JP2012116278A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動倍力装置を用いたブレーキ制御装置において、ブレーキペダルの操作によりシステム起動したときのHSA制御実行中にもブレーキペダルの解放を適切に検知する。
【解決手段】ブレーキペダルBの操作に基づき、電動モータ40を制御し、プライマリピストン10を推進してマスタシリンダ2で液圧を発生させる。車両が坂道で停止し、ブレーキペダルBを解放したとき、液圧を所定時間保持した後、減圧することにより坂道発進を補助する。ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習前にHSA制御を実行した際、マスタシリンダ2の液圧について、HSA保持液圧と、ブレーキペダルBの操作による入力ピストン32の変位量に対応する目標液圧とを比較し、目標液圧がHSA保持液圧以下の場合又はブレーキスイッチ81がオフとなった場合にブレーキペダルBの解放と判断し、マスタシリンダ2の液圧をHSA保持液圧で所定時間保持した後、減圧する。
【選択図】図1
【解決手段】ブレーキペダルBの操作に基づき、電動モータ40を制御し、プライマリピストン10を推進してマスタシリンダ2で液圧を発生させる。車両が坂道で停止し、ブレーキペダルBを解放したとき、液圧を所定時間保持した後、減圧することにより坂道発進を補助する。ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習前にHSA制御を実行した際、マスタシリンダ2の液圧について、HSA保持液圧と、ブレーキペダルBの操作による入力ピストン32の変位量に対応する目標液圧とを比較し、目標液圧がHSA保持液圧以下の場合又はブレーキスイッチ81がオフとなった場合にブレーキペダルBの解放と判断し、マスタシリンダ2の液圧をHSA保持液圧で所定時間保持した後、減圧する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両のブレーキ装置の作動を制御するブレーキ制御装置に関するものである。
自動車のブレーキ制御装置において、例えば特許文献1に記載されているように、坂道発進時の後退を防止して運転を補助する、所謂、坂道発進補助制御(ヒルスタートアシスト制御とも呼ばれ、以下、HSA制御という)を備えたものが知られている。特許文献1に記載されたものでは、制動時の車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御を実行するためにブレーキシステムに設けられた液圧制御装置を利用してHSA制御を行なっている。この液圧制御装置は、ポンプ、アキュムレータ及び電磁弁等からなり、各車輪の液圧式ブレーキに供給するブレーキ液圧を増圧、減圧及び保持することができ、車両が坂道で停止したとき、ブレーキペダルの解放をブレーキスイッチ等によって検知し、ブレーキペダルが解放されたてから一定時間液圧制御装置によって制動状態を保持した後、制動を解除することにより、坂道発進時に車両の後退を防止している。
また、自動車のブレーキ制御装置には、例えば特許文献2に記載されているように、ブレーキペダルによって直接操作される入力ピストンと、ブレーキペダルの操作量に応じて作動する電動モータによって駆動されるアシスト部材とよってマスタシリンダ内に倍力されたブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置を組み合わせたものがある。電動倍力装置は、入力ピストン及びアシスト部材の変位量、マスタシリンダの液圧等に基づき、電動モータの作動を制御することにより、ブレーキペダルの操作力を軽減する倍力制御及び急制動時に迅速に大きな制動力を発生させるブレーキアシスト制御等、様々なブレーキ制御を行うことができる。
電動倍力装置と組み合わせたブレーキ制御装置では、車両が坂道に停止したとき、電動モータにより、アシスト部材を制動位置で保持して制動状態を維持し、ブレーキペダルの解放を検知したとき、所定時間経過後にアシスト部材を後退させて制動状態を解除することにより、上述のHSA制御を実行することができる。
しかしながら、特定の状況においては、液圧センサ及びストロークセンサによってブレーキペダルの解放を検知することが困難な場合がある。電動倍力装置と組み合わせたブレーキ制御装置は、ブレーキペダルが操作された場合には、イグニッションスイッチのオン、オフにかかわらず起動して、ブレーキ制御を開始することが望まれている。一方、液圧センサ及びストロークセンサの検出精度を高めるためには、適宜これらのセンサの制御の基準となる制御原点の較正(0点学習)を行なう必要がある。ところが、ブレーキペダルが踏込まれた状態でブレーキシステムが起動した場合、一旦ブレーキペダルが解放されるまで0点学習を行うことができない。したがって、このような状況で、HSA制御を実行する場合、ブレーキペダルの解放を正確に検知することが困難であるという問題を生じる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、HSA制御実行中にブレーキペダルの解放を適切に検知するようにしたブレーキ制御装置を提供すること目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、該入力部材に対して相対移動可能に設けられたアシスト部材と、該アシスト部材の推進よってブレーキ液圧を発生してブレーキ装置に供給するマスタシリンダと、前記アシスト部材を駆動する電動アクチュエータと、前記アシスト部材の変位を検出するためのアシスト部材変位検出手段と、該アシスト部材変位検出手段および前記入力部材の変位を検出するための入力部材変位検出手段からの変位検出値に基づき、前記電動アクチュエータを制御して、前記アシスト部材を前記入力部材の変位に応じた指令位置に移動させて前記マスタシリンダで所望の目標液圧を発生させるとともに、前記ブレーキペダルの操作の有無を検知するブレーキスイッチからの信号を受け取って前記ブレーキペダルの操作によってシステム起動することが可能なコントローラと、を備え、前記コントローラによって、車両が坂道で停止し、所定の条件を満たしたときの前記マスタシリンダのブレーキ液圧を保持液圧として前記ブレーキペダルを解放したときから所定時間保持して車両の発進を補助する坂道発進補助制御を実行可能なブレーキ制御装置であって、前記コントローラは、前記ブレーキスイッチ起動によって起動したときに、前記坂道発進補助制御を実行している際の前記ブレーキペダルの解放を、前記入力部材の変位に応じた目標液圧が前記保持液圧以下である場合、あるいは、前記ブレーキペダルの操作が無い場合のいずれかの条件が成立したときに判断することを特徴とする。
本発明に係るブレーキ制御装置によれば、HSA制御の実行中にブレーキペダルの解放を適切に検知することができる。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るブレーキ装置制御1は、タンデム型のマスタシリンダ2と、電動倍力装置が組込まれたケース4とを備えている。マスタシリンダ2には、リザーバ5が接続されている。マスタシリンダ2は、略有底円筒状のシリンダ本体2Aを含み、その開口部側がケース4の前部にスタッドボルト6A及びナット6Bによって結合されている。ケース4の上部には、制御手段であるコントローラCが取付けられている。ケース4の後部には、平坦な取付座面7が形成され、取付座面7からマスタシリンダ2と同心の円筒状の案内部8が突出している。そして、ブレーキ制御装置1は、車両のエンジンルーム内に配置され、案内部8をエンジンルームと車室との隔壁Wに貫通させて車室内に延ばし、取付座面7を隔壁Wに当接させて取付座面7に設けられたスタッドボルト9を用いて固定される。
図1に示すように、本実施形態に係るブレーキ装置制御1は、タンデム型のマスタシリンダ2と、電動倍力装置が組込まれたケース4とを備えている。マスタシリンダ2には、リザーバ5が接続されている。マスタシリンダ2は、略有底円筒状のシリンダ本体2Aを含み、その開口部側がケース4の前部にスタッドボルト6A及びナット6Bによって結合されている。ケース4の上部には、制御手段であるコントローラCが取付けられている。ケース4の後部には、平坦な取付座面7が形成され、取付座面7からマスタシリンダ2と同心の円筒状の案内部8が突出している。そして、ブレーキ制御装置1は、車両のエンジンルーム内に配置され、案内部8をエンジンルームと車室との隔壁Wに貫通させて車室内に延ばし、取付座面7を隔壁Wに当接させて取付座面7に設けられたスタッドボルト9を用いて固定される。
マスタシリンダ2のシリンダ本体2A内には、開口側に、先端部がカップ状に形成された円筒状のプライマリピストン10(アシスト部材)が嵌装され、底部側にカップ状のセカンダリピストン11が嵌装されている。プライマリピストン10の後端部は、マスタシリンダ2の開口部からケース4内に突出して、案内部8付近まで延びている。プライマリピストン10及びセカンダリピストン11は、シリンダ本体2Aのシリンダボア12内に嵌合されたスリーブ13の両端側に配置された環状のガイド部材14、15によって摺動可能に案内されている。シリンダ本体2A内は、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11によってプライマリ室16及びセカンダリ室17の2つの圧力室が形成されている。これらプライマリ室16及びセカンダリ室17には、液圧ポート18、19がそれぞれ設けられている。液圧ポート18、19は、2系統の液圧回路からなる液圧制御装置70を介して各車輪のブレーキキャリパ71に接続されている。ブレーキキャリパ71は、ブレーキ液の供給により車輪を制動するブレーキ機構である。
シリンダ本体2Aの側壁の上部側には、プライマリ室16及びセカンダリ室17をリザーバ5に接続するためのリザーバポート20、21が設けられている。シリンダ本体2Aのシリンダボア12と、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11との間は、それぞれ2つのシール部材22A、22B及び23A、23Bによってシールされている。シール部材22A、22Bは、軸方向に沿ってリザーバポート20を挟むように配置されている。これらのうちシール部材22Aにより、プライマリピストン10が図1に示す非制動位置にあるときに、プライマリ室16がプライマリピストン10の側壁に設けられたポート24を介してリザーバポート20に連通する。プライマリピストン10が非制動位置から前進したとき、シール部材22Aによってプライマリ室16がリザーバポート20から遮断される。同様に、シール部材23A、23Bは、軸方向に沿ってリザーバポート21を挟むように配置されている。これらのうちシール部材23Aにより、セカンダリピストン11が図1に示す非制動位置にあるとき、セカンダリ室17がセカンダリピストン11の側壁に設けられたポート25を介してリザーバポート21に連通する。セカンダリピストン11が非制動位置から前進したとき、シール部材23Aによってセカンダリ室17がリザーバポート21から遮断される。
プライマリ室16内のプライマリピストン10とセカンダリピストン11との間には、バネアセンブリ26が介装されている。また、セカンダリ室17内のマスタシリンダ2の底部とセカンダリピストン11との間には、圧縮コイルバネである戻しバネ27が介装されている。バネアセンブリ26は、圧縮コイルバネを伸縮可能な円筒状のリテーナ29によって所定の圧縮状態で保持し、そのバネ力に抗して圧縮可能としたものである。
プライマリピストン10は、カップ状の先端部と円筒状の後部と、内部を軸方向に仕切る中間壁30とを備え、中間壁30には、案内ボア31が軸方向に沿って貫通されている。案内ボア31には、入力部材である段部32Aを有する段付形状の入力ピストン32(入力部材)の小径の先端部が摺動可能かつ液密的に挿入されており、入力ピストン32の先端部は、プライマリ室16内のバネアセンブリ26の円筒状のリテーナ29に挿入されている。
入力ピストン32の後端部には、ケース4の円筒部8及びプライマリピストン10の後部に挿入された入力ロッド34の先端部が連結されている。入力ロッド34の後端側は、円筒部8から外部に延出され、その端部には、ブレーキ指示を出すために操作されるブレーキペダルBが連結される。プライマリピストン10の後端部には、フランジ状のバネ受35が取付けられている。プライマリピストン10は、ケース4の前壁側とバネ受35との間に介装された圧縮コイルバネである戻しバネ36によって後退方向に付勢されている。入力ピストン32は、プライマリピストン10の中間壁30との間及びバネ受35との間にそれぞれ介装されたバネ部材であるバネ37、38によって、図1に示す中立位置に弾性的に保持されている。入力ロッド34の後退位置は、ケース4の円筒部8の後端部に設けられたストッパ39によって規定されている。
ケース4内には、電動アクチュエータである電動モータ40及び電動モータ40の回転を直線運動に変換してプライマリピストン10に推力を付与するボールネジ機構41を含むアクチュエータ3が設けられている。電動モータ40は、ケース4に固定されたステータ42と、ステータ42に対向させてベアリング43、44によってケース4に回転可能に支持された中空のロータ45とを備えている。ボールネジ機構41は、ロータ45の内周部に固定された回転部材であるナット部材46と、ナット部材46及びケース4の円筒部8内に挿入されて軸方向に沿って移動可能で、かつ、軸回りに回転しないように支持された直動部材である中空のネジ軸47と、これらの対向面に形成されたネジ溝間に装填された複数のボール48とを備えている。ボールネジ機構41は、ナット部材46の回転により、ネジ溝に沿ってボール48が転動することにより、ネジ軸47が軸方向に移動するようになっている。なお、ボールネジ機構41は、ナット部材46とネジ軸47との間で、回転及び直線運動を相互に変換可能となっている。
なお、電動モータ40とボールネジ機構41との間に、遊星歯車機構、差動減速機構等の公知の減速機構を介装して、電動モータ40の回転を減速してボールネジ機構41に伝達するようにしてもよい。
ボールネジ機構41のネジ軸47は、ケース4の前壁側との間に介装された圧縮テーパコイルバネである戻しバネ49によって後退方向に付勢され、ケース4の円筒部8に設けられたストッパ39によって後退位置が規制されている。ネジ軸47内には、プライマリピストン10の後端部が挿入され、ネジ軸47の内周部に形成された段部50にバネ受35が当接してプライマリピストン10の後退位置が規制されている。これにより、プライマリピストン10は、ネジ軸47と共に前進し、また、段部50から離間して単独で前進することができる。そして、図1に示すように、ストッパ39に当接したネジ軸47の段部50によってプライマリピストン10の後退位置が規定され、後退位置にあるプライマリピストン10及びバネアセンブリ26の最大長によって、セカンダリピストン11の後退位置が規定されている。ネジ軸47の段部50は、ナット部材46の軸方向の長さの範囲に配置されている。
ブレーキ制御装置1には、ブレーキペダルB、したがって、入力ピストン32(入力部材)及び入力ロッド34の変位を検出するための入力部材変位検出手段であるストロークセンサ80、電動モータ40のロータ45の回転位置を検出する回転位置センサ60(すなわち、ロータ45に連結されたプライマリピストン10の位置を検出するためのアシスト部材変位検出手段)、プライマリ、セカンダリ室16、17の液圧を検出する液圧検出手段である液圧センサ72、ブレーキペダルBの操作の有無(踏込み、解放)を検知するブレーキスイッチ81、アクセルペダル(図示せず)の踏込みを検知するアクセルペダルセンサ82、電動モータ40の通電電流を検出する電流センサ及びこれらを含む各種センサが設けられている。コントローラCは、CPU、ROM及びRAM等を含むマイクロプロセッサベースの電子制御装置であり、これらの各種センサから検出信号に基づき、電動モータ40の回転を制御する。
また、液圧制御装置70は、マスタシリンダ2のプライマリ室16及びセカンダリ室17との接続を遮断するカットオフバルブ、液圧ポンプ、アキュムレータ、切換弁等を備えている。そして、マスタシリンダ2からの液圧を各車輪のブレーキキャリパ71に供給する通常制動モード、各車輪のブレーキキャリパ71の液圧を減圧する減圧モード、各車輪のブレーキキャリパ71の液圧を保持する保持モード、減圧されたブレーキキャリパ71の液圧を復帰させる増圧モード、及び、マスタシリンダ2の液圧にかかわらず、液圧ポンプ74の作動によって各車輪のブレーキキャリパ71に液圧を供給する加圧モードの各制御を実行することができる。
そして、これらの作動モードの制御を車両状態に応じたブレーキ指示を適宜実行することにより、各種ブレーキ制御を行なうことができる。例えば、制動時に接地荷重等に応じて各車輪に適切に制動力を配分する制動力配分制御、制動時に各車輪の制動力を自動的に調整して車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御、走行中の車輪の横滑りを検知して、ブレーキペダルの操作量にかかわらず各車輪に適宜自動的に制動力を付与することにより、アンダーステア及びオーバステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定性制御、坂道(特に上り坂)において制動状態を保持して発進を補助するHSA制御、発進時等において車輪の空転を防止するトラクション制御、先行車両に対して一定の車間を保持する車両追従制御、走行車線を保持する車線逸脱回避制御、障害物との衝突を回避する障害物回避制御等を実行することができる。
次にブレーキ制御装置1の作動について説明する。ブレーキペダルBを操作して入力ロッド34を介して入力ピストン32を前進させると、入力ピストン32の変位をストロークセンサ80によって検出し、コントローラCによって入力ピストン32の変位に基づいて電動モータ40の作動を制御し、ボールネジ機構41を介してプライマリピストン10を前進させて入力ピストン32の変位に追従させる。これにより、プライマリ室16に液圧が発生し、また、この液圧がセカンダリピストン11を介してセカンダリ室17に伝達される。このようにして、マスタシリンダ2で発生したブレーキ液圧は、液圧ポート18、19から液圧供給装置70を介して各車輪のブレーキキャリパ71に供給されて制動力を発生させる。
また、ブレーキペダルBの操作を解除すると、入力ピストン32、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11が後退して、プライマリ及びセカンダリ室16、17が減圧し、制動が解除される。なお、プライマリピストン10とセカンダリピストン11とは、略同様に作動するので、以下、プライマリピストン10についてのみ説明することとする。
制動時に、プライマリ室16の液圧の一部を入力ピストン32(プライマリピストン10よりも受圧面積が小さい)によって受圧し、その反力を、入力ロッド34を介してブレーキペダルBにフィードバックする。これにより、プライマリピストン10と入力ピストン32との受圧面積比に応じた所定の倍力比をもって所望の制動力を発生させることができる。また、入力ピストン32に対するプライマリピストン10の追従位置を適宜調整して、バネ37、38のバネ力を入力ピストン32に作用させて、入力ロッド34に対する反力を加減することにより、倍力制御、ブレーキアシスト制御、回生協調制御等のブレーキ制御時に適したブレーキペダル反力を得ることができる。
次に、コントローラCによるHSA制御について説明する。HSA制御は、車両を坂道で停止したとき、ブレーキペダルBを解放しても、一定の間、制動状態を保持して停止状態を維持し、車両の後退を防止して円滑な発進を行なうためのブレーキ制御である。HSA制御は、車両の前後方向の加速度を検知する加速度センサ及び車速センサ等によって車両が坂道(特に上り坂)で停止していることを検知し、ブレーキペダルBの解放をブレーキスイッチ81あるいはストロークセンサ80によって検知したとき、一定の間、電動モータ40によりプライマリピストン10を保持してマスタシリンダ2の液圧を保持することにより実行する。図2(a)に入力ピストン32及びプライマリピストン10が後退位置にある非制動状態のブレーキ制御装置1の一部を示し、図2(b)にプライマリピストン10が前進し、入力ピストン32が後退位置にあるHSA制御による液圧保持状態のブレーキ制御装置1の一部を示す。
HSA制御を実行するための制御フローの一例について、図2を参照して説明する。
図2を参照して、ステップS1では、HSA介入判断によってHSA制御を実行するか否かを判断する。例えば、前後加速センサの検出加速度によって車両が坂道にあることを判断し、車速センサの検出速度が0であることによって車両が停止中であることを判断し、ストロークセンサ80によってブレーキペダルBが踏込まれていることを判断し、車両変速機のギヤポジション信号等によって坂道に対する車両の進行方向を判断し、また、アクセルペダルセンサ82によってアクセルペダルが踏込まれていないことを判断する。そして、これらの判断が全て成立したとき(HSA介入)、ステップS2に進む。これらのいずれかが成立しない場合には(HSA非介入)、ステップS10へ進み、ストロークセンサ80の検出に基づき、電動モータ40によってプライマリピストン10の位置を制御する通常のブレーキ制御を実行する。
図2を参照して、ステップS1では、HSA介入判断によってHSA制御を実行するか否かを判断する。例えば、前後加速センサの検出加速度によって車両が坂道にあることを判断し、車速センサの検出速度が0であることによって車両が停止中であることを判断し、ストロークセンサ80によってブレーキペダルBが踏込まれていることを判断し、車両変速機のギヤポジション信号等によって坂道に対する車両の進行方向を判断し、また、アクセルペダルセンサ82によってアクセルペダルが踏込まれていないことを判断する。そして、これらの判断が全て成立したとき(HSA介入)、ステップS2に進む。これらのいずれかが成立しない場合には(HSA非介入)、ステップS10へ進み、ストロークセンサ80の検出に基づき、電動モータ40によってプライマリピストン10の位置を制御する通常のブレーキ制御を実行する。
ステップS2では、HSA制御の実行の可否を判断する。HSA制御が実行可能な場合には(強制解除条件不成立)、ステップS3に進む。ブレーキシステムの異常等によりHSA制御を実行できない場合には(強制解除条件成立)、ステップS9に進み、ステップS9でマスタシリンダ2の減圧処理を行ない、HSA制御を解除する。この減圧処理は、強制解除条件が成立した場合(強制解除減圧)には、減圧勾配をつけずに電動モータ40を最速で制御してマスタシリンダ2を減圧する処理となっている。また、後述するアクセルON判断による場合(アクセルオン減圧)の減圧処理やブレーキペダルBの解放判断による場合(タイムアウト減圧)の減圧処理は、アクセル開度、駆動トルク等のパラメータに基づき、所定の減圧速度でマスタシリンダ2の液圧を減圧して、上述の通常のブレーキ制御に移行する処理である。
ステップS3では、アクセルペダルセンサ82によって検出したアクセルペダルの操作量に基づき、運転者に発進する意思があるか否かを判断する。このとき、前後加速度センサの検出から得られる坂道の勾配及び車両重量から発進に必要なエンジンの駆動トルクを決定し、この駆動トルクに基づいて設定した閾値とアクセルペダルの操作量とを比較することにより、運転者の発進の意思の有無を判断することができる。ステップS3で、アクセルOFF(発進の意思なし)と判断された場合には、ステップS4に進み、アクセルON(発進の意思あり)と判断された場合には、ステップS9に進んで、ステップS9で上述の減圧処理を行ない、HSA制御を解除する。
ステップS4では、ブレーキペダルBの解放(リリース)判断を行なう。ブレーキペダルBの解放判定は、電動モータ40によって駆動されるプライマリピストン10の位置と、ブレーキペダルBに連結された入力ピストン32との相対位置に基づいて判断する。プライマリピストン10と入力ピストン32との相対変位は、これらの各部の寸法及びバネ37、38の寸法等による構造上の制限を受けるため、プライマリピストン10が一定以上前進した位置にある場合、入力ピストン32(ブレーキペダルB)が完全に戻り切らない場合がある。このため、プライマリピストン10の位置を基準として、入力ピストン32の相対位置が戻り方向の所定位置に達したとき、ブレーキペダルBが解放されたと判断する。
ステップS4で、ブレーキペダルBが解放されたと判断した場合には、ステップS8で所定時間の経過をカウントし、所定時間経過後にステップS9でHSAを解除し、ステップS11で上述の減圧処理を行なう。ステップS8で所定時間の経過前である場合には、ステップS5に進む。また、ステップS4でブレーキペダルBが解放されていない(ブレーキペダルBの踏み込みあり)と判断された場合もステップS5に進む。
ステップS5では、液圧センサ72で検出したマスタシリンダ2の液圧が所定値、所定のHSA保持液圧の上限値と比較する。ここで、所定値であるHSA保持液圧の上限値とは、保持する必要のない大きな液圧を排除するために車両の諸元等から予め定めたもので、この上限値を設定することで電動モータ40の発熱を抑制することができる。なお、HSA保持液圧の上限値は、前後加速度センサの検出加速度から得られる坂道の勾配に基づいて可変とすることもできる。ステップS5で、HSA介入判断時のマスタシリンダ2の液圧がHSA保持液圧以上である場合には、ステップS6に進み、ストロークセンサ80及び回転位置センサ60の検出に基づき、電動モータ40によってプライマリピストン10の位置を制御する通常のブレーキ制御を実行する。HSA介入判断時のマスタシリンダ2の液圧が保持液圧未満である場合には、ステップS7に進み、電動モータ40を制御してマスタシリンダ2の液圧を坂道で車両の停止状態を維持し得る保持液圧で保持する。
このようにして、HSA制御は、車両が坂道で停止し、ブレーキペダルBを解放し始めたとき、電動モータ40を制御してプライマリピストン10を推進し、マスタシリンダ2の液圧をブレーキペダルBを解放し始める前のHSA保持液圧に保持し、車両の停止状態を維持し、ブレーキペダルBが完全に解放されて所定時間経過したとき、あるいは、アクセルペダルが踏込まれて発進動作が行なわれたとき、マスタシリンダ2の液圧を減圧して、HSA制御を解除し、制動を解除する。これにより、HSA制御によるマスタシリンダ2の液圧保持中にも、ブレーキペダルBの踏込み量に応じてマスタシリンダ2の液圧を保持することができ、円滑な坂道発進を行うことができる。
ここで、本実施形態における電動倍力装置では、上記のブレーキペダルBの解放し始めや完全に解放の判断については、入力ピストン32の移動がプライマリピストン10により規制されることから、単純にストロークセンサ80やブレーキスイッチ81の信号では判断ができない。したがって、通常のHSA制御におけるブレーキペダルBの解放し始めについては、液圧センサ72の検出値やストロークセンサ80と回転位置センサ60との検出値に基づく、入力ピストン32とプライマリピストン10との相対変位量から判断を行うようになっている。また、通常のHSA制御におけるブレーキペダルBの完全解放については、液圧センサ72の検出値が0となったことで判断するようにしている。
次にブレーキペダルBの踏込みによるブレーキ制御装置1の起動について説明する。通常、車両のイグニッションスイッチがオフの状態であっても、ブレーキペダルBにより、必要な制動力が得られることが望ましい。そこで、イグニッションスイッチがオフの状態でブレーキペダルBが踏込まれた場合、ブレーキスイッチ81のオンによってシステムを起動する。このとき、電動モータ40及びプライマリピストン10は、初期位置にあるので、電動モータ40の回転位置(すなわちプライマリピストン10の位置)を検出する回転位置センサ60については0点学習が可能であるため、回転位置センサ60の0点学習を行う。一方、システムが起動した時点で、ブレーキペダルBが踏み込まれており、また、入力ピストン32の前進によってマスタシリンダ2で液圧が発生しているので、ストロークセンサ80及び液圧センサ72については、0点学習を実行することができない。そこで、ストロークセンサ80及び液圧センサ72については、コントローラCのメモリに予め記憶された初期原点を用いてシステム起動時の仮の0点を設定して各種ブレーキ制御を実行する。その後、ブレーキペダルBが完全に解放されて0点学習が可能となったときに、ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習を実行する。
このように、ブレーキペダルBの踏込みによるブレーキ制御装置1が起動した場合には、ストロークセンサ80及び液圧センサ72については、0点学習を実行することができず、そのときのセンサ値に想定し得る誤差のオフセット値を加減した値を仮の検出値として用いることになる。このため、上述したようなHSA制御のためのブレーキペダルBの解放し始めや完全に解放の判断については、仮の検出値だけでは精度良く制御することができず、最悪の場合には、マスタシリンダ2から若干の液圧が供給された状態で車両が走行してしまう引き摺り現象が起こる可能性があった。
次に、上述のようにブレーキペダルBの踏込みにより、ブレーキシステムが起動した場合、すなわち、ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習前におけるHSA制御について説明する。この場合、上述のHSA制御における強制解除減圧やアクセルオン減圧については、特に問題はないが、タイムアウト減圧については、ストロークセンサ80の0点学習前であるため、プライマリピストン10と入力ピストン32との相対位置を正確に検出することができないので、この相対位置からブレーキペダルBの解放し始めを検知することができない。また、液圧センサ72の0点学習前であるため、マスタシリンダ2の実際の液圧の検出精度は低下している。
コントローラCは、HSA制御において、マスタシリンダ2の液圧をHSA保持液圧で保持する際、HSA制御介入時における液圧センサ72の検出液圧として誤差のオフセット値を加減した値である仮の検出値を用いる。
そして、ブレーキペダルBの解放は、プライマリピストン10と入力ピストン32との相対位置の代りに、ストロークセンサ80が検出する入力ピストン32の変位量に応じたプライマリピストン10によるマスタシリンダ2の液圧指令に基づいて判断する。すなわち、マスタシリンダ2の液圧を保持しているHSA保持液圧と、ブレーキペダルBの操作による入力ピストン32の変位量に対応するマスタシリンダ2の目標液圧とを比較し、目標液圧がHSA保持液圧以下である場合、ブレーキペダルBが解放されたと判断し、入力ピストン3の変位量に対応するプライマリピストン10の位置によるマスタシリンダ2の目標液圧を新たなHSA保持液圧としてHSA保持液圧を更新し、マスタシリンダ2の圧力室の減圧を行ってプライマリピストン10をその位置で保持する。なお、目標液圧がHSA保持液圧より大きい場合、ブレーキペダルBが踏込まれたものとして、通常のブレーキ制御を実行する。
あるいは、ブレーキペダルBの解放、ブレーキペダルBが操作されなくなったことをブレーキスイッチ81のオフによって検知した場合には、所定時間(2秒程度)の経過を待ってマスタシリンダ2の減圧処理を実行して制動を解除する。これにより、ブレーキペダルBの踏込みにより、ブレーキシステムが起動し、その後、イグニッションスイッチをオンした場合においても適切にマスタシリンダ2の液圧保持及び解除を行うことができ、円滑な坂道発進を行うことができる。すなわち、ブレーキペダルBの踏込みによってブレーキシステムが起動した場合のHSA制御におけるタイムアウト減圧は、目標液圧がHSA保持液圧以下である場合、あるいは、ブレーキスイッチ81のオフである場合から所定時間後に減圧処理を実行するようにしている。
なお、上記では、HSA保持液圧として液圧センサ72の検出値を用いたが、HSA制御介入時の回転位置センサ60の検出値に基づいて算出されるマスタシリンダ2の液圧指令値をHSA保持液圧としてもよい。すなわち、マスタシリンダ2の液圧とプライマリピストン10の位置との間には一定の関係があるので、この関係を予め記憶しておくことにより、プライマリピストン10の位置からマスタシリンダ2の液圧を得ることができる。そして、マスタシリンダ2の液圧をHSA保持液圧で保持しているプライマリピストン10の位置と、ブレーキペダルBの踏込みにより前進した入力ピストン3の変位量に対応するマスタシリンダ2の液圧を発生させるためのプライマリピストン10の位置とを比較し、ブレーキペダルBの踏込みによる入力ピストン3の変位量に対応するプライマリピストン10の位置がマスタシリンダ2でHSA保持液圧を保持しているプライマリピストン10の位置よりも後退側にある場合、ブレーキペダルBが解放されたと判断する。そして、入力ピストン3の変位量に対応するプライマリピストン10の位置によるマスタシリンダ2の指令液圧を新たな保持液圧としてHSA保持液圧を更新し、マスタシリンダ2の圧力室を減圧してプライマリピストン10をその位置で保持する。ブレーキペダルBの踏込みによる入力ピストン3の変位量に対応するプライマリピストン10の位置がマスタシリンダ2をHSA保持液圧で保持しているプライマリピストン10の位置よりも後退側にない場合、ブレーキペダルBが踏み込まれたと判断して、通常のブレーキ制御を実行する。
次に、ブレーキペダルBの踏込みにより、ブレーキシステムが起動し、ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習前においてHSA制御を実行するための制御フローの一例について、図4を参照して説明する。なお、この図4のフローは、ブレーキスイッチ81によってブレーキシステムが起動してから0点学習が行われるまで所定サイクルで実行されるものとなっている。
図4を参照して、ステップS11で、HSA介入判断によってHSA制御を実行するか否かを判断する。HSA介入判断は、上述の通常のHSA制御の場合と同様に判断することができる。ステップS11でHSA介入条件が成立した場合、ステップS12に進んで強制解除条件が成立しているか判断する。強制解除条件判断は、上述の通常のHSA制御の場合と同様に判断することができる。ステップS12で強制解除条件が不成立である場合、ステップS13に進んでアクセルオン条件が成立しているか判断する。アクセルオン判断は、上述の通常のHSA制御の場合と同様に判断することができる。ステップS13でアクセルオン条件が不成立である場合、ステップS14に進んでタイムアウト減圧条件が成立して所定時間(例えば、2秒)経過しているか判断する。
ステップS14では、タイムアウト減圧条件として、上述したような目標液圧がHSA保持液圧以下である場合、あるいは、ブレーキスイッチ81のオフである場合のいずれかの条件が成立して所定時間経過しているかを判断する。この判断結果でタイムアウト条件が成立していない、または、タイムアウト条件の成立から所定時間経過していないと判断したときに、マスタシリンダ2の液圧を所定のHSA保持液圧で保持する。
ステップS11でHSA介入条件が成立していない(NO)、ステップS12で強制解除条件が成立している(YES)、ステップS13でアクセルオン条件が成立している(YES)、若しくは、ステップS14でタイムアウト減圧条件が成立して所定時間経過している(YES)場合には、ステップS16に進む。
ステップS16では、回転位置センサ60の検出値に基づいて、電動モータ40の回転位置(すなわちプライマリピストン10の位置)が初期位置となっているか否かを判断する。すなわち、電動モータ40の回転位置が初期位置となっていれば、それ以上の減圧を行うことはできないため、HSA制御が終了しているものとして、そのサイクルにおける制御を終了する。ここで、HSA制御の終了を、0点学習を行っていない液圧センサ72の液圧が0となっているか否かではなく、電動モータ40の回転位置が初期位置となっているか否かで判断するため、マスタシリンダ2から若干の液圧が供給された状態で車両が走行してしまう引き摺り現象が起こることを防止することが可能となっている。
ステップS16で電動モータ40の回転位置が初期位置となっていないと判断した場合には、ステップS17へ進み、マスタシリンダ2の減圧処理を行う。この減圧処理は、上述の通常のHSA制御の場合と同様に実行することができる。
次に、上述のブレーキペダルBの踏込みにより、ブレーキシステムが起動し、ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習前にHSA制御を実行した場合におけるブレーキペダルBの解放の判断の一例について図5のタイムチャートを参照して説明する。
図5を参照して、坂道(登坂)で停車中にイグニッションスイッチオフの状態において、時刻t0でブレーキペダルBを踏込むと、ブレーキスイッチ81のオンによって時刻t1でブレーキシステムが起動し、時刻t2でストロークセンサ80の検出に基づく通常のブレーキ制御が開始され、ブレーキペダルBの踏込み量(入力ピストン32の位置)に応じて目標液圧の算出が行なわれ、この目標液圧となるように電動モータ40によってプライマリピストン10を推進してマスタシリンダ2で液圧が発生する。時刻t3でHSA介入条件の成立によりHSA制御が開始されてHSA保持液圧P1でマスタシリンダ2の液圧を保持する。
時刻t4で、ブレーキペダルBが戻され、ブレーキペダルBによる目標液圧がHSA保持液圧P1未満になることにより、ブレーキペダルBの解放(タイムアウト減圧条件成立)と判断し、所定時間(2秒程度)経過後、時刻t5で再びHSA介入条件の成立してブレーキペダルBによる目標液圧をHSA保持液圧P2として更新したかたちでHSA制御が再度始まる。このとき、マスタシリンダ2の保持液圧が更新されたHSA保持液圧P2まで減圧処理されることになる。時刻t6でブレーキペダルBが更に戻され、ブレーキペダルBによる指令液圧がHSA保持液圧P2未満になることにより、上述と同様に、所定時間(2秒程度)経過後、時刻t7でブレーキペダルBによる指令液圧をHSA保持液圧P3として更新し、マスタシリンダ2の液圧が更新されたHSA保持液圧P3まで減圧処理される。
ここで、時刻t8でブレーキペダルBが更に戻されるが、所定時間経過前に時刻t9でブレーキペダルBが踏込まれる様な場合には、時刻t10でブレーキペダルBによる指令液圧がHSA保持液圧P3を超えることにより、再びHSA介入条件の成立してそのブレーキペダルBによる目標液圧をHSA保持液圧P4として更新する。その後、時刻t11でブレーキペダルBが解放され、時刻t12でブレーキペダルBが完全に解放されてブレーキスイッチ81がオフとなり、タイムアウト減圧条件が成立して所定時間経過後に時刻t13で減圧処理されてHSA制御が解除されて制動が解除される。
このようにして、ブレーキペダルBが踏込まれてブレーキシステムが起動した後にイグニッションスイッチをオンにしたため、ストロークセンサ80及び液圧センサ72の0点学習が行なわれない状態であっても、HSA制御によるマスタシリンダ2の液圧保持中において、ブレーキペダルBの踏込み量に応じて適切なマスタシリンダ液圧を保持することができ、円滑な坂道発進を行うことができる。
なお、上記実施形態においては、一例として、2系統の液圧ポート18、19を有するタンデム型のマスタシリンダ2を備えたブレーキ装置について説明しているが、本発明は、これに限らず、セカンダリピストン11及びセカンダリ室17を省略してシングル型のマスタシリンダとしたブレーキ装置にも適用することができる。また、上記実施形態において、ボールネジ機構41のほか、他の公知の回転−直動変換機構を用いることもできる。また、電動モータ40として、ボールネジ機構41及びプライマリピストン10と同軸のものを用いて説明しているが、これに限らず、ボールネジ機構41やプライマリピストン10の軸と異なる軸に電動モータを設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、入力ピストン32及びプライマリピストン10が共にマスタシリンダ2に挿入されている構成(プライマリピストン10の案内ボア31に入力ピストン32が摺動可能かつ液密的に挿入されている構成)を用いている。しかし、必ずしも入力ピストンがマスタシリンダに挿入される必要はなく、アクチュエータによって駆動されるピストンがマスタシリンダに挿入されていればよい。したがって、例えば、ブレーキペダルの踏力がマスタシリンダに直接伝達されない、いわゆるバイワイヤ式の構成に上記実施形態の制御を適用することもできる。
1 ブレーキ制御装置、2 マスタシリンダ、10 プライマリピストン(アシスト部材)、32 入力ピストン(入力部材)、40 電動モータ(電動アクチュエータ)、60 回転位置センサ(アシスト部材変位検出手段)、71 ブレーキキャリパ(ブレーキ装置)、80 ストロークセンサ(入力部材変位検出手段)、81 ブレーキスイッチ、C コントローラ
Claims (1)
- ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、
該入力部材に対して相対移動可能に設けられたアシスト部材と、
該アシスト部材の推進よってブレーキ液圧を発生してブレーキ装置に供給するマスタシリンダと、
前記アシスト部材を駆動する電動アクチュエータと、
前記アシスト部材の変位を検出するためのアシスト部材変位検出手段と、
該アシスト部材変位検出手段および前記入力部材の変位を検出するための入力部材変位検出手段からの変位検出値に基づき、前記電動アクチュエータを制御して、前記アシスト部材を前記入力部材の変位に応じた指令位置に移動させて前記マスタシリンダで所望の目標液圧を発生させるとともに、前記ブレーキペダルの操作の有無を検知するブレーキスイッチからの信号を受け取って前記ブレーキペダルの操作によってシステム起動することが可能なコントローラと、
を備え、
前記コントローラによって、車両が坂道で停止し、所定の条件を満たしたときの前記マスタシリンダのブレーキ液圧を保持液圧として前記ブレーキペダルを解放したときから所定時間保持して車両の発進を補助する坂道発進補助制御を実行可能なブレーキ制御装置であって、
前記コントローラは、前記ブレーキスイッチ起動によって起動したときに、前記坂道発進補助制御を実行している際の前記ブレーキペダルの解放を、前記入力部材の変位に応じた目標液圧が前記保持液圧以下である場合、あるいは、前記ブレーキペダルの操作が無い場合のいずれかの条件が成立したときに判断することを特徴とするブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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-
2010
- 2010-11-30 JP JP2010266676A patent/JP2012116278A/ja active Pending
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