JP2012115970A - 工作機械の主軸およびこれを用いた工作機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワークを切削するための加工機や工作機械の主軸頭などに設置されたラムやクイル等の主軸を構成する部材が長く伸びた場合でも、歪またはビビリ等が起きにくくなる工作機械の主軸およびこれを用いた工作機械を提供することにある。
【解決手段】 主軸頭に設けられ伸長する軸方向に進退する回転軸およびその外周面に嵌合するラムもしくはクイルを有する主軸において、回転軸または/およびラムもしくはクイルに外周面の伸長する軸方向に本体材料と共振点の異なる金属補強材を一つ以上添設したことを特徴とする工作機械の主軸とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 主軸頭に設けられ伸長する軸方向に進退する回転軸およびその外周面に嵌合するラムもしくはクイルを有する主軸において、回転軸または/およびラムもしくはクイルに外周面の伸長する軸方向に本体材料と共振点の異なる金属補強材を一つ以上添設したことを特徴とする工作機械の主軸とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高剛性の加工機械や工作機械の主軸およびこれを用いた工作機械に関し、より一層詳細には、これらの剛性の向上に係わる。
ワークを加工する加工機械であって、金属を加工する工作機械、特に大型の横中ぐり盤や門型のマシニングセンタ等においては、その主軸に、直接に、あるいは加工方向を変えるためのアングルヘッド等を介して、種々のカッター、ドリル、切刃チップ等の様々なタイプの工具を取り付けることが行われている。
そして前述の様々なタイプの工具のなかには、主軸の先端に装着されるため、加工されるワークの加工位置との関係により、主軸が本体機械から長く伸びる場合もあり、工具を含めた主軸の全体が伸びれば伸びるほど、モーメントが大きくなり加工中の歪、ビビリ現象が発生し、製品(ワーク)の加工精度を保つことが難しかった。
そして前述の様々なタイプの工具のなかには、主軸の先端に装着されるため、加工されるワークの加工位置との関係により、主軸が本体機械から長く伸びる場合もあり、工具を含めた主軸の全体が伸びれば伸びるほど、モーメントが大きくなり加工中の歪、ビビリ現象が発生し、製品(ワーク)の加工精度を保つことが難しかった。
ところで、加工中の歪またはビビリ現象の防止のため本出願人が開示した図6に示すような工具が既に存在し知られている。この図6に示された工具において、工具の本体1は、工作機械、例えば横中ぐり盤において装着され使用されるとき、普通水平方向に配置された主軸の先端に装着され、工具本体1のシャンク3の首下にアーバ4を設け、このアーバ4の先端に切刃チップ5の付いたボーリングヘッド6を取り付けてある。そしてシャンク3の首下が長くなればなるほど、ビビリ現象が発生し易くなることが懸念されるため、アーバ4の外周に沿って軸方向に2本または3本の凹溝7を設け、この溝7の中に超硬金属8を収納し筋金とし、剛性を向上させている。
しかしながら、前述の発明に示された技術は、工具のみに関する技術の発明であり、工具以外において、特に主軸構造が長くなるようなときは、加工中の歪やビビリ現象は、主軸構造が長くなるが故に、その発生が依然として懸念されるものであった。
本発明の目的は、前述のように主軸頭等に個性されるラムやクイル等を含む主軸の構造において、工具のみならず主軸自体が伸びた場合でもビビリ等が起きにくくなる剛性を高めた工作機械の主軸およびこれを用いた工作機械を提供することにある。
そのためには、工作機械の主軸を構成する回転軸およびこの回転軸を外側から支えるラム(門型工作機械の四角ラム等)あるいはクイル(横中ぐり盤等の場合)を筋金等の補強材により強化すれば良いという結論に達し、本発明に至った。
前述の目的を達成するため本発明は、主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する主軸において、回転軸またはクイルもしくはラムのいずれか一方に、またはその双方に、回転軸またはクイルもしくはラムの伸長する軸方向に,回転軸本体またはクイル本体もしくはラム本体の材料と共振点の異なる補強材を一つ以上添設したことを特徴とする工作機械の主軸とした。
また、本発明は、主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、回転軸またはクイルもしくはラムのいずれか一方に、またはその双方に、回転軸またはクイルもしくはラムの伸長する軸方向に,金属補強材の心棒を、それらの内部に圧入したことを特徴とする工作機械の主軸とした。
さらに、本発明は、主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、回転軸またはクイルもしくはラムは、それらと共振点の異なる金属補強材のスリーブを、それらの外周面に嵌合させたことを特徴とする工作機械の主軸とした。
またさらに、本発明は、主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、 前記回転軸またはクイルもしくはラムは、共振点の異なる金属補強材によるコーテイングを、それらの外周面に行ったことを特徴とする工作機械の主軸とした。
なお、本発明において、これらの金属補強材は、超硬材料あるいはHIS材であれば、より効果的である。
なお、本発明の主軸は、金属補強材に替えて、補強材として、半導体材料、絶縁体材料、ポリマー材料、または硬化性材料を使用しても良い。
そして更にまた本発明は、前述の共振点の異なる金属補強材で補強した主軸および工具を備えて構成した工作機械とした。
この発明によれば、加工機械や工作機械の主軸頭あるいは主軸を構成する回転軸およびラムが本体材料と共振点の異なる金属補強材で補強されているため加工中の歪、ビビリ現象は少なくなりワークの加工精度が向上する。
次に本発明の一実施形態例を図1乃至図3により工作機械の横中ぐり盤に例を採り説明する。
図1において、符号10は、横中ぐり盤の概要を示す図であって、床面Fに、ベッド11が固定され、このベッド11上には、案内面に沿って図の紙面に対し垂直方向にX軸として移動可能なコラム12が固定されたコラムベース13が固定されている。
コラム12の側面には、図示してない案内に沿って所定距離だけ上下(Y軸方向)に移動可能な主軸頭14が取り付けてある。また、主軸頭14内部には、水平方向に移動可能な軸(W軸)として組込まれたクイル15と、同クイル15内に嵌合されたスピンドルすなわち回転軸16を有する主軸構造の主軸17が内蔵されている。 また、回転軸16には、その工具装着側である先端に工具18のシャンク部を利用して工具を主軸に着脱可能に、また回転可能にするための周知の工具取り付けおよび回転構造を用意してあり(詳細を図示せず)、さらに主軸の回転駆動用に、電気サーボモータ100を用いて回転軸16を回転し、その結果工具18を回転可能にする構成としている(詳細を略す)。さらにまた、同様に詳細に図示してないが、周知のサーボモータを使用して主軸頭14の横中ぐり盤としてのZ軸と平行にW軸として移動するための移動軸の駆動機構によりW軸方向の移動が行われもこのため電気サーボモータ102が用いられる。ここで、この回転軸16の先端には、前述のように工具18を直接取り付けるか、あるいは必要に応じてアタッチメント等を介して取り付けるようにしてある。なお、この機械では図示しないテーブルがコラム12の図で左方に用意されており、当該テーブルは、Z軸として図1において、同図の左右方向に電気サーボモータを使用して駆動される。またすでに述べたように、この工作機械では、コラム12は、送り軸のX軸として、図1で前後に、すなわち紙面に垂直方向に、駆動される。
図1において、符号10は、横中ぐり盤の概要を示す図であって、床面Fに、ベッド11が固定され、このベッド11上には、案内面に沿って図の紙面に対し垂直方向にX軸として移動可能なコラム12が固定されたコラムベース13が固定されている。
コラム12の側面には、図示してない案内に沿って所定距離だけ上下(Y軸方向)に移動可能な主軸頭14が取り付けてある。また、主軸頭14内部には、水平方向に移動可能な軸(W軸)として組込まれたクイル15と、同クイル15内に嵌合されたスピンドルすなわち回転軸16を有する主軸構造の主軸17が内蔵されている。 また、回転軸16には、その工具装着側である先端に工具18のシャンク部を利用して工具を主軸に着脱可能に、また回転可能にするための周知の工具取り付けおよび回転構造を用意してあり(詳細を図示せず)、さらに主軸の回転駆動用に、電気サーボモータ100を用いて回転軸16を回転し、その結果工具18を回転可能にする構成としている(詳細を略す)。さらにまた、同様に詳細に図示してないが、周知のサーボモータを使用して主軸頭14の横中ぐり盤としてのZ軸と平行にW軸として移動するための移動軸の駆動機構によりW軸方向の移動が行われもこのため電気サーボモータ102が用いられる。ここで、この回転軸16の先端には、前述のように工具18を直接取り付けるか、あるいは必要に応じてアタッチメント等を介して取り付けるようにしてある。なお、この機械では図示しないテーブルがコラム12の図で左方に用意されており、当該テーブルは、Z軸として図1において、同図の左右方向に電気サーボモータを使用して駆動される。またすでに述べたように、この工作機械では、コラム12は、送り軸のX軸として、図1で前後に、すなわち紙面に垂直方向に、駆動される。
次に、図2(イ)、図2(ロ)により、この発明のための特徴的な構成を、この工作機械の主軸17について詳しく説明する。図2(イ)に示すように、主軸17は、クイル15と回転軸16とを備えており、クイル15の外側面には3個の等間隔で軸方向に溝19が設けられ、図2(ロ)に示されるように、この溝19内部には本体材料と共振点の異なる超合金等の金属補強材21が溝全長に亘って収納されている。このとき溝19内に収納された金属補強材21は、ロー付けまたは溶射等により固定し、主軸17の回転あるいは移動に支障のないよう本体外周面と一致するように研磨しておくと良い。そして、それぞれ周方向に設けた3個の等間隔の金属補強材21は、一つ以上の個数であれば良く、勿論数量など、これに限ることでなく、主軸の長さ、径に合った個数を都度選択することが出来る。なお、図2では、勿論回転軸16の左方には工具が設定されて、回転駆動されるわけであるが、そのための内部機構の詳細を省略してある。また、この工作機械の実施形態例では、補強について、クイル15についてのみ補強を施した例を説明したが、回転軸16に補強を施してもかまわないし、あるいは、クイル15と回転軸16との双方でも、いずれか一方でもかまわない。
次に、図3により本発明の他の実施形態例を説明する。図3においては、クイル23と回転軸24の双方の内部に金属補強材25、26を心棒として圧入したもので、前述の金属補強材を回転軸やクイルの外側面に設けた場合と比べて金属補強材が外側面から突き出る心配がない。
これも前述の金属補強材21のように主軸の長さ、径に合った個数を都度選択することが出来ることは自明である。無論回転軸24やクイル23の一方だけでもかまわない。
これも前述の金属補強材21のように主軸の長さ、径に合った個数を都度選択することが出来ることは自明である。無論回転軸24やクイル23の一方だけでもかまわない。
更に図4により本発明の他の実施例を説明する。この実施例は、クイル27や回転軸28の外側面にそれぞれ金属補強材のスリーブ29、30を焼き嵌め等により嵌合させたものである。
その他スリーブに替えて回転軸やクイルの外側面に金属補強材をコーティングすることも可能である。
その他スリーブに替えて回転軸やクイルの外側面に金属補強材をコーティングすることも可能である。
また図5(イ)(ロ)を用いて、ターニング、プレーナ、マシニングセンタ等の門型の工作機械におけるラムについてこの発明を適用した例を説明する。ここでは、図5(イ)(ロ)に示したように門型工作機械のラムとして四角形状タイプのラム(単に角ラムとも呼ぶ)である四角ラム31を用いる。図5(ロ)は、図(イ)のC−C断面をしめした図であって、同図に示すようにその側面各部に溝32を設け、その溝32内に金属補強材33を挿入したタイプの本願この発明の実施形態例である。図5(ロ)は、四角ラムの場合を示しており、中心に工具を付設し回転・駆動するための回転軸35を示している。なおこのような場合においても、ラム31の中の回転軸35へ、ラム31と同様な金属補強材を用いても良い。
さらにまた、門型工作機械においても、四角ラムでなくて、勿論横中ぐり盤の場合のように、丸い回転タイプの主軸であっても良く、さらに五角、六角、八角など、他の多角形状の主軸構造を持つ工作機械においても、この発明と同様な構成をとっても良いことは言うまでもない。
無論この発明は、ここで説明した実施形態例の横中ぐり盤や門型の工作機械に限らず、縦型のフライス盤などの他のタイプの工作機械でも良い。
さらに、金属加工をおこなう金属加工機械のみに限られず、木工用その他の材料の加工を行う工作機械についても適用できる
さらにまた、門型工作機械においても、四角ラムでなくて、勿論横中ぐり盤の場合のように、丸い回転タイプの主軸であっても良く、さらに五角、六角、八角など、他の多角形状の主軸構造を持つ工作機械においても、この発明と同様な構成をとっても良いことは言うまでもない。
無論この発明は、ここで説明した実施形態例の横中ぐり盤や門型の工作機械に限らず、縦型のフライス盤などの他のタイプの工作機械でも良い。
さらに、金属加工をおこなう金属加工機械のみに限られず、木工用その他の材料の加工を行う工作機械についても適用できる
またさらに、本実施形態例においては、金属補強材を用いて、スピンドル(回転軸)やクイルもしくはラムを備えた工作機械の主軸の例を示したが、補強材は、金属に限らず、剛性の高いものならば、SIC等の半導体材料、サファイヤなどの絶縁体材料であって特に人工合成されたもの、エンジニアリングプラスチックなどのポリマー材料等であってかまず、これらを使用できる。さらにセメントなどの最初粉体であって、液体を加えると流動性を呈するような硬化性の補強材を使用してもよい。また熱硬化性を有するものでも良い。
また、この発明で主軸、クイル、およびラムなどに用いた補強や補強材を使用した工作機械用のドリル、エンドミル、フライスカッタなどの切削や研削、研磨工具としても良い。
そして、これらの補強した主軸を用いて工作機械を構成し、さらに前述の各種の補強材を用いたエンドミル、カッタなどの工具を主軸と共に使用することにより、より剛性の向上した工作機械を実現でき、ワークの加工精度の向上する機械加工が期待できる。このような補強した工具を用いる場合は、いうまでもなく既に公知の、筋金により補強をした工具を用いても良い。
本発明は、上述のような各実施形態例の構成となっているので、本発明を実施した木工用、金属用の加工を行なう加工機機械や、金属切削等を行う多種の工作機械においては、当初に示した懸念を解消し、本発明の目指した課題を解決することができる。
10 横中ぐり盤
11 ベッド
12 コラム
13 コラムベース
14 主軸頭
15、23、27 クイル
16、24、28、35 回転軸
17 主軸
18 工具
19、32 溝
21、33 金属補強材
25、26 金属補強材心棒
29、30 スリーブ
31 四角ラム
11 ベッド
12 コラム
13 コラムベース
14 主軸頭
15、23、27 クイル
16、24、28、35 回転軸
17 主軸
18 工具
19、32 溝
21、33 金属補強材
25、26 金属補強材心棒
29、30 スリーブ
31 四角ラム
Claims (8)
- 主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、
前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムのいずれか一方に、またはその双方に、前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムの伸長する軸方向に,
前記回転軸の本体または前記クイルの本体もしくは前記ラムの本体の材料と共振点の異なる金属補強材を一つ以上添設したことを特徴とする工作機械の主軸。 - 主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、
前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムのいずれか一方に、またはその双方に、前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムの伸長する軸方向に,
金属補強材の心棒を、それらの内部に圧入したことを特徴とする工作機械の主軸。 - 主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、
前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムは、それらと共振点の異なる金属補強材のスリーブを、それらの外周面に嵌合させたことを特徴とする工作機械の主軸。 - 主軸頭に設けられた伸長する軸方向に進退する回転軸およびこの回転軸に嵌合するクイルもしくはラムを有する工作機械の主軸において、
前記回転軸または前記クイルもしくは前記ラムは、共振点の異なる金属補強材によるコーテイングを、それらの外周面に行ったことを特徴とする工作機械の主軸。 - 前記金属補強材は、超硬材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の工作機械の主軸。
- 前記金属補強材は、HIS材であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の工作機械の主軸。
- 請求項1乃至請求項4において、前記金属補強材に替えて、補強材として、半導体材料、絶縁体材料、ポリマー材料、または硬化性材料を使用したことを特徴とする工作機械の主軸。
- 前記請求項1乃至請求項7の内の何れか1項記載の主軸と、
外周面の軸方向に本体材料と共振点の異なる補強材を用いた工具と、
を備えて構成したことを特徴とする工作機械。
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- 2010-12-03 JP JP2010270335A patent/JP2012115970A/ja active Pending
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