JP2012115771A - 触媒とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱的安定性が良好であり、且つ触媒活性の高い触媒とその製造方法を提供する。
【解決手段】ランタノイドが添加されたスピネル結晶構造を有するCuAl24を含む触媒であって、CuAl24の表面にCuOが担持された状態で存在しており、Cu−Kα線によるX線回折パターンにおいて、CuO及びCuAl24に帰属する回折ピークを有し、且つαアルミナに帰属する回折ピークを有さないことを特徴とする。触媒表面に存在するCuOの存在量はCu換算で5質量%以上30質量%未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピネル結晶構造を有するCuAlを含む触媒とその製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池(PEFC)は、低温で動作し小型化が可能なことから一般家庭用あるいはモバイル機器用の電源として普及が期待されている。このPEFCの燃料となるのが水素で、効率、コストの点から炭化水素系の燃料を改質反応させて水素を取り出し、燃料電池に供給する方法が有力である。ここで反応の担い手となるのが触媒であり、また改質された混合ガス中に含まれる一酸化炭素CO濃度を低濃度化するCOシフト触媒の性能も重要である。一般に、これら触媒には高い反応性と生成するガスの選択性が要求される。このような機能を備える触媒としてCu系触媒が有力視されている。ここで、非特許文献1には、触媒中にCuAlを含むと、CuOの活性を助長する旨が開示されている。しかし、一般的なCuAlは熱的安定性が高いとはいえない。したがって、高温雰囲気においてCuAlを含む触媒を使用した場合、十分な触媒活性が得られないおそれがある。
そこで、スピネル結晶構造を有するCuAlに、希土類元素であるランタン(La)を添加することで、高温域においても良好な熱的安定性を有する触媒が、特許文献1に開示されている。具体的には、Laを酸化体の状態で含有し、その含有量は0.01〜5.0質量%とされている。また、触媒を構成する結晶体中に遊離酸化物の形態でCuOを含んでおり、その含有量は5質量%以下とされている。そのうえで、CuAlが触媒の主成分とされており、その含有量はCuOとしての換算値で1〜54質量%とされている。その製造方法は、先ず、硝酸銅、アルミナ、CuO、及びランタン化合物を混合した混合水溶液を酸性成形補助剤であるギ酸の存在下で混練し、乾燥してから500〜1000℃で焼成して、La添加CuAlを得ている。
特表2002−527232号公報
CatalysisCommunications 7 (2006) 228-231
特許文献1では、Laを添加することで触媒の熱的安定性を向上している。しかし、その主体成分はCuAlなので、触媒活性が十分とはいえない。すなわち、CuOが触媒活性を示すことが従来から知られているが、特許文献1ではCuOの大部分はCuAl中に存在するので、十分な触媒活性は見込めない。CuOによる触媒活性を利用するには、少なくとも触媒表面にCuOが存在しており、且つX線回折パターンにおいて、CuOに帰属する回折ピークを有する程度に存在している必要がある。これに対し、特許文献1でも製造過程ではCuOが触媒の表面に存在し得るが、1000℃のような極めて高温で焼成すれば、表面のCuOは消失してしまう。しかも、極めて高温で焼成すると、スピネル結晶構造の相転移やこれに基づく比表面積の低下による触媒活性低下の問題も生じる。仮に触媒表面にCuOが僅かに存在しているとしても、極少量ではX線回折では検出ず、また、高い触媒活性も望めない。
そこで本発明は、熱的安定性が良好であり、且つ触媒活性の高い触媒とその製造方法を提供することを目的とする。
そのための手段として、第1の発明は、希土類元素が添加されたスピネル結晶構造を有するCuAl(アルミン酸銅)を含む触媒であって、前記希土類元素がランタノイドであり、前記CuAlの表面に酸化銅(II)(CuO)が担持された状態で存在しており、Cu−Kα線によるX線回折パターンにおいて、CuO及びCuAlに帰属する回折ピークを有し、且つαアルミナに帰属する回折ピークを有さないことを特徴とする。
これによれば、X線回折によってその存在を検知できる程度にCuOとCuAlを含んでいるので、CuOの触媒活性を利用できる。そのうえで、CuOはCuAlの表面に担持された状態で存在しているので、CuOによる触媒活性を確実に確保しながら、CuAlによる助長作用も利用することができる。また、CuOがCuAlの表面に担持されていれば、触媒の比表面積も向上する。これにより、優れた触媒活性が得られる。しかも、X線回折によってαアルミナは検出されないので、スピネル結晶構造が確実に維持されており、結晶の相変化や比表面積の低下に伴う触媒活性の低下は生じない。
第2の発明は、触媒表面に存在するCuOの存在量がCu換算で5wt%以上30wt%未満である。この範囲であれば、CuOによる触媒活性を確実に得ることができる。
第3の発明は、前記ランタノイドの含有量を、CuAlの前駆体であるAlに対して0.1〜10mol%としている。これによれば、CuOの凝集を防止しながら、触媒の熱的安定性を的確に向上できる。
第4の発明は、希土類元素が添加されたCuAlを含む触媒の製造方法であって、前記希土類元素がランタノイドであり、担体としてランタノイドが添加されたアルミナ(Al)を焼成を経て製造する担体製造工程と、前記担体へCuを担持させるCu担持工程と、該Cu担持体を焼成して触媒を得る工程とを有し、前記Cu担持体の焼成はCuAlを形成可能な温度以上の温度で行い、前記担体の焼成は前記Cu担持体の焼成温度より低い温度で行うことを特徴とする。担体としてのAlにCuを担持させた状態で、CuAlを形成可能な温度以上の温度で焼成すると、Cuの一部が担体と反応してCuAlが形成され、その余がCuOとして触媒の表面に存在することになる。このとき、担体はCu担持体の焼成温度より低い温度で焼成されていることで、的確にCuAlを形成させることができる。このように、CuAlの前躯体となるAlを担体として製造したうえで、Cuを担持させて焼成することで、CuOを触媒表面に露出させることができる。
第5の発明は、前記Cu担持体の焼成温度を700〜900℃としている。これによれば、的確にCuAlとCuOの双方を生成することができる。
第6の発明は、前記担体の焼成温度を100℃以上としている。これによれば、確実にランタノイド添加Alを製造できると共に、触媒の焼成時にCuAlの生成が阻害されることもない。
第7の発明は、前記Cuを担持させる工程において、Cu担持量を5質量%より多く30質量%以下としている。これによれば、CuOによる触媒活性を確実に得ることができる。
第8の発明は、前記担体製造工程として、可溶性のアルミニウム化合物と可溶性のランタノイド化合物とが溶解した混合水溶液を調製する混合水溶液調製工程と、該混合水溶液中へアルカリ水溶液を滴下して沈殿物を生成する共沈工程と、該沈殿物を乾燥してから焼成する担体焼成工程とを含み、前記Cu担持工程では、可溶性の銅化合物が溶解した水溶液へ前記担体を浸して該担体にCuを含浸担持させている。これによれば、担体及び触媒を効率良く製造することができる。
第9の発明は、前記共沈工程において、pH8以上となるまでアルカリ水溶液を滴下している。これによれば、確実にアルミニウム及びランタノイドを共沈させることができる。このとき、混合水溶液はゲル化している。
本発明によれば、ランタノイドを添加しながら適量のCuOとCuAlとを含み、しかもCuOがCuAlの表面に担持された状態で存在するので、熱的安定性が良好であり、且つ触媒活性の高い触媒を得ることができる。
X線回折結果である。 実施例2,4及び比較例2の触媒活性を示すグラフである。 比較例1〜3の触媒活性を示すグラフである。 実施例1〜3の触媒活性を示すグラフである。
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明の触媒は、ランタノイドが添加(ドープ)されたAlにCuを担持させて焼成することで得られ、CuAlの表面にCuOが担持された状態で存在している。したがって、本発明の触媒は、基本的には主としてCuOによる触媒活性を利用し、CuAlはCuOの活性を助長するものである。ここでのCuAlは、スピネル結晶構造を有している。また、CuAlは、その形成時にCuOが微粒子化する効果を示す。CuAlは、担持されたCu種と担体Alとの反応により、担体側(Al側)に生成される。なお、担体側では大部分がAlとして残存している。当然、残存するAlもスピネル結晶構造を有するγアルミナである。したがって、本発明の触媒は、少なくともAlの表層部分(CuOとAlの界面部分)にCuAlが存在している。なお、後述のように触媒を一定の形状に成形する場合は、中心部分にもCuOが存在している。
CuO及びCuAlは、少なくともX線回折によって検出される程度含まれている。すなわち、本発明の触媒は、Cu−Kα線によるX線回折パターンにおいて、CuOに帰属する回折ピークとCuAlに帰属する回折ピークとの双方を有する。なお、スピネル結晶構造であるため、Cu−Kα線によるX線回折パターンにおいて、αアルミナに帰属する回折ピークは有さない。
触媒全体に対するCuOの含有量はCu換算で少なくとも5質量%以上30質量%未満とし、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは10〜20質量%である。CuOの含有量が5質量%未満では触媒表面へ適度にCuOを存在させられない。したがって、CuOによる触媒活性を有効に利用できないため、十分な触媒活性が得られない。この場合、X線回折によってもCuOは検知できない。一方、CuOの含有量が30質量%を超えると、担持されたCuO及びCuAlが凝集して肥大化することから、全体的な触媒活性が低下する。
ランタノイドとしては、ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),プロメチウム(Pm),サマリウム(Sm),ユーロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロジウム(Dy),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ルテチウム(Lu)から選ばれる一種または二種以上を使用できる。中でも、ランタンが好ましい。
ランタノイドの添加量は、CuAlの前駆体であるAlに対して少なくとも0.1〜10mol%とし、好ましくは1〜10mol%、より好ましくは3〜5mol%である。ランタノイドの添加量が10mol%を超えると、相対的にAlの含有量が減少することから、全体的な触媒活性が低下する。一方、ランタノイドの添加量が0.1mol%未満では、熱的安定性の向上効果が得られない。
(製造方法)
次に、触媒の製造方法について説明する。本発明の触媒は、担体としてランタノイドが添加されたAlを焼成を経て製造する担体製造工程と、当該担体へCuを担持させるCu担持工程と、当該Cu担持体を焼成する工程とを経て製造される。Alへのランタノイドの添加方法は特に限定されず、例えば所定量のアルミニウム単体やアルミナそのものとランタノイド単体とを混合して焼成することもできるが、共沈法によって混合することが好ましい。この場合、担体製造工程は、可溶性のアルミニウム化合物と可溶性のランタノイド化合物とが溶解した混合水溶液を調製する混合水溶液調製工程と、該混合水溶液中へアルカリ水溶液を滴下して沈殿物を生成する共沈工程と、該沈殿物を乾燥してから焼成する担体焼成工程とを含む。
可溶性のアルミニウム化合物及び可溶性のランタノイド化合物としては、酸性水溶液となる硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、塩基性のアンミン酸塩などが挙げられる。中でも硝酸塩が好ましい。これらの混合水溶液を調製する際は、最終的にランタノイドが目的とするモル濃度添加されるように、アルミニウム化合物とランタノイド化合物との重量を調整して混合溶解する。
次いで、酸性の混合水溶液に対して、沈殿剤としてアルカリ水溶液を滴下する。アルカリ水溶液としては、代表的にはアンモニア水を例示できるが、他にも塩基性炭酸アルカリ金属塩等を使用することもできる。アルカリ水溶液は、混合水溶液のpHが少なくとも8以上となるまで滴下する。これにより、混合水溶液がゲル化する。このとき、中性ないし塩基性となるまで、具体的にはpHが7〜8程度となるまでは比較的アルカリ濃度の高いアルカリ水溶液を滴下し、それ以降は微調整可能なように比較的アルカリ濃度の低いアルカリ水溶液を滴下することが好ましい。pHの上限は9.5程度である。pHが9.5を超えると、所望の結晶構造が得られない、沈殿物が再溶解するなどの問題が生じる。所定のpHとなるまでアルカリ水溶液を滴下した後は、1〜3時間程度静置することが好ましい。これにより、ゲル中においてAlOOH(Boehmite)の結晶成長が生じ、的確にγアルミナを得られる。
次いで、得られたゲルのろ過と水洗を十分に(必要に応じて複数回繰り返す)行った後に乾燥し、得られた固形物を酸素存在下で焼成することで、担体としてランタノイドが添加されたアルミナが得られる。このときの焼成温度は、少なくとも後に行うCu担持体の焼成温度よりも低い温度で行う。担体の焼成温度が高いと、Cu担持体の焼成時にCuAlが生成され難くなるからである。担体焼成温度の下限は、100℃程度とすればよい。担体の焼成時間は、2〜4時間程度行えばよい。なお、担体の(本)焼成の前に、比較的低い温度(例えば250〜350℃前後)で仮焼成することも好ましい。仮焼成は0.5〜1.5時間程度行えばよい。また、得られた担体は、適宜粉砕しておく。
次いで、得られた担体にCuを担持させる。Cuの担持方法としては、代表的には公知の含浸法が好ましい。この場合、Cu担持工程では、可溶性の銅化合物が溶解した水溶液へ担体を浸して、当該担体の表面にCuを含浸担持させることになる。可溶性の銅化合物としては、硝酸銅を好適に使用できる。このとき、最終的にCuの担持量が5質量%より多く30質量%以下、好ましくは10〜20質量%となるように、担体及び硝酸銅の重量を調整しておく。含浸法は、室温にて行えばよい。その後、加熱等により水分を除去し、得られた固形物(Cu担持体)を十分に乾燥させ、適宜粉砕してから酸素存在下で焼成する。すると、担持されたCuの一部が担体と反応してCuAlが形成されると共に、その余が酸化されてCuOとなる。これにより、CuOとCuAlとを含み、且つCuOがCuAlの表面に担持された状態で存在する触媒を得ることができる。なお、還元焼成等は不要である。
Cu担持体の焼成温度は、少なくともCuAlを形成可能な温度以上の温度で行う。これより低い温度で焼成しても、CuOは形成できるが、CuAlが形成されず、良好な触媒活性を有する触媒が得られないからである。具体的には、700〜900℃、好ましくは750〜850℃で焼成する。900℃を超える温度で焼成すると、Cuが肥大化してしまい、触媒の比表面積が低下してしまう。また、900℃を超える温度で焼成すると、担体側のスピネル結晶構造が相転移し、αアルミナが形成されるおそれもある。Cu担持体の焼成は、4〜10時間程度行えばよい。
なお、得られる触媒は、使用目的や使用方法等に応じて、粉末状や所定形状の成形体とすることができる。所定形状に成形する場合は、予めCu担持体を押圧成形や押出し成形などによって所定形状に形成したうえで焼成すればよい。その形状としては、ペレット状、ハニカム状、環状、チップ状などとすることができる。
本発明の触媒は、窒素酸化物の分解、窒素酸化物の選択的触媒還元、一酸化炭素の酸化、ココヤシ脂肪酸の水素化分解、オキソアルコール仕上げ処理、不飽和第二級アミンへのニトリルの水素化、アクリルアミドへのアクリロニトリルの水和、メチルラウレートの水素化分解、フェノールのアルコールによるアルキル化、アルコールのアミノ化、アルコールの脱水素化、ニトリルの水和、アルデヒドの水素化、アミドの水素化、エステル化と水素化分解とを経た脂肪酸の水素化、脂肪の選択的水素化、油脂の選択的水素化、二トリルの水素化、ニトロ芳香族炭化水素の水素化、ケトンの水素化、フルフラールの水素化、エステルの水素化、メタノールへの一酸化炭素の水素化、蒸気有機組成物の酸化、二酸化硫黄の酸化、アルコールの酸化、及び酸素除去による気体流の浄化など、種々の用途に使用できる。特に、本発明の触媒は高い熱的安定性を有し、高温雰囲気において良好な触媒活性を有することから、高温環境に曝されるような使用態様であると、本発明の効果を最大限発揮できる点で好ましい。
次に、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例及び比較例では、共沈法によりランタノイドを添加し、Cuの担持は含浸法により行った。このとき使用した可溶性のアルミニウム化合物、ランタノイド化合物、及び銅化合物としては、それぞれ市販の(関東化学製の特級グレード)硝酸塩をそのまま使用した。各実施例及び比較例におけるこれらの混合量と、Cu担持体の焼成温度を表1に示す。また、溶媒には、日本ミリポア社製の超純水製造装置であるMilli−Qで精製した超純水を使用した。
Figure 2012115771
各実施例及び比較例において、500mlビーカーにて表1に示す量のAl(NO・9HO及びLa(NO・6HOを溶解させた300mlの水溶液とした。次いで、撹拌子で強く撹拌しながらアンモニア水を徐々に滴下し、pHが8.5となるように調整した。なお、pH8付近までは試薬をそのまま、それ以上では試薬を5倍に希釈して滴下した。得られたゲルを2時間静置した後、吸引ろ過と水洗を2回行ってから水分を十分に除去して150℃で一晩乾燥させた。そして、300℃で1時間仮焼成行ったものをアルミナ乳鉢を用いて10分程度粉砕した。そのうえで、昇温温度を5℃/minとして500℃で3時間焼成することで、γアルミナを主成分とする担体を得た。
次に、100mlビーカーにて表1に示す量のCu(NO)・3HOを溶解させて60mlの水溶液に、先に得られた担体2.0gを投入した。撹拌子によって室温で30分程度撹拌した後、加熱して水を蒸発させた。完全に水を除去した後、150℃で一晩乾燥させたものを、めのう乳鉢を用いて10分程度粉砕・混合した。最後に、昇温温度を5℃/minとして表1に示す温度で8時間焼成することで、目的とする触媒を得た。
そして、同じ焼成温度で製造した上記実施例2,4、比較例2を例にとって、Cu−Kα線によるX線回折によって結晶相解析を行った。その結果を図1に示す。結晶中にαアルミナが存在する場合、X線回折パターンにおいて回折角(2θ)35.1°、43.3°、及び57.5°の位置に回折ピークを有する。しかし、図1の結果からも明らかなように、本発明の触媒はランタノイドを添加していることで、αアルミナに帰属する回折ピークは検知されなかった。そのうえで、CuAlに帰属する回折ピーク(2θ=36.9°)と共に、CuOに帰属する回折ピーク(2θ=35.6°、38.8°)も確認された。
次に、実施例2,4、比較例2の触媒活性について比較検討した。ここでは、水性ガスシフト反応(CO+H2O⇔CO2+H2)に基づいて検討した。具体的には、固定床流通式反応器を用いて、触媒量0.1g、反応ガス流量111ml/min、ガス組成1%CO、10%HO、Nbalanceの条件で実施した。H2Oはリボンヒータを用いて雰囲気を46℃に維持し、ここへその他のガスを供給することで、飽和蒸気圧として10%含むようにした。このガスを、実施例2,4及び比較例2の触媒へ作用させ、反応前後のガスをシリカゲルを通してGC(TCD)で検出することにより、水素生成率((H生成量/CO供給量)×100)を見積もった。反応温度は400℃→150℃の降温評価とし、反応前に特別な還元処理は行わなかった。その結果を図2に示す。
図2の結果から、ランタノイドを添加した実施例2,4は、ランタノイド無添加の比較例2に比して、高い触媒活性を示した。特に、ランタノイド3%添加の実施例2では、全ての温度範囲において優れた触媒活性が得られた。実施例4では比較的低温域では比較例2より触媒活性が低かったが、250℃以上の高温域では、比較例2より触媒活性が高くなっていた。これにより、ランタノイドを添加した触媒は熱的安定性が高く、高温雰囲気での使用に適していることが確認された。
次に、焼成温度の相違による触媒活性への影響について検討した。具体的には、実施例1〜3及び比較例1〜3を用いて、上記と同様の条件にて触媒活性を比較検討した。比較例1〜3の触媒活性結果を図3に示し、実施例1〜3の触媒活性結果を図4に示す。
図3の結果から、ランタノイド無添の触媒は、900℃で焼成すると触媒活性が大きく低下していた。これに対し図4の結果から、ランタノイドを添加していれば、900℃で焼成しても触媒活性の低下が抑制されていた。また、図3,4の結果から、触媒焼成温度は、750〜850℃が好ましいことも確認された。

Claims (9)

  1. 希土類元素が添加されたスピネル結晶構造を有するCuAl24を含む触媒であって、
    前記希土類元素がランタノイドであり、
    前記CuAl24の表面にCuOが担持された状態で存在しており、
    Cu−Kα線によるX線回折パターンにおいて、CuO及びCuAl24に帰属する回折ピークを有し、且つαアルミナに帰属する回折ピークを有さないことを特徴とする、触媒。
  2. 触媒表面に存在するCuOの存在量がCu換算で5質量%以上30質量%未満である、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記ランタノイドの添加量が、CuAl24の前駆体であるAl23に対して0.1〜10mol%である、請求項1または請求項2に記載の触媒。
  4. 希土類元素が添加されたCuAl24を含む触媒の製造方法であって、
    前記希土類元素がランタノイドであり、
    担体としてランタノイドが添加されたAl23を焼成を経て製造する担体製造工程と、
    前記担体へCuを担持させるCu担持工程と、
    該Cu担持体を焼成して触媒を得る工程とを有し、
    前記Cu担持体の焼成は、CuAl24を形成可能な温度以上の温度で行い、
    前記担体の焼成は、前記Cu担持体の焼成温度より低い温度で行うことを特徴とする、触媒の製造方法。
  5. 前記Cu担持体の焼成温度が700〜900℃である、請求項4に記載の触媒の製造方法。
  6. 前記担体の焼成温度が100℃以上である、請求項4または請求項5に記載の触媒の製造方法。
  7. 前記Cuを担持させる工程におけるCu担持量が5質量%より多く30質量%以下である、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の触媒の製造方法。
  8. 前記担体製造工程は、可溶性のアルミニウム化合物と可溶性のランタノイド化合物とが溶解した混合水溶液を調製する混合水溶液調製工程と、該混合水溶液中へアルカリ水溶液を滴下して沈殿物を生成する共沈工程と、該沈殿物を乾燥してから焼成する担体焼成工程とを含み、
    前記Cu担持工程では、可溶性の銅化合物が溶解した水溶液へ前記担体を浸して、該担体にCuを含浸担持させる、請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の触媒の製造方法。
  9. 前記共沈工程は、pH8以上となるまでアルカリ水溶液を滴下する、請求項4ないし請求項8のいずれかに記載の触媒の製造方法。

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