JP2012116407A - 自動二輪車のスピーカの配置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の左右幅を大きくすることなく、運転者にステレオ音声を伝達できる自動二輪車のスピーカの配置構造を提供すること。
【解決手段】運転者Rが着座可能な着座シート12と、左右両側に運転者Rが把持する左右のハンドルグリップ35を有し着座シート12の前方に回転可能に設けられるハンドル32と、着座シート12の前方かつ左右のハンドルグリップ35どうしの間に、それぞれ後方外側に向かって指向して設けられる左右一対の指向性を有するスピーカ22R,22Lと、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動二輪車のスピーカの配置構造に関するものであり、詳しくは、運転者に対してステレオ音声を伝達できる自動二輪車のスピーカの配置構造に関するものである。
自動車の分野においては、自車の周囲の状況を検出し、検出した状況を音声によって運転者に伝達することによって、より安全な走行を可能とする先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)の開発が積極的に行われている。
先進安全自動車には、車外認識装置を備えるものがある(たとえば、特許文献1参照)。四輪自動車に搭載される車外認識装置は、自車の周囲に存在する他の車両などを検出できる車外センサと、車内に配置されるスピーカとを有する。そして、車外認識装置は、自車の周囲を走行する複数の車両を検出し、他の車両が安全な車間距離よりも接近した場合には、車内のスピーカが音声を発して、運転者に当該車両の存在を知らせる。車外認識装置は、ステレオ音声を発することができ、例えば、自車の右側に、他の車両が安全な車間距離よりも接近した場合には、右側のスピーカから音声を発する。そうすると、運転者は、音声が発せられる方向に応じて、直感的に状況を把握することができる。
このような車外認識装置を自動二輪車に適用する場合には、自動二輪車の車体にスピーカを配置する必要がある。自動二輪車のスピーカの配置構造としては、スクータ型の自動二輪車のダッシュパネル部やハンドルの中央にスピーカを取り付ける構成がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、スピーカがダッシュパネル部に配置される構成は、次のような問題が生じることがある。まず、運転者に対してステレオ音声を伝達するためには、左右のスピーカを離して配置する必要がある。左右のスピーカを離して配置するためには、自動二輪車の車幅を大きくする必要がある。または、左右のスピーカを離して配置すると、自動二輪車の車幅を小さくできないことがある。また、自動二輪車の車幅は、四輪自動車に比較して小さいため、車両の左右両外側にスピーカを配置しても、運転者に対して十分なステレオ音声を伝達できないことがある。また、ダッシュボードと運転者との間には、ハンドルが設けられる。このため、ハンドルが操作されると、ハンドルがスピーカと運転者との間に入り込むことがある。そうすると、ハンドルが音声の伝達を阻害し、運転者に対して、良好な音声を伝達できないことがある。
一方、ハンドルの中央にスピーカを設ける構成では、左右のスピーカの距離を大きくできないから、運転者に対して良好なステレオ音声を伝達できないことがある。さらに、ハンドルが操作されると、運転者とスピーカとの相対的な位置関係が変化するため、音の聞こえ方が変化することがある。
特開2002−133596号公報 特開2006−103601号公報
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、運転者にステレオ音声を伝達できる自動二輪車のスピーカの配置構造を提供すること、または、車両の左右幅を大きくすることなく、もしくは小さくすることができるとともに運転者にステレオ音声を伝達できる自動二輪車のスピーカの配置構造を提供すること、または、運転者に対して良好な状態で音声を伝達できる自動二輪車のスピーカの配置構造を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、運転者が着座可能な着座シートと、左右両側に運転者が把持する左右のハンドルグリップを有し、前記着座シートの前方に回転可能に設けられるハンドルと、前記着座シートの前方かつ前記左右のハンドルグリップどうしの間に、それぞれ後方外側に向かって指向して設けられる左右一対の指向性を有するスピーカと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、指向性を有する一対のスピーカが、左右外側に振り分けて指向するように配置されるから、運転者にステレオ音声を伝達できる。そして、一対のスピーカが近接して配置される構成とすることにより、特に、一対のスピーカの配置に必要となる領域の左右方向寸法を小さくできる。このため、自動二輪車の左右方向の寸法を小さくすることができるか、または、自動二輪車の左右方向の寸法が大きくなることを防止できる。さらに、指向性を有するスピーカが適用されることにより、一対のスピーカが近接して配置される構成であっても、運転者に対して良好なステレオ音声を伝達できる。
図1は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車の構成を、模式的に示した平面図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車に適用されるスピーカユニットの構成を、模式的に示した透視図である。 図3は、スピーカユニットの配置構造を模式的に示した図であり、ダッシュパネル部およびその近傍を、着座シートに着座した運転者の視点で示した図である。 図4は、スピーカユニットの配置構造を示した図であり、本発明の実施形態にかかる自動二輪車を上方から見た平面模式図である。 図5は、スピーカユニットと運転者との位置関係を模式的に示した平面図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図である。 図6(a)(b)は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車のスピーカの配置構造が適用されたスピーカユニットの構成を、模式的に示したブロック図であり、図6(c)は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車のスピーカの配置構造が適用された車外認識装置の構成を、模式的に示したブロック図である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の全体的な構成を説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の構成を、模式的に示した平面図である。図1に示すように、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1は、「スクータ」型の自動二輪車である。なお、説明の便宜上、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の上下前後左右の各向きは、乗車している運転者Rから見た向きを基準とする。
本発明の実施形態にかかる自動二輪車1は、車体フレーム(図においては隠れて見えない)と、前輪操舵装置3と、後輪駆動部4と、車体カバー5と、フロントスクリーン11と、着座シート12とを備える。
前輪操舵装置3は、ステアリングシャフト31と、ハンドル32と、フロントサスペンション33と、前輪34とを備える。ステアリングシャフト31は、フレームの前部に設けられ、フレームに対して回転可能に支持される。ハンドル32は、ステアリングシャフト31の上方に、ステアリングシャフト31と一体に回転可能に設けられる。ハンドル32の左右両側、換言すると、左右両端部には、運転者Rが把持して操作する左右のハンドルグリップ35が設けられる。さらにハンドル32には、バックミラー13が設けられる。フロントサスペンション33は、ステアリングシャフト31の下方に設けられる。前輪34は、フロントサスペンション33により回転可能に支持される。
後輪駆動部4は、ユニットスイング型のエンジン41と、後輪42とを備える。エンジン41は、フレームの後方下部に設けられ、フレームに対して搖動可能に懸架される。後輪42は、エンジン41の後部に配設される。
車体カバー5は、車体外側を覆う外装カバー8と、車体内側を覆う内装カバー9とを備える。
外装カバー8は、フロントカバー81と、サイドカバー82と、リアカバー83とを備える。フロントカバー81は、ステアリングシャフト31の前方から側方にかけての部分を覆う部材であり、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の前部に配置される。フロントカバー81の前部には、ヘッドライト14が配設される。サイドカバー82は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の下部の側面を覆う部材である。リアカバー83は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の後部を覆う部材である。リアカバー83の後部には、テールライト15が配設される。
内装カバー9は、インナーカバー91と、センタートンネル92と、インナーウォール93と、フロアボード94とを備える。
インナーカバー91は、フロントカバー81の後部に接続される部材である。図3を参照して、インナーカバー91は、フロントウォール部911と、ダッシュパネル部912と、ボックスウォール部913とを備える。フロントウォール部911は、インナーカバー91の前部に設けられる部分であり、後方から前方に向かうにしたがって低くなるように形成される。ダッシュパネル部912は、フロントウォール部911の後部に形成される部分である。ダッシュパネル部912の前部には、略水平な壁面914が形成される。そして、この略水平な壁面914に、メータ類16およびスピーカユニット2が配設される。一方、ダッシュパネル部912の後部には、前部の略水平な壁面914の後端から後方下側または後方斜め下側に向かって延伸する斜壁915が形成される。なお、前部の略水平な壁面914と後部の斜壁915とは、一体的かつ連続的に形成される。そして、この斜壁915には、ステアリングシャフト31が略上下方向に挿通され、この斜壁915の上側には、ハンドル32が配置される。ボックスウォール部913は、収容箱であるグローブボックスの開口が形成される。そして、この開口を塞ぐ蓋部材916が、グローブボックスに対して開閉可能に配設される。
センタートンネル92は、インナーカバー91の下端に接続され、後方に向かって延出する部分である。インナーウォール93は、センタートンネル92の下方に、センタートンネル92に連なるように設けられる部分である。フロアボード94は、運転者Rの足置きなどの機能を有する部分であり、着座シート12の下方であってインナーウォール93の下方に、インナーウォール93に連なるように設けられる。
フロントスクリーン11は、風防壁としての機能を有する。フロントスクリーン11は、メータ類16よりも前方であって、インナーカバー91の前端上部に設けられる。たとえば、フロントスクリーン11は、インナーカバー91のフロントウォール部911の上側に設けられる。
着座シート12は、インナーカバー91のダッシュパネル部912およびボックスウォール部913よりも後方に設けられる。すなわち、着座シート12は、内装カバー9およびハンドル32よりも後方に設けられる。着座シート12は、運転者用シート121と、その後方に設けられるタンデムシート122とを有する。
そして、スピーカユニット2およびメータ類16が、内装カバー9のダッシュパネル部912の略水平な壁面914に設けられる。具体的には、スピーカユニット2は、着座シート12の前方であって、メータ類16の前方、またはメータ類16の上方、またはメータ類16の前方かつ上方に設けられる。
次いで、スピーカユニット2について説明する。図2は、スピーカユニット2の構成を、模式的に示した透視図である。スピーカユニット2は、運転者Rに音声を伝達する機能を有する。図2に示すように、スピーカユニット2は、ハウジング21と、一対のスピーカ22R,22Lと、回路基板23とを備える。そして、一対のスピーカ22R,22Lと回路基板23とが、ハウジング21の内部に配置される。
ハウジング21は、一対のスピーカ22R,22Lと回路基板23とを収容する容器である。ハウジング21は、その内部に一対のスピーカ22R,22Lを左右方向に並べて配置できる構成を有する。なお、ハウジング21は、内装カバー9と別体の部材であってもよく、内装カバー9に一体に設けられる構成であってもよい。すなわち、内装カバー9に、一対のスピーカ22R,22Lと回路基板23とを収容できる部分が設けられる構成であってもよい。
一対のスピーカ22R,22Lには、それらの軸線が指向性を有するスピーカが適用される。指向性を有するスピーカとしては、例えば、従来公知の各種パラメトリックスピーカが適用できる。一対のスピーカ22R,22Lは、ハウジング21の内部に、左右方向に並べて配置される。そして、一対のスピーカ22R,22Lは、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の後方外側に、それぞれ振り分けて指向して配置される。たとえば、一対のスピーカ22R,22Lは、それぞれ、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の後方外側を指向して、左右対称に振り分けて配置される。一対のスピーカ22R,22Lのうち、運転者から見て右側のスピーカを「右スピーカ22R」と称し、左側に位置するスピーカを「左スピーカ22L」と称する。具体的には、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lとは同じ向きを向いておらず、互いに所定の角度をもって異なる向きをむいて配置される。そして、右スピーカ22Rは、斜め後方右上を向いて配置される。一方、左スピーカ22Lは、斜め後方左上を向いて配置される。このように、一対のピーカ22R,22Lは、互いに反対側であって、左右方向の斜め上両外側後方に向けて配置される。
そして、一対のスピーカ22R,22Lは、左右方向については、左右のハンドルグリップ35の間に収まる間隔で配置される。すなわち、右スピーカ22Rの右端と左スピーカ22Lの左端との間の距離は、ハウジング21の内部に配置された状態においては、左右両側のハンドルグリップ35の間の距離よりも小さくなるように設定される。
回路基板23は、外部から入力された音声信号を、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lのそれぞれに伝達する機能などを有する。たとえば、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1が、車外認識装置を備える構成であれば、スピーカユニット2は、この車外認識装置の一部として機能する。そして、車外認識装置の所定の回路が、この回路基板23に構築される。なお、回路基板23は、外部から入力された音声信号を単に一対のスピーカ22R,22Lに中継する機能を有するものであってもよく、音声信号を増幅する機能を有していてもよい。また、スピーカユニット2が回路基板23を備えない構成であってもよい。スピーカユニット2が回路基板23を備えない構成においては、外部から入力された音声信号が、そのまま一対のスピーカ22R,22Lのそれぞれに伝送される構成が適用される。
次に、スピーカユニット2の配置構造について説明する。図3は、内装カバー9のインナーカバー91のダッシュパネル部912およびその近傍を、着座シート12に着座した運転者Rの視点から見た図である。図3中の矢印は、ハンドル32の回転動作及びその動作範囲を示す。図4は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1を上方から見た平面模式図である。図4中の矢印は、一対のスピーカ22R,22Lが発する音声の向き(換言すると、音声の軸線)を模式的に示したものである。
図3と図4のそれぞれに示すように、スピーカユニット2は、内装カバー9に設けられる。スピーカユニット2の左右方向位置は、本発明の自動二輪車1の中心線C上であって、左右のハンドルグリップ35の間に設定される。前後方向位置は、着座シート12の前方であって、ハンドル32とフロントスクリーン11(正確には、フロントスクリーン11の下端部)との間に設定される。すなわち、スピーカユニット2は、ハンドル32の前方であって、フロントスクリーン11の後方に配置される。そして、スピーカユニット2は、運転者Rから見たハンドル32の軌跡の外側に配置される。換言すると、スピーカユニット2は、運転者Rから見たハンドル32の軌跡の内側に入り込まないようにするために、前記位置に配置される。なお、本発明の実施形態においては、スピーカユニット2がハンドルの前方に設けられる構成を示すが、ハンドル32の後方に設けられる構成であってもよい。要は、スピーカユニット2が、運転者Rから見たハンドル32の軌跡の外側に設けられる構成であればよい。
そして、右スピーカ22Rは、斜め後方右上に向かって音声を発することができる。一方、左スピーカ22Lは、斜め左後方に向かって音声を発することができる。すなわち、特に図4に示すように、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lとは、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1の中心線Cを基準として、それぞれ斜め後方外側に向かって左右対称に音声を発することができる。このように、スピーカユニット2の一対のスピーカ22R,22Lは、音声を後方外側に向けて振り分けて指向するように配置される。たとえば、一対のスピーカ22R,22Lは、中心線Cを基準として左右対称に配置される。
図5は、一対のスピーカ22R,22Lと運転者Rとの位置関係を模式的に示した図であり、(a)は上方から見た平面図、(b)は側方から見た図である。図5(a),(b)のそれぞれに示すように、一対のスピーカ22R,22Lは、運転者Rの頭部に指向するように配置される。具体的には、右スピーカ22Rは、右側後方斜め上に向けて指向して配置される。このため、右スピーカ22Rは、着座シート12に着座した運転者Rの右耳に指向して音声を発することができる。一方、左スピーカ22Lは、左側後方斜め上に向けて指向して配置される。このため、左スピーカ22Lは、運転者Rの左耳に指向して音声を発することができる。そして、一対のスピーカ22R,22Lには、指向性を有するスピーカが適用されるから、右スピーカ22Rから発せられた音声が運転者Rの左耳により聞き取られること、および、左スピーカ22Lから発せられた音声が運転者Rの右耳により聞き取られることを防止または抑制できる。したがって、運転者Rは、一対のスピーカ22R,22Lが発した音声を、ステレオ音声として認識することができる。
そして、一対のスピーカ22R,22Lと運転者Rとの間に、ハンドル32およびハンドル32に付随する部材(たとえば、バックミラー13やブレーキハンドルなど。本発明においては、「ハンドル32等」と称する)が入り込むことが防止される。このため、一対のスピーカ22R,22Lから発せられた音声は、ハンドル32等によって阻害されることなく、運転者Rの頭部に到達する。したがって、一対のスピーカ22R,22Lから発せられた音声を、運転者Rに良好に伝達することができる。また、一対のスピーカ22R,22Lは内装カバー9に設けられるから、運転中に、一対のスピーカ22R,22Lと運転者Rとの相対的な位置関係が変化することが防止または抑制される。したがって、一対のスピーカ22R,22Lから発せられた音声の伝達の態様を、一定に維持することができるから、運転者に音声を良好に伝達することができる。
このように、スピーカユニット2は、筐体である一個のハウジング21の内部に、一対の指向性を有するスピーカ22R,22Lが設けられる構成を有する。換言すると、スピーカユニット2は、筐体である一個のハウジング21の内部に、指向性を有し、運転者Rの左右の耳のそれぞれに指向する複数のスピーカ22R,22Lが設けられる構成を有する。
次に、スピーカユニット2a,2bの回路構成について簡単に説明する。図6(a),(b)は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車のスピーカ配置構造に適用されるスピーカユニット2a,2bの構成を、模式的に示したブロック図である。
図6(a)に示すスピーカユニット2aは、電源部61と、制御部62と、左右の音量調整部63R,63Lとを備える。そして、外部から供給される電力は、電源部61により特性が調整されて、左右の音量調整部63R,63Lに供給される。制御部62と左右の音量調整部63R,63Lは、この電力によって動作する。制御部62は、外部から入力される制御信号に基づいて、左右の音量調整部63R,63Lのそれぞれを制御する。左右の音量調整部63R,63Lは、それぞれ外部からの左右の音声信号(2系統の音声信号)のそれぞれの入力を受け、制御部62の制御によって、左右の音声信号の音量を調整する。そして、左右の音量調整部63R,63Lは、音量を調整した音声信号を、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lのそれぞれに出力する。右スピーカ22Rと左スピーカ22Lのそれぞれは、入力された音声信号に応じて、運転者Rに向かって音声を発する。
そして、電源部61と、制御部62と、左右の音量調整部63R,63Lとは、回路基板23に構築される。
図6(b)に示すスピーカユニット2bは、図6(a)に示すスピーカユニット2aの構成を簡略化したものである。このスピーカユニット2bは、電源部61と、音量調整部63とを備える。そして、電源部61は、外部から供給される電力の特性を調整し、音量調整部63に供給する。音量調整部63は、この電力によって動作する。また、音量調整部63は、外部から入力された左右の音声信号(2系統の音声信号)の音量を調整し、右スピーカ22R,23Lのそれぞれに出力する。右スピーカ22Rと左スピーカ22Lのそれぞれは、入力された音声信号に応じて、運転者Rに向かって音声を発する。
そして、電源部61と音量調整部63とは、回路基板23に構築される。
これらのスピーカユニット2a,2bが、音楽やステレオラジオ放送の聴視に用いられると、良好なステレオ音声を運転者に伝達することができる。
次に、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造が適用された車外認識装置5について、簡単に説明する。図6(c)は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造が適用された車外認識装置5の構成を、模式的に示したブロック図である。
図6(c)に示すように、前記実施形態にかかる自動二輪車のスピーカの配置構造が適用された車外認識装置5は、スピーカユニット2cと、センサ51とを有する。そして、スピーカユニット2cは、一対のスピーカ22R,22Lと、状況判定部52と、音声信号出力部53と、制御部54と、左右の信号受信装置55R,55Lと、左右の音量調整部56R,56Lとを備える。センサ51は、自車の周囲の状況を検出することができる。たとえば、自車の周囲に存在する他の車両との距離を計測できる。状況判定部52は、センサ51による自車の周囲の状況の検出結果に基づいて、自車の状況を判定する。音声信号出力部53は、状況判定部52の判定結果に基づいて、運転者Rに伝達する左右の音声を生成して出力する。左右の信号受信装置55R,55Lは、音声信号発生部53が出力した左右の音声信号のそれぞれを受信し、左右の音量調整部56R,56Lのそれぞれに伝送する。音量調整部は、伝送された音声信号の音量を調整する。制御部54は、左右の音量調整部56R,56Lを制御する。そして、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lのそれぞれは、左右の音量調整部56R,56Lのそれぞれを経て伝送された音声信号を受け取り、運転者Rに向かって音声を発する。
そして、状況判定部52と、音声信号出力部53と、制御部54と、左右の信号受信装置55R,55Lと、左右の音量調整部56R,56Lとが、スピーカユニット2aの回路基板23に構築される。なお、車外認識装置5のセンサ51、状況判定部52、音声信号出力部53、左右の信号受信装置55R,55L、制御部54および左右の音量調整部56R,56Lは、従来公知の車外認識装置と同じ構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
本発明の実施形態にかかる自動二輪車のスピーカ配置構造が適用された車外認識装置5は、運転者Rに対してステレオ音声を伝達できる。このため、運転者Rに対して、注意を払うべき方向から音声が伝達されるようにすることができる。そうすると、運転者Rは、音声の聞こえる方向に応じて、直感的に状況を判断することができる。
本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカ配置構造は、次のような作用効果を奏することができる。
本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造においては、スピーカユニット2が、ハンドル32の前方であってフロントスクリーン11の後方に配設される。このため、ハンドル32が操作されても、一対のスピーカ22R,22Lと運転者Rとの間に、ハンドル32等が入り込むことが防止される。このように、ハンドル32等は、一対のスピーカ22R,22Lから発せられた音声が運転者に届くことを阻害しない。したがって、運転者Rは、常に一対のスピーカ22R,22Lからの音声を良好な状態で聞くことができる。
そして、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造は、一対のスピーカ22R,22Lが、内装カバー9のインナーカバー91のダッシュパネル部912に配設される構成を有する。このような構成であると、運転中に運転者Rと一対のスピーカ22R,22Lとの相対的な位置関係が大きく変動しない。すなわち、たとえば、一対のスピーカがハンドルに設けられる構成であると、ハンドルを回転させた場合には、一対のスピーカと運転者との位置関係が変化する。そうすると、音声の聞こえ方が変化する。これに対して本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造によれば、運転中に運転者Rと一対のスピーカ22R,22Lとの相対的な位置関係が変化しないから、運転者Rに対して、常に良好なステレオ音声を伝達することができる。
さらに、指向性を有する一対のスピーカ22R,22Lが、左右外側に振り分けて指向するように配置されるから、運転者Rにステレオ音声を伝達できる。さらに、指向性を有するスピーカが適用されることにより、一対のスピーカ22R,22Lが近接して配置される構成であっても、運転者Rに対して良好なステレオ音声を伝達できる。すなわち、一般的なスピーカが用いられる構成であれば、左右のスピーカが離れて配置される構成である必要があるが、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造によれば、そのような必要がない。したがって、一対のスピーカ22R,22Lが近接して配置される構成とすることができ、スピーカユニット2の小型化を図ることができる。特に、スピーカユニット2の左右方向寸法を小さくできる。このため、自動二輪車1の左右方向の寸法を小さくすることができるか、または、自動二輪車1の左右方向の寸法が大きくなることを防止できる。さらに、一対のスピーカ22R,22Lを一つのハウジング21に収容できるから、部品点数の削減や、組み付けにおける工数の削減を図ることができる。
また、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造によれば、一対のスピーカ22R,22Lおよび回路基板23が、内装カバー9に設けられるハウジング21の内部に配設される。このような構成であると、一対のスピーカ22R,22Lや回路基板23と、他の電子機器や電気機器等を接続する配線を、内装カバー9の内側に配策することができる。このため、ノイズが発生することや、ノイズの影響を受けることを、防止または抑制できる。
さらに、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造が、車両認識装置に適用されると、運転者Rに対して、ステレオ音声で状況を伝達することができる。たとえば、右方向から他の車両が接近した場合には、右側から音声が聞こえるようにできる。そうすると、運転者Rは直感的に状況を把握することができる。
なお、前記実施形態においては、右スピーカ22Rが運転者Rの右耳に指向し、左スピーカ22Lが運転者Rの左耳に指向する構成を示したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。たとえば、右スピーカ22Rが運転者Rの左耳に指向し、左スピーカ22Lが運転者Rの右耳に指向する構成であってもよい。この場合には、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lとが、それぞれ左右方向の内側に向かって音声を発するように配置される構成が適用できる。すなわち、前記実施形態は、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lとが背中合わせの態様で配置される構成であるが、この場合には、右スピーカ22Rと左スピーカ22Lとが向かい合う態様で配置される構成が適用される。そして、このような構成であっても、前記作用効果を奏することができる。
また、本発明の実施形態にかかる自動二輪車1のスピーカの配置構造は、一対のスピーカ22R,22Lを備えるが、スピーカの数は限定されない。たとえば、左右方向においてハンドルグリップ35どうしの間に指向性を有する複数のスピーカを有し、これらの複数のスピーカが、運転者Rの頭部に指向する構成が適用できる。この場合には、複数のスピーカのうちの一部が、運転者Rの耳の一方に指向し、複数のスピーカのうちの他の一部が、運転者Rの耳の他方に指向する。このような構成であっても、前記同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に何ら限定されるものではない。本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。たとえば、本発明の実施形態においては、スクータ型の自動二輪車を示したが、それ以外の各種の自動二輪車に適用できる。具体的には、ロードタイプの自動二輪車のような、フロントスクリーンを備える自動二輪車であれば、前記実施形態と同様に、スピーカユニットが、メータ類とフロントスクリーンとの間に配置される構成が適用できる。また、フロントスクリーンを備えない自動二輪車であっても、スピーカユニットが、メータ類の前方に設けられる構成が適用できる。
また、本発明は、先進安全自動車の車外認識装置に限定されるものではない。たとえば、音楽やラジオの聴視にも適用できる。
1 :本発明の実施形態にかかる自動二輪車
12 :着座シート
32 :ハンドル
35 :ハンドルグリップ
9 :内装カバー
91 :インナーカバー
911:フロントウォール部
912:ダッシュパネル部
2 :スピーカユニット
21 :ハウジング
22R:右スピーカ
22L:左スピーカ
23 :回路基板

Claims (5)

  1. 運転者が着座可能な着座シートと、
    左右両側に運転者が把持する左右のハンドルグリップを有し、前記着座シートの前方に回転可能に設けられるハンドルと、
    前記着座シートの前方かつ前記左右のハンドルグリップどうしの間に、それぞれ後方外側に向かって指向して設けられる左右一対の指向性を有するスピーカと、
    を備えることを特徴とする自動二輪車のスピーカの配置構造。
  2. 前記スピーカは、前記ハンドルの前方または後方に、前記運転者の頭部を指向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のスピーカの配置構造。
  3. 前記スピーカは、前記運転者から見て、前記ハンドルの回転軌跡の外側に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車のスピーカの配置構造。
  4. 車両の内側を覆う内装カバーをさらに備え、
    前記スピーカは前記内装カバーに設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自動二輪車のスピーカの配置構造。
  5. 前記スピーカは、パラメトリックスピーカであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の自動二輪車のスピーカの配置構造。
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