JP2012126478A - 装飾用シート及びそれを用いたエレベータかご壁床保護材 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットプリント可能な装飾用シートであって、特にエレベータかご内壁及び床の保護材に適して用いられ、消臭性と衝撃緩衝性とを兼備する装飾保護シートの提供。
【解決手段】繊維布帛を芯材として用い、その一面上に、最外面がインク受容性の熱可塑性樹脂被覆層で形成し、かつ、この繊維布帛のもう一方の面上に熱可塑性樹脂連続発泡層を形成し、特に熱可塑性樹脂連続発泡層において、気泡セルと臭気分子不活性化粒子とを含んで、気泡セル表面に臭気分子不活性化粒子を露出させる。
【選択図】図1
【解決手段】繊維布帛を芯材として用い、その一面上に、最外面がインク受容性の熱可塑性樹脂被覆層で形成し、かつ、この繊維布帛のもう一方の面上に熱可塑性樹脂連続発泡層を形成し、特に熱可塑性樹脂連続発泡層において、気泡セルと臭気分子不活性化粒子とを含んで、気泡セル表面に臭気分子不活性化粒子を露出させる。
【選択図】図1
Description
本発明は消臭機能を有する装飾用のシートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明のシートは消臭性と衝撃緩衝性とを有するインクジェットプリント可能な装飾用シートに関するもので、特にエレベータかご内部の壁及び床の保護材に適した装飾用のシートに関する。
マンションやオフィスビルの引越しでは大型荷物の搬出入がエレベータを利用して行われるが、狭いエレベータかご内での荷物の取り扱い時に、かごの壁面に荷物をぶつけたり、擦ったりすることで壁面に傷を付けてしまうことがある。このような傷付が予測可能な場合には予めエレベータかご内に起毛タイプのニット生地をマグネットシートで貼り付ける方法(特許文献1)、不織布を支持体として介在した磁性合成樹脂製シートを貼着する方法(特許文献2)などにより、かご内壁を保護する対策が行われている。これらのかご内壁保護シートは、マグネットシートの利用によって着脱自在かつ容易であるため、最近ではエレベータかごの保護商品として日常的な利用が急増している。
また、特に大型店舗、娯楽施設、公共施設のエレベータかご内では、利用客に対する視覚効果を狙って、かご内壁保護シートへの印刷付与が望まれている。これらの視覚効果はデザイン、イラスト、写真、文字などの組み合わせにより多様なニーズであるため、かご内壁保護シートへの印刷はコンピューターで作成したデータをインクジェット出力する方法が適している。しかし、起毛タイプのニット生地やニードルパンチカーペット地を使用する保護シートでは表面にプリントの付与が困難であり、またマグネットシートタイプの保護シートでは、磁性によってシート自体がインクジェットプリンターの金属部材に磁着して描画送りが困難である。
またインクジェットプリントが可能であっても、描画上がりから数週間の間、インクの添加物臭や溶剤臭が残ることがあり、このような臭気が残存するプリントシートではエレベータかご内に用いるシートに不適切である。またエレベータかご内では空気が澱み易く、特に起毛ニット生地やニードルパンチカーペット地使用の保護シートの使用環境では、起毛部に付着した皮脂汚れなどに黴や菌が繁殖して温床化することで、夜間など使用休止状態の長い環境では、かご内部に饐えた臭いが充満してしまう。
従って、インクジェットプリント可能な装飾用シートであって、特にエレベータかご内壁、及び床の保護材に適して用いられ、消臭性と衝撃緩衝性とを兼備する装飾保護シートが望まれていたのであるが、今までにそのようなシートは存在していなかった。
本発明は、インクジェットプリント可能な装飾用シートであって、特にエレベータかご内壁及び床の保護材に適して用いられ、消臭性と衝撃緩衝性とを兼備する装飾保護シートを提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、繊維布帛を芯材として用い、その一面上に、最外面がインク受容性の熱可塑性樹脂被覆層で形成し、かつ、この繊維布帛のもう一方の面上に熱可塑性樹脂連続発泡層を形成し、特に熱可塑性樹脂連続発泡層において、気泡セルと臭気分子不活性化粒子とを含んで、気泡セル表面に臭気分子不活性化粒子を露出させることによって、インクジェットプリント可能であり、尚且つ、消臭性と衝撃緩衝性とを兼備させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の装飾用シートは、繊維布帛を芯材として、その一面上に、最外面がインク受容性である熱可塑性樹脂被覆層が形成され、かつ、前記繊維布帛のもう一方の面上に熱可塑性樹脂連続発泡層が形成されてなる可撓性複合体であって、前記熱可塑性樹脂連続発泡層が、気泡セル及び臭気分子不活性化粒子とを含み、前記気泡セル表面に前記臭気分子不活性化粒子が露出していることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートにインクジェットプリント性、消臭性及び衝撃緩衝性とを兼備させることを可能とする。
本発明の装飾用シートは、前記臭気分子不活性化粒子が、臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の粒子であることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートに消臭性を付与することができる。
本発明の装飾用シートは、前記熱可塑性樹脂連続発泡層に占める、前記気泡セルの合計体積が前記熱可塑性樹脂発泡層の全体積に対して、20〜50体積%であることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートに消臭性と衝撃緩衝性とを付与することができる。
本発明の装飾用シートは、前記熱可塑性樹脂連続発泡層に占める、前記臭気分子不活性化粒子の合計質量が前記熱可塑性樹脂発泡層の全質量に対して、1〜30質量%であることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートに消臭性を付与することができる。
本発明の装飾用シートは、前記熱可塑性樹脂被覆層が、多層構造を有し、その最外層がインク受容層で構成されていることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートに良好なインクジェットプリント性を付与することができる。
本発明の装飾用シートは、前記繊維布帛が、熱可塑性樹脂で含浸されていることが好ましい。これによって本発明の装飾用シートにおける繊維布帛と熱可塑性樹脂連続発泡層との接着性を向上させ、本発明の装飾用シートの耐久性を向上させることができる。
本発明の装飾用シートは、前記熱可塑性樹脂連続発泡層の一部または全部に磁性粒子含有層をさらに含むことが好ましい。これによって本発明の装飾用シートをエレベータかご内壁及び床に着脱自在とすることができる。また磁性粒子がインクジェットプリンターの金属部材と磁力的に吸引し合っても、発泡層との実質的密着面積を少なくするので、走行方向の負荷が軽減することができる。従って熱可塑性樹脂連続発泡層に磁性粒子を含んでいてもインクジェットプリンター出力を可能とすることができる。
本発明のエレベータかご壁床保護材は、前記熱可塑性樹脂連続発泡層の一部または全面に磁性粒子含有層をさらに含む装飾用シートであることが好ましい。これによって本発明のエレベータかご壁床保護材をエレベータかご内壁及び床に着脱自在とすることができる。
本発明のエレベータかご壁床保護材は、前記装飾用シートの少なくとも一部がインクジェットプリントされていることが好ましい。これによって本発明のエレベータかご壁床保護材に意匠を付与することができる。
本発明の装飾用シートは、インクジェットプリント可能で、さらに消臭性と衝撃緩衝性とを兼備するので、特にエレベータかご内壁及び床の保護材に適して用いることができる。さらに本発明の装飾用シートは、化粧金属板を用いた物品、構築物の保護用シートとして、さらには車体、車両、航空機、船舶などのメンテナンス用保護シートとしても広く利用可能である。
本発明の装飾用シートの芯材に使用する繊維布帛を構成する繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維などの合成繊維、木綿、麻などの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維などの無機繊維が使用でき、これらは単独で、或いは2種以上の混用で用いてもよい。繊維糸条はマルチフィラメント、短繊維紡績、モノフィラメント、スプリットヤーン、テープヤーンなどいずれであってもよい。本発明に使用する繊維布帛は、織布、編布、不織布のいずれでもよいが、得られる装飾シートの寸法安定性及び寸法バランスとの観点から織布が好ましく、特に平織、綾織、繻子織、模紗織などが好ましい。これらの織布は、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目状の織布(空隙率は最大
50%、好ましくは5〜30%)、及び非粗目状織布(糸条間に実質上間隙が形成されていない織布)を包含する。これらの織布には、必要に応じて撥水処理、吸水防止処理、接着処理、難燃処理などの薬剤処理が施されたものを用いてもよい。
50%、好ましくは5〜30%)、及び非粗目状織布(糸条間に実質上間隙が形成されていない織布)を包含する。これらの織布には、必要に応じて撥水処理、吸水防止処理、接着処理、難燃処理などの薬剤処理が施されたものを用いてもよい。
本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層に使用する熱可塑性樹脂は、軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂、フッ素樹脂、フッ素系共重合体樹脂、シリコン樹脂、シリコン系共重合体樹脂などを、単独で用いてもよくもしくは、2種以上併用してもよい。本発明においては、塩化ビニル樹脂(可塑剤、安定剤等を配合した軟質〜半硬質塩化ビニル樹脂を包含する)、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂等を用いることが好ましい。本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層は有機顔料、無機顔料による着色が可能であり、必要に応じて可塑剤、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、接着剤、防炎剤、防黴剤、滑剤等を含むことができる。
本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層は、繊維布帛に対してディッピングやコーティングによる含浸被覆、フィルムラミネートによる積層被覆などの加工法によって得られる。ディッピング法やコーティング法では上記熱可塑性樹脂エマルジョンや塩化ビニル樹脂のペーストゾルを用いることが好ましく、またフィルムラミネートは、上記熱可塑性樹脂をカレンダー法により成形したフィルムやシート、或いはTダイス押出成形して得たフィルムやシートを用いることができる。本発明においては繊維布帛を熱可塑性樹脂エマルジョンで含浸し、これを乾燥させ、この片面上に厚さ0.1〜0.5mmの熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートすることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さが0.1mm未満だと得られるシートの衝撃緩衝性が不十分となることがあり、また厚さが0.5mmを越えると得られるシートの質量が過大となって取り扱い性を悪くすることがある。本発明において熱可塑性樹脂は防炎性付与の観点から塩素原子を多量に含有する塩化ビニル樹脂を使用することが好ましく、公知の可塑剤、防炎可塑剤、及び公知の防炎剤を含有する防炎組成であることが好ましい。
本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層にインク受容性を付与するためには、熱可塑性樹脂被覆層にインク受容性物質を含有させればよい。インク受容性物質としては、シリカ、ゼオライト、セピオライト、ハイドロタルサイト、ケイ藻土などの多孔質粒子がインク受容性に優れ好ましい。本発明に用いる多孔質粒子の平均凝集粒径は、平均凝集粒径(コールカウンター法)0.1〜5μm、特に0.5〜3μmであることが好ましい。熱可塑性樹脂被覆層に含む多孔質粒子の含有量は10〜50質量%、特に20〜40質量%が好ましい。多孔質粒子量が10質量%より少ないと、得られるシートのインク吸着性と発色性が不十分となることがあり、また、多孔質粒子量が50質量%を超えると、熱可塑性樹脂被覆層の耐摩耗性を悪くし、表面を脆くすることがある。また本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層にインク受容性を付与するためには、熱可塑性樹脂被覆層上に、多孔質粒子を含有する熱可塑性樹脂塗工液を塗布することによってインク受容性の熱可塑性樹脂薄膜層を形成し、本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層を2層構造とすることが好ましい。これによってインクジェットプリントに適した最外層と、耐久性に必要な内側層との両方を兼備することができる。このインク受容性熱可塑性樹脂薄膜層の厚さは1〜20μmが好ましく、インク受容性熱可塑性樹脂薄膜層に含有する多孔質粒子量の含有量は10〜50質量%、特に20〜40質量%が好ましい。多孔質粒子量が10質量%より少ないと、得られるシートのインク吸着性と発色性が不十分となることがあり、また、多孔質粒子量が50質量%を超えると、熱可塑性樹脂被覆層の耐摩耗性を悪くし、表面を脆くすることがある。
本発明の装飾用シートにおいて熱可塑性樹脂連続発泡層には、軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂、フッ素樹脂、フッ素系共重合体樹脂、シリコン樹脂、シリコン系共重合体樹脂などを用いることができ、これらは2種以上併用してもよい。本発明においては、塩化ビニル樹脂(可塑剤、安定剤等を配合した軟質〜半硬質塩化ビニル樹脂を包含する)、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂等を用いることが好ましい。本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂連続発泡層には有機顔料、無機顔料による着色が可能であり、必要に応じて可塑剤、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、接着剤、防炎剤、防黴剤、滑剤等を含むことができる。
本発明の熱可塑性樹脂連続発泡層に含有する臭気分子不活性化粒子としては、臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の粒子である。物理的吸着性を有する無機多孔性物質としては、活性炭、添着活性炭、竹炭、活性白土、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シラス、シリカ、シリカ−マグネシア、モレキュラーシーブから選ばれた1種以上を用いることができる。また化学反応性を有する無機酸化・還元性物質としては、鉄電気石:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4、苦土電気石:NaMg3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4、リシア電気石:Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4、オーレン電気石:Na1−xAl3Al6(BO3)3Si6O18(O,OH)4、鉄灰電気石:CaFe3(Al5Mg)(BO3)3Si6O18(OH,F)4、灰電気石:CaMg3(Al5Mg)(BO3)3Si6O18(OH,F)4、フォイト電気石:Fe2AlAl6(BO3)3Si6O18(OH,F)4、苦土フォイト電気石:Mg2AlAl6(BO3)3Si6O18(OH,F)4などの電気石(トルマリン鉱石)、及び鉄フタロシアニン錯体(テトラカルボン酸)、コバルトフタロシアニン錯体(テトラカルボン酸)、マンガンフタロシアニン錯体(テトラカルボン酸)などの金属フタロシアニン錯体、から選ばれた1種以上を用いることができる。また無機分解反応触媒物質としては、助触媒添加(担持)型光触媒、アニオンドープ型光触媒、カチオンドープ型光触媒、共ドープ型光触媒、金属ハロゲン化物担持型光触媒、酸素欠損型光触媒などの可視光応答型光触媒粒子が用いられる。
熱可塑性樹脂連続発泡層に含有する臭気分子不活性化粒子の含有量は、熱可塑性樹脂連続発泡層に占める、臭気分子不活性化粒子の合計質量が熱可塑性樹脂発泡層の全質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、熱可塑性樹脂連続発泡層が、気泡セルと臭気分子不活性化粒子とを含んでいて、気泡セル表面には臭気分子不活性化粒子が露出していることが好ましい。臭気分子不活性化粒子の含有量が1質量%未満だと、得られるシートの消臭効果が不十分となることがあり、また30質量%を越えると得られるシートの熱可塑性樹脂連続発泡層の強度が脆弱化することがある。本発明において、上記臭気分子不活性化粒子の補助成分として植物性ポリフェノール類、植物性テルペノイドを含んでいてもよい。植物性ポリフェノールは、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど、及びその誘導体、フェノール性酸及びその誘導体などの単一もしくは混合物である。また植物性テルペノイドは、ヒノキチオール、テルピネオール、リナロールなどのテルペンアルコール、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、p−メンタン、α−テルピネン、テルピノーレン、カンフェン、エレメン、ミルセン、カルボンなどのテルペン系環式炭化水素化合物を併用することができる。
熱可塑性樹脂連続発泡層は、熱可塑性樹脂連続発泡層に占める気泡セルの合計体積が熱可塑性樹脂発泡層の全体積に対して20〜50体積%である。気泡セルを20〜50体積%含有することにより、熱可塑性樹脂連続発泡層内部表面積が増大し、気泡セル表面に臭気分子不活性化粒子が露出していることを特徴とする本発明の熱可塑性樹脂連続発泡層において、臭気分子不活性化粒子の露出表面積が増すことで消臭性能が効果的に向上する。気泡セルは、化学発泡剤の熱分解ガスによる方法、粘性樹脂の攪拌による空気巻込みによる機械発泡、ガス内包マイクロカプセルを発泡させた樹脂バルーン粒子の添加などの方法が挙げられる。化学発泡剤としては、アゾジカルボアミド、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエンスルフォニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱分解型化学発泡剤が使用できる。気泡セルは隣接気泡セルと部分的に空間を共有する連続気泡が好ましく、これらの連続気泡セルの含有率は20〜50体積%が好ましい。気泡セル含有率が20体積%未満の場合は、消臭効果が不十分となるばかりでなく、衝撃緩衝性を悪くすることがある。また発泡セル含有率が50体積%を超えると熱可塑性樹脂連続発泡層の強度が低下してシートの取り扱い性を悪くすることがある。熱可塑性樹脂連続発泡層の層厚は0.5〜5.0mm、特に1〜3mmが好ましい。層厚が0.5mm未満だと衝撃緩衝性が不十分となり、また、層厚が5.0mmを超えるとシートの取り扱い性を悪くすることがある。
熱可塑性樹脂連続発泡層の形成は、繊維布帛に対してディッピングやコーティングによる含浸被覆、フィルムラミネートによる積層被覆などの加工法によって得られる。ディッピング法やコーティング法では上記化学発泡剤を含有させるか、或いは機械発泡させた熱可塑性樹脂エマルジョンや塩化ビニル樹脂のペーストゾルを用いることが好ましく、またフィルムラミネートは、上記化学発泡剤を含有する熱可塑性樹脂をカレンダー法により成形したフィルムやシート、或いはTダイス押出成形して得たフィルムやシートを用いることができる。本発明においては繊維布帛を熱可塑性樹脂エマルジョンで含浸し、これを乾燥させ、この片面上に厚さ0.1〜1.0mmの化学発泡剤含有熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートして、後工程の加熱によって厚さ0.5〜5.0mmに発泡させることが好ましい。本発明において熱可塑性樹脂連続発泡層には防炎性付与の観点から塩素原子を多量に含有する塩化ビニル樹脂を用いることが好ましく、公知の可塑剤、防炎可塑剤、及び公知の防炎剤を含有する防炎組成であることが好ましい。
また熱可塑性樹脂連続発泡層には磁性粒子を含んでいてもよく、特に熱可塑性樹脂連続発泡層の一部または全部に磁性粒子含有層をさらに含む構成が好ましい。これによって本発明の装飾用シート(インクジェットプリントされた)をエレベータかご内壁及び床に用意に装着することができる。本発明の装飾シートにおいて、特に熱可塑性樹脂連続発泡層に磁性粒子を含んでいても、インクジェットプリンター出力時のプリント走行性に対する磁力の影響は少ない。これは磁性粒子がインクジェットプリンターの金属部材と磁力的に吸引し合っても、発泡層との実質的密着面積を少なくすることで、走行方向の負荷が軽減するからである。従って本発明の装飾シートで、熱可塑性樹脂連続発泡層に磁性粒子を含む仕様のものであってもインクジェットプリンター出力が可能である。磁性粒子としては、マグネットプランバイト型フェライト、希土類磁石であり。磁性粒子含有層は磁性粒子を熱可塑性樹脂中に10〜50質量%充填分散させて圧延成形して得られる厚さ0.1〜1.0mmの磁性シートを公知の接着剤を用いて熱可塑性樹脂連続発泡層上に積層して得られる。この磁性シートは熱可塑性樹脂連続発泡層の全面に積層してもよく、或いは任意のサイズ及び形状に裁断した複数のパーツの接着により、熱可塑性樹脂連続発泡層の部分的に磁性粒子含有層を形成したものでもよい。磁性シートを構成する熱可塑性樹脂としては特に軟質塩化ビニル樹脂が好ましい。
本発明の装飾用シートの熱可塑性樹脂被覆層は、インク受容性を有しているので市販のインクジェットプリンターによるインクジェットプリントによる意匠の付与が可能である。特にラテックスインクによるインクジェットプリントがインクの無臭性に優れ好ましい。
本発明を下記実施例により具体的に説明する。
試験方法の説明
下記実施例において、消臭性能試験方法は下記の通りである。
(1)消臭性能試験
a)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L注入し、0.5時間後
および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
b)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したメチルメルカプタンガスを3L注入し、
0.5時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
c)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したホルムアルデヒドガスを3L注入し、0.5
時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
(2)防炎試験:消防法施行規則第4条(JIS L1091A法メッケルバーナー)
(3)インクジェットプリント
日本ヒューレットパッカード(株)製のインクジェットプリントプリンター(ラテッ
クスインク対応)機種名:HP DesignjetL65500を用いた。
試験方法の説明
下記実施例において、消臭性能試験方法は下記の通りである。
(1)消臭性能試験
a)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L注入し、0.5時間後
および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
b)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したメチルメルカプタンガスを3L注入し、
0.5時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
c)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズのシート
試料を入れ、濃度10ppmに調整したホルムアルデヒドガスを3L注入し、0.5
時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
(2)防炎試験:消防法施行規則第4条(JIS L1091A法メッケルバーナー)
(3)インクジェットプリント
日本ヒューレットパッカード(株)製のインクジェットプリントプリンター(ラテッ
クスインク対応)機種名:HP DesignjetL65500を用いた。
[実施例1]
芯材として、下記織組織のポリエステルフィラメント織物を用いた。
タテ糸555dtex×24本/inch・ヨコ糸555dtex×24本/inch: 質量:125g/m2
この繊維布帛を、下記配合1のペースト塩化ビニル樹脂配合組成物浴中にディッピングして、繊維布帛に配合1液を含浸した後、それを引き上げると同時にマングルロールで絞り、180℃で2分間加熱してゲル化させた。繊維布帛に対し塩化ビニル樹脂を120g/m2付着させ樹脂含浸芯材を得た。
<配合1> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 20質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン(着色剤) 4質量部
芯材として、下記織組織のポリエステルフィラメント織物を用いた。
タテ糸555dtex×24本/inch・ヨコ糸555dtex×24本/inch: 質量:125g/m2
この繊維布帛を、下記配合1のペースト塩化ビニル樹脂配合組成物浴中にディッピングして、繊維布帛に配合1液を含浸した後、それを引き上げると同時にマングルロールで絞り、180℃で2分間加熱してゲル化させた。繊維布帛に対し塩化ビニル樹脂を120g/m2付着させ樹脂含浸芯材を得た。
<配合1> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 20質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン(着色剤) 4質量部
この樹脂含浸芯材の片面上に、下記配合2の軟質塩化ビニル樹脂組成物による厚さ0.2mmのカレンダーフィルムを170℃の熱条件下で熱ラミネートして積層接着し、厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂被覆層を形成した。
<配合2> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 50質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 10質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン(着色剤) 8質量部
<配合2> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 50質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 10質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン(着色剤) 8質量部
この熱可塑性樹脂被覆層形成基材の熱可塑性樹脂被覆層表面に、下記配合3のアクリル樹脂組成物による厚さ3μmのインク受容層を80メッシュグラビア塗工にて形成した。
<配合3> アクリル樹脂配合組成物
アクリル樹脂 100質量部
シリカ(平均粒子径1μm) 20質量部
メチルエチルケトン(溶剤) 500質量部
<配合3> アクリル樹脂配合組成物
アクリル樹脂 100質量部
シリカ(平均粒子径1μm) 20質量部
メチルエチルケトン(溶剤) 500質量部
このインク受容層形成基材のもう1面側(熱可塑性樹脂被覆層が形成されていない側)に、下記配合4のペースト塩化ビニル樹脂配合組成物(機械攪拌により気泡セルを66体積%含む発泡組成物)を厚さ2mmでクリアランスコートして、これを180℃で2分間加熱してゲル化させた。これによりインク受容層形成基材に対し厚さ2mmの熱可塑性樹脂連続発泡層(1000g/m2)を形成し、本発明の装飾用シートを得た。
<配合4> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
竹炭(臭気分子不活性化粒子) 16質量部
鉄電気石:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
(臭気分子不活性化粒子) 8質量部
<配合4> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
竹炭(臭気分子不活性化粒子) 16質量部
鉄電気石:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
(臭気分子不活性化粒子) 8質量部
実施例1で得たシートのインク受容層形成面に、日本ヒューレットパッカード(株)製のインクジェットプリントプリンター:機種名:HP DesignjetL65500を用い、ラテックスインクによる図柄(青空に白雲が漂う風景のデジタル画像)出力を行った結果、はじきや滲みのない美麗なプリントを得た。養生24時間後、透明粘着テープによる引き剥がし密着試験を実施したところ、プリントの剥離転写は確認されず、良好な印刷密着性を示していた。またこのプリントシートを消防法施行規則第4条(JIS L1091A法)メッケルバーナー法により45°防炎試験を行った結果、残炎時間5秒以下の規格に対し残炎2秒、残じん時間20秒以下の規格に対し残じん4秒、炭化面積40cm2以下の規格に対し炭化面積23.4cm2であり、財団法人日本防炎協会認定の防炎製品に適合するものであった。またこのプリントシートをa)アンモニアガス、b)メチルメルカプタンガス、c)ホルムアルデヒドガス、それぞれに対する消臭試験を行った結果、a)3ppm(0.5時間後)、1ppm以下(1時間後)、b)6ppm(0.5時間後)、3ppm(1時間後)、c)5ppm(0.5時間後)、2ppm(1時間後)、のようにガス濃度はいずれも減衰していたことから本発明の装飾シートは消臭性を有することが確認できた。
実施例1で得たシート2m×2mの熱可塑性樹脂連続発泡層面に、厚さ1.0mm×幅5cm×長さ2mのマグネットシート(市販の塩化ビニル樹脂製)13本を、タテ方向10cm間隔でストライプ状にホットメルト接着した。このマグネットシートを熱可塑性樹脂連続発泡層の一部に含む本発明の装飾シートをエレベータかご内の金属化粧板壁面に磁力装着した。本発明の装飾シートの金属化粧板壁面への磁力装着性は良好であった。
[実施例2]
熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4を配合5(磁性粒子配合)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。これによりインク受容層形成基材に対し厚さ2mmの熱可塑性樹脂連続発泡層(1000g/m2)を形成し、本発明の装飾用シートを得た。
<配合5> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
マグネットプランバイト型フェライト(磁性粒子) 30質量部
竹炭(臭気分子不活性化粒子) 16質量部
鉄電気石:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
(臭気分子不活性化粒子) 8質量部
熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4を配合5(磁性粒子配合)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。これによりインク受容層形成基材に対し厚さ2mmの熱可塑性樹脂連続発泡層(1000g/m2)を形成し、本発明の装飾用シートを得た。
<配合5> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
マグネットプランバイト型フェライト(磁性粒子) 30質量部
竹炭(臭気分子不活性化粒子) 16質量部
鉄電気石:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
(臭気分子不活性化粒子) 8質量部
実施例2で得たシートのインク受容層形成面に、日本ヒューレットパッカード(株)製のインクジェットプリントプリンター:機種名:HP DesignjetL65500を用い、ラテックスインクによる図柄(青空に白雲が漂う風景のデジタル画像)出力を行った結果、はじきや滲みのない美麗なプリントを得た。養生24時間後、透明粘着テープによる引き剥がし密着試験を実施したところ、プリントの剥離転写は確認されず、良好な印刷密着性を示していた。またこのプリントシートを消防法施行規則第4条(JIS L1091A法)メッケルバーナー法により45°防炎試験を行った結果、残炎時間5秒以下の規格に対し残炎2秒、残じん時間20秒以下の規格に対し残じん8秒、炭化面積40cm2以下の規格に対し炭化面積16.6cm2であり、財団法人日本防炎協会認定の防炎製品に適合するものであった。またこのプリントシートをa)アンモニアガス、b)メチルメルカプタンガス、c)ホルムアルデヒドガス、それぞれに対する消臭試験を行った結果、a)3ppm(0.5時間後)、1ppm以下(1時間後)、b)6ppm(0.5時間後)、3ppm(1時間後)、c)5ppm(0.5時間後)、2ppm(1時間後)、のようにガス濃度はいずれも減衰していたことから本発明の装飾シートは消臭性を有することが確認できた。
実施例2で得たシート2m×2mをエレベータかご内の金属化粧板壁面に磁力装着した。本発明の装飾シートの金属化粧板壁面への磁力装着性は良好であった。
[比較例1]
熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4を配合6に変更し、臭気分子不活性化粒子の添加を省略した以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。
<配合6> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4を配合6に変更し、臭気分子不活性化粒子の添加を省略した以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。
<配合6> ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物
ペースト塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 30質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(着色剤) 2質量部
シリコーンオイル(整泡剤) 3質量部
[比較例2]
実施例1において熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4の機械攪拌発泡を省略して無発泡層とした以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。
実施例1において熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合4の機械攪拌発泡を省略して無発泡層とした以外は実施例1と同様にしてシートを作製した。
[比較例3]
実施例2において熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合5の機械攪拌発泡を省略した以外は実施例2と同様にしてシートを作製した。
実施例2において熱可塑性樹脂連続発泡層の組成配合5の機械攪拌発泡を省略した以外は実施例2と同様にしてシートを作製した。
比較例1〜3のシートはいずれもインクジェットプリント性を有し、さらに財団法人日本防炎協会認定の防炎製品に適合するものであったが、比較例1のシートでは臭気分子不活性化粒子が存在しないために消臭性を有さず、また比較例2及び3のシートでは臭気分子不活性化粒子は存在するが、無発泡層としたために消臭性が不十分なものとなった。また特に比較例3のシートはインクジェットプリント性を有するものではあるが、無発泡層としたために無発泡層に含む磁性粒子(マグネットプランバイト型フェライト)がインクジェットプリンターの金属部材と磁力密着して動かなくなり、スリップを繰り返してプリント不良となった。比較例1〜3のシートのa)アンモニアガス、b)メチルメルカプタンガス、c)ホルムアルデヒドガスに対する消臭試験結果は以下の通りである。比較例1のシート:a)10ppm(0.5時間後)、10ppm(1時間後)、b)10ppm(0.5時間後)、10ppm(1時間後)、c)10ppm(0.5時間後)、10ppm(1時間後)、比較例2のシート:a)5ppm(0.5時間後)、3ppm(1時間後)、b)8ppm(0.5時間後)、5ppm(1時間後)、c)7ppm(0.5時間後)、4ppm(1時間後)、比較例3のシート:a)5ppm(0.5時間後)、3ppm(1時間後)、b)8ppm(0.5時間後)、5ppm(1時間後)、c)7ppm(0.5時間後)、4ppm(1時間後)
本発明により得られる装飾シートは、インクジェットプリント可能で、さらに消臭性と衝撃緩衝性とを兼備するので、特にエレベータかご内壁及び床の保護材に適して用いることができる。さらに本発明の装飾用シートは、化粧金属板を用いた物品、構築物の保護用シートとして、さらには車体、車両、航空機、船舶などのメンテナンス用保護シートとしても広く利用可能である。
1:装飾シート
1−1:エレベータかご内壁用装飾シート(インクジェットプリント)
1−2:エレベータかご内床用装飾シート(インクジェットプリント)
2:繊維布帛(芯材)
3:熱可塑性樹脂被覆層(最外面がインク受容性を有する)
4:熱可塑性樹脂連続発泡層
5:気泡セル
6:臭気分子不活性化粒子
7:磁性粒子
8:磁性粒子含有層
9:エレベータかご内(扉全開状態)
9−1:エレベータかご内壁
9−2:エレベータかご内床
9−3:エレベータかご内天井
1−1:エレベータかご内壁用装飾シート(インクジェットプリント)
1−2:エレベータかご内床用装飾シート(インクジェットプリント)
2:繊維布帛(芯材)
3:熱可塑性樹脂被覆層(最外面がインク受容性を有する)
4:熱可塑性樹脂連続発泡層
5:気泡セル
6:臭気分子不活性化粒子
7:磁性粒子
8:磁性粒子含有層
9:エレベータかご内(扉全開状態)
9−1:エレベータかご内壁
9−2:エレベータかご内床
9−3:エレベータかご内天井
Claims (9)
- 繊維布帛を芯材として、その一面上に、最外面がインク受容性である熱可塑性樹脂被覆層が形成され、かつ、前記繊維布帛のもう一方の面上に熱可塑性樹脂連続発泡層が形成されてなる可撓性複合体であって、前記熱可塑性樹脂連続発泡層が、気泡セル及び臭気分子不活性化粒子とを含み、前記気泡セル表面に前記臭気分子不活性化粒子が露出していることを特徴とする装飾用シート。
- 前記臭気分子不活性化粒子が、臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の粒子である、請求項1に記載の装飾用シート。
- 前記熱可塑性樹脂連続発泡層に占める、前記気泡セルの合計体積が前記熱可塑性樹脂発泡層の全体積に対して、20〜50体積%である、請求項1または2に記載の装飾用シート。
- 前記熱可塑性樹脂連続発泡層に占める、前記臭気分子不活性化粒子の合計質量が前記熱可塑性樹脂発泡層の全質量に対して、1〜30質量%である、請求項1から3のいずれか1項に記載の装飾用シート。
- 前記熱可塑性樹脂被覆層が、多層構造を有し、その最外層がインク受容層で構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾用シート。
- 前記繊維布帛が、熱可塑性樹脂で含浸されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾用シート。
- 前記熱可塑性樹脂連続発泡層の一部または全部に磁性粒子含有層をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾用シート。
- 請求項7に記載の装飾用シートを少なくとも一部に用いたエレベータかご壁床保護材。
- 前記装飾用シートの少なくとも一部がインクジェットプリントされている請求項8に記載のエレベータかご壁床保護材。
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JP2010277610A JP2012126478A (ja) | 2010-12-14 | 2010-12-14 | 装飾用シート及びそれを用いたエレベータかご壁床保護材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014156302A (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-28 | Fujitec Co Ltd | エレベータ用消臭マット |
JP2015052186A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 株式会社大京建設 | 建築物修繕工事用メッシュシート及びその連結張囲体 |
JP2015074893A (ja) * | 2013-10-07 | 2015-04-20 | 豊道 遠藤 | 防炎性フィルム |
JP2016097207A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 平岡織染株式会社 | 臭気吸着メッシュシート及びその臭気吸着性能の回復方法 |
CN108190696A (zh) * | 2018-01-26 | 2018-06-22 | 苏州沃诺斯精密机械有限公司 | 一种电梯轿厢内壁 |
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CN110304529A (zh) * | 2019-07-16 | 2019-10-08 | 中山市鑫海精密制造科技有限公司 | 具有可拆卸装饰层的轿厢 |
-
2010
- 2010-12-14 JP JP2010277610A patent/JP2012126478A/ja active Pending
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