本発明の好ましい組成物は、GAS40抗原である少なくとも1つの表面露出、任意の他のGAS抗原である他の抗原、2つの抗原をコードする少なくとも1つの核酸分子または2つの抗原に特異的に結合する少なくとも2つの抗体を含む。いくつかの組成物は、1つまたは複数のさらなるGAS抗原、さらなる抗原をコードする核酸分子、またはさらなる抗原に特異的に結合する抗体を含む。これらの抗原のうち、GAS117が好ましい。
上記のように、本発明の組成物は、少なくとも2つのGAS抗原をコードする核酸分子および任意選択的に組成物中に含めることができる他の抗原を含む(以下を参照のこと)。例えば、Robinson & Torres(1997)Seminars in Immunology 9:271−283;Donnelly et al.(1997)Ann.Rev Immunol 15:617−648;Scott−Taylor & Dalgleish(2000)Expert Opin Investig Drugs 9:471−480;Apostolopoulos & Plebanski(2000)Curr Opin Mol Ther 2:441−447;Ilan(1999)Curr Opin Mol Ther 1:116−120;Dubensky et al.(2000)Mol Med 6:723−732;Robinson & Pertmer(2000)Adv Virus Res 55:1−74;Donnelly et al.(2000)Am J Respir Crit Care Med 162(4 Pt 2):S190−193;Davis(1999)Mt.Sinai J.Med.66:84−90を参照のこと。典型的には、核酸分子は、DNA分子(例えば、プラスミドの形態)である。
化膿性レンサ球菌感染の治療組成物は、GAS抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗体および任意選択的に非GAS抗原に特異的に結合する抗体を含む。本発明のいくつかの組成物は免疫原性を示し、且つ1つまたは複数のポリペプチド抗原を含む一方で、他の抗原性組成物は、表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原、ならびに任意選択的に二次GAS抗原または非GAS抗原をコードする核酸分子を含む。例えば、Robinson & Torres(1997)Seminars in Immunology 9:271−283;Donnelly et al.(1997)Ann.Rev Immunol 15:617−648;Scott−Taylor & Dalgleish(2000)Expert Opin Investig Drugs 9:471−480;Apostolopoulos & Plebanski(2000)Curr Opin MoI Ther 2:441−447;Ilan(1999)Curr Opin Mol Ther 1:116−120;Dubensky et al.(2000)Mol Med 6:723−732;Robinson & Pertmer(2000)Adv Virus Res 55:1−74;Donnelly et al.(2000)Am J Respir Crit Care Med 162(4 Pt 2):S190−193 Davis(1999)Mt.Sinai J.Med.66:84−90を参照のこと。典型的には、核酸分子は、DNA分子(例えば、プラスミドの形態)である。
本発明の他の組成物は、少なくとも1つの活性因子を含む。化膿性レンサ球菌感染防止のための組成物は、活性因子として、本発明のGAS抗原を含むポリペプチドまたはこのポリペプチドをコードする核酸分子のいずれかを含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1つまたは複数のさらなる活性因子を含み得る。このような薬剤には、(a)本発明の別のGAS抗原、好ましくは、表面露出GAS抗原、(b)小児ワクチンで有用なポリペプチド抗原、(c)高齢または免疫不全状態の個体のためのワクチンで有用なポリペプチド抗原、(d)(a)〜(c)および(a)〜(c)に特異的に結合する抗体をコードする核酸分子が含まれるが、これらに限定されない。
さらなる抗原
本発明の組成物を、本発明の治療方法、予防方法、または診断方法で使用される1つまたは複数の抗原と組み合わせて投与することができる。好ましい抗原には、下に列挙した抗原が含まれる。さらに、本発明の組成物を使用して、以下に列挙した病原体のいずれかに起因する感染症を治療または防止することができる。下記の抗原との組み合わせに加えて、本発明の組成物を、本明細書中に記載のアジュバントと組み合わせることもできる。
本発明で使用される抗原には、下記の1つまたは複数の以下の抗原、下記の1つまたは複数の病原体由来の抗原が含まれるが、これらに限定されない。
A.細菌抗原
本発明での使用に適切な細菌抗原には、細菌から単離、精製することができるか由来し得るタンパク質、ポリサッカリド、リポポリサッカリド、および外膜小胞が含まれる。さらに、細菌抗原には、細菌溶解物および不活化細菌処方物が含まれ得る。細菌抗原を、組換え発現によって産生することができる。細菌抗原には、好ましくは、その生活環の少なくとも1つの段階で細菌表面上に曝露されるエピトープが含まれる。細菌抗原は、好ましくは、複数の血清型で保存されている。細菌抗原には、下記の1つまたは複数の細菌に由来する抗原および以下で同定された特定の抗原例が含まれる。
髄膜炎菌。髄膜炎抗原には、髄膜炎菌血清型(A型、C型、W135型、Y型、および/またはB型など)から精製されたか由来するタンパク質(引例1〜7で同定されたタンパク質など)、サッカリド(ポリサッカリド、オリゴサッカリド、またはリポポリサッカリドが含まれる)、外膜小胞(引例8、9、10、11)が含まれ得る。髄膜炎タンパク質抗原を、接着物、接着物、オートトランスポーター(autotransporter)、毒素、Fe捕捉タンパク質、および膜結合タンパク質(好ましくは、内在性外膜タンパク質)から選択することができる。
肺炎球菌。肺炎球菌抗原には、肺炎球菌由来のサッカリド(ポリサッカリドまたはオリゴサッカリドが含まれる)および/またはタンパク質が含まれ得る。サッカリド抗原を、血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33Fから選択することができる。タンパク質抗原を、WO98/18931号、WO98/18930号、米国特許第6,699,703号、同第6,800,744号、WO97/43303号、およびWO97/37026号で同定されたタンパク質から選択することができる。肺炎球菌タンパク質を、ポリヒスチジン三連構造ファミリー(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX短縮物、LytXファミリー、LytX短縮物、CbpX短縮物−LytX短縮物キメラタンパク質、ニューモリシン(Ply)、PspA、PsaA、Spl28、Sp101、Sp130、Spl25、またはSpl33から選択することができる。
化膿性レンサ球菌(A群レンサ球菌)。A群レンサ球菌抗原には、WO02/34771号およびWO2005/032582号で同定されたタンパク質(GAS40が含まれる)、GAS Mタンパク質フラグメントの融合物(WO02/094851号、Dale,Vaccine(1999)17:193−200、およびDale,Vaccine 14(10):944−948に記載の融合物が含まれる)、フィブロネクチン結合タンパク質(Sfbl)、レンサ球菌ヘム結合タンパク質(Shp)、およびストレプトリジンS(SagA)が含まれ得る。
カタル球菌。モラクセラ抗原には、WO02/18595およびWO99/58562号で同定された抗原、外膜タンパク質抗原(HMV−OMP)、C−抗原、および/またはLPSが含まれる。
百日咳菌。百日咳抗原には、百日咳ホロ毒素(PT)および百日咳菌由来の繊維状赤血球凝集素(FHA)が含まれ、任意選択的に、パータクチンおよび/または凝集原2および3抗原との組み合わせも含む。
黄色ブドウ球菌。黄色ブドウ球菌抗原には、任意選択的非毒性組換え緑膿菌外毒素Aに抱合した黄色ブドウ球菌5型および8型莢膜ポリサッカリド(StaphVAX(商標)など)、表面タンパク質由来の抗原、インベイシン(ロイコチジン、キナーゼ、ヒアルロニダーゼ)、食細胞の貪食を阻害する表面因子(莢膜、プロテインA)、カロテノイド、カタラーゼ産生、プロテインA、コアグラーゼ、凝集因子、および/または真核細胞膜を溶解する膜損傷毒素(任意選択的に解毒されている)(溶血素、ロイコトキシン、ロイコチジン)が含まれる。
表皮ブドウ球菌。表皮ブドウ球菌抗原には、粘液関連抗原(SAA)が含まれる。
破傷風菌(テタヌス)。破傷風抗原には、好ましくは、本発明の組成物と抱合されたキャリアタンパク質として使用される破傷風トキソイド(TT)が含まれる。
ジフテリア菌(ジフテリア):ジフテリア 抗原には、好ましくは、解毒されているジフテリア毒素(CRM197など)が含まれる。さらに、ADPリボシル化を調整、阻害するか、またはこれと関連することができる抗原は、本発明の組成物との組み合わせ/同時投与/抱合が意図される。ジフテリア毒素を、キャリアタンパク質として使用することができる。
インフルエンザ菌B(Hib)。Hib抗原には、Hibサッカリド抗原が含まれる。
緑膿菌:シュードモナス抗原には、内毒素A、Wzz タンパク質、緑膿菌LPS、より詳細には、PAO1(O5血清型)から単離したLPS、および/または外膜タンパク質(外膜タンパク質F(OprF)(Infect Immun.2001 May;69(5):3510−3515)が含まれる。
レジオネラ・ニューモフィラ。細菌抗原は、レジオネラ・ニューモフィラに由来し得る。
ストレプトコッカス・アガラクチア(B群レンサ球菌)。B群レンサ球菌抗原には、WO02/34771号、WO03/093306号、WO04/041157号、またはWO2005/002619号で同定されたタンパク質またはサッカリド抗原(タンパク質GBS80、GBS104、GBS276、およびGBS322が含まれ、血清型Ia、Ib、Ia/c、II、III、IV、V、VI、VII、およびVIII由来のサッカリド抗原が含まれる)。
淋菌。淋菌抗原には、Por(すなわちポリン)タンパク質(PorB(Zhu et
al.,Vaccine(2004)22:660−669)など)、伝達(transferring)結合タンパク質(TbpAおよびTbpBなど(Price et al.,Infection and Immunity(2004)71(1):277−283を参照のこと)、不透明(opacity)タンパク質(Opaなど)、還元改変可能(redction−modifiable)タンパク質(Rmp)、および外膜小胞(OMV)調製物(Plante et al.,J Infectious Disease(2000)182:848−855を参照のこと)が含まれる。例えば、WO99/24578号、WO99/36544号、WO99/57280号、WO02/079243号も参照のこと。
トラコーマ病原体。トラコーマ病原体抗原には、血清型A、B、Ba、およびC(トラコーマ(失明の原因)の作用因子)、血清型Ll、L2、およびL3(性病性リンパ肉芽腫症に関連)、および血清型D〜Kに由来する抗原が含まれる。トラコーマ病原体抗原には、WO00/37494号、WO03/049762号、WO03/068811号、またはWO05/002619号で同定された抗原(
Figure 2012126742
が含まれる)も含まれ得る。
梅毒トレポネーマ(梅毒):梅毒抗原には、TmpA抗原が含まれる。
軟性下疳菌(軟性下疳を生じる):軟性下疳抗原には、外膜タンパク質(DsrA)が含まれる。
フェカリス菌またはエンテロコッカス・フェシウム。抗原には、米国特許第6,756
,361号に示すトリサッカリド反復または他の腸球菌由来抗原が含まれる。
ピロリ菌:ピロリ菌抗原には、Cag、Vac、Nap、HopX、HopYおよび/またはウレアーゼ抗原が含まれる。
ストレプトコッカス・サプロフィチカス。抗原には、S.サプロフィチカスの160kDa血球凝集素が含まれる。
エンテロコリチカ菌抗原には、LPSが含まれる(Infect Immun.2002 August;70(8):4414)。
大腸菌:大腸菌抗原は、腸内毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管凝集性大腸菌(EAggEC)、散在性接着大腸菌(DAEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、および/または腸管出血性大腸菌(EHEC)に由来し得る。
炭疽菌(炭疽病)。炭素菌抗原は、任意選択的に解毒されており、成分A(致死因子(LF)および浮腫因子(EF))(防御抗原(PA)として公知の成分Bを共有することができる)から選択することができる。
ペスト菌(疫病)。疫病抗原には、Fl莢膜抗原(Infect Immun.2003 Jan;71(1)):374−383)、LPS(Infect Immun.1999 Oct;67(10):5395)、ペスト菌V抗原(Infect Immun.1997 Nov;65(11):4476−4482)が含まれる。
結核菌。結核抗原には、リポタンパク質、LPS、BCG抗原、抗原85Bの融合タンパク質(Ag85B)および/または任意選択的にカチオン性脂質小胞中に配合されたESAT−6(Infect Immun.2004 October;72(10):6148)、結核菌(Mtb)イソクエン酸デヒドロゲナーゼ関連抗原(Proc Natl Acad Sci U S A.2004 Aug 24;101(34):12652)、および/またはMPT51抗原(Infect Immun.2004 July;72(7):3829)が含まれる。
リケッチア属。抗原には、外膜タンパク質(外膜プロテインAおよび/またはB(OmpB)が含まれる)(Biochim Biophys Acta.2004 Nov l;1702(2):145)、LPS、および表面タンパク質抗原(SPA)(J Autoimmun.1989 Jun;2 Suppl:81)が含まれる。
リステリア菌。細菌抗原は、リステリア菌に由来し得る。
肺炎クラミジア。抗原には、WO02/02606号で同定された抗原が含まれる。
コレラ菌。抗原には、プロテイナーゼ抗原、LPS、特に、コレラ菌IIのリポポリサッカリド、O1 Inaba O−特異的ポリサッカリド、コレラ菌O139、IEM108ワクチンの抗原(Infect Immun.2003 Oct;71(10):5498−504)、および/または密着結合毒素(Zot)が含まれる。
チフス菌(腸チフス熱)。抗原には、莢膜ポリサッカリド(好ましくは、抱合体)(Vi、すなわち、vax−TyVi)が含まれる。
ライム病菌(ライム病)。抗原には、リポタンパク質(OspA、OspB、OspC、およびOspDなど)、他の表面タンパク質(OspE関連タンパク質(Erps)など)、デコリン結合タンパク質(DbpAなど)、抗原変異VIタンパク質(P39およびP13に関連する抗原(内在性膜タンパク質)など)(Infect Immun.2001 May;69(5):3323−3334)、VIsE抗原変異タンパク質(J
Clin Microbiol.1999 Dec;37(12):3997)が含まれる。
ジンジバリス菌。抗原には、ジンジバリス菌外膜タンパク質(OMP)が含まれる。
クレブシエラ属。抗原には、OMP(OMPAが含まれる)または任意選択的に破傷風トキソイドに抱合したポリサッカリドがふくまれる。
本発明のさらなる細菌抗原は、上記のいずれかの莢膜抗原、ポリサッカリド抗原、またはタンパク質抗原であり得る。さらなる細菌抗原には、外膜小胞(OMV)調製物も含まれ得る。さらに、抗原には、上記細菌のいずれかの生きた形態(version)、弱毒化形態、および/または精製形態が含まれる。本発明の抗原は、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌に由来し得る。本発明の抗原は、好気性細菌または嫌気性細菌に由来し得る。
さらに、上記の細菌由来サッカリド(ポリサッカリド、LPS、LOS、またはオリゴサッカリド)のいずれかを、別の作用因子または抗原(キャリアタンパク質(例えば、CRM197)など)と抱合することができる。このような抱合は、米国特許第5,360,897号およびCan J Biochem Cell Biol.1984 May;62(5):270−5に示されるように、サッカリド上のカルボニル部分の還元的アミノ化によって行われるタンパク質上のアミノ基直接的抱合であり得る。あるいは、サッカリドを、スクシンアミドなどのリンカーまたはBioconjugate Techniques,1996およびCRC,Chemistry of Protein Conjugation and Cross−Linking,1993に示されたリンカーによって抱合することができる。
B.ウイルス抗原
本発明での使用に適切なウイルス抗原には、不活化(または死滅)ウイルス、弱毒化ウイルス、スプリットウイルス(split virus)処方物、精製サブユニット処方物、ウイルスから単離、精製、またはウイルスに由来するウイルスタンパク質、およびウイルス様粒子(VLP)が含まれる。ウイルス抗原は、細胞培養物または他の基質上で増殖したウイルスに由来し得る。あるいは、ウイルス抗原を、組換えによって発現することができる。ウイルス抗原には、好ましくは、その生活環の少なくとも1つの段階でウイルス表面上に曝露されるエピトープが含まれる。ウイルス抗原は、好ましくは、複数の血清型または単離物を通して保存されている。ウイルス抗原には、1つまたは複数の下記のウイルスに由来する抗原および以下に同定された特定の抗原の例が含まれる。
オルソミクソウイルス。ウイルス抗原は、オルソミクソウイルスに由来し得る(インフルエンザA、B、およびCなど)。オルソミクソウイルス抗原を、1つまたは複数のウイルスタンパク質(血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、基質タンパク質(M1)、膜タンパク質(M2)、1つまたは複数の転写酵素成分(PB1、PB2、およびPA)が含まれる)から選択することができる。好ましい抗原には、HAおよびNAが含まれる。
インフルエンザ抗原は、大流行の狭間の(interpandemic)(年間)インフルエンザ株に由来し得る。あるいは、インフルエンザ抗原は、汎流行発生を引き起こす可能性のある株(すなわち、現在循環している株中の血球凝集素と比較して新規の血球凝集素を有するインフルエンザ株またはトリ被験体で病原性を示し、且つヒト集団で水平伝播する可能性を有するインフルエンザ株、またはヒトに対して病原性を示すインフルエンザ株)に由来し得る。
パラミクソウイルス科ウイルス。ウイルス抗原は、パラミクソウイルス科ウイルス(ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)、およびモルビリウイルス(Measles)など)に由来し得る。
ニューモウイルス。ウイルス抗原は、ニューモウイルス(呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、マウス肺炎ウイルス、およびシチメンチョウ鼻器官炎ウイルスなど)に由来し得る。好ましくは、ニューモウイルスはRSVである。ニューモウイルス抗原は、1つまたは複数の以下のタンパク質(表面タンパク質融合物(F)、糖タンパク質(G)、疎水性低分子タンパク質(SH)、基質タンパク質MおよびM2、ヌクレオカプシドタンパク質N、P、およびL、ならびに構造タンパク質NS1およびNS2が含まれる)から選択することができる。好ましいニューモウイルスタンパク質には、F、G、およびMが含まれる。例えば、J Gen Virol.2004 Nov;85(Pt 11):3229を参照のこと。ニューモウイルス抗原を、キメラウイルス中に配合するか、これに由来し得る。例えば、キメラRSV/PIVウイルスは、RSVおよびPIVの両方の成分を含み得る。
パラミクソウイルス。ウイルス抗原は、パラミクソウイルス(パラインフルエンザウイルス1〜4型(PIV)、ムンプスウイルス、センダイウイルス、サルウイルス5、ウシパラインフルエンザウイルス、およびニューカッスル病ウイルスなど)に由来し得る。好ましくは、パラミクソウイルスは、PIVまたはムンプスウイルスである。パラミクソウイルス抗原を、1つまたは複数の以下のタンパク質から選択することができる:血球凝集素−ノイラミニダーゼ(HN)、融合タンパク質F1およびF2、核タンパク質(NP)、リンタンパク質(P)、巨大タンパク質(L)、基質タンパク質(M)。好ましいパラミクソウイルスタンパク質には、HN、F1、およびF2が含まれる。パラミクソウイルス抗原を、キメラウイルスに配合することもできるか、キメラウイルスにも由来し得る。例えば、キメラRSV/PIVウイルスは、RSVおよびPIVの両方の成分を含み得る。市販のムンプスワクチンには、単価形態または麻疹ワクチンおよび風疹ワクチンと組み合わせた弱毒化生ムンプスウイルス(MMR)が含まれる。
モルビリウイルス。ウイルス抗原は、モルビリウイルス(麻疹など)に由来し得る。モルビリウイルス抗原を、1つまたは複数の以下のタンパク質から選択することができる:血球凝集素(H)、糖タンパク質(G)、融合因子(F)、巨大タンパク質(L)、核タンパク質(NP)、ポリメラーゼリンタンパク質(P)、および基質タンパク質(M)。市販の麻疹ワクチンには、典型的には、ムンプスおよび風疹ワクチンとの組み合わせた弱毒化生麻疹ウイルス(MMR)が含まれる。
ピコルナウイルス。ウイルス抗原は、ピコルナウイルスピコルナウイルス(エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパルナウイルス(Heparnavirus)、カルジオウイルス、およびアフトウイルスなど)に由来し得る。エンテロウイルス(ポリオウイルスなど)由来の抗原が好ましい。
エンテロウイルス。ウイルス抗原は、エンテロウイルス(ポリオウイルス1、2、または3型、コクサッキーAウイルス1〜22および24型、コクサッキーBウイルス1〜6型、エコーウイルス(ECHO)ウイルス)1〜9、11〜27、および29〜34型、ならびにエンテロウイルス68〜71など)に由来し得る。好ましくは、エンテロウイル
スはポリオウイルスである。エンテロウイルス抗原は、好ましくは、1つまたは複数の以下から選択される:カプシドタンパク質VPl、VP2、VP3、およびVP4。市販のポリオワクチンには、不活化されたポリオワクチン(IPV)および経口ポリオワクチン(OPV)が含まれる。
ヘパルナウイルス。ウイルス抗原は、ヘパルナウイルス(A型肝炎ウイルス(HAV)など)に由来し得る。市販のHAVワクチンには、不活化HAVワクチンが含まれる。
トガウイルス。ウイルス抗原は、トガウイルス(ルビウイルス属、アルファウイルス属、またはアルテリウイルスなど)に由来し得る。ルビウイルス属に由来する抗原(風疹ウイルスなど)が好ましい。トガウイルス抗原を、El、E2、E3、C、NSP−I、NSPO−2、NSP−3、またはNSP−4から選択することができる。トガウイルス抗原は、好ましくは、El、E2、またはE3から選択される。市販の風疹ワクチンには、典型的には、ムンプスおよび麻疹ワクチンと組み合わせたい低温馴化生ウイルス(MMR)が含まれる。
フラビウイルス。ウイルス抗原は、フラビウイルス(ダニ媒介脳炎(TBE)、デング1、2、3、または4型)、黄熱病、日本脳炎、ウエストナイル脳炎、セントルイス脳炎、ロシア春夏脳炎、ポワッサン脳炎など)に由来し得る。フラビウイルス抗原を、PrM、M、C、E、NS−I、NS−2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4b、およびNS5から選択することができる。フラビウイルス抗原は、好ましくは、PrM、M、およびEから選択される。市販のTBEワクチンには、不活化ウイルスワクチンが含まれる。
ペスチウイルス。ウイルス抗原は、ペスチウイルス(ウシのウイルス性下痢(BVDV)、ブタコレラ(CSFV)、またはボーダー病(BDV)など)に由来し得る。
ヘパドナウイルス。ウイルス抗原は、ヘパドナウイルス(B型肝炎ウイルスなど)に由来し得る。ヘパドナウイルス抗原を、表面抗原(L、M、およびS)、コア抗原(HBc、HBe)から選択することができる。市販のB型肝炎ウイルスワクチンには、表面抗原Sタンパク質を含むサブユニットワクチンが含まれる。
C型肝炎ウイルス。ウイルス抗原は、C型肝炎ウイルス(HCV)に由来し得る。HCV抗原を、1つまたは複数のEl、E2、E1/E2、NS345ポリタンパク質、NS
345−コアポリタンパク質、コア、および/または非構造領域由来のペプチドから選択することができる(Houghton et al.,Hepatology(1991)14:381)。
ラブドウイルス。ウイルス抗原は、ラブドウイルス(リッサウイルス(狂犬病ウイルス)およびベシクロウイルス(VSV)など)に由来し得る。ラブドウイルス抗原を、糖タンパク質(G)、核タンパク質(N)、巨大タンパク質(L)、非構造タンパク質(NS)から選択することができる。市販の狂犬病ウイルスワクチンは、ヒト二倍体細胞または胎児アカゲザルの肺細胞上で成長させた死滅ウイルスを卯組む。
カリシウイルス科。ウイルス抗原は、カリシウイルス科(ノーウォークウイルス、ノーウォーク様ウイルス(ハワイウイルスおよびスノーマウンテンウイルスなど)など)に由来し得る。
コロナウイルス。ウイルス抗原は、コロナウイルス、SARS、ヒト呼吸器コロナウイルス、トリ伝染性気管支炎(IBV)、マウス肝炎ウイルス(MHV)、およびブタ伝染
性胃腸炎ウイルス(TGEV)に由来し得る。コロナウイルス抗原を、スパイク(S)、エンベロープ(E)、マトリックス(M)、ヌクレオカプシド(N)、および赤血球凝集素−エステラーゼ糖タンパク質(HE)から選択することができる。好ましくは、コロナウイルス抗原は、SARSウイルスに由来する。SARSウイルス抗原は、WO04/92360号に記載されている。
レトロウイルス。ウイルス抗原は、レトロウイルス(オンコウイルス、レンチウイルス、またはスプーマウイルスなど)に由来し得る。オンコウイルス抗原は、HTLV−1、HTLV−2、またはHTLV−5に由来し得る。レンチウイルス抗原は、HIV−1またはHIV−2に由来し得る。レトロウイルス抗原を、gag、pol、env、tax、tat、rex、rev、nef、vif、vpu、およびvprから選択することができる。HIV抗原を、gag(p24gagおよびp55gag)、env(gpl60およびgp41)、pol、tat、nef、rev vpu、ミニタンパク質(好ましくは、p55 gagおよびgpl40v欠失)から選択することができる。HIV抗原は、1つまたは複数の以下の株に由来し得る:HIVIIIb、HIVSF2、HIVLAV、HIVLAI、HIVMN、HIV−1CM235、HIV−1US4。
レオウイルス:ウイルス抗原は、レオウイルス(オルトレオウイルス、ロタウイルス、オルビウイルス、またはコルティウイルスなど)に由来し得る。レオウイルスを、構造タンパク質(λl、λ2、λ3、μl、μ2、σl、σ2、またはσ3)または非構造タンパク質(σNS、μNS、またはσlsから選択することができる。好ましいレオウイルス抗原は、ロタウイルスに由来し得る。ロタウイルスを、VPl、VP2、VP3、VP4(またはVP5およびVP8の切断産物)、NSP 1、VP6、NSP3、NSP2、VP7、NSP4、またはNSP5から選択することができる。好ましいロタウイルス抗原には、VP4(またはVP5およびVP8の切断産物)およびVP7が含まれる。
パルボウイルス。ウイルス抗原は、パルボウイルス(パルボウイルスB19など)に由来し得る。パルボウイルスを、VP−I、VP−2、VP−3、NS−I、およびNS−2から選択することができる。好ましくは、パルボウイルス抗原は、カプシドタンパク質VP2である。
D型肝炎ウイルス(HDV)。ウイルス抗原は、HDV、詳細には、HDV由来のδ抗原に由来し得る(例えば、米国特許第5、378、814号を参照のこと)。
E型肝炎ウイルス(HEV)。ウイルス抗原は、HEVに由来し得る。
G型肝炎ウイルス(HGV)。ウイルス抗原は、HGVに由来し得る。
ヒトヘルペスウイルス。ウイルス抗原は、ヒトヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV7)、およびヒトヘルペスウイルス8(HHV8)など)に由来し得る。ヒトヘルペスウイルス抗原を、最初期タンパク質(α)、初期タンパク質(β)、後期タンパク質(γ)から選択することができる。HSV抗原は、HSV−1株またはHSV−2株に由来し得る。HSV抗原を、糖タンパク質(gB、gC、gD、およびgH)、融合タンパク質(gB)、または免疫エスケープタンパク質(gC、gE、またはgl)から選択することができる。VZV抗原を、コア、ヌクレオカプシド、外被、またはエンベロープタンパクから選択することができる。弱毒化VZV生ワクチンは市販されている。EBV抗原を、初期抗原(EA)タンパク質、ウイルスカプシドタンパク質(VCA)、および膜抗原の糖タンパク質(MA)から選択することができる。CMV抗原を、カプシドタンパク質、エンベロープ糖タンパク質(gBおよびgHなど)、および外被タンパク質から選択することができる。
パポバウイルス。抗原は、パポバウイルス(乳頭腫ウイルスおよびポリオーマウイルスなど)に由来し得る。乳頭腫ウイルスには、HPV血清型1、2、4、5、6、8、11、13、16、18、31、33、35、39、41、42、47、51、57、58、63、および65が含まれる。好ましくは、ヒト乳頭腫ウイルス抗原は、血清型6、11、16、または18から選択される。HPV抗原を、カプシドタンパク質(Ll)および(L2)、El〜E7、またはこれらの融合物から選択することができる。HPV抗原を、好ましくは、ウイルス様粒子(VLP)に配合する。ポリオーマウイルスには、BKウイルスおよびJKウイルスが含まれる。ポリオーマウイルス抗原を、VPl,VP2、またはVP3から選択することができる。
本発明の組成物と併せて、Vaccines,4th Edition(Plotkin and Orenstein ed.2004);Medical Microbiology 4th Edition(Murray et al.ed.2002);Virology,3rd Edition(W.K.Joklik ed.1988);Fundamental Virology,2nd Edition(B.N.Fields and D.M.Knipe,eds.1991)に含まれる抗原、組成物、方法、および微生物をさらに提供する。
C.真菌抗原
本発明で使用される真菌抗原は、1つまたは複数の下記の真菌に由来し得る。
真菌抗原は、皮膚糸状菌(エピデルモフィトン・フロカッサム(Epidermophyton floccusum)、ミクロスポラム・アウドウイニ(Microsporum audouini)、ミクロスポラム・カニス(Microsporum canis)、ミクロスポラム・ジストルタム(Microsporum distortum)、ミクロスポラム・エクイナム(Microsporum equinum)、ミクロスポラム・ギプサム(Microsporum gypsum)、ミクロスポラム・ナヌム(Microsporum nanum)、トリコフィトン・コンセントリクム(Trichophyton concentricum)、トリコフィトン・エクイナム(Trichophyton equinum)、トリコフィトン・ガリナエ(Trichophyton gallinae)、トリコフィトン・ギプセウム(Trichophyton gypseum)、トリコフィトン・メグニニ(Trichophyton megnini)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・キンケアナム(Trichophyton quinckeanum)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)、トリコフィトン・スコエンレイニ(Trichophyton schoenleini)、トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)、トリコフィトン・ベルコサム(Trichophyton verrucosum)、T.ベルコサム変種アルブム(T.verrucosum var.album)、変種ジスコシデス(var.discoides)、変種オクラセウム(var.ochraceum)、トリコフィトン・バイオラセウム(Trichophyton violaceum)、および/またはトリコフィトン・ファビホルメ(Trichophyton faviforme)が含まれる)に由来し得る。
病原真菌は、アスペルギルス・フミガーツフ、黄色コウジ菌、クロカビ、偽巣性コウジ菌、アスペルギルス・テルレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・シドウィ(Aspergillus sydowi)、アスペルギルス・フラバタス(Aspergillus flavatus)、アスペルギルス・グラウカス(Aspergillus glaucus)、ブラストシゾマイセス・キャピタタス(Blastoschizomyces capitatus)、カンジダ・アルビカンス、カンジダ エノラーゼ、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプローシス、カンジダ・ステラトイデア(Candida stellatoidea)、カンジダ・クセイ(Candida kusei)、カンジダ・パアクエセイ(Candida parakwsei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ・グイリエルモンジ(Candida guilliermondi)、クラドスポリウム・カリオニイ(Cladosporium carrionii)、コクシジオイデス・イミチス、ブラストミセス・デルマチジス(Blastomyces dermatidis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、ゲオトリクム・クラバタム(Geotrichum clavatum)、ヒストプラズマカプスラーツム、肺炎桿菌、南アメリカ分芽菌、ニューモシスチス・カリニ、ピチウム・インシジオサム(Pythiumn
insidiosum)、ピチロスポルム・オバレ(Pityrosporum ovale)、出芽酵母、サッカロマイセス・ブラウディ、サッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、セドスポリウム・アピオステルム(Scedosporium apiosperum)、スポロトリクス・スケンキイ(Sporothrix schenckii)、トリコスポロン・ベイゲリイ(Trichosporon beigelii)、トキソプラズマ原虫、ペニシリウム・マルネフェイ(Penicillium marneffei)、マラセジア亜種、フォンセカエア亜種(Fonsecaea spp.)、ワンギエラ亜種(Wangiella spp)、スポロトリクス亜種、バシジオボラス亜種(Basidiobolus spp.)、コニジオボラス亜種(Conidiobolus spp.)、リゾプス亜種(Rhizopus
spp)、ムコール亜種(Mucor spp)、アブシディア亜種、モルチエレラ亜種、クニンガメラ亜種(Cunninghamella spp)、サクセナエア亜種(Saksenaea spp.)、アルタナリア亜種、クルブラリア亜種(Curvularia spp)、ヘルミントスポリウム亜種、フサリウム亜種、アスペルギルス亜種、ペニシリウム亜種、モノリニア亜種(Monolinia spp)、リゾクトニア亜種、ペシロマイセス亜種、ピトマイセス亜種(Pithomyces spp)、およびクラドスポリウム亜種に由来し得る。
真菌抗原の産生プロセスは、当該分野で周知である(米国特許第6,333,164号を参照のこと)。好ましい方法では、細胞壁が実質的に除去されているか少なくとも部分的に除去されている真菌細胞から得ることができる不溶性画分から抽出および分離された可溶化画分は、生きた真菌細胞を得る工程と、細胞壁が実質的に除去されているか少なくとも部分的に除去された真菌細胞を得る工程と、細胞壁が実質的に除去されているか少なくとも部分的に除去された真菌細胞をバーストさせる工程と、不溶性画分を得る工程と、不溶性画分から可溶化画分を抽出および分離する工程とを含むプロセスで特徴づけられる。
D.STD抗原
本発明の組成物は、性感染症(STD)由来の1つまたは複数の抗原を含み得る。このような抗原により、クラミジア、性器ヘルペス、肝炎(HCVなど)、性器疣贅、淋病、梅毒、および/または軟性下疳などのSTDの予防薬または治療薬を得ることができる(WO00/15255号を参照のこと)。抗原は、1つまたは複数のウイルスまたは細菌のSTDに由来し得る。本発明で使用されるウイルスSTDは、例えば、HIV、単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)、ヒト乳頭種ウイルス(HPV)、および肝炎(HCV)に由来し得る。本発明で使用される細菌STD抗原は、例えば、淋菌、トラコーマ病原体、梅毒トレポネーマ、軟性下疳菌、大腸菌、およびストレプトコッカス・アガラクチアに由来し得る。これらの病原体由来の特定の抗原の例は、上に記載している。
E.呼吸器系抗原
本発明の組成物には、呼吸器系疾患を引き起こす病原体由来の1つまたは複数の抗原が含まれ得る。例えば、呼吸器系抗原は、オルソミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、VZV、およびコロナウイルス(SARS)などの呼吸器系ウイルスに由来し得る。呼吸器系抗原は、呼吸器系疾患を引き起こす細菌(肺炎レンサ球菌、緑膿菌、百日咳菌、結核菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、炭疽菌、およびカタル球菌など)に由来し得る。これらの病原体由来の特定の抗原の例は、上に記載している。
F.小児ワクチン抗原
本発明の組成物には、小児被験体での使用に適切な1つまた複数の抗原が含まれ得る。小児被験体は、典型的には、約3歳未満、約2歳未満、または約1歳未満である。小児抗原を、6ヶ月、1年、2年、または3年にわたって複数回投与することができる。小児抗原は、小児集団をターゲティングすることができるウイルスおよび/または小児集団が感染に感受性を示すウイルスに由来し得る。小児ウイルス抗原には、1つまたは複数のオルソミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびムンプス)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、炎テロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、およびエプスタイン・バーウイルス(EBV)に由来の抗原が含まれる。小児細菌抗原には、1つまたは複数の肺炎レンサ球菌、髄膜炎菌、化膿性レンサ球菌(A群レンサ球菌)、カタル球菌、百日咳菌、黄色ブドウ球菌、破傷風菌(テタヌス)、ジフテリア菌(ジフテリア)、インフルエンザ菌B(Hib)、緑膿菌、ストレプトコッカス・アガラクチア(B群レンサ球菌)、および大腸菌由来の抗原が含まれる。これらの病原体由来の特定の抗原の例は、上に記載している。
G.高齢または免疫不全状態の個体での使用に適切な抗原
本発明の組成物には、高齢または免疫不全状態の個体での使用に適切な1つまた複数の抗原が含まれ得る。このような個体は、ワクチン接種を、ターゲティングした抗原に対するその免疫応答を改善するために、より頻繁に、より高い用量で、またはアジュバント化(adjuvanted)処方物と共に行うことが必要であり得る。高齢または免疫不全状態の個体での使用のためにターゲティングすることができる抗原には、1つまたは複数の以下の病原体由来の抗原が含まれる:髄膜炎菌、肺炎レンサ球菌、化膿性レンサ球菌(A群レンサ球菌)カタル球菌、百日咳菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、破傷風菌(テタヌス)、ジフテリア菌(ジフテリア)、インフルエンザ菌B(Hib)、緑膿菌、在郷軍人病菌、ストレプトコッカス・アガラクチア(B群レンサ球菌)、フェカリス菌、ピロリ菌、肺炎クラミジア、オルソミクソウイルス(インフルエンザ)、ニューモウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびムンプス)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、エンテロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)。これらの病原体由来の特定の抗原の例は、上に記載している。
H.青年期(adolescent)ワクチンでの使用に適切な抗原
本発明の組成物には、青年期被験体での使用に適切な1つまた複数の抗原が含まれ得る。青年期には、前に投与した小児抗原の追加免疫が必要であり得る。青年期での使用に適切であり得る小児抗原は、上に記載している。さらに、青年期は、性活動の開始前に予防的または治療的免疫を確実にするために、STD病原体由来の抗原が投与されるようにターゲティングすることができる。青年期での使用に適切であり得るSTD抗原は、上に記載している。
I.抗原処方物
本発明の他の対応では、吸着抗原を有する微粒子の産生方法を提供する。本方法は、(a)(i)水、(ii)界面活性剤、(iii)有機溶媒、および(iv)ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、およびポリシアノアクリレートからなる群から選択される生分解性ポリマーを含む混合物の分散によって乳濁液を準備する工程を含む。ポリマーは、典型的には、混合物中に有機溶媒に対して約1%〜約30%の濃度で存在する一方で、界面活性剤は、典型的には、混合物中に界面活性剤とポリマーとの重量比が約0.00001:1〜約0.1:1(より典型的には、約0.0001:1〜約0.1:1、約0.001:1〜約0.1:1、または約0.005:1〜約0.1:1、)で存在し、(b)乳濁液から有機溶媒を除去する工程と、(c)微粒子表面上に抗原を吸着させる工程を含む。一定の実施形態では、生分解性ポリマーは、有機溶媒と比較して約3%〜約10%の濃度で存在する。
本明細書中で使用される微粒子を、滅菌可能であり、非毒性であり、且つ生分解性の材料から形成する。このような材料には、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、PACA、およびポリシアノアクリレートが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明と共に使用される微粒子は、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、詳細には、ポリ(ラクチド)(「PLA」)またはD,L−ラクチドとグリコリドまたはグリコール酸とのコポリマー(ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(「PLG」または「PLGA」)など)、またはD,L−ラクチドとカプロラクトンとのコポリマーに由来する。微粒子は、種々の分子量、および、PLGなどのコポリマーの場合、種々のラクチド:グリコリド比を有する種々の重合出発材料のいずれかに由来することができ、その選択は、概して、同時投与した高分子に一部依存して、選択可能である。これらのパラメーターを、以下でより完全に考察する。
さらなる抗原はまた、外膜小胞(OMV)調製物が含まれ得る。
さらなる配合方法および抗原(特に、腫瘍抗原)は、米国特許出願番号09/581,772号に示されている。
J.抗原に関する引例
以下の引例は、本発明の組成物との組み合わせに有用な抗原を含む。
Figure 2012126742
Figure 2012126742
上記で引用した全ての特許、特許出願、および学術論文の内容は、本明細書中で完全に記載されているかのように参考として援用される。
サッカリド抗原または炭水化物抗原を使用する場合、免疫原性を増強するためにキャリアタンパク質と抱合することが好ましい。Ramsay et al.(2001)Lancet 357(9251):195−196;Lindberg(1999)Vaccine 17 Suppl 2:S28−36;Buttery & Moxon(2000)J R Coll Physicians Lond 34:163−168;Ahmad & Chapnick(1999)Infect Dis Clin North Am 13:113−133,vii;Goldblatt(1998)J.Med.Microbiol.47:563−567;欧州特許第0 477 508号;米国特許第5,306,492号;WO98/42721号;Conjugate Vaccines(eds.Cruse et al.)ISBN 3805549326、特に、vol.10:48−114;Hermanson(1996)Bioconjugate Techniques ISBN:0123423368または012342335Xを参照のこと。好ましいキャリアタンパク質は、細菌毒素または類毒素(ジフテリアまたは破傷風の類毒素)である。CRM197ジフテリア類毒素が特に好ましい。
他のキャリアタンパク質には、髄膜炎菌外膜タンパク質(EP−A−0372501)、合成ペプチド(EP−A−0378881およびEP−A 0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712号およびWO94/03208号)、百日咳タンパク質(WO98/58668号およびEP A 0471177号)、インフルエンザ菌由来のプロテインD(WO00/56360号)、サイトカイン(WO91/01146号)、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、C.ディフィシル由来の毒素AまたはB(WO00/61761号)、鉄取り込みタンパク質(WO01/72337号)などが含まれる。混合物がセリグラフ(serigraph)AおよびCの両方に由来する莢膜サッカリドを含む場合、MenAサッカリド:MenCサッカリドの比(w/w)が1より多い(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、またはこれらを超える)ことが好ましいかもしれない。異なるサッカリドを、同一または異なるキャリアタンパク質型に抱合することができる。必要に応じて任意の適切なリンカーを使用して、任意の適切な抱合反応を使用することができる。
必要に応じて、有毒タンパク質抗原を解毒することができる(例えば、化学的および/または遺伝的手段による百日咳毒素の解毒)。
薬学的に許容可能なキャリア
本発明の組成物は、典型的には、上記の成分に加えて、1つまたは複数の「薬学的に許容可能なキャリア」を含む。これらには、キャリア自体が組成物を投与された個体に有害な抗体の産生を誘導しない任意のキャリアが含まれる。適切なキャリアは、典型的には、巨大なゆっくり代謝される高分子(タンパク質、ポリサッカリド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および脂質凝集体(油滴またはリポソームなど)など)である。このようなキャリアは、当業者に周知である。組成物はまた、希釈剤(水、生理食塩水、グリセロールなど)を含み得る。さらに、補助剤(湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤など)も存在し得る。薬学的に許容可能な成分の徹底的な考察は、Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy.20th ed.,ISBN:0683306472で得られる。
免疫調節薬
アジュバント
本発明のワクチンを、他の免疫調節薬と組み合わせて投与することができる。詳細には、組成物は、通常、アジュバントを含む。本発明と使用するためのアジュバントには、1つまたは複数の下記のアジュバントが含まれるが、これらに限定されない。
A.ミネラル含有組成物
本発明でのアジュバントとしての使用に適切なミネラル含有組成物には、ミネラル塩(アルミニウム塩およびカルシウム塩など)が含まれる。本発明は、水酸化物(例えば、オキシヒドロキシド)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシリン酸塩、正リン酸塩)、硫酸塩(例えば、)などのミネラル塩(chapters 8 & 9 of Vaccine Design...(1995)eds.Powell & Newman.ISBN:030644867X.Plenum.)、または異なるミネラル化合物の混合物(例えば、任意選択的に過剰なリン酸塩を含むリン酸塩と水酸化物アジュバントの混合物)を含み、任意の適切な形態を取る化合物(例えば、ゲル、結晶、無定形など)および塩に吸着した化合物が好ましい。ミネラル含有組成物を、金属塩粒子として配合することもできる(WO00/23105号)。
Al3+の用量が、0.2mg/用量と1.0mg/用量との間であるようにアルミニウム塩を本発明のワクチンに含めることができる。
1つの実施形態では、本発明で使用されるアルミニウムベースのアジュバントは、ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム(AlK(SO))またはミョウバン誘導体(抗原を含むリン酸緩衝液とミョウバンとの混合およびその後の水酸化アンモニウムまたは水酸化ナトリウムなどの塩基での滴定および沈殿によってin situで形成されたミョウバン誘導体など)である。
本発明のワクチン処方物で使用される別のアルミニウムベースのアジュバントは、水酸化アンモニウムアジュバント(Al(OH))または結晶オキシ水酸化アルミニウム(AlOOH)であり、これは、優れた吸着剤であり、表面積が約500m/gである。あるいは、水酸化アルミニウムアジュバントのいくつかまたは全ての水酸基の代わりにリン酸基を含むリン酸アルミニウムアジュバント(AlPO)またはヒドロキシリン酸アルミニウムを提供する。本明細書中に提供された好ましいリン酸アルミニウムアジュバントは、無定形であり、酸性、塩基性、および中性の媒質に溶解する。
別の実施形態では、本発明のアジュバントは、リン酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムの両方を含む。そのさらに詳細な実施形態では、アジュバントは、水酸化アルミニウムよりも大量のリン酸アルミニウムを有する(2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または9:1を超えるリン酸アルミニウムの水酸化アルミニウムに対する重量比など)。さらにより詳細には、ワクチン中のアンモニウム塩は、ワクチン投与あたり0.4〜1.0mg、ワクチン投与あたり0.4〜0.8mg、ワクチン投与あたり0.5〜0.7mg、またはワクチン投与あたり約0.6mgで存在する。
一般に、好ましいアルミニウムベースのアジュバントまたは複数のアルミニウムベースのアジュバントの比(リン酸アルミニウムの水酸化アルミニウムに対する比など)を、抗原が所望のpHでアジュバントと逆の電荷を有するような分子間の静電気引力の至適化によって選択する。例えば、リン酸アルミニウムアジュバント(等電点=4)は、pH7.4でリゾチームを吸着するが、アルブミンを吸着しない。アルブミンが標的である場合、水酸化アルミニウムアジュバントが選択されるであろう(等電点11.4)。あるいは、リン酸塩での水酸化アルミニウムの前処理によってその等電点を低下させ、より塩基性の抗原に好ましいアジュバントにする。
B.油性乳濁液
本発明でのアジュバントとしての使用に適切な油性乳濁液組成物には、スクアレン−水乳濁液(MF59(ミクロフルイダイザー(microfluidizer)を使用してサブミクロン粒子に配合した5%スクアレン、0.5%TWEEN(商標)80、および0.5%Span85)など)が含まれる。WO90/14837号を参照のこと。Podda,Vaccine(2001)19:2673−2680;Frey et al.,Vaccine(2003)21:4234−4237も参照のこと。MF59を、FLUAD(商標)インフルエンザウイルス3価サブユニットワクチンにおけるアジュバントとして使用する。
組成物での使用に特に好ましいアジュバントは、サブミクロン水中油滴型乳濁液である。本明細書中での使用に好ましいサブミクロン水中油滴型乳濁液は、任意選択的に様々な量のMTP−PEを含むスクアレン/水乳濁液(4〜5%w/vスクアレン、0.25〜1.0%w/v TWEEN(商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、および/または0.25〜1.0%SPAN85(商標)(ソルビタントリオレエート)、および、任意選択的に、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグアトミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)を含むサブミクロン水中油滴型乳濁液(例えば、「MF59」として公知のサブミクロン水中油滴型乳濁液)など)である(国際公開番号WO90/14837号;米国特許第6,299,884号および同第6,451,325号、ならびにOtt et al.,in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach(Powell,M.F.and Newman,M.J.eds.)Plenum Press,New York,1995,pp.277−296)。MF59は、4〜5%
w/vスクアレン(例えば、4.3%)、0.25〜0.5% w/v TWEEN(商標)80、および0.5% w/v SPAN85(商標)を含み、任意選択的に、種々の量のMTP−PEを含み、Model 110Yミクロフルイダイザー(Microfluidics,Newton,MA)などのミクロフルイダイザーを使用してサブミクロン粒子に配合する。例えば、MTP−PEは、投与あたり約0〜500μg、より好ましくは、投与あたり約0〜250μg、最も好ましくは、投与あたり約0〜100μgの量で存在し得る。本明細書中で使用される、用語「MF59−0」は、MTP−PEを欠く上記のサブミクロン水中油滴型乳濁液をいう一方で、用語「MF59−MTP」は、MTP−PEを含む処方物を示す。例えば、「MF59−100」は、投与あたり100μgのMTP−PEを含むなどである。MF69(本明細書中で使用される別のサブミクロン水中油滴型乳濁液)は、4.3% w/vスクアレン、0.25% w/v TWEEN(商標)80、および0.75% w/v SPAN 85(商標)、任意選択的に、MTP−PEを含む。さらに別のサブミクロン水中油滴型乳濁液は、MF75であり、SAFとしても公知であり、10%スクアレン、0.4%TWEEN(商標)80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含み、サブミクロン乳濁液にもミクロ流動化(microfluidized)されている。MF75−MTPは、投与あたり100〜400μgなどのMTP−PEを含むMF75処方物を示す。
組成物で使用されるサブミクロン水中油滴型乳濁液、その作製方法、および免疫刺激薬(ムラミルペプチドなど)は、WO90/14837号、米国特許第6,299,884号、および同第6,451,325号に詳述されている。
フロイント完全アジュバント(CFA)およびフロイント不完全アジュバント(IFA)を、本発明のアジュバントとして使用することもできる。
C.サポニン処方物
サポニン処方物を、本発明でアジュバントとして使用することもできる。サポニンは、広範な植物種の樹皮、葉、幹、根、およびさらに花で見出されるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種群(heterologous group)である。シャボンの木の樹皮から単離したサポニンは、アジュバントとして広く研究されている。スミラックス・オルナタ(Smilax ornata)(サルサパリラ)、シュッコンカスミソウ(Gypsophilla paniculata)(ブライダルベール)、およびサボンソウ(サボンソウ根)由来のサポニンを購入することもできる。サポニンアジュバント処方物には、精製処方物(QS21など)および脂質処方物(ISCOMなど)が含まれる。
サポニン組成物は、高速薄層クロマトグラフィ(HP−TLC)および逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)を使用して精製されている。これらの技術を使用した特定の精製画分が同定されており、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−B、およびQH−Cが含まれる。好ましくは、サポニンはQS21である。QS21の産生方法は、米国特許第5,057,540号に開示されている。サポニン処方物はまた、コレステロールなどのステロールを含み得る(WO96/33739号を参照のこと)。
サポニンとコレステロールとの組み合わせを使用して、免疫刺激複合体(ISCOM)と呼ばれる固有の粒子を形成することができる。ISCOMには、典型的には、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンなどのリン脂質も含まれる。任意の公知のサポニンを、ISCOMで使用することができる。好ましくは、ISCOMには、1つまたは複数のQuil A、QHA、およびQHCが含まれる。ISCOMは、EP0109942号、WO96/11711、号およびWO96/33739号にさらに記載されている。任意選択的にISCOMSは、さらなる界面活性剤を欠き得る。WOOO/07621を参照のこと。
サポニンベースのアジュバントの開発の概説を、Barr,et al.,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)32:247−271で見出すことができる。Sjolander,et al.,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)32:321−338も参照のこと。
D.ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)
ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)を、本発明でアジュバントとして使用することもできる。これらの構造物は、一般に、任意選択的にリン脂質と組み合わせているかリン脂質を配合したウイルス由来の1つまたは複数のタンパク質を含む。これらは、一般に、非病原性であり、複製せず、一般に、任意の天然のウイルスゲノムを含まない。ウイルスタンパク質を、組換えによって産生するか、全ウイルスから単離することができる。ビロソームまたはVLPでの使用に適切なこれらのウイルスタンパク質には、インフルエンザウイルス(HAまたはNAなど)、B型肝炎ウイルス(コアタンパク質またはカプシドタンパク質など)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、HIV、RNA−ファージ、Qβファージ(コートタンパク質など)、GA−ファージ、fr−ファージ、AP205ファージ、およびTy(レトロトランスポゾンTyタンパク質plなど)が含まれる。VLPは、WO03/024480号、WO03/024481号、Niikura et al.,Virology(2002)293:273−280;Lenz et al.,Journal of Immunology(2001)5246−5355;Pinto,et al.,Journal of Infectious Diseases(2003)188:327−338;およびGerber et al.,Journal of Virology(2001)75(10):4752−4760でさらに考察されている。ビロソームは、例えば、Gluck
et al.,Vaccine(2002)20:B10 −B16でさらに考察されている。免疫増強再構成インフルエンザビロソーム(IRIV)は、鼻腔内3価INFLEXAL(商標)製品(Mischler & Metcalfe(2002)Vaccine 20 Suppl 5:B 17−23)およびINFLUVAC PLUS(商標)製品におけるサブユニット抗原送達系として使用される。
E.細菌または微生物の誘導体
本発明での使用に適切なアジュバントには、以下などの細菌または微生物の誘導体が含まれる。
(1)腸内細菌リポポリサッカリド(LPS)の非毒性誘導体
このような誘導体には、モノホスホリル脂質A(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が含まれる。3dMPLは、O脱アシル化モノホスホリル脂質Aと4、5、または6アシル化鎖との混合物である。3脱Oアシル化モノホスホリル脂質Aの好ましい「小粒子」形態は、欧州特許第0 689 454号に開示されている。3dMPLのこのような「小粒子」は、0.22ミクロン膜で濾過滅菌するのに十分に小さい(欧州特許第0 689 454号を参照のこと)。他の非毒性LPS誘導体には、モノホスホリル脂質A模倣物(リン酸アミノアルキルグルコサミニド誘導体(例えば、RC529)など)が含まれる。Johnson et al.(1999)Bioorg Med
Chem Lett 9:2273−2278を参照のこと。
(2)脂質A誘導体
脂質A誘導体には、OM−174などの大腸菌由来の脂質A誘導体が含まれる。OM−174は、例えば、Meraldi et al.,Vaccine(2003)21:2485−2491;およびPajak,et al.,Vaccine(2003)21:836−842に記載されている。
(3)免疫刺激オリゴヌクレオチド
本発明でのアジュバントとしての使用に適切な免疫刺激オリゴヌクレオチドには、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列(非メチル化シトシンの後にグアノシンを含み、リン酸結合によって連結した配列)が含まれる。回文配列またはポリ(dG)配列を含む細菌二本鎖RNAまたはオリゴヌクレオチドも免疫刺激性を示すことが示されている。
CpGには、ホスホロチオエート修飾物などのヌクレオチド修飾物/アナログが含まれ、二本鎖または一本鎖であり得る。任意選択的に、グアノシンを、2’−デオキシ−7−デアザグアノシンなどのアナログと置換することができる。可能なアナログ置換物の例については、Kandimalla,et al.,Nucleic Acids Research(2003)31(9):2393−2400;WO02/26757号、およびWO99/62923おうを参照のこと。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、Krieg,Nature Medicine(2003)9(7):831−835;McCluskie,et al.,FEMS Immunology and
Medical Microbiology(2002)32:179−185;WO98/40100号;米国特許第6,207,646号;同第6,239,116号、および同第6,429,199号でさらに考察されている。
CpG配列は、TLR9(モチーフGTCGTTまたはTTCGTTなど)に指向することができる。Kandimalla,et al.,Biochemical Society Transactions(2003)31(part 3):654−658を参照のこと。CpG配列は、Th1免疫応答(CpG−A ODN)の誘導に特異的であり得るか、B細胞応答(CpG−B ODNなど)の誘導により特異的であり得る。CpG−A ODNおよびCpG−B ODNは、Blackwell,et al.,J.Immunol.(2003)170(8):4061−4068;Krieg,TRENDS in Immunology(2002)23(2):64−65およびWO01/95935号で考察されている。好ましくは、CpGはCpG−A ODNである。
好ましくは、5’末端が受容体認識のために接近可能なようにCpGオリゴヌクレオチドを構築する。任意選択的に、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列を、その3’末端で結合させて、「イムノマー(immunomer)」を形成させることができる。例えば、Kandimalla,et al.,BBRC(2003)306:948−953;Kandimalla,et al.,Biochemical Society Transactions(2003)31(part 3):664−658;Bhagat et al.,BBRC(2003)300:853−861、およびWO03/035836号を参照のこと。
(4)ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体
ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体を、本発明でアジュバントとしての使用することができる。好ましくは、タンパク質は、大腸菌(すなわち、大腸菌熱不安定性エンテロトキシン「LT)、コレラ(「CT」))、または百日咳(「PT」)に由来する。粘膜アジュバントとしての解毒ADPリボシル化毒素の使用は、WO95/17211号に記載されており、非経口アジュバントとしては、WO98/42375号に記載されている。好ましくは、アジュバントは、解毒LT変異体(LT−K63、LT−R72、およびLTRl92Gなど)である。アジュバントとしてのADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体(詳細には、LT−K63およびLT−R72)の使用を、以下の引例で見出すことができる:Beignon,et al.,Infection and Immunity(2002)70(6):3012−3019;Pizza,et al.,Vaccine(2001)19:2534−2541;Pizza,et al.,Int.J.Med.Microbiol(2000)290(4−5):455−461;Scharton−Kersten et al.,Infection and Immunity(2000)68(9):5306−5313;Ryan et al.,Infection and Immunity(1999)67(12):6270−6280;Partidos et al.,Immunol.Lett.(1999)67(3):209−216;Peppoloni et al.,Vaccines(2003)2(2):285−293;およびPine et al.,(2002)J.Control Release(2002)85(l−3):263−270。アミノ酸置換のための多数の引例は、好ましくは、Domenighini et al.,MoI.Microbiol(1995)15(6):1165−1167に記載のADPリボシル化毒素のAおよびBサブユニットのアラインメントに基づく。
F.生体接着剤および粘膜接着剤
生体接着剤および粘膜接着剤を、本発明でアジュバントとして使用することもできる。適切な生体接着剤には、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア(Singh et al.(2001)J.Cont.ReIe.70:267−276)または粘膜接着剤(ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリド、およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体など)が含まれる。キトサンまたはその誘導体を、本発明でアジュバントとして使用することもできる。WO99/27960号を参照のこと。
G.微粒子
微粒子を、本発明でアジュバントとして使用することもできる。微粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μm、より好ましくは、直径約200nm〜約30μm、最も好ましくは、直径約500nm〜約10μm)は、生分解性であり、且つ非毒性の材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリカプロラクトンなど)から形成され、ポリ(ラクチドコグリコリド)が
好ましく、任意選択的に、負電荷表面(例えば、SDSを使用)または正電荷表面(例えば、CTABなどのカチオン性界面活性剤)を有するように処理されている。
H.リポソーム
アジュバントとしての使用に適切なリポソーム処方物の例は、米国特許第6,090,406号、同第5,916,588号、および欧州特許第0 626 169号に記載されている。
I.ポリオキシエチレンエーテル処方物およびポリオキシエチレンエステル処方物
本発明での使用に適切なアジュバントには、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが含まれる。WO99/52549号。このような処方物には、オクトキシノール(WOO1/21207号)と組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステルならびに数なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(オクトキシノールなど)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤(WO01/21152号)がさらに含まれる。
好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(laureth 9)、ポリオキシエチレン−9−ステロイルエーテル、ポリオキシエチレン−8−ステロイルエーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。
J.ポリホスファゼン(PCPP)
PCPP処方物は、例えば、Andrianov et al.,“Preparation of hydrogel microspheres by coacervation of aqueous polyphophazene solutions”,Biomaterials(1998)19(l−3):109−115およびPayne et al.,“Protein Release from Polyphosphazene Matrices”,Adv.Drug.Delivery Review(1998)31(3):185−196に記載されている。
K.ムラミルペプチド
本発明での使用に適切なムラミルペプチドの例には、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミニル−1−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)が含まれる。
L.イミダゾキノリン化合物
本発明でのアジュバントとしての使用に適切なイミダゾキノリンの例には、イミキモドおよびそのアナログが含まれ、Stanley,Clin Exp Dermatol(2002)27(7):571−577;Jones,Curr Opin Investig Drugs(2003)4(2):214−218;米国特許第4,689,338号、同第5,389,640号、同第5,268,376号、同第4,929,624号、同第5,266,575号、同第5,352,784号、同第5,494,916号、同第5,482,936号、同第5,346,905号、同第5,395,937号、同第5,238,944号、および同第5,525,612号にさらに記載されている。
M.チオセミカルバゾン化合物
本発明でのアジュバントとしての使用に完全に適切なチオセミカルバゾン化合物ならびに化合物の配合、製造、およびスクリーニング方法には、WO04/60308号に記載のものが含まれる。チオセミカルバゾンは、サイトカイン(TNF−αなど)の産生のためのヒト末梢血単核細胞の刺激で特に有効である。
N.トリプタントリン化合物
本発明でのアジュバントとしての使用に完全に適切なトリプタントリン化合物ならびに化合物の配合、製造、およびスクリーニング方法には、WO04/64759号に記載のものが含まれる。トリプタントリン化合物は、サイトカイン(TNF−αなど)の産生のためのヒト末梢血単核細胞の刺激で特に有効である。
本発明はまた、上記で同定した1つまたは複数のアジュバントの態様の組み合わせを含み得る。例えば、以下のアジュバント組成物を、本発明で使用することができる。
(1)サポニンおよび水中油滴型乳濁液(WO99/11241号);
(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(WO94/00153号を参照のこと);
(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;
(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL 12(optionally+a sterol)(WO98/57659);
(5)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油滴型乳濁液との組み合わせ(欧州特許出願番号0835318号、同第0735898号、および同第0761231号を参照のこと);
(6)10%スクアレン、0.4%Tween 80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含み、サブミクロン乳濁液にミクロ流動化されているか、より大きな粒子サイズの乳濁液にボルテックスされたSAF;
(7)2%スクアレン、0.2%Tween 80、およびモノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL+CWS(Detox(TM))からなる群から選択される1つまたは複数の細菌細胞壁成分を含むRibi(商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem);
(8)1つまたは複数のミネラル塩(アルミニウム塩など)+LPSの非毒性誘導体(3dPMLなど);
(9)1つまたは複数のミネラル塩(アルミニウム塩など)+免疫刺激オリゴヌクレオチド(CpGモチーフを含むヌクレオチド配列など)。
O.ヒト免疫調節薬
本発明でのアジュバントとしての使用に適切なヒト免疫調節薬には、インターロイキン(例えば、IL−I、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、インターフェロンγ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子などのサイトカインが含まれる。
アルミニウム塩およびMF59は、注射用インフルエンザワクチンとの使用のための好ましいアジュバントである。細菌毒素および生体接着剤は、粘膜送達ワクチン(経鼻ワクチンなど)との使用のための好ましいアジュバントである。
上記引用の全ての特許、特許出願、および学術論文の内容が、本明細書中で完全に期さされているかのように参考として援用される。
治療方法
本発明は、上記の組成物を使用したGAS抗原に対する免疫応答の誘導または増加方法を提供する。免疫応答は、好ましくは、防御免疫応答であり、抗体および/または細胞性免疫(全身免疫および粘膜免疫が含まれる)が含まれる。免疫応答には、追加免疫応答が含まれる。抗体を含む組成物を使用して、化膿性レンサ球菌感染を治療することができる。
十代および児童(小児および乳児が含まれる)に予防用ワクチンを投与することができ、治療ワクチンを、典型的には、十代または成人に投与する。安全性、投薬量、免疫原性などを評価するために、児童溶ワクチンを、成人に投与することもできる。
本発明にしたがって防止または治療することができる化膿性レンサ球菌によって引き起こされる疾患には、咽頭炎(レンサ球菌性咽頭炎など)、猩紅熱、膿痂疹、丹毒、蜂巣炎、敗血症、毒素性ショック症候群、壊死性筋膜炎、および続発症(リウマチ熱および急性糸球体腎炎など)が含まれるが、これらに限定されない。組成物はまた、他のレンサ球菌(例えば、GBS)に対して有効であり得る。
免疫応答の有効性を決定するための試験
治療上の処置の有効性を評価する1つの方法は、本発明の組成物の投与後にGAS感染をモニタリングする工程を含む。予防的処置の有効性を評価する1つの方法は、組成物の投与後に本発明の組成物中のGAS抗原に対する免疫応答をモニタリングする工程を含む。
本発明の免疫原性組成物の成分タンパク質の免疫原性を評価する別の方法は、組換えによってタンパク質を発現し、免疫ブロットによって患者の血清または粘膜分泌物をスクリーニングすることである。タンパク質および患者の血清との間の陽性反応は、患者が既に問題のタンパク質に対する免疫応答を保持する(すなわち、タンパク質が免疫原である)ことを示す。この方法を使用して、免疫優性タンパク質および/またはエピトープを同定することもできる。
治療上の処置の有効性をチェックする別の方法は、本発明の組成物の投与後にGAS感染をモニタリングする工程を含む。予防的処置の有効性をチェックする別の方法は、組成物の投与後に本発明の組成物中のGAS抗原に対する全身(IgG1およびIgG2a産生レベルのモニタリングなど)および粘膜(IgA産生レベルのモニタリングなど)の免疫応答をモニタリングする工程を含む。典型的には、GAS血清特異的抗体応答を、免疫化後であるが攻撃誘発前に決定するのに対して、粘膜GAS特異的抗体応答を、免疫化後且つ攻撃誘発後に決定する。
本発明のワクチン組成物を、宿主(例えば、ヒト)への投与前にin vitroおよびin vivoで評価することができる。特に有用なマウスモデルには、腹腔内免疫化後に腹腔内攻撃誘発または鼻腔内攻撃誘発を行うマウスモデルが含まれる。腹腔内免疫化を後に腹腔内攻撃誘発を行ったモデルを、図13に示す。
本発明の免疫原性組成物の有効性を、免疫原性組成物でのGAS感染の動物モデル(例えば、モルモットまたはマウス)の攻撃誘発によってin vivoで決定することもできる。免疫原性組成物は、攻撃誘発血清型と同一の血清型に由来しても由来しなくても良い。好ましくは、免疫原性組成物は、攻撃誘発血清型と同一の血清型に由来する。より好ましくは、免疫原性組成物および/または攻撃誘発血清型は、M1、M3、M23、および/またはこれらの組み合わせからなるGAS血清型群から誘導可能である。
in vivo有効性モデルには、以下が含まれるが、これらに限定されない:(i)ヒトGAS血清型を使用したマウス感染モデル、(ii)マウス適合GAS株(マウスで特に病原性を示すM23株)を使用したマウスモデルであるマウス疾患モデル、および(iii)ヒトGAS単離物を使用した霊長類モデル。
免疫応答は、TH1免疫応答およびTH2応答の一方または両方であり得る。免疫応答は、改善されているか、増強されているか、変化した免疫応答であり得る。免疫応答は、全身および粘膜免疫応答の一方または両方であり得る。好ましくは、免疫応答は、増強された全身および/または粘膜応答である。
全身および/または粘膜免疫の増強は、TH1および/またはTH2免疫応答の増強を反映する。好ましくは、免疫応答の増強には、IgG1および/またはIgG2aおよび/またはIgAの産生の増加が含まれる。
好ましくは、粘膜免疫応答は、TH2免疫応答である。好ましくは、粘膜免疫応答には、IgA産生の増加が含まれる。
活性化TH2細胞は抗体産生を増強し、それにより、細胞外感染に対する応答で有益である。活性化TH2細胞は、1つまたは複数のIL−4、IL−5、IL−6、およびIL−10を分泌することができる。TH2免疫応答により、将来の防御のためのIgG1、IgE、IgA、および記憶B細胞を産生することができる。
TH2免疫応答には、TH2免疫応答に関連する1つまたは複数のサイトカイン(IL−4、IL−5、IL−6、およびIL−10など)の増加またはIgG1、IgE、IgA、および記憶B細胞の産生の増加の1つまたは複数が含まれ得る。好ましくは、TH2免疫応答の増強には、IgG1産生の増加が含まれる。
TH1免疫応答には、CTLの増加、TH1免疫応答に関連する1つまたは複数のサイトカイン(IL−2、IFNγ、およびIFNβなど)の増加、活性化マクロファージの増加、NK活性の増加、またはIgG2a産生の増加の1つまたは複数が含まれ得る。好ましくは、TH1免疫応答の増強には、IgG2a産生の増加が含まれる。
本発明の免疫原性組成物、詳細には、本発明の1つまたは複数のGAS抗原を含む免疫原性組成物を、単独または任意選択的にTh1および/またはTh2応答を誘発することができる免疫調節薬と組み合わせて使用することができる。
本発明はまた、1つまたは複数の免疫調節薬(アルミニウム塩などのミネラル塩など)およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドを含む。最も好ましくは、免疫原性組成物は、アルミニウム塩およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドの両方を含む。あるいは、免疫原性組成物は、ADPリボシル化毒素(解毒ADPリボシル化毒素など)およびCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは、1つまたは複数の免疫調節薬には、アジュバントが含まれる。アジュバントを、以下でさらに考察したTH1アジュバントおよびTH2アジュバントからなる1つまたは複数の群から選択することができる。
本発明の組成物は、好ましくは、GAS感染に有効に対処するための細胞性免疫応答および体液性免疫応答の両方を誘発する。この免疫応答は、好ましくは、持続的(例えば、中和)抗体および1つまたは複数のGAS抗原への曝露の際に迅速に応答することができる細胞性免疫を誘導する。
1つの特に好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、中和抗体応答を誘発する1つまたは複数のGAS抗原および細胞性免疫応答を誘発する1つまたは複数のGAS抗原を含む。このような方法で、中和抗体応答がGAS感染を防止または阻害する一方で、増強されたTh1細胞応答を誘発することができる細胞性免疫応答はGAS感染のさらなる拡大を防止する。好ましくは、免疫原性組成物は、1つまたは複数のGAS表面抗原および1つまたは複数のGAS細胞質抗原を含む。好ましくは、免疫原性組成物は、1つまたは複数のGAS40表面抗原などおよび1つまたは複数の他の抗原(Th1細胞応答を誘発することができる細胞質抗原など)を含む。
本発明の組成物を、一般に、患者に直接投与する。本発明の組成物を、単独または組成物の一部として種々の異なる経路で投与することができる。より有効な免疫応答(好ましくはCMI応答)が得られるか、副作用を誘導する可能性が低いか、投与がより容易になるように、一定の組成物に一定の経路を選択することができる。
送達方法には、非経口注射(例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、または間質への注射)、直腸、経口(例えば、錠剤、スプレー)、膣、局所、経皮(例えば、WO99/27961号を参照のこと)、経皮(transcutaneous)(例えば、WO02/074244号およびWO02/0641662号を参照のこと)、鼻腔内(WO03/028760を参考のこと)、眼内、耳、および肺、または他の粘膜投与が含まれる。
例として、本発明の組成物を、全身経路、粘膜経路、または経皮経路を介して投与するか、特定の組織に直接投与することができる。本明細書中で使用される、用語「全身投与」には、任意の非経口投与経路が含まれるが、これに限定されない。詳細には、非経口投与には、皮下、腹腔内、静脈内、動脈内、筋肉内、または間質への注射、静脈内、動脈内、または腎臓透析注入技術が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、全身、非経口投与は、筋肉内注射である。本明細書中で使用される、用語「粘膜投与」には、蛍光、動脈内、膣内、直腸内、気管内、腸内、および癌内投与が含まれるが、これらに限定されない。
投薬治療は、単回投与計画または複数回投与計画であり得る。複数回投与を、一次免疫化計画および/または追加免疫化計画で使用することができる。複数回投与計画では、同一または異なる経路(例えば、非経口での初回刺激(prime)および粘膜での追加免疫(boost)、粘膜の初回刺激および非経口の追加免疫など)によって種々の用量を投与することができる。
本発明の組成物を、種々の形態で調製することができる。例えば、組成物を、注射可能な溶液または懸濁液のいずれかとして調製することができる。注射前に液体賦形剤で懸濁液または液体にするのに適切な固体形態を調製することもできる(例えば、凍結乾燥組成物)。経口投与のための組成物(錠剤もしくはカプセル、スプレー、またはシロップ(任意選択的に、風味づけする)など)を調製することができる。例えば、微粉またはスプレーを使用した吸入物(inhaler)として、肺投与のための組成物を調製することができる。座剤またはペッサリーとして組成物を調製することができる。鼻内、耳内、または癌内投与のための組成物(例えば、点滴薬)を調製することができる。組成物は、組み合わせた組成物を患者への投与直前に再構成されるようにデザインされたキット形態であり得る。このようなキットは、液体形態の1つまたは複数のGASまたは他の抗原および1つまたは複数の凍結乾燥抗原を含み得る。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量のGAS、他の抗原(または抗原をコードする核酸分子)、または抗体、および、必要に応じて、抗生物質などの任意の他の成分を含む。「免疫学的有効量」は、単回用量または一連の投与の一部として個体に投与した場合に測定可能な免疫応答が増加するか臨床症状が防止または軽減される量である。
本発明の免疫原性組成物を、抗生物質治療計画と組み合わせて投与することができる。1つの実施形態では、抗生物質を、本発明の抗原または本発明の1つまたは複数のGAS抗原を含む組成物の投与前に投与する。
別の実施形態では、抗生物質を、1つまたは複数の本発明の表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原または本発明の1つまたは複数の表面露出GAS抗原および/または表面結合GAS抗原を含む組成物の投与後に投与する。GAS感染治療での使用に適切な抗生物質の例には、ペニシリンもしくはその誘導体またはクリンダマイシン、セファロスポリン、糖ペプチド(例えば、バンコマイシン)、およびシクロセリンが含まれるが、これらに限定されない。
しかし、組成物中の活性因子の量は、治療される個体の健康状態および体調、年齢、治療される個体の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する能力、所望の防御の程度、ワクチンの処方、治療する医師の医療状況の評価、および他の関連要因によって変化する。量の範囲は比較的広く、日常的試験によって決定することができる。
キット
本発明はまた、1つまたは複数の本発明の組成物の容器を含むキットを提供する。組成物は、液体形態であり得るか、個別の抗原として凍結乾燥することができる。組成物に適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。容器を、種々の材料(ガラスまたはプラスチックが含まれる)から形成することができる。容器は、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって突き刺すことができるストッパーを有する静脈注射液のバッグまたはバイアルであり得る)。
キットは、薬学的に許容可能な緩衝液(リン酸緩衝化生理食塩水、リンゲル液、またはデキストロース溶液など)をさらに含み得る。キットはまた、末端利用者に有用な他の材料(緩衝液、希釈液、フィルター、針、およびシリンジが含まれる)を含み得る。キットはまた、別の活性因子(例えば、抗生物質)を有する第2または第3の容器を含み得る。
キットはまた、化膿性レンサ球菌に対する免疫誘導方法または化膿性レンサ球菌感染の治療について説明書を含む添付文書を含み得る。添付文書は、食品医薬品局(FDA)または他の規制機関によって承認されていないドラフト(draft)添付文書であり得るか、承認されている添付文書であり得る。
本開示で引用された全ての特許、特許出願、および引例は、特に本明細書中で参考として援用される。上記開示は、一般に、本発明を説明している。以下の特定の実施例を参照してより完全に理解することができ、これらの実施例は本発明の例示を目的とし、本発明の範囲を制限することを意図しない。
実施例1 表面露出GAS抗原の同定
BLAST、FASTa、MOTIFS、FINDPATTERNS、PSORT、ならびにProDom、Pfam、およびBlocksデータベース検索を使用して、73組のタンパク質を、GASSF370株(M1)ゲノムの表面発現タンパク質としてin silicoで同定した。これらのプログラムを使用して、表面結合タンパク質に典型的な特徴(膜貫通ドメイン、リーダーペプチド、既知の表面タンパク質との相同性、リポタンパク質の署名配列(signature)、外膜繋留モチーフ、およびRGDなどの宿主−細胞結合ドメインなど)を予想した。結果を、表3に示す。
市販の大腸菌発現ベクターpETおよびpGEXを使用して、HISタグ化タンパク質またはHIS−GST融合物(すなわち、アミノ末端ヒスチジンタグおよびカルボキシ末端GST)のいずれかとしてGAS抗原を発現させた(どの「GST」が特定されなくとも、HISタグ化抗原のみを発現した)。図4Aおよび4Bを参照のこと。場合によっては、尿素を使用して抗原を可溶化した。簡潔に述べれば、PCR反応を実施して、GAS抗原コード配列を増幅し、次いで、増幅産物を一晩消化した。次いで、消化PCR産物を精製し、pETまたはpGEXベクターのいずれかで一晩ライゲーションした。大腸菌B21株(DE3)およびBL21を、pGEXおよびpETライゲーション産物でそれぞれ形質転換し、プレートし、37℃でインキュベートした。各形質転換由来の2つのPCR陽性クローンをインキュベートし、一晩成長させた。これらのクローン中のタンパク質発現を、IPTGで誘導し、大腸菌抽出物のSDS−PAGE分析によって評価した。次いで、GAS抗原発現クローンのグリセロールバッチを調製した。
2つの同定タンパク質(GAS87、171)は発現されなかった。マウスを、70種の他のタンパク質で免疫化した。これらのマウスの血清を、天然の細菌細胞のFACS分析のために使用し、異なるM型の20のGAS株に対して表面露出を試験した(表2を参照のこと)。細菌細胞表面上の各タンパク質の有無を、免疫血清を使用して得られたFACS値と免疫前血清を使用して得たFACS値との間の相違の計算(Δ平均(Delta
Mean))によって評価した。80以上のΔ平均の任意のカットオフを使用して、タンパク質を「表面露出」として分類した。試験した抗原のうちの3つが、この閾値を満たさなかった(GAS88、208、および210)。試験した他のGAS抗原についての結果を、表4A〜4Rおよび図2に示す。
実施例2 異なるGAS株におけるGAS40タンパク質の同一性
異なるM型のGAS株からゲノムDNAを調製し、全長GAS抗原の完全なタンパク質配列を得た。結果を図1および表5に示す。
実施例3 GAS40タンパク質が表面露出されていることの証明
実施例1に記載のようにFACS分析を行い、GAS40タンパク質が表面露出されていることを証明した。結果を図2に示す。
実施例4 種々のGAS40抗原のFACS分析
マウスを、種々のGAS40抗原で免疫化した。これらのマウスの血清を、種々の化膿性レンサ球菌株の天然の細菌細胞についてのFACS分析のために使用した。これらの抗血清が細菌細胞表面のGAS40タンパク質を検出する能力を、免疫血清を使用して得られたFACS値と免疫前血清を使用して得たFACS値との間の相違の計算によって評価した。結果を、図3〜11に示す。
「天然の40」(図3)は、配列番号17に示すアミノ酸配列を有するGAS40タンパク質であり、SF370株のゲノム配列由来のヌクレオチド配列によってコードされる。
「GST40」(図4A〜4B)は、そのN末端のリーダー配列の代わりにグルタチオン−S−トランスフェラーゼを有するハイブリッドGAS40抗原である。N末端アミノ酸LVPRGSHM(配列番号963)およびC末端アミノ酸AAALEHHHHHH(
配列番号964)は、GSTベクターpGEXNNHに属する。
「40a」(図5A〜5B)は、HISタグを有するがリーダー配列および疎水性配列を持たないGAS40抗原である(配列番号235)。配列番号892に示すヌクレオチド配列を、NdeIおよびNotI制限部位を使用してベクターpET21b+(Novagen)にクローン化した。カルボキシル末端の12アミノ酸を、ベクターに移入した。コドン824(野生型配列中のAGA)を、CGTに変異誘発した。
「40aCH」(図6A〜6B)は、そのカルボキシル末端にHISタグを有し、そのN末端に2つのさらなるアミノ酸を有するGAS40抗原である。そのコード配列pSM214gCHシャトルベクターへのクローニングを使用して3つのヌクレオチドを変化させる(ヌクレオチド198、222、および1115)。1つのアミノ酸(アミノ酸372)を、PheからSerに変化させた。
「40/117」(図7)は、GAS40タンパク質をGAS117タンパク質のN末端に配置し、HISタグをGAS117タンパク質のC末端に付加したGAS40ハイブリッド抗原である(配列番号234)。配列番号891は、この抗原をコードするヌクレオチド配列である。
「117/40」(図8)は、リンカー配列YASGGGS(配列番号278)によってGAS117をGAS40に配置したGAS40ハイブリッド抗原である。そのアミノ酸配列を配列番号233に示し、コード配列を配列番号890に示す。
「40aRR」(図9A〜9B)は、コート配列中の2つのさらなるAGAコドン(334および335)がCGTに変異したこと以外は、「40a」に類似している。
「40aNH」(図10A〜10B)は、そのN末端にHISタグを有するGAS40抗原である。そのコード配列を、IPTG誘導性プロモーターの代わりに構成性プロモーターを使用する大腸菌/枯草菌発現シャトルベクターpSM214gNHにクローン化した。アミノ末端の9アミノ酸を、クローニングを使用して移入する。これは、2つのヌクレオチドが変化し、この変化はPCR増幅中に生じる可能性が最も高く、それにより、アミノ酸は変化しない(ヌクレオチド356および1547)。
「40aRRNH」(図11A〜11B)は、コドン1034および1035をCGTに修飾したこと以外は「40aNH」に類似する。
実施例5 マウスの免疫化
6週齢と7週齢との間の10匹のCD1雌マウス群を、100μlの適切な溶液に懸濁した2つまたはそれを超える本発明のGAS抗原(20μgの各組換えGAS抗原)で免疫化する。0、21、および45日目に、各群に3回投与した。最初の投与については同体積のフロイント完全アジュバント(CFA)を使用し、その後の2回の投与についてはフロイント不完全アジュバント(IFA)を使用したタンパク質の腹腔内注射によって免疫化を行った。各免疫化スキームでは、ネガティブコントロール群およびポジティブコントロール群を使用した。図13を参照のこと。
ネガティブコントロール群について、マウスを、いかなるGAS ORFを含まないpET21bまたはpGEX−NNHベクターのいずれかを含む(したがって、GSTのみを発現する)大腸菌株由来の全細菌抽出物の処理後に精製カラムから溶離した大腸菌タンパク質で免疫化した(この群を、それぞれHisStopまたはGSTStopと示すことができる)。ポジティブコントロール群についてえ、マウスを、GAS SF370株またはGAS DSM 2071株のいずれかからクローン化した精製GAS Mで免疫化した(この群を、それぞれ192SFおよび192DSMと示した)。
各群由来のプールした血清を最初の免疫化前および最後の免疫化から2週間後に回収した。約1週間後、マウスを、GASに感染させた。
免疫化マウスを、GAS2071株(選択されたタンパク質のクローニングのために使用された異なる株)を使用して感染させた。(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures,DSMZ)。
感染実験のために、DSM2071を、OD600が0.4になるまでTHYブロス中にて37℃で成長させた。遠心分離によって細菌をペレット化し、PBSで1回洗浄し、PBSで懸濁し、希釈して、適切な濃度の細菌/mlにし、腹腔内注射によってマウスに投与した。5つのTHYプレート上の細菌懸濁液のアリコートのプレーティングによって決定したところ、50と100との間の細菌を各マウスに投与した。動物を毎日観察し、生存についてチェックした。腹腔内攻撃誘発後に得られた結果を、図22および表6Aに示す。鼻腔内攻撃誘発後に得られた結果を、表6Bに示す(生存率の増加に留意のこと)。
実施例6
上記モデルを使用して、選択されたGAS抗原を試験し、これらのいくつかは、統計的に有意な防御率を示した(図14)。これらのうち、GAS40は特に有望なようであり、異種GAS株でのマウス攻撃誘発に対して50%を超える防御率を示した。
実施例7 FACS分析
細菌を、THY中でOD600=0.4まで成長させ、PBSで2回洗浄し、NCS(新生仔牛血清、Sigma)に懸濁し、室温で20分間インキュベートし、96ウェルプレート(20μl/ウェル)に分注した。PBS−0.1%BSAで希釈した80μlの全免疫または免疫マウス血清を、最終的に希釈倍率が200倍になるように細菌懸濁液に添加し、氷上で30分間インキュベーションを行った。PBS−0.1BSAでの2回の洗浄後、細菌を、最終的に100倍希釈にした10μlのF(ab’)フラグメント特異的R−フィコエリトリンと抱合したヤギ抗マウスIgG(Jackson Immunoresearch Laboratories Inc.)を含むPBS−0.1%BSA−20%NCS中にて氷上で30分間インキュベートした。
インキュベーション後、細菌を、PBS−0.1%BSAで洗浄し、200μlPBSに懸濁し、FACS Calibur cytometer(Becton Dikinson,Mountain View,CA USA)およびCell Quest Software(Becton Dikinson,Mountain View,CA
USA)を使用して分析した。結果を、図17に示す。
実施例8 細菌表面上のGAS40の分布
免疫金標識および電子顕微鏡法
GASを、THYE培地中で中対数期(mid−log phase)まで成長させ、PBSで洗浄し、再懸濁した。Formvar炭素コーティングニッケルグリッドを、GAS懸濁液の液滴上に浮かせ、2%PFA中で5分間固定し、ブロッキング溶液(1%ウサギ正常血清および1%BSAを含むPBS)中に30分間入れた。次いで、グリッドを、ブロッキング溶液で20倍希釈した一次抗血清の液滴上に室温で30分間浮かせ、洗浄し、1%BSAで10倍希釈した10nm金粒子に抱合した二次抗体上に30分間浮かせた。
グリッドをPBSで洗浄し、水で希釈し、風乾し、TEM GEOL 1200EX II透過型電子顕微鏡を使用して試験した。ネガティブコントロールとして、同一動物由来の免疫前血清を使用した。結果を、図18に示す。
実施例9 オプソニン化食作用および細菌成長阻害
細菌接種物の調製
細菌細胞を、中指数期(middle exponential phase)(OD660=0.4)に到達するまでTHY培地中にて37℃で成長させた。細菌を、冷却生理食塩水で2回洗浄し、MEM培地に懸濁し、使用細菌量に応じて各株について体積を調製した。アッセイで使用するまで細菌細胞を氷中に保持した。
末梢単核細胞(PMN)の調製
ヘパリン処理血液のバフィコートからPMNを調製した。バフィコートを、デキストラン、NaCl、およびヘパリンを含む溶液中で(1:1の比)30分間インキュベートした。上清のインキュベーション後、富化したハッケッキュウを除去し、清潔なチューブに移し、700×gで20分間遠心分離した。水で短時間洗浄して赤血球を破壊し、NaCl溶液を添加して適切な塩濃度に戻した。この工程後に細胞を遠心分離し、洗浄し、適切な濃度のMEM中に懸濁した。
オプソニン化食作用アッセイ
GAS株を、熱不活化免疫マウス血清(またはコントロールとして免疫前)、ヒトPMN、および仔ウサギ補体と共に37℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの直前または後に採取したサンプルを、THY血液寒天プレート上にプレートした。免疫前血清および免疫血清のコロニー数の相違を2回比較することによって食作用を評価した。データを、t=0での成長コロニー数の対数−t=60での成長コロニー数の対数として報告した。図20を参照のこと。
細菌成長阻害
GAS40で免疫化したマウス由来の完全なヘパリン処理血液を、上記のように成長させた細菌細胞とインキュベートした。タンパク質緩衝液のみで免疫化したマウスの血液を、コントロールとして使用した。サンプルを、37℃で3時間回転させた。反応物を、THY血液寒天プレート上にプレートし、CFUを計数した。サンプル中およびコントロール中のコロニー数の比較によって成長阻害を評価した。図19を参照のこと。
実施例10 GAS40の発現
十分に保存されているようであるGAS40遺伝子が実際の異なる株で発現されるかどうかを試験するために、異なるGAS株パネル由来の全細胞抽出物を、SDS−PAGEにロードし、組換えGAS40に対して惹起された免疫血清で探索した。図16に示すように、タンパク質は、試験した全株において検出可能なレベルで発現されるが、一定レベルのばらつきが認められた。
細胞抽出物を、細胞を10mlのTHY中でOD6000.32まで成長させることによって得た。細胞ペレットを、PBSで洗浄し、溶解緩衝液(40%スクロース、0.1M KPO(pH6.2)、MgCl 10mM、およびRocheのCOMPLETE(商標)(無EDTA))に再懸濁し、400Uのムタノリシン(mutanolysin)および2mg/mlリゾチームで3時間消化した。不溶性画分を遠心分離によって分離し、上清を分析した。
実施例11 GAS40ドメインのクローニング
GAS40のアミノ酸配列に基づいた計算機構造研究により、2つの潜在的なコイルドコイル領域(一方はC末端に存在し、他方はN末端に存在する)が同定された(WO05/032582号を参照のこと)。この予想を使用して、2つの単離タンパク質ドメイン(一方は推定305(40N)アミノ酸であり、他方は568アミノ酸(40C)である)をクローン化および発現した。2組のプライマー(以下を参照のこと)(それぞれ推定コイルドコイルドメインの1つを含む)を使用して、PCRによって2つの異なるコード領域を増幅した。
Figure 2012126742
次いで、DNAフラグメントを、pET21b+およびpGEXベクターにクローン化し、大腸菌中で発現させた。N末端ドメインのみから推定されるサイズ(40N)の産物が得られた。図21を参照のこと。GAS40Nは、GAS40の292アミノ酸部分からなり、配列の最初にメチオニンを含み、末端にポリヒスチジンを含む。
実施例12 GAS40は、異なるM株を通して表面露出する
図23は、GAS40が異なるM株を通して表面露出することを証明する。患者またはGAS感染から回復した患者由来の回復期の血清を使用してデータを得た。
実施例13 GAS40Nは、4つの抗GAS40モノクローナル抗原に反応しない
図24は、GAS40に対する4つの異なるモノクローナル抗体(28A8、29G2、2E4、および4E6)が分子のGAS40N部分に反応しないことを証明する。
「GAS40N」の見出しの下のブランク垂直型ゲルおよびGASタンパク質との反応性に留意のこと(「GAS40」カラムを参照のこと)。これらの結果は、これらのGAS40モノクローナル抗体がGAS40N特異的エピトープに対して惹起されなかったことを示す。
図24に示すFACSグラフは、4つのGAS40モノクローナル抗体がM23株上のいかなる表面露出分子とも結合しないようであるのに対して、4つのGAS40モノクローナル抗体のうちの少なくとも3つがM4株上の表面露出分子に結合するようであることを証明する。この結果を、M23が莢膜を有する株であり、それにより、莢膜が表面露出GAS40分子を遮断するという事実によって説明することができる。
実施例13 表面分析:プロテアーゼ消化、液体クロマトグラフィ、およびタンデム質量分析法を使用したGAS表面タンパク質の同定
細菌株および培養。低莢膜化(hypocapsulated)M1野生型SF370株(M1血清型)(Ferretti et at,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98,4658−63,2001)、CDC SS−90株(M3血清型)、および2071株(M23血清型)由来の化膿性レンサ球菌を、OD600=0.4に到達するまで(指数増殖期)、Todd−Hewittブロス(THB)中にて37℃、5%COで成長させた。培養後、細菌を、3,500×gにて4℃で10分間の遠心分離によって採取し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で3回洗浄し、下記の実験で使用した。M1のゲノムデータは、機能に関するバイオインフォマティクスによる推定結果と共にTIGRウェブサイト(URLアドレス:httpファイルタイプ、wwwホストサーバ、ドメイン名tigr.org)で利用可能である。
細菌表面の消化。以下の2つの酵素を使用して細菌表面のプロテアーゼ消化を個別に行った:配列決定グレード修飾トリプシン(Promega,Madison,WI)およびプロテイナーゼK(Promega)。100mlの初回培養物由来の培養物を、40%スクロースを含む0.8mlのリン酸ベースの緩衝液(2.7mM KCl、1.5mM KHPO、13.7mM NaCl、8.1mM NaHPO)に再懸濁した。
20μgトリプシン(pH7.4)または10μgプロテイナーゼK(pH6.0)のいずれかを使用して5mM DTTの存在下にて37℃で30分間消化した。消化混合物を、3,500×gにて4℃で10分間遠心分離した。消化ペプチドを含む上清を、孔サイズ0.22μmのMilliporeフィルターによって濾過した。プロテアーゼ反応を、10%v/vのギ酸の添加によって停止させた。分析前に、サンプル中の塩を、7分間の0.1%ギ酸溶液中の2%から80%までのアセトニトリル(ACN)勾配を使用したオフラインHPLCによって除去した。回収した画分をプールし、Speed−vacを使用して遠心分離した。上清を、さらなる分析まで−20℃に保持した。
多次元タンパク質同定テクノロジー(multidimensional protein identification technology)(MudPIT)。2つの異なるプラットフォームを、ペプチドのクロマトグラフ分離およびタンデム質量分析法(MS/MS)によるさらなる同定のために使用した。
第1のプラットフォームでは、ペプチドを、二次元ナノ液体クロマトグラフィ(2−D
LC)によって分離し、MALDI標的に直接スポットし、MALDI TOF−TOF(オフライン結合2−D LC/MALDI MS/MS)によって分析した。(Mitulovic et al.,Proteomics.2004 Sep;4(9):2545−57)に記載のように、クロマトグラフィシステム(Dionex,Amsterdam,The Netherlands)は、FAMOSオートサンプラー、UV検出器を備えたUltiMateマイクロポンプ、およびSwitchosカラム切り替えデバイスからなる。UltiMateポンプを、流速300nL/分で操作されるように設定した。サンプルをサンプルループから第1のカラムに運ぶために使用するSwitchosローディングポンプの流速を、30μL/分に設定した。
簡潔に述べれば、以下のようにペプチド分離を行った。第1の局面では、ペプチドを、強陽イオン交換(SCX)カラム(10cm×320μm i.d.)上にロードし、5つの漸増濃度のNaCl(0.01、0.05、0.1、0.5、および1 M)のアプライによって定組成溶離を行った。第2の局面では、ペプチドを、C18トラップカラム(PEPMAP(商標)C18μプレカラム、300μm i.d.×1 mm、Dionex)を介した逆相C18分析カラム(15cm×75μm i.d.、Cl8 PEPMAP100(商標)、3μm、100 A)によって分離した。ペプチドを、5%から50%までの80%ACNの0.1%ギ酸溶液の45分間の勾配を使用し、流速300nl/分で溶離した。
溶離液を、ANCHOR−CHIP(登録商標)MALDIターゲット(Bruker
Daltoniks,Bremen,Germany)上に、飽和α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸のアセトン溶液の薄層を使用して調製したProteineer FCロボット(Bruker Daltoniks)を使用して60秒毎に連続してスポットした。スポッティング前に、標的を、飽和α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸のアセトン溶液の薄層を使用して調製した。画分の回収後、各スポットを、0.6μlのエタノール/アセトン/0.1%トリフルオロ酢酸(6:3:1)を使用して手作業で再結晶させた。
質量分析を、WARP LCソフトウェア(Bruker Daltoniks)の制御下でUltraflex MALDI TOF−TOF装置を使用することによって自動で行った。第1に、ピーク選択のためにスポットした全画分のMSスペクトルを取り、選択したピークのMS/MSスペクトルを取った。ローカルデータベース中のMASCOTのライセンスバージョンを使用して、バッチモードでペプチドの検索および同定を行った。MASCOT検索パラメーターは以下であった:(1)種:化膿性レンサ球菌SF370株;(2)許容誤切断数(トリプシン消化についてのみ):6;(3)可変翻訳後修飾:メチオニン酸化;(4)ペプチド許容度(tolerance):±300 ppm;(5)MS/MS許容度:±1.5Da、および(6)ペプチド負荷(charge):+1。
第2のプラットフォームでは、ペプチドを、ナノスプレー源(Waters,Milford,MA,USA)を備えたQ−ToF Micro ESI質量分析器に接続したCapLC HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)でのナノLC−MS/MSによって分離した。サンプルを、5%(v/v)ACN、0.1%(v/v)ギ酸(溶媒A)に再懸濁し、C18トラップカラム(300μm i.d.×5
mm,LC Packings,Amsterdam,The Netherlands)にロードした。3分後、流れを、Atlantis C18 NanoEaseカラム(100μm i.d.×100mm,Waters,Milford,MA,USA)に切り替え、溶媒勾配を開始した。適用した流速は4μL/分であり、フロースプリッタを、分析カラムを介した400nL/分のナノフローに仕向けるように設定した。
溶媒B(95%(v/v)ACN、0.1%(v/v)ギ酸)の50分間で2%から60%まで直線勾配を適用して、ペプチドを溶離した。溶離ペプチドを、MassLynxソフトウェア(Waters,Milford,MA,USA)を使用して自動化データ依存プログラムに供し、MS調査スキャンを使用して、MS/MS断片化に供するべき多価ペプチドを選択した。3つまでの異なる成分を同時にMS/MS断片化に供した。全サンプルについて、1価のペプチド種の断片化の選択のために第2のナノLC−MS/MS分析を行った。
全ての取得したMS/MSスペクトルを、PKLファイルフォーマットに変換し、ローカルデータベース上で実行するMASCOTのライセンスバージョンを使用したデータベース検索によってタンパク質を同定した。適用した検索基準は以下であった:ペプチド許容度±500ppm、MS/MS許容度±0.3Da、誤切断6、ペプチド荷電状態1+〜4+。
組換えタンパク質のクローニング、発現、および精製ならびに免疫前血清および免疫血清の調製を、Maione et al.,Science 309,148−50,2005に記載のように行った。
FACS分析。以下のようにFACS分析を行った。約105種の細菌を、200μlのPBSで洗浄し、3,500×gにて4℃で10分間遠心分離し、20μlのPBS−0.1%BSAに再懸濁した。PBS−0.1%BSAで希釈した80μlの免疫前マウス血清または免疫マウス血清を、最終希釈倍率が100倍、250倍、または500倍と
なるように細菌懸濁液に添加し、氷上で30分間インキュベートした。
細菌を、100μlのPBS−0.1%BSAの添加によって1回洗浄し、3,500×gにて4℃で10分間遠心分離し、200μlのPBS−0.1%BSAに再懸濁し、再度遠心分離した。細菌を、10μlのフィコエリトリン抱合ヤギ抗マウスIgGF(ab’)フラグメント(Jackson Immunoresearch Laboratories Inc.)を含むPBS−0.1%BSAに最終希釈倍率が100倍となるように再懸濁し、氷上にて暗所で30分間インキュベートした。次いで、細菌を、180μlのPBS−0.1%BSAの添加によって洗浄し、3,500×gにて4℃で10分間遠心分離し、200μlのPBSに再懸濁した。
次いで、細菌懸濁液を、FACS Calibur装置(Becton Dickinson,Mountain View,CA USA)を使用して分析し、10,000の事象を得た。データを、Cell Quest Software(Becton Dickinson)を使用して、細菌シグナルから形態学的ドットプロット(前方散乱および側方散乱パラメーターを使用)を引くことによって分析した。次いで、蛍光対数スケールのFL2強度についてのヒストグラムプロットを作製した。
実施例14 SF370のサーフォーム(M1血清型)
上記アプローチによって全部で177種の典型的なペプチドから72種のタンパク質を明確に同定し、プロテイナーゼK消化によって107種のペプチドを生成した。プロテイナーゼK由来ペプチドから10種のタンパク質が同定され、トリプシンペプチドおよびプロテイナーゼKペプチドの両方から19種のタンパク質が同定された。表9は、ESI−q−TOFおよびMALDI−TOF/TOFテクノロジーに基づいた両方のLC/MS/MSプラットフォームの適用によって同定されたタンパク質のリストを示す。タンパク質リストは、各プロテアーゼについての3つの独立した表面消化実験の組み合わせデータの結果である。少なくとも2つのクロマトグラフィおよびその後のMS/MS分析を、サンプルおよびプラットフォーム毎に行った。約5pmolのペプチドを、2−D LC/MALDI MS/MSおよびLC/ESI MS/MSシステムの両方にロードした。細胞内位置および特定のタンパク質の特徴を、PSORTソフトウェアによって割り当てた。
特定の細胞局在化を示す署名の存在についての各同定タンパク質配列のスキャニングにより、72種のタンパク質を、以下の4つの主なファミリーに分類することができる:LPXTG(配列番号931)様モチーフを含む(12タンパク質)細胞壁繋留タンパク質ファミリー、リポタンパク質ファミリー(11タンパク質)、1つまたは複数の膜貫通領域を含む膜貫通タンパク質ファミリー(37タンパク質)、および分泌タンパク質ファミリー(8タンパク質)。ゲノムコンピュータ分析に基づいて、これらの各タンパク質ファミリーに起因し得るGAS SF370タンパク質の総数は、それぞれ、17、28、489、および67である。したがって、全ての推定細胞壁繋留タンパク質およびリポタンパク質の巨大集団が同定され、分泌細胞および膜貫通タンパク質の7%未満が、細胞表面の曝露していることが見出された。
この矛盾は分泌タンパク質で予想され、そのほとんどが細胞外に放出され、一部のみが細胞壁に結合するという概念と一致する。これに反して、少数の同定膜貫通タンパク質はいくらか意外であり、これらのタンパク質の大部分が膜に深く包埋しているか、あまり発現されないか、その両方であることが示唆された。興味深いことに、4つのPSORT推定細胞質タンパク質にみが細胞の外側に結合することが見出され(表9)、これらは全て、今まで分析された全部ではないがほとんどの細菌で膜貫通することが報告された細胞質タンパク質のカテゴリーに属する。これらは、他の細菌で膜貫通することが報告されている伸長因子Tu(Marques et al.,Infect.Immun.66,2625−31,1998;Dallo et al.,MoI.Microbiol.46,1041−51,2002)、2つのリボゾームタンパク質(Spence & Clark,Infect.Immun.68,5002−10,2000;Kurar & Splitter,Vaccine 15,1851−57,1997)、ならびにおそらく細胞壁局在化および側鎖形成に関与する価定常のタンパク質を含んでいた。
表7および8ならびに図28〜104も参照のこと。質量分析技術は定量的ではないが、Mタンパク質が最も豊富なようであり、トリプシン消化後にMタンパク質ペプチドの14のMS/MSスペクトルを同定した。
トリプシン消化から生成されたペプチドからほとんどのタンパク質(60)が同定された。プロテイナーゼKは、30種のタンパク質に対応するペプチドを放出し、19種のタンパク質が両酵素によって同定された。プロテイナーゼKは、トリプシン消化から同定されない多数の膜貫通ドメイン(TMD)を有する膜タンパク質(例えば、7、10、および4つのTMDを有するNT01SP0454、NT01SP0906、およびNT01SP1664)に対応するペプチドの回収に特に有用であった。タンパク質あたりのペプチドの同定数は、1から数十の範囲であった。
図25A〜Bおよび図26A〜Bは、細胞壁タンパク質NT0ISP1652(GAS
190;配列番号117)の両プロテアーゼでの消化後に得られた高カバー率(coverage)を示す。GAS190は、繋留配列LPXTG(配列番号931)を含む。これは、以前に「OrfX」として記載されており、Mga調節因子の調節下でのいくつかの細菌病原性因子の発現を組織化するvirレギュロン(vir regulon)に属する。GAS190の機能は、今までのところ知られていないが、フィブロネクチン結合タンパク質であり得る。細胞壁結合領域は、約50から125ものアミノ酸残基を対象とし得る。
図25A(配列番号932〜949)および25Bは、35種のプロテイナーゼK生成ペプチドによるGAS190タンパク質配列のカバー率(50.6%)を示す。トリプシンペプチドによるカバー率を欠く領域(図25B中の矢印の間に示す)を、プロテイナーゼK消化下で広範に示したが、余剰の情報が多数得られた。同定されたほとんどのペプチドは、タンパク質の最も曝露された領域(すなわち、N末端配列の最初の半分)に対応した。
11種のトリプシン生成ペプチドおよびGAS190タンパク質配列に沿ったそのアラインメントを、図26A(配列番号950〜961)および26Bに示し、カバー率は34.6%である。トリプシン消化由来のペプチドは、GAS190タンパク質中のLPXTG(配列番号931)から13アミノ酸残基の近さで見出された。図2B中の2つの矢印の間にトリプシン消化部位(K/R)が存在せず、理論的に不可能な領域中にトリプシン種が生成されることに留意のこと。そのN末端の前にKまたはRを欠くたった1つのペプチドが同定され(VDGIPPISLTQK、配列番号969)、これはPSORT推定によるタンパク質の成熟形態の実際のN末端に対応する。1つを超えるトリプシン欠如切断部位を有するペプチド(11のうち6つ)が比較的豊富であった。例えば、ペプチドIKTAPDKDKLLFTYHSEYMTAVK(配列番号970)は、トリプシンによってC切断されていない3つの内部リジンを含み、Mタンパク質のいくつかのペプチドについては、6つまでの切断部位が欠如していた。
全ての同定されたタンパク質が、その各生成ペプチドによって広範に対象とされるわけではなかった。細胞壁繋留モチーフを含むタンパク質は、最も高いカバー率を示した。少なくとも1つの推定TMDを有するタンパク質(PSORT推定による)が、少数のペプチドから同定された(表9)。
実施例15 抗生物質処置後の膜脱制限(delimited)構造の過剰発現後のGAS表面タンパク質の同定
細菌培養および抗生物質処置。化膿性レンサ球菌SF370細胞を、OD600=0.4(指数成長期)に到達するまで、THB中にて37℃および5%COで成長させた。3,500×gにて4℃で10分間の遠心分離後に成長培地を採取した。細菌懸濁液を、抗生物質(0.7μg/mlペニシリン;10μg/mlバンコマイシン、最終濃度)を含むTHBの点かによって2倍希釈し、培養物を80分間静置した。図107は、ペニシリン処置の際に産生した膜脱制限構造を示す電子顕微鏡写真である。
膜脱制限構造の回収。上清を濾過し(0.22μm)、膜脱制限構造を、200,000×gにて4℃で90分間の遠心分離によって回収した。次いで、ペレットを、PBS中で1回洗浄し、同一緩衝液に再懸濁した。
膜脱制限構造のプロテオミクス分析。超遠心分離ペレットを、SDS−PAGEに供した。このようにして分離されたバンドを、選別し、脱色し、トリプシン消化し、Zip−Tips(Millipore)の使用によって脱塩し、Ultraflex MALDI−TOF/TOF質量分析計(Bruker Daltoniks)を使用したMALDI−TOFによって分析した。スペクトルの分析および同定のためにMASCOTソフトウェアを使用した。
この方法によって同定されたタンパク質を、表8に示す。同定タンパク質の大部分は、表面露出タンパク質(分泌タンパク質、膜貫通タンパク質、またはリポタンパク質)である。この画分中または膜脱制限構造中に細胞壁タンパク質は認められなかった。したがって、膜脱制限構造のタンパク質成分の大部分は、ワクチン開発に潜在的に有利である。
実施例16 化学的分画後のGAS表面タンパク質の同定(SF370血清型)
細菌ペレットの調製。細菌(GAS SF370)を、OD600=0.4に到達するまで(指数成長期)、250mlのTHB中にて37℃および5%COで成長させた。培養後、細菌を、3,500×gにて4℃で10分間遠心分離し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄した。細菌を、20mlの6Mグアニジウム(グアニジウムの代わりに尿素またはSDSを代用することができる)、20mM Tris HClに再懸濁し、「ワンショットヘッド」を備えたBasic Z 0.75V Model細胞破壊機(Constant System Ltd,Northants,England)にて1.7kBarで3サイクル破壊した。次いで、溶解物を、20,000×gにて4℃で20分間遠心分離した。得られた上清を0.22μmの膜で濾過し、2000,000×gにて4℃で2時間の超遠心分離でスピンした。ペレットを、PBSで洗浄した(200,000×gにて4℃で30分間)。
全消化。10μgのトリプシンを含む50mM重炭酸アンモニウム、5mM DTTを含む300μlを、ペレットに添加した。37℃で一晩消化を進行させた。
SDS−PAGEによる分離。9μgのムタノリシンを含む50mM Tris−HCl(pH7.5)を含む300μlを、ペレットに添加した。37℃で3時間消化を進行させ、タンパク質をゲルに侵入させた。タンパク質を、12%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動によって分離した。
ゲル内タンパク質消化および質量分析のためのサンプル調製。タンパク質スポットバンドを、ゲルから切り出し、100mM重炭酸アンモニウム/アセトニトリル50/50(V/V)で洗浄し、SpeedVac遠心分離(Savant,Holbrook,NY)を使用して乾燥させた。乾燥スポットを、12μlの0.012μg/μlの配列決定グレードの修飾トリプシン(Promega,Madison,WI)を含む50mM重炭酸アンモニウム中にて37℃で2時間消化させた。消化後、5μlの0.1%トリフルオロ酢酸を添加し、ペプチドを脱塩し、ZIP−TIPs(C18,Millipore)で濃縮した。
2μlの5g/l 2,5−ジヒドロキシ安息香酸を含む50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を使用して、質量分析計Anchorchip 384(400μm,Bruker Daltonics,Bremen,Germany)でペプチドを溶離し、室温で風乾し、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法によって分析した。Bruker UltraFlex質量分析計にてマススペクトルを取得し、Brukerのペプチド較正スタンダード(1000〜4000Da)(品番206195)を使用して較正した。ペプチドの質量を、FlexAnalysis(バージョン2.2,Bruker)を使用して決定した。1000〜3500Daの質量範囲のペプチドの実験的に生成したモノアイソトピック値とMascotソフトウェアを使用したコンピュータ生成フィンガープリントとの自動および手作業での比較によってタンパク質スポットを同定した。
結果。m/z 1372.7、1202.6のペプチドの断片化によって、C5Aペプチダーゼ前駆体(15675796)が同定された。m/z 1706.8、1880.1のペプチドの断片化によって、Mタンパク質1型(15675799)が同定された。
実施例17 高莢膜化(highly capsulated)M3株のサーフォーム分析
GASは、ヒアルロン酸ベースの莢膜に取り囲まれており、その厚さは、株ごとに変化し得る。莢膜は、細菌の病原性で重要な役割を果たし、一般に、高莢膜化株が最も病原性の高い株である。接近可能な外部ドメインを有するタンパク質数は周囲の莢膜の厚さに依存すると予想される。これを検証するために、本発明者らは、高莢膜化M3株のサーフォームを特徴づけた。
株を上記のように成長させ、莢膜含有率を、下記のように回収したヒアルロン酸量の測定によって決定した。これらの条件下で、M3は、cfuあたり51fgのヒアルロン酸を産生し、これは、SF370株の3倍にもなった。表10および図108を参照のこと。次いで、M3細菌を、上記と同一のサーフォーム分析に供した。
表11に示すように、タンパク質分解および質量分析の際に10種のタンパク質を検出することができ、1つ(伸長因子Tu)を除いた全てが表面結合すると予想された。これらは、5つのLPXTG(配列番号931)保有タンパク質、2つの膜タンパク質、および2つの分泌タンパク質を含む。興味深いことに、これらのタンパク質のうちの5つは、仮定/未知のタンパク質ファミリーに属する。さらに、F2様タンパク質を除いて、そのコード遺伝子はSF370で認められず、推定ペニシリン結合タンパク質および仮定上のタンパク質SPs1270を除いた全てのタンパク質もSF370サーフォームに属する。
要するに、全細胞のタンパク質分解の際に生成することができるペプチド数の減少によって判断されるように、莢膜の存在は、タンパク質の表面接近可能性を妨害する。
実施例18 サーフォームの検証
両サーフォームにおける細胞質タンパク質のほぼ完全な欠如により、本発明者らの手順が表面露出タンパク質同定に選択的であることが示唆された。この手順の信頼性をさらに確認するために、本発明者らは、2つの分析型を実施した。
第1に、本発明者らは、37種のSF370サーフォームの膜貫通タンパク質を、PSORT(URLアドレス:httpファイルタイプ、wwwホストサーバ、ドメイン名nibb.ac.ip、フォームディレクトリ)を使用したトポロジー予測に供し、タンパク質分解によって生成され、正確にトポロジーが予測された場合に期待されるように、外部ドメイン内にMS/MSによって同定したペプチドが存在するかどうかを検索した。図106に示すように、37種の膜タンパク質のうちの26種について、in silico分析および実験的MS/MSデータは完全に一致した。これに反して、残りの11種のタンパク質の対応する同定ペプチドを、PSORT推定細胞内ドメインにマッピングした。
この矛盾により、これらの11種の各タンパク質のトポロジーおよび機能についての注釈づけを手作業で調査しなければならなかた。本発明者らは、11種のタンパク質のうちで少なくとも6種のタンパク質の推定膜貫通組織化を再訪問することが望ましいと結論づけた。詳細には、FtsHタンパク質ファミリーに相同な推定細胞分割タンパク質NT01SP0014由来の2つのペプチドは、FtsHタンパク質において細胞外であることが公知の十分に保存されたタンパク質ドメイン内に存在し(Tomoyasu et al.,J.Bacteriol.175,1352−57,1993;Akiyama et al.,J.Biol.chem.271,22326−33,1998;Amara et al.,Microbiol.144,1197−1203,1998)、これらのタンパク質において細胞外であることが公知の十分に保存されたタンパク質ドメインを保有することが見出された。
NT01SP1255の4つのペプチド(FtsZに相同な第2の推定細胞分裂タンパク質)は、分子のC末端部分(バルトネラ・バシリホルミスが免疫原性であり、且つ表面に曝露されていることが見出された領域)に存在する(Padmalayam et al.,J.Bacteriol.179,4545−52,1997)。
2つの仮定上のタンパク質NT01SP0289およびNT01SP1789は、PSORTスコアが非常に低く、Cys残基の隣りにリーダーペプチド切断部位を有する膜貫通領域(TMR)を保有し、内在性膜タンパク質よりもむしろリポタンパク質である可能性が高い。
NT01SP0947は2つのTMRを有し、第2のTMRは、PSORTスコアが非常に低い(第1のTMRの−8.12とは対照的に−0.32)。第2のTMRが事実上真実でない場合、典型的なソルターゼ(sortase)ドメインを保有する分子のC末端部分が表面上に曝露されており、ソルターゼ作用機構と一致するであろう(Paterson & Mitchell,Trends Microbiol.12,89−95,2004)。
最後に、NT01SP0154(推定グリシン−ベタイン結合パーミアーゼタンパク質)は、6つのTMRを有すると予想され、そのうちの1つのスコアが低い。また、弱いTMRを無視する場合、位相的組織化が変化し、2つのMS/MS同定ペプチドが含まれるC末端領域ば表面露出するようなるであろう。実際、FACSによって試験した場合、このタンパク質のC末端ドメインに対するポリクローナル抗体は、GAS SF370全細胞に結合した。
本発明者らが本発明者らのサーフォーム分析を立証するために使用した第2の研究は、タンパク質特異的抗体を使用したFACS分析に基づいた。SF370サーフォーム間で選択された51種の組換えタンパク質に対するポリクローナル抗体を産生し、抗体を、全細菌に結合する能力について試験した。7種を除く全血清は、アッセイで陽性であり、各対応タンパク質が結合抗体に接近するのに十分に細菌表面上に曝露されていることを示した(表9も参照のこと)。同様に、M3サーフォームに属する10種のタンパク質のうちの4種に対するポリクローナル抗体をFACSによって試験し、これらのうちの3種は、M3細胞に結合することができた(図105、表9を参照のこと)。
これらのデータから、本発明者らは、サーフォーム分析への本発明者らのアプローチは、タンパク質の全体または一部が細菌細胞表面に曝露するかどうかの決定で正確であると結論づけた。
実施例19 ワクチン開発へのサーフォーム分析の適用
髄膜炎菌BおよびB群レンサ球菌を使用した以前の経験から、本発明者らは、ワクチン候補である抗原が十分に発現し、細菌細胞の表面上に曝露することが望ましいことを理解している(Pizza et al.,Science 287,1816−20,2000;Maione et al.,Science.2005 Jul l;309(5731):148−50.)。サーフォームは、定義により、このタンパク質カテゴリーが含まれるので、サーフォーム分析は、新規のワクチン候補の同定に理想的なアプローチである。これの裏付けは、その遺伝子がSF370中に存在する10種の報告されたGAS推定抗原のうちの6種がSF370の一部であるという所見である。表12および本明細書中で引用された引例を参照のこと。
いくつかのSF370サーフォームタンパク質が防御についてまったく試験されていなかったので、本発明者らは、これらのうちのいくつかがマウスモデルにおいて防御応答を惹起することができるかどうかを調査した。不運なことに、SF370は、マウスで病原性を示さず、LD50は、108CFUを超える。本発明者らは、タンパク質発現レベル、莢膜の厚さ、および遺伝子のばらつきによってGASサーフォームが株毎にいくらか変化すると予想しているので、異なる株に対する防御研究におけるSF370サーフォームタンパク質の試験前に、本発明者らは、これらのうちのどのタンパク質が攻撃誘発株の表面上にも曝露されるかを調査した。
このために、本発明者らは、GAS株の1つがマウス攻撃誘発のために日常的に使用されているM23 DSM2071のサーフォームを定義した。M23 DSM2071のゲノム配列が利用可能でないので、SF370またはその配列が公的データベース(URLアドレス:httpファイルタイプ、wwwホストサーバ、ドメイン名tigr.orgおよびncbi.nlm.nih.gov)で利用可能な他の6種のGAS株に共通の曝露タンパク質のみを同定するのに対して、M23 DSM2071特異的タンパク質は特徴づけられないままであった。
表7に示すように、全部で以下の17種のタンパク質が明白に同定された:5種の細胞壁繋留タンパク質、4種のリポタンパク質、5種の膜タンパク質、2種の分泌タンパク質、および1種の細胞質タンパク質。これらの全タンパク質は、SF370が類似しており、2種(推定亜鉛が乳アルコールデヒドロゲナーゼおよび推定RofA関連調節タンパク質)を除く全てもSF370サーフォーム中に含まれた(表9)。興味深いことに、ほとんどの(17種のうちの13種)同定タンパク質が、推定/仮定上のタンパク質ファミリーに属する。
M23 DSM2071サーフォームに属する17種のタンパク質のうち、14種のタンパク質が、可溶性His融合物またはGST融合物のいずれかとして大腸菌中に首尾よく発現された(表7)。タンパク質NT01SP0908およびNT01SP0485は発現が認められず、このことは、これらがヒトタンパク質と有意な相同性を有するためである。5週齢のメスCD1マウス(10マウス/群)を、最初にフロイント完全アジュバント(CFA)およびその後の2回にフロイント不完全アジュバント(IFA)と共に、0、21、および35日目に腹腔内(i.p.)投与した20μgの組換えタンパク質で免疫化した。第1の免疫化前および第3の免疫化後に血液サンプルを回収した。免疫化マウスを、THYブロス中でOD600=0.4に成長させた106コロニー形成単位(CFU)のDSM2071株にて鼻腔内(i.n.)で攻撃誘発した。感染用量のCFU力価を、5THYブロス/血液プレートへのプレーティングによって検証した。マウスを、毎日モニタリングし、10日後に最終生存率を計算した。
表14に示すように、以下の2種のタンパク質が本モデルで防御性を示した:Mタンパク質(生存率90%)およびNT01SP0336(生存率70%)。SF370血清型のGAS57に対応するNT01SP0336は、典型的な細胞繋留LPXTG(配列番号931)モチーフを保有する推定細胞莢膜プロテイナーゼである。
興味深いことに、GAS57は、腹腔内免疫化後に腹腔内攻撃誘発を行ったマウスモデルで防御性をほとんど示さないか全く示さなかった。GAS40は、鼻腔内攻撃誘発モデルの生存率がより高いにもかかわらず、両モデルで防御性を示した。
実施例20 莢膜ヒアルロン酸含有量の決定
10ml指数増殖期培養物(OD600=0.4)に由来する細胞を、水で2回洗浄し、次いで、500μlの水に再懸濁した。1mlのクロロホルムを使用した震盪によって莢膜を放出させる。遠心分離によるサンプルの明澄化後、50μlの水相のヒアルロン酸含有量を、サンプルへの20mgのStains−All製品(Sigma Chemical Co.)および60μlの氷酢酸を含む100mlの50%ホルムアミドを含む1mlの溶液の添加後に640nmの吸光度を測定することによって決定する。吸光度を、既知濃度のヒアルロン酸を使用して作成した検量線と比較する。
実施例21 GAS抗原の表面露出ドメインの同定
in silico推定アルゴリズムにより、細菌表面に分泌または結合する可能性が高い産物をコードする684遺伝子が最初に同定された。Pizza et al.,Science 287,1816−20,2000;Tettelin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99,12391−96,2002を参照のこと。これらのうち、207の遺伝子が、2つを超える膜貫通領域を含むと予想された。細胞表面上に存在すると予想される少なくとも50種のアミノ酸の単離ドメインについてタンパク質配列を検索した(例えば、細胞外ループドメイン、アミノ末端ドメイン、またはカルボキシ末端ドメイン)。TMbase(天然に存在する膜貫通タンパク質のデータベース)の統計分析に基づくアルゴリズムを使用して膜貫通領域およびその配向を予想することができるオンラインウェブサーバTMPRED(URLアドレス:httpファイルタイプ、wwwホストサーバ、ドメイン名.ch.embnet.org、ソフトウェア/TMPRED_form.directory)を使用して、表面露出を評価した。
各同定ドメインを、6つのヒスチジン残基をコードするいずれかの配列を含む2つのベクターに並行してクローン化した。組換え産物を、首尾よく発現し、大腸菌から精製した。
実施例22 表面露出GAS抗原での免疫化
10匹またはそれを超える6週齢と7週齢との間のCD1雌マウス群を、100μlの適切な溶液に懸濁した20μgの組換え産生表面露出GAS抗原で免疫化した。0、21、および45日目に、各群のマウスに3回投与した。最初の投与については同体積のフロイント完全アジュバント(CFA)を使用し、その後の2回の投与についてはフロイント不完全アジュバント(IFA)を使用したタンパク質の腹腔内注射によって免疫化を行った。各免疫化スキームで、ネガティブコントロール群およびポジティブコントロール群を使用した。
ネガティブコントロール群のマウスを、いかなるクローン化GAS ORFも含まないpET21bまたはpGEX−NNHベクター(したがって、GSTのみを発現する)(それぞれ、HisStopまたはGSTStopと示す)のいずれかを含む大腸菌株由来の全細菌抽出物のプロセシング後に精製カラムから溶離した大腸菌タンパク質で免疫化した。
ポジティブコントロール群のマウスを、GAS SF370株またはGAS DSM2071株のいずれかからクローン化した精製GAS Mで免疫化した(それぞれ192SFおよび192DSMと示した群)。
各マウス由来の血清を、最初の免疫化前および最後の免疫化から2週間後に回収した。各グループのマウスの血清をプールした。最後の免疫化から約1週間後に、マウスに、GASの2071株(M23)、3348株(M1)、または2728株(M12)うちの1つを感染させた。感染のために、OD600=0.4まで、GAS株を、THYブロス中にて37℃で成長させた。細菌を、遠心分離によって回収し、PBSで1回洗浄し、PBSで懸濁し、希釈して、1mlあたり適切な濃度の細菌を得て、これを複数内注射によってマウスに投与した。細菌懸濁液アリコートの5つのTHYプレートへのプレーティングによって決定したところ、50と100との間の細菌を各マウスに投与した。動物を毎日観察し、生存についてチェックした。
結果を、図109A〜111Cに示し、表15にまとめる。80を超えるΔ平均は、試験ドメインが表面露出していることを示す。
結果は、各試験ドメイン−−
Figure 2012126742
−−が試験した3つのGAS株のうちの少なくとも1つの表面上に曝露されることを示す。いくつかの試験ドメインは、使用した株によってΔ平均(M1、M23、およびM12)が変化することを示し、このことは、おそらく、莢膜マスキングによるこれらのドメインの異なる「視認性(visibility)」のためである(例えば、M23は、高度に莢膜化された株である)。以下のドメイン:
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は、試験した3つのGAS株のうちの少なくとも2つの表面上に曝露している。ドメインGAS472、GAS473、およびGAS553は、3つ全ての試験したGAS株の表面に曝露している。
実施例23 タンパク質マイクロアレイ実験
タンパク質チップにより、ヒト血清中の病原性タンパク質の臨床的免疫原性罹患率を同定可能である。タンパク質チップの使用により、6人の健康なドナー由来の血清サンプルを試験し、そのうちの2人の咽頭炎がGAS感染に関連することが最近報告されている(SCおよびTM、図112を参照のこと)。
図112は、一般的な免疫反応性抗原をマッピングし、6人の各ドナーについてシグナル強度および応答頻度によってまとめている。
実験手順
112種のGASタンパク質(19種のGST融合物、91種のHisタグ化タンパク質、および2種の天然のタンパク質)を精製し、PBSで0.5mg/mlの濃度に希釈し、384ウェルのポリプロピレンミクロプレートに分注した(各6μl)。タンパク質溶液の4つの複製物を、TeleChemクイルピン(quill pin)(TeleChem International Sunnyvale,CA,USA)を具備したVERSARRAY CHIPWRITER(商標)Pro System(BIO−RAD)を使用して、ニトロセルロースコーティングFast Slidesチップ(Schleier&Schuell)にスポットした。各タンパク質の最初のプリント後、ピンを、7回洗浄し(各6秒間)、超音波処理に供し(1秒間)、真空乾燥させた(2秒間)。各チップは、少なくとも1つの免疫グロブリンおよびBSA(Cy3およびCy5標識、Amersham Bioscences)検量線を含む。各印画工程後、各スライドをスキャニングして、Cy3およびCy5標識BSA曲線のシグナルをチェックした。
スライドを、3%Top Block(Fluka−BioChemiKa、カタログ番号37766)および0.1%TPBS(0.1% Tween 20を含むPBS)中にて撹拌しながら4℃の暗所で一晩プレインキュベートした。次いで、スライドを、ヒト血清(最終的に1000倍希釈)と共に暗所にて室温で1時間インキュベートし、0.1%TPBSで3回(それぞれ5分間)洗浄した。Cy3またはCy5抗ヒトIgG(800倍)、IgAまたはIgM(1000倍)を添加し、暗所にて室温で1時間インキュベーションを延長した。
スライドを、TPBSで2回洗浄し(各5分間)、PBSで1回洗浄し(10分間)、milliQ滅菌水で1回洗浄し(30秒間)、暗所にて37℃で10〜20分間または窒素流を使用して乾燥させた。
高解像度(10μmピクセルサイズ)のScanArray 5000 Unit(Packard,Billerica,MA,USA)を使用して蛍光シグナルを検出し、ImaGene 6.0ソフトウェア(Biodiscovery Inc,CA,USA)を使用して定量した。
S字形曲線へのIgコントロールの最小2乗の挿入によってデータを正規化するソフトウェアを使用して、収集データを詳述した。各実験強度シグナルに対応する力価値について、このようなS字形曲線を参照し、スキャナの全ダイナミックレンジにわたって拡大した理論S字形曲線に正規化する。
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Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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