JP6040723B2 - エバポリークチェックシステム - Google Patents
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モータは、回転することによりポンプを駆動する。タンク通路は、一端が燃料タンクに接続する。ポンプ通路は、一端がポンプに接続し、他端がタンク通路の他端に接続可能に設けられる。大気通路は、一端が大気に開放され、他端がタンク通路の他端に接続可能に設けられる。切替弁は、タンク通路の他端とポンプ通路の他端と大気通路の他端との間に設けられ、タンク通路と大気通路またはポンプ通路との接続を切り替える。オリフィス通路は、タンク通路とポンプ通路とを接続するよう設けられる。オリフィス形成部は、オリフィス通路に設けられ、基準オリフィスを形成する。圧力検出手段は、ポンプ通路内の圧力を検出可能である。制御部は、モータの回転および切替弁の作動を制御可能である。
また、制御部は、一定の回転数である所定の第1回転数でモータが回転する第1モータ特性と、第1回転数より大きな一定の回転数である所定の第2回転数でモータが回転する第2モータ特性と、を切り替えてモータを回転させることが可能である。つまり、制御部は、負荷トルクにかかわらず、一定の回転数(第1回転数または第2回転数)でモータを回転させることができる。
また、制御部は、第1モータ特性から第2モータ特性に切り替える場合、第2モータ特性に切り替えるまでモータの回転数を第1回転数に保持し、第2モータ特性から第1モータ特性に切り替える場合、第1モータ特性に切り替えるまでモータの回転数を第2回転数に保持する。
第1モータ特性の式は、横軸に負荷トルク、縦軸に回転数をとったとき、「負荷トルクが大きくなるほど回転数が小さくなる第3モータ特性」の式と「ポンプ通路のポンプとは反対側を閉塞した状態でモータを回転させたときの負荷トルクである締切トルク」との交点を通るよう設定されている。第2モータ特性の式は、横軸に負荷トルク、縦軸に回転数をとったとき、第3モータ特性の式と「タンク通路と大気通路とが接続し基準オリフィスを空気が流通可能な状態でモータを回転させたときの負荷トルクである基準トルク」との交点を通るよう設定されている。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によるエバポリークチェックシステムを適用した蒸発燃料処理装置を図1に示す。
燃料タンク2の内部には、貯留されたガソリンが蒸発することにより、ガソリンの蒸気すなわち蒸発燃料(エバポ)が発生する。
ここで、ポンプ30、モータ40、タンク通路51、ポンプ通路52、大気通路53、切替弁60、オリフィス通路55、オリフィス形成部70、圧力センサ81およびECU80は、エバポリークチェックシステム3を構成している。なお、圧力センサ81は、特許請求の範囲における「圧力検出手段」に対応している。また、ECU80は、特許請求の範囲における「制御部」に対応している。
パージ通路21は、一端が燃料タンク2に接続するよう設けられている。一方、パージ通路22は、一端が吸気通路12に接続するよう設けられている。キャニスタ23は、パージ通路21の他端およびパージ通路22の他端と接続するよう設けられている。これにより、パージ通路21およびパージ通路22は、キャニスタ23を経由して、燃料タンク2と吸気通路12とを接続している。
ポンプ通路52は、一端がポンプ30の連通口31に接続し、他端がタンク通路51の他端に接続可能に設けられている。
大気通路53とポンプ30との間には、接続通路54が設けられている。接続通路54は、一端が大気通路53に接続し、他端がポンプ30の連通口32に接続している。
圧力センサ81は、本実施形態では、ポンプ通路52に設けられ、ポンプ通路52内の圧力を検出可能である。
ECU80は、タンク通路51と大気通路53とを接続するよう切替弁60を制御し、モータ40を回転させ、基準オリフィス71を空気が流通した状態で圧力センサ81により検出した圧力を基準圧力Prとして検出する。ここで、ECU80は、特許請求の範囲における「基準圧力検出手段」として機能する。
なお、図2(A)に示す「モータ特性3」は、負荷トルクが大きくなるほど回転数が小さくなるモータ特性であり、上述の従来のエバポリークチェックシステムのモータのモータ特性と同様である。
図2(B)に示すように、「ポンプ特性1」の式は、「ポンプ特性3」の式と締切圧との交点を通る。ここで、締切圧とは、ポンプ通路52のポンプ30とは反対側(ポンプ通路52と切替弁60との接続部、および、ポンプ通路52とオリフィス通路55との接続部)を閉塞した状態でモータ40を回転させたときのポンプ通路52内の圧力である。
また、「ポンプ特性1」の式および「ポンプ特性2」の式は、「ポンプ特性3」の式と比べ、傾きが小さい。
図3、4は、ECU80によるエバポリークのチェックに関する処理フローを示したものである。また、図5は、ポンプ30および切替弁60を駆動または作動(ON)させたときの時間の経過に伴う圧力センサ81の出力の変化を示したものである。
図3、4に示す一連の処理S100は、エンジン10の運転が停止されて所定時間が経過すると開始される。この所定時間は、車両の温度が安定するために必要な時間に設定されている。
S105では、ECU80は、基準圧力検出手段として機能し、基準圧力を検出する。ECU80は、このとき(図5に示す時刻t1と時刻t2との間の期間B)圧力センサ81で検出した圧力を基準圧力Prとして検出し、RAMに記憶する。
S108では、ECU80は、圧力センサ81により、ポンプ通路52(燃料タンク2)内の圧力を圧力Ptとして検出する。
S111では、ECU80は、S110から所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は経過したと判断した場合(S111:YES)、処理はS112に移行する。一方、所定時間は経過していないと判断した場合(S111:NO)、処理はS111に戻る。すなわち、ECU80は、S110から所定時間が経過するまでS111を繰り返す。
S113では、S105で検出した基準圧力PrとS112で検出した圧力Ptとを比較し、「Pr−Pt>閾値」か否かを判断する。ここで、閾値は、基準圧力Prの誤差に対応するよう設定されている。「Pr−Pt>閾値」であると判断した場合(S113:YES)、処理はS114へ移行する。一方、「Pr−Pt≦閾値」であると判断した場合(S113:NO)、処理はS121へ移行する。
S121では、ECU80は、燃料タンク2からエバポリークが発生していると判定する。ただし、ここで判定されるのは、基準オリフィス71の開口程度の穴が燃料タンク2に空いている場合のエバポリークである。その後、処理はS115へ移行する。
S131では、ECU80は、「モータ特性2」でのモータ40の回転を継続させる。
また、ECU80は、時刻t1から所定時間経過後(S103)、「モータ特性1」に切り替えてモータ40を回転させる。これにより、第2回転数s2より小さい第1回転数s1でモータ40を回転させることで「ポンプ特性1」でポンプ30を駆動しながら基準圧力Prを検出することができる(S105)。そのため、基準圧力Pr検出時の圧力変化を安定させることができ、基準圧力Prの検出精度を高めることができる。
すなわち、ECU80は、PtとPrとの差圧が0になる前までは「第2モータ特性」でモータ40を回転させ、PtとPrとの差圧が0になった後は「第1モータ特性」でモータ40を回転させる。これにより、リークチェック(判定)に要する時間を短縮するとともに、リークチェック時の圧力変化を安定させることができ、燃料タンク2のエバポリークを高精度にチェックすることができる。
比較例1は、基準オリフィス71がφ0.5mmであることを除いて物理的な構成は本実施形態と同じであり、ECU80は図2(A)に示す「モータ特性3」でモータ40を回転させる。よって、比較例1は、上述の従来のエバポリークチェックシステムの構成に類似する構成である。
比較例2は、物理的な構成は本実施形態と同じであり、ECU80は図2(A)に示す「モータ特性3」でモータ40を回転させる。
比較例1の場合、エバポリークチェック時に用いる基準圧力は、図6(B)に示すRef圧1のとおりとなる。また、比較例2の場合、エバポリークチェック時に用いる基準圧力は、図6(B)に示すRef圧2のとおりとなる。
このように、本実施形態は、「モータ特性1」でモータ40を回転させることで「誤差を含めた基準圧力と締切圧力との余裕」を従来と同様十分に確保しつつ、基準オリフィス71を従来より小さくすることでエバポリークを高精度にチェックすることができる。
また、本実施形態では、ECU80は、基準圧力検出手段として機能し、「モータ特性1」でモータ40を回転させながら圧力センサ81により基準圧力Prを検出する前まで、「モータ特性2」でモータ40を回転させる。そのため、ポンプ30は「ポンプ特性2」で駆動し、ポンプ通路52内を素早く減圧することができ、基準圧力Prの検出に要する時間を短縮することができる。
上述の一実施形態では、ECU80が、連通口31から空気を吸入し連通口32から吐出するようポンプ30を駆動するようにモータ40を回転させ、基準圧力の検出、および、エバポリークのチェックを行う例を示した。すなわち、上述の一実施形態では、燃料タンク2の内部が減圧された状態でエバポリークのチェックが行われる。これに対し、本発明の他の実施形態では、ECU80は、連通口32から空気を吸入し連通口31から吐出するようポンプ30を駆動するようにモータ40を回転させ、基準圧力の検出、および、エバポリークのチェックを行うこととしてもよい。この場合、ポンプ30および切替弁60を駆動または作動(ON)させたときの時間の経過に伴う圧力センサ81の出力の変化は、図7に示すとおり、図5に示す図を大気圧P0の線に対し線対称にしたような図となる。すなわち、基準圧力Prの検出はポンプ通路52の内部が加圧された状態で行われ、エバポリークのチェックは燃料タンク2の内部が加圧された状態で行われる。この場合でも、ECU80が、上述の一実施形態のように「モータ特性1」(第1モータ特性)または「モータ特性2」(第2モータ特性)を切り替えながらモータ40を回転させることにより、一実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、エバポリークをチェックするとき、圧力検出手段により検出した圧力と基準圧力との差圧が0になる前までは第2モータ特性でモータを回転させ、圧力検出手段により検出した圧力と基準圧力との差圧が0になった後は第1モータ特性でモータを回転させる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、エバポリークをチェックするとき、第1モータ特性のみでモータを回転させることとしてもよい。
また、本実施形態の他の実施形態では、モータは、三相ブラシレスモータに限らず、三相以外のブラシレスモータ、または、ブラシ付きモータ等であってもよい。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
30 ・・・ポンプ
40 ・・・モータ
51 ・・・タンク通路
52 ・・・ポンプ通路
53 ・・・大気通路
55 ・・・オリフィス通路
60 ・・・切替弁
70 ・・・オリフィス形成部
71 ・・・基準オリフィス
80 ・・・ECU(電子制御ユニット、制御部、基準圧力検出手段、チェック手段)
81 ・・・圧力センサ(圧力検出手段)
Claims (4)
- 燃料タンク(2)の内部と外部との間に圧力差を形成することにより、前記燃料タンクからのエバポリークをチェックするエバポリークチェックシステム(3)であって、
ポンプ(30)と、
回転することにより前記ポンプを駆動するモータ(40)と、
一端が前記燃料タンクに接続するタンク通路(51)と、
一端が前記ポンプに接続し、他端が前記タンク通路の他端に接続可能に設けられるポンプ通路(52)と、
一端が大気に開放され、他端が前記タンク通路の他端に接続可能に設けられる大気通路(53)と、
前記タンク通路の他端と前記ポンプ通路の他端と前記大気通路の他端との間に設けられ、前記タンク通路と前記大気通路または前記ポンプ通路との接続を切り替える切替弁(60)と、
前記タンク通路と前記ポンプ通路とを接続するよう設けられるオリフィス通路(55)と、
前記オリフィス通路に設けられ、基準オリフィス(71)を形成するオリフィス形成部(70)と、
前記ポンプ通路内の圧力を検出可能な圧力検出手段(81)と、
前記モータの回転および前記切替弁の作動を制御可能な制御部(80)と、を備え、
前記制御部は、
前記タンク通路と前記大気通路とを接続するよう前記切替弁を制御し、前記モータを回転させ、前記基準オリフィスを空気が流通した状態で前記圧力検出手段により検出した圧力を基準圧力として検出する基準圧力検出手段(80)、および、
前記タンク通路と前記ポンプ通路とを接続するよう前記切替弁を制御し、前記モータを回転させ、前記燃料タンクの内部を減圧または加圧した状態で前記圧力検出手段により検出した圧力と前記基準圧力とに基づき前記燃料タンクからのエバポリークをチェックするチェック手段(80)を含み、
一定の回転数である所定の第1回転数で前記モータが回転する第1モータ特性と、前記第1回転数より大きな一定の回転数である所定の第2回転数で前記モータが回転する第2モータ特性と、を切り替えて前記モータを回転させることが可能であり、
前記第1モータ特性から前記第2モータ特性に切り替える場合、前記第2モータ特性に切り替えるまで前記モータの回転数を前記第1回転数に保持し、
前記第2モータ特性から前記第1モータ特性に切り替える場合、前記第1モータ特性に切り替えるまで前記モータの回転数を前記第2回転数に保持し、
前記第1モータ特性の式は、横軸に負荷トルク、縦軸に回転数をとったとき、「負荷トルクが大きくなるほど回転数が小さくなる第3モータ特性」の式と「前記ポンプ通路の前記ポンプとは反対側を閉塞した状態で前記モータを回転させたときの負荷トルクである締切トルク」との交点を通るよう設定されており、
前記第2モータ特性の式は、横軸に負荷トルク、縦軸に回転数をとったとき、前記第3モータ特性の式と「前記タンク通路と前記大気通路とが接続し前記基準オリフィスを空気が流通可能な状態で前記モータを回転させたときの負荷トルクである基準トルク」との交点を通るよう設定されていることを特徴とするエバポリークチェックシステム。 - 前記基準圧力検出手段は、前記第1モータ特性で前記モータを回転させながら前記圧力検出手段により前記基準圧力を検出することを特徴とする請求項1に記載のエバポリークチェックシステム。
- 前記基準圧力検出手段は、前記第1モータ特性で前記モータを回転させながら前記圧力検出手段により前記基準圧力を検出する前まで、前記第2モータ特性で前記モータを回転させることを特徴とする請求項2に記載のエバポリークチェックシステム。
- 前記チェック手段は、前記圧力検出手段により検出した圧力と前記基準圧力との差圧が0になる前までは前記第2モータ特性で前記モータを回転させ、前記圧力検出手段により検出した圧力と前記基準圧力との差圧が0になった後は前記第1モータ特性で前記モータを回転させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエバポリークチェックシステム。
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