JP2012126107A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吐出口が設けられた部材の撥水材の凝集による凹みを抑え、かつ撥水性の優れた吐出口面を形成し、高密度、高品質な印字を実現するインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】 基板上に光カチオン重合性樹脂材料を含む光カチオン重合性樹脂層を形成する工程と、光カチオン重合性樹脂層をパターン露光し吐出口を含む微細パターンの潜像を形成する工程と、プラズマ処理装置を用いた表面処理により該樹脂層表面に官能基を導入する工程と、該光カチオン重合性樹脂層上に、撥水材を含む撥水層を形成する工程と、を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクの液滴を吐出することが可能なインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録ヘッドにおいて、良好なインク吐出性能を得る上で吐出口面の表面特性を制御することは重要である。吐出口付近にインク溜りが残留していると、インク滴の飛翔方向が偏向したり、吐出するインク滴に対して負荷がかかり、インク滴の吐出速度が低下したりする場合がある。これらを改善し精度良くインクを吐出する方法として、吐出口周辺を撥水加工する方法が挙げられる。
また、高密度に吐出口を配列するためには、吐出口が設けられた部材の形成にフォトリソグラフィーを用いる方法が有用である。特許文献1には、感光性を有する撥水材として、フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合生成物を用いることが開示されている。特許文献1では、該撥水材を用いて、撥水層と吐出口が設けられた部材を形成する層とを同時にパターニング露光及び現像を行うことで、吐出口表面を撥水加工している。
特開2010−23525号公報
一般に、撥水材の多くは有機樹脂との親和性が低いフッ素原子を含むため、塗布条件によっては撥水材の凝集が生じる場合がある。特に、高い撥水性を示すパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含有する化合物の溶液を塗布した場合、溶媒が揮発する過程で撥水材が凝集することがある。
図1に示すように、特許文献1では撥水処理として、未硬化の感光性樹脂層1を形成した後(図1(A))、基板5の上に設けられた感光性樹脂層1上に撥水材溶液を塗布し、加熱処理を行うことで撥水材層2を設ける(図1(B))。その後、パターン露光し現像することで吐出口を含む微細パターンを形成する。撥水材を塗布した時、感光性樹脂層1は未硬化で柔らかい。そのため、感光性樹脂層1上に撥水材の塗布、パターン露光、加熱などの工程を経る間に、撥水材溶液の種類によっては、図1(B)に示すように撥水材の凝集物3が感光性樹脂層1に沈み込み、凹みを生じることが懸念される。 撥水材の凝集が生じることで感光性樹脂層1に凹みが生じる場合、感光性樹脂層1は吐出口が設けられる部材であるために、吐出口の存在する部材表面(吐出口面と呼ぶ)に凹みが発生していることになる。吐出口面に生じた凹みの一部は吐出口の縁にかかってしまうため、吐出口まわりの表面形状が不均一となり、顔料などのインク成分が付着しやすくなり、印字不良が起こることにつながる。また、インクジェットヘッドでは、機種によって、出荷されてからユーザーが使用を開始するまでの間、吐出口面を保護テープで覆っており、ユーザーが使用開始時にその保護テープを剥がすものがある。吐出口面に凹凸があると、テープを剥がす際に保護テープの粘着剤が吐出口面に残りやすくなってしまい、印字に影響を及ぼす要因となることもある。
本発明の目的は、撥水材の凝集による吐出口が設けられた部材の凹みの発生を抑制し、かつ撥水性の優れた吐出口面を形成し、高密度、高品質な印字を実現するインクジェット記録ヘッドを提供することである。
本発明の一例は、基板と、インクを吐出するための吐出口が設けられ、前記吐出口が開口する表面に撥水性である吐出口部材と、を備えるインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、吐出口部材となるための硬化性の樹脂材料を含む硬化性樹脂層を前記基板上に設ける工程と、硬化性樹脂層の吐出口部材となる部分を硬化させる工程と、前記硬化が行われた前記硬化性樹脂層の表面にプラズマ処理を行う工程と、前記硬化性の樹脂材料の官能基と反応して結合を形成し得る撥水材を含む撥水層を設ける工程と、硬化性樹脂層の未硬化の部分と、前記撥水層の前記硬化性樹脂層の前記未硬化の部分に対応する部分と、を除去して前記吐出口を形成することにより前記吐出口部材を形成する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
本発明の一例によれば、吐出口を含む微細パターンが設けられた部材の表面において、撥水材の凝集による凹みの発生を抑制し、かつ撥水性、耐久性の優れた吐出口面を形成することができ、高密度、高品質な印字を実現するインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
従来の撥水層の形成方法を示す断面図である。 本発明に係る撥水層の形成方法を示す断面図である。 本発明に係る方法により製造されたインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。 本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法の一例を示す断面図である。 本発明に係るプラズマ処理装置の一例を示す模式図である。(A)ダイレクト型プラズマ処理装置の模式図。(B)リモート型プラズマ処理装置の模式図。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の方法により、撥水材の凝集による凹みがなく、平坦性、撥水性、耐久性に優れた吐出口面を形成し、高密度、高品質な印字を実現するインクジェット記録ヘッドを提供する本発明を完成するに至った。
本発明に係る方法で撥水層を形成した場合の断面図を図2に示す。基板5の上に未硬化の硬化性樹脂層の一例としてのネガ型の感光性樹脂層1を形成した後、感光性樹脂層1にマスク9を用いてパターン露光することにより、吐出口を含む微細パターンの潜像を形成する(図2(A))。感光性樹脂層の露光部分4では、樹脂の重合反応が進行し、硬化することにより未露光部分1に比べて樹脂の硬度が上昇する。その後、撥水材を含む撥水層を形成し(図2(B))、現像処理により未露光部分を除去することで微細パターンを形成する(図2(C))。図2に示すように、潜像形成後に撥水層2を形成することにより、感光性樹脂層1の変形を抑制することができる。
本発明に係る方法により製造されるインクジェット記録ヘッドの一例を図3に示す。図3に示すインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するためのエネルギー発生素子15を複数有する基板5上に、インクを吐出するための吐出口13が設けられた吐出口部材100と、吐出口13に連通しインクを保持するインク流路16と、さらに吐出口部材100の内部応力を低減するために形成された溝17を有する。また、基板5には、インクをインク流路16に供給するインク供給口14が設けられている。吐出口部材100の吐出口が開口している外表面は撥水性となっている。
以下、本発明の実施形態の一例を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。図4は本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示した図であり、図4(A)〜(H)は、図3のA−A’断面に相当する工程断面図である。
まず、Si基板上に配線、保護膜(不図示)およびインクを吐出するエネルギーを発生するエネルギー発生素子15を設けた基板5上に、インク流路となる型レジスト6を形成する(図4(A))。このとき、インク流路となる部分以外にも、吐出口部材100となる光カチオン重合性樹脂層8の塗布膜厚制御のための土台となる型レジスト7を必要に応じて形成する。型レジスト6および7は後の工程で溶解除去する必要があるため、型レジスト6および7にはポジ型感光性樹脂が用いられる。具体的には、例えばポリメチルイソプロペニルケトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系光崩壊性高分子化合物が用いられる。
次に、型レジスト6および7の上に吐出口部材となるための硬化性樹脂の一例として光カチオン重合性樹脂層8を形成する(図4(B))。光カチオン重合性樹脂層8は、汎用的なスピンコート法、スリットコート法、ロールコート法等の塗布方法によって形成できる。
光カチオン重合性樹脂層8には光カチオン重合性樹脂が含まれる。該光カチオン重合性樹脂としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。なかでも、高い機械的強度、下地との強い密着性が必要とされるため、それらの特性を持つエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。市販品では、SU8(商品名、日本化薬株式会社製)、EHPE3150(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)等の多官能エポキシ樹脂が好適である。
前記エポキシ化合物は、エポキシ当量が100以上、2000以下であることが好ましく、エポキシ当量が1000以下であることがより好ましい。エポキシ当量が2000以下であれば、硬化反応の際に架橋密度が低下したり、硬化物のガラス転移温度が低下したり、密着性が低下したりすることを防ぐことができる。またエポキシ当量が小さすぎる場合、機械的強度や感光特性が低下する場合がある。
また、光カチオン重合性樹脂層8は、パターニング工程中に流動性があると解像性が低下する場合があるため、光カチオン重合性樹脂としては5〜35℃の常温にて固体であるものが好ましい。
光カチオン重合性樹脂層8に含まれる、光カチオン重合性樹脂層8を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、等の光酸発生剤が挙げられる。更に、該光カチオン重合開始剤に熱酸発生剤を併用し、加熱することによって、カチオン重合を促進することができる。該熱酸発生剤としては、反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮した場合、例えば銅トリフラートが挙げられる。
次に、光カチオン重合性樹脂層8の吐出口13および溝17が形成される位置が未露光部分10となるように、マスク9を介してパターン露光し、吐出口パターンの潜像を形成する(図4(C))。そして、露光した際に発生した酸により、光カチオン重合性樹脂層8の露光部分11に架橋が生じる(図4(D))。この架橋率が小さすぎると、次工程の光カチオン重合性樹脂層8上への撥水材塗布の影響で光カチオン重合性樹脂層8に凹みなどの変形が起こる可能性があるため、変形が起こらない程度に硬化させることが好ましい。硬化を進行させるために、露光後に加熱処理を行うことも有用である。加熱条件は光カチオン重合性樹脂の種類にも依存するが、樹脂のガラス転移温度に近い温度に加熱すると硬化反応が速やかに進行する。
また、次工程で設ける撥水層12と光カチオン重合性樹脂層8との間で化学結合を生成するため、反応基が残存していることが好ましい。例えば光カチオン重合性樹脂としてエポキシ化合物を用いた場合には、エポキシ基が残存するように架橋率を抑えることが好ましい。ここで、架橋の度合いを示す架橋率を下記式(1)で定義すると、架橋率は5%以上、95%以下であることが好ましく、さらには20%以上、90%以下であることが好ましい。なお、エポキシ基の残存量は赤外分光法により測定することができる。
光カチオン重合性樹脂層8と撥水層12との反応性を高めるために、光カチオン重合性樹脂層8が水酸基を含有する化合物や水酸基を生成し得る化合物を含むことも有用である。
水酸基を含有する化合物の具体例としては、1,4−HFAB(1,4−ビス(ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン)が挙げられる。水酸基を生成し得る化合物としては、例えば加水分解性シリル基を有する化合物等が挙げられる。具体的には、アルコキシシリル基を有するシラン化合物、所謂シランカップリング剤が挙げられる。シラン化合物の具体例としては、市販品A−187(商品名、GE東芝シリコーン製)、KBE−403(商品名、信越化学工業製)などのように、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。エポキシ基を有するシラン化合物は、撥水層12と光カチオン重合性樹脂層8の両方と反応し得るため、撥水層12の密着性向上のために適している。
さらに光カチオン重合性樹脂層8と撥水層12との反応性を高めるために有用な手段としては、プラズマ処理が挙げられる。一般に、プラズマとは電離した気体状態であり、イオン、電子、ラジカルなど様々な状態の活性種からなるものであり、プラズマ処理により光カチオン重合性樹脂層8の表面を活性化して、表面に反応性の官能基を付与することが可能である。この処理により撥水層12がと光カチオン重合性樹脂層との
ここで、プラズマ処理としてはダイレクト型の処理装置を使用するものと、リモート型の処理装置を使用するものが上げられる。図5に、(A)ダイレクト型、(B)リモート型のプラズマ処理装置の構成例を示すが、本発明はこれらに限定するものではない。ダイレクト型のプラズマ処理とは、対峙した電極18の間に反応させるガスを導入し高周波電力を印加してプラズマ19を発生させ、その電極間に被処理基材20を設置して処理を行うものである。一方、リモート型のプラズマ処理とは電極18間で発生したプラズマ19をキャリアガスにより電極間から噴出させ、電極18から離れた位置にある被処理基材20を処理する構成を意味している。
光カチオン重合性樹脂層の表面処理として、リモート型のプラズマ処理装置を用いると、後述するように効率的に未露光部の硬化反応を抑制して、樹脂表面へ撥水材と反応し得る官能基を導入することが可能となる。
リモート型のプラズマ処理装置としては、大気圧下で処理を行う大気圧プラズマ処理(=常圧プラズマ処理)と、減圧環境下で処理を行う減圧プラズマ処理とが存在する。大気圧プラズマ処理は、キャリアガスを用いることで図5(B)に示したように電極間からプラズマガスを吹き出させて被処理基材表面に当てるものである。前述のように、プラズマは電離することで荷電粒子を含有するが、ラジカルなどの電荷を持たない活性種に比較して、電荷を持つ活性種は寿命が短い。そのため、電極間を離れて被処理基材表面に到達するまでに、イオンや電子などの荷電粒子はほぼ消滅し、実質的にラジカルなどの電荷を持たない粒子のみがプラズマ中に残ることとなる。そのためにカチオン重合性樹脂の重合反応に影響しにくくなる。荷電粒子の基材への到達を抑制する上でプラズマの吹き出し口に電荷遮蔽機能を有するフィルター21を設けることも好適である。
減圧プラズマ処理の場合は、減圧チャンバーを設置する必要がある一方で、プラズマ中の活性種の寿命が比較的長くなるために、プラズマ発生源である電極から被処理基材までの距離を大気圧プラズマ処理の場合よりも長くしているものが多い。そのため、減圧プラズマ装置においては電荷遮蔽フィルターを設置しなくともパターニング特性への影響は抑えることができる。減圧プラズマ処理方法としては、処理チャンバー内をプラズマ雰囲気にして処理する方法が挙げられる。
プラズマ発生源およびキャリアガスとしては、ヘリウム、アルゴンなどの非反応性ガスや酸素、窒素、二酸化炭素、窒素酸化物などの反応性ガスを用いることができる。樹脂表面に官能基を導入する目的から、酸素原子、窒素原子の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。なお、大気圧プラズマの場合は、前記非反応性ガスのみを用いても周囲にある大気の影響で通常は酸素プラズマを発生させることができる。一方減圧プラズマの場合は酸素、窒素、二酸化炭素などの反応性ガスの使用を使用して行う。また窒素プラズマは、酸素プラズマや二酸化炭素プラズマよりも反応性が低く、樹脂表面への導入効率が低いため、酸素ガスの混合比率は10%以下でも十分であるが、窒素プラズマ使用時は窒素の含有比率は高いほうが好ましい。酸素を用いず、非反応性ガスと窒素ガスを使用する場合には、窒素ガスを50%以上、好ましくは90%以上で処理を行う。
光カチオン重合性樹脂層8の表面には、プラズマ処理をしない場合でも、通常は水酸基、エポキシ基、オキセタン基などの官能基が存在している。酸素プラズマ処理により、さらに水酸基が増加し、カルボキシル基、カルボニル基などの酸素含有基が樹脂表面に導入される。また窒素プラズマ処理では、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基などの窒素含有基が導入される。また、プラズマ処理によって非常に活性となった樹脂表面には、空気中の酸素、水分が付加しやすくなっており、窒素プラズマ処理でも水酸基などの酸素含有基も生成する場合もある。
次に、光カチオン重合性樹脂層8の上に撥水層12を形成する(図4(E))。撥水層12は、汎用的なスピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法及び真空蒸着法等の成膜方法によって形成できる。撥水層12に含まれる撥水材としては、フッ素含有基を有する化合物を用いる。中でも高い撥水性を得るためには、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を有する化合物を用いることがより好ましい。パーフルオロアルキル基としては、例えば下記式(2)
F−(CF)n− (2)
(式(2)中、nは3以上の整数である。)で表される基が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては、例えば下記式(3)
(式(3)中、p、q、r、sは0又は1以上の整数であり、少なくとも一つは1以上の整数である。)で表される基が挙げられる。
これらの撥水基の繰り返し単位の数(n、p、q、r、s)を比較すると、一般に市販の撥水材では、nは11以下の整数であるものが多く、p、q、r、sは10から50程度と比較的大きい場合が多い。パーフルオロアルキル基では、繰り返し単位数nが大きすぎると、化合物の溶解性が低下し、取り扱いが困難になる。またnが7以上の化合物は環境問題の対象物質となっているが、nが比較的小さい化合物は撥水性能が不十分となる場合もある。そのため、パーフルオロポリエーテル基を有する撥水材の方がパーフルオロアルキル基を有する撥水材よりも一分子中に多くのフッ素原子を含み、高い撥水性を示す傾向にある。また、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量については、小さすぎると撥水性が発現せず、また大きすぎると溶媒への溶解性が低下することから、500〜20000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。なお、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量とは、前記式(3)の場合、繰り返し単位で示される部分の平均分子量を示す。
前述のように撥水層12に含まれる撥水材としては、光カチオン重合性樹脂層8の樹脂表面の官能基と反応して結合を形成し得る化合物を用いる。光カチオン重合性樹脂層8の表面には、本来樹脂層が含有していた水酸基、エポキシ基、オキセタン基に加えて、プラズマ処理により前述の酸素含有基、窒素含有基が存在する。そこで、それらの官能基と反応して結合を形成し得る官能基として水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シリル基などを有する撥水材が用いられる。
反応性の観点から、末端部に加水分解性のシリル基を有する化合物等が好適である。そのような撥水材としては、例えば、下記式(4)
(式(4)中、Rfはパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、Rは加水分解性置換基、Xは炭素数1から3のアルキレン基、Yは非加水分解性置換基、aは1から3の整数を示す。)で表される化合物、下記式(5)
(式(5)中、Rf、R、X、Y及びaは式(4)と同義である。)で表される化合物、下記式(6)
(式(6)中、Rf、R、X、Y及びaは式(4)と同義である。また、Zは水素原子又はアルキル基、mは1から5の整数を示す。)で表される化合物が挙げられる。
式中の加水分解性置換基Rとしては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、水素原子等が挙げられる。その中でも、加水分解反応により脱離した基がカチオン重合反応を阻害せず、反応性を制御しやすいものとしてメトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。また、非加水分解性置換基Yとしては、炭素数1から20のアルキル基、フェニル基が挙げられる。Xとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
市販品では、オプツールDSX、オプツールAES(以上商品名、ダイキン工業株式会社製)、ノベックEGC−1720(商品名、住友スリーエム株式会社製)、FG−5010、FG−5020、FS−2050(以上商品名、株式会社ハーベス製)、OPC−700、OPC−800、XOPC−900(以上商品名、株式会社野田スクリーン製)等が挙げられる。
撥水材が加水分解性のシリル基を有する場合、空気中の水分により加水分解が起こり、シラノール基が生成する。更に、加熱することによってシラノール基と光カチオン重合性樹脂層8表面に存在するエポキシ基や水酸基との反応が促進される。この際、撥水材の加水分解を促進し、さらにシラノール基を生成させるために、加湿環境下で撥水層12の形成を行うこと、または撥水層12の形成後に加湿環境を経験させることも有用である。
撥水材を溶液として塗布する場合の撥水材溶液の濃度については、塗布方法、使用用途や光カチオン重合性樹脂層8の材料によって、適切に決定される。撥水材溶液中の撥水材の濃度としては、0.01〜1.0重量%が好ましい。より好ましくは0.05〜0.5重量%である。撥水材の濃度が前記範囲であれば、十分な撥水性、耐久性を示し、塗布膜表面全体で均一な撥水性が得られる。このとき、撥水層12の厚みとしては1〜20nmの範囲となるように塗布することが好ましい。
撥水材を希釈する溶剤としては、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテル等の所謂フッ素系溶剤が挙げられる。地球温暖化係数が比較的低いものとしては、ハイドロフルオロエーテルであるノベックHFE−7100、HFE−7200、HFE−7600(以上商品名、住友スリーエム株式会社製)が好適である。
次に、光カチオン重合性樹脂層8を現像することにより、未露光部分10の光カチオン重合性樹脂層8および撥水層12を除去し、吐出口13および溝17を形成する(図4(F))。撥水層12は、厚み1〜20nm程度と非常に薄く形成されており、未露光部分10に接している撥水層12は未露光部分10とともに現像時に除去することができる。光カチオン重合性樹脂層8の現像には、光カチオン重合性樹脂層8の未露光部分10を溶解可能な溶剤を用いることができる。
なお、撥水層12は、現像に用いる溶剤に対する溶解性が低い場合が多いため、現像後に除去しきれなかった撥水材を除去するための洗浄を行うことも可能である。撥水層12の除去溶媒としては、前述の撥水材の溶媒であるフッ素系溶剤、あるいはフッ素系溶剤と有機溶剤との混合溶剤を用いることが好ましい。
次に、基板5の背面にインク供給口14を作製する(図4(G))。最後に、型レジスト6および7が溶解可能な溶剤を用いて、型レジスト6および7を除去する(図4(H))。その後、光カチオン重合性樹脂層8中の未反応の光カチオン重合性樹脂材料を完全に反応・硬化させるため、加熱する。その際、光カチオン重合性樹脂層8と撥水層12との反応も進行し、吐出口13が設けられた部材と撥水層12との結合をより強固にすることができる。以上の工程により、吐出口13およびインク流路14を有する部材を基板5の上に設けることができる。
以下、本発明の例示的な実施形態についても図4を用いて説明する。
[実施例1]
図4は、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す図である。まず、適宜電気配線、保護膜(不図示)およびエネルギー発生素子15を設けたシリコン基板5(6インチウェハ)上に、ポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業株式会社製、商品名:ODUR−1010)を厚さ14μmの膜厚で塗布した。次いで、露光装置UX3000(ウシオ電機株式会社製)によってインク流路16となる型レジスト6および土台となる型レジスト7のパターンを露光し、メチルイソブチルケトンにより現像し、型レジスト6および7を形成した(図4(A))。
次に、図4(B)に示すように、表1に示す材料を含む溶液を型レジスト6及び7を有する基板5上に塗布し、60℃で9分間熱処理した。これにより、光カチオン重合性樹脂層8を形成した。なお、光カチオン重合性樹脂層8の膜厚は型レジスト6および7の無い部分で25μmであった。
次に、光カチオン重合性樹脂層8に対し、露光装置MPA−600(キヤノン株式会社製)を用いて、吐出口13および溝17となる部分が未露光部分10となるように、フォトマスク9を介して照射量300mJ/cmで露光した(図4(C))。更に、90℃で4分間加熱処理した(図4(D))。
その後、下記式(7)で表される化合物7(実際には、異なるt、nを有する化合物の混合物である。)を、フッ素系溶剤ノベックHFE7600(住友スリーエム株式会社製)で0.2重量%に希釈し、撥水材溶液を調製した。該溶液を光カチオン重合性樹脂層8上に2ml滴下し、500rpmで回転させることにより塗布した。更に、90℃で1分間加熱処理することで、該溶剤を揮発させると同時に、光カチオン重合性樹脂層8の表面に存在するエポキシ樹脂および水酸基と化合物7が有するメトキシ基または水酸基との反応を促進した。これにより、パーフルオロポリエーテル基含有撥水材からなる撥水層12を形成した。(図4(E))。なお、同一条件にてシリコンウエハ上にも塗布を行い、撥水層の厚みをエリプソメータで測定したところ、約10nmという結果が得られた。
(式(7)中、tは20〜30の整数、nは1〜3の整数を示し、tおよびnは異なる複数の値を持つ)。
次に、光カチオン重合性樹脂層8をキシレン/MIBK=6/4(重量比)の溶液で現像した。この現像処理により、光カチオン重合性樹脂層8の未露光部分10および未露光部分10に接する部分の撥水層12は同時に除去され、吐出口13および溝17を形成した(図4(F))。
次に、基板5の背面にインク供給口14を作製するためのマスクを適切に配置し、基板1の表面をゴム膜(不図示)によって保護した後、テトラメチルアンモニウム水溶液を用いた異方性エッチングによって基板5にインク供給口14を作製した(図4(G))。その後、ゴム膜を取り去り、露光装置UX3000を用いて基板5表面全体に紫外線を照射することにより、型レジスト6および7を分解し、乳酸メチルを用いて型レジスト6および7を溶解除去した光カチオン重合性樹脂層8を完全に硬化させ、かつ光カチオン重合性樹脂層8の表面に残存する官能基と撥水層12の官能基との反応を促進させるために、200℃で1時間、加熱処理を実施した(図4(H))。
以上により吐出口部材100を形成した。その後、電気的な接続及びインク供給の手段を適宜配置してインクジェット記録ヘッドを作製した。
作製したインクジェット記録ヘッドの評価として、吐出口13が設けられた部材100の表面状態の観察を、カラー3Dレーザー顕微鏡VD−9710(株式会社キーエンス製)を用いて行い、凹みとパターン残渣の有無を確認した。また、上記部材表面の純水に対する動的後退接触角θrの測定を、自動接触角測定機CA−W(協和界面科学株式会社製)を用いて行った。引き続き、吐出口部材の撥水性表面を、60℃のアルカリ性染料インクBCI−7C(キヤノン株式会社製)中に1週間浸漬し、その後上記した方法でθrの測定を行った。
実施例1と下記の実施例、比較例の撥水材の種類、濃度、およびプラズマ処理条件、そしてそれらの評価結果をまとめて表2に記す。なお、各評価結果の評価指標は以下のとおりである。
<凹み>
○:直径1μm以上の凹みは確認されず平滑。
△:直径1μm以上の凹みが確認される。
<残渣>
◎:残渣無し
○:残渣僅かに有り(上記顕微鏡ではほとんど観測されないが、SEMで確認される程度で実際の吐出には大きな影響はない。)
<インク浸漬後の接触角変化>
◎:保存後の接触角と初期の接触角との差が15度未満
○:保存後の接触角と初期の接触角との差が15度以上30度未満
[実施例2、5]
撥水材の種類及び濃度を表2に記載の値とした他は実施例1と同様の操作でインクジェット記録ヘッドを作製し、同様に測定を行った。実施例2、5のいずれの方法で作製したインクジェット記録ヘッドについても、表面には、凹みと残渣は見られず、撥水性も良好であった。更に印字評価においても印字ヨレ等は観察されず、高い印字品位を示した。
[実施例3及び4]
撥水材の種類及び濃度を表2に記載の値とし、撥水材塗布前にプラズマ処理を行った他は実施例1と同様の工程でインクジェット記録ヘッドを作製した。プラズマ処理には、減圧プラズマ処理装置CDE−7−4(芝浦メカトロニクス製、表2では「減圧」と記載)およびリモート型の大気圧プラズマ処理装置AP−T03(積水化学工業株式会社製、表2では「大気圧1」と記載)を使用した。なお、大気圧プラズマ処理装置AP−T03では、電荷遮蔽板を使用した。評価結果を表2に示す。実施例2、5のいずれの方法で作製したインクジェット記録ヘッドについても、表面には、凹みと残渣は見られず、撥水性も良好であった。更に印字評価においても印字ヨレ等は観察されず、高い印字品位を示した。
[実施例6〜28]
撥水材の種類と濃度、プラズマ処理条件として表2に記載の値を用いて、実施例1と同様の工程でインクジェット記録ヘッドの吐出口パターンをシリコン基板の上に作製した。簡易評価のため印字評価は行わないが、実施例1〜5と同様に吐出口パターンを有する吐出口面の状態を、凹み、残渣、接触角という観点で評価した。プラズマ処理「大気圧2」としては、ダイレクト型のプラズマ処理装置AP−T02(積水化学工業株式会社製)を使用した。実施例6〜28のいずれの方法で作製した吐出口部材においても、表面には、凹みは見られず、撥水性も良好であった。
表1の接触角の評価における浸漬後変化の項目の結果から分かるように、プラズマ処理を行ったもの(例えば実施例3、4)は、初期と浸漬後とで撥水性の変化が小さい。プラズマ処理を行うことによって、より長期の使用に耐え、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを得ることができると考えられる。
<組成分析>
次に、プラズマ処理による樹脂表面への官能基導入について調べるため、プラズマ処理有無の試料について、撥水材を塗布する前に樹脂表面の組成分析を行った。
実施例1において、撥水層12を形成する前の状態のカチオン重合性樹脂層8の表面の組成分析を行った。測定には、X線光電子分光装置Quantum 2000(アルバックファイ株式会社製)を使用した。その結果表面の元素組成は、酸素原子23atom%、窒素原子0atom%であった。
実施例3、実施例13において、プラズマ処理後のカチオン重合性樹脂層8の表面についても同様の測定を行った。結果を表3に示す。窒素100%のプラズマ処理の場合、樹脂表面に窒素原子が導入されており、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基などが導入されたものと考えられる。また、窒素/酸素の混合ガスによるプラズマを使用した場合には、樹脂表面の酸素含有量が増加しており、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基などの、酸素含有基が樹脂表面に導入されたことが推測される。
実際に窒素含有基が樹脂表面に導入されているかを確認するため、実施例1,3における撥水材塗布前のカチオン重合性樹脂層8の表面について、飛行時間二次イオン質量分析計TRIFT V(アルバックファイ株式会社製)による表面分析を行った。1次イオンとしてAuイオンを照射したところ、プラズマ処理無しの表面(実施例1)と比較して、窒素プラズマ処理を施した表面(実施例3)では、NH4、CN、CNOのイオンが観測された。この測定結果からも、窒素プラズマ処理によって、樹脂表面に、窒素原子が導入されたことが確認された。
表2に記載の撥水材、化合物8〜化合物10の構造を以下に示す。
(式(8)中、uは20〜30の整数を示す。)
(式(10)中、vは0〜20の整数、wは0〜30の整数を示す。)。
[比較例1]
撥水層12の形成工程を光カチオン重合性樹脂層8に対する露光前に行い、それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製した。実施例1と同様の評価を行った。評価結果は表1に示す通りである。比較例1ではθrは高く良好な撥水性を示したが、吐出口13が設けられた部材の表面に凹みが発生した。印字評価においては印字ヨレが発生した。これは、表面の凹の影響によるものであると考えられる。
[比較例2〜9]
表2に記載のように撥水剤の化合物、濃度、およびプラズマ処理を変更し、比較例1と同様の製造方法でインクジェット記録ヘッドを作成し、評価を行った。
1 感光性樹脂層の未硬化部分
2 撥水材
3 撥水材の凝集物
4 感光性樹脂層の硬化部分
5 基板
6 インク流路となる型レジスト
7 土台となる型レジスト
8 光カチオン重合性樹脂層
9 フォトマスク
10 光カチオン重合性樹脂層の未露光部分
11 光カチオン重合性樹脂層の露光部分
12 撥水層
13 吐出口
14 インク供給口
15 エネルギー発生素子
16 インク流路
17 溝
18 電極
19 プラズマ発生場所
20 被処理基材
21 電荷遮蔽フィルター

Claims (10)

  1. 基板と、インクを吐出するための吐出口が設けられ、前記吐出口が開口する表面に撥水性である吐出口部材と、を備えるインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    吐出口部材となるための硬化性の樹脂材料を含む硬化性樹脂層を前記基板上に設ける工程と、
    硬化性樹脂層の吐出口部材となる部分を硬化させる工程と、
    前記硬化が行われた前記硬化性樹脂層の表面にプラズマ処理を行う工程と、
    前記硬化性の樹脂材料の官能基と反応して結合を形成し得る撥水材を含む撥水層を設ける工程と、
    硬化性樹脂層の未硬化の部分と、前記撥水層の前記硬化性樹脂層の前記未硬化の部分に対応する部分と、を除去して前記吐出口を形成することにより前記吐出口部材を形成する工程と、
    を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記プラズマ処理により、前記硬化性樹脂層の表面に導入された官能基が、酸素原子または窒素原子の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記硬化性樹脂層は光硬化性であり、前記硬化工程において、前記硬化性樹脂層をパターン露光した後、加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記撥水材が、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を有する化合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記撥水材が、パーフルオロポリエーテルを有する化合物であり、該パーフルオロポリエーテルの平均分子量が500〜20000である請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 光硬化性の前記硬化性樹脂層は光カチオン重合性であり、前記樹脂材料が水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、カルボキシル基及びシリル基からなる群から選択される少なくとも一つの官能基を有し、前記撥水材が、前記樹脂材料が有する前記官能基と反応して結合を形成し得る官能基を有する化合物である請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記撥水材が、前記官能基として、シリル基を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記プラズマ処理がが、リモート型のプラズマ処理装置を用いて行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 酸素原子または窒素原子の少なくともいずれか一方を含むガスにより生成したプラズマを用いて表面処理を施すことにより、前記硬化性樹脂層の表面に、酸素原子または窒素原子の少なくともいずれか一方を含む官能基を導入することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 前記撥水材が、下記式(4)、(5)及び(6)

    (式(4)中、Rfはパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基、Rは加水分解性置換基、Xは炭素数1から3のアルキレン基、Yは非加水分解性置換基、aは1から3の整数を示す。)

    (式(5)中、Rf、R、X、Y及びaは式(4)と同義である。)

    (式(6)中、Rf、R、X、Y及びaは式(4)と同義である。また、Zは水素原子又はアルキル基、mは正の整数を示す。)
    で表される化合物のいずれかの化合物からなる請求項4乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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