JP2012117909A - 複合ロードセル秤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高秤量用起歪部と低秤量用起歪部とを設けた複合ロードセル2を、その高秤量用起歪部側を台板1に固定支持し、低秤量用起歪部側に設けた荷重受け部材3に皿受け板を介して計量皿4が載置された複合ロードセル秤において、前記荷重受け部材は前記低秤量用起歪部を内包するよう組み付け、その荷重受け部材の上部を、複合ロードセルの上面と離間して略水平に支持した荷重天板の開口13aを貫通して上方に突出させ、荷重受け部材の下部は、複合ロードセルの下面と離間して略水平に支持した受け板14と対向配置し、荷重受け部材の上部と下部に、秤量が低秤量用起歪部の最大荷重を越えた際に高秤量用起歪部側へ荷重を伝達するストッパ部5a,5bを設けた。
【選択図】図2
Description
そこで、この永久歪を防ぐために、ロードセルユニットの最大撓み量をストッパ部によって永久歪から回避することができる構造を用いることが考えられる。(例えば、特許文献1参照)
そのストッパ部の具体的な取付位置は、例えば、前記上部のストッパ部は前記高秤量用起歪部の短手方向を挟む両側に配置し、前記下部のストッパ部は前記高秤量用起歪部の短手方向の略中央真下に配置する。
それにより、高秤量用起歪部に掛かる荷重が取り除かれた時に生じる反動で低秤量用起歪部が所定の戻り位置以上に戻ろうとすることを防止するので、低秤量用起歪部の反動衝撃により生じる永久歪を回避することができる。
図1は複合ロードセル秤の全体を示す概略図で、複合ロードセル秤Aは、台板1上に複合ロードセル部2が固定支持され、その複合ロードセル部2に荷重受け部材3を介して計量皿4が載置され、更に前記複合ロードセル部の永久歪を回避するストッパ部5(5a〜5g)、回路・表示部(図示省略)が配置されて構成されている。
又、前記台板1の四隅部下面には脚部7が上下調節可能に取り付けられ、複合ロードセル秤Aをテーブルなどの載置面に対して水平に載置し得るようになっている。
更に、台板1の上面における前記複合ロードセル部2を挟む位置、及び四隅には後述する高秤量用起歪部を保護する上部ストッパ部の受け部8、四隅ストッパ部の受け部9が起立固定されている。尚、図示の台板1は上面の周囲が開放されているが、該台板1に筒状のカバー10を取り付けて、該台板1上に配置される複合ロードセル部2、ストッパ部5等を保護するようにする。
また、四角柱体11の上下面中央部(孔11a,11bの間)には、孔11a,11bと平行方向に溝11eが2本ずつ形成されている。この溝11eは、該溝11e間に荷重が加わった際、複合ロードセル部2の上下面に沿って伝播される計量に不必要な応力を、面(上面、下面)を一旦遮断させることにより除去するもので、ストレインゲージ11c,11dに影響が及ばないようになっている。
また、前記複合ロードセル部2の上面には受座12aを介して荷重天板(高秤量用重点板)13が該複合ロードセル部2上面と離間して略水平に固着され、複合ロードセル部2の下面には受座12bを介して受け板14が該複合ロードセル部2の下面と離間して略水平に固着されている。前記荷重天板13と受け板14は複合ロードセル部2を上下に貫通するボルトで一体に固定されている。
前記載せ枠15は、金属平板を門形に折り曲げ、更に、両垂直片は夫々外側方向に向け直角に折り曲げて低秤量用起歪部を保護するストッパ取付部15a,15bが形成されている。そして、前記載せ枠15は、皿受け板16の中央部を、前記複合ロードセル部2の長手方向の略中央位置で支持する長さに形成され、ストッパ取付部15a,15bが形成された側と反対側部分が前記荷重受け部材3の前後側面部3a,3bの上端面に連結されて、複合ロードセル部2の中央位置に向けて突出されている。
上記構成により、低秤量用起歪部2aに掛かる荷重が該低秤量用起歪部2aの最大荷重を超えた時点で、上部のストッパ部5aが荷重受け部材3を介して荷重天板13に当接し、下部のストッパ部5bが受け板14を介し荷重受け部材3に当接するので、今まで荷重受け部材3を介して低秤量用起歪部2aに掛かっていた荷重は該荷重受け部材3を介して一体となった荷重天板13と受け板14に掛かるため、低秤量用起歪部2aへの荷重は遮断され、上下のストッパ部5a,5bと荷重受け部材3とが内包する低秤量用起歪部2aを保護するように一体となり、前記荷重受け部材3の取付け部(側面部3c)と上下のストッパ部5a,5bが当接する位置が力点となり、低秤量用起歪部2aと高秤量用起歪部2bとの中間の位置が支点から力点に切り替わり、低秤量用起歪部2aへの荷重は、該低秤量用起歪部2aの最大荷重を超えると、低秤量用起歪部2aから高秤量用起歪部2bへの荷重伝達に瞬時に移行されるので、荷重(過負荷)によって前記複合ロードセル部2の低秤量用起歪部2aの上面に引張力、低秤量用起歪部2aの下面に圧縮力等が生じ、低秤量用起歪部2aが撓んだ状態で更に加わる複雑な内部応力を生じさせるのを防いでいる。それにより、最大撓み量を超えた荷重によって低秤量用起歪部2aに永久歪を生じさせたり、疲労破壊を誘発させる原因を回避することができる。
計量皿4は、平面視略正方形状で、上面を平面視略十字形状に窪ませて上面四隅部に4個の突部を形成し、円筒状の被計量物を載せても転がらないようになっている。
前記受け部8は、高秤量用起歪部2bの長手方向略中央位置線上に起立固定されている。また、前記上部ストッパ部5cはボルトの頭部(回転調整部)が荷重天板13の表面と皿受け板16との間に露出している為、前記ボルトの頭部を工具等で掴んで回すことで、上部ストッパ部5cと受け部8との隙間(マージン)設定を容易に行うことができる。尚、上部ストッパ部5cの隙間設定は、該ストッパ部5c上方の皿受け板16に通孔を開設し、その通孔を介して前記ストッパ部5cを回動するようにしてもよい。
この反動回避ストッパ部5gは、計量皿4に載置された被計量物が計量皿から取り除かれた際、複合ロードセル部2は下方に撓んだ状態から元の状態(初期状態)に戻るが、その時の反動で低秤量用起歪部2aに生じる永久歪を、荷重受け部材3の受け部17が前記反動回避ストッパ部5gに当接することで回避する。
そして、図示を省略した回路・表示部は、複合ロードセル部2に貼着されているストレインゲージ11c,11dが荷重による撓みで伸縮し、ストレインゲージ11c,11dに印加されている電圧がその伸縮に伴って抵抗値が変化することにより変動して機械的変位を電気的変位に置換し、その電圧を回路基板を経てデジタル変換し、低秤量時はストレインゲージ11cから、高秤量時はストレインゲージ11dからの信号に基づいて計量データをLEDセグメント式、又は液晶式等の表示部に出力、表示するようになっている。
この時、例えば、低秤量用起歪部2aの測定レンジを0キログラム〜1キログラム未満(0.5グラム刻み)とし、高秤量用起歪部2bの測定レンジを1キログラム〜2.5キログラム未満(2グラム刻み)、2.5キログラム〜20キログラム未満(5グラム刻み)、20キログラム〜30キログラム未満(10グラム刻み)と割り付けた場合の動作を説明すると、先ず、秤量が1キログラム未満のときは低秤量用の上部ストッパ部5a、下部ストッパ部5bと、高秤量用の上部ストッパ部5c、下部ストッパ部5dと、低秤量用の四隅ストッパ部5e、高秤量用の四隅ストッパ部5fの各ストッパは対応する部材と接触当接せずに、荷重受け部材3を介して低秤量用起歪部2aにのみ荷重がかかって計量・表示がされる。
高秤量用の四隅ストッパ部5fは、台板1上に起立した受け部9に当接して秤自体をロックし、保護する。
(1)実施の形態では、高秤量用起歪部のストッパ部として、該高秤量用起歪部の長手方向略中央位置線上で上部2点、下部1点に配置した例を示したが、これに限らず、例えば上部及び下部とも2点ずつ設けてもよい。
(2)実施の形態では、四隅ストッパ部5fと対向する受け部9を、円柱で構成した例を示したが、これに限らず、金属平板を曲げて形成した枠体等、何れでもよい。
2…複合ロードセル部 2a…低秤量用起歪部
2b…高秤量用起歪部 3…荷重受け部材
4…計量皿 5…ストッパ部
5a…低秤量用の上部ストッパ部 5b…低秤量用の下部ストッパ部
5c…高秤量用の上部ストッパ部 5d…高秤量用の下部ストッパ部
5e…低秤量用の四隅ストッパ部 5f…高秤量用の四隅ストッパ部
5g…反動回避ストッパ部 8…受け部
9…受け部 13…荷重天板
14…受け板
Claims (4)
- 柱体に、高秤量用起歪部と低秤量用起歪部とを設けた複合ロードセルを、その高秤量用起歪部側を台板に固定支持し、低秤量用起歪部側に設けた荷重受け部材に皿受け板を介して計量皿が載置された複合ロードセル秤において、
前記荷重受け部材は前記低秤量用起歪部を内包するよう組み付け、その荷重受け部材の上部を、前記複合ロードセルの上面と離間して略水平に支持した荷重天板の開口を貫通して上方に突出させ、前記荷重受け部材の下部は、前記複合ロードセルの下面と離間して略水平に支持した受け板と対向配置し、前記荷重受け部材の上部と荷重天板との間、及び前記荷重受け部材の下部と受け板との間に、低秤量用起歪部の最大荷重を越えた際に前記高秤量用起歪部側へ荷重を伝達するストッパ部を設けたことを特徴とする複合ロードセル秤。 - 前記高秤量用起歪部に生じる永久歪を回避するストッパ部を、該高秤量用起歪部の長手方向略中央位置線上の上下に設けたことを特徴とする請求項1記載の複合ロードセル秤。
- 前記上部のストッパ部は前記高秤量用起歪部の短手方向を挟む両側に配置し、前記下部のストッパ部は前記高秤量用起歪部の短手方向の略中央真下に配置されていることを特徴とする請求項2記載の複合ロードセル秤。
- 前記高秤量用起歪部に掛かる荷重が取り除かれた時の反動により前記低秤量用起歪部に生じる永久歪を回避するストッパ部を、前記低秤量用起歪部を内包する前記荷重受け部材の上部で、且つ低秤量用起歪部の上面と離間する位置に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の複合ロードセル秤。
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