JP2013000332A - 人工乳房 - Google Patents

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Noriyuki Ikeyama
紀之 池山
Toyokatsu Ozawa
豊克 小澤
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Abstract

【課題】 乳房表面の温度変化による色の変化に対応させるように自然な色変化の機能を備える人工乳房を提供することにある。
【解決手段】 軟質樹脂で形成された袋状部2と、その袋状部2の内部に封入されたジェル材3と、を備えた人工乳房1において、袋状部2の少なくとも乳房200の外面形態をなす凸曲面の乳房外層部2bは、乳房近似色を生じる顔料と、常温より高い温度で色変化を生じる示温塗料とによって着色され、さらにこの凸曲面の乳房外層部2b内に所定色に着色された短繊維からなるファイバー4が混合されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、乳房切除あとの胸部又は膨らみが不充分な胸部に装着する胸部装着型の人工乳房に関する。
従来、乳房切除後の乳房再建として、例えば広背筋皮弁再建、腹直筋皮弁再建、下腹壁動脈穿通枝皮弁再建などの手術を行っているが、この手術は大掛かりで体力的、精神的に大きな負担となる。そこで、シリコーン製の柔軟な樹脂袋状体の中にジェルを封入し、その樹脂袋状体には人の肌色に近い顔料が混入され、乳房の外観を呈する前面の裏側に形成される装着面を、乳房切除あとの胸部に粘着剤で装着する人工乳房が開発されている。
そして、一方が残存乳房で、他方が人工乳房の場合、例えば風呂(温泉等)に入った際、外形は違和感がなくても湯に浸かって体表面が暖かくなると、残存乳房の外観色は赤みをおびた肌色に変化するのに対し、人工乳房の顔料は温度によって色が変るものではないので、残存乳房と人工乳房とに、入浴時において、色に相違が生じ、人工乳房の存在が顕在化してしまう問題がある。
特許文献1には、シリコーンなどの人工補綴物である人工耳に含ませる顔料において、いわゆる示温塗料と称される、温度によって色が変化する温度変化型顔料を加え、冬場の寒い時期に赤みのさした色を呈するようにした人工耳が知られている。しかし、この技術を人工乳房に適応しても、寒いときに赤みが増すだけで実質上の利益を期待することはできない。
特許第3345364号公報
本発明の課題は、残存する乳房表面の温度変化による色の変化に対応するように自然な色変化の機能等を備える人工乳房を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の人工乳房は、軟質樹脂で形成された袋状部と、その袋状部の内部に封入されたジェル材と、を備えた人工乳房において、前記袋状部の少なくとも乳房の外面形態をなす凸曲面の乳房外層部は、乳房近似色を生じる顔料と、常温より高い温度で色変化を生じる示温塗料とによって着色され、前記凸曲面の乳房外層部に所定色に着色された短繊維からなるファイバーが混合されることを特徴とする。
上記構成とすることにより、乳房外層部は、所定色の顔料と、所定色から所定色へと温度によって色変化する示温塗料と、所定色のファイバーによる三種類の色要素によって所定色の合成色で発色できるため、合成色のバリエーションが増え、着用者の肌色に対する乳房近似色の再現性を高めることや、着用者の幅広いニーズにも対応可能とする人工乳房を提供できる。また、乳房外層部を、常温時には着用者の肌色に近似する乳房近似色に発色させ、入浴時のように常温より高い温度にさらされている状態では、示温塗料は消色されて例えば白色となるが、顔料とファイバー(例えば、ファイバーが赤色)の二種類による合成色の色となり、そのため示温塗料が白色に変色してもその白色による影響を小さくすることができ、不自然にピンク色ぽっくならず、乳房近似色が赤みを増したときの自然な色となり、乳房外層部に自然な色変化を与えることができ、着用時での周囲環境の温度変化時(例えば、通常時から入浴時での温度変化)でも安心して着用できることとなる。
また、ファイバーは、色の合成機能に加え、軟質樹脂の機械的な物性値を向上することができるため、長期使用を可能とする形状安定性を備えることができ、これによって軟質樹脂と袋状部の内部に封入されたジェル材のもつ触感的機能、乳房外層部の合成色による外観的形態、ファイバーによる形状安定性の、三種類の機能を合せもつ複合機能を有する人工乳房を提供できる。
また、乳房近似色を生じる前記顔料は少なくとも赤色の顔料と白色の顔料とを含み、前記示温塗料は黄色の示温塗料であって、常温より高い温度において黄色が消色して白色に近づくものであり、これに上記ファイバーの色を合成することができる。
例えばそのファイバーを、少なくとも赤色に着色されるものとすることにより、軟質樹脂に配合されるファイバーの赤色は、示温塗料が消色した際に乳房外層部の合成色を赤みが増すように発色させる要素となり、しかも、ファイバーは分散される形態であるため、例えば、乳房外層部の上部と下部で合成色の色に変化(グラデーション)を与えることもできる。
また、前記乳房外層部内には前記顔料と前記示温塗料とが予め混合されるとともに、前記乳房外層部の表面には前記顔料と前記示温塗料とが付着されることにより、乳房外層部の内部と外部とのそれぞれで、顔料と示温塗料との色の組み合せが可能となる。それにより、さらに色調整のバリエーションが増え、着用者の肌色に対する乳房近似色の再現性を高めることや、着用者の幅広いニーズにも対応可能とする人工乳房を提供できる。
また、前記ファイバーとして、繊維長が1.0〜5.0ミリ、太さが6〜15デニールのものを用いることにより、軟質樹脂であるシリコーンゴムに対する分散性が良好となり、凝集体としてのダマも発生しにくく、乳房外層部全体の色ムラも発生しにくくなる。しかも、シリコーンゴムとして機械的な物性値を高めることができ、長期使用の可能な人工乳房を提供できる。
人工乳房の正面図である。 人工乳房の平面図である。 人工乳房の側面図である。 図3の人工乳房の概略断面図である。 人工乳房の乳房外層部の断面の一部を拡大した模式図である。 着用者の乳房欠損状態を示す図である。 人工乳房において乳房外層部の表面に補助色層を形成する状態を示す図である。 合成色の温度による変化を示す変色模式図である。 乳房欠損箇所へ人工乳房を装着又は脱着の過程を示す図である。 乳房欠損箇所への人工乳房の装着状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は人工乳房1の正面図である。図2は人工乳房1の平面図である。図3は人工乳房1の側面図である。図4は人工乳房1の側面の概略断面図である。図5は人工乳房1の乳房外層部2bの一部を拡大した模式図である。
図1〜図4において、人工乳房1は乳がん等において乳房を切除した後の胸部における乳房欠損個所100(図6参照)を補うように、又は膨らみが不充分な胸部を補うように医療用材料である粘着剤301(図9)を介して装着するものであり、軟質樹脂(例えばシリコーンゴム)で形成され、かつ、図4に示すように着色された袋状部2と、その袋状部2の内部に封入されたジェル材3(例えばシリコーンゲル)とを備えている。なお、乳首部1cは別体成形したものを接着したり、一体成形することも可能である。
袋状部2は乳房欠損個所100に装着するために、所定の厚みで成形した基層部2aと、表面の凸曲面が乳房近似形態で形成され、かつ、所定の厚みで成形した乳房外層部2bとから構成される。
この基層部2aおよび乳房外層部2bは軟質樹脂によってそれぞれ別体成形される。そして、基層部2aの外側2a1と乳房外層部2bの外側2b1とを接着固定することにより中空状の袋状部2が形成される。ただしブロー成形等により一体で成形された袋状部2でもよい。
この袋状部2の中空個所がジェル材3の封入部2cとなり、該封入部2cにジェル材3を封入することにより人工乳房1となる。
このような外観形態を呈する人工乳房1は、色変化機能と、柔軟性、弾力性、感触性などの触感的機能と、長期使用を可能とする形状安定機能などの複合的機能を有している。
人工乳房1の乳房外層部2bを成形する素材の軟質樹脂には、当該軟質樹脂を着色するための一般的な着色剤(非熱変色性)としての所定色の顔料が使用される。
また、乳房外層部2bの着色には、示温塗料が併用される。この示温塗料として、感温変色性色彩記憶性組成物や、それを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が使用される。
この示温塗料は、温度変化により大きなヒステリシス特性を示して発色−消色(白色)の可逆的変色を呈し、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、発色状態と消色状態のいずれかを互変的、かつ、可逆的に保持するものである。
また、図5は乳房外層部2bの一部を拡大した模式図であり、この図に示すように、一般的な着色剤(非熱変色性)としての顔料および示温塗料と併用して、短繊維からなるファイバー4(例えばセルロースの短繊維物)が使用される。このファイバー4は自身も、一般的な着色剤(非熱変色性)としての所定色の顔料によって着色されている。
そして、乳房外層部2bを成形するための硬化前の所定色に着色される軟質樹脂中に、この着色されたファイバー4を軟質樹脂中に均一分散混合させることにより、成形後の乳房外層部2bの外部から目視によって視認される外観色としては、顔料と示温塗料によって着色された軟質樹脂が発色する色と、その着色された軟質樹脂内において分散状態の着色されたファイバー4が発色する色との、三色による合成色となる。
ところで、示温塗料を用いず温度で変化しない顔料により人工乳房を肌色近似色に着色する場合、赤色と黄色と白色の3色の組み合わせを主体として肌色を表現する。その際、体表面の温度変化によって赤みが増すようにする手法として、赤色と黄色と白色のうちの黄色顔料を温度変化型のいわゆる示温塗料で置換し、温度が上昇した時、黄色が温度上昇により抜けることで、赤色がある程度強調され、一応は赤みを増すように見せることができる。しかし、赤色と白色(温度変化で黄色が抜けた結果の白色)と白色(もともと温度変化しない白色)との合体でピンク色ぽっくなり、温度上昇による残存乳房の赤色変化と、人工乳房のピンク色変化とが必ずしも合致せず違和感を生じ易くなるが、本発明においては、温度上昇する人工乳房も例えば、赤色の顔料と黄色が抜けた示温塗料と例えば赤色に着色されたファイバーにより、ピンク色より赤味が深まり、残存乳房の色と比べて違和感がなくなる。
また、図7(a)に示すように、乳房外層部2bの表面に所定色の顔料や所定色の示温塗料を付着させて補助色層2b2を形成することも可能である、この補助色層2b2は、顔料や示温塗料を刷毛塗り、エアーブラシなどで所定膜厚となるように塗布して膜状に形成される。なお、この補助色層2b2は図7(b)の極太線のように断続的に形成したり、一点破線のように連続的に形成することも可能である。
また、図7(b)において、上部1aと下部1bに合成色として変化をもたせることもできる。例えば、ファイバー4を均一分散させた乳房外層部2bの肉厚を上部1aと下部1bとで肉厚差を有するように形成することにより、肉厚が厚い個所ではファイバー4の分散量としては多くなり、その分をファイバー4の所定色を後述するように赤色にすると、合成色としての乳房近似色や示温塗料が消色した際の合成色がより一層、赤みが増した色となる。また、その反対に、肉厚を薄くすれば、その薄い個所ではファイバー4の分散量としては少なくなり、その分をファイバー4の所定色を後述するように赤色にすると、合成色としての乳房近似色や示温塗料が消色した際の合成色が赤みが減った色となる。
図8は合成色の温度による変化を示す変色模式図である。この図のようにその合成色としては、着用者の残存する乳房200の皮膚色に近似させるものであり、着用者の生活状態において、着用者の皮膚色の肌色が赤みを増すようになるといわれている、例えば入浴時の温度(38℃〜43℃程度)よりも低い周囲環境での生活状態を基準(皮膚温度の理想としての理想温度32℃〜34℃)として、その生活環境温度で呈する合成色を乳房近似色としている。
人工乳房1を成形するための軟質樹脂としては、室温硬化型のシリコーンゴム、いわゆる1液付加反応型RTVシリコーンゴム、主剤と硬化剤との混合による2液付加反応型RTVシリコーンゴムなどがある。このシリコーンゴムの例として、「米国、ファクター2社製:VST−30、VST−50、VST−50F、VST−50HD、A−2000」、また、「東レ・ダウコーニング社製:SH9555RTV、9556RTV、MDX4−4210」、また、「モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製:TSE3453、TSE3456T、TSE3475T、TSE3431、YE5626」、また、「信越化学工業社製:KE−1308、KE−1300T、KE−1310ST、KE−1314−2、KE−1316、KE−1310ST、KE−1600、KE−1603(A/B)、KE−1606、SIM―260、SIM―240」、また、「旭化成ワッカーシリコーン社製:DENTAL ADS931 A/B、M4600A/B、M4641A/B、M4644A/B、M4645A/B、P7613A/B、P7664A/B」などを挙げることができる。室温(常温とも言われ、その温度は日本工業規格(JISZ8703)では20℃±15℃とされている)でゴム状に硬化することにより人工乳房1が得られる。
また、ジェル材3としてのシリコーンゲルは、シリコーン基本構成単位が連鎖となったシリコーンポリマーのうち、低架橋密度のものであって、弾性率が10N/m以下のものである。耐熱安定性があり硬化収縮が小さい等の点から、付加反応型が好適である。
例えば、硬化後において、JISに規定されている針入度が20〜100の範囲の硬さのものから任意に選択することができるが、シリコーンゲルの硬さの点からは、40〜70の範囲のシリコーンゲルを用いることが望ましい。なお、硬さが20より小さくなると、シリコーンゲルが硬くなってしまい、一方、硬さが100を越える場合には、軟らかすぎて取扱いが困難となる。
このシリコーンゲルの例としては、「信越化学工業社製:KE1051J(A/B)、KE1052(A/B)」、また、「東レ・ダウコーニング社製:Sylgard527A/B、MG7―9900A/B、MG7―9850A/B、MG7―9800A/B、MG7―9700A/B、MG7―9600A/B」、また、「モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製:TSE3062A/B、TSE3070A/B、YE5818A/B」、また、「旭化成ワッカーシリコーン社製:SilGel612A/B、ELASTOSILP7616−195A/B」などを挙げることができる。
また、乳房外装部2bに使用する顔料の例として、「米国、ファクター2社製:FE−235、FE−202、FE−200、FE−228」、「信越化学工業社製性:K−COLOR−R20、K−COLOR−W10、K−COLOR−BL70、K−COLOR−Y40」、または、「モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製:ME50−M、ME50−R2、ME50−W、ME50−Y」などを挙げることができる。
また、示温塗料としてのマイクロカプセル顔料は、その平均粒子径として0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは、1〜20μmの範囲がよい。このマイクロカプセル顔料は、最大外径の平均値が、50μmを越えると、軟質樹脂中への混合に際して、分散安定性が欠け、均一化しにくくなる。一方、最大外径の平均値が0.5μm以下では、高濃度の発色性を示し難くなる。
この示温塗料の例として、「記録素材総合研究所社製:サーマルカラー ORシリーズ」、「パイロットインキ社製:メタモカラー」などを挙げることができる。
また、ファイバー4は、短いわた状の繊維であり、繊維形成能を有するのであれば特別に限定されず、例えば、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類、アクリロニトリル類、レイヨン、セルロースなどが挙げられるが、本発明においては、特にシリコーンゴムに対する分散性の繊維特性の観点からセルロースやレイヨンが好ましく用いられる。
このファイバー4の例としては、「米国、ファクター2社製:FLOKING(毛屑)」が挙げられる。このファイバーは、繊維長が1.0〜5.0ミリ、太さが6〜15デニールのものである。また、人工乳房1を成形するためのシリコーンゴム100重量%に対して、0.1〜2.0重量%、好ましく0.5〜1.0重量%で配合される。
繊維長が1.0〜5.0ミリ、太さが6〜15デニールに設定されているので、シリコーンゴムの柔軟性、弾力性、感触性などの触感的機能の品質低下が防止され、かつ、繊維物の分散性が損なわれない。また、繊維長が1.0ミリ未満と短いと補強材として機能しなくなり、5.0ミリを越える程度に長すぎるとシリコーンゴムの触感的機能が損なわれる。また、太さが6デニール未満のように細いと補強材として機能しなくなり、15デニールを越える程度に太すぎるとシリコーンゴムの触感的機能が損なわれる。また、配合割合が0.1(0.5)重量%未満では、色補正機能が不充分で、また補強材として機能しにくくなり、2.0(1.0)重量%を越えると、シリコーンゴムの触感的機能が損なわれるとともに、補正色が強く出すぎることとなるので上記範囲が望ましいと言える。
人工乳房1は、それぞれ個別にシリコーンゴムによって成形される基層部2aと乳房外層部2bとを接着一体化させた後、乳房外層部2bと基層部2aとによって画成される封入部2cにジェル材3を封入することにより人工乳房1が製作され、その後、図9、10に示すように、着用者の乳房欠損箇所100若しくは基層部2aに粘着剤301を塗布し、この粘着剤301を介して乳房欠損箇所100に基層部2aを接着させて人工乳房1を装着する。
この粘着剤301の例として、「東レ・ダウコーニング社製:MD7−4502 SILICONE ADHESIVE、MD7−4602 SILICONE ADHESIVE」、「ホリスター社製:Medical Adhesive Spray」、「ADM Tronics社製:PROS―AIDE」、「Daro社製:Adhesive」などが挙げられる。
なお、この人工乳房1は、基層部2aと乳房欠損箇所100との間に図示しない剥離剤を浸透させるように与えることにより外すことができる。なお、剥離剤としては、「スミス・アンド・ネフュー社製:リムーブ」、「アルケア社製:プロケアリムーバー」、「住友スリーエム社製:皮膚用リムーバー」などが挙げられる。
成形におけるシリコーンゴムには、乳房近似色を生じるために、顔料としては少なくとも赤色の顔料と白色の顔料とを含み、また、示温塗料は常温(生活基準環境での周囲温度20℃〜30℃)での発色は黄色であって、この常温(生活基準環境での周囲温度)より高い温度において黄色が消色して白色に近づくものである。また、ファイバー4は、少なくとも赤色に着色されるものである。
なお、乳房近似色には着用者の個体差によって、この合成色とするための顔料の色と、示温塗料の発色した状態の色と消色した状態の色と、ファイバー4の色との三色が組み合わさるものであり、顔料、示温塗料、ファイバー4の使用量、すなわち配合割合の選択枝を増やすことができるため、合成色のバリエーションが増え、着用者の肌色に対する乳房近似色の再現性を高めることや、着用者の幅広いニーズにも対応可能となる。
このように各種色を組み合せた合成色を着用者の乳房200の肌色に近づけるため、乳房外層部2bを成形する軟質樹脂によって乳房近似色の判断用の色見本としてのサンプルを製作することにより、着用者の好みなども取り入れた人工乳房1が製作できることとなる。
(実施例)
人工乳房1を構成する乳房外層部2bの製作例としては、シリコーンゴム(米国、ファクター2社製:VST−30)100重量%に対して、顔料(米国、ファクター2社製:顔料)0.5〜2.0重量%、示温塗料(記録素材総合研究所社製:サーマルカラー OR−40+OR−35)0.5〜2.0重量%、ファイバー(米国、ファクター2社製:FLOKING(セルロース))0.1〜2.0重量%を混合して乳房外層部2b成形用の着色シリコーンゴムを調整した。
その後、この着色シリコーンゴムを用いて乳房外層部2bを成形し、また、同様なシリコーンゴム(米国、ファクター2社製:VST−30)を用いて基層部2aを成形し、この乳房外層部2bと基層部2aとを接着剤302としての(米国、ファクター2社製:VST−30)によって接着結合させて袋状部2(図4参照)を製作した。この袋状部2の注入部2c内にジェル材3(ブルースターシリコーンズ社製:SILBION RT Gels 4712 A/B)を注入して人工乳房1を製作した。
この人工乳房1の発色する合成色の変色前後の色を、JISZ8722の色の測定方法に基づいて測定した結果、変色前は着用者の乳房200の皮膚色に近似するものと確認できた。また、変色後は近似色に白っぽくない赤みが増した色となることが確認できた。
ファイバー4の配合による乳房外層部2bの一般物性をJISK6253のゴムの硬度測定に基づいたタイプAデユロメータで測定した結果、ファイバー4の配合による硬度が5〜10%増加することが確認されたが、この範囲に抑えられることによってシリコーンゴムの柔軟性、弾力性、感触性などの触感的機能の品質低下が防止され、長期使用を可能とする形状安定性を備えたものとなった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、各々の実施の形態は、本発明の説明のために一つ実施形態の部分として述べられている構成を、別の実施の形態において利用し、更にこれらを組み合わせて別の実施の形態とすることができる。
1 人工乳房
2 袋状部
2a 基層部
2b 乳房外層部
3 封入部
4 ファイバー
200 乳房

Claims (5)

  1. 軟質樹脂で形成された袋状部と、その袋状部の内部に封入されたジェル材と、を備えた人工乳房において、
    前記袋状部の少なくとも乳房の外面形態をなす凸曲面の乳房外層部は、乳房近似色を生じる顔料と、常温より高い温度で色変化を生じる示温塗料とによって着色され、
    さらに前記凸曲面の乳房外層部内に所定色に着色された短繊維からなるファイバーが混合されることを特徴とする人工乳房。
  2. 乳房近似色を生じる前記顔料は少なくとも赤色の顔料と白色の顔料とを含み、
    前記示温塗料は黄色の示温塗料であって常温より高い温度において黄色が消色して白色に近づくものである請求項1に記載の人工乳房。
  3. 前記ファイバーとして、少なくとも赤色に着色されるものである請求項1又は2に記載の人工乳房。
  4. 前記乳房外層部内には前記顔料と前記示温塗料とが予め混合されるとともに、前記乳房外層部の表面には前記顔料と前記示温塗料とが付着される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の人工乳房。
  5. 前記ファイバーとして、繊維長が1.0〜5.0ミリ、太さが6〜15デニールのものが用いられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の人工乳房。
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