JP2012123570A - 静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネル - Google Patents

静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】タッチパネル全体の厚みを低減することでパネルの薄型化を実現し、貼り合せの工程を低減することで製造のコスト低減を実現する静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネルを提供する。
【解決手段】絶縁性を有する透明粘着剤層と、該透明粘着剤層に一部が埋設されてなる、複数の導電性線状部材と、該導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有し、前記導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネル。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネル用電極シートを用いた静電容量型タッチパネルに関する。
従来、静電容量型タッチパネル等表示機器において、その表面電極には、透明性に優れるITOのスパッタ膜が使用されていた。しかし、ITOのスパッタ膜は、抵抗が高く機械的強度が低いため、近年これに代わって、静電容量制御の感度を高められる低抵抗導電体で機械的強度にすぐれるメッシュパターン銀ペーストの印刷ライン、銅箔のエッチングライン、銅めっきライン等による多角形からなるメッシュパターンを表面電極とする表示機器の商品化が試みられるようになってきた。メッシュパターンとする理由は、静電容量を向上させるために導電体を面状に配置したいためと、銀ペースト印刷ライン、銅ライン等は光を透過しないため幾何学的に開口率を拡大させるためである。
さらに、表面電極を低抵抗導電体のメッシュパターンとした場合、本来の機能であるタッチパネル以外に、同一画面内で通信機能となるアンテナパターン等低抵抗導電体を利用する機能を配置することが可能となる。
従来の印刷ラインや銅箔のエッチングラインにより形成されるメッシュ状の電極(例えば、特許文献1参照)、あるいはITOのスパッタ膜からなる電極(例えば、特許文献2参照)に代表されるタッチパネル用の電極は透明基板の上に形成されるものであるが、通常その透明基板自体は粘着性を有しない。印刷ラインや銅箔のエッチングラインはその形成工程において、高温や薬液にさらされるため、粘着性を有する基材ではその工程に耐えることができないからである。またITOスパッタ膜も同様に、膜形成工程にかかる熱やITO膜をエッチングしてパターンを形成する薬液に通常の透明粘着材は耐えることができない。そのため、メッシュ状電極やITOスパッタ膜からなる電極を保護板となるガラスや透明プラスチックフィルムと貼り合せるためには別途粘着層を設ける必要がある。そうすると、タッチパネル全体の厚みが厚くなったり、貼り合せ工程が増えて煩雑になったりする、という問題があった。
特開2006−344163公報 特開2007−18226公報
以上から、本発明は、タッチパネル全体の厚みを低減することでパネルの薄型化を実現し、従来よりも貼り合せの工程の数が低減されることで製造のコスト低減を実現する静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネルを提供するものである。
上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、本発明者らは下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。本発明は下記の通りである。
[1] 絶縁性を有する透明粘着剤層と、
該透明粘着剤層に一部が埋設されてなる、複数の導電性線状部材と、該導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有し、
前記導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる静電容量型タッチパネル用電極シート。
[2] 絶縁性を有する複数の透明粘着剤層と、
該複数の透明粘着剤層のそれぞれの層に一部が埋設されてなる、複数の導電性線状部材と、該導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有し、
前記導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる静電容量型タッチパネル用電極シート。
[3] 前記導電性線状部材が金属である[1]又は[2]に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[4] 前記パターン部のパターン形状が網目状であり、当該パターンを形成する前記導電性線状部材の幅が1〜50μmであり、
隣り合う導電性線状部材の間隔が50〜2000μmである[1]〜[3]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[5] 前記透明粘着剤層の全光線透過率が90%以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[6] 前記導電性線状部材と前記外部配線が同一の金属からなる[1]〜[5]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[7] 複数の前記透明粘着剤層に形成されたそれぞれの所定のパターン部が積層されたことで網目状のパターン形状が形成されてなる[2]〜[6]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[8] 前記導電性線状部材が前記透明粘着剤層の表面に面一になるように埋設されている[1]〜[7]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
[9] 導電性基材上に絶縁層が形成されためっき用導電性基材の前記絶縁層に凹部を形成して所定のパターン部と当該パターン部の一端と接続する接続領域とを形成する凹部形成工程と、
めっき処理により前記凹部にめっきを施して導体層からなる導体層パターンと導体層パターン接続領域とを形成して導体層付き基材を作製するめっき処理工程と、
前記導体層付き基材の前記導体層と、支持基材上に透明粘着剤層が形成された転写用基材の前記透明粘着剤層とを貼り合わせて圧着する圧着工程と、
圧着後に前記導体層付き基材と前記転写用基材とを剥離して、前記導体層の一部を前記透明粘着剤層に埋設させて、前記導体層を前記導体層付き基材から剥離させる剥離工程と、
を含む静電容量型タッチパネル用電極シートの製造方法。
[10] [1]〜[8]のいずれかに記載の静電容量型タッチパネル用電極シートを具備する静電容量型タッチパネル。
本発明によれば、静電容量型タッチパネル全体の厚みを低減することでパネルの薄型化を実現し、貼り合せの工程の数が低減されることで製造コストの低減を実現する静電容量型タッチパネル用電極シート及びその製造方法、並びに静電容量型タッチパネルを提供することができる。
またその他の効果として、これまで必要とされていた粘着剤層を別途設ける必要がないため、静電容量型タッチパネルの総合的な透過率の低下を防止することができ、視認性に優れたタッチパネルを得ることが可能となる。
静電容量型タッチパネル用電極シートの一作製例を断面図で示した概略工程図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す断面図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す断面図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す断面図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一作製例を示す概略工程図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す断面図である。 静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す断面図である。 本発明に係る静電容量型タッチパネル用電極シートの一例を示す正面図である。 図8の静電容量型タッチパネル用電極シートの一作製例をA−A’断面図で示した概略工程図である。 本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートの2枚構成の一例を示す正面図である。 図10の電極の積層後を示す正面図である。 図11における静電容量型タッチパネル用電極シートのB−B’断面の断面図である。 図11における静電容量型タッチパネル用電極シートの一作製例を図11のB−B’断面図で示した概略工程図である。 図11における静電容量型タッチパネル用電極シートのドライバ接続方法の一例を示す図11のC−C’断面図である。 図14の電極Bを示す正面図である。 本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートの2枚構成の一例を示す正面図である。 図16の電極の積層後を示す正面図である。
[1.静電容量型タッチパネル用電極シート]
本発明の第1の静電容量型タッチパネル用電極シートは、絶縁性を有する透明粘着剤層と、当該透明粘着剤層に一部が埋設されてなる複数の導電性線状部材と、導電性線状部材と同様に当該透明粘着剤層に一部が埋設されてなり、導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有してなる。そして、その導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる。
また、本発明の第2の静電容量型タッチパネル用電極シートは、本発明の第1の静電容量型タッチパネル用電極シートにおいて透明粘着剤層が複数設けられた構成となっている。すなわち、第2の静電容量型タッチパネル用電極シートは、絶縁性を有する複数の透明粘着剤層と、当該複数の透明粘着剤層のそれぞれの層に、一部が埋設されてなる複数の導電性線状部材と、その導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有してなる。そして、導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる。
以下、本発明の第1の静電容量型タッチパネル用電極シート及び本発明の第2の静電容量型タッチパネル用電極シート(以下、これらをまとめて「本発明の電極シート」ということがある)について説明する。
(透明粘着剤層)
透明粘着剤層は絶縁性を有し、導電性線状部材や接続部材の一部を当該層中に固定し、かつ静電容量型タッチパネルとする場合には基材等に粘着する層である。
透明粘着剤層を構成する絶縁性を有する粘着剤としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の場合は、そのままで、あるいは加熱しながらプラスチックフィルムやガラス等に貼り合わせることができる。光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含む粘着剤を使用した場合、その硬化(部分硬化又は完全硬化)は、どの工程で行ってもよいが、使用に供する時点で適度な粘着性を有すること又は粘着性を示すことができることが必要である。例えば、プラスチックフィルムやガラスに貼り合せた後に加熱や紫外線照射により硬化させてもよい。
上記の熱可塑性樹脂として代表的なものとして以下のものが挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテル等のポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネート等のポリエステル類、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、ポリ−1,3−ブタジエン)等の(ジ)エン類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、フェノキシ樹脂、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂等が使用可能である。
これらのポリマを構成するモノマーは、必要に応じて、2種以上共重合させて得られるコポリマとして用いてもよいし、上記のポリマ又はコポリマを2種類以上ブレンドして使用することも可能である。
上記の硬化性樹脂のうち、活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等をベースポリマとし、各々にラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させた材料が例示できる。ラジカル重合性官能基として、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、ビニル基、アリル基等の炭素−炭素二重結合があり、反応性の良好なアクリル基(アクリロイル基)が好適に用いられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基(グリシジルエーテル基、グリシジルアミン基)が代表的であり、高反応性の脂環エポキシ基が好適に用いられる。具体的な材料としては、アクリルウレタン、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリエステル、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が利用される。
活性エネルギー線が紫外線の場合、紫外線硬化時に添加される光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用することができる。また、上記の材料の他に汎用の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
また、硬化性樹脂のうち、熱硬化性樹脂としては、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブテン、カルボキシゴム、ネオプレン、ポリブタジエン等の樹脂と架橋剤としての硫黄、アニリンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、リグリン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、金属酸化物、金属塩化物、オキシム、アルキルフェノール樹脂等の組み合わせで用いられるものがある。
なおこれらには、架橋反応速度を増加する目的で、汎用の加硫促進剤等の添加剤を使用することもできる。
熱硬化性樹脂として、硬化剤を利用するものとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、不飽和炭化水素基等の官能基を有する樹脂とエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、チオール基等の官能基を有する硬化剤あるいは金属塩化物、イソシアネート、酸無水物、金属酸化物、過酸化物等の硬化剤との組み合わせで用いられるものが挙げられる。
なお、硬化反応速度を増加する目的で、汎用の触媒等の添加剤を使用することもできる。具体的には、硬化性アクリル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物等が例示される。
さらに、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸の付加物が好ましいものとして例示できる。
アクリル酸又はメタクリル酸の付加物としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)等も使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレート等のように分子内に水酸基を有するポリマは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。
なお、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線で硬化する樹脂には、汎用の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、透明粘着剤層には、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤等の添加剤が配合されていてもよい。
透明粘着剤層はディスプレイ等の前面に貼付されて用いられるものであるため、透明粘着剤層単体の全光線透過率が90%以上であることが好ましい。
粘着剤層単体の全光線透過率はガラスやプラスチック基材に気泡が無いように貼り合わせて測定することができる。そのガラスやプラスチック基材を比較材料とし、分光光度計で380〜780nmの平均値として算出することで全光線透過率を測定することができる。ガラスやプラスチック基材に貼り合わせる理由は、粘着剤単体の表面の粗化や気泡痕の影響による散乱による透過率の低下を除去するためである。
なお、実際に測定する際の基材の厚みはガラスであれば0.5〜5mmのものを使用することができる。また、プラスチック基材であれば高透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えばA4100(東洋紡(株)製))などの光学用途に用いられるフィルムを用いることができる。その厚みは50μm〜200μmの範囲で使用できる。比較材料と同一の厚み、材質であれば、基材は上記の範囲で自由に決定して良い。その上に形成される透明粘着剤層の厚みは10〜50μmの範囲で測定するものとする。
(導電性線状部材)
導電性線状部材は、その一部が透明粘着剤層中に埋設されて導体層となり、静電容量型タッチパネル用電極シートの配線又は電極部分となる。
導電性線状部材の厚さは0.1〜30μmであることが好ましい。0.1μm以上であることで十分に低い抵抗を得ること可能となり、30μm以下とすることで、材料費や工程時間が増えることを防ぎ、コスト低減を図ることができる。導電性線状部材の厚さは、0.5〜20μmであることがより好ましく、1〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。
導電性線状部材を構成する金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタン、錫等のうちの1種の金属又は2種以上を組み合わせた合金を使用することができる。
導電性線状部材により所定のパターン部が形成されるが、当該パターン部は透過性が必要とされるため、導電性線状部材は細線状となっていることが好ましい。具体的には、導電性線状部材の幅は1〜50μm、ライン間隔が50〜2000μmであることが好ましい。
導電性線状部材の幅が1〜50μmであることで、良好な視認性を維持しながら十分な導電性をも維持することができる。また、ライン間隔が50〜2000μmであることで、良好な視認性(透過率)を維持することができる。より好ましい導電性線状部材の幅及びライン間隔は、1〜40μm及び100〜1000μmであり、さらに好ましくは1〜30μm及び200〜700μmである。
(接続部材)
接続部材は、導電性線状部材と同様に当該透明粘着剤層に一部が埋設されてなり、導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する部材である。接続部材の厚さや材質等は導電性線状部材と同様である。導電性線状部材の端部との接続や外部配線が接続することを考慮して、その大きさは適宜設定される。
以上のような本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートは、導電性線状部材により網目状もしくはストライプ状のパターンからなるパターン部が形成されてなる。このパターン部上から操作者による手やペン等の圧力が加わることで、画面位置の情報を感知されて外部へ情報信号が出力される。
本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートは、透明粘着剤層にすでに電極や配線となる導電性線状部材及び接続部材が設けられているので、構成が簡易で粘着剤層を別途設ける必要がないため、タッチパネル全体の厚みを低減することでパネルの薄型化を実現することができる。
[2.静電容量型タッチパネル用電極シートの製造方法]
本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートの製造方法は下記工程を含んでなる。
すなわち、導電性基材上に絶縁層が形成されためっき用導電性基材の絶縁層に凹部を形成して所定のパターン部と当該パターン部の一端と接続する接続領域とを形成する凹部形成工程と、めっき処理により凹部にめっきを施して導体層からなる導体層パターンと導体層パターン接続領域とを形成して導体層付き基材を作製するめっき処理工程と、導体層付き基材の導体層と、支持基材上に透明粘着剤層が形成された転写用基材の透明粘着剤層とを貼り合わせて圧着する圧着工程と、圧着後に前記導体層付き基材と転写用基材とを剥離して、導体層の一部を前記透明粘着剤層に埋設させて、当該導体層を導体層付き基材から剥離させる剥離工程と、を含んでなる。以下、各工程について説明する。
(凹部形成工程)
凹部形成工程において、上記のめっき用導電性基材に形成される凹部の平面形状は、例えば網目状もしくはストライプ状のパターンに対応したものとされる。
また、めっき用導電性基材の作製において、導電性基材(例えば、ステンレス鋼板といった鋼板等)上に上記した凹部を有する絶縁層を形成する工程は、例えば、導電性基材上に上記凹部に対応したレジストパターンを形成し、レジストパターンを有する導電性基材表面上にダイヤモンドライクカーボン、無機材料等からなる絶縁層をプラズマCVD法、スパッタ法等により形成し、この後、絶縁層が付着したレジストパターンを除去することにより行う。これにより、導電性基材上には、絶縁層が付着したレジストパターンを除去した部分に凹部が形成され、他の部分に絶縁層が形成されている。従って、凹部の底面には導電性基材が露出している。
上記のレジストパターンは、導電性基材上に感光性のレジストフィルムを貼着するか液状の感光性レジストを塗布するかして感光性レジスト膜を積層し、このレジスト膜にネガマスク等のマスクを介して露光し、最後に、不要部分を取り除くようにして現像することにより形成することができる。上記のネガマスクには、上記パターンが、その細線部分が光透過部分となるようして描かれている。ポジマスクには、前記したパターンが、その細線部分が光不透過部分となるようして描かれている。
(めっき処理工程)
めっき処理は、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、ホウフッ化銅浴等のめっき液を用いる電解めっきを利用することができる。また、無電解めっきも可能である。めっきによって生成又は析出する金属としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、ニッケル、鉄、クロム等の導電性を有するものが使用される。
めっきの表面には黒化処理が施されていてもよい。黒化処理はめっきにより行うことができる。黒化処理に用いるめっき浴としては各種めっき液を使用することが可能であり、一例としてピロリン酸銅浴、硫酸銅浴等の銅めっき浴を用いることができる。ピロリン酸銅浴は、ピロリン酸銅及びピロリン酸塩を含む電解液である。黒化処理として、その他、黒色ニッケルめっき、コバルトめっき等の他元素のめっき処理を行うことができる。
このようなめっきや黒化処理は国際公開WO2008/081904に記載される方法を参考にすることができる。
(圧着工程及び剥離工程)
支持基材上に透明粘着剤層が形成された転写用基材を、めっき用導電性基材のめっき(導体層)が形成されている面に貼り合わせて圧着する際には、粘着剤層の特性に応じて、特に、粘着剤層が適度な流動性又は粘着性を発揮するために、必要ならば加熱される。基材が粘着剤層を保持する基材を有する場合、転写用基材は、このような加熱に際しても形状を維持する程度に十分な耐熱性を有することが好ましい。
貼り合わせて圧着するための手段としては、プレス機や圧着ロール等が挙げられる。埋設状態は、プレス機や圧着ロール等を使用して、適宜加熱下に圧力をかけることにより適宜調整することができる。
ここで、支持基材における粘着剤層の厚さは、少なくとも、導体層を埋設させる厚さよりも厚いことが必要である。より確実に導体層を樹脂中に埋没させるためには、粘着剤層の厚さは、導体層を埋設させる厚さの1.5倍以上であることがさらに好ましい。また、粘着剤層の厚さは、100μm以下が好ましい。必要以上に厚くしてもコストが嵩むことになる。
転写用基材の基材としては、プラスチックフィルム等が挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂等のプラスチックからなるフィルムで全可視光透過率が70%以上のものが好ましい。これらは単層で使うこともできるが、2層以上を組合せた多層フィルムとして使用してもよい。前記プラスチックフィルムのうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリカーボネートフィルムが特に好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚さは特に制限はないが、1mm以下のものが好ましい。1mm以下とすることで可視光透過率を良好な状態に維持することができる。
なお、取扱い性を勘案すると、上記プラスチックフィルムの厚さは5〜500μmがより好ましく、50〜200μmとすることがさらに好ましい。
粘着材層は、離型性を有するフィルム(以下、剥離性基材)の上に形成されていても良い。剥離性基材としては市販されている離型処理されたプラスチックフィルムを用いることができる。
圧着後に導体層付き基材と転写用基材とを剥離するが、その剥離手段としては、ロールに沿わせて剥離しても良いし、そのまま無造作に剥離するだけでも十分に剥離できる。これにより導体層の一部を透明粘着剤層に埋設させて、導体層をめっき用導電性基材(導体層付き基材)から剥離させて、本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートが製造される。
以下、図面を参照して本発明の電極シートのより具体的な製造方法を説明する。
図1に示すめっき用導電性基材1は、導電性基材2とその上の絶縁層3から構成されている。絶縁層3には凹部が形成されており、当該凹部によって絶縁層3が網目状もしくはストライプ状にパターニングされている。めっき処理により、めっき用導電性基材1の凹部にめっきを施し、導体層からなる導体層パターン4を形成する(図1(a))。
これとは別に、支持基材6に粘着剤層7が積層された転写用基材5を用意する。この支持基材6としては剥離性基材を用いてもよい。剥離性基材を用いれば、この基材のみを後工程で剥離することが可能である。
そして、導体層4のパターンが形成されためっき用導電性基材1に転写用基材5を粘着剤層7が接着面となるように圧着する準備を行う(図1(b))。
ついで、導体層パターン4が形成されためっき用導電性基材1に転写用基材5を粘着剤層7が接着面となるように貼り合わせて圧着する(図1(c))。このとき、粘着剤層6が絶縁層3に接触してもよい。圧着の程度により、導体層4の粘着剤層7への埋設厚さを調整することができる。このとき、粘着剤層7は、圧力に対して流動性を示すことが好ましく、場合により、粘着剤層7を流動させるために加熱される。
図1(c)のような圧着状態は、次のようにしても実現することができる。すなわち、導体層パターンが形成されためっき用導電性基材1の上に、液状の粘着剤を一定の厚さに塗布するか、シート状の粘着剤を載置し、さらにその上に支持基材6を載置し、適宜圧力をかけて接着する。このときの粘着剤としては、活性エネルギー線の照射により硬化する光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用するときは、適宜、活性エネルギー線を照射するか加熱して硬化を進める。硬化の程度は、粘着剤に粘着性を残存させる程度等により適宜決定される。粘着剤として熱可塑性樹脂を用いた場合には、支持基材の載置後に相対的に冷却して固化させることが好ましい。上記において、支持基材として(又は支持基材の代わり)剥離性基材を用いて、粘着剤層を硬化又は固化させた後剥離するようにしてもよい。このとき、粘着剤層を含む基材は支持基材を含まないものになる。
ついで、転写用基材5を引きはがすと導体層4のパターンは、その粘着剤層7に接着してめっき用導電性基材1から剥離され、この結果、導体層パターン付き基材8が得られる(図1(d))。なお、この導体層パターン付き基材における粘着剤層とこれに埋設された導体層パターンが本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートに相当する(以下同じ)。
得られた導体層パターン付き基材8の導体層4の上からフィルム(剥離性フィルムが好ましい)を介して圧着ロール等で圧着して導体層の粘着剤層7への埋設させている厚さを調整することができる。このとき、粘着剤層7は、圧力に対して流動性を示すことが好ましく、場合により、粘着剤層7を流動させるために加熱される。これによって、支持基材及び剥離性基材で挟まれた導体層パターン付き基材を得ることができる。
導体層パターン付き基材8(図1(d))は、適宜、導体層4の粘着剤層7への埋設厚さを調整した後、静電容量型タッチパネル用電極シートとして使用に供することができる。このとき、粘着剤層7とそれに埋設された導体層4の上面が同一平面状にあるような面一になるようにすることが特に好ましい。
なお、支持基材(剥離性基材)6を基材(I)ということがある。
図2は、別の剥離性基材で導体層が保護されている導体層パターン付き基材の例を示す断面図である。この別の剥離性基材を基材(II)ということがある。
図2は、導体層パターン付き基材8の導体層側に、別の剥離性基材9〔基材(II)〕を積層したもの、すなわち、支持基材又は剥離性基材で両面が保護された導体層パターン付き基材10を示す。すなわち、支持基材又は剥離性基材6上の粘着剤層7に導体層4が埋設されており、その上に別の剥離性基材9が積層されている。方法としては、導体層パターン付き基材8に、その導体層4の上から別の剥離性基材9(剥離性フィルムが好ましい)〔基材(II)〕を圧着ロール等で圧着して適当な厚さだけ導体層を粘着剤層7に埋設させるが、図2では、粘着剤層7とそれに埋設された導体層4の上面が面一になっている。このとき、粘着剤層7は、圧力に対して流動性を示すことが好ましく、場合により、粘着剤層7を流動させるために、加熱される。上記した別の剥離性基材9には、粘着剤層7及び導体層4への貼着面に、粘着剤が積層されていてもよい。なお、基材(II)は、導体層を保護する機能を有していれば、同時に他の機能を有していてもよい。
別の剥離性基材9〔基材(II)〕は、前記した基材6が剥離性基材の場合、基材6と同様のものから適宜選択して使用することができる。
図3は導体層パターン付き基材の他の一例を示す断面図であり、図3に示す導体層パターン付き基材11は、図2の両面が保護された導体層パターン付き基材10から別の剥離性基材9を剥離したものであり、支持基材又は剥離性基材6上の粘着剤層7に導体層4が埋設されて、粘着剤層7の表面(導体層44がない部分)と導体層4の上面が面一になっている。
導体層パターン付き基材11は、露出した粘着剤層7の導体層4の上面が露出している面をプラスチック基材やガラスに接触させるようにして使用すれば、間に粘着剤層を別途設ける必要がない。
導体層パターン付き基材10(図2)若しくは導体層パターン付き基材11(図3)から、それぞれ剥離性基材6又は剥離性基材6と別の剥離性基材9を剥離して、粘着剤層7に導体層4が埋設されている導体層付き粘着剤層(静電容量型タッチパネル用電極シート)12を作製し、これをタッチパネル部材として使用に供することができる。図4は、この断面図を示す。このとき、導体層4の埋設厚さは既述のように予め調整しておくことが好ましい。
転写用基材を剥離する工程では、剥離後に代わりに保護基材を積層して新しい積層物を作製したり、その後、その保護基材を剥離したりする等の処理を行ってもよい。
以上のようにして本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートが製造されるが、剥離工程の前に導体層の埋設具合を再調整する埋設調整工程を設けてもよい。
具体的には、得られた導体層パターンを有する転写用基材に、表面に樹脂層を含む基材を導体層パターンが存在する面に、樹脂層が接触するように積層して積層物を作製する積層物作製工程を含む方法により製造される。当該工程の後、適宜、次の(i)〜(iii)の工程のいずれかの工程又はその他の工程を設けることができる。
(i) 上記積層物作製工程で得られた積層物から転写用基材を剥離する工程。
(ii) 上記積層物作製工程で得られた積層物から転写用基材を剥離し、代わりに保護基材を積層して新しい積層物を作製する工程。
(iii) 上記(ii)の工程を行い、その後、その他の工程として保護基材を剥離する工程。
以上の導体層パターン付き基材の製造法において、上記積層物作製工程又はそれ以後において、前記樹脂層に導体層の少なくとも最大幅の部分から下の部分が埋設されるように調整される。以下、このように調整する工程を「埋設調整工程」という。上記積層物作製工程において、導体層パターンを有する転写用基材に表面に樹脂層を含む基材を導体層パターンが存在する面に、樹脂層が接触するように積層して積層物を作製した時点で、前記樹脂層に導体層の少なくとも最大幅の部分から下の部分が埋設されている場合も、上記の埋設調整工程に含まれる。
図面を用いてより具体的に説明すると、図1(c)のように、導体層4のパターンが形成されためっき用導電性基材に転写用基材5を粘着剤層7を向けて圧着する。このとき、粘着剤層7が絶縁層2に接触してもよく、圧着の程度又は粘着剤層の厚さにより、導体層4の粘着剤層7への埋設厚さを調整することができるが、導体層の最大幅の部分は、次の工程で樹脂層に埋設させるために、露出させておくことが好ましい。
ついで、図1(d)に示すように、転写用基材5を引きはがすと導体層4のパターンは、その粘着剤層7に接着してめっき用導電性基材から剥離され、この結果、前記の導体層パターン付き基材8は、導体層パターン付き転写用基材として得られ、次の埋設調整工程に供される。
次いで、図5〜7を用いて埋設調整工程以下の説明を行う。
図5は、積層物作製工程を示す断面図である。積層物作製工程として、上記で得られた導体層4のパターンを有する転写用基材(導体層パターン付き転写用基材)8に、剥離性基材13及びその上に樹脂層14を含む基材(以下、「保持用基材」という)15を積層する準備を行う〔図5(a)〕。ついで、これらを、その保持用基材15の樹脂層14が転写用基材8の導体層4が存在する面に接触するように積層して積層物16を作製する〔図5(b)〕。積層物16を作製した時点で、導体層4の最大幅の部分及びこれより下部の部分が樹脂層14に埋設されていれば、本発明の静電容量型タッチパネル用電極シート付き基材として使用可能である。
上記保持用基材15は、剥離性基材13及びその上の樹脂層14を含むものであるが、場合により剥離性基材13を含まなくてもよい。これらにおいては既述の例示した剥離性基材及び樹脂層が使用できる。樹脂層については、転写工程において説明した粘着剤と同様のものが使用できる。
この工程において、保持用基材は、支持基材及びその上の樹脂層を含むものであって、上述した基材と同様であるが、支持基材としては透明性を有するプラスチックフィルム、あるいはガラスのような透明性と耐熱性を有する基材が好ましい。また、樹脂層は、既述の粘着剤層と同様に、粘着性を有する粘着剤層が.好ましい。
次に、積層物作製工程より後の工程及び埋設調整工程について説明する。
図5(c)(d)は、転写用基材剥離工程及び埋設調整工程を示す断面図である。また、図6は露出した導体層を有する導体層パターン付き基材の一例を示す断面図、図7は基材が樹脂層だけからなる導体層パターン付き基材の一例を示す断面図である。
上記積層物作製工程の後、剥離工程として、転写用基材5が剥離され、積層物17が得られる〔図5(c)〕。この積層物17は、この時点で、導体層4の最大幅の部分及びこれより下部の部分が樹脂層14に埋設されていれば、本発明に係る導体層パターン付き基材として使用可能である。
図1及び図5において、導体層4のパターンをめっき用導電性基材から転写用基材及び保持用基材に次々に転写することになる。
このとき、導体層4と粘着剤層7との接着力よりも導体層4と樹脂層14との接着力のほうが高くなくてはならない。しかし、上記圧着工程において、粘着剤層7に導体層4のパターンをめっき用導電性基材から転写しなければならない。そのため、導体層4とめっき用導電性基材との接着力よりも導体層4と粘着剤7との接着力のほうが高くなくてはならない。従って、この接着力の関係は、
「導体層4とめっき用導電性基材との接着力」、「導体層4と樹脂層7との接着力」、「導体層4と樹脂層14との接着力」、
の順に大きい関係(この関係を「関係y1」という)となる。
めっき条件等により導体層4とめっき用導電性基材との接着力を低くすること、及び粘着剤層7よりも高い接着力を有する樹脂層14を用いることで、「関係y1」を満たすことができる。
あるいは、粘着剤層7を紫外線(UV)照射又は熱により硬化させること等により、上記圧着工程における粘着剤層7の接着力よりも上記剥離工程における粘着剤層7の接着力を低下させて、上記剥離工程を実施することができる。その場合の接着力の関係は、
「導体層4とめっき用導電性基材との接着力」、「導体層4と粘着剤層7との接着力」の順に大きい関係(この関係を「関係y2」という)と、
「導体層4と粘着剤層7との接着力」、「導体層4と樹脂層14との接着力」の順に大きい関係(この関係を「関係y3」という)との2つの関係に分かれる。
めっき条件等により導体層4とめっき用導電性基材との接着力は低くできるために「関係y2」は満たされやすくなり、硬化後の粘着剤層7の接着力は低くなるために「関係y3」は満たされやすくなる。
また、導体層のパターンを転写するためには、粘着剤層7と樹脂層14の接着力よりも樹脂層14と剥離性基材13との接着力のほうが高くなくてはならない。しかし、上記圧着工程において、粘着剤層7に導体層4パターンをめっき用導電性基材から転写しなくてはならない。そのため、粘着剤層7とめっき用導電性基材との接着力よりも樹脂層14と粘着剤層7との接着力のほうが高くなくてはならない。この接着力の関係は、
「粘着剤層7とめっき用導電性基材との接着力」、「粘着剤層7と樹脂層14との接着力」、「樹脂層14と剥離性基材13との接着力」
の順に大きい関係(この関係を「関係y4」という)となる。
めっき用導電性基材と粘着剤層7の接着力は低いため、剥離性基材13にコロナ処理済み基材や易接着層付き基材等の接着性向上の処理が施された基材を用いること等によって「関係y4」を満たすことができる。
あるいは、粘着剤層7をUV照射あるいは熱により硬化させること等により、上記圧着工程における粘着剤層7の接着力よりも上記剥離工程における粘着剤層7の接着力を低下させて、上記剥離工程を実施することができる。その場合の接着力の関係は、
「樹脂層14と粘着剤層7との接着力」、「樹脂層14と剥離性基材13との接着力」の順に大きい関係(この関係を「関係y5」という)となる。
硬化後の粘着剤層7の接着力は低くなるために「関係y5」は満たされる。
導体層4の樹脂層14への埋設厚さを調整する工程(埋設調整工程)として、上記の保持用基材の積層工程中又は工程の後、導体層は少なくともその最大幅の部分から下部を樹脂層に埋設されるように埋設厚さが調整される。
前記の積層物作製工程そのもの〔図5(b)対応〕で、この調整工程を行ってもよいが、剥離工程の後(図5(c)に対応、転写用基材を剥離して、代わりに)、積層物17の導体層4が存在する面に、剥離性基材18を積層する工程を行い、適宜プレス、ラミネータ等により圧力をかけることよって、導体層4の埋設厚さを調整することができる。樹脂層は圧力を受けて流動性を示すものであることが好ましく、また、このとき、必要に応じて、樹脂層は、それに流動性を与えるために加熱される。この時点で、両面が剥離性基材で保護されているタッチパネル部材を得ることができる。すなわち、両表面が保護された導体層パターン付き基材19が得られる〔図5(d)〕。
他の剥離工程として、剥離性基材18を剥離することにより、導体層の埋設厚さが調整され、それが露出している導体層パターン付き基材20を得ることができる(図6)。
導体層パターン付き基材20から支持基材13を剥離することにより、樹脂層14と導体層4のみからなる導体層パターン付き基材21を得ることができる(図7)。これをタッチパネル電極部材として使用に供することができる。この樹脂層14は、粘着性を保持していることが好ましい。なお、粘着性を喪失していれば、粘着剤を塗布して、粘着性を付与することができる。粘着性の喪失は、硬化性樹脂であれば硬化度を進めることにより、また、樹脂のガラス転移温度よりも低い環境に置くことにより行うことができる。
導体層パターン付き基材20、21は、本発明における導体層パターン付き基材として利用できる。
上記の方法で網目状もしくはストライプ状導電性パターンを作製する際に、導電性基材側に透視を必要としない部分である配線部(接続領域)も同時に形成しておくことができる。そうすると、網目状もしくはストライプ状導電性パターンとその周囲の引き回し配線部を一括で形成することができる。
例えばITOで作製するタッチパネル電極は、透視を必要とする部分をITOで形成するが、その周囲の引き回し配線部はITOでは導電性不足しているため別の金属をスパッタ等で形成し、別工程でパターニングするのが一般的であるが、本発明によれば、透視を必要とする部分の電極と引き回し配線部を一括で作製できる。
次に、網目状パターンと配線部が一括で形成されているタッチパネル電極を、図面を用いて説明する。図8は静電容量型タッチパネルの電極構成の一例を示す正面図である。透視を必要とする部分の網目状導電パターンの周囲に配線部32が形成され、配線部32と網目状導電パターンの接続部にあたる接続部33が形成されている。配線部32はドライバ電極(図示しない)と符号34(ドライバとの接続部)を介して接続される。符号32〜34は本明細書でいう透視を必要としない部分に該当する。本来、透視を必要とする部分の網目状パターンにはパターンを分離するための分離線が存在するが、本図面では説明を簡易にするため、あえて図示しない。
図8のA−A’断面の略図を図9に示す。図9は、図8の静電容量型タッチパネル用電極シートの一作製例をA−A’断面図で示した概略工程図である。図9(a)では、導電性基材2と絶縁層3からなるめっき用導電性基材1の上にパターンが描かれている。導電性基材1上にはめっきにより導電性パターンが形成されているが、同一平面上に網目状導電性パターン31に対応する網目状導電性パターン35、配線部32に対応する配線部36及びその接続部に該当する網目状導電性パターンと配線部の接続部33に対応する網目状導電性パターンと配線部の接続部37が形成されている。これを前記と同様にして図9(b)に示すように支持基材又は剥離性基材6と粘着剤層7からなる転写用基材8を圧着し、導体層のみを転写する。すると図9(c)に示すように網目状導電性パターン31(網目状導電性パターン35と同一物)、配線部32(配線部36と同一物)及びその接続部33(網目状導電性パターンと配線部の接続部37と同一物)からなる導体層パターンが転写用基材に転写された導体層パターン付き基材8を得ることができる。
導体層付パターン基材は、前記と同様支持基材6が剥離性基材であれば、図4のように粘着剤層と導体層パターンのみの構成としてもよい。また、図5に示す工程を経れば導体層パターンを粘着剤層の上面に形成することもできるため、図6(基材13が支持基材の場合)や図7(基材13が剥離性基材の場合)の構成も可能である。
次に、透明性を有する粘着剤層上に形成された網目状もしくはストライプ状導電性パターンを2層以上積層する場合について説明する。
図10に静電容量型タッチパネル電極シートの一例を示す。図10(a)に透視を必要とする部分に網目状導電性パターン38が形成された電極が示されており、図8と同様に配線部39、その接続部40及びドライバとの接続部41が形成されている。これらは前記の通り一括で形成されており、同じ粘着剤層の同一平面上にある。これを電極Aと呼ぶ。また、図10(b)に電極Aと対になる別の電極を示す。電極Aと同様に透視を必要とする部分に網目状導電性パターン42が、透視を必要としないその周辺部に配線部43、その接続部40’及びドライバとの接続部につながるドライバとの接続部41’が形成されている。これを電極Bと呼ぶ。電極Bの透視を必要とする部分の網目状パターンは、電極Aに対して1/2ピッチずらして形成している。
電極Aと電極Bとは重ねて使用するものであり、重ね合わせたものを図11に示す。電極Aと電極Bの間は粘着剤層で絶縁されているため、正面から見た際に配線部40と配線部43は重なっているように見えるが、3次元的に見ると間に粘着剤層が存在するため、導電層同士は接触していない。さらに、電極Aと電極Bはそれぞれライン間隔を1/2ピッチずつずらしてあり、重ね合わせた際に2枚で網目状パターンに見えるように設計してある。ライン間隔は、こうして重ね合わせた後のライン間隔について規定するものである。例えば、重ね合わせ前のライン間隔が3000μmピッチであっても、1/2ピッチずつずらした網目状パターンを2枚重ねると1500μmピッチとなるため視認性の観点からは問題ない。
図11のB−B’の断面図を図12に示す。上層46は電極Aに該当し、支持基材又は剥離性基材44と粘着剤層45とそれに埋設された導体層38〜40からなっており、導体層38〜40はそれぞれ図10(a)の導体層38〜40に対応している。導体層38〜40は気泡が発生しないように粘着剤層に圧着ロールや必要に応じて加熱しながら埋設させることが好ましい。他方、下層49は電極Bに該当し、支持基材47と粘着剤層48及びそれに保持された導体層42及び導体層43から構成されている。これら2層の電極を重ね併せてタッチパネル電極50が形成される。
図13に電極A及び電極Bを2層重ねた構成の別の例をいくつか示す。ここに示したものは例の一部であり、構成は図示した例に限定するものではない。図13(a)は電極Aが支持基材又は剥離性基材44と粘着剤層45及び導体層38〜40からなっている。導体層38〜40は粘着剤層45と電極Bの粘着剤層48の両方に埋設されている。電極Bは粘着剤層48と導体層42、43からなっている。図13(b)は図13(a)で符号44が剥離性基材の場合であり、剥離性基材44を剥離した後の構成を示した図である。図13(c)は図5の工程を利用し、電極Aのみを粘着剤層の上面に埋設させた構成である。電極Aは剥離性基材44と粘着剤層45及び粘着剤層上面に埋設された導体層38〜40からなっている。電極Bは支持基材47、粘着剤層48と導体層42及び43からなっている。図13(d)は図13(c)から支持基材47を除去した構成である。図13(e)は、電極A及び電極B両方とも粘着材の上面に導体層を形成した場合である。このように、粘着剤層と導体層の位置関係及び支持基材の有無を変えることで、様々な構成をとることができる。
配線部とドライバを接続する41及び41’は互いに重ならないように形成されており、それぞれ異方導電性接着剤等を介して基板やドライバに接続することができる。電極41及び電極41’が露出するように、電極と重なる部分の粘着材を打抜き工程等で予め除去してから貼り合せることができる。図11のC−C’断面を図14に示す。
図14は、図13(a)の構成の場合の断面図に該当するが、図13に示す他の例、また図13に記載しない様々な構成においても同様である。電極Aは支持基材あるいは剥離性基材44と粘着剤層45及びドライバ接続用の導体層41からなる。その上(図面では下)に電極Bの粘着剤層48及びドライバ接続用の導体層41’を貼り合せるが、そのまま貼り合せると導体層41を粘着剤層48で覆ってしまうため、粘着剤層48から導体層が形成されていない部分を一部切り取る。そうすることで、粘着剤層48の厚み分の段差51ができるが、電極Aの導体層41が露出される。次に、導体層41及び導体層41’のそれぞれに対して異方導電性接着剤52を介してフレキシブル基板53を貼り付けて、ドライバと接続する。
図15は電極Bの正面図である。上記の導体層が形成されていない部分の切り取り箇所は符号54に該当し、この部分を打抜き工程等で除去すればよい。
別の例として、電極A及びBがそれぞれストライプ状導電性パターンである場合を図16及び図17に示す。図16(a)は電極Aであり、透視性を必要とする部分に形成されたストライプ状導電性パターン55と、透視性を必要としない周囲の配線部39、配線部とストライプ状パターンの接続部40及びドライバとの接続部41からなる。ストライプ状導電性パターン55は横方向へのストライプ線からなる。
図16(b)は電極Bであり、透視性を必要とする部分に形成されたストライプ状導電性パターン56と、透視性を必要としない周囲の配線部43、配線部とストライプ状導電パターンの接続部44及びドライバとの接続部41’からなる。ストライプ状導電性パターン56は縦方向へのストライプ線からなる。
電極Aと電極Bを重ね合わせたものが図17になる。横方向のストライプ線と縦方向のストライプ線を重ね合わせたため、結果として網目状の電極となっている。ストライプ線は図17では縦横のラインとなっているが、配線部に対して角度をつけて形成させても良い。また、網目状パターンを形成させる際に必ずしもストライプ状パターン同士が直交する必要はなく、結果として重ね合せ後の網目が正方形でなくひし形になるようにストライプ状パターンを設計しておいても、均一なパターンとなっていれば実用上は問題がない。
なお、図17は、図16の電極の積層後を示す正面図である。
[3.タッチパネル]
本発明の静電容量型タッチパネルは、既述の本発明の静電容量型タッチパネル用電極シートを具備してなる。その他の構成については公知のものを適宜採用し得る。また、製造方法も従来公知の方法を採用することができる。
(実施例1)
<めっき用導電基材の作製>
まず、めっき用導電基材を作製した。
(パターン仕様)
以下の仕様で、パターン形成用のネガフィルムを作製した。図10(a)(b)に示したものと同様のパターンで光透過部のライン幅が9μm、ラインピッチが600μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で作成した。
(凸状パターンの形成)
レジストフィルム(フォテックRY3315、日立化成工業株式会社製)を150mm角のステンレス板(SUS316L、#400研磨仕上げ、厚さ500μm、日新製鋼(株)製)の両面に貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、上記パターン仕様のネガフィルムを、ステンレス板の片面に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を250mJ/cm2照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅9〜11μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45度の突起部レジスト膜(突起部;高さ15μm)を得た。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている。
(絶縁層の形成)
PBII/D装置(TypeIII、株式会社栗田製作所製)によりDLC膜を形成する。チャンバー内にレジスト膜が付いたままのステンレス基板を入れ、チャンバー内を真空状態にした後、アルゴンガスで基板表面のクリーニングを行った。次いで、チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを導入し、膜厚0.1μmとなるように中間層を成膜した。次いで、トルエン、メタン、アセチレンガスを導入し、膜厚が2〜3μmとなるように、中間層の上にDLC層を形成した。
(凹部の形成;絶縁層の付着した凸状パターンの除去)
絶縁層が付着したステンレス基板を水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)に浸漬し、時々揺動を加えながら8時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た。
凹部の形状は、開口方向に向かって幅広になっており、その凹部側面の傾斜角は、前記境界面の角度と同じであった。凹部の深さは2〜3μmであった。また、凹部の底部での幅は、9〜11μm、開口部での幅(最大幅)は13〜16μm、であった。凹部のラインピッチは250μmであった。
このめっき用導電性基材には、面内に図10(a)、(b)に対応する両方のパターンが描かれている。
<導体層のパターンの形成>
(銅めっき)
さらに、上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。
この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)250g/L、硫酸70g/L、キューブライトAR(荏原ユージライト株式会社製、添加剤)4ml/Lの水溶液、30℃)中に浸し、両極に電圧をかけて電流密度を10A/dm2として、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ3μmになるまでめっきした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっきが形成された。
さらに、電流密度を50A/dm2に増加し、引き続き5秒間めっきすることでめっき表面を黒化処理した。
<転写用基材の作製>
感圧型の粘着剤層厚みが25μmである両面粘着フィルム(ヒタレックスDA3025、日立化成工業株式会社製)の片面のセパレータフィルムを剥離し、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100、東洋紡績株式会社製、厚み50μm)の表面に貼り合せたものを転写基材とした。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード1.0m/minとした。
<導体層のパターンの転写>
次いで、上記転写用基材の粘着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた(図1(c)に対応)。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード1.0m/minとした。
次いで、めっき用導電性基材に貼り合わせた転写用基材を剥離したところ、上記めっき用導電性基材上に析出した銅が転写用基材の粘着剤層に転写されていた(図1(d)に対応)。こうして、図10(a)、(b)に対応した導体層パターン付基材を得た。それぞれ電極A、電極Bと呼ぶ。
電極A、電極Bはそれぞれ銅を転写した後、保護用にセパレータフィルムでカバーしてある。
<電極の積層>
電極Bのうち導体層が形成されていない部分で、電極Aのドライバ接続部を覆う箇所を切り取って除去した(図15に対応)。次いで、電極Aのセパレータフィルムを剥離し、電極Bの支持基材側と電極Aの導体層側を貼り合せた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.3MPa、ラインスピード0.1m/minとし、2回ラミネートした。貼り合せ後に気泡は見られなかった。別途作成したサンプルを一部切り取り、その断面を、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)にとって、観察した。電極Aの導体層部分は粘着剤層に埋まりこんでいることが確認できた。この構成は図12で符号44、47が支持基材(非剥離性)である場合に該当する。
<ガラス貼合>
図10の41、41'を含まない部分を、LCDパネルを想定したガラスへと貼り合せた。すなわち、ドライバとの接続部のみガラスからはみ出るようにして貼合した。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード0.5m/minとした。
別途粘着材を設けなくてもガラスに対して気泡なく貼ることができることを確認した。
<熱衝撃試験>
ガラスに貼り合せると試験ができないため、ガラスに貼り合せる前のサンプルを使用した。本サンプルは、導通の信頼性が試験できるように、通常分離されて導通しない部分を予めショートさせてある。ドライバ接続部41内の任意の端子間及びドライバ接続部45内の任意の端子間で導通が取れるように銀ペーストで電極間をつなげておいた。任意の端子間の抵抗を測定し、熱衝撃試験前の抵抗とした。その後、積層した導体層パターンを温度サイクル試験機(−40℃で30分経過後、−40℃から100℃まで10分で昇温させ、100℃で30分間経過後、100℃から−40℃まで10分で降温させ、これを1サイクルとして繰り返した。)に200サイクル保管し、その後に熱衝撃試験前に測定したものと同一の端子間の抵抗を測定した。
熱衝撃試験前の抵抗は0.1Ωであり、熱衝撃試験後の抵抗は0.2Ωであったことから、積層体の導体層パターンと銅箔の接続信頼性が高いことが確認された。
<恒温恒湿試験>
ガラスに貼り合せた電極サンプルを60℃95%Rhの条件で500時間保管した。試験後外観を観察し、気泡の発生がないことを確認した。試験前の濁度は1.8%、試験後の濁度は2.0%であり、外観が劣化しないことを確認できた。
(実施例2)
<めっき用導電基材の作製>
<導体層のパターンの形成>
実施例1で得られためっき用導電性基材を使用した。めっき条件も実施例1と同様にした。
<転写用基材の作製>
感圧型の粘着剤層厚みが25μmである両面粘着フィルム(ヒタレックスDA3025、日立化成工業株式会社製)の片面のセパレータフィルムを剥離し、その面に50μm厚のポリプロピレン(PP)フィルムをロールラミネータにより貼り合せた。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード1.0m/minとした。
<導体層のパターンの転写>
次いで、実施例1で得られた転写用基材及び上記PPフィルムを貼り合せて得られた転写用基材の粘着剤層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた(図1(c)に対応)。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード1.0m/minとした。
次いで、めっき用導電性基材に貼り合わせた転写用基材を剥離したところ、上記めっき用導電性基材上に析出した銅が転写用基材の粘着剤層に転写されていた(図1(d)に対応)。2回導体層パターンを形成し、1回はPET基材の転写用基材で、もう1回はPP基材の転写用基材を使用した。こうして、図10(a)、(b)に対応した導体層パターン付基材を得た。電極AはPET基材の転写用基材を用いた導体層パターン付基材を、電極BはPP基材の転写用基材を用いた導体層パターン付基材を採用した。
電極A、電極Bはそれぞれ銅を転写した後、保護用にセパレータフィルムでカバーしてある。電極BのセパレータフィルムはPPよりも粘着材に対して密着力の高いものを使用した。
<電極の積層>
電極Bのうち導体層が形成されていない部分で、電極Aのドライバ接続部を覆う箇所を切り取って除去した(図15に対応)。次いで、電極Aのセパレータフィルムと電極BのPPフィルムを剥離し、電極Bの粘着剤層側と電極A導体層側を貼り合せた。ラミネート条件は、ロール温度50℃、圧力0.3MPa、ラインスピード0.1m/minとし、2回ラミネートした。貼り合せ後に気泡は見られなかった。別途作成したサンプルを一部切り取り、その断面を、走査型電子顕微鏡写真(倍率2000倍)にとって、観察した。電極Aの導体層部分は粘着剤層45及び粘着剤層48に埋まりこんでいることが確認できた。粘着剤層45と粘着剤層48の界面が判別できなかったため、どちらに埋まりこんでいるかまでは確認できなかった。この構成は図13(a)で符号44が支持基材(非剥離性)である場合に該当する。
<ガラス貼合>
図10の符号41、45を含まない部分を、LCDパネルを想定したガラスへと貼り合せた。すなわち、ドライバとの接続部のみガラスからはみ出るようにして貼合した。ラミネート条件は、ロール温度30℃、圧力0.3MPa、ラインスピード0.5m/minとした。
別途粘着材を設けなくてもガラスに対して気泡なく貼ることができることを確認した。
<熱衝撃試験>
ガラスに貼り合せると試験ができないため、ガラスに貼り合せる前のサンプルを使用した。本サンプルは、導通の信頼性が試験できるように、通常分離されて導通しない部分を予めショートさせてある。ドライバ接続部41内の任意の端子間及びドライバ接続部45内の任意の端子間で導通が取れるように銀ペーストで電極間をつなげておいた。任意の端子間の抵抗を測定し、熱衝撃試験前の抵抗とした。その後、積層した導体層パターンを温度サイクル試験機(−40℃で30分経過後、−40℃から100℃まで10分で昇温させ、100℃で30分間経過後、100℃から−40℃まで10分で降温させ、これを1サイクルとして繰り返した。)に200サイクル保管し、その後に熱衝撃試験前に測定したものと同一の端子間の抵抗を測定した。
熱衝撃試験前の抵抗は0.1Ωであり、熱衝撃試験後の抵抗は0.2Ωであったことから、積層体の導体層パターンと銅箔の接続信頼性が高いことが確認された。
<恒温恒湿試験>
ガラスに貼り合せた電極サンプルを60℃95%Rhの条件で500時間保管した。試験後外観を観察し、気泡の発生がないことを確認した。試験前の濁度は1.7%、試験後の濁度は1.7%であり、外観が劣化しないことを確認できた。
(実施例3)
ガラスの代わりに液晶ディスプレイパネルを用い、ドライバICとフレキシブル基板を、異方導電性接着剤を介して貼り合せた以外は、実施例2と同様にタッチパネル電極を作製した。
次いで、50℃、0.5MPa、20分の条件でオートクレーブ処理を施した。
タッチパネルの動作を行った結果、良好に動作することを確認した。
1:めっき用導電性基材
2:導電性基材
3:絶縁層
4:導体層(めっき)
5:転写用基材
6:支持基材又は剥離性基材
7:樹脂層
8:導体層パターン付き基材
9:別の剥離性基材
10:両面が保護された導体層パターン付基材
11:導体層パターン付基材
12:導体層パターン付樹脂層
13:剥離性基材
14:樹脂層
15:保持用基材
16:導体層パターン付基材と保持用基材の積層物
17:導体層パターンと保持用基材の積層物
18:剥離性基材
19:剥離性基材、導対層パターン及び保持用基材の積層物
20:導体層パターン付基材
21:導体層パターン付樹脂層
31:網目状導電性パターン
32:配線部
33:網目状導電性パターンと配線部の接続部
34:ドライバとの接続部
35:網目状導電性パターン(めっき用導電性基材上)
36:配線部(めっき用導電性基材上)
37:網目状導電性パターンと配線部の接続部(めっき用導電性基材上)
38:網目状導電性パターン(電極A)
39:配線部(電極A)
40:網目状導電性パターンと配線部の接続部(電極A)
41:ドライバとの接続部(電極A)
42:網目状導電性パターン(電極B)
43:配線部(電極B)
40’:網目状導電性パターンと配線部の接続部(電極B)
41’:ドライバとの接続部(電極B)
44:剥離性基材
45:粘着剤層
46:導体層パターン付基材(電極A)
47:剥離性基材
48:粘着剤層
49:導体層パターン付基材(電極B)
50:タッチパネル電極
51:段差
52:異方導電性接着剤
53:フレキシブル基板
54:粘着剤層除去箇所
55:ストライプ状導電性パターン(電極A)
56:ストライプ状導電性パターン(電極B)

Claims (10)

  1. 絶縁性を有する透明粘着剤層と、
    該透明粘着剤層に一部が埋設されてなる、複数の導電性線状部材と、該導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有し、
    前記導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる静電容量型タッチパネル用電極シート。
  2. 絶縁性を有する複数の透明粘着剤層と、
    該複数の透明粘着剤層のそれぞれの層に一部が埋設されてなる、複数の導電性線状部材と、該導電性線状部材の端部と接続し、かつ外部配線とも接続する接続部材とを有し、
    前記導電性線状部材により所定のパターン部が形成されてなる静電容量型タッチパネル用電極シート。
  3. 前記導電性線状部材が金属である請求項1又は2に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  4. 前記パターン部のパターン形状が網目状であり、当該パターンを形成する前記導電性線状部材の幅が1〜50μmであり、
    隣り合う導電性線状部材の間隔が50〜2000μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  5. 前記透明粘着剤層の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  6. 前記導電性線状部材と前記外部配線が同一の金属からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  7. 複数の前記透明粘着剤層に形成されたそれぞれの所定のパターン部が積層されたことで網目状のパターン形状が形成されてなる請求項2〜6のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  8. 前記導電性線状部材が前記透明粘着剤層の表面に面一になるように埋設されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シート。
  9. 導電性基材上に絶縁層が形成されためっき用導電性基材の前記絶縁層に凹部を形成して所定のパターン部と当該パターン部の一端と接続する接続領域とを形成する凹部形成工程と、
    めっき処理により前記凹部にめっきを施して導体層からなる導体層パターンと導体層パターン接続領域とを形成して導体層付き基材を作製するめっき処理工程と、
    前記導体層付き基材の前記導体層と、支持基材上に透明粘着剤層が形成された転写用基材の前記透明粘着剤層とを貼り合わせて圧着する圧着工程と、
    圧着後に前記導体層付き基材と前記転写用基材とを剥離して、前記導体層の一部を前記透明粘着剤層に埋設させて、前記導体層を前記導体層付き基材から剥離させる剥離工程と、
    を含む静電容量型タッチパネル用電極シートの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電容量型タッチパネル用電極シートを具備する静電容量型タッチパネル。
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