JP2012119626A - ロードロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を効率良く冷却して基板処理のスループットを高くすることができるロードロック装置を提供すること。
【解決手段】真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器31と、容器31内にパージガスを供給するパージガス供給機構48と、容器31内を排気する排気機構44と、容器31内が真空室5と連通した際に容器31内の圧力を真空室5に対応する圧力に調整し、容器31内が大気雰囲気の空間と連通した際に容器31内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構49と、容器31内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材32と、冷却部材32に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に設けられ、基板の輻射熱を吸収する吸熱層61とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば半導体ウエハ等の被処理基板に真空処理を施す真空処理装置に用いられるロードロック装置に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)に対し、成膜処理やエッチング処理等の真空雰囲気で行われる真空処理が多用されている。最近では、このような真空処理の効率化の観点、および酸化やコンタミネーション等の汚染を抑制する観点から、複数の真空処理ユニットを真空に保持される搬送室に連結し、この搬送室に設けられた搬送装置により各真空処理ユニットにウエハを搬送可能としたクラスターツール型のマルチチャンバタイプの真空処理システムが用いられている(例えば特許文献1)。
このようなマルチチャンバ処理システムにおいては、大気中に置かれているウエハカセットから真空に保持された搬送室へウエハを搬送するために、搬送室とウエハカセットとの間にロードロック装置(ロードロック室)を設け、このロードロック装置を介してウエハが搬送される。
ところで、このようなマルチチャンバ処理システムを成膜処理のような高温処理に適用する場合には、ウエハは例えば500℃程度の高温のまま真空処理ユニットから取り出され、ロードロック装置の容器内に搬送されるが、このような高温状態でウエハを大気に曝露するとウエハが酸化してしまう。また、このような高温のままウエハを収納容器に収納させると、通常樹脂製である収納容器が溶ける等の不都合が生じる。
このような不都合を回避するため、ロードロック装置の容器内にウエハを冷却する冷却機構を備えたクーリングプレートを配置し、ウエハをクーリングプレートに近接した状態でロードロック装置の容器内を真空から大気圧に戻す間にウエハを冷却することが行われている。
特開2000−208589号公報
上記のようなウエハ冷却の際に、ウエハが急激に冷却されるとウエハの表裏の熱膨張差に起因してウエハが反ってしまうため、高温のウエハがロードロック室に搬入された直後は、クーリングプレートの上方の離れた位置で待機するようにして、ウエハが反らない程度の冷却速度で冷却せざるを得ない。そのため、ウエハの冷却に長時間を要し、ロードロック室でのウエハの冷却時間が処理システム全体の処理を律速するため、スループットが低下してしまう。
一方、真空状態のロードロック装置の容器内に高温のウエハが搬入された後、ウエハを冷却しつつ、その中にNガス等のパージガスを導入してその中を大気雰囲気にするが、このパージガスは容器内のウエハから離れた位置から供給されるため、ウエハの冷却への寄与は必ずしも大きくない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、基板を効率良く冷却して基板処理のスループットを高くすることができるロードロック装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、前記容器内を排気する排気機構と、前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に設けられ、基板の輻射熱を吸収する吸熱層とを具備することを特徴とするロードロック装置を提供する。
本発明の第2の観点では、大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、前記容器内を排気する排気機構と、前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、前記パージガス供給機構により前記容器内に供給されたパージガスにより、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の表面に層流を形成する層流形成機構とを具備することを特徴とするロードロック装置を提供する。
本発明の第3の観点では、大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、前記容器内を排気する排気機構と、前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に設けられ、基板の輻射熱を吸収する吸熱層と
前記パージガス供給機構により前記容器内に供給されたパージガスにより、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の表面に層流を形成する層流形成機構とを具備することを特徴とするロードロック装置を提供する。
本発明によれば、冷却部材に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に、基板の輻射熱を吸収する吸熱層を設けたので、高温の基板を容器内に搬入した際に、基板からの輻射熱を有効に吸収することができる。このため基板を効果的に冷却することができ、基板の冷却時間を短縮することができる。
また、本発明によれば、パージガス供給機構により前記容器内に供給されたパージガスにより、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の表面に層流を形成する層流形成機構を設けたので、層流のパージガスによる強制対流伝熱により基板の冷却が促進され、基板の冷却時間を短縮することができる。
さらに、上記吸熱層および上記層流形成機構の両方を設けることにより、上記吸熱層では高温領域において輻射伝熱による冷却が促進され、400℃以下において、層流のパージガスの強制対流伝熱による冷却が促進され、基板の冷却時間を一層短縮することができる。
本発明の実施形態に係るロードロック装置が搭載されたマルチチャンバタイプの真空処理システムの概略構造を示す水平断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るロードロック装置を示す水平断面図である。 蓋体にも冷却媒体流路を設けたロードロック装置を示す垂直断面図である。 吸熱層を設けない従来の場合と、吸熱層を設けた第1の実施形態の場合とで、ウエハの冷却性を調査した結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置を示す水平断面図である。 ウエハ表面へのパージガス供給を行わない従来の場合と、ウエハ表面へのパージガス供給を行った第2の実施形態の場合とで、ウエハの冷却性を調査した結果を示す図である。 従来の容器底部のパージガス導入口からパージガスを導入した場合の対流伝熱の効果を把握した結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置の変形例を示す垂直断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置の変形例を示す水平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。 本発明の第4の実施形態と比較例とで、ウエハの冷却性を算出した結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
<本発明に係るロードロック室が適用される真空処理システム>
図1は、本発明の実施形態に係るロードロック装置が搭載されたマルチチャンバタイプの真空処理システムの概略構造を示す水平断面図である。
真空処理システムは、例えば成膜処理のような高温処理を行う4つの真空処理ユニット1、2、3、4を備えており、これらの各真空処理ユニット1〜4は六角形をなす搬送室5の4つの辺にそれぞれ対応して設けられている。また、搬送室5の他の2つの辺にはそれぞれ本実施形態に係るロードロック装置6、7が設けられている。これらロードロック装置6、7の搬送室5と反対側には搬入出室8が設けられており、搬入出室8のロードロック装置6、7と反対側には被処理基板としてのウエハWを収容可能な3つのキャリアCを取り付けるポート9、10、11が設けられている。真空処理ユニット1、2、3、4は、その中で処理プレート上に被処理体を載置した状態で所定の真空処理、例えばエッチングや成膜処理を行うようになっている。
真空処理ユニット1〜4は、同図に示すように、搬送室5の各辺にゲートバルブGを介して接続され、これらは対応するゲートバルブGを開放することにより搬送室5と連通され、対応するゲートバルブGを閉じることにより搬送室5から遮断される。また、ロードロック装置6,7は、搬送室5の残りの辺のそれぞれに、第1のゲートバルブG1を介して接続され、また、搬入出室8に第2のゲートバルブG2を介して接続されている。そして、ロードロック装置6,7は、第1のゲートバルブG1を開放することにより搬送室5に連通され、第1のゲートバルブG1を閉じることにより搬送室5から遮断される。また、第2のゲートバルブG2を開放することにより搬入出室8に連通され、第2のゲートバルブG2を閉じることにより搬入出室8から遮断される。
搬送室5内には、真空処理ユニット1〜4、ロードロック装置6,7に対して、ウエハWの搬入出を行う搬送装置12が設けられている。この搬送装置12は、搬送室5の略中央に配設されており、回転および伸縮可能な回転・伸縮部13と、その先端に設けられたウエハWを支持する2つの支持アーム14a,14bとを有しており、これら2つの支持アーム14a,14bは互いに反対方向を向くように回転・伸縮部13に取り付けられている。この搬送室5内は所定の真空度に保持されるようになっている。
搬入出室8のウエハ収納容器であるポート9,10、11にはそれぞれ図示しないシャッターが設けられており、これらポート9,10,11にウエハWを収容した、または空のフープFがステージSに直接取り付けられ、取り付けられた際にシャッターが外れて外気の侵入を防止しつつ搬入出室8と連通するようになっている。また、搬入出室8の側面にはアライメントチャンバ15が設けられており、そこでウエハWのアライメントが行われる。
搬入出室8内には、フープFに対するウエハWの搬入出およびロードロック装置6,7に対するウエハWの搬入出を行う搬送装置16が設けられている。この搬送装置16は、多関節アーム構造を有しており、フープFの配列方向に沿ってレール18上を走行可能となっていて、その先端の支持アーム17上にウエハWを載せてその搬送を行う。
この真空処理システムにおける各構成部、例えば、真空処理ユニット1〜4、搬送室5、ロードロック装置6,7におけるガス供給系や排気系、搬送装置12、16、ゲートバルブ等は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)を備えた制御部20により制御されるようになっている。制御部20は真空処理システムのプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や、入力手段およびディスプレイ等を備えており、選択されたプロセスレシピに従って真空処理システムを制御するようになっている。
以上のように構成される真空処理システムにおいては、搬送装置16により搬入出室8に接続されたフープFからウエハWを取り出し、ロードロック装置6(または7)の容器31(図2参照)に搬入する。このとき、ロードロック装置6の容器31内は大気雰囲気にされ、その後第2のゲートバルブG2が開放された状態でウエハWが搬入される。
そして、容器31内を搬送室5に対応する圧力になるまで真空排気し、第1のゲートバルブG1を開放して搬送装置12により容器31内からウエハWを受け取って、いずれかの真空処理ユニットのゲートバルブGを開いてその中にウエハWを搬入し、ウエハWに対して成膜等の高温での真空処理を行う。
真空処理が終了した時点で、ゲートバルブGを開放し、搬送装置12が対応する真空処理ユニットからウエハWを搬出し、第1のゲートバルブG1を開放してウエハWをロードロック装置6および7のいずれかの容器31内に搬入し、クーリングプレート32(図2参照)の冷却媒体流路55(図2参照)を通流する冷却媒体によりウエハWを冷却しつつ、容器31内にパージガスを導入し、その中を大気圧とする(ウエハ冷却期間)。そして、第2のゲートバルブG2を開け、搬送装置16により、フープFに処理後のウエハWを収納する。
なお、2つのロードロック装置6、7について、ロードロック装置6を搬入専用にし、ロードロック装置7を搬出専用にしてもよい。
<第1の実施形態に係るロードロック装置>
次に、本発明の第1の実施形態に係るロードロック装置について説明する。
図2は本発明の第1の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図、図3はその水平断面図である。本実施形態において、ロードロック装置6(7)は、容器31を有している。この容器31は、上部が開口した容器本体31aと、容器本体31aの上部開口を塞ぐ蓋体31bとを有している。容器31内の底部には、ウエハWが近接された状態で配置されてウエハWを冷却するクーリングプレート(冷却部材)32が設けられている。容器31およびクーリングプレート32は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている。
容器31の一方の側壁には真空に保持された搬送室5と連通可能な開口34が設けられており、これと対向する側壁には大気圧に保持された搬入出室8と連通可能な開口35が設けられている。そして、開口34は第1のゲートバルブG1により開閉可能となっており、開口35は第2のゲートバルブG2により開閉可能となっている。
容器31の底部には、容器31内を真空排気するための排気口36およびパージガス(例えばNガス)を導入するためのパージガス導入口37が設けられている。排気口36には排気管41が接続されており、この排気管41には、開閉バルブ42、排気速度調整バルブ43および真空ポンプ44が設けられている。また、パージガス導入口37には、パージガス供給配管45が接続されている。このパージガス供給配管45はパージガス源48から延びており、その途中には開閉バルブ46および流量調節バルブ47が設けられている。
そして、真空側の搬送室5との間でウエハWの搬送を行う場合には、開閉バルブ46を閉じ、開閉バルブ42を開けた状態として、排気速度調整バルブ43を調節して所定速度で真空ポンプ44により排気管41を介して容器31内を排気し、容器31内の圧力を搬送室5内の圧力に対応する圧力とし、その状態で第1のゲートバルブG1を開けて容器31と搬送室5との間を連通する。また、大気側の搬入出室8との間でウエハWの搬送を行う場合には、開閉バルブ42を閉じ、開閉バルブ46を開けた状態として、流量調節バルブ47を調節して容器31内にパージガス源48からパージガス供給配管45を介して窒素ガス等のパージガスを所定流量で容器31内に導入してその中の圧力を大気圧近傍にし、その状態で第2のゲートバルブG2を開けて容器31と搬入出室8との間を連通する。
容器31内の圧力は、圧力調整機構49により大気圧と所定の真空雰囲気との間で調整される。この圧力調整機構49は、圧力計59により測定された容器31内の圧力に基づいて、開閉バルブ42、排気速度調整バルブ43、流量調節バルブ47および開閉バルブ46を制御することにより容器31内の圧力を調整する。圧力調整機構49は上述の制御部20により制御される。
クーリングプレート32には、ウエハ搬送用の3本(図2では2本のみ図示)のウエハ昇降ピン50がクーリングプレート32の表面(上面)に対して突没可能に設けられ、これらウエハ昇降ピン50は支持板51に固定されている。そして、ウエハ昇降ピン50は、エアシリンダ等の駆動機構53によりロッド52を昇降させることにより、支持板51を介して昇降され、クーリングプレート32の表面(上面)から突出し、搬送室5における搬送装置12の支持アーム14aもしくは14b、または搬入出室8における搬送装置16の支持アーム17が容器31に挿入された際にこれらとの間でウエハWを受け渡しする受け渡し位置と、クーリングプレート32内に没し、ウエハWをクーリングプレート32の表面(上面)に近接させる冷却位置とをとることができるようになっている。クーリングプレート32の上面には、3個(図2では2個のみ図示)のウエハ支持ピン54が取り付けられており、これらウエハ支持ピン54により、冷却位置にあるウエハWがクーリングプレート32と僅かに離隔した位置(例えば0.3mm)に位置されるようになっている。これにより、ウエハW裏面へのパーティクルの付着を低減することができる。
クーリングプレート32内には、冷却媒体流路55が形成されており、この冷却媒体流路55には冷却媒体導入路56および冷却媒体排出路57が接続されていて、図示しない冷却媒体供給部から冷却水等の冷却媒体が通流されてクーリングプレート32に近接されたウエハWを冷却可能となっている。
クーリングプレート32の上面および蓋体31bの下面には、クーリングプレート32に載置されたウエハWに面するように、熱を吸収するための吸熱層61が形成されている。この吸熱層61は、高輻射率材料からなり、ウエハWからの輻射熱を効率良く吸収して、ウエハWの冷却効率を上昇させる。すなわち、物体の輻射率(放射率)は、吸収率と等しいので、高輻射率材料は効率良く熱を吸収することができる。この吸熱層61は、波長2〜4μmの赤外域で輻射率(放射率)が0.9以上であることが好ましい。このような材料としては、TiO、SiC、Al等のセラミックスや、炭素繊維を利用した繊維強化プラスチックス(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)等を挙げることができる。セラミックスは溶射により好適に形成することができ、TiOの溶射が好ましい。また、容器31およびクーリングプレート32がアルミニウム製の場合には、アルマイト処理(陽極酸化処理)により黒色アルマイト(Al)を形成することにより輻射率(放射率)0.9以上とすることができ、吸熱層61として適用可能である。なお、このような吸熱層61はクーリングプレート32の上面および蓋体31bの下面のいずれかに設けられていてもよい。
次に、本実施形態におけるロードロック装置6、7の動作について説明する。
まず、容器31内を大気雰囲気とし、次いで第2のゲートバルブG2を開放する。その後、ゲートバルブG2が開放された状態で、搬送装置16によりフープFから取り出されたウエハWを、容器31内に搬入する。
そして、ゲートバルブG2を閉じ、容器31内を搬送室5に対応する圧力になるまで真空排気し、次いで、第1のゲートバルブG1を開放して搬送装置12の支持アーム14aまたは14bにより容器31内からウエハWを搬出する。搬出されたウエハWは、いずれかの真空処理ユニットにより成膜等の高温での真空処理が行われる。
次いで、容器31内を搬送室5に対応する圧力に真空排気した後、第1のゲートバルブG1を開けて処理後の高温のウエハWを容器31内に搬入し、ウエハWを冷却するとともに容器31内にパージガスを導入して容器31内の圧力を大気圧に上昇させる。そして、容器31内が大気圧になりかつウエハWが100℃程度まで冷却された時点で、第2のゲートバルブG2を開けて容器31内のウエハWを搬送装置16の支持アーム17により取り出して所定のフープFに収容する。
しかし、ウエハWの冷却開始時には、容器31内が真空状態であり、しかもウエハWはクーリングプレート32および蓋体31bとは離隔しているため、ウエハWを対流や伝熱で冷却することはできず、専ら輻射(放射)によって冷却されることとなる。しかしながら、従来は、クーリングプレート32および蓋体31bとして輻射率(放射率)の低いアルミニウムを用いていたため、ウエハWからの放射熱を有効に吸収することができず、冷却速度が遅いという問題があった。
これに対し、本実施形態では、クーリングプレート32の上面、蓋体31bの下面に高輻射率材料からなる吸熱層61が形成されているので、ウエハWからの輻射熱を吸熱層61で有効に吸収することができ、かつ吸収された熱は、クーリングプレート32では冷却媒体流路55を通流する冷却媒体により放熱され、蓋体31bでは、空冷により放熱される。このため、冷却初期の高真空状態であってもウエハWを効果的に冷却することができ、ウエハWの冷却時間を短縮することができる。図4のように、蓋体31bにも冷却媒体流路65を設けて冷却媒体を通流させることにより、より効率良く放熱することができ、ウエハWを冷却する能力をより向上させることができる。
図5は、吸熱層61を設けない従来の場合と、吸熱層61を設けた本実施形態の場合とで、ウエハWの冷却性を調査したものであり、650℃程度の高温のウエハを冷却した場合を示す。この図に示すように、本実施形態の場合には、初期の段階において従来よりも温度低下が大きく、ウエハWの温度が取り出し可能な100℃になるまでの時間が36secから29secと7secも短縮されることが確認された。
<第2の実施形態に係るロードロック装置>
次に、本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置について説明する。
図6は本発明の第2の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図、図7はその水平断面図である。本実施形態では、パージガスの導入形態、および吸熱層61が設けられていない点が第1の実施形態とは異なっている。その他の構成は基本的に第1の実施形態と同様であるから、第1の実施形態と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、クーリングプレート32の周囲に複数(図7では8個)のパージガス吐出部70が設けられている。パージガス吐出部70は、ウエハWの表面にパージガスの層流を形成する層流形成機構として機能し、パージガス供給配管45に接続され、容器31の底部から上方に延びるパージガス導入管71と、パージガス導入管71から水平に延び、ウエハWの表面に向かってパージガスを吐出する上下2つのパージガス吐出ノズル72,73とを有している。パージガス吐出ノズル72,73からは、パージガスが層流状態でウエハWの表面に供給され、ウエハWを冷却することができるようになっている。上側のパージガス吐出ノズル72はパージガスをウエハWの中心部に向けて吐出するようになっており、下側のパージガス吐出ノズル73はパージガスをウエハWの端部に向けて吐出するようになっており、両者でコンダクタンスを変えた構造としている。そして、上側のパージガス吐出ノズル72は、パージガスをウエハWの中心部に供給可能なように、ノズルの吐出角を狭角として直進性の高い構造とし、下側のパージガス吐出ノズル73は、ノズルの吐出角を広角として幅広く対流させ得るようになっている。図示はしていないが、これら複数のパージガス吐出部70に加えて、第1の実施形態と同様、容器31の底部にパージガス導入口が形成されており、そこからもパージガスを導入することができるようになっている。
なお、クーリングプレート32の直上領域はウエハの搬入出に使用するため、パージガス吐出部70はクーリングプレート32の外側に、ウエハWの搬入出の妨げにならないように配置されている。また、ウエハWの搬入出の際に、パージガス吐出部70が妨げにならないように、ウエハ昇降ピン50のストロークを大きくして、ウエハWを上側のパージガス吐出ノズル72の配置位置の上方位置に上昇させることができるようになっている。そして、開口34、35の高さ位置は、パージガス吐出ノズル72の配置位置の上方位置に対応した位置となっている。
このような構成によれば、処理後の高温のウエハWを搬入してウエハを冷却しつつ大気雰囲気に戻す際に、容器31の底部からのパージガス導入に加えて、複数のパージガス吐出部70のパージガス吐出ノズル72、73からウエハWの表面にパージガスを供給し、ウエハWの表面に強制的にパージガスの層流を形成されるため、強制対流伝熱によりウエハWの冷却を促進することができる。このため、ウエハWの冷却時間を短縮することができる。この対流伝熱による冷却は、ウエハ温度が400℃以下において有効である。
従来の装置においても、容器内を大気圧にするためにパージガスを導入していたため、パージガスによりウエハが冷却されるが、パージガスは容器内のウエハから離れた位置から供給されるため、ウエハの冷却への寄与は必ずしも大きくない。これに対し、本実施形態では、ウエハW表面にパージガスを直接供給し、ウエハW表面に層流を形成するようにしてパージガスを導入するので、強制対流伝熱により極めて効果的にウエハWを冷却できるようになる。
計算結果に基づけば、本実施形態において、ウエハWを100℃程度に冷却するまでの時間を短縮する効果(2sec以上短縮)を有効に発揮するためには、パージガス流量を10slm以上にすることが好ましい。また、パージガス流量を50slmとした場合に効率的にウエハWを冷却するためには、ウエハ面より0.8mm以下にパージガス(Nガス)を対流させることが好ましい。
図8は、パージガスを容器底部の同様容器31の底部に形成されたパージガス導入口からのみ供給した従来の場合と、ウエハ表面へのパージガス供給(流量:50slm)を追加した本実施形態の場合とで、ウエハWの冷却性を調査したものであり、700℃程度の高温のウエハを冷却した場合のウエハの温度変化を示す。この図に示すように、本実施形態の場合には、ウエハ温度が250℃付近になった段階から従来よりも温度低下が大きくなり、ウエハWの温度が取り出し可能な100℃になるまでの時間が36secから31secと5secも短縮されることが確認された。
次に、従来の容器底部のパージガス導入口からパージガスを導入した場合の対流伝熱の効果を把握した。図9の(a)は計算により求めた結果、図9の(b)は実測データである。(b)の実測データは容器内圧力を大気圧とし、パージガスとしてNを用い、Nパージがない場合と、Nガス流量を12slmでパージした場合とでウエハの冷却特性を比較したものである。図9の(a)の算出条件は、容器内圧力を大気圧とし、Nパージがある場合とない場合について、N流量と熱伝達率を、実測データを元に、算出結果のクーリング率が実測データと近くなるように、特に70℃までのクーリング時間が近くなるように設定したものである。図9の(a)の算出結果より、実測データと同一結果になるように熱伝達率を設定すると、Nパージ量が66slmとなった。つまり、従来のように、単に容器底部のパージガス導入口からパージガスを導入する場合には、パージガス流量が12slmであっても、実際に冷却に寄与しているのは5%程度であり、パージガスによる冷却効率は極めて低いことがわかる。この結果から、本実施形態のようにウエハ表面に直接パージガスを供給する効果を理解することができる。
このようにウエハ表面に直接に層流を形成する手法としては、図6の構成に限るものではなく、例えば図10、11に示すように、ウエハWの一方側に幅方向が長いパージガス供給ノズル81を配置し、ウエハWの他方側に、ウエハWを挟んで対向するように、パージガス供給ノズル81と対応する幅の長さを有するパージガス吸引部材82を設け、パージガス供給ノズル81からパージガス吸引部材82に向かう一方向の層流をウエハWの表面に形成してもよい。本例では、パージガス供給ノズル81とパージガス吸引部材82がウエハWの表面にパージガスの層流を形成する層流形成機構として機能する。
具体的には、パージガス供給配管45に、容器31の底部から上方に延びるパージガス供給部材83を接続し、このパージガス供給部材83にパージガス供給ノズル81を接続する。また、排気管41に容器31の底部から上方に延びる排気部材84を接続し、この排気部材84にパージガス吸引部材82を接続する。そして、パージガス源48からパージガス供給配管45、パージガス供給部材83、パージガス供給ノズル81を介してパージガスがウエハWの表面に沿って吐出され、吐出されたパージガスは真空ポンプ44により、パージガス吸引部材82から吸引され、吸引されたパージガスは排気部材84および排気管41を経て排出される。パージガス供給ノズル81からパージガス吸引部材82に向かうパージガス流路の直上に整流板85が配置されている。これにより、パージガス供給ノズル81からパージガス吸引部材82に向かう一方向の層流をウエハWの表面に形成することができる。このようにウエハWの全面に一方向の層流が形成されるので、理想的な対流伝熱を実現することができ、ウエハWの冷却効率をより高めることができる。なお、整流板85が存在しなくても一方向層流が得られるが、整流板85があったほうが層流を形成しやすい。
このロードロック装置においても、パージガス供給ノズル81の他、容器31の底部にパージガス導入口(図示せず)が形成されており、そこからもパージガスを導入することができるようになっている。
<第3の実施形態に係るロードロック装置>
次に、本発明の第3の実施形態に係るロードロック装置について説明する。
図12は本発明の第3の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。本実施形態のロードロック装置は、上記第1の実施形態および第2の実施形態の特徴を両方兼ね備えたものである。すなわち、図6に示した層流形成機構を有する第2の実施形態に係るロードロック装置のクーリングプレート32の上面および蓋体31bの下面に第1の実施形態において用いた吸熱層61を形成している。なお、吸熱層61はクーリングプレート32の上面および蓋体31bの下面のいずれかに設けられていてもよい。
このような構成によれば、容器31内に高温のウエハWが搬入された後、ウエハWを冷却しつつ容器31内を大気圧に戻す過程において、初期のウエハ温度が高い領域では、吸熱層61によりウエハWからの輻射熱を有効に吸収し、かつ冷却媒体流路55を通流する冷却媒体および空冷により放熱されるのでウエハWを効果的に冷却することができ、温度が400℃以下では、層流形成機構としての複数のパージガス吐出部70により、ウエハWの表面にパージガスの層流が形成されて、これによりウエハWを有効に冷却することができる。このため、これら2つの効果によりウエハWの冷却効果をより高めることができ、ウエハWの冷却時間を一層短縮することができる。
<第4の実施形態に係るロードロック装置>
次に、本発明の第4の実施形態に係るロードロック装置について説明する。
図13は本発明の第4の実施形態に係るロードロック装置を示す垂直断面図である。第1〜第3の実施形態では枚葉式のロードロック装置を示したが、本実施形態では複数のウエハに対応するバッチ式のロードロック装置を示す。
本実施形態においては、複数枚の処理を行う関係上、ウエハを収容する容器およびその内部構造が第1の実施形態とは異なっているが、パージガスを供給するパージガス供給系、排気系、制御系等は第1の実施形態とは同様であるから、第1の実施形態と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のロードロック装置6(7)は、複数(本例では4枚)のウエハWを収容する容器131を有している。容器131には搬送室5および搬入出室8と連通可能な2つの開口を有しており(いずれも図示せず)、その中にはウエハWを冷却するための、5つのクーリングプレート132が水平に、かつ鉛直方向に積層して等間隔で配置されている。
そして、上から2番目から最下段までの4つのクーリングプレート132の上面には、3個(図2では2個のみ図示)のウエハ支持ピン154が取り付けられており、これらウエハ支持ピン154により、ウエハWがクーリングプレート132と僅かに離隔した位置(例えば0.3mm)に位置されるようになっている。また、これら4つのクーリングプレート132には、それぞれウエハ搬送用の3本(図2では2本のみ図示)のウエハ昇降ピン150がクーリングプレート132の上面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ昇降ピン150は水平に配置された支持板151に固定されている。そして、これら支持板151は鉛直方向に延びる昇降ロッド152に固定されている。昇降ロッド152は、容器131の下方まで延び、容器131の下方に設けられた、エアシリンダ等の駆動機構153により昇降可能となっており、この駆動機構153により昇降ロッド152を昇降させることにより、支持板151を介して昇降ピン150が昇降され、昇降ピン150が上昇した状態でウエハWの搬送が行われるようになっている。また、最上段のクーリングプレート132にはウエハ支持ピン154および昇降ピン150が設けられていない。
各クーリングプレート132は、円環状の冷却部材155に嵌め込まれており、これら冷却部材155は鉛直に延びる冷却ロッド156に支持されている。冷却ロッド156は、容器131の下方まで延び、容器131の下方に設けられたチラー157により冷却されるようになっている。冷却部材155および冷却ロッド156は熱伝導性の高い金属からなっている。そして、チラー157により冷却ロッド156および冷却部材155を介してクーリングプレート132が冷却されるようになっている。
最上段のクーリングプレート132の下面、2段目から4段目までのクーリングプレート132の両面、最下段のクーリングプレート132の上面には、2段目から4段目のクーリングプレート132に面するように配置された4枚のウエハWの上下面に面するように、熱を吸収するための吸熱層161が形成されている。この吸熱層161は、第1の実施形態の吸熱層61と同様の材料で形成されており、同様の機能を有する。
容器131の一方の側壁に、パージガス供給配管45に連続するように鉛直方向に延びるパージガス流路170が設けられており、このパージガス流路170の各ウエハWの表面に対応する位置から水平方向に延びる幅広のパージガス吐出口171が形成されている。一方、パージガス吐出口171が形成された側壁と対向する側壁には、パージガス吐出口171に対応する位置に幅広のパージガス吸引口172が形成されており、これらパージガス吸引口172は、当該側壁内を鉛直方向に延びる排気流路173に接続されている。この排気流路173は排気管41に接続されている。そして、パージガス源48からパージガス供給配管45、パージガス流路170、パージガス吐出口171を介してパージガスがウエハWの表面に沿って吐出され、吐出されたパージガスは真空ポンプ44により、パージガス吸引口172から吸引され、吸引されたパージガスは排気流路173および排気管41を経て排出される。これにより、パージガス吐出口171からパージガス吸引口172に向かう一方向の層流をウエハWの表面に形成することができる。
また、図示はしていないが、パージガス吐出口171の他、容器131の底部にパージガス導入口(図示せず)が形成されており、そこからもパージガスを導入することができるようになっている。
このような構成によれば、処理後の高温のウエハWを複数枚搬入してウエハを冷却しつつ大気雰囲気に戻す際に、容器131内に収容された複数のウエハWの上面側および下面側に、高輻射率材料からなる吸熱層161が形成されているので、ウエハWからの輻射熱を吸熱層161で有効に吸収することができ、かつ吸収された熱は、クーリングプレート132の冷却部材155、冷却ロッド156を介してチラー157に放熱される。このため、冷却初期の高真空状態においてウエハWを効果的に冷却することができる。
また、容器131の底部からのパージガス導入に加えて、パージガス吐出口171からパージガスを導入してパージガス吸引口172に向かうパージガスの流れを形成することによってウエハWの表面には一方向層流が形成されるので、強制対流伝熱によりウエハWの冷却を促進することができる。
このため、容器131内に配置された複数のウエハWを効果的に冷却することができ、ウエハWの冷却時間を短縮することができる。このようなバッチ式のロードロック装置の場合には、容器の容積が大きくなるため、従来の枚葉式ロードロック装置と同様の構成をとった場合には、ウエハの冷却時間が著しく長くなり、このような高温ウエハの処理には適用が困難であったが、本実施例のような構成によりトータル処理時間を枚葉式ロードロック装置と同等に短縮することが可能となる。
なお、上記例では、吸熱層161による冷却促進と、ウエハW表面にパージガスの層流を形成することによる冷却促進の両方を行う構成としたが、いずれか一方であってもよい。また、吸熱層161はウエハの両側に限らず、いずれか一方側に設けてもよい。さらに、収容するウエハの枚数は4枚に限るものではない。さらにまた、層流形成機構としては上記のような一方向層流を形成するものに限らず、ウエハWの周囲にパージガス吐出部を設けた構成であってもよい。
図14は、バッチ式のロードロック装置において、吸熱層形成も層流を形成するパージガス供給(層流パージ)も行わない比較例の場合、吸熱層形成のみを行う場合、層流パージのみを行う場合、および吸熱層形成および層流パージの両方を行う場合について、ならびに従来の枚葉式ロードロック装置について、冷却時間を算出した結果を示す図である。
算出の前提となる条件は以下のようにした。
・初期ウエハ温度:700℃
・バッチ式容器体積:枚葉式の容器体積の10倍
・吸熱層:輻射率ε=0.95(吸熱層がない場合ε=0.05)
図14に示すように、吸熱層形成も層流パージも行わない従来の場合には、70℃まで冷却するのに1179secもかかるが、吸熱層を付加することにより191secとなり、著しく冷却時間を短縮することができる。また、層流パージを付加することにより250secとなり、層流パージによっても著しい冷却時間の短縮が実現される。また吸熱層形成と層流パージの両方を行うことにより144secとなり、一層冷却時間を短縮することができる。
ウエハ1枚あたりのフープ側の入れ替え時間を7sec、搬送室側の入れ替え時間を13secとすると、従来のバッチ式の場合には、枚葉式と同等以上のスループットを得るためには、ウエハ枚数を28枚以上とする必要があり、実用装置として適用が困難であるのに対し、吸熱層を付加することにより5枚以上、層流パージを付加することにより6枚以上、吸熱層形成と層流パージの両方を行うことにより4枚以上となり、十分に実用装置として適用可能なレベルとなる。
<他の適用>
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態ではクーリングプレートに近接するように基板を配置したが、クーリングプレートに載置するようにしてもよい。また、上記実施形態では、真空処理ユニットを4つ、ロードロック装置を2つ設けたマルチチャンバタイプの真空処理システムを例にとって説明したが、これらの数に限定されるものではない。さらに、本発明のロードロック装置は、このようなマルチチャンバタイプの真空処理装置に限らず、真空処理ユニットが1個のシステムであっても適用可能である。さらにまた、被処理基板についても、半導体ウエハに限らず、FPD用ガラス基板などの他の基板を対象にすることができることはいうまでもない。
1〜4;真空処理ユニット
5;搬送室
6,7;ロードロック装置
8;搬入出室
12,16;搬送装置
20:制御部
31,131:容器
32,132:クーリングプレート(冷却部材)
36;排気口
37;パージガス導入口
44;真空ポンプ
48;パージガス源
49;圧力調整機構
54;ウエハ支持ピン
55;冷却媒体流路
61,161:吸熱層
70;パージガス吐出部
72,73:パージガス吐出ノズル
81;パージガス供給ノズル
82;パージガス吸引部材
155;冷却部材
156;冷却ロッド
157;チラー
170;パージガス流路
171;パージガス吐出口
172;パージガス吸引口
173;排気流路
W;半導体ウエハ

Claims (11)

  1. 大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、
    真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、
    前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、
    前記容器内を排気する排気機構と、
    前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、
    冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、
    前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に設けられ、基板の輻射熱を吸収する吸熱層と
    を具備することを特徴とするロードロック装置。
  2. 大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、
    真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、
    前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、
    前記容器内を排気する排気機構と、
    前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、
    冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、
    前記パージガス供給機構により前記容器内に供給されたパージガスにより、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の表面に層流を形成する層流形成機構と
    を具備することを特徴とするロードロック装置。
  3. 大気雰囲気から真空に保持された真空室へ基板を搬送し、前記真空室から高温の基板を前記大気雰囲気に搬送する際に用いられるロードロック装置であって、
    真空室に対応する圧力と大気圧との間で圧力を変動可能に設けられた容器と、
    前記容器内にパージガスを供給するパージガス供給機構と、
    前記容器内を排気する排気機構と、
    前記パージガス供給機構と前記排気機構を制御することにより、前記容器内が前記真空室と連通した際に前記容器内の圧力を前記真空室に対応する圧力に調整し、前記容器内が前記大気雰囲気の空間と連通した際に前記容器内の圧力を大気圧に調整する圧力調整機構と、
    冷却機構を有し、前記容器内に設けられ、基板が近接配置されまたは載置されて基板を冷却する冷却部材と、
    前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板に対向する位置に設けられ、基板の輻射熱を吸収する吸熱層と
    前記パージガス供給機構により前記容器内に供給されたパージガスにより、前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の表面に層流を形成する層流形成機構と
    を具備することを特徴とするロードロック装置。
  4. 前記吸熱層は、輻射率が0.9以上であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のロードロック装置。
  5. 前記吸熱層は、TiOの溶射により形成されていることを特徴とする請求項4に記載のロードロック装置。
  6. 前記吸熱層は、アルミニウム製部材の表面をアルマイト処理して形成された皮膜であることを特徴とする請求項4に記載のロードロック装置。
  7. 前記吸熱層は、前記冷却部材の上面および/または前記冷却部材に近接配置されまたは載置された基板の上方にある部材の下面に設けられていることを特徴とする請求項1および請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のロードロック装置。
  8. 前記層流形成機構は、前記冷却部材に近接配置されまたは載置される基板の周囲に複数配置され、基板の表面に向けてパージガスを吐出するパージガス吐出部を有していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロードロック装置。
  9. 前記層流形成機構は、前記冷却部材に近接配置されまたは載置される基板の一方側から基板表面に沿ってパージガスを供給するパージガス供給部と、基板の反対側に設けられ、前記パージガス供給部からのパージガスを吸引するパージガス吸引部とを有し、基板の表面に一方向に流れる層流を形成することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロードロック装置。
  10. 前記容器内に一枚の基板を収容する枚葉式であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のロードロック装置。
  11. 前記容器内に複数枚の基板を収容するバッチ式であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のロードロック装置。
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