JP2012115617A - 成形体及び磁気治療具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い表面磁束密度を発揮すると共に外層の変形を長期間にわたって防止できる成形体、及び、高い表面磁束密度を維持しつつ耐久性に優れた磁気治療具を提供すること。
【解決手段】ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材11と、ゴムを含有すると共に芯材11の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.1〜0.2である外層12とを備えて成る成形体2、並びに、この成形体2と、成形体2の両端部2A及び2Bに装着された連結具3(15及び16)とを備えて成る磁気治療具1。
【選択図】 図1

Description

この発明は、成形体及び磁気治療具に関し、さらに詳しくは、高い表面磁束密度を発揮すると共に外層の変形を長期間にわたって防止できる成形体、及び、高い表面磁束密度を維持しつつ耐久性に優れた磁気治療具に関する。
近年、日常生活におけるストレスや運動不足等により、肩こり、腰痛等の症状を訴える人が増加してきており、このような状況を反映して、皮膚等に直接接触させる小型磁石の磁気効果を利用して前記症状を改善する磁気治療具に対する関心が高まっている。このような磁気治療具は、磁場を付与して首や肩等の血行を良くし、皮膚温度を上げることによって前記症状が緩和されると一般に考えられている。したがって、磁気治療具は高い表面磁束密度を有していることが重要である。
このような磁気治療具は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等に磁性材料を混合し、磁性成形品を得ることによって製造されており、現在に至るまで様々なものが開発されている。通常、磁気治療具に使用される磁性成形品は、磁性材料及び樹脂等の混合材料で形成された芯材と、この芯材の保護、意匠性の向上、肌感触の向上等のために芯材の外周面を被覆する外層とを有している。
磁気治療具として、例えば、特許文献1には、「ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具において、所定の方向に延びて、シリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成されるとともに着磁された可撓性を有する長尺な磁石部と、シリコーンゴムにより形成されるとともに前記磁石部の外周をその全域にわたって被覆する可撓性を有する被覆部とを備えたことを特徴とする磁気治療器具」が記載されている。この特許文献1によれば、磁石部10は、「直径が約3mmの長尺な部材」であり、「磁性粉とシリコーンゴムとの混合比がおおよそ7:3となるように構成されている」(0022欄)。また、被覆部20は「約0.3mmの厚さを有する部材」であると記載されている(0023欄)。
また、特許文献2には、「Sm−Fe−N系磁性粉を含むシリコーンゴム組成物により形成された内層部と、該内層部を被覆する外層部とを有する少なくとも二層構造の磁性成形品であって、該外層部がシリコーンゴム組成物により形成されており、該磁性成形品の引張強度が3〜10MPa、伸びが100〜600%であることを特徴とする磁性成形品」が記載されている。この特許文献2には、「内層部の直径と外層部の厚さの比は5:1〜50:1となるように、それぞれの厚さを決定することが好ましい」と記載され(0009欄)、その実施例1には、「シリコーンゴムコンパウンド100質量部に平均粒径5μmの異方性SmFe17磁性粉(Sm元素100質量部に対し、Fe元素272〜327質量部、N元素12〜18質量部を含む、住友金属鉱山株式会社製)400質量部を配合」して得た「内層部用の付加反応型シリコーンゴム組成物」を用いて、「内層部の直径が約3.5mm、外層部の厚さが約0.25mmの磁性成形品を得」ている(0032欄)。
特開2008−173405号公報 特開2009−22341号公報
このような磁気治療具を装着すると、使用者の汗、皮脂類等の人脂が磁気治療具に浸入又は浸透することがある。特に、磁気治療具を長期間にわたって連続して又は断続的に装着すると、また、磁気治療具を運動中又は夏季等の発汗しやすい状態で装着すると、汗及び人脂が磁気治療具に浸入又は浸透しやすくなる。このように汗及び人脂が磁気治療具に浸入又は浸透すると、膨潤して変形例えば膨出し、場合によってはこの変形した部分例えば膨出部が破損して、磁気治療具の耐久性が低下することがある。すなわち、汗及び人脂が浸入又は浸透した磁気治療具は意匠性及び装着性を損ない、この膨出部が破損すると浸入又は浸透した汗及び人脂が流出する。
したがって、この発明の課題は、高い表面磁束密度を発揮すると共に外層の変形を長期間にわたって防止できる成形体、及び、高い表面磁束密度を維持しつつ耐久性に優れた磁気治療具を提供することに、ある。
この発明の発明者らは、汗及び人脂が成形体の芯材近傍に侵入又は浸透すると芯材に含まれる磁性粉と接触して変質等した汗及び人脂が芯材近傍に滞留することによって成形体の耐久性が低下するのではないかとの推測の下に、2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)でゴム及び磁性粉を含有させた芯材を被覆する外層の厚さを外径に対して0.1〜0.2にすると、変質等して芯材近傍例えば芯材と外層との境界付近に滞留しやすい汗及び人脂の芯材近傍への浸入又は浸透を抑制して外層の変形又は破損を防止できると共に高い磁力を発揮することを見出した。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材と、ゴムを含有すると共に前記芯材の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.1〜0.2である外層とを備えて成る成形体であり、
請求項2は、前記外径は2.5〜5.5mmである請求項1に記載の成形体であり、
請求項3は、前記成形体は前記磁性粉が着磁されている請求項1又は2に記載の成形体であり、
請求項4は、請求項3に記載の成形体と、この成形体の両端部に装着された連結具とを備えて成る磁気治療具であり、
請求項5は、前記連結具は前記成形体の一端部に装着された第1連結具と前記成形体の他端部に装着され前記第1連結具に着脱可能に連結する第2連結具とを備えて成る請求項4に記載の磁気治療具である。
この発明に係る成形体は、ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材と、ゴムを含有すると共に前記芯材の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.1〜0.2である外層とを備えて成るから、芯材が高い磁力を発現できるうえ、外層が変形又は破損するほどの汗及び人脂の浸入又は浸透を外層自身が防止できる。したがって、この発明によれば、高い表面磁束密度を発揮すると共に外層の変形を長期間にわたって防止できる成形体を提供することができる。
また、この発明に係る磁気治療具は、この発明に係る成形体を備えてなるから、高い表面磁束密度を維持しつつ耐久性に優れた磁気治療具を提供することができる。
図1は、この発明に係る磁気治療具の一例である磁気治療具を示す概略正面図である。 図2は、この発明に係る磁気治療具の一例である磁気治療具の軸線に垂直な断面を示す概略断面図である。 図3は、従来の磁気治療具の一例である磁気治療具の軸線に垂直な断面を示す概略断面図である。
この発明に係る成形体は、ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材と、ゴムを含有すると共に前記芯材の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.1〜0.2である外層とを備えている。このように、芯材が2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)でゴム及び磁性粉を含有していると磁性粉が着磁されたときに強い磁力を発現して外層の厚さを厚くしても高い表面磁束密度を維持できると共に、外層が0.10〜0.20の外径に対する厚さの比を有していると表面磁束密度を大きく低下させることなく外層が変形又は破損するほどの汗及び人脂の浸入又は浸透を防止できる。したがって、この発明に係る成形体は磁気治療具の磁気成形体として有用であり、磁気成形体としてこの発明に係る成形体を利用したこの発明に係る磁気治療具は高い表面磁束密度と高い耐久性とを高い水準で両立できる。ここで、磁気治療具としては、例えば、磁気ネックレス、磁気ブレスレット等の装身具、磁気枕及び磁気マットレス等の寝具、貼付型磁気治療器、並びに、磁気サポーター等の幅広い磁気治療器具等が挙げられる。
この発明に係る成形体は芯材と外層とを備えており、この発明に係る磁気治療具はこの発明に係る成形体を備えている。したがって、以下に、この発明に係る成形体及びこの発明に係る磁気治療具を併せて説明する。
この発明に係る磁気治療具の一例である磁気治療具1は、図1及び図2に示されるように、成形体2と連結具3とを備え、例えば、磁気ネックレスとして装用される。この磁性治療具1は、磁気治療具としての機能を発揮するためには、その外表面における磁束密度(この発明において表面磁束密度とも称する。)が35ミリテスラ(mT)以上であるのが好ましく、35〜200ミリテスラ(mT)であるのが特に好ましい。表面磁束密度は、後述する磁性粉の含有量、磁性粉を構成する各原子の配合割合、外層の厚さ等を変更することによって、調整できる。磁気治療具1の外周面から放出される磁束密度すなわち表面磁束密度は、例えば、ガウスメーター(電子磁気工業株式会社製 機種:GM4002)及びトランスバース型プローブ(電子磁気工業株式会社製 機種:T−402)にて測定できる。
この成形体2は、この発明に係る成形体の一例の成形体であり、図1及び図2に示されるように、ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材11と、ゴムを含有すると共に芯材11の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.10〜0.20である外層12とを備えた二層構造になっている。すなわち、芯材11と外層12との間に中間層等を備えていない。この成形体2は、一方向すなわち軸線方向に延在する線状の長尺体とされ、軸線方向に垂直な断面が略円形になっている。したがって、この成形体2は長尺成形体と称することもできる。
芯材11は、図1及び図2に示されるように、一方向すなわち軸線方向に延在する線状の中実長尺体であり、軸線方向に垂直な断面が略円形になっている。この芯材11は、ゴムを含有する屈曲自在な長尺体すなわち可撓性を有する長尺体である。この長尺体は用途等に応じて適宜の外径及び軸線長さに調整される。
芯材11は、磁気治療具1すなわち外層12の外径に対する直径の比(直径/外径)が0.60〜0.80の割合に調整されている。このように、この発明において、芯材11は、外層12の外径を一定にして直径が小さくされる。芯材11の直径が外層12の外径に対して0.60未満であると磁気治療具1としたときに高い表面磁束密度を発現させることができないことがあり、一方、芯材11の直径が外層12の外径に対して0.80を超えると高い表面磁束密度を発現させることができるものの汗及び人脂の浸入又は浸透を防止できず、磁気治療具1の耐久性に劣ることがある。磁気治療具1の表面磁束密度と耐久性とをより一層高い水準で両立できる点で、芯材11の直径は、外層12の外径に対して0.65〜0.75の割合に調整されているのが好ましい。芯材11の直径は、前記割合を満たすように、例えば、1.5〜4.4mmの範囲から選択され、好ましくは2〜4mmの範囲から選択される。
この芯材11は、ゴム及び磁性粉を含有する所謂「ゴム磁石」で形成され、可撓性を有している。芯材11が含有するゴムは、特に限定されず、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられ、これらの中でもシリコーンゴムが長期間装用してもかぶれにくく比較的柔軟で装用性に優れる点で好ましい。
芯材11が含有する磁性粉は、着磁されたときに磁力を発生するものであればよく、例えば、希土類金属系磁性材料等が挙げられる。希土類金属系磁性材料としては、例えば、SmCo型、SmCo17型等の希土類コバルト(サマリウムコバルト)系磁性材料、NdFe14B等の希土類ネオジウム系磁性材料、SmFe14等の希土類サマリウム鉄窒素系磁性材料等が挙げられる。この希土類サマリウム鉄窒素系磁性材料は、錆びにくく高温時での減磁が少なく、比較的少ない量でも高磁力を発生することができ、また粒子径の小さいものが得られる点で好ましい。この希土類サマリウム鉄窒素系磁性材料を構成する各元素の配合量はSm元素100質量部に対し、Fe元素が207〜375質量部、N元素が6〜25質量部であるのが好ましく、Sm元素100質量部に対し、Fe元素が272〜327質量部、N元素が12〜18質量部であるのが特に好ましい。希土類サマリウム鉄窒素系磁性材料は異方性であっても等方性であってもよい。
磁性材料は、通常、粉末状、顆粒状等として含有され、その粒径は、例えば、0.5〜30μmに調整される。粒径が前記範囲内にあると、芯材11の外周面に大きな凹凸が形成されにくく外層12との高い密着性を確保できる。この粒径は、レーザー回析式粒度分布計法に従って測定条件分散圧2.6bar、分散媒体N2、試料2gで測定した値である。
磁性粉は、ゴムと磁性粉との合計質量に対するゴムと磁性粉との質量比((ゴム/合計質量):(磁性粉/合計質量))すなわち(ゴム:磁性粉)が2.3:7.7〜0.9:9.1の割合で含有されている。すなわち、磁性粉は、ゴムとの合計質量を100質量部としたときに77〜91質量部の割合で含有されている。磁性粉の質量比(ゴム:磁性粉)が2.3:7.7未満であると、高い磁力を発揮する磁性粉を用いても磁気治療具1としたときの高い表面磁束密度を発現させることができないことがあり、一方、質量比(ゴム:磁性粉)が0.9:9.1を超えると、高い表面磁束密度を発現させることができるものの芯材11自体の可撓性が損なわれることがある。したがって、この発明において、可撓性が問われない磁気治療具、例えば、磁気枕及び磁気マットレス等の寝具、貼付型磁気治療器等に用いられる場合には、磁性粉の質量比(ゴム:磁性粉)は0.9:9.1を超えてもよい。磁気治療具1としたときの表面磁束密度と可撓性とを高い水準で両立できる点で、磁性粉は質量比(ゴム:磁性粉)が1.8:8.2〜1.1:8.9であるのが好ましい。
芯材11は、ゴム及び磁性粉に加えて通常ゴム組成物に添加される各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、分散剤、発泡剤、加硫剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、可塑剤、難燃性向上剤、離型剤等が挙げられる。
芯材11は、ゴムと磁性粉とを主成分として含有している。ここで、「主成分として」とは、芯材11に含有される全成分の合計質量に対してゴムと磁性粉とが合計で50質量%以上含有されていることを意味する。例えば、この芯材11は、ゴムと磁性粉とを前記合計質量に対して合計で85質量%以上含有しているのが好ましく、合計で90〜97質量%含有しているのが特に好ましい。
外層12は、図1及び図2に示されるように、一方向すなわち軸線方向に延在する1層構造の管状長尺体に形成され、その外表面及び内表面の軸線方向に垂直な断面が略円形になっている。すなわち、外層12の軸線方向に垂直な断面はリング形状になっている。外層12は、芯材11の外周面に配置され、すなわち、外層12は芯材11の外周面全体を被覆すると共に成形体2の最外層を構成している。この外層12は、ゴムを含有する屈曲自在な長尺体すなわち可撓性を有する長尺体である。この長尺体は用途等に応じて適宜の外径及び軸線長さに調整される。外層12の外径すなわち磁気治療具1及び成形体2の外径は、磁気治療具1が装身具として用いられる場合には、例えば、2.5〜5.5mmに調整され、より具体的には、3〜4.5mmに調整される。
外層12は、自身の外径すなわち磁気治療具1の外径に対する厚さの比(厚さ/外径)が0.10〜0.20に調整されている。換言すると、外層12は、自身の外径に対する内径の比(内径/外径)が0.60〜0.80の割合に調整されている。したがって、この発明において、外層12は外径を一定にして厚さが厚くされる。このように、この発明において、成形体2は、自身の外径を一定にして、芯材11の直径が小さく、かつ、外層12の厚さが厚くされている。外層12の厚さが自身の外径に対して0.10未満であると高い表面磁束密度を発現させることができるものの汗及び人脂の浸入又は浸透を防止できず、磁気治療具1の耐久性に劣ることがあり、一方、外層12の厚さが自身の外径に対して0.20を超えると磁気治療具1としたときに高い表面磁束密度を発現させることができないことがある。磁気治療具1の表面磁束密度と耐久性とをより一層高い水準で両立できる点で、外層12の厚さは、自身の外径に対して0.11〜0.17の割合に調整されているのが好ましい。外層12の厚さは、前記比(厚さ/外径)を満たすように、例えば、0.35〜0.6mmの範囲から選択され、好ましくは0.4〜0.55mmの範囲から選択される。
この外層12は、ゴムを含有し、可撓性を有している。外層12が含有するゴムは、特に限定されず、芯材11が含有するゴムと基本的に同様であり、長期間装用してもかぶれにくく比較的柔軟で装用性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。外層12は、芯材11に含有されるゴムと同種のゴム、特に同一のゴムを含有していると、芯材11と外層12とが強固に密着して磁気治療具1の耐久性が向上する点で、好ましい。特に、芯材11と外層12とが共にシリコーンゴム、特に同一のシリコーンゴムを含有していると、長期間装用してもかぶれにくく比較的柔軟で装用性に優れると共に磁気治療具1の耐久性が向上する点で、好ましい。
外層12は、ゴムに加えて通常ゴム組成物に添加される各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、分散剤、発泡剤、加硫剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、可塑剤、難燃性向上剤、離型剤等が挙げられる。
外層12は、ゴムを主成分として含有している。ここで、「主成分として」とは、外層12に含有される全成分の合計質量に対してゴムが50質量%以上含有されていることを意味する。例えば、この外層12は、ゴムを、その質量が前記合計質量に対して、60質量%以上含有しているのが好ましく、65〜85質量%含有しているのが特に好ましい。
芯材11及び外層12を有する成形体2は、芯材11及び外層12が共にゴムを含有しているから、全体として可撓性を有している。成形体2の可撓性は、通常、磁気治療具1として使用されるのに要求される程度であればよく、特に限定されない。また、この成形体2は、磁性を帯びていてもいなくてもよいが、磁気治療具1を構成する際には芯材11に含有されている磁性粉が着磁されて磁性を帯びているのがよい。成形体2が磁性を帯びている場合には、この成形体2は磁性成形体とも称することができ、磁気治療具1の表面磁束密度が35〜200ミリテスラ(mT)となるような磁力を有していることが重要である。成形体2の磁力は後述する磁性粉の含有量、磁性粉を構成する各原子の配合割合等を変更することによって、調整できる。
また、この発明の発明者は、汗及び人脂による磁気治療具1の耐久性を100℃のパルミチン酸(ヘキサデカン酸)に168時間浸漬されたときの外観変化によって磁気治療具1の耐久性を有効に評価できること、そして、前記構成を有する成形体2に外観損傷が実質的にないことを、見出した。したがって、この成形体2は、成形体2及び磁気治療具1としたときの耐久性に優れる点で、100℃のパルミチン酸に168時間浸漬されたときの外観損傷例えば割れ、破れ等が実質的に生じない。
連結具3は、図1に示されるように、成形体2の両端部に装着されている。この連結具3は、例えば、管体、楕円体、球体等の形状に成形され、身体への傷害防止のため、身体に接触する部分がゴム等の弾性材料やSUS等の金属材料で形成され、具体的には、成形体2の一端部2Aに装着された第1連結具15と、成形体2の他端部2Bに装着され、第1連結具15に着脱可能に連結する第2連結具16とを有している。第1連結具15は、一方の端部に一端部2Aが内挿される軸穴(図1において図示しない。)と、他方の端部すなわち自由端部に突起部15Aとを有する管状体であり、雄型連結具とも称される。第2連結具16は、一方の端部に他端部2Bが内挿される軸穴(図1において図示しない。)と、他方の端部すなわち自由端部に突起部15Aが挿脱自在に挿嵌される凹部又は穴部16Aとを有する管状体であり、雌型連結具とも称される。
この磁気治療具1は、第1連結具15と第2連結具16とを連結してリングにして患者の首に架けると、成形体2の可撓性によってその外周面が首周りの肌に密着する。磁気治療具1をこのようにして長期間装用しても、磁気治療具1は、前記構成、特にパルミチン酸試験における前記特性を有する成形体2を備えているから、高い表面磁束密度を維持しつつ耐久性にも優れている。
この発明に係る成形体及びこの発明に係る磁気治療具の製造方法(以下、この発明に係る製造方法と称する。)を、成形体2及び磁気治療具1を製造する方法を例に挙げて、説明する。
この発明に係る製造方法においては、芯材11を形成するゴム組成物(芯材用ゴム組成物とも称する。)及び外層12を形成するゴム組成物(外層用ゴム組成物とも称する。)を準備する。芯材用ゴム組成物はゴムと磁性粉とを含有していればよく、外層用ゴム組成物はゴムを含有していればよい。これらの組成物に含有されるゴム及び磁性粉は前記した通りである。両組成物に含有されるゴムは、同種のゴムであるのが好ましく、特に同一のゴムであるのが好ましく、ゴム以外の成分及び含有量は同一でも異なっていてもよい。両組成物に含有されるゴムはシリコーンゴムであるのが好ましい。シリコーンゴムを含有する芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物はラジカル反応型、付加反応型等のいずれであってもよいが、成形体2の物理的強度や圧縮歪み特性の低下の防止、着色による黄変の防止、可使時間の長さ、成形加工性等の点を考慮すると、付加反応型シリコーンゴム組成物が好適である。
シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物は、具体的には、主成分であるシリコーンゴム、架橋剤、充填剤等を含有して成る。シリコーンゴムの種類は、特に制限されず、汎用されるジメチル系シリコーンゴム、メチルビニル系シリコーンゴム、メチルビニルフェニル系シリコーンゴム及びメチルフロロアルキル系シリコーンゴム等のいずれをも使用することができる。シリコーンゴム組成物が付加反応型シリコーンゴム組成物である場合には、シリコーンゴムは、1分子中に少なくとも2個のビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基を含むアルケニル基含有シリコーンゴムであることが重要である。また、シリコーンゴムの性状についても特に限定されないが、重合度が3,000未満では押出加工性が劣るようになり、得られる成形品の機械的強度が弱く、成形加工性の劣るものとなることがあるので、重合度が3,000以上であって、本質的に直線状のジオルガノポリシロキサンであるのが望ましく、一部に分枝構造を含むものであってもよい。
シリコーンゴム組成物に含有される硬化剤は、シリコーンゴムの硬化に使用される公知のものであればよく、例えば、ラジカル反応に使用されるジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物、付加反応硬化剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒とを含むもの、縮合硬化剤として多官能のアルコキシシラン又はシロキサンと有機金属酸塩とを含むもの等が例示される。硬化剤の含有量すなわち添加量は通常公知のシリコーンゴムと同様にすればよい。
シリコーンゴム組成物が付加反応型シリコーンゴム組成物である場合に、硬化剤として使用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、通常、1分子中にヒドロシリル基を平均2個以上、好ましくは3個以上有することが重要である。具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルハイドロジェンポリシロキサンとの共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルフェニルポリシロキサンとの共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン及びジフェニルポリシロキサンとの共重合体等が例示される。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、シリコーンゴム成分中に存在するケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対し、ヒドロシリル基を0.5〜4個供給するに足りる量であるのが好ましく、通常、シリコーンゴム100質量部に対して0.5〜6.6質量部の範囲であるのが好ましい。
付加反応型シリコーンゴム組成物に配合される白金系触媒は、シリコーンゴムに含まれるアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンに含まれるヒドロシリル基との付加反応を促進させる硬化触媒であり、公知の白金系触媒を特に制限されることなく使用できる。このような白金系触媒としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とオレフィン、白金とケトン、白金とビニルシロキサンとの錯塩、アルミナ又はシリカ等の担体に白金を担持させたもの、白金黒等が例示される。本発明において、白金系触媒は、通常、シリコーンゴム100質量部に対して0.1〜1.7質量部で配合されるのが好ましい。
シリコーンゴム組成物に含有される充填剤は、シリコーンゴム成形品の補強に使用されるものであることから、通常、比表面積が50m/g以上であるのが好ましい。この充填剤としては、煙霧質シリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカ、炭酸カルシウム、けいそう土、二酸化チタン、クレイ等が例示され、その表面がジメチルジクロロシラン、シラン、シロキサン、シラザン等で予め疎水化処理されたものであってもよい。充填剤の配合量は、シリコーンゴム100質量部に対して、通常、25〜65質量部であるのが好ましく、33〜53質量部であるのが特に好ましい。充填剤の配合量が25質量部未満であると、形成される芯材11及び/又は外層12が所望の強度を発揮しないこと、又は、十分な加工性が得らないことがある。一方、充填剤の配合量が65質量部を超えると、シリコーン組成物への充填剤の配合が困難になることがあり、また、充填剤を配合できたとしてもシリコーン組成物が硬くなって成形加工性が低下し、硬化物の強度が劣ることがある。
芯材用ゴム組成物は、ゴムと磁性粉との質量比(ゴム:磁性粉)が2.3:7.7〜0.9:9.1の割合となるように、磁性粉を含有している。
芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物は、この発明の効果を損なわない限りにおいて、シリコーンゴム以外のゴム、熱可塑性樹脂、低分子シロキサンエステル、シラノール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料、分散剤、発泡剤、加硫剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、着色剤、加工助剤、可塑剤、難燃性向上剤例えば白金化合物、離型剤等を、必要に応じて、含有していてもよい。
芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物は、各成分の種類及び含有量を適宜に設定することができ、成分及び含有量は同一でも異なっていてもよい。
この発明に係る製造方法においては、準備した芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物を、押出成形、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等の通常の方法で長尺状に成形、加工する。芯材11と外層12とを強固に密着させることができ、また、様々な形状(特に長尺体)、大きさを有する成形体を連続的に作製できる点で、押出成形が好ましく、共押出成形が特に好ましい。
この発明に係る製造方法においては、このようにして芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物を成形した後に外層用ゴム組成物が芯材用ゴム組成物を被覆した状態で加熱加硫する。芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物の加硫は、例えば、常圧熱気加硫、蒸気連続加硫、電子線加硫、プレス熱加硫、高周波加硫等を採用できる。その中でも特に常圧熱気加硫(HAV)が好ましい。加硫温度及び加硫時間は芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物に応じて適宜に設定され、例えば、芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物が付加反応型シリコーンゴム組成物である場合には、加硫温度を400〜700℃に、加硫時間を5〜60秒間に設定できる。
この発明に係る製造方法においては、通常、このようにして芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物を加硫して成形体とするが、必要に応じて、芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物を二次加硫することもできる。二次加硫は、適宜の加熱条件を採用でき、例えば、芯材用ゴム組成物及び外層用ゴム組成物が付加反応型シリコーンゴム組成物である場合には、二次加硫温度を50〜120℃、好ましくは80〜100℃に、二次加硫時間を1分以上24時間以下、好ましくは1〜6時間に設定できる。
この発明に係る製造方法においては、成形体2の製造中又は製造後に磁性粉を着磁する。磁性粉の着磁は、適当な着磁装置を用いて例えば30〜60kOe程度の磁場を付与して行うことができ、又は、例えば押出成形機の金型内に磁界装置を内蔵させて押出成形中に行うこともできる。
この発明に係る製造方法においては、連結具3を準備する。この連結具3は前記ゴムを含有するゴム組成物を成形して作製される。作製した連結具3を成形体2の両端部に装着して、磁気治療具1が製造される。
この発明に係る成形体は、ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材と、ゴムを含有すると共に芯材の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.10〜0.20である外層とを備えているから、芯材が高い磁力を発現できるうえ、外層が変形又は破損するほどの汗及び人脂の浸入又は浸透を外層自身が防止できる。そして、この発明に係る磁気治療具は、この発明に係る成形体を備えているから、表面磁束密度と耐久性とを高い水準で両立できる。
通常、芯材と外層とを備えた成形体及び磁気治療具において、芯材に含有される磁性粉の含有量を多くすると、高い磁性密度を発揮するものの、芯材すなわち成形体及び磁気治療具の柔軟性が損なわれて硬くなること、外層との接着強度が小さく成形体及び磁気治療具の耐久性が低下すること、また、人体に装着したとき肌に対するフィット感が低下すること等の問題が生じる。さらに、芯材における磁性粉の含有量を多くするために、芯材の外径を大きくすると成形体及び磁気治療具の外径及び質量も必然的に大きくなって、使用者への負担が増大すること、また、成形体及び磁気治療具が破損しやすく実用的な強度を保てなくなること等の問題が生じる。一方で、成形体及び磁気治療具の耐久性を向上させるために外層を肉厚にすると、成形体及び磁気治療具の表面磁束密度が大きく低下することになる。このように、磁性粉の含有量、芯材の外径及び外層の厚さは、磁性密度、柔軟性、耐久性、フィット感、使用者への負担及び実用的な強度等に影響を与え、磁性密度と、柔軟性、耐久性、フィット感、使用者への負担及び/又は実用的な強度とは互いにトレードオフの関係にある特性である。ところが、成形体の芯材としてゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材を採用し、かつ、成形体の外層として外径に対する厚さの比が0.10〜0.20である外層を採用する、この発明によれば、トレードオフの関係にあるこれらの特性をいずれも満足できる程度まで向上させることができる。
この発明に係る成形体及び磁気治療具は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、成形体2は芯材11と外層12とを備えているが、この発明において、成形体は芯材と外層との間に接着層等の中間層を有していてもよい。この発明においては、製造容易性等を考慮すると成形体は芯材と外層とからなるのが好ましい。また、成形体2は1層構造の外層12を備えているが、この発明において、成形体は2層以上の積層構造の外層を備えていてもよい。この場合における外層の外径は最外層の外径すなわち外表面を構成する層の外径とする。さらに、成形体2は芯材11の外周面全体を被覆する外層12を備えているが、この発明において、成形体は芯材の外周面の一部を被覆する外層を備えていてもよい。また、成形体2はその軸線方向に垂直な断面が略円形になっているが、この発明において、成形体はその軸線方向に垂直な断面が楕円形、不定形、多角形例えば四角形、三角形になっていてもよい。
(実施例1)
シリコーン生ゴム(商品名「KE−78VBS」、信越化学工業株式会社製)100質量部と、疎水性フュームドシリカ(商品名「アエロジルR974」、日本アエロジル株式会社製)36質量部と、シリカ分散剤として両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン4質量部とをニーダーミキサーで均一に混合し、150℃で2時間熱処理してシリコーンゴムコンパウンドを調製した。
窒素パージ下で、調製したシリコーンゴムコンパウンド100質量部と、このシリコーンゴムコンパウンド中のシリコーン生ゴムとの質量比(ゴム:磁性粉)が1.6:8.4となる割合(具体的には380質量部)の磁性粉(化合物名「SmFeN」、商品名「SmFeN微粉」、前記測定方法による粒径1〜10μm、住友金属鉱山株式会社製)とを、ニーダーミキサーを用いて混練した。得られた混練物を、80メッシュのスクリーンを備えたストレーナー装置を使用して、油圧シリンダーで押し出し、このスクリーンを通過させて磁性粉凝集物を除去した。次いで、この磁性粉凝集物を除去した混練物に、白金系触媒(商品名「C−25A」、信越化学工業株式会社製)0.5質量部及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン(商品名「C−25B」、信越化学工業株式会社製)2.0質量部を配合し、ミキシングロールで混練して、芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物を調製した。
前記シリコ−ンゴムコンパウンド100質量部と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(商品名「C−25B」、信越化学工業株式会社製)2.0質量部と、白金系触媒(商品名「C−25A」、信越化学工業株式会社製)0.5質量部と、顔料(商品名「KE−カラーBB」、信越化学工業株式会社製)2.0質量部とをミキシングロールで混練して、外層用付加反応型シリコーンゴム組成物を調製した。
調製した外層用付加反応型シリコーンゴム組成物及び芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物をそれぞれ、第1表に示す芯材の直径及び外層の外径となるようにダイス開口径及び芯材用押出機における芯材用開口径を調整した外層用押出機(一軸押出機)及び芯材用押出機(一軸押出機)に投入して押出し、クロスヘッド型押出機のダイス(二層クロスヘッド)において芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物を外層用付加反応型シリコーンゴム組成物で被覆しながら二層共押出成形を行った。共押出成形を580℃のオーブン中で10秒間加熱して常圧熱気加硫(HAV)硬化させて加硫させた。
次いで、この成形体2を二次加硫せずに軸線長さが485mmとなるように切断した後に着磁装置にて55kOeの磁場を付与して磁性粉を着磁した。このようにして、芯材11の直径が3.0mm(外層12の外径に対する直径の比(直径/外径)=0.75)、外層12の外径4.0mm、外層12の厚さが0.5mm(外径に対する厚さの比(厚さ/外径)=0.125)の磁性成形体2を得た。
この磁性成形体2の両端部にシリコーンゴム製の連結具3を装着して図1及び図2に示される磁気治療具1を製造した。
(実施例2、3及び8)
芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物において、シリコーンゴムコンパウンド中のシリコーン生ゴムとの質量比(ゴム:磁性粉)が第1表に示す質量比となるように磁性粉の混合量をそれぞれ変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして磁気治療具1をそれぞれ製造した。
(実施例4〜6)
ダイス開口径及び芯材用開口径をそれぞれ調整して芯材の直径、外層の外径及び外層の厚さを第1表に示す値に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして磁気治療具1をそれぞれ製造した。
(実施例7)
芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物において、シリコーンゴムコンパウンド中のシリコーン生ゴムとの質量比(ゴム:磁性粉)が1.4:8.6となるように磁性粉の混合量をそれぞれ変更すると共に、ダイス開口径及び芯材用開口径を調整して芯材の直径、外層の外径及び外層の厚さを第1表に示す値に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして磁気治療具1を製造した。
(実施例9)
ダイス開口径及び芯材用開口径をそれぞれ調整して芯材の直径及び外層の外径を第1表に示す値に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして磁気治療具1を製造した。
(比較例1)
ダイス開口径及び芯材用開口径をそれぞれ調整して芯材の直径及び外層の厚さを第1表に示す値に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして図3に示される磁気治療具を製造した。比較例1の磁気治療具における成形体5は、図3に示されるように、芯材13と、その外周面を被覆する薄肉の外層14とを備えている。
(比較例2、3及び6)
ダイス開口径及び芯材用開口径をそれぞれ調整して芯材の直径、外層の外径及び外層の厚さを第1表に示す値に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして例えば図3に示される磁気治療具をそれぞれ製造した。
(比較例4及び5)
芯材用付加反応型シリコーンゴム組成物において、シリコーンゴムコンパウンド中のシリコーン生ゴムとの質量比(ゴム:磁性粉)が第1表に示す質量比となるように磁性粉の混合量をそれぞれ変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして磁気治療具をそれぞれ製造した。
(表面磁束密度の測定)
実施例1〜9及び比較例1〜6の磁気治療具における表面磁束密度をガウスメーター(電子磁気工業株式会社製 機種:GM4002)及びトランスバース型プローブ(電子磁気工業株式会社製 機種:T−402)を用いて測定した結果を第1表に示す。なお、比較例5及び6は表面磁束密度が25(mT)又は16(mT)と小さく、磁気治療具として十分な機能を発揮しないことが容易に予想された。
(パルミチン酸浸漬評価試験)
実施例1〜9及び比較例1〜6の磁気治療具それぞれを5検体ずつ準備して、これら5検体を100℃に保持されたパルミチン酸中に168時間にわたって浸漬した後、パルミチン酸中から取り出した。各検体の表面に付着したパルミチン酸をペーパー等で拭いて除去し、各検体に外観損傷(破れ等)があるか否かを目視にて確認した。評価は、5検体のすべての外層に破れがなく外観に損傷もなかった場合を「○」、5検体のうち少なくとも1つの検体の外層に破れがあり外観が損傷していた場合を「×」とした。これらの結果を第1表に示す。
(磁気治療具としての特性評価)
比較例4の磁気治療具は、成形体の芯材中の磁性粉含有量が多いので、非常に高い表面磁束密度を発揮したのに対して、成形体の柔軟性に欠けてフィット感も悪く、芯材と外層との接着強度が弱くて外層が剥がれやすく破れやいうえ、実用的な物性強度も小さかった。これに対して、実施例1〜9の磁気治療具は、表面磁束密度、柔軟性、フィット感、芯材と外層との接着強度及び実用的な物性強度のいずれも満足できた。
Figure 2012115617
1 磁気治療具
2、5 成形体(磁性成形体)
2A 一端部
2B 他端部
3 連結具
11、13 芯材
12、14 外層
15 第1連結具
15A 突起部
16 第2連結具
16A 凹部又は穴部

Claims (5)

  1. ゴム及び磁性粉を2.3:7.7〜0.9:9.1の質量比(ゴム:磁性粉)で含有する芯材と、ゴムを含有すると共に前記芯材の外周面に配置され、外径に対する厚さの比が0.1〜0.2である外層とを備えて成る成形体。
  2. 前記外径は、2.5〜5.5mmである請求項1に記載の成形体。
  3. 前記成形体は、前記磁性粉が着磁されている請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 請求項3に記載の成形体と、この成形体の両端部に装着された連結具とを備えて成る磁気治療具。
  5. 前記連結具は、前記成形体の一端部に装着された第1連結具と、前記成形体の他端部に装着され、前記第1連結具に着脱可能に連結する第2連結具とを備えて成る請求項4に記載の磁気治療具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016202542A (ja) * 2015-04-22 2016-12-08 信越ポリマー株式会社 磁気治療具及びその製造方法
WO2021246299A1 (ja) * 2020-06-01 2021-12-09 ピップ株式会社 磁気治療具及びその製造方法

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