JP2012123124A - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広角端の半画角:38度以上、変倍比:4倍程度で、500万〜1000万画素を超える撮像素子に対応した解像力を実現可能なズームレンズを実現可能にする。
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群I、正の屈折力を有する第2レンズ群II、正の屈折力を有する第3レンズ群IIIを配し、第1レンズ群と第2レンズ群との間に開口絞りSを有してなり、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなり、 第1レンズ群は、物体側から順に、第1負レンズ、第2負レンズ、正レンズを配してなり、条件(1)〜(3)を満足する。
【選択図】図1
【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群I、正の屈折力を有する第2レンズ群II、正の屈折力を有する第3レンズ群IIIを配し、第1レンズ群と第2レンズ群との間に開口絞りSを有してなり、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなり、 第1レンズ群は、物体側から順に、第1負レンズ、第2負レンズ、正レンズを配してなり、条件(1)〜(3)を満足する。
【選択図】図1
Description
この発明はズームレンズおよびこれを用いる撮像装置に関する。
近来広く普及しているデジタルカメラは、普及に伴い更なる高性能・コンパクト性が求められ、撮影レンズとして用いられるズームレンズにも高性能化と小型化の両立が求められている。
ズームレンズは、小型化の面では、まず使用時のレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)を短縮することが必要であり、また各レンズ群の厚みを短縮して収納時の全長を抑えることも小型化を実現する重要な要素である。
ズームレンズの高性能化は、ハイエンドのデジタルカメラへの適用を考えると、少なくとも500万〜1000万画素を超える撮像素子に対応した解像力を全ズーム域にわたって有することが必要である。
撮影レンズの広角化を望むユーザも多く、ズームレンズの広角端の半画角は38度以上であることが望ましい。半画角38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
ズームレンズは、小型化の面では、まず使用時のレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)を短縮することが必要であり、また各レンズ群の厚みを短縮して収納時の全長を抑えることも小型化を実現する重要な要素である。
ズームレンズの高性能化は、ハイエンドのデジタルカメラへの適用を考えると、少なくとも500万〜1000万画素を超える撮像素子に対応した解像力を全ズーム域にわたって有することが必要である。
撮影レンズの広角化を望むユーザも多く、ズームレンズの広角端の半画角は38度以上であることが望ましい。半画角38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
広角化や大口径化に適したタイプのズームレンズとして良く知られているものに、物体側より順に、負の焦点距離を持つ第1レンズ群、正の焦点距離を持つ第2レンズ群、正の焦点距離を持つ第3レンズ群を配したものが広く知られている(特許文献1〜5等)。
特許文献1、2記載のズームレンズは、広角端での半画角:39度の広画角を実現しているが、変倍比は3.9倍に満たず、昨今要求される4倍程度の変倍比は実現できていない。
特許文献1、2記載のズームレンズは、広角端での半画角:39度の広画角を実現しているが、変倍比は3.9倍に満たず、昨今要求される4倍程度の変倍比は実現できていない。
また、特許文献3記載のズームレンズは、4.6倍と高い変倍比を実現しているが、画角の面では広角端の半画角が33度程度であり、広角性の面で昨今の要求を満たしていない。特許文献4記載のズームレンズは、変倍比:5.7倍、広角端での半画角:約51度程度と、高変倍・広画角を実現しているが、広角端での歪曲収差が15%程度あり、周辺画質の良好性の点でなお、改善の余地がある。
また、特許文献5記載のズームレンズは、性能も良好で、広角端で40度を超える半画角を持つ広角レンズであるが、変倍比が3倍弱と小さい。
この発明は上述した事情に鑑み成されたものであって、小型・高性能のデジタルカメラ用のズームレンズとして特に適し、広角端の半画角:38度以上、変倍比:4倍程度で、、500万〜1000万画素を超える撮像素子に対応した解像力を実現可能なズームレンズの実現、さらには、このようなズームレンズを用いる撮像装置の実現を目的とする。
この発明のズームレンズは「光軸に沿って物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群を配し、第1レンズ群と第2レンズ群との間に開口絞りを有して」なる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなる。
第1レンズ群は、物体側から順に、第1負レンズ、第2負レンズ、正レンズを配してなる。この第1レンズ群の、第1負レンズのd線におけるアッベ数:νd1n、第2負レンズのd線におけるアッベ数:νd2n、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端における半画角:ωwが、条件:
(1) 20 <|νd1n-νd2n|< 40
(2) 3.9 <ft/fw< 7.0
(3) 38度 < ωw
を満足する(請求項1)。
請求項1記載のズームレンズは、以下の条件(4)を満足することが好ましい(請求項2)。
(1) 20 <|νd1n-νd2n|< 40
(2) 3.9 <ft/fw< 7.0
(3) 38度 < ωw
を満足する(請求項1)。
請求項1記載のズームレンズは、以下の条件(4)を満足することが好ましい(請求項2)。
(4) 0.012 <|Δθgf1n−Δθgf2n|
レンズ材料の部分分散比:θgfは、周知の如く、g線に対する屈折率:Ng、F線に対する屈折率:NF、C線に対する屈折率:NCにより、
θgf=(Ng-NF)/(NF-NC)
で定義されるが、この部分分散比:θgfの「基準線:(-0.00162vd+0.6415)からのずれ」を「Δθgf」とする。
レンズ材料の部分分散比:θgfは、周知の如く、g線に対する屈折率:Ng、F線に対する屈折率:NF、C線に対する屈折率:NCにより、
θgf=(Ng-NF)/(NF-NC)
で定義されるが、この部分分散比:θgfの「基準線:(-0.00162vd+0.6415)からのずれ」を「Δθgf」とする。
条件(4)における「Δθgf1n」は、第1レンズ群の第1負レンズの材料の「Δθgf」であり、「Δθgf2n」は、第1レンズ群の第2負レンズの材料の「Δθgf」である。
請求項1または2記載のズームレンズは、第1レンズ群の第1負レンズと第2負レンズが、接合されて接合レンズをなすことがこのましい(請求項3)。
請求項1〜3の任意の1に記載のズームレンズは「第1レンズ群の2枚の負レンズのレンズ面のうち、少なくとも1面が非球面である」ことが好ましい(請求項4)。
請求項1〜4の任意の1に記載のズームレンズは、第1レンズ群の正レンズの材料の、d線における屈折率:Nd1p、d線におけるアッベ数:νd1pが、条件:
(5) Nd1p > 1.85
(6) νd1p < 25
を満足することが好ましい(請求項5)。
(5) Nd1p > 1.85
(6) νd1p < 25
を満足することが好ましい(請求項5)。
請求項1〜5の任意の1に記載のズームレンズは、望遠端での最大像高:Y’、望遠端でのバックフォーカス:BF、最大全長/望遠端焦点距離:Trが、条件:
(7) BF/Y’ < 1
(8) 1.5 < Tr < 2.5
を満足することが好ましい(請求項6)。
(7) BF/Y’ < 1
(8) 1.5 < Tr < 2.5
を満足することが好ましい(請求項6)。
この発明の撮像装置は、請求項1〜6の任意の1に記載のズームレンズを用い、このズームレンズによる撮影画像を撮像素子で読取る機能を持つ撮像装置である(請求項7)。
撮像装置は具体的にはデジタルカメラや、デジタルカメラにさらに通信機能を付加した携帯情報端末装置として実施できる。
説明を補足する。
請求項1における条件(2)はこの発明のズームレンズの「変倍比の範囲」を定めており、3.9倍〜7.0倍と「高変倍」である。また、条件(3)は広角端における半画角の下限を定めるものであり38度以上と「広画角」である。
条件(1)のパラメータ:|νd1n-νd2n|は「第1レンズ群の2枚の負レンズ(第1負レンズと第2負レンズ)の「d線におけるアッベ数」の差を表す。
条件(2)、(3)で規定される高変倍・広画角のズームレンズでは、広角端や望遠端での色収差が大きくなり易く、これを良好に補正する必要がある。
条件(1)の下限値:20を下回ると、色収差補正が不十分となる。また、上限値:40を上回ると、各ズームポジションで色収差をバランスよく補正することが困難となる。
条件(1)の下限値:20を下回ると、色収差補正が不十分となる。また、上限値:40を上回ると、各ズームポジションで色収差をバランスよく補正することが困難となる。
パラメータ:|νd1n-νd2n|はより好ましくは、以下の条件:
(1’) 23 <|νd1n-νd2n|< 30
を満足するのがよい。
(1’) 23 <|νd1n-νd2n|< 30
を満足するのがよい。
請求項2の条件(4)は、第1レンズ群の2枚の負レンズの「部分分散比:θgfの基準線からのずれ」の差を表す。
「基準線」は、縦軸に部分分散比:θgF、横軸にアッベ数:νdを用いた直交座標系において、NSL7(νd:60.5、θgf:0.5436 株式会社オハラ社製)とPBM2(νd:36.3、θgf:0.5828 株式会社オハラ社製)を結ぶ直線「θgf=-0.00162νd+0.6415」を言い、一般的なガラスは略この基準線上に乗るが、座標点「νd、θgf」が基準線から大きく外れたガラスは「異常分散ガラス」と呼ばれている。
ズームレンズを広角化、高変倍化しようとすると「広角端での倍率色収差の2次スペクトル、望遠端での軸上色収差の2次スペクトル」の補正が困難となってくる。
軸上色収差の2次スペクトルを低減するには、一般に「軸上光線高さが高いレンズ群」に異常分散ガラスを用いると効果が大きい。
第1レンズ群の第1負レンズ、第2負レンズは「軸上光線高さ」が高いので、これらの負レンズに異常分散ガラスを用いるが、条件(4)の下限値:0.012を下回ると、2次スペクトルの補正が十分ではなくなる。
「基準線」は、縦軸に部分分散比:θgF、横軸にアッベ数:νdを用いた直交座標系において、NSL7(νd:60.5、θgf:0.5436 株式会社オハラ社製)とPBM2(νd:36.3、θgf:0.5828 株式会社オハラ社製)を結ぶ直線「θgf=-0.00162νd+0.6415」を言い、一般的なガラスは略この基準線上に乗るが、座標点「νd、θgf」が基準線から大きく外れたガラスは「異常分散ガラス」と呼ばれている。
ズームレンズを広角化、高変倍化しようとすると「広角端での倍率色収差の2次スペクトル、望遠端での軸上色収差の2次スペクトル」の補正が困難となってくる。
軸上色収差の2次スペクトルを低減するには、一般に「軸上光線高さが高いレンズ群」に異常分散ガラスを用いると効果が大きい。
第1レンズ群の第1負レンズ、第2負レンズは「軸上光線高さ」が高いので、これらの負レンズに異常分散ガラスを用いるが、条件(4)の下限値:0.012を下回ると、2次スペクトルの補正が十分ではなくなる。
さらに、第1負レンズに異常分散ガラス(Δθgf > 0.004)を用いるのが良い。
ズームレンズのさらなる高性能化の目的には、請求項3のように、第1負レンズと第2負レンズを接合レンズとし、色収差の補正を効率的に行うのがよい。また、請求項4のように「第1負レンズと第2負レンズの少なくとも1面」に非球面を採用することにより、性能の向上を図ることができる。即ち、条件(1)、(4)を満たすガラスの組合せにより、色収差の補正は十分行えるが、請求項4のように非球面を採用することにより「単色収差の補正能力」を高めることができる。
条件(5)、(6)は、第1レンズ群の正レンズ(第1レンズ群内で最も像側のレンズ)の屈折率、アッベ数を規定する条件であり、これら条件(5)、(6)を満たすことにより、更なるコンパクト化とともに、また色収差のバランスよい補正が可能となる。
条件(7)、(8)は「バックフォーカスの適切な量と望遠比」を示している。
望遠端でのバックフォーカスを条件(7)の上限以下にすることにより、各種収差補正の自由度が増し、ズームレンズのコンパクト化、高性能化に大きく寄与できる。ただし、コンパクト化が過ぎて、例えば条件(8)の下限値を下回ると、収差の悪化や、感度の上昇を招き好ましくない。また上限値を上回ると、ズームレンズ全長が大きくなりすぎ、コンパクト性に関するユーザの要望を満足させることができなくなる。
望遠端でのバックフォーカスを条件(7)の上限以下にすることにより、各種収差補正の自由度が増し、ズームレンズのコンパクト化、高性能化に大きく寄与できる。ただし、コンパクト化が過ぎて、例えば条件(8)の下限値を下回ると、収差の悪化や、感度の上昇を招き好ましくない。また上限値を上回ると、ズームレンズ全長が大きくなりすぎ、コンパクト性に関するユーザの要望を満足させることができなくなる。
「有限距離へのフォーカシング」は、第3レンズ群のみを移動させる方法が「移動させるべき物体の重量」が最も小さくて良い。
絞りの開放径は「変倍に係らず一定とする」のが機構上簡略となってよいが、望遠端の開放径を広角端に比べて大きくすることにより、Fナンバの変化を小さくすることも出来る。像面に到達する光量を減少させる必要があるときは、絞りを小径化しても良いが「絞り径を大きく変えることなくNDフィルタ等の挿入により光量を減少」させるほうが回折現象による解像力の低下を防止できて好ましい。
以上に説明したように、この発明によれば「新規なズームレンズと撮像装置」を実現できる。この発明のズームレンズは、以下に挙げる具体的な実施例のように「小型で、収差が十分に補正され、500万画素〜1000万画素を超える受光素子に対応することが可能」である。従って、このようなズームレンズを用いることにより小型で性能良好な「デジタルカメラ等の撮像装置」を実現できる。
以下、実施の形態を説明する。
図1、図2は、ズームレンズの実施の形態を示している。図1に示すズームレンズは、後述する実施例1のものであり、図2に示すズームレンズは実施例2のものである。
図1、図2は、ズームレンズの実施の形態を示している。図1に示すズームレンズは、後述する実施例1のものであり、図2に示すズームレンズは実施例2のものである。
繁雑を避けるため、図1および図2において符号を共通化する。符号Iにより第1レンズ群、符号IIにより第2レンズ群、符号IIIにより第3レンズ群を示す。
符号Fは透明平行平板を示す。透明平行平板Fは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタやCCDセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を「これらに等価な透明平行平板」として示したものである。
符号Fは透明平行平板を示す。透明平行平板Fは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタやCCDセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を「これらに等価な透明平行平板」として示したものである。
図1、図2の最上段の図は「単焦点端(広角端)におけるレンズ配置」を示し、中段の図は「中間焦点距離におけるレンズ配置」、最下段は「長焦点端(望遠端)におけるレンズ配置を示す図である。また、矢印は、広角端から望遠端へ変倍する際の各レンズ群の変位の様子を示す。
図1、図2に示すズームレンズは、光軸に沿って物体側(図の左方)から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群I、正の屈折力を有する第2レンズ群II、正の屈折力を有する第3レンズ群IIIを配し、第1レンズ群Iと第2レンズ群IIとの間に開口絞りSを有してなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群Iと第2レンズ群IIの間隔が小さくなり、第2レンズ群IIと第3レンズ群IIIの間隔が大きくなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群Iと第2レンズ群IIの間隔が小さくなり、第2レンズ群IIと第3レンズ群IIIの間隔が大きくなる。
第1レンズ群Iは、物体側から順に、第1負レンズ、第2負レンズ、正レンズを配してなる。
第1レンズ群Iの第1負レンズと第2負レンズは、接合されて接合レンズをなす。
また、後述するように、これらのズームレンズの実施例は共に、条件(1)〜(8)を満足する。
図1、図2に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して全群が移動する。
第1レンズ群Iは「像側に凸を向けた曲線」を描いて移動し、第2レンズ群IIは「物体側に単調に移動」し、第3レンズ群IIIは「物体側に凸を向けた曲線」を描いて移動する。
第1レンズ群Iは「像側に凸を向けた曲線」を描いて移動し、第2レンズ群IIは「物体側に単調に移動」し、第3レンズ群IIIは「物体側に凸を向けた曲線」を描いて移動する。
第1レンズ群Iは物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向け像側に非球面を有した負メニスカスレンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる。
第1レンズ群Iと第2レンズ群IIの間に配される開口絞りSは「第2レンズ群IIと一体」となっており、第2レンズ群IIは物体側から順に、物体側により強い凸面を向け、物体側に非球面を有する両凸レンズ、「像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側により強い凹面を向けた両凹レンズの接合レンズ」と、「物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側により強い凸面を向けた両凸レンズの接合レンズ」とからなる。
第3レンズ群IIIは、物体側から順に「物体側に凸面を向け、物体側に非球面を有する負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ」を接合した接合レンズである。広角端において、歪曲収差を電子的に補正し、理想像高が14.3mmとなるようする。
図9、図10を参照して、撮像装置としての「携帯情報端末装置」の実施の形態を説明する。
携帯情報端末装置のシステム構成は、図10に示すように、「ズームレンズ」である撮影レンズ1と「撮像素子」である受光素子13を有し、撮影レンズ1によって形成される撮影対象物の像を受光素子13によって読取るように構成され、受光素子13からの出力を、中央演算装置11の制御を受ける信号処理装置14によって処理してデジタル情報に変換する。
携帯情報端末装置のシステム構成は、図10に示すように、「ズームレンズ」である撮影レンズ1と「撮像素子」である受光素子13を有し、撮影レンズ1によって形成される撮影対象物の像を受光素子13によって読取るように構成され、受光素子13からの出力を、中央演算装置11の制御を受ける信号処理装置14によって処理してデジタル情報に変換する。
デジタル情報に変換された画像は、液晶モニタ7に表示され、半導体メモリ15に記憶され、あるいは通信カード16により外部への通信に供される。この通信機能を除いた部分は「カメラ装置」を構成する。
撮影レンズ1としては、請求項1〜6の任意の1に記載のズームレンズ、具体的には後述する実施例1または2のズームレンズを用いる。
液晶モニタ7には「撮影中の画像」を表示することもできるし、半導体メモリ15に記録されている画像を表示することもできる。
撮影レンズ1はカメラの携帯時には、図9(A)に示すように「沈胴状態」にあり、電源スイッチ6の操作により電源が入ると筐体5から鏡胴が繰り出される。鏡胴が繰り出された状態において、鏡胴内部でズームレンズの各群は「例えば広角端の配置」となっており、図示されないズームレバーを操作することで各群の配置が変化し、望遠端への変倍を行うことができる。
このとき、ファインダ2も撮影レンズ1の画角の変化に連動して変倍する。
このとき、ファインダ2も撮影レンズ1の画角の変化に連動して変倍する。
シャッタボタン4の「半押し」によりフォーカシングがなされる。
フォーカシングは第4レンズ群の移動により行なわれるが、「受光素子の移動」によって行うこともできる。シャッタボタン4をさらに押し込むと撮影がなされ、その後は上記の処理がなされる。
半導体メモリ15に記録した画像を液晶モニタ7に表示したり、通信カード16等を使用して外部へ送信したりする際は、操作ボタン8を操作して行う。半導体メモリ15および通信カード16等は、それぞれ専用または汎用のスロット9に挿入して使用される。
撮影レンズが「沈胴状態」にあるとき、ズームレンズの各レンズ群は、必ずしも光軸上に並んでいなくても良い。例えば、第3レンズ群および/または第4レンズ群が、光軸上から退避して「他のレンズ群と並列に収納される」如き機構とすれば、携帯情報端末装置のさらなる薄型化を実現できる。
この場合、第3レンズ群の方が、第4レンズ群よりも光軸方向の大きさが大きいので、第3レンズ群を光軸から退避させるほうが、沈胴状態の薄型化により大きく資することができる。
この場合、第3レンズ群の方が、第4レンズ群よりも光軸方向の大きさが大きいので、第3レンズ群を光軸から退避させるほうが、沈胴状態の薄型化により大きく資することができる。
以下、ズームレンズの具体的な実施例を2例挙げる。
実施例における記号の意味は以下の通りである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径(非球面にあっては近軸曲率半径)
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面定数
A6:6次の非球面定数
A8:8次の非球面定数
A10:10次の非球面定数
A12:12次の非球面定数
A14:14次の非球面定数
「非球面形状」は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率):C、光軸からの高さ:H、円錐定数:K、上記各次数の非球面係数を用い、Xを光軸方向における非球面量として、周知の式:
X=CH2/[1+√{1−(1+K)C2H2}]+A4・H4+A6・H6
+A8・H8+A10・H10+A12・H12+A14・H14
で表され、近軸曲率半径R(=1/C)と円錐定数:K、非球面係数:A4〜A14を与えて形状を特定する。
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径(非球面にあっては近軸曲率半径)
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面定数
A6:6次の非球面定数
A8:8次の非球面定数
A10:10次の非球面定数
A12:12次の非球面定数
A14:14次の非球面定数
「非球面形状」は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率):C、光軸からの高さ:H、円錐定数:K、上記各次数の非球面係数を用い、Xを光軸方向における非球面量として、周知の式:
X=CH2/[1+√{1−(1+K)C2H2}]+A4・H4+A6・H6
+A8・H8+A10・H10+A12・H12+A14・H14
で表され、近軸曲率半径R(=1/C)と円錐定数:K、非球面係数:A4〜A14を与えて形状を特定する。
「実施例1」
実施例1は図1に示すレンズ構成のものである。
実施例1は図1に示すレンズ構成のものである。
f=16.22〜65.0 F=3.62〜5.87 ω=41.4〜12.4
実施例1のデータを表1に示す。
実施例1のデータを表1に示す。
「非球面」
第3面
K=-0.926965
A4=1.081050E-05
A6=2.399490E-08
A8=-3.84688E-11
A10=8.444210E-14
第7面
K=-0.481084
A4=9.857530E-07
A6=2.008100E-08
A8=-2.93494E-11
第15面
K=0
A4=-8.00836E-07
A6=2.643860E-08
A8=-1.44981E-10
A10=2.960680E-13
上の表記において、例えば「E-13」は「10-13」を意味する。
第3面
K=-0.926965
A4=1.081050E-05
A6=2.399490E-08
A8=-3.84688E-11
A10=8.444210E-14
第7面
K=-0.481084
A4=9.857530E-07
A6=2.008100E-08
A8=-2.93494E-11
第15面
K=0
A4=-8.00836E-07
A6=2.643860E-08
A8=-1.44981E-10
A10=2.960680E-13
上の表記において、例えば「E-13」は「10-13」を意味する。
「可変間隔」
可変間隔のデータを表2に示す。
可変間隔のデータを表2に示す。
図3、図4、図5に順次、実施例1の広角端、中間焦点距離、望遠端における収差図を示す。球面収差の図中の破線は正弦条件、非点収差の図中の実線はサジタル、破線はメリディオナルをそれぞれ表す。また、「g」、「d」はそれぞれ、g線およびd線を表す。他の収差図についても同様である。
「実施例2」
実施例2は図2に示すレンズ構成のものである。
実施例2は図2に示すレンズ構成のものである。
f=16.22〜65.0 F=3.62〜5.87 ω=41.4〜12.4
実施例2のデータを表3に示す。
実施例2のデータを表3に示す。
「非球面」
第3面
K=-0.937513
A4=1.104390E-05
A6=2.440720E-08
A8=-4.01925E-11
A10=8.754490E-14
第7面
K=-0.481892
A4=1.003250E-06
A6=2.005740E-08
A8=-2.5126E-11
第15面
K=0
A4=-8.18686E-07
A8=-1.45354E-10
A10=2.973820E-13 。
第3面
K=-0.937513
A4=1.104390E-05
A6=2.440720E-08
A8=-4.01925E-11
A10=8.754490E-14
第7面
K=-0.481892
A4=1.003250E-06
A6=2.005740E-08
A8=-2.5126E-11
第15面
K=0
A4=-8.18686E-07
A8=-1.45354E-10
A10=2.973820E-13 。
「可変間隔」
可変間隔のデータを表4に示す。
可変間隔のデータを表4に示す。
図6、図7、図8に順次、実施例2の広角端、中間焦点距離、望遠端における収差図を示す。
「条件式のパラメータの値」
各条件のパラメータの値を表5に示す。
各条件のパラメータの値を表5に示す。
表5に示すように、実施例1、2とも、条件(1)〜(8)を満足し、各収差図に示されたように実施例1、2とも性能良好である。
実施例1、2とも「歪曲収差」についてみると「中間焦点距離付近や長焦点端」では有効に抑えられているが、広角端においては、5%を超える「負の歪曲収差」が発生している。11(a)において、符号Im1で示すのは、長焦点端および中間焦点距離近傍における「像面形状」であり、撮像素子の受光面と略同一の矩形形状をなしている。一方、破線で示す像面形状Im2は、広角端における像面形状であり、負の歪曲収差により「樽型形状」となっている。なお、図11(a)の負の歪曲収差は「やや誇張」して描かれており、図3、図6に示す程度であれば特に補正する必要は無いが、これを電子的に補正することもできる。
電子的な補正の方法は種々考えられるが、例えば、図11(b)に示すように、像面形状の中心から縦方向の基準線に対して角:θをなす直線上にある「画素」を考えてみる。
図の如く、この受光素子の上記中心からの距離を「X」、上記中心からの距離を「X」における歪曲収差をDis(X)[%]とすると、上記距離「X」の位置にある画素を、上記「直線上」において100×X/(100+Dis(X))の位置に変換する補正を行えばよい。このようにして、短焦点端における歪曲収差を良好に補正した画像を撮像することができる。この補正により広角端における理想像高が所望のイメージサークルの大きさである14.3mmとなるようにするのである。つまり、短焦点端のイメージサークルの大きさを所望のイメージサークルの大きさの(100+Dis(X))/100倍とすることができる。
歪曲収差は上記の如く電子的な補正が可能であるので、電子的な補正が可能な範囲で、歪曲収差の発生を許容すれば、また、他の収差の補正の自由度や変倍比に対する条件が緩和され、大きい変倍比の実現が可能になる。また、上記のように、短焦点端におけるイメージサークルを小さくできるため、広角化に大きな効果がある。
I 第1レンズ群
II 第2レンズ群
III 第3レンズ群
S 開口絞り
II 第2レンズ群
III 第3レンズ群
S 開口絞り
Claims (7)
- 光軸に沿って物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群を配し、第1レンズ群と第2レンズ群との間に開口絞りを有してなり、
広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が小さくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が大きくなり、
第1レンズ群は、物体側から順に、第1負レンズ、第2負レンズ、正レンズを配してなり、
第1レンズ群の、上記第1負レンズのd線におけるアッベ数:νd1n、上記第2負レンズのd線におけるアッベ数:νd2n、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端における半画角:ωwが、条件:
(1) 20 <|νd1n-νd2n|< 40
(2) 3.9 <ft/fw< 7.0
(3) 38度 < ωw
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
レンズ材料のg線に対する屈折率:Ng、F線に対する屈折率:NF、C線に対する屈折率:NCにより、
θgf=(Ng-NF)/(NF-NC)
で定義される部分分散比:θgfの、基準線:(-0.00162vd+0.6415)からのずれを、第1レンズ群の第1負レンズの材料についてΔθgf1n、第2負レンズの材料についてΔθgf2nとするとき、これらΔθgf1n、Δθgf2nが、条件:
(4) 0.012 <|Δθgf1n−Δθgf2n|
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1または2記載のズームレンズにおいて、
第1レンズ群の第1負レンズと第2負レンズが、接合されて接合レンズをなすことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜3の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第1レンズ群の2枚の負レンズのレンズ面のうち、少なくとも1面が非球面であることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜4の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第1レンズ群の正レンズの材質の、d線における屈折率:Nd1p、d線におけるアッベ数:νd1pが、条件:
(5) Nd1p > 1.85
(6) νd1p < 25
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜5の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
望遠端での最大像高:Y’、望遠端でのバックフォーカス:BF、最大全長/望遠端焦点距離:Trが、条件:
(7) BF/Y’ < 1
(8) 1.5 < Tr < 2.5
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜6の任意の1に記載のズームレンズを用い、このズームレンズによる撮影画像を撮像素子で読取る機能を持つ撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010273009A JP2012123124A (ja) | 2010-12-07 | 2010-12-07 | ズームレンズおよび撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010273009A JP2012123124A (ja) | 2010-12-07 | 2010-12-07 | ズームレンズおよび撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012123124A true JP2012123124A (ja) | 2012-06-28 |
Family
ID=46504647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010273009A Pending JP2012123124A (ja) | 2010-12-07 | 2010-12-07 | ズームレンズおよび撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012123124A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013044964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Tamron Co Ltd | ズームレンズ |
CN106443970A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 广东弘景光电科技股份有限公司 | 低畸变光学系统及其应用的镜头 |
-
2010
- 2010-12-07 JP JP2010273009A patent/JP2012123124A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013044964A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Tamron Co Ltd | ズームレンズ |
US9229204B2 (en) | 2011-08-24 | 2016-01-05 | Tamron Co., Ltd. | Zoom lens |
CN106443970A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 广东弘景光电科技股份有限公司 | 低畸变光学系统及其应用的镜头 |
CN106443970B (zh) * | 2016-10-13 | 2019-03-26 | 广东弘景光电科技股份有限公司 | 低畸变光学系统及其应用的镜头 |
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