JP2012122392A - エバポリークチェックシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ30により駆動されるポンプ20は、ポンプ通路40により燃料タンク3に接続している。ECU70手段は、ポンプ20の駆動中、燃料タンク3の内部が減圧されているとき、圧力センサ50により検出したポンプ通路40の圧力と予め設定されている「所定の流路面積をもつオリフィスに空気を流したときの圧力である基準圧力Pref」とを比較し、さらに、流量センサ60により検出したポンプ通路40を流れる空気の流量と予め設定されている「前記オリフィスに前記基準圧力Prefで空気を流したときの流量である基準流量Qref」とを比較することにより、燃料タンク3からのエバポのリークが許容範囲内であるか否かを判定する。
【選択図】図1
Description
ポンプ性能の変化がポンプ要因によるものかリークによるものかを切り分けるには、オリフィスに空気を流したときの参照基準を設定しておく等の方法が考えられる。しかしながら、この方法では、初期の寸法ばらつきや、耐久によるポンプ性能の変化を車種および使用環境毎に考慮して参照基準の正常範囲を設定しておく必要がある。よって、耐久劣化を許容して所定の参照圧力の範囲内におさまるように初期の参照圧力範囲を厳密に管理する等の必要があり、初期調整が困難になるという問題が生じる。
本発明の第1実施形態によるエバポリークチェックシステムを適用したエバポシステムを図1に示す。
燃料タンク3には、ガソリン等の燃料が貯留される。そのため、燃料タンク3内ではエバポ(蒸発燃料)が発生する。燃料タンク3とキャニスタ4とは、タンク通路6により接続されている。
キャニスタ4と吸気装置5の吸気管12とは、パージ通路7により接続されている。吸気管12は、エンジンの吸気系に連通している。吸気管12には内部を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁13が設置されている。パージ通路7には、パージ弁14が設けられている。
吸気管12に吸気が流れているときパージ弁14および弁16を開くとパージ通路7に負圧が生じ、吸着剤11に吸着されていたエバポは、吸気管12へパージされる。
ポンプ20は、ベーン式のポンプであり、図2に示すように、ポンプケーシング21、プレート22、ロータ23およびベーン24を有している。なお、図2では、図が煩雑になることを避けるため、断面を示すハッチングを省略している。ポンプケーシング21は、有底の円筒状に形成されている。プレート22は、ポンプケーシング21の開口を塞ぐようにして設けられ、ポンプケーシング21との間に略円柱状のポンプ室25を形成している。
式1において、cは前記オリフィスの流量係数、Aは前記オリフィスの流路面積、ρは空気の密度(0℃、1atm)であり、いずれも所定の値である。また、本実施形態では、Prefは負の値である。なお、基準圧力Prefおよび基準流量QrefはECU70のROMに記憶されている所定値であり、前記オリフィスがエバポリークチェックシステム1に実際に設けられているわけではない。
式2より、ポンプ20の吸入量(吐出量)Qpは、モータ30の回転数R、または、ロータ23の偏心量eを大きくすると増大し、回転数Rまたは偏心量eを小さくすると減少することがわかる。また、ポンプ20の吸入量(吐出量)Qpは、クリアランスCLの大きさを小さくすることによりポンプ漏れ流量Qlを小さくすると増大し、クリアランスCLの大きさを大きくすることによりポンプ漏れ流量Qlを大きくすると減少することがわかる。
図3は、ECU70によるエバポリークのチェックに関する処理フローを示したものである。ここで、ECU70は、特許請求の範囲における「リークチェック手段」として機能する。図3に示す一連の処理は、エンジンの運転が停止されて所定期間が経過すると開始される。この所定期間は、車両の温度が安定するために必要な期間に設定されている。
S102では、ECU70は、ポンプ20を駆動(ON)する。これにより、燃料タンク3内の空気は、タンク通路6、キャニスタ4およびポンプ通路40を経由してポンプ20に吸入され、大気通路9を経由して大気通路9の開放端17から大気側へ排出される。その結果、燃料タンク3の内部、タンク通路6、キャニスタ4およびポンプ通路40が減圧され始める。ポンプ20の駆動が開始してから時間T1が経過すると、処理はS103へ移行する。ここで、T1は、所定の時間であり、減圧された燃料タンク3の内部、タンク通路6、キャニスタ4およびポンプ通路40の圧力が安定する時間を想定して設定されている。
S104では、ECU70は、S103で検出した検出圧力Pと予め設定されている基準圧力Prefとを比較する。検出圧力Pが基準圧力Pref以下の場合(S104:YES)、処理はS105へ移行する。一方、検出圧力Pが基準圧力Prefより大きい場合(S104:NO)、処理はS131へ移行する。
S106では、ECU70は、S105で検出した検出流量Qと予め設定されている基準流量Qrefとを比較する。検出流量Qが基準流量Qref以下の場合(S106:YES(パターン2))、処理はS107へ移行する。一方、検出流量Qが基準流量Qrefより大きい場合(S106:NO(パターン1))、処理はS111へ移行する。
S107では、ECU70は、「燃料タンク3からのエバポのリークは許容範囲内である」、すなわち、「燃料タンク3からエバポは漏れていない(漏れ無し)」と判定する。
S112では、ECU70は、流量センサ60によりポンプ通路40を流れる空気の流量を検出する。ECU70は、検出した流量を検出流量Qとして記憶する。
S132では、ECU70は、S131で検出した検出流量Qと予め設定されている基準流量Qrefとを比較する。検出流量Qが基準流量Qrefより小さい場合(S132:YES(パターン4))、処理はS133へ移行する。一方、検出流量Qが基準流量Qref以上の場合(S132:NO)、処理はS141へ移行する。
S135では、ECU70は、S134で検出した検出流量Qと基準流量Qrefとが一致するか否かを判定する。検出流量Qと基準流量Qrefとが一致すると判定した場合(S135:YES)、処理はS103へ戻る。一方、検出流量Qと基準流量Qrefとは一致しないと判定した場合(S135:NO)、処理はS121へ移行する。
図4に示すように、「検出圧力Pが基準圧力Pref以下であり、かつ、検出流量Qが基準流量Qrefより大きい」と判定された場合(パターン1)、燃料タンク3は基準圧力Pref以下に減圧されていることを示すため、「エバポの漏れは無い(漏れ無し)」と仮判定する。ただし、この場合(パターン1)、「ポンプ20の性能が過大のため、漏れ有りを漏れ無しと誤判定している」可能性があるため、ポンプ通路40を流れる空気の流量が基準流量Qrefに一致するようポンプ20を制御した上で、再び圧力を検出することとしている。なお、このとき、ポンプ通路40を流れる空気の流量が基準流量Qrefに一致するようポンプ20を制御できなかった場合は、ポンプ20が故障していると判定する。
本発明の第2実施形態によるエバポリークチェックシステムを図5に示す。
図7に示す表についても、検出圧力Pと基準圧力Prefとの関係を示す不等号の向きが異なること以外、第1実施形態の表(図4参照)と同じである。
上述の実施形態では、ECU70とモータ30により「ポンプ制御手段」を構成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ポンプ20のロータ23の偏心量を調整可能な偏心量調整装置、または、ロータ23とポンプハウジング21とのクリアランスCLの大きさを調整可能なクリアランス調整装置と、ECU70とにより「ポンプ制御手段」を構成することとしてもよい。偏心量調整装置によってロータ23の偏心量を調整することによりポンプ20の吸入量(吐出量)を変更することができる。また、クリアランス調整装置によってロータ23とポンプハウジング21とのクリアランスCLの大きさを調整することによってもポンプ20の吸入量(吐出量)を変更することができる。
3 ・・・燃料タンク
20 ・・・ポンプ
30 ・・・モータ
40 ・・・ポンプ通路(通路部)
50 ・・・圧力センサ(圧力検出手段)
60 ・・・流量センサ(流量検出手段)
70 ・・・ECU(リークチェック手段)
Claims (3)
- 燃料タンクの内部と外部との間に圧力差を形成することにより、前記燃料タンクからのエバポリークをチェックするエバポリークチェックシステムであって、
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記ポンプと前記燃料タンクとを接続する通路部と、
前記通路部に設けられ、前記通路部の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記通路部に設けられ、前記通路部を流れる空気の流量を検出する流量検出手段と、
前記ポンプの駆動中、前記燃料タンクの内部が減圧または加圧されているとき、前記圧力検出手段により検出した圧力と予め設定されている「所定の流路面積をもつオリフィスに空気を流したときの圧力である基準圧力」とを比較し、さらに、前記流量検出手段により検出した流量と予め設定されている「前記オリフィスに前記基準圧力で空気を流したときの流量である基準流量」とを比較することにより、前記燃料タンクからのエバポのリークが許容範囲内であるか否かを判定するリークチェック手段と、
を備えるエバポリークチェックシステム。 - 前記通路部を流れる空気の流量を変更するよう前記ポンプを制御可能なポンプ制御手段をさらに備え、
前記リークチェック手段は、前記流量検出手段により検出した流量が前記基準流量と一致しない場合、前記流量検出手段により検出した流量が前記基準流量と一致するよう前記ポンプ制御手段により前記通路部を流れる空気の流量を変更した上で、前記燃料タンクからのエバポのリークが許容範囲内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のエバポリークチェックシステム。 - 前記ポンプ制御手段により前記ポンプを制御しても前記通路部を流れる空気の流量が変更されない場合、前記ポンプが故障していると判定することで前記ポンプの故障を検出するポンプ故障検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のエバポリークチェックシステム。
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JP2016211474A (ja) * | 2015-05-12 | 2016-12-15 | 株式会社デンソー | 燃料蒸気漏れ検出装置 |
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