JP2014115815A - 入力装置の製造方法、これに用いる導電膜付き基板、及び積層部材 - Google Patents

入力装置の製造方法、これに用いる導電膜付き基板、及び積層部材 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型の入力装置を効率良く製造することができる入力装置の製造方法、これに使用する導電膜付き基板、及び積層部材を提供する。
【解決手段】耐熱性を有する耐熱性基板の片側にパターニングされた透明導電膜を備えた2つの導電膜付き基板をアニール処理した後、透明接着層を介して、これらを表示装置上に積層させて入力装置を製造する際、少なくとも一方の導電膜付き基板における耐熱性基板として、第1のポリイミド層2と第2のポリイミド層1とを有したポリイミド積層体10を用いて、第1及び第2のポリイミド層の界面で第2のポリイミド層側を分離して取り除き薄肉化する工程を含む入力装置の製造方法であり、また、これに使用する導電膜付き基板、及び2つの導電膜付き基板を貼り合せた積層部材である。
【選択図】図2

Description

この発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置上に配される投影型静電容量結合方式の入力装置を製造する方法、並びに、それに用いられる導電膜付き基板、及び積層部材に関する。
液晶ディスプレイや有機ELパネル等の表示装置の入力手段(入力装置)として、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されることで、表示内容に対して極めて直接的な入力を可能にする。そのため、タッチパネルには表示装置の表示内容を画質低下なく透過させる必要があり、透明性が重要な要素となる。
タッチパネルの主な入力方式としては、光の変化を検出する方式と、電気的な特性の変化を検出する方式とに大別される。このうち、電気的な特性の変化を検出する方式として、抵抗膜方式と静電容量結合方式とが知られており、更に、この静電容量結合方式には、表面型と投影型の2つの方式がある。なかでも、スマートフォン等で欠かせない機能となったマルチタッチ認識(多点認識)への対応に適している観点から、投影型が注目されている。
静電容量結合方式における投影型のタッチパネルは、従来、一般には、特許文献1、2等にあるように、互いに所定の形状のパターン電極が形成された2つのフィルム基材を用いて、これらを貼り合せることで作製されている。近年のタブレット型携帯端末等のように、タッチパネルを備えた表示装置では薄型化の進展が著しく、タッチパネルについても薄型化と共に光学特性の向上が強く要望されている。ところが、2つのフィルム基材を貼り合せることから薄型化には不向きと考えられ、取り扱い性(ハンドリング性)などを考慮すると、フィルム基材を薄くするのには限度がある。加えて、フィルム基材の積層によって厚みが増すと、その分だけ表示装置からの映像光の透過率が低下してしまうことから、表示装置が表示する映像の画質を劣化させてしまうおそれがある。
そこで、例えば特許文献3、4等に記載されるように、フィルム基材の両面に静電容量結合方式の電極を設けてタッチパネルを得る方法が提案されている。しかしながら、フィルム基材の両面に電極を形成することなどを勘案すると、やはり、フィルム基材自体がある程度の厚みを有していなければならない。一方で、例えば特許文献5のように、基板上に透明導電膜を形成して、エッチングによりパターン電極を形成した後、更に絶縁膜を設けた上で、再び透明導電膜の形成とエッチングを繰り返してパターン電極を形成する方法が提案されている。ところが、このような方法は、上記の工程を順次行う必要があることから、生産性に優れているとは言い難く、製造コストも高くなってしまう。
特開平4−264613号公報 特開2008−152640号公報 特開2010−238052号公報 特開2011−154442号公報 特開2010−33478号公報
近年急速に普及・拡大しているスマートフォン等の携帯端末では、入力装置としてのタッチパネルが欠かせないものとなっている。そして、携帯端末の薄型化に伴い、タッチパネルも薄型化、光学特性の向上、及び低価格化が強く要望されている。しかしながら、上述したような従来の方法では、タッチパネルに使用されるフィルム基材の厚みを更に薄くしていくと、ハンドリング性が悪くなるばかりか、所定のパターン電極を正確に形成するのが困難になったり、場合によっては製造途中で割れや破けを発生するなど、生産上で支障を来たすおそれがある。そのため、これまでのタッチパネルの製造方法では、更に薄型化を図るのは難しい。
そこで、本発明者らは、投影型静電容量結合方式の入力装置であるタッチパネルの薄型化について鋭意検討した結果、ポリイミド層同士の界面での剥離が可能なポリイミド積層体を用いて、入力装置の積層構造を形成する過程において、一部のポリイミド層を分離して取り除くことで、ハンドリング性の低下や生産上の問題等を全て解決しながら、薄型の入力装置を作製できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、薄型の入力装置を効率良く製造することができる方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、薄型の入力装置を効率良く製造する上で用いられる導電膜付き基板、及び積層部材を提供することにある。
すなわち、本発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置上に配される投影型静電容量結合方式の入力装置を製造する方法であって、耐熱性を有する耐熱性基板の片側にパターニングされた透明導電膜を備えた2つの導電膜付き基板をアニール処理した後、透明接着層を介して、これらを表示装置上に積層させて入力装置を製造する際、少なくとも一方の導電膜付き基板における耐熱性基板が、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に配される第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなり、該ポリイミド積層体を有した導電膜付き基板を積層する過程において、第1及び第2のポリイミド層の界面で第2のポリイミド層側を分離して取り除き、薄肉化する工程を含むことを特徴とする入力装置の製造方法である。
また、本発明は、上記の方法に用いられる導電膜付き基板であって、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に配される第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えており、第1及び第2のポリイミド層の界面で第2のポリイミド層を分離して取り除くことで、薄肉化できることを特徴とする入力装置形成用導電膜付き基板である。
更に、本発明は、上記の導電膜付き基板を2つ用いて、それぞれアニール処理した後に、透明接着層を介して、各々の透明導電膜側を対向させるようにして貼り合せたことを特徴とする入力装置形成用積層部材である。
本発明では、耐熱性を有する耐熱性基板の片側にパターニングされた透明導電膜を備えた2つの導電膜付き基板をアニール処理した後、透明接着層を介して、これらを表示装置上に積層させて投影型静電容量結合方式の入力装置を製造する際に、少なくとも一方の導電膜付き基板、好ましくは両方の導電膜付き基板について、その耐熱性基板として、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体を使用して、入力装置の積層過程で薄肉化できるようにしたことを特徴とする。すなわち、本発明において耐熱性基板として用いるポリイミド積層体は、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に配される第2のポリイミド層とを有しており、かつ、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除くことが可能なものである。
ここで、第1及び第2のポリイミド層の界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除くことができるようにするためには、これらのポリイミド境界面を剥離し易い状態にする必要がある。その手段として、好適には、第1又は第2のポリイミド層の少なくともいずれか一方に、特定の化学構造を有するポリイミドを使用するのがよい。
一般に、ポリイミドは、原料である酸無水物とジアミンとを重合して得られ、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 2014115815
式中、Ar1は酸無水物残基である4価の有機基を表し、Ar2はジアミン残基である2価の有機基であり、耐熱性の観点から、Ar1、Ar2の少なくとも一方は、芳香族残基であるのが望ましい。
本発明における第1及び/又は第2のポリイミド層に好適に用いられるポリイミド(ポリイミド樹脂)としては、そのひとつとして、例えば、下記繰り返し構造単位を有するポリイミドが挙げられ、なかでも、第2のポリイミド層がこのような繰返し構造単位を有するものであるのがよい。
Figure 2014115815
このような繰返し構造単位のうち、より好ましくは、下記繰り返し構造単位を有するポリイミドである。
Figure 2014115815
本発明において、第2のポリイミド層側は最終的には分離され、残った第1のポリイミド層側が入力装置を構成する。つまり、第2のポリイミド層は、積層構造を有する入力装置を形成する過程で第1のポリイミド層を支持し保護する補助材の役割を担う。そのため、導電膜付き基板としての取り扱い性を確保でき、かつ、アニール処理に対する耐熱性や寸法安定性を備えたものであるのがよい。上記のような繰返し構造単位を有するポリイミドであれば、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上の耐熱性ポリイミド面を形成することができ、第1のポリイミド層との界面での分離を容易にすることができる。なお、後述するように、キャスト法によって第2のポリイミド層を形成する場合には、第1及び第2のポリイミド層の界面を形成する第2のポリイミド層の表面は、表面粗さ(Ra)が100nm以下であるのが望ましい。
一方、入力装置を構成する部品となる第1のポリイミド層には、アニール処理に耐え得る耐熱性と共に、高い透明性が求められる。そのため、好適には、含フッ素ポリイミドを使用するのがよい。ここで、含フッ素ポリイミドとは、ポリイミド構造中にフッ素原子を有するものを指し、ポリイミド原料である酸無水物、及びジアミンの少なくとも一方の成分において、フッ素含有基を有するものである。このような含フッ素ポリイミドとしては、例えば、上記一般式(1)で表されるもののうち、式中のAr1が4価の有機基であり、Ar2が下記一般式(2)又は(3)で表される2価の有機基で表されるものが挙げられる。
Figure 2014115815
上記一般式(2)又は一般式(3)におけるR1〜R8は、互いに独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(2)にあっては、R1〜R4のうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であり、また、一般式(3)にあっては、R1〜R8のうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基である。このうち、R1〜R8の好適な具体的としては、−H、−CH3、−OCH3、−F、−CF3などが挙げられるが、式(2)又は式(3)において少なくとも一つの置換基が、−F又は−CF3の何れかであるのが好ましい。
含フッ素ポリイミドを形成する際の一般式(1)中のAr1の具体例としては、例えば、以下のような4価の酸無水物残基が挙げられる。
Figure 2014115815
加えて、含フッ素ポリイミドを形成する際、ポリイミドの透明性や第2のポリイミド層との剥離性をより向上させることなどを考慮すれば、一般式(1)におけるAr2を与える具体的なジアミン残基として、好ましくは、以下のものが挙げられる。すなわち、含フッ素ポリイミド以外の他の構造を有するポリイミドとの界面においても良好な剥離性を示すことができ、好適には、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面における接着強度が1N/m以上500N/m以下、より好適には5N/m以上300N/m以下、更に好適には10N/m以上200N/m以下になるため、人の手で容易に剥離できる程度の分離性を備える。勿論、第2のポリイミド層として、このような含フッ素ポリイミドを使用してもよく、その場合には、第1及び第2のポリイミド層の界面での剥離性はより一層向上する。
Figure 2014115815
このような含フッ素ポリイミドにおいて、次に挙げる一般式(4)又は(5)で表される構造単位のどちらか一方を80モル%以上の割合で有する場合には、透明性と剥離性の他、熱膨張性が低く寸法安定性に優れることからより好ましい。すなわち、下記一般式(4)又は(5)で表される構造単位を有するポリイミドであれば、熱膨張係数が25ppm/K以下、好適には10ppm/K以下のポリイミド層とすることができる。また、これらの構造単位を有するポリイミドは、300℃以上のガラス転移温度(Tg)を示し、かつ、440nmから780nmの波長領域での透過率が70%以上、好適には80%以上を示すことから、入力装置を形成する上でより有利である。
Figure 2014115815
ここで、ポリイミドを一般式(4)又は(5)の構造に係るポリイミドとした場合、そのポリイミド以外に最大20モル%未満の割合で添加されてもよいその他のポリイミドについては、特に制限されるものではなく、一般的な酸無水物とジアミンを使用することができる。なかでも好ましく使用される酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。一方の、ジアミンとしては、4,4'−ジアミノジフェニルサルフォン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノシクロヘキシルメタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビシクロヘキサン等が挙げられる。
上記で説明したような各種ポリイミドは、ポリアミド酸をイミド化して得ることができる。ここで、ポリアミド酸の樹脂溶液は、原料であるジアミンと酸二無水物とを実質的に等モル使用し、有機溶媒中で反応させることによって得るのがよい。より具体的には、窒素気流下にN,N−ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒にジアミンを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で5時間程度反応させることにより得ることができる。塗工時の膜厚均一化と得られるポリイミドフィルムの機械強度の観点から、得られたポリアミド酸の重量平均分子量は1万から30万が好ましい。なお、ポリイミド層の好ましい分子量範囲もポリアミド酸と同じ分子量範囲である。
第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体を得る手段については特に制限はないが、連続製造が可能であることから、予め第2のポリイミド層を形成する長尺状のポリイミドフィルムを用意しておき、これをロール・ツー・ロールプロセスで搬送しながら、第1のポリイミド層を形成するポリアミド酸の樹脂溶液を塗布するキャスト法を採用するのが好適である。第1のポリイミド層を形成するポリアミド酸の樹脂溶液を塗布した後には、第2のポリイミド層の長尺ポリイミドフィルムごと150〜160℃程度で加熱処理して樹脂溶液中に含まれる溶剤を除去し、更に高温で加熱処理してポリアミド酸をイミド化させる。イミド化に際して行う加熱処理は、例えば、160℃程度の温度から350℃程度の温度まで連続的又は段階的に昇温を行うようにすればよい。
前述したように、第2のポリイミド層は入力装置を直接構成するものではないため、導電膜付き基板としてのハンドリング性を向上させることなどを考慮しながら、その厚みを適宜設定することができる。一般に100μm程度の厚みがあれば、第1のポリイミド層の表面に所定のパターン電極を形成したり、透明接着層を介して導電膜付き基板を貼り合せる際など、製造上、特に不都合になることはない。勿論、第2のポリイミド層をより厚くしてもよく、或いは、背面側に銅箔やガラス等を備えたものを使用して、第2のポリイミド層自体の厚みをより薄くするようにしてもよい。一方、第1のポリイミド層の厚みについては、第2のポリイミド層側が補助材の役割をするため、その厚みはより薄くすることができる。すなわち、一般に、フィルムをハンドリングする際には100μm程度の厚みが必要であるが、本発明においては第2のポリイミド層がその役割を担うため、第1のポリイミド層は50μm以下の厚みにすることが可能であり、好適には3〜50μmまで薄くすることができる。
1組の導電膜付き基板を得るにあたっては、先ず、耐熱性基板の片側にパターニングされた透明導電膜を形成する。その際、少なくとも一方の導電膜付き基板については、上記のような第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体を耐熱性基板として使用する。ポリイミド積層体以外を耐熱性基板とする場合には、例えば、ガラス等のような透明であり、かつ、アニール処理に耐え得る耐熱性を備えたものを使用すればよい。薄型の入力装置とするには、その厚みは20〜100μm程度にするのがよいが、より薄型の入力装置を得るためには、両方の耐熱性基板が本発明で言うようなポリイミド積層体であるのが好ましい。
パターニングされた透明導電膜を得るには、例えば、耐熱性基板の片側表面にITO(tin-doped indium oxide)、SnO、ZnO、IZO等の透明導電膜を成膜した後、弱酸等を用いて所定の形状にエッチングするようにしてもよく、或いは、耐熱性基板の片側表面に形成したレジストパターンをマスクとして、上記のような透明導電膜を成膜するようにしてもよい。また、これらの透明導電膜は、電子ビーム蒸着法、スパッタ蒸着法、物理気相成長法、導電ペースト材を用いたスクリーン印刷法等により耐熱性基板上に成膜することができる。透明導電膜の厚みは70nm程度以下であり、特に厚みが限定されることはないが、薄型の入力装置を形成することを考慮すれば、10〜50nm程度の膜厚で形成するのが望ましい。
透明導電膜としてITOをスパッタ蒸着法で成膜した場合を例に以下説明する。成膜後のITO膜はアモルファス状態であり抵抗値が結晶状態より高い。そこで、パターニングされた透明導電膜を備えた導電膜付き基板をアニール処理することで、透明導電膜を結晶化させて、その抵抗を下げてパターン電極を形成する。ここで、パターン電極の形状、すなわち透明導電膜のパターニングについては、それぞれの導電膜付き基板において、ある方向に所定の間隔を有して複数の電極部が配列されるようにし、かつ、1組の導電膜付き基板が積層されることにより、上下2層における電極部の配列方向が互いに交差するようにして、投影型静電容量結合方式のモザイク状電極パターンが具備されるようにすればよい。
また、アニール処理の温度は、透明導電膜の種類によっても異なり、適宜設定することができるが、例えばITOの場合は、一般に200〜250℃程度で行うようにするのがよい。つまり、本発明において、耐熱性基板が備える耐熱性とは、透明導電膜を結晶化させるためのアニール処理に耐え得る程度のことである。ポリイミド積層体については、上述した第1及び第2のポリイミド層を形成するポリイミドであれば、いずれもこれらのアニール処理の温度よりも高いガラス転移温度(Tg)を備えることから、十分な耐熱性を有している。
アニール処理された1組の導電膜付き基板は、透明接着層を介して、これらを表示装置上に積層させて、入力装置を形成する。その際、予め、導電膜付き基板同士を貼り合せて入力装置形成用の積層部材とした上で、再度透明接着層を介して、表示装置に貼り合せて入力装置を得るようにしてもよく、或いは、入力装置に対して(又は後述する透明保護板に対して)2つの導電膜付き基板を順次貼り合せて入力装置を得るようにしてもよい。ここで、透明接着層については特に制限はなく、例えばアクリル系やエポキシ系等の透明接着剤からなるものであってもよく、或いは、透明な接着シートを用いたり、透明絶縁シートを2つの導電膜付き基板の間に介在させて、透明接着剤を用いて貼り合せるようにしてもよい。薄型積層構造の入力装置を得る観点からは、透明接着剤の厚みは薄い方が良いが、特に厚みが制限されることはなく、透明接着剤を用いて10〜50μm程度の透明接着層を形成するのが好ましい。なお、透明接着剤や透明接着シート等を用いて透明接着層を形成するのは、透明導電膜のアニール処理が施された後であるため、アニール処理に対する耐熱性については特段考慮する必要はない。また、入力装置の積層過程で使用する透明接着剤や透明接着シート等については、それぞれ同じ種類のものを使用してもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
予め、導電膜付き基板同士を貼り合せて積層部材とする場合には、好ましくは、透明導電膜側を対向させるようにして、透明接着層を介して、2つの導電膜付き基板を貼り合せるようにするのがよい。そして、透明接着層を介して、この積層部材を表示装置の表示面側に貼り合せるようにするが、その際に、両方の導電膜付き基板がポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えていれば、いずれか一方のポリイミド積層体から第2のポリイミド層を分離して取り除いてから、第1のポリイミド層側を表示装置に貼り合せるようにする。片方の導電膜付き基板だけがポリイミド積層体からなる耐熱性基板を使用している場合には、当該ポリイミド積層体から第2のポリイミド層を分離して取り除いてから、第1のポリイミド層側を表示装置に貼り合せるようにしてもよく、或いは、ポリイミド積層体ではない耐熱性基板側を表示装置に貼り合せてから、最表面の第2のポリイミド層を分離して取り除くようにしてもよい。
また、入力装置に対して導電膜付き基板を順次貼り合せて積層する場合には、透明導電膜側を表示装置に向けて、透明接着層を介して導電膜付き基板を貼り合せ、更に透明接着層を介して他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せるようにしてもよく、或いは、耐熱性基板側を表示装置に向けて、透明接着層を介して導電膜付き基板を貼り合せ、更に透明接着層を介して他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せるようにしてもよい。このとき、両方の導電膜付き基板がポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えている場合には、先ず、透明導電膜側を表示装置に向けて導電膜付き基板を貼り合せて、第2のポリイミド層を分離して取り除き、次いで、他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せてから、第2のポリイミド層を分離して取り除くようにするのが好ましい。片方の導電膜付き基板だけがポリイミド積層体からなる耐熱性基板を使用している場合には、先ず、耐熱性基板側を表示装置に向けて導電膜付き基板を貼り合せ、次いで、他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せてから、第2のポリイミド層を分離して取り除くようにするのが好ましい。
2つの導電膜付き基板を順次貼り合せて積層する場合について、入力装置にかえて、はじめに貼り付ける導電膜付き基板の貼り付け対象を透明保護板にしてもよい。すなわち、入力装置には、外部衝撃や各種損傷等から保護する目的で、その表面に強化ガラス、アクリル板等からなる透明保護板を設けることがある。そのため、好適には、先ずは、透明導電膜側を透明保護板に向けて、透明接着層を介して、ポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えた導電膜付き基板を貼り合せてから、第2のポリイミド層を分離して取り除く。次いで、更に透明接着層を介して、第1のポリイミド層に他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せて、更にまた透明接着層を介して、これらを表示装置に貼り合せることで、透明保護板を備えた入力装置を得ることができる。ここで、他方の導電膜付き基板もポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えていれば、表示装置側に貼り合せる前に、第2のポリイミド層を分離するようにすればよい。また、他方の導電膜付き基板を先に表示装置側に貼り合せておき、透明保護板側に貼り合わされた導電膜付き基板の第1のポリイミド層と重ね合せるようにしてもよい。
上記のように、ポリイミド積層体を有した導電膜付き基板について、他方の導電膜付き基板と貼り合せたり、表示装置や透明保護板に貼り合せたところで、第1及び第2のポリイミド層の界面を利用して第2のポリイミド層側を分離して取り除くようにして、ポリイミド積層体を有した導電膜付き基板を積層する過程で薄肉化する工程を含めることで、薄型の入力装置を効率良く製造することができる。特に、2つの導電膜付き基板が、いずれもポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えていれば、例えば、第1のポリイミド層の厚みが20μm、透明導電膜の厚みが50nm程度、透明接着層の厚みが50μmとして、合計90μm程度の厚みを有するように、総厚みが100μm以下の入力装置を簡便に得ることができる。
本発明によれば、ハンドリング性の低下や生産上の問題等を解決しながら、薄型の入力装置を効率良く製造することができる。
図1は、本発明に係るポリイミド積層体の例を示す模式図である。 図2は、ポリイミド積層体にパターニングされた透明導電膜が形成された導電膜付き基板の断面模式図である。 図3は、長尺ロール状のポリイミド積層体に透明導電膜を成膜するためのロール・ツー・ロール装置を示す模式図である。 図4は、1組の導電膜付き基板を積層させて投影型静電容量結合方式のタッチパネル(入力装置)を形成した際の平面模式図を示す。 図5は、ポリイミド積層体上に形成された一方のパターン電極等の様子を示す平面模式図である。 図6は、ポリイミド積層体上に形成された他方のパターン電極等の様子を示す平面模式図である。 図7は、図5のa-a'断面図である。 図8は、図6のb-b'断面図である。 図9は、本発明に係る入力装置形成用積層部材の断面図である。 図10は、入力装置形成用積層部材を用いて、表示装置上に入力装置を貼り合せる際の薄肉化の様子を示す模式図である。 図11は、2つの導電膜付き基板の間に透明絶縁シートを介在させて貼り合せた入力装置形成用積層部材の断面図である。 図12は、別の実施例で使用したパターン電極を備えた導電膜付き基板の断面図である。 図13は、別の実施例で使用したパターン電極を備えた導電膜付き基板の断面図である。 図14は、透明保護板を有した入力装置を得る際の薄肉化の様子を示す模式図である。
以下、本発明について、図面を用いながら具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
先ず、下記においてポリイミドを合成する際の原料モノマーや溶媒の略語、及び、実施例中の各種物性の測定方法とその条件について以下に示す。
〔略語について〕
・DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
・PDA:1,4−フェニレンジアミン
・TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
・DADMB:4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
・1,3−BAB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
・BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・6FDA:2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
〔表面粗さ(Ra)〕
ブルカー社製の原子間力顕微鏡(AFM)「Multi Mode8」を用いて表面観察をタッピングモードで行った。10μm角の視野観察を4回行い、それらの平均値を求めた。表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さ(JIS B0601-1991)を表す。
〔剥離強度〕
東洋精機製作所社製ストログラフR−1を用いて、ポリイミド積層体を幅10mmの短冊状に切断したサンプルにおける第1のポリイミド層と第2のポリイミド層における界面について、T字剥離試験法によるピール強度を測定することにより評価した。
〔透過率(%)〕
第1のポリイミド層からなるポリイミドフィルム(50mm×50mm)について、U4000形分光光度計を使って440nmから780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
〔ガラス転移温度Tg〕
第1のポリイミド層からなるポリイミドフィルムのガラス転移温度を次のようにして測定した。粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
〔熱膨張係数(CTE)〕
第1のポリイミド層からなるポリイミドフィルムを3mm×15mmのサイズに切り出し、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(×10-6/K)を測定した。
合成例1(ポリイミドA)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらPDA8.00gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液BPDA22.00gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
合成例2(ポリイミドB)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB12.08gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA6.20gと6FDA4.21gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Bが生成されていることが確認された。
合成例3(ポリイミドC)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB13.30gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA9.20gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Cが生成されていることが確認された。
[ポリイミド積層体Iの作製]
厚み18μmの電解銅箔上に、合成例1で得たポリアミド酸Aの樹脂溶液を塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約15℃/分の昇温速度で熱処理することでイミド化し、厚み25μmの第2のポリイミド層(表面粗さRa=1.3nm、Tg=355℃)を有する銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板の第2のポリイミド層上に、合成例2で得たポリアミド酸Bの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理することでポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体Iを得た。得られたポリイミド積層体Iにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014115815
[ポリイミド積層体IIの作製]
第2のポリイミド層として厚さ25μmのポリイミドフィルム(カプトンH、東レ・デュポン株式会社製:表面粗さRa=70nm、Tg=428℃)を使用し、この上に合成例2で得たポリアミド酸Bの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布し、その後、130℃で加熱乾燥することで樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理しポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体IIを得た。得られたポリイミド積層体IIにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
[ポリイミド積層体IIIの作製]
第2のポリイミド層として厚さ25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製:表面粗さRa=15nm、Tg=359℃)を使用し、この上に合成例3で得たポリアミド酸Cの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布し、その後、130℃で加熱乾燥することで樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理しポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体IIIを得た。得られたポリイミド積層体IIIにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
[ポリイミド積層体I〜IIIの分離性の評価]
製造直後のポリイミド積層体I〜IIIにつき、第1及び第2のポリイミド層の界面を利用して、各ポリイミド層を人手により分離し、分離の容易性を確認したところ、いずれの積層体についても分離されるポリイミド層にダメージを与えることなく容易に分離することができ、良好な剥離性を示した。
[比較参照用ポリイミド積層体IVの作製]
厚み18μmの電解銅箔上に合成例2で得たポリアミド酸Bの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理することでポリアミド酸をイミド化させてポリイミド層を形成して、ポリイミド層と銅箔とからなる比較参照用のポリイミド積層体IVを得た。得られた比較参照用ポリイミド積層体IVからポリイミド層を引き剥がそうとしたが、ポリイミド層と銅箔との界面の接着力が非常に強く、ポリイミド層を剥離することができなかった。
[入力装置の製造例]
図1には、第2のポリイミド層1を形成するポリイミドフィルムの片側表面に第1のポリイミド層2を備えた長尺ロール状のポリイミド積層体10が示されている。また、図2には、このポリイミド積層体10にパターニングされた透明導電膜3が形成された導電膜付き基板20の縦断面図が示されている。
このポリイミド積層体10は、例えば、上記のポリイミド積層体IIIの作製例にならって、次のようにして得ることができる。
先ず、第2のポリイミド層1を形成するものとしてロール状に巻き取られた厚さ25μmの市販のポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製:表面粗さRa=15nm、Tg=359℃)を準備する。そして、ロール・ツー・ロールプロセスにより、このポリイミドフィルム上に予め合成した第1のポリイミド層2となるポリアミド酸Cの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように塗布し、その後、130℃で加熱乾燥することで樹脂溶液中の溶剤を除去する。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理しポリアミド酸をイミド化させ、その後常温まで冷却すれば、第1ポリイミド層2の背面側に第2のポリイミド層1を備えた長尺状のポリイミド積層体10を得ることができる。
また、図3には、長尺ロール状のポリイミド積層体10に透明導電膜を成膜するためのロール・ツー・ロール装置の一例が示されている。この図3に示す如く、送出機構120、巻取機構130、送出側ロール巻機構140、及び巻取側ロール巻機構150でロール状ポリイミド積層体10は保持され、プロセス処理部110によりITOのような透明導電膜3が蒸着法等の手段で形成される。ここで、透明導電膜を蒸着等の真空環境が必要なプロセスで積層する場合は、ロール・ツー・ロール装置全体は真空チャンバー内に設置されてプロセス処理等がなされる。
また、パターニングされた透明導電膜3を得るにあたっては、透明導電膜を成膜した後、弱酸等を用いて所定の形状にエッチングするようにしてもよく、或いは、ポリイミド積層体10の第1のポリイミド層側にレジストパターンを形成して、それをマスクとして透明導電膜を成膜するようにしてもよい。パターニングされた透明導電膜3を形成した後には、ポリイミド積層体10ごとアニール処理することで、パターン電極を備えた導電膜付き基板とすることができる。ここで、透明導電膜の代表的な材料としてはITOが挙げられる。一般に、ITOを蒸着した時点ではアモルファス状態であり、その抵抗値も高い。そのため、パターニングされた透明導電膜3を形成した後に200℃〜250℃程度でアニール処理を実施すると、ITOの結晶化が生じて抵抗値を下げることができ、低抵抗のパターン電極とすることができる。本発明のポリイミド積層体10は、このようなアニール温度に対して十分な耐熱性を有しているため、パターニングされた透明導電膜3を備えた状態でアニール処理して低抵抗化を図ることができる。
本発明において、耐熱性基板として用いるポリイミド積層体10は、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層2が、低熱膨張性でありながら、可視光領域における透過率が高くて透明性に優れ、また寸法安定性に優れて、耐熱性が高く、しかも、表面平滑性に優れて、面内方向のリタデーションが小さい特徴を有する。また、この第1のポリイミド層2を支持・保護する補助材の役割を担う第2のポリイミド層1は、第1のポリイミド層2との積層界面で容易に分離することができる。そのため、最終的に入力装置を構成する第1のポリイミド層2を50μm以下の厚みにすることが可能である。すなわち、通常、厚さが50μm程度のフィルムでは、単独では薄過ぎて、ロール・ツー・ロール設備におけるフィルムの伸びが問題となるばかりか、パターン電極の形成工程や入力装置の組立工程におけるハンドリング性等が問題となる。ところが、本発明によれば、第1のポリイミド層2の表面にパターニングされた透明導電膜3を形成し、アニール処理して所定のパターン電極を得る場合においても、第2のポリイミド層1が共存するポリイミド積層体10として用いるため、伸び難く、ハンドリングし易い状態が確保される。
図4は、1組の導電膜付き基板を積層させて投影型静電容量結合方式のタッチパネル(入力装置)60を形成した際のパターン電極の様子を示す平面模式図である。このタッチパネル60は、一方のパターン電極51と他方のパターン電極52とを有してなり、更に、パターン電極51用の信号取り出し配線31及び外部接続端子41と、パターン電極52用の信号取り出し配線32及び外部接続端子42を備えている。一方のパターン電極51、信号取り出し配線31、及び外部接続端子41と、他方のパターン電極52、信号取り出し配線32、及び外部接続端子42とは、それぞれ別の耐熱性基板上に形成されたものであり、本製造例においては、いずれも耐熱性基板として膜厚100μmの第2のポリイミド層1と膜厚20μmの第1のポリイミド層2とを有したポリイミド積層体10を使用した。
このうち、図5には、ポリイミド積層体10上に形成された一方のパターン電極51等の様子が示されている。また、図5のa-a'断面図を図7に示す。パターン電極51、信号取り出し配線31、及び外部接続端子41は、ポリイミド積層体10の第1のポリイミド層2の表面に形成された膜厚40nmの透明導電膜をエッチングして得られたものであり、ひし形の電極部が信号取り出し配線31を通じて一方向に所定の間隔を有して配列されている。また、図6には、ポリイミド積層体10上に形成された他方のパターン電極52等の様子が示されており、図6のb-b'断面図が図8である。図6に示されたパターン電極52、信号取り出し配線32、及び外部接続端子42は、図5の場合と同様、膜厚40nmの透明導電膜をエッチングして得られたものであり、ひし形の電極部が信号取り出し配線32を通じて一方向に所定の間隔を有して配列されている。このパターン電極52は、最終的に図5に示すパターン電極51と貼り合わされて、図4に示したような投影型静電容量結合方式のモザイク状電極パターンを形成するため、図5に示すパターン電極51のパターンとは電極部の配列方向が互いに交差するようにして作製する。
パターン電極51,52を形成した1組の導電膜付き基板20は、それぞれの透明導電膜側を対向させるようにして、アクリル系やエポキシ系等の絶縁性を有する透明接着剤を用いて貼り合せる。両者が貼り合わされた状態である断面図(図4のc-c'断面)を図9に示す。この時点では、両方の耐熱性基板であるポリイミド積層体10の第2のポリイミド層1は分離されず、入力装置形成用の積層部材の状態である。また、本実施例では、貼り合せ後の透明接着剤からなる透明接着層80の厚みが30μmになるようにした。
上記のようにして得られた入力装置形成用の積層部材は、図10に示したように、一方のポリイミド積層体10から第2のポリイミド層1を分離して取り除き、薄肉化した上で、透明接着剤を用いて、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置(図示外)に貼り合せる。その後、他方のポリイミド積層体10から第2のポリイミド層1を分離して取り除き薄肉化すれば、本発明の実施例に係る入力装置60を得ることができる。このように、表示装置に貼り合せた後で、最表面の第2のポリイミド層1を分離すれば、傷や汚れ等から保護することにもなり、合計の厚みがおよそ70μmの薄型の入力装置60をハンドリング性良く簡便に得ることができる。
また、図11には、上記実施例の変形例にあたる入力装置を得るための積層部材が示されている。上述した実施例との違いは、2つの導電膜付き基板20を貼り合せる際に、それぞれのパターン電極の間に透明絶縁シート(誘電体)90を介在させて、透明接着剤を用いて貼り合せている点である。このようにすれば、上下2層のモザイク状電極パターンの間隔がより均一に保てる利点がある。この図11に示した変形例では、厚さ15μmの透明絶縁シート90を用いているが、本発明では、ポリイミド積層体10を耐熱性基板として使用するため、この場合においても入力装置60の層厚みを100μm以下に抑えることができる。
図12〜14には、表示装置上に配される入力装置を製造する際の別の実施例に係る断面模式図が示されている。上述した実施例との違いは、2つの導電膜付き基板の貼り合せ手順が異なる点である。パターン電極51等を備えたポリイミド積層体10とパターン電極52等を備えたポリイミド積層体10とを得るまでは、先の実施例の場合と同様である。図12は、パターン電極52等を備えた導電膜付き基板20の断面図(図4のc-c'断面)であり、図13は、パターン電極51等を備えた導電膜付き基板20の断面図(図4のc-c'断面)であり、図14は、これらの導電膜付き基板20を透明保護板100に順次貼り合せた状態を示す断面模式図である。
ここでは、先ず、パターン電極52を備えた導電膜付き基板20の透明導電膜側を厚さ500μmの強化ガラスからなる透明保護板100に向けて、透明接着剤を用いて貼り合せる。次いで、貼り合わされた導電膜付き基板20のポリイミド積層体10から第2のポリイミド層1を分離して取り除き、薄肉化する。次に、第2のポリイミド層1が剥離されて露出した第1のポリイミド層2に対して、透明接着剤を用いて、パターン電極51を備えた導電膜付き基板20の透明導電膜側を貼り合せる。そして、この導電膜付き基板20のポリイミド積層体10から第2のポリイミド層1を分離して取り除き、薄肉化した上で、再度透明接着剤を用いて、表示装置に貼り合せることで、透明保護板を備えた入力装置60を得ることができる。なお、この実施例の場合、貼り合せ後の透明接着剤からなる各透明接着層80の厚みはそれぞれ20μmになるようにした。
このようにすれば、透明保護板を備えた入力装置60を得ることができ、しかも、パターン電極間に第1のポリイミド層2が存在することになるため、先の変形例で示したような透明絶縁シートを用いることなく、上下2層のモザイク状電極パターンの間隔をより均一に保つことができる。
以上のように、本発明においては、少なくとも一方の導電膜付き基板20が上記のようなポリイミド積層体10からなる耐熱性基板を備えるようにし、好ましくは、両方の導電膜付き基板がポリイミド積層体10からなる耐熱性基板を備えるようにして、透明接着層を介して、アニール処理後の1組の導電膜付き基板20を表示装置上に積層させて入力装置を形成する。その際、ポリイミド積層体10を備えた導電膜付き基板20の積層過程において、ポリイミド積層体10から第2のポリイミド層1を分離して取り除くことで、入力装置の製造上のハンドリング性を確保しながら、薄型化を同時に達成することができる。
1 第2のポリイミド層
2 第1のポリイミド層
3 透明導電層
10 ポリイミド積層体
20 導電膜付き基板
31,32 信号取り出し配線
41,42 外部接続端子
51,52 パターン電極
60 タッチパネル(入力装置)
80 透明接着層
90 透明絶縁体(誘電体)シート
100 透明保護板
110 プロセス処理部
120 送出機構
130 巻取機構
140 送出側ロール巻機構
150 巻取側ロール巻機構

Claims (14)

  1. 液晶ディスプレイ等の表示装置上に配される投影型静電容量結合方式の入力装置を製造する方法であって、
    耐熱性を有する耐熱性基板の片側にパターニングされた透明導電膜を備えた2つの導電膜付き基板をアニール処理した後、透明接着層を介して、これらを表示装置上に積層させて入力装置を製造する際、
    少なくとも一方の導電膜付き基板における耐熱性基板が、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に配される第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなり、該ポリイミド積層体を有した導電膜付き基板を積層する過程において、第1及び第2のポリイミド層の界面で第2のポリイミド層側を分離して取り除き、薄肉化する工程を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
  2. 透明導電膜側を対向させるようにして、透明接着層を介して2つの導電膜付き基板を貼り合せた後、ポリイミド積層体を有した導電膜付き基板から第2のポリイミド層を分離して取り除くことを特徴とする請求項1に記載の入力装置の製造方法。
  3. 2つの導電膜付き基板のいずれもが、ポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えており、これらを貼り合せた後に、それぞれの第2のポリイミド層を分離して取り除く請求項2に記載の入力装置の製造方法。
  4. 2つの導電膜付き基板の間に透明絶縁シートを介在させて貼り合せる請求項2又は3に記載の入力装置の製造方法。
  5. 透明導電膜側を表示装置に向けて、透明接着層を介してポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えた導電膜付き基板を貼り合せた後、第2のポリイミド層を分離して取り除き、更に透明接着層を介して他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せることを特徴とする請求項1に記載の入力装置の製造方法。
  6. 透明導電膜側を透明保護板に向けて、透明接着層を介してポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えた導電膜付き基板を貼り合せた後、第2のポリイミド層を分離して取り除き、更に透明接着層を介して、他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せ、更にまた透明接着層を介して、表示装置に貼り合せることで、透明保護板を備えた入力装置を得ることを特徴とする請求項1に記載の入力装置の製造方法。
  7. 2つの導電膜付き基板のいずれもが、ポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えており、他方の導電膜付き基板の透明導電膜側を貼り合せた後に第2のポリイミド層を分離して取り除く請求項5又は6に記載の入力装置の製造方法。
  8. 第1及び第2のポリイミド層の界面での接着強度が1N/m以上500N/m以下である請求項1〜7のいずれかに記載の入力装置の製造方法。
  9. 第1のポリイミド層が含フッ素ポリイミドからなり、440nmから780nmの波長領域での透過率が70%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の入力装置の製造方法。
  10. 第1のポリイミド層の熱膨張係数が25ppm/K以下である請求項9に記載の入力装置の製造方法。
  11. 第1及び第2のポリイミド層の界面を形成する第2のポリイミド層の表面は、表面粗さ(Ra)が100nm以下であると共に、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上の耐熱性ポリイミド面を有する請求項1〜10のいずれかに記載の入力装置の製造方法。
  12. 第2のポリイミド層が、下記構造単位を有するポリイミドからなる請求項11に記載の入力装置の製造方法。
    Figure 2014115815
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法に用いられる導電膜付き基板であって、透明導電膜側に配される第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に配される第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなる耐熱性基板を備えており、第1及び第2のポリイミド層の界面で第2のポリイミド層を分離して取り除くことで、薄肉化できることを特徴とする入力装置形成用導電膜付き基板。
  14. 請求項13に記載の導電膜付き基板を2つ用いて、それぞれアニール処理した後に、透明接着層を介して、各々の透明導電膜側を対向させるようにして貼り合せたことを特徴とする入力装置形成用積層部材。
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