JP2012119424A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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一洋 大西
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Abstract

【課題】ウエーハ面内のブレークダウン電圧のばらつきを低減するとともに、過渡電圧に対する防護電圧の向上を図ることの可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】少なくとも表面が第1導電型を有する半導体基板(N型シリコン基板1)と、前記半導体基板表面に形成され、前記半導体基板表面と同一導電型である第1導電型を有する複数のエピタキシャル層と、前記エピタキシャル層のうち最表面のエピタキシャル層内に形成された第2導電型を有する環状の第1の拡散領域4と、前記環状の第1の拡散領域4内に形成され、前記環状の第1の拡散領域4よりも浅い、第2導電型を有する第2の拡散領域5と、前記環状の第1の拡散領域4よりも深い、第1導電型を有する第3の拡散領域3と、を具備し、前記第2の拡散領域5は、前記第3の拡散領域3表面の導電型が反転する拡散により形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に係り、特に耐圧特性の改善に関するものである。
従来、定電圧ダイオードとしてはガードリング構造を有するものが提案されている。従来の定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)について図7を参照して説明する。N型シリコン基板101の一主面(表面)の表面層に不純物としてホウ素のイオン注入および熱拡散により選択的に、P型のガードリング領域104と、ガードリング領域104に取囲まれたシリコン基板101の表面層およびガードリング領域104内周側の表面層にP型ベース領域103とが形成されている。このP型ベース領域103とシリコン基板101とによるPN接合J1は、PN接合面がシリコン基板101の主面に平行な平面となっている。シリコン基板101表面には、ガードリング領域104外周側の表面からチップ外周に向かってフィールド酸化膜(シリコン酸化膜)107が形成されている。そして、フィールド酸化膜107の開口からベース領域103の表面にアノード端子に接続される金属からなるアノード電極108が電気的接触して設けられている。また、シリコン基板101の他主面(裏面)の表面にカソード端子に接続される金属からなるカソード電極109が電気的に接触して設けられている。
ところで、半導体装置にとって、静電気放電(Electrostatic Discharge:以下、ESDと記す)は、半導体装置の破壊や損傷を引き起こし、半導体装置の信頼性を左右する重要な要因である。上述したような定電圧ダイオードをESDから保護するために定電圧ダイオード自体のESD耐量を向上させるには、PN接合J1の面積を大きくする必要がある。しかしながら、デバイスの高機能化が進むに伴い、チップ面積の低減が求められている。このため、チップ面積を大きくするのは困難であり、定電圧ダイオード自体のESD耐量を向上することが困難であった。
そこで、ガードリング領域104に囲まれた領域にU型の断面形状で、リング状の溝を形成した構造が提案されている(特許文献1)。
この構造の場合、図7に示すように、N型シリコン基板101の表面に環状の深いP型ガードリング領域104を形成し、このP型ガードリング領域104に囲まれた面に浅いP型ベース領域103が形成されている。従ってN型シリコン基板101とこの深いP型ガードリング領域104とのPN接合による耐圧は、このP型ガードリング領域104に囲まれた浅いP型ベース領域103とN型シリコン基板101とのPN接合による耐圧よりも高い。
よってこのツェナーダイオードとしての耐圧は、P型ガードリング領域104に囲まれた浅いP型ベース領域103とN型シリコン基板101とのPN接合が先にブレークダウンを起こす。これによりツェナーダイオードの耐圧が決まることになる。
特開2003−249663号公報
このように、ひとつのダイオードとしてみた場合の耐圧は、主接合である、P型ガードリング領域104に囲まれた浅いP型ベース領域103とN型シリコン基板101とのPN接合で支配される。このためN型シリコン基板101の不純物濃度のばらつきに起因する比抵抗のばらつきが問題となる。すなわち、N型シリコン基板101面内比抵抗のばらつき、N型シリコン基板101の製造ロット毎のN型シリコンウェハ素材比抵抗のばらつきが、そのままブレークダウン電圧に影響し、拡散プロセスでは回避できないという問題があった。
これに対し、一般にツェナーダイオードはブレークダウン電圧の上限値と下限値が設定されている。
このため、N型シリコン基板101面内あるいは、N型シリコン基板101の製造ロット毎のN型シリコンウェハ素材の比抵抗のばらつきがブレークダウン電圧のばらつきを招く結果となっていた。
従って、従来のツェナーダイオードはブレークダウン電圧のばらつきを免れ得ないことから、ブレークダウン電圧の設定された上限値と下限値から逸脱し易く、不良となって歩留まりが低下する。
また、たとえば静電気などにより過渡的に高電圧が印加された場合、主接合面が発熱し、ある温度を超えると、永久破壊が生じ、ショート状態にいたるなど、信頼性低下の原因となっていた。
以上のように、ツェナー電圧の規格範囲は非常に狭く厳密であることから、ウエーハ面内、ウエーハ間および製造ロット間でのツェナー電圧にばらつきがあると、必要なツェナー電圧を持った半導体装置の抽出は数量的に低くなり、その結果、歩留りが低下し、製造上の課題となりうる。
即ち、エピタキシャル層の濃度コントロールは難しく限界に近いものである。このように、エピタキシャル層の濃度ばらつきによりツェナー電圧も比例して大きくばらつき、そのため、必要なツェナー電圧を高歩留りで得ることは困難であるという課題があった。
また、静電気などの過渡電圧に対する防護電圧が低いという問題があった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、ウエーハ面内のブレークダウン電圧のばらつきを低減するとともに、過渡電圧に対する防護電圧の向上を図ることの可能な半導体装置を提供することを目的とする。
そこで本発明の半導体装置は、少なくとも表面が第1導電型を有する半導体基板と、前記半導体基板表面に形成され、前記半導体基板表面と同一導電型である第1導電型を有する複数のエピタキシャル層と、前記エピタキシャル層のうち最表面のエピタキシャル層内に形成された第2導電型を有する環状の第1の拡散領域と、前記環状の第1の拡散領域で囲まれた領域内に形成され、前記環状の第1の拡散領域よりも浅い、第2導電型を有する第2の拡散領域と、前記環状の第1の拡散領域よりも深い、第1導電型を有する第3の拡散領域と、を具備し、前記第2の拡散領域は、前記第3の拡散領域表面の、導電型が反転する拡散により形成されたことを特徴とする。
また本発明は、上記半導体装置であって、前記第2および第3の拡散領域間に形成される主接合部でブレークダウンした時の空乏層の終端部は少なくとも最表面の第1導電型のエピタキシャル層内部に形成された前記第3の拡散領域内部であることを特徴とする。
また本発明は、上記半導体装置であって、前記最表面のエピタキシャル層よりも、前記半導体基板と最表面のエピタキシャル層で挟まれた中間のエピタキシャル層の比抵抗が高いことを特徴とする。
また本発明は、上記半導体装置であって、前記中間のエピタキシャル層の内、前記半導体基板との界面での比抵抗が最も高いことを特徴とする。
また本発明の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面が第1導電型である半導体基板表面に、前記半導体基板表面と同一導電型である第1導電型を有する複数のエピタキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層のうち最表面のエピタキシャル層内に第2導電型を有する環状の第1の拡散領域を形成する工程と、前記環状の第1の拡散領域内に、前記環状の第1の拡散領域よりも深い、第1導電型を有する第3の拡散領域を形成する工程と、前記第3の拡散領域表面に、導電型の反転により、前記環状の第1の拡散領域よりも浅い、第2導電型を有する第2の拡散領域を形成する工程とを有することを特徴とする。
ここで主接合部とは、最表面の第1導電型のエピタキシャル層内部に形成された第1導電型の第2の拡散領域と第2導電型を有する第3の拡散領域との接合部とする。
また、副接合部とは、最表面の第1導電型のエピタキシャル層内部に形成された第2導電型を有する第1拡散領域と最表面のN型エピタキシャル層との接合部とする。
ここでは、主接合部のブレークダウン電圧は、接合部のブレークダウン電圧より低いことを特徴とする。
以上説明してきたように、本発明の半導体装置によれば、浅い第2導電型を有する第2の拡散領域(であるP−型拡散層)と、第1導電型を有する第3の拡散領域(N型拡散層)との主接合による耐圧は、第1導電型を有する環状の第1の拡散領域(P型拡散層)と最表面にある(エピタキシャル層)による副接合による耐圧よりも低いため、この主接合による耐圧が降伏電圧として得られる。
また、主接合領域におけるブレークダウン時の空乏層終端部は、周知である高精度制御が可能なイオン注入や不純物拡散で形成された(N型の拡散層、すなわち)第3の拡散領域内に設けている。これに対し、従来構造では第1導電型(であるN型)の半導体基板内まで伸びていた。
これに対し本発明の構成によれば、ブレークダウン電圧は、半導体基板すなわちウエーハの比抵抗(不純物濃度)のばらつきによる影響は受けなくなり、精密に制御された拡散プロセスによる均一接合層を得ることができる。このようにして、素材ウエーハから均一な降伏電圧が得られる結果、耐圧のばらつきが低減され、製造上の歩留まりが向上することが出来る。
また、複数に積層された第1導電型(例えばN型の)エピタキシャル層の内、最表面に配置したエピタキシャル層とN型半導体基板の中間の位置に配置した(N型の)エピタキシャル層の比抵抗は、主たる接合部がある最表面のエピタキシャル層の比抵抗よりも高くするのが望ましい。
この構成によれば、誘導雷サージや静電サージが印加されても、その発熱は、主接合部、副接合部よりも、複数のN型のエピタキシャル層の抵抗成分の方が高いのでこの領域での発熱が高くなり、主接合領域での破壊すなわち、ホットスポットによる永久破壊等の発生は低くなる。
さらにまた、発熱点は、半導体基板により近いため、発熱はリードフレームを介してプリント配線基板などの実装基板や外部放熱板に吸収されて、半導体チップ全体としてより発熱による熱が吸収されにくくなる。
以上のことから、本発明の半導体装置としての信頼性は向上する。
本発明の実施の形態1における半導体装置を示す断面図 本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図 本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図 本発明の実施の形態1における半導体装置を示す断面図 本発明の実施の形態2における半導体装置を示す断面図 本発明の実施の形態3における半導体装置を示す断面図 従来の半導体装置の断面図 本発明の実施の形態における半導体装置と従来例の半導体装置のVzの面内分布を示す比較図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置の断面図、図2(a)乃至(d)、図3(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)はこの半導体装置の製造工程を示す図である。図2乃至図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
この半導体装置は、
(1)主接合部を、表面の浅い第2導電型の第2の拡散領域であるP型高濃度拡散領域5が、第3の拡散領域であるN型拡散領域3の表面の導電型を反転させることで形成したことで形成したPN接合で構成し、濃度ばらつきの低減を図るようにした
(2)第2および第3の拡散領域間に形成される主接合部でブレークダウンした時の空乏層の終端部が最表面の第1導電型のエピタキシャル層2内部に形成されたガードリングを構成するN型拡散領域(第3の拡散領域)内部である
(3)第1導電型のエピタキシャル層であるN型エピタキシャル層(2,6)の内、第1導電型の半導体基板であるNシリコン基板1との界面に位置するN型エピタキシャル層6の比抵抗が最も高い
ことを特徴とするものである。
すなわち、第1導電型のN型シリコン基板1の表面に第1導電型の半導体層としてN型エピタキシャル層6とN型エピタキシャル層2を順次形成してなるもので、このN型エピタキシャル層2表面に、第3の拡散領域としてN型拡散領域3を形成するとともに、このN型拡散領域3上に導電型の反転により形成した第2の拡散領域としてのP型高濃度拡散領域5を具備し、このP型高濃度拡散領域5が、前記N型拡散領域3とPN接合を形成し、主接合部を形成している。そしてこの主接合部を取り囲む環状の第1の拡散領域4として、P型拡散領域からなるリング状のガードリング4を具備している。また表面にはアルミニウム薄膜からなるアノード電極8が形成され、その上層に窒化シリコン膜からなる保護膜11が形成されている。
そしてN型エピタキシャル層2は、表面にP型拡散領域からなるガードリング4の周縁部に自己整合するように開口をもつ絶縁層7を有している。P型高濃度拡散領域5はN型拡散領域3の上部の導電型を反転して形成された反転領域となっている。そして、P型高濃度拡散領域5とガードリング4とは同一の不純物導入領域で構成されるが、反転による濃度差により、P型高濃度拡散領域5がN型拡散領域3との重なりにより形成される主接合部は、その周辺部のガードリング4とN型エピタキシャル層2とで形成される副接合部の耐圧よりも低い電圧で降伏するように形成される。このP型高濃度拡散領域5は極めて高濃度で浅い拡散領域を構成している。
ここで、1はN+(+)型のシリコン基板(半導体基板)であって、N型エピタキシャル層2は濃度1E14〜5E17cm-3、厚み1〜40μmのエピタキシャル層である。絶縁層7は、SiO膜やナイトライド膜などのCVD膜で構成してもよい。第3の拡散領域としてのN型拡散領域3は、リン不純物をイオン注入とドライブ拡散で濃度1E18〜1E20cm-3としたものである。また、第2の拡散領域としてのP型高濃度拡散領域5はガードリング4を形成後に形成されるが、いずれも、ボロン不純物をイオン注入法で注入し、所定の条件のドライブイン拡散でそれぞれ一定の濃度と深さを正確に得るようにして形成される。P型高濃度拡散領域5およびガードリング4はそれぞれ、濃度1E18〜1E21cm-3、深さ500nm、濃度1E18〜1E21cm-3、深さ1μmである。
また、ガードリング4およびP型高濃度拡散領域5は、あらかじめ、N型拡散領域3形成時に大きめの開口部Oを形成しておき、レジストパターンを追加してマスクとしつつ形成される。このようにして、基板表面のエッチングによるリセスの形成を回避し、表面段差のない状態でイオン注入を行うようにしているため、シリコン表面の電界を緩和させる事で、ガードリング4とN-型エピタキシャル層6との接合部である副接合部による耐圧(以下周辺電圧と呼ぶ)は、より高耐圧となる様に配置されている。
10はN型拡散領域からなるチャネルストッパーで終端部に配置されている。
次に、この半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、厚さ0.080から0.15mmのN+(+)型シリコン基板1の表面にN型エピタキシャル層6、N型エピタキシャル層2を形成し、N/N/Nエピタキシャルウェハを得る。このときのN型エピタキシャル層6は厚さ10〜20μm、厚さ公差3%、比抵抗5.000から20.00オーム、抵抗公差5%であった。N型エピタキシャル層2は厚さ5〜10μm、厚さ公差3%、比抵抗1.000から5.00オーム、抵抗公差5%であった。
そして、図2(b)に示すように、熱酸化により、表面に酸化シリコン膜からなる絶縁層7を形成し、図2(c)に示すように、フォトリソグラフィにより所定の位置に開口部Oを形成する。
こののち、図2(d)に示すように、LOCOSにより、開口部Oに露呈するN型エピタキシャル層2の表面に絶縁層7sとしての酸化シリコン膜を形成する。
そして、図3(a)に示すように、この絶縁層7の上層にフォトレジストを塗布し、この開口部Oよりも小さい開口をもつようにレジストパターンR1を形成する。
このレジストパターンR1をマスクとして、図3(b)に示すように、リンイオンのイオン注入とドライブ拡散でほぼ1E18〜1E20cm-3の濃度を得る。そしてレジストパターンR1を除去し、比抵抗の低いN型拡散領域3を形成する。
このN型拡散領域3の濃度は、N型エピタキシャル層2の比抵抗よりも十分低くなるように形成されており、このためN型エピタキシャル層2の持っている比抵抗のばらつきは影響されないものとする。
そして、図3(c)に示すように、再度絶縁層7の上層にフォトレジストを塗布し、前記開口部Oと同程度の開口をもつようにレジストパターンR2を形成する。
そして、このレジストパターンR2をマスクとして、N型拡散領域3の周りにリング状をなすように、N型拡散領域3とP型高濃度拡散領域5との界面に形成される主接合部よりも深く、ボロンイオンのイオン注入とドライブ拡散でボロンのイオン注入と窒素雰囲気中でのドライブ拡散でほぼ1E20cm-3の濃度を得る。
そしてレジストパターンR2を除去し、N型拡散領域3の周囲に、図4(a)に示すように、ガードリング4を形成する。
このレジストパターンR2を除去後、図4(b)に示すように、CVD法により保護膜11としての酸化シリコン膜を形成しこの上層にレジストパターンR3を形成し、これをマスクとしてエッチングを行いアノードコンタクトのために表面を開口する。
そして、図4(c)に示すように、表面にボロン含有ポリシリコン層を形成し、熱拡散を行う。このようにして、N型拡散領域3の表面から所定の深さに、ドライブ拡散でほぼ1E22cm-3の濃度を得、反転によりP型高濃度拡散領域5を形成する。またこのボロン含有ポリシリコン層はアノード電極8として用いられる。
これにより、N型拡散領域3の表面では導電型を反転して形成されるP型高濃度拡散領域5との間にPN接合部が得られるのであるが、このPN接合部の中央部、即ちN型拡散領域3とP型高濃度拡散領域5の交差部では、その周辺部の周辺耐圧よりも低い電圧で降伏(ブレークダウン)が起こる。
ここでPN接合部の中央部における耐圧、いわゆるメイン耐圧は6から60V、周辺耐圧は8から100Vであり、PN接合部の中央部(ツェナーダイオード形成領域)で確実にブレークダウンすることができる。
これにより、ツェナーダイオードとして動作させると、逆方向電流はN型拡散領域3とP型高濃度拡散領域5の交差部のみに流れ、その周辺部にはほとんど流れない。
従って、使用するウエーハの比抵抗にばらつきがあっても、このようにして得られたPN接合部の降伏電圧(ブレークダウン電圧)の変動が極めて小さい半導体装置が得られるものである。
こののち、ボロン含有ポリシリコン層をパターニングする。
そしてアルミニウム薄膜からなるアノード電極8を形成する。そして、この上層に窒化シリコン膜からなる保護膜11を形成することで、図1に示した半導体装置が完成する。
尚、ツェナーダイオードは、6Vから60Vを中心に、ツェナー電圧による分類あるいは、ランク分類等によりツェナー電圧の細分化がされ、その為のツェナー電圧のコントロール性も生産上重要なパラメータとなっている。
本発明の構成によれば、P型高濃度拡散領域5の濃度を浅くかつ高くすることで前記PN接合部の降伏電圧(ツェナー電圧)は低くする事が可能となる。このようにして、所望のツェナー電圧を容易に得ることができる。
これにより、定電圧ダイオードとして動作をさせると、逆方向電流はP型高濃度拡散領域5とN型拡散領域3との主接合部に流れてその周辺部にある副接合部にはほとんど流れない。
この時、P型高濃度拡散領域5による空乏層の終端部は、N型拡散領域3の内部に位置する様に配置する構造となっている。
従って、使用するエピタキシャル層2の比抵抗や厚みにばらつきがあっても、この様な構成にて得られた主接合部のブレークダウン電圧の変動が極めて小さな定電圧ダイオードが得られる。
また、N型エピタキシャル層2とN型シリコン基板1との間に設けられたN型エピタキシャル層6を5〜20Ω・cm、厚み10から20μmとなるように設ける事で、抵抗成分は主接合部よりもN型エピタキシャル層での抵抗成分は高いため、例えば誘導雷サージや静電サージによる発熱は、接合部よりもこのN型エピタキシャル層6の方が高くなる。
このため、誘導雷サージや静電サージが印加されても、その発熱は、主たる接合部よりも、複数のN型エピタキシャル層6の抵抗成分の方が高いので素子破壊することはなくなり信頼性は向上した。
ちなみに、エピタキシャル成長層が従来は0.5Ω程度であったのが3.0Ω程度となり高抵抗化をはかることができる。またHNの注入により、N型エピタキシャル層2との濃度差を拡大することで素材による影響を低減することができる。またHN注入の3段化により、PN接合部の接合領域のマージンを拡大することができる。これによりブレークダウン電圧Vzのばらつきが3.8%から0.2%となった。
また、エピタキシャル成長層を2層化することで、疑似的に抵抗内蔵ツェナー(ZND)部構造を得ることができ、ZND部へのサージ電流が抑制され、素材高抵抗化によるESD耐量の低下を抑制することができる。
そのメカニズムは以下のように考えられる。
静電気などによって過渡的に高耐圧が印加された場合、それに伴い、サージ電流が入力され高比抵抗となるN型基板が高抵抗体となって発熱し、ある限度を超えるとホットスポットなどによりPN接合面で永久破壊が起こる。
従来構造では、抵抗体はPN接合領域にあり、面積が狭かったので極部集中により、破壊耐量は低かった。
これに対し、本発明の上記実施の形態の構造ではPN接合領域に高抵抗領域がなくなり、裏面基板側に近いエピタキシャル層が抵抗体となっている。すなわち、高抵抗体からなるエピタキシャル層を基板と表面のエピタキシャル層との間に配することで、その部分で静電気(ESD)印加時のサージを発熱させ、素子への電流の流入を緩和し、ESD耐量の向上を可能としている。
このことから、チップ面積全体にわたる広い一面でかつ裏面のリードフレームに近い位置で発熱が生じることになり、上記で発熱された熱はリードフレーム側に放熱され、その結果永久破壊につながる抵抗体の発熱温度はますます低くなる。このようにして破壊耐量の向上をはかることができる。
比較のために、IEC61004−2の静電気規格による永久破壊耐量を測定した。IEC61004−2規格で行った静電気による破壊耐量(永久破壊につながる素子劣化に至る電圧)は、図7に示した従来例の構造によるツェナーダイオードの永久破壊耐量では8KVであったが、本発明の構造では12KVとおよそ1.5倍に向上して信頼性が向上した事が確認された。
さらにツェナー電圧のばらつきを測定した。その結果を図8に示す。定格39V品のツェナー電圧品のウェハ面内のツェナー電圧分布の左半分は、本発明構造の分布、右半分は従来構造の分布である。この図から考察できるように、ウェハ面内のツェナー電圧は、本発明品の方が格段にばらつきがなく、ツェナー電圧が均一となって、生産上極めて大きな効果を有する。
このようにして、ポリシリコン層からの浅い高濃度拡散および、イオン注入とドライブイン拡散の手法により、極めて精密に濃度コントロールができるため、必要とするツェナー電圧を極めて精度よく得ることができ、その結果生産性が高く歩留りも向上するため、安価な半導体装置を得ることができるものである。
このように、素材、すなわち半導体層(半導体基板)の比抵抗(不純物濃度)の影響なしに、所望の濃度の不純物を注入することでN型拡散領域を形成し、このN型拡散領域に対するP型拡散領域の不純物濃度でツェナー耐圧が決定されることになり、制御性よく、所望のツェナー特性を有する半導体装置を提供することが可能となる。また、不純物の注入により、N型拡散領域を形成するため、ウエーハを多品種ストックしておく必要がなく、生産性が向上する。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2における半導体装置の断面図である。図5においても、図1乃至4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
前記実施の形態では、絶縁層7のパターニングに際し、最初に活性領域としてのN型エピタキシャル層2を大きく開口しておき、PN接合を形成するための第1の拡散領域形成に際しては、レジストマスクを用いるようにしたが、本実施の形態では、順次必要な開口を形成するという方法をとることにより、フォトリソグラフィ工程の数を低減し、表面の段差を低減するようにしたことを特徴とする。
この半導体装置の構造としては、表面に段差が形成されている点で前記実施の形態1と異なるが、この段差分だけ、P型高濃度拡散領域5表面が深い位置にあり、N型拡散領域3との間に形成するPN接合の(電極からの)深さは極めて浅く形成される。そして、N型拡散領域3の周囲を、より深い位置まで囲むP型拡散領域からなるガードリング4を形成している。
この構成により、ガードリングが確実にダイオード形成領域を囲んだ構造となるため、より信頼性の向上を図ることが可能となる。
他の領域については前記実施の形態1に準じて形成されており、ここでは説明を省略する。
ここでもこのN型エピタキシャル層6の濃度は、N型エピタキシャル層2の比抵抗よりも十分低く、このためN型エピタキシャル層2の持っている比抵抗のばらつきは影響されないものとする。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
前記実施の形態では、リング構造のガードリング4を用いたが、図6に要部拡大図を示すように、ガードリング4の周りにさらにFLR(Field Limiting Ring)4Fを設けてもよい。この場合FLR4Fは、ガードリング4と同一工程で形成され、前記P型高濃度拡散領域5を取り囲んでP型層を1層もしくは複数設けてシリコン表面の電界を緩和させる事で、ガードリング4およびFLR4FとN-型エピタキシャル層6との接合部による耐圧(以下周辺電圧と呼ぶ)は、より高耐圧となる様に配置されている。
製造に際しては、P型拡散領域を形成するためのマスクを変更するのみでよく、極めて容易に形成可能である。
以上説明してきたように、本発明によれば、ツェナー電圧の制御が容易なツェナーダイオードに適用する事が可能である。特に、7Vよりも高い領域で形成する場合に有効である。
なお、前記実施の形態1乃至3のいずれにおいても、記最表面のエピタキシャル層よりも、半導体基板と最表面のエピタキシャル層で挟まれた中間のエピタキシャル層の比抵抗が高くなるように形成したが、同程度あるいはそれよりも低くてもPN接合の濃度ばらつきの低減によってもウエーハ面内のブレークダウン電圧のばらつきを低減することは可能である。
以上説明してきたように、本発明によれば、デイスクリートデバイスとしてのツェナーダイオードあるいは、ツェナーダイオードを用いた種々の半導体集積回路に適用可能である。
1 N型シリコン基板(半導体基板)
2 N型エピタキシャル層
3 N型拡散領域(第3の拡散領域)
4 ガードリング(第1の拡散領域)
4F FLR(P型拡散層)
5 P型高濃度拡散領域(第2の拡散領域)
6 N型エピタキシャル層
7 絶縁層
8 アノード電極
9 カソード電極
10 チャネルストッパー(N型拡散層)
11 保護膜

Claims (5)

  1. 少なくとも表面が第1導電型を有する半導体基板と、
    前記半導体基板表面に形成され、前記半導体基板表面と同一導電型である第1導電型を有する複数のエピタキシャル層と、
    前記エピタキシャル層のうち最表面のエピタキシャル層内に形成された第2導電型を有する環状の第1の拡散領域と、
    前記環状の第1の拡散領域で囲まれた領域内に形成され、前記環状の第1の拡散領域よりも浅い、第2導電型を有する第2の拡散領域と、
    前記環状の第1の拡散領域よりも深い、第1導電型を有する第3の拡散領域と、を具備し、
    前記第2の拡散領域は前記第3の拡散領域表面の導電型が反転する拡散により形成された半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、
    前記第2および第3の拡散領域間に形成される主接合部でブレークダウンした時の空乏層の終端部は少なくとも最表面の第一導電型エピタキシャル層内部に形成された前記第3の拡散領域内部である半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置であって、
    前記最表面のエピタキシャル層よりも、前記半導体基板と最表面のエピタキシャル層で挟まれた中間のエピタキシャル層の比抵抗が高い半導体装置。
  4. 請求項3に記載の半導体装置であって、
    前記中間のエピタキシャル層の内、前記半導体基板との界面での比抵抗が最も高い半導体装置。
  5. 少なくとも表面が第1導電型である半導体基板表面に、前記半導体基板表面と同一導電型である第1導電型を有する複数のエピタキシャル層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル層のうち最表面のエピタキシャル層内に第2導電型を有する環状の第1の拡散領域を形成する工程と、
    前記環状の第1の拡散領域で囲まれた領域内に、前記環状の第1の拡散領域よりも深い、第1導電型を有する第3の拡散領域を形成する工程と、
    前記第3の拡散領域表面に、導電型が反転するように、前記環状の第1の拡散領域よりも浅い、第2導電型を有する第2の拡散領域を形成する工程と、を具備した
    半導体装置の製造方法。
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