JP2012119652A - 有機光電変換素子の製造方法、有機光電変換素子、撮像素子、撮像装置 - Google Patents

有機光電変換素子の製造方法、有機光電変換素子、撮像素子、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】素子性能の劣化とコストの増大を防ぐことが可能な有機光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】電極2と電極2上方に形成された電極5と、電極2及び電極5間に形成された有機材料を含む光電変換層4と、電極2、電極5、及び光電変換層4を封止する封止層6とを含む有機光電変換素子10の製造方法であって、光電変換層4は、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層で構成されており、基板1上方に電極2を形成する第一の工程と、電極2の上方に光電変換層4を形成する第二の工程と、光電変換層4の上方に電極5を形成する第三の工程と、電極5の上方に封止層6を形成する第四の工程とを備え、第二の工程〜第四の工程の各工程を真空下で行い、第二の工程と第四の工程との間の各工程間に、作製途中の有機光電変換素子を非真空下に置く第五の工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子の製造方法、有機光電変換素子、撮像素子、撮像装置に関する。
一対の電極と、この一対の電極の間に設けられる有機材料を用いた光電変換層とを有する有機光電変換素子が知られている。特許文献1には、光電変換効率の向上を目的に、光電変換層として、p型有機半導体とフラーレン又はフラーレン誘導体との混合層(2つの材料を共蒸着した層)を用いた有機光電変換素子が開示されている。
一般に、有機材料は水分や酸素による影響を受けて特性が変化してしまうことが知られている。このため、有機光電変換素子を製造する際には、全ての工程を真空一貫で行うことが望ましいというのが常識として考えられてきた。
一方、真空一貫工程を実現しようとすると、製造設備が大がかりとなるため、コストが増大するという懸念がある。そこで、製造コストを抑えながら、性能劣化のない有機光電変換素子を得る方法が望まれている。
有機光電変換素子において、全ての製造工程を真空一貫で行わないものとしては、特許文献2に記載されたものがある。特許文献2には、電極、フラーレン、p型有機半導体、電極の順に積層された有機太陽電池において、電極の上に、フラーレン、p型有機半導体を順に真空蒸着で形成後、素子を一旦空気に曝し、その後に電極を真空蒸着で形成する方法が記載されている。しかし、この方法では、素子特性の劣化を防ぐことはできない。
なお、有機光電変換素子ではないが、同じ有機材料を用いた素子である有機EL素子において、真空一貫工程で製造を行うものとしては特許文献3に記載されたものがあり、性能を安定させるために全ての工程を真空一貫としない製造方法としては、特許文献4,5に記載されたものがある。
特開2007−123707号公報 特開平09−74216号公報 特開平10−335061号公報 特開2009−231278号公報 特開平09−330790号公報
本発明は、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む光電変換層を有する有機光電変換素子であって、素子性能の劣化とコストの増大を防ぐことが可能な有機光電変換素子の製造方法と、この製造方法によって製造した有機光電変換素子と、この有機光電変換素子を備える撮像素子と、この撮像素子を備える撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の有機光電変換素子の製造方法は、第一の電極と、前記第一の電極上方に形成された第二の電極と、前記第一の電極及び前記第二の電極間に形成された有機材料を含む光電変換層と、前記第一の電極、前記第二の電極、及び前記光電変換層を封止する封止層とを含む有機光電変換素子の製造方法であって、前記光電変換層は、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む非発光性層であり、基板上方に前記第一の電極を形成する第一の工程と、前記第一の電極の上方に前記光電変換層を形成する第二の工程と、前記光電変換層の上方に前記第二の電極を形成する第三の工程と、前記第二の電極の上方に前記封止層を形成する第四の工程とを備え、前記第二の工程〜前記第四の工程の各工程を真空下で行い、前記第二の工程の終了後から前記第四の工程の開始までの間に、作製途中の前記有機光電変換素子を非真空下に置く第五の工程を備えるものである。
この製造方法によれば、第二の工程の終了後から第四の工程の開始までの間に第五の工程を設けているため、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む非発光性の光電変換層を備えた有機光電変換素子の性能劣化とコストの増大を防ぐことができる。特許文献4,5は発光素子に関する発明であり、非発光性の光電変換層を有する有機光電変換素子の製造方法とは全く異なる。また、特許文献2は、光電変換層を混合層として形成することについて記載されていない。また、後述の比較例に記載のように、光電変換層を混合層ではなく積層構造にした構成では、第五の工程を設けても素子性能の劣化を防ぐことはできない。これらのことから、特許文献1〜5に記載された発明では本願発明の課題を解決することはできないが、本製造方法によれば、この課題を解決することができる。
本発明の有機光電変換素子は、前記製造方法によって製造されたものである。
本発明の撮像素子は、複数の前記有機光電変換素子と、前記各有機光電変換素子の前記光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し回路が形成された回路基板とを備えるものである。
本発明の撮像装置は、前記撮像素子を備えるものである。
本発明によれば、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む光電変換層を有する有機光電変換素子であって、素子性能の劣化とコストの増大を防ぐことが可能な有機光電変換素子の製造方法と、この製造方法によって製造した有機光電変換素子と、この有機光電変換素子を備える撮像素子と、この撮像素子を備える撮像装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を説明するための有機光電変換素子の概略構成を示す断面模式図 本発明の一実施形態を説明するための撮像素子の概略構成を示す断面模式図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための有機光電変換素子の概略構成を示す断面模式図である。図1に示す有機光電変換素子10は、基板1と、基板1上に形成された電極2と、電極2上に形成された電子ブロッキング層3と、電子ブロッキング層3上に形成された光電変換層4と、光電変換層4上に形成された電極5と、電極5上に形成された封止層6とを備える。電子ブロッキング層3と光電変換層4によって受光層が形成されている。受光層は、光電変換層4を少なくとも含む層であればよく、また、電子ブロッキング層3以外の層(例えば正孔ブロッキング層)を含む層であってもよい。
基板1は、シリコン基板、ガラス基板等である。
電極2は、光電変換層4で発生した電荷のうちの正孔を捕集するための電極である。電極2は、ITO(酸化インジウムスズ)等の導電性材料で構成されている。
光電変換層4は、光を受光し、その光量に応じた電荷を発生するものであり、有機の光電変換材料を含んで構成されている。具体的には、光電変換層4は、p型有機半導体(p型有機化合物)と、n型有機半導体であるフラーレン又はフラーレン誘導体とを混合した混合層を少なくとも含む。混合層とは、複数の材料が混ざり合った又は分散した層のことをいい、例えば、複数の材料を共蒸着することで形成される層である。または、複数の材料を溶剤に入れて混ぜ合わせ、これを塗布してできた層であってもよい。光電変換層4が、このような混合層を含むことにより、光電変換層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換層の光電変換効率を向上させることができる。
光電変換層4は、有機ELの発光層(電気信号を光に変換する層)とは異なる特徴を有する非発光性の層である。非発光性層とは、可視光領域(波長400nm〜730nm)において発光量子効率が1%以下の場合であり、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下の場合である。光電変換層4を非発光性層にする理由は、撮像素子用途として有機光電変換素子を用いる場合に、発光量子効率が1%を超えると、撮像性能に影響を与えてしまうためである。
受光層は、乾式成膜法又は湿式成膜法により形成することができる。乾式成膜法は、均一な膜形成が容易であり不純物が混入し難い点、また、膜厚コントロールや異種材料に積層が容易である点で好ましい。
乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。好ましくは真空蒸着法であり、真空蒸着法により成膜する場合、真空度、蒸着温度等の製造条件は常法に従って設定することができる。蒸着法により、受光層を形成する場合は、蒸着可能温度よりも、分解温度が大きいほど、蒸着時の熱分解が抑制できるので好ましい。
受光層を乾式成膜法により形成する場合、形成時の真空度は、受光層形成時の素子特性の劣化を防止することを考慮すると、1×10−3Pa以下が好ましく、4×10−4Pa以下がさらに好ましく、1×10−4Pa以下が特に好ましい。
受光層の厚みは、10nm以上1000nm以下が好ましく、さらに好ましくは50nm以上800nm以下、特に好ましくは100nm以上600nm以下である。10nm以上とすることにより、好適な暗電流抑制効果が得られ、1000nm以下とすることにより、好適な光電変換効率が得られる。
受光層に含まれる電子ブロッキング層3は、電極2から光電変換層4に電子が注入されるのを抑制し、光電変換層4で発生した電子が電極2側に流れるのを阻害するための層である。電子ブロッキング層3は、有機材料又は無機材料、あるいはその両方を含んで構成されている。
電極5は、光電変換層4で発生した電荷のうちの電子を捕集する電極である。電極5は、光電変換層4に光を入射させるために、光電変換層4が感度を持つ波長の光に対して十分に透明な導電性材料(例えばITO)を用いる。電極5及び電極2間にバイアス電圧を印加することで、光電変換層4で発生した電荷のうち、正孔を電極2に、電子を電極5に移動させることができる。
封止層6は、水、酸素等の有機材料を劣化させる因子が有機材料を含む受光層に侵入するのを防ぐための層である。封止層6は、電極2、電子ブロッキング層3、光電変換層4、及び電極5を覆って形成されている。
このように構成された有機光電変換素子10では、電極5を光入射側の電極としており、電極5上方から光が入射すると、この光が電極5を透過して光電変換層4に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は電極2に移動する。この電極2に移動した正孔を、その量に応じた電圧信号に変換して読み出すことで、光を電圧信号に変換して取り出すことができる。
なお、電子ブロッキング層3は、複数層で構成してあってもよい。このようにすることで、電子ブロッキング層3を構成する各層の間に界面ができ、各層に存在する中間準位に不連続性が生じる。この結果、中間準位等を介した電荷の移動がしにくくなるため、電子ブロッキング効果を高めることができる。但し、電子ブロッキング層3を構成する各層が同一材料であると、各層に存在する中間準位が全く同じとなる場合も有り得るため、電子ブロッキング効果を更に高めるために、各層を構成する材料を異なるものにすることが好ましい。
また、電極2において電子を捕集し、電極5において正孔を捕集するようにバイアス電圧を印加してもよい。この場合には、電子ブロッキング層3の代わりに正孔ブロッキング層を設ければよい。正孔ブロッキング層は、電極2から光電変換層4に正孔が注入されるのを抑制し、光電変換層4で発生した正孔が電極2側に流れてしまうのを阻害するための有機材料で構成された層とすればよい。正孔ブロッキング層も複数層にすることで、正孔ブロッキング効果を高めることができる。
また、電極5で捕集された電子又は正孔をその量に応じた電圧信号に変換して外部に取り出すようにしてもよい。この場合には、電極5と光電変換層4との間に電子ブロッキング層又は正孔ブロッキング層を設ければよい。いずれの場合も、電極2と電極5で挟まれた部分が受光層となる。
次に、有機光電変換素子10の製造方法について説明する。
まず、基板1の上に例えばITOをスパッタ法により成膜して電極2を形成する。次に、電極2上に電子ブロッキング材料を例えば蒸着により成膜して、電子ブロッキング層3を形成する。
次に、電子ブロッキング層3上に、p型有機半導体とフラーレン又はフラーレン誘導体とを例えば共蒸着して光電変換層4を形成する。次に、光電変換層4上に、例えばITOをスパッタ法により成膜して電極5を形成する。次に、電極5及び基板1上に酸化シリコンを例えば蒸着により成膜して、封止層6を形成する。
本製造方法においては、電極2の形成工程、電子ブロッキング層3の形成工程、光電変換層4の形成工程、電極5の形成工程、及び封止層6の形成工程の各工程において、成膜中に水及び酸素等の膜の劣化因子が膜に混入して膜の性質が劣化してしまうこと等を防ぐために、該各工程を真空下で実施するものとしている。本発明者は、鋭意検討の結果、光電変換層4の形成工程の終了後から封止層6の形成工程の開始までの間に、作製途中の有機光電変換素子10を非真空下に置く期間(以下、非真空期間という)を設けても、有機光電変換素子10の性能が劣化しないことを見出した。
ここで、非真空下とは、各工程を実施しているときの真空下よりも圧力の高い空間のことを言う。具体的には、非真空下は、大気雰囲気下又はイナート雰囲気下のことをいう。イナート雰囲気とは、大気圧の空間内において酸素及び水がともに100ppm以下(好ましくは10ppm以下、理想的には0.5ppm以下)であることを示す。
イナート雰囲気下の不活性ガス種としては、窒素ガス、アルゴン等の希ガス類、不燃性ガス類があり、これらの不活性ガスを複数組み合わせたものでもよい。好ましくは窒素ガスがよい。
非真空期間は、例えば、光電変換層4の形成工程と電極5の形成工程との間(第一の期間)と、電極5の形成工程と封止層6の形成工程との間(第二の期間)の少なくとも一方において設けることができる。
これまでは、有機材料を含む光電変換層4を形成してから、水や酸素等の有機材料の劣化因子の侵入を防ぐ封止層6を形成するまでの間に、作製途中の有機光電変換素子10を非真空下に置くと、水分や酸素等によって有機材料が劣化し、有機光電変換素子の性能が劣化してしまうと考えられていた。実際、後述する比較例で述べる化合物1だけを用いて光電変換層4を形成した有機光電変換素子10では、非真空期間を設けると、素子性能が劣化することが分かっている。
しかし、光電変換層4として、p型有機半導体とフラーレン又はフラーレン誘導体の混合層を用いた有機光電変換素子10においては、光電変換層4の形成工程と封止層6の形成工程との間において、作製途中の有機光電変換素子10を非真空下においても、素子性能が劣化しないことを本発明者は見出した。更に、本発明者は、非真空期間の長さを30分以上(理想的には3時間以上)とすることで、有機光電変換素子10の性能を更に向上させられることも見出した。
この製造方法では、第一の期間と第二の期間において非真空期間を設けることができる。このため、光電変換層4を形成する装置から電極5を形成する装置までに至る作製途中の有機光電変換素子の搬送経路と、電極5を形成する装置から封止層6を形成する装置までに至る作製途中の有機光電変換素子の搬送経路とを、真空状態にする必要がなくなる。この結果、有機光電変換素子10の製造設備を簡素化することができ、製造コストを削減することが可能となる。
なお、非真空期間において、光電変換層4が保持される向きの違いによる効果の違いはない。また、電子ブロッキング層3の形成工程と光電変換層4の形成工程の間の雰囲気及び作成途中の素子を当該雰囲気下におく時間、又は、非真空期間における有機光電変換素子10への光照射の有無は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定しない。
第一の期間と第二の期間のいずれかにおいて非真空期間を設けた場合には、非真空期間を設けていない方の期間における素子の輸送経路が真空状態となるように設備を設計すればよい。第一の期間と第二の期間の両方において非真空期間を設けた場合には、設備のコストを大幅に下げることができる。
次に、有機光電変換素子10を用いた撮像素子の構成例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態を説明するための撮像素子の概略構成を示す断面模式図である。この撮像素子は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、電子内視鏡、携帯電話機等の撮像モジュール等に搭載して用いられる。
この撮像素子は、図1に示したような構成の複数の有機光電変換素子と、各有機光電変換素子の光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出す読み出し回路が形成された回路基板とを有し、該回路基板上方の同一面上に、複数の有機光電変換素子が1次元状又は二次元状に配列された構成となっている。
図2に示す撮像素子100は、基板101と、絶縁層102と、接続電極103と、画素電極104と、接続部105と、接続部106と、受光層107と、対向電極108と、緩衝層109と、封止層110と、カラーフィルタ(CF)111と、隔壁112と、遮光層113と、保護層114と、対向電極電圧供給部115と、読出し回路116とを備える。
画素電極104は、図1に示した有機光電変換素子10の電極2と同じ機能を有する。対向電極108は、図1に示した有機光電変換素子10の電極5と同じ機能を有する。受光層107は、図1に示した有機光電変換素子10の電極2及び電極5間に設けられる受光層と同じ構成である。封止層110は、図1に示した有機光電変換素子10の封止層6と同じ機能を有する。画素電極104と、これに対向する対向電極108の一部と、これら電極で挟まれる受光層107と、画素電極104に対向する緩衝層109及び封止層110の一部とが、有機光電変換素子を構成している。
基板101は、ガラス基板又はSi等の半導体基板である。基板101上には絶縁層102が形成されている。絶縁層102の表面には複数の画素電極104と複数の接続電極103が形成されている。
受光層107は、複数の画素電極104の上にこれらを覆って設けられた全ての有機光電変換素子で共通の層である。
対向電極108は、受光層107上に設けられた、全ての有機光電変換素子で共通の1つの電極である。対向電極108は、受光層107よりも外側に配置された接続電極103の上にまで形成されており、接続電極103と電気的に接続されている。
接続部106は、絶縁層102に埋設されており、接続電極103と対向電極電圧供給部115とを電気的に接続するためのプラグ等である。対向電極電圧供給部115は、基板101に形成され、接続部106及び接続電極103を介して対向電極108に所定の電圧を印加する。対向電極108に印加すべき電圧が撮像素子の電源電圧よりも高い場合は、チャージポンプ等の昇圧回路によって電源電圧を昇圧して上記所定の電圧を供給する。
読出し回路116は、複数の画素電極104の各々に対応して基板101に設けられており、対応する画素電極104で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。読出し回路116は、例えばCCD、MOS回路、又はTFT回路等で構成されており、絶縁層102内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。読み出し回路116は、それに対応する画素電極104と接続部105を介して電気的に接続されている。
緩衝層109は、対向電極108上に、対向電極108を覆って形成されている。封止層110は、緩衝層109上に、緩衝層109を覆って形成されている。カラーフィルタ111は、封止層110上の各画素電極104と対向する位置に形成されている。隔壁112は、カラーフィルタ111同士の間に設けられており、カラーフィルタ111の光透過効率を向上させるためのものである。
遮光層113は、封止層110上のカラーフィルタ111及び隔壁112を設けた領域以外に形成されており、有効画素領域以外に形成された受光層107に光が入射する事を防止する。保護層114は、カラーフィルタ111、隔壁112、及び遮光層113上に形成されており、撮像素子100全体を保護する。
このように構成された撮像素子100では、光が入射すると、この光が受光層107に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は、画素電極104で捕集され、その量に応じた電圧信号が読み出し回路116によって撮像素子100外部に出力される。
撮像素子100の製造方法は、次の通りである。
対向電極電圧供給部115と読み出し回路116が形成された回路基板上に、接続部105,106、複数の接続電極103、複数の画素電極104、及び絶縁層102を形成する。複数の画素電極104は、絶縁層102の表面に例えば正方格子状に配置する。
次に、複数の画素電極104上に、受光層107を例えば真空加熱蒸着法によって形成する。次に、受光層107上に例えばスパッタ法により対向電極108を真空下にて形成する。次に、対向電極108上に緩衝層109、封止層110を順次、例えば真空加熱蒸着法によって形成する。次に、カラーフィルタ111、隔壁112、遮光層113を形成後、保護層114を形成して、撮像素子100を完成する。
撮像素子100の製造方法においても、受光層107に含まれる光電変換層の形成工程と封止層110の形成工程との間に、作製途中の撮像素子100を非真空下に置く工程を追加することで、複数の有機光電変換素子の性能劣化を防ぐことができる。この工程を追加することで、撮像素子100の性能劣化を防ぎながら、製造コストを抑えることができる。
以下では、上述した有機光電変換素子の構成要素(電子ブロッキング層3、正孔ブロッキング層、光電変換層4、電極2、電極5、封止層6)の詳細について説明する。
[光電変換層]
光電変換層4を構成するp型有機半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、n型有機半導体として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
上記の中でも、好ましいのは、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ピロール化合物、フタロシアニン化合物、メロシアニン化合物、縮合芳香族炭素環化合物である。
p型有機半導体としてはいかなる有機色素を用いてもよいが、好ましいものとしては、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、ペリノン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ジケトピロロピロール色素、ジオキサン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。具体的なp型有機半導体(化合物)を下記に例示するが、本発明は下記にあげた化合物に限定されるものではない。
Figure 2012119652
光電変換層4を構成するフラーレンとは、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレン540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブを表し、フラーレン誘導体とはこれらに置換基が付加された化合物のことを表す。
フラーレン誘導体の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、又は複素環基である。アルキル基として更に好ましくは、炭素数1〜12までのアルキル基であり、アリール基、及び複素環基として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、ベンズイミダゾール環、イミダゾピリジン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、またはフェナジン環であり、さらに好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピリジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、またはチアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、またはピリジン環である。これらはさらに置換基を有していてもよく、その置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。なお、複数の置換基を有しても良く、それらは同一であっても異なっていても良い。また、複数の置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。
光電変換層4がフラーレン又はフラーレン誘導体を含むことで、フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子を経由して、光電変換により発生した電荷を電極2又は電極5まで早く輸送できる。フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子が連なった状態になって電子の経路が形成されていると、電子輸送性が向上して有機光電変換素子の高速応答性が実現可能となる。このためにはフラーレン又はフラーレン誘導体が光電変換層4に40%以上含まれていることが好ましい。もっとも、フラーレン又はフラーレン誘導体が多すぎるとp型有機半導体が少なくなって接合界面が小さくなり励起子解離効率が低下してしまう。
光電変換層4において、フラーレン又はフラーレン誘導体と共に混合されるp型有機半導体として、特許第4213832号公報等に記載されたトリアリールアミン化合物を用いると有機光電変換素子の高SN比が発現可能になり、特に好ましい。光電変換層4内のフラーレン又はフラーレン誘導体の比率が大きすぎると該トリアリールアミン化合物が少なくなって入射光の吸収量が低下する。これにより光電変換効率が減少するので、光電変換層4に含まれるフラーレン又はフラーレン誘導体は85%以下の組成であることが好ましい。
本発明の効果を顕著に発現させるために、p型有機半導体は下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012119652
(式中、L、Lは、それぞれ独立に無置換メチン基若しくは置換メチン基を表す。nは0〜2の整数を表す。Arは、2価の置換アリーレン基、又は無置換アリーレン基を表す。Ar、Arは、それぞれ独立に、置換アリール基、無置換アリール基、置換アルキル基、無置換アルキル基、置換へテロアリール基、又は無置換ヘテロアリール基を表す。Ar、Ar、Arのうち隣接するものは互いに連結して環を形成しても良い。Lは、下記一般式(2)と結合する無置換メチン基若しくは置換メチン基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。
Figure 2012119652

式中、Zは、Lと結合する炭素原子と該炭素原子に隣接するカルボニル基を含む環であって、5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。Xはヘテロ原子を表す。Zは、Xを含む環であって、5員環、6員環、7員環、又は、5員環及び6員環及び7員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L〜Lは、それぞれ独立に無置換メチン基若しくは置換メチン基を表す。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するものが互いに結合して環を形成してもよい。kは0〜2の整数を表す。一般式(2)中の*はLに結合する結合位置を表し、一般式(3)中の*はL又はArに結合する結合位置を表す。
一般式(2)のZは、2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。このような環としては、通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては例えば以下のものが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核:例えば1,3−インダンジオン核、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等。
(b)ピラゾリノン核:例えば1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等。
(c)イソオキサゾリノン核:例えば3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等。
(d)オキシインドール核:例えば1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等。
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核:例えばバルビツル酸又は2−チオバルビツル酸及びその誘導体等。誘導体としては例えば1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3位ジヘテロ環置換体等が挙げられる。
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えばローダニン及びその誘導体等。誘導体としては例えば3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3位ヘテロ環置換ローダニン等が挙げられる。
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等。
(h)チアナフテノン核:例えば3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等。
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等。
(j)2,4−チアゾリジンジオン核:例えば2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等。
(k)チアゾリン−4−オン核:例えば4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノン等。
(l)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(m)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(n)2−イミダゾリン−5−オン核:例えば2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等。
(o)3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオン等。
(p)ベンゾチオフェン−3−オン核:例えばベンゾチオフェン−3−オン、オキソベンゾチオフェンー3−オン、ジオキソベンゾチオフェンー3−オン等。
(q)インダノン核:例えば1−インダノン、3−フェニル−1−インダノン、3−メチル−1−インダノン、3,3−ジフェニル−1−インダノン、3,3−ジメチル−1−インダノン等。
が表す環として好ましくは、1,3−ジカルボニル核、ピラゾリノン核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核、2,4−チアゾリジンジオン核、2,4−イミダゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核、2−イミダゾリン−5−オン核、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェン−3−オン核、インダノン核であり、より好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェン−3−オン核、インダノン核であり、さらに好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)であり、特に好ましくは1,3−インダンジオン核、バルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核及びそれらの誘導体である。
が表す環として好ましいものは下記の式で表される。
Figure 2012119652
式中、Zは、Lと結合する炭素原子と該炭素原子に隣接する2つのカルボニル基を含む環であって、5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。*はLと結合する結合位置を示す。Zとしては上記Zが表す環中から選ぶことができ、好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含む)であり、特に好ましくは1,3−インダンジオン核、バルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核及びそれらの誘導体である。
が表す環が1,3−インダンジオン核の場合、下記一般式(5)で示される基である場合が好ましい。
Figure 2012119652

式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するものが互いに結合して環を形成してもよい。*はLと結合する結合位置を示す。
一般式(3)のkは0〜2の整数を表し、好ましくは0又は1、より好ましく0である。XはO、S、N−R10が好ましい。Zが表す環として好ましいものは下記の式(6)で表される。
Figure 2012119652

式中、XはO、S、N−R10を表す。R10は水素原子又は置換基を表す。式中、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するものが互いに結合して環を形成してもよい。mは1〜3の整数を表す。mが2以上のとき複数のRは同じでも異なっていてもよい。*はL又はArに結合する結合位置を表す。
Arが表すアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基である。該アリーレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基である。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基等が挙げられ、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。
Ar、Arが表すアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。該アリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、アンスリル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
Ar、Arが表すアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Ar、Arが表すヘテロアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数3〜30のヘテロアリール基であり、より好ましくは炭素数3〜18のヘテロアリール基である。該ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数3〜18のヘテロアリール基である。また、Ar、Arが表すヘテロアリール基は縮環構造であってもよく、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環からから選ばれる環の組み合わせ(同一でも良い)の縮環構造が好ましく、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チエノチオフェン環、ビチエノベンゼン環、ビチエノチオフェン環が好ましい。
Ar、Ar、Ar、R、R〜R、R10のうち隣接するものは互いに連結して環を形成しても良い。さらに、該環は、ヘテロ原子、アルキレン基、及び芳香族環等で形成される環が好ましい。例えば、アリール基(例えば、一般式(1)のAr、Ar、Ar)の2つが単結合又は連結基を介して連結することで、窒素原子(一般式(1)のN)とともに形成される環が挙げられる。該連結基しては、ヘテロ原子(例えば、−O−、−S−など)、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基など)、及びこれらの組み合わせからなる基が挙げられ、−S−、メチレン基が好ましい。窒素原子(例えば、一般式(1)のN)、アルキレン基(例えば、メチレン基)及びアリール基(例えば、一般式(1)のAr、Ar又はAr)で形成される環が好ましい。
該環は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基)が挙げられ、複数の該置換基が互いに連結して更に環(例えば、ベンゼン環など)を形成してもよい。
また、R及びRが互いに連結して環を形成していることも好ましく、該環としてはベンゼン環が好ましい。
更にまた、Rについては、複数ある場合(mが2以上)に該複数のRのうち隣接するものは互いに連結して環を形成することができ、該環としてはベンゼン環が好ましい。
Ar、Ar、Arが置換基を有する場合の当該置換基、及び、R、R〜R、R10の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、置換アルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、置換アリール基、複素環基(ヘテロ環基といっても良い)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基が挙げられる。R、R〜R、R10の置換基としては、特にアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、へテロアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルケニル基、又はハロゲン原子が好ましい。
Ar、Ar、Arが置換基を有する場合、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、シアノ基又はヘテロ環チオ基が好ましい。
としてはアルキル基、アリール基がより好ましい。R及びRとしては、シアノ基がより好ましい。
上記置換アルキル基や置換アリール基が有する置換基としては、上記で列挙した置換基が挙げられ、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基)やアリール基(炭素数6〜18のアリール基、より好ましくはフェニル基)が好ましい。
、L、L、L、L、Lは、それぞれ独立に無置換メチン基又は置換メチン基を表す場合、該置換メチン基の置換基はアルキル基、アリール基、複素環基、アルケニル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、置換基同士が結合して環を形成してもよい。環としては6員環(例えば、ベンゼン環等)が挙げられる。また、L又はLとArの置換基同士が結合して環を形成してもよい。また、LとRの置換基同士が結合して環を形成してもよい。
、R〜R、R10が表すアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。R〜Rとしては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基又はt−ブチル基が好ましく、メチル基、又はt−ブチル基がより好ましい。
nは0又は1が好ましい。
、R〜R、R10が表すアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。該アリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、又はアントラセニル基が好ましい。
、R〜R、R10が表すヘテロアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数3〜30のヘテロアリール基であり、より好ましくは炭素数3〜18のヘテロアリール基である。該ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数3〜18のヘテロアリール基である。また、R、R〜Rが表すヘテロアリール基は5員、6員又は7員の環又はその縮合環からなるヘテロアリール基が好ましい。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子挙げられる。ヘテロアリール基を構成する環の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環等が挙げられる。
縮合環としては、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレン環、チエノチオフェン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環等が挙げられる。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2、より好ましく1である。
一般式(1)で表される化合物の中でも、以下の化合物が特に好ましい。
Figure 2012119652
Figure 2012119652
Figure 2012119652
[電子ブロッキング層]
電子ブロッキング層3には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。
具体的には、例えば、特開2008−72090号公報に記載された下記の化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記のEaはその材料の電子親和力、Ipはその材料のイオン化ポテンシャルを示す。EB―1,2,…の「EB」は「電子ブロッキング」の略である。
Figure 2012119652
電子ブロッキング層3としては無機材料を用いることもできる。一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層3に用いた場合に、光電変換層4に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率を高くすることができる。電子ブロッキング層3となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。
複数層からなる電子ブロッキング層3において、複数層のうち光電変換層4と隣接する層が該光電変換層4に含まれるp型有機半導体と同じ材料からなる層であることが好ましい。電子ブロッキング層3にも同じp型有機半導体を用いることで、光電変換層4と隣接する層の界面に中間準位が形成されるのを抑制し、暗電流を更に抑制することができる。
電子ブロッキング層3が単層の場合にはその層を無機材料からなる層とすることができ、または、複数層の場合には1つ又は2以上の層を無機材料からなる層とすることができる。
[正孔ブロッキング層]
正孔ブロッキング層には、電子受容性有機材料を用いることができる。電子受容性材料としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などを用いることができる。また、電子受容性有機材料でなくとも、十分な電子輸送性を有する材料ならば使用することは可能である。ポルフィリン系化合物や、DCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−(ジメチルアミノスチリル))−4Hピラン)等のスチリル系化合物、4Hピラン系化合物を用いることができる。
[画素電極]
電極2(画素電極104)の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、TiN等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。透明導電膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、弗素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)のいずれかの材料である。
電極2の端部において該電極2の膜厚に相当する段差が急峻だったり、該電極2の表面に顕著な凹凸が存在したり、該電極2上に微小な塵埃(パーティクル)が付着したりすると、該電極2上の層が所望の膜厚より薄くなったり亀裂が生じたりする。そのような状態で該層上に電極5(対向電極108)を形成すると、欠陥部分における該電極2と該電極5の接触や電界集中により、暗電流の増大や短絡などの画素不良が発生する。更に、上記の欠陥は、電極2とその上の層の密着性や有機光電変換素子10の耐熱性を低下させるおそれがある。
上記の欠陥を防止して素子の信頼性を向上させるためには、電極2の表面粗さRaが0.6nm以下であることが好ましい。電極2の表面粗さRaが小さいほど、表面の凹凸が小さいことを意味し、表面平坦性が良好である。また、電極2上のパーティクルを除去するため、電子ブロッキング層3を形成する前に、半導体製造工程で利用されている一般的な洗浄技術により、基板を洗浄することが特に好ましい。
[対向電極]
電極5(対向電極108)の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、TiN等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。透明導電膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、弗素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)のいずれかの材料である。
[封止層]
封止層6(封止層110)としては次の条件が求められる。
第一に、素子の各製造工程において溶液、プラズマなどに含まれる有機の光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して光電変換層を保護することが挙げられる。
第二に、素子の製造後に、水分子などの有機の光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して、長期間の保存/使用にわたって、光電変換層4の劣化を防止する。
第三に、封止層6を形成する際は既に形成された光電変換層を劣化させない。
第四に、入射光は封止層6を通じて光電変換層4に到達するので、光電変換層4で検知する波長の光に対して封止層6は透明でなくてはならない。
封止層6は、単一材料からなる薄膜で構成することもできるが、多層構成にして各層に別々の機能を付与することで、封止層6全体の応力緩和、製造工程中の発塵等によるクラック、ピンホールなどの欠陥発生の抑制、材料開発の最適化が容易になることなどの効果が期待できる。例えば、封止層6は、水分子などの劣化因子の浸透を阻止する本来の目的を果たす層の上に、その層で達成することが難しい機能を持たせた「封止補助層」を積層した2層構成を形成することができる。3層以上の構成も可能だが、製造コストを勘案するとなるべく層数は少ない方が好ましい。
[原子層堆積法による封止層6の形成]
有機光電変換材料は水分子などの劣化因子の存在で顕著にその性能が劣化してしまう。そのために、水分子を浸透させない緻密な金属酸化物・金属窒化物・金属窒化酸化物などセラミクスやダイヤモンド状炭素(DLC)などで光電変換層全体を被覆して封止することが必要である。従来から、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素やそれらの積層構成、それらと有機高分子の積層構成などを封止層として、各種真空成膜技術で形成されている。もっとも、これら従来の封止層は、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差において、薄膜の成長が困難なので(段差が影になるので)平坦部と比べて膜厚が顕著に薄くなる。このために段差部分が劣化因子の浸透する経路になってしまう。この段差を封止層で完全に被覆するには、平坦部において1μm以上の膜厚になるように成膜して、封止層全体を厚くする必要がある。封止層形成時の真空度は、1×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以下がさらに好ましい。
画素寸法が2μm未満、特に1μm程度の撮像素子100において、カラーフィルタ111と光電変換層との距離、すなわち封止層110の膜厚が大きいと、封止層110内で入射光が回折/発散してしまい、混色が発生する。このために、画素寸法が1μm程度の撮像素子100は、封止層110全体の膜厚を減少させても素子性能が劣化しないような封止層材料/製造方法が必要になる。
原子層堆積(ALD)法は、CVD法の一種で、薄膜材料となる有機金属化合物分子、金属ハロゲン化物分子、金属水素化物分子の基板表面への吸着/反応と、それらに含まれる未反応基の分解を、交互に繰返して薄膜を形成する技術である。基板表面へ薄膜材料が到達する際は上記低分子の状態なので、低分子が入り込めるごくわずかな空間さえあれば薄膜が成長可能である。そのために、従来の薄膜形成法では困難であった段差部分を完全に被覆し(段差部分に成長した薄膜の厚さが平坦部分に成長した薄膜の厚さと同じ)、すなわち段差被覆性が非常に優れる。そのため、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差を完全に被覆できるので、そのような段差部分が光電変換材料の劣化因子の浸入経路にならない。封止層6の形成を原子層堆積法で行なった場合は従来技術よりも効果的に必要な封止層膜厚を薄くすることが可能になる。
原子層堆積法で封止層6を形成する場合は、先述した封止層6に好ましいセラミクスに対応した材料を適宜選択できる。もっとも、本発明の光電変換層は有機光電変換材料を使用するために、有機光電変換材料が劣化しないような、比較的に低温で薄膜成長が可能な材料に制限される。アルキルアルミニウムやハロゲン化アルミニウムを材料とした原子層堆積法によると、有機光電変換材料が劣化しない200℃未満で緻密な酸化アルミニウム薄膜を形成することができる。特にトリメチルアルミニウムを使用した場合は100℃程度でも酸化アルミニウム薄膜を形成でき好ましい。酸化珪素や酸化チタンも材料を適切に選択することで酸化アルミニウムと同様に200℃未満で緻密な薄膜を形成することができ好ましい。
[封止補助層]
原子層堆積法により形成した薄膜は、段差被覆性、緻密性という観点からは比類なく良質な薄膜形成を低温で達成できる。もっとも、薄膜材料の物性が、フォトリソグラフィ工程で使用する薬品で劣化してしまうことがある。例えば、原子層堆積法で成膜した酸化アルミニウム薄膜は非晶質なので、現像液や剥離液のようなアルカリ溶液で表面が侵食されてしまう。この場合は、原子層堆積法で形成した酸化アルミニウム薄膜上に、耐薬品性に優れる薄膜を形成しなくてはならず、すなわち、封止層6を保護する機能層となる封止補助層が必要になる。
一方で、原子層堆積法のようなCVD法で形成した薄膜は内部応力が非常に大きな引張応力を持つ例が多く、半導体製造工程のように、断続的な加熱、冷却が繰返される工程や、長期間の高温/高湿度雰囲気下での保存/使用により、薄膜自体に亀裂の入る劣化が発生することがある。
上記のような原子層堆積法で形成した封止層6の問題点を克服するために、例えば、スパッタ法などの物理的気相成膜(PVD)法で成膜した耐薬品性に優れる金属酸化物、金属窒化物、金属窒化酸化物などのセラミクスのいずれか1つを含む封止補助層を設ける構成が好ましい。ここで、原子層堆積法で形成されたものを第一封止層とし、該第一封止層上に、PVD法で形成され、金属酸化物、金属窒化物、金属窒化酸化物のいずれか1つを含むものを第二封止層とする。こうすれば、封止層6全体の耐薬品性を向上させることが容易になる。更に、スパッタ法などのPVD法で成膜したセラミクスは大きな圧縮応力を持つことが多く、原子層堆積法で形成した該第一封止層の引張応力を相殺することができる。従って、封止層6全体の応力が緩和され、封止層6自体の信頼性が高まるのみならず、封止層6の応力が光電変換層などの性能を悪化させ又は破壊してしまう不良の発生を、顕著に抑制することが可能になる。
特に、第一封止層上に、スパッタ法で形成された、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素のいずれか1つを含む第二封止層とを有する構成とすることが好ましい。
第一封止層は、膜厚が0.05μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。また、第一封止層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンのいずれかを含むことが好ましい。
以下、非真空期間を設けたことによる効果を実施例において説明する。
(実施例1)
有機光電変換素子を備える撮像素子を作製した。手順は次の通りである。まず、CMOS回路からなる読み出し回路とこれに接続される接続電極とを形成したCMOS基板上に、スパッタ法によってアモルファス性ITOを成膜し、これをパターニングして、各接続電極の上に画素電極を形成した。次に、複数の画素電極の上に、前記EB−3で示される材料を真空加熱蒸着により100nmの厚みで成膜して電子ブロッキング層を形成した。次に、電子ブロッキング層上に、化合物1とフラーレン(C60)を真空加熱蒸着によって(1:3の比率で)共蒸着して成膜し、400nmの膜厚の光電変換層を形成した。この蒸着では、有機材料蒸着用セル「サーモボールセル(長州産業株式会社製)」を使用した。電子ブロッキング層及び光電変換層の真空蒸着は全て4×10−4Pa以下の真空度で行った。次に、作製途中の撮像素子を3分間大気雰囲気下においた後、この撮像素子を、対向電極を形成する装置にセットして、スパッタ法によりアモルファス性ITOを10nmの厚みで光電変換層上に成膜して対向電極を形成した。なお、対向電極の形成は真空下で行った。次に、作製途中の撮像素子を3分間大気雰囲気下においた後、この撮像素子を、封止層を形成する装置にセットして、対向電極上に、加熱蒸着によって酸化シリコンを成膜し、その上にALD法によって酸化アルミニウムを成膜して封止層を形成した。対向電極及び封止層の形成は真空下で行った。
(実施例2)
化合物1を化合物9に変更した以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例3)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を窒素ガス雰囲気下においた以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。なお、作製途中の撮像素子を窒素ガス雰囲気におく時間は3分間とした。
(実施例4)
作製途中の撮像素子を大気雰囲気下におく時間を30分とした以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例5)
作製途中の撮像素子を窒素ガス雰囲気下におく時間を30分とした以外は、実施例3と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例6)
作製途中の撮像素子を大気雰囲気下におく時間を1分とした以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例7)
作製途中の撮像素子を窒素ガス雰囲気下におく時間を1分とした以外は、実施例3と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例8)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間において、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おき、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間において、作製途中の撮像素子を大気雰囲気下に48時間おいた以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例9)
化合物1を化合物7に変更した以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(実施例10)
化合物1を化合物7に変更した以外は、実施例3と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例1)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例2)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、実施例2と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例3)
化合物1を100nmの厚みで真空加熱蒸着により成膜して光電変換層とし、光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例4)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を大気下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、比較例3と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例5)
化合物1を100nmの厚みで真空加熱蒸着により成膜して、次に、化合物1の上にフラーレン(C60)を100nmの厚みで成膜して、200nmの厚みの光電変換層とし、光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、実施例1と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例6)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を大気雰囲気下においた以外は、比較例5と同様にして撮像素子を作製した。
(比較例7)
光電変換層の形成工程と対向電極の形成工程の間と、対向電極の形成工程と封止層の形成工程の間とにおいて、作製途中の撮像素子を真空下に3分間おいた後、これを次の工程を実施する装置にセットした以外は、実施例9と同様にして撮像素子を作製した。
実施例及び比較例における各有機光電変換素子の2×10V/cmの電場で印加したときの最大感度波長での外部量子効率(比較例1の数値を100としたときの相対値)の測定結果を表1に示す。なお、外部量子効率の値は、作製した素子の対向電極に正のバイアスを印加し、対向電極側から光を入射し、画素電極から正孔を取り出した場合においての値とした。
Figure 2012119652
Figure 2012119652
比較例3と比較例4を対比すると、光電変換層を1つの材料で形成した場合には、非真空期間を設けることで、外部量子効率が半減することが分かる。比較例5と比較例6を対比すると、光電変換層を化合物1とC60の積層構造にした場合には、非真空期間を設けることで、外部量子効率が20%近く低下することが分かる。
一方、比較例1と実施例1,3,6,7を対比すると、光電変換層を化合物1とC60の混合層とした場合には、非真空期間を設けても外部量子効率は劣化せず、むしろ若干上昇することが分かる。また、比較例2と実施例2を対比すると、光電変換層を化合物9とC60の混合層とした場合には、非真空期間を設けても外部量子効率は劣化しないことが分かる。また、比較例7と実施例9,10を対比すると、光電変換層を化合物7とC60の混合層とした場合には、非真空期間を設けても外部量子効率は劣化しないことが分かる。実施例8では、真空期間と非真空期間を設けているが、この場合でも、外部量子効率は、比較例1のように非真空期間を設けない場合と比較して外部量子効率が上昇することが分かった。
この結果から、光電変換層をp型有機半導体とフラーレン又はフラーレン誘導体との混合層とした場合には、光電変換層の形成工程から封止層の形成工程までの間の各工程間のいずれか又は全部において非真空期間を設けても、素子性能は劣化しないことが分かった。
また、実施例4,5では、実施例1,3,6,7と比較して外部量子効率が1割近く上昇している。また、実施例8では、実施例1,3,6,7と比較して外部量子効率が1割近く上昇している。この結果から、非真空期間を30分以上とすることで、素子性能を更に向上させられることも分かった。
なお、電子ブロッキング層を形成せずに、画素電極上に光電変換層を直接形成した場合でも、表1に示すのと同様の結果が得られた。
以上説明してきたように、本明細書には次の事項が開示されている。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、第一の電極と、前記第一の電極上方に形成された第二の電極と、前記第一の電極及び前記第二の電極間に形成された有機材料を含む光電変換層と、前記第一の電極、前記第二の電極、及び前記光電変換層を封止する封止層とを含む有機光電変換素子の製造方法であって、前記光電変換層は、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む非発光性層であり、基板上方に前記第一の電極を形成する第一の工程と、前記第一の電極の上方に前記光電変換層を形成する第二の工程と、前記光電変換層の上方に前記第二の電極を形成する第三の工程と、前記第二の電極の上方に前記封止層を形成する第四の工程とを備え、前記第二の工程〜前記第四の工程の各工程を真空下にて行い、前記第二の工程の終了後から前記第四の工程の開始までの間に、作製途中の前記有機光電変換素子を非真空下に置く第五の工程を備えるものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第五の工程における前記非真空下が大気雰囲気下又はイナート雰囲気下であるものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第五の工程を、前記第二の工程と前記第三の工程の間と、前記第三の工程と前記第四の工程の間との両方にて行うものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第五の工程を、前記第二の工程と前記第三の工程の間、又は、前記第三の工程と前記第四の工程の間に行うものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第二の工程では、乾式成膜法により前記光電変換層を形成するものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第二の工程では、前記フラーレン又はフラーレン誘導体と前記p型有機半導体とを真空加熱蒸着により共蒸着して前記混合層を形成するものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記p型有機半導体は、一般式(1)で表される化合物であるものを含む。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第五の工程では、前記作製途中の有機光電変換素子を1分以上前記非真空下に置くものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記有機光電変換素子が、前記第一の電極と前記光電変換層との間に設けられる電子ブロッキング層を含み、前記第一の工程後、前記第二の工程の前に前記電子ブロッキング層を形成する工程を有するものである。
開示された有機光電変換素子の製造方法は、前記第一の工程と前記第二の工程の間に、前記第一の電極上にEB−3で示される電子ブロッキング層を形成する第六の工程を備えるものである。
開示された有機光電変換素子は、前記有機光電変換素子の製造方法により製造されたものである。
開示された撮像素子は、複数の前記有機光電変換素子と、前記各有機光電変換素子の前記光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し回路が形成された回路基板とを備えるものである。
開示された撮像装置は、前記撮像素子を備えるものである。
1 基板
2、5 電極
3 電子ブロッキング層
4 光電変換層
6 封止層
10 有機光電変換素子

Claims (12)

  1. 第一の電極と、前記第一の電極上方に形成された第二の電極と、前記第一の電極及び前記第二の電極間に形成された有機材料を含む光電変換層と、前記第一の電極、前記第二の電極、及び前記光電変換層を封止する封止層とを含む有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記光電変換層は、フラーレン又はフラーレン誘導体とp型有機半導体との混合層を含む非発光性層であり、
    基板上方に前記第一の電極を形成する第一の工程と、
    前記第一の電極の上方に前記光電変換層を形成する第二の工程と、
    前記光電変換層の上方に前記第二の電極を形成する第三の工程と、
    前記第二の電極の上方に前記封止層を形成する第四の工程とを備え、
    前記第二の工程〜前記第四の工程の各工程を真空下にて行い、
    前記第二の工程の終了後から前記第四の工程の開始までの間に、作製途中の前記有機光電変換素子を非真空下に置く第五の工程を備える有機光電変換素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記第五の工程における前記非真空下は、大気雰囲気下又はイナート雰囲気下である有機光電変換素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記第五の工程を、前記第二の工程と前記第三の工程の間と、前記第三の工程と前記第四の工程の間との両方にて行う有機光電変換素子の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記第五の工程を、前記第二の工程と前記第三の工程の間、又は、前記第三の工程と前記第四の工程の間に行う有機光電変換素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記第二の工程では、乾式成膜法により前記光電変換層を形成する有機光電変換素子の製造方法。
  6. 請求項5記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記第二の工程では、前記フラーレン又はフラーレン誘導体と前記p型有機半導体とを真空加熱蒸着により共蒸着して前記混合層を形成する有機光電変換素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記p型有機半導体は、下記一般式(1)で表される化合物である有機光電変換素子の製造方法。
    Figure 2012119652

    (式中、L、Lは、それぞれ独立に無置換メチン基若しくは置換メチン基を表す。nは0〜2の整数を表す。Arは、2価の置換アリーレン基、又は無置換アリーレン基を表す。Ar、Arは、それぞれ独立に、置換アリール基、無置換アリール基、置換アルキル基、無置換アルキル基、置換へテロアリール基、又は無置換ヘテロアリール基を表す。Ar、Ar、Arのうち隣接するものは互いに連結して環を形成しても良い。Lは、下記一般式(2)と結合する無置換メチン基若しくは置換メチン基、又は、下記一般式(3)で表される基を表す。
    Figure 2012119652

    (式中、Zは、Lと結合する炭素原子と該炭素原子に隣接するカルボニル基を含む環であって、5員環、6員環、又は、5員環及び6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。Xはヘテロ原子を表す。Zは、Xを含む環であって、5員環、6員環、7員環、又は、5員環及び6員環及び7員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L〜Lは、それぞれ独立に無置換メチン基若しくは置換メチン基を表す。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するものが互いに結合して環を形成してもよい。kは0〜2の整数を表す。一般式(2)中の*はLに結合する結合位置を表し、一般式(3)中の*はL又はArに結合する結合位置を表す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の有機光電変換素子であって、
    前記第五の工程では、前記作製途中の有機光電変換素子を1分以上前記非真空下に置く有機光電変換素子の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法であって、
    前記有機光電変換素子は、前記第一の電極と前記光電変換層との間に設けられる電子ブロッキング層を含み、
    前記第一の工程後、前記第二の工程の前に前記電子ブロッキング層を形成する工程を有する有機光電変換素子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法で製造された有機光電変換素子。
  11. 複数の請求項10記載の有機光電変換素子と、
    前記各有機光電変換素子の前記光電変換層で発生した電荷に応じた信号を読み出す信号読み出し回路が形成された回路基板とを備える撮像素子。
  12. 請求項11記載の撮像素子を備える撮像装置。
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